JP5527465B2 - ロッキングピストンのシール構造 - Google Patents

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この発明は、圧縮機のシリンダ内を揺動しつつ摺動自在に配置されたロッキングピストンのシール構造に関するものである。
従来、圧縮機に使用されるピストンとして、クランク軸に連結したコネクティングロッドによりシリンダ内を揺動しながら往復するロッキングピストンが知られている。こうしたロッキングピストンにおいては、ピストンロッドの先端部にリップリングが設けられ、このリップリングによりシリンダとピストンロッドとの間をシールするようになっている。
このリップリングのシール性能は、使用を継続するにつれて低下する。すなわち、リップリングは、圧縮熱やシリンダ壁面への押し付け荷重による影響を受けて変形したり、継続使用によって摩耗したりするため、リップリングのシール性能が低下し、圧縮効率が低下していく。
このようにリップリングのシール性能が低下した場合でも、連続稼動状態においては、圧縮熱によってリップリングが熱膨張するため、シール性能を保つことができる。しかしながら、初期起動状態や、リップリングも冷却されている寒冷地で使用する場合は、リップリングが熱膨張するまでシール性能が低下するという問題がある。また、出力の小さいモータを使用した場合や、静音のためにモータの回転数を低下させた場合などは、ピストンの上下動が緩慢になるため、リップリングの隙間から漏れ出る空気によってリップリングが冷却されてしまい、シール性能が向上しづらいという問題がある。
こうした問題を解決するために、特許文献1記載の発明においては、付勢部材によりピストンリングのリップ部をシリンダに向かって付勢し、ピストン本体とシリンダとの間をシールする構成が開示されている。
特開平09−068279号公報
ところで、上記したようなロッキングピストンにおいては、ピストン部がシリンダ内で揺動することにより、ピストン部とシリンダとの間のスペースが変化するため、柔軟なリップリングが使用されることが多い。そのため、このようなロッキングピストンを高圧の圧縮機に採用すると、柔軟なリップリングは高圧の荷重に耐えられずに変形するので、リップリングとシリンダとの間のスペースから空気が漏れて圧縮効率が低下する。よって、従来の圧縮機においては、ロッキングピストンは低圧用の圧縮機に採用されるものであり、高圧用の圧縮機には採用されないことが多かった。
その半面、ロッキングピストンは構造が簡単であるから、故障も少なく、安価でもある。したがって、高圧の圧縮機に採用することができるように改善が望まれていたが、このためには肉厚のリップリングを使用する必要がある。
しかしながら、上記した特許文献1記載の発明においては、ピストン本体とシリンダとの間をシールするピストンリングは、円環状の平坦な板状体に形成されたものであり、バックアップリング(付勢部材)を内方に向けて押圧するように、リップ部を上側に折り曲げて変形させたものである。このため、バックアップリング(付勢部材)は、ピストンリングの折り曲げ部付近を付勢することになるため、柔軟なピストンリングであれば付勢可能であるが、ある程度厚みのあるピストンリングには向かないものであった。
そこで、本発明は、変形や摩耗によりシール性能が低下したリップリングを寒冷地などで使用した場合でも、確実にピストン本体とシリンダとの間をシールできるとともに、高圧用の圧縮機にも使用可能なロッキングピストンを提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
すなわち、圧縮機のシリンダ内をピストンロッドが揺動しつつ摺動するロッキングピストンのシール構造において、前記ピストンロッドの先端部に、前記シリンダと前記ピストンロッドとの間をシールするためのリップリングを備え、前記リップリングは、円環板状の底部の全周縁からリップ部が立設したものであって、前記リップ部の内側に、前記リップ部の高さ方向上部側において前記リップ部を外側に押し広げる拡張部材を設け、前記拡張部材は、熱膨張により前記リップ部を外側に押し広げるリング状の非金属部材であり、この非金属部材は、前記ピストンロッドの先端部に設けられた円盤状のリング押えの外周に配置されるとともに、このリング押えよりも線膨張係数が大きい材料で形成されていることを特徴とする。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記非金属部材は、前記リップ部の厚みと比較して幅厚に形成されていることを特徴とする。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記非金属部材は、前記ピストンロッドが空気を圧縮した際の空気圧により弾性変形し、前記リップ部を外側に押し広げることを特徴とする。
本願発明は上記の通りであり、円環板状の底部の全周縁からリップ部が立設したリップリングを備えることとしたため、リップ部に厚みを持たせることが可能となっている。しかも、このリップリングのリップ部の高さ方向上部側においてリップ部を外側に押し広げる拡張部材を設けたため、厚みのあるリップ部であっても、自由端付近においてリップ部を押し広げることができ、確実にピストン本体とシリンダとの間をシールできる。このため、高圧の圧縮機であっても、安価で故障の少ないロッキングピストンを採用することができるとともに、変形や摩耗によりシール性能が低下したリップリングを寒冷地などで使用した場合でも、確実にピストン本体とシリンダとの間をシールすることができる。
また、請求項1に記載の発明は上記の通りであり、前記拡張部材として、熱膨張によりリップ部を外側に押し広げるリング状の非金属部材を用いることとした。そして、この非金属部材は、ピストンロッドの先端部に設けられた円盤状のリング押えの外周に配置するとともに、このリング押えよりも線膨張係数が大きい材料で形成した。このため、熱膨張が促進されて、シール性能の向上が従来よりも早く実現できる。
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、前記非金属部材は、前記リップ部の厚みと比較して幅厚に形成されている。このため、更に熱膨張が促進されて、シール性能の向上が従来よりも早く実現できる。
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、前記非金属部材は、ピストンロッドが空気を圧縮した際の空気圧により弾性変形し、リップ部を外側に押し広げることとした。このため、熱膨張に加えて圧力による潰れでシール性能を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態であって、ロッキングピストンの縦断面図である。 本発明の第1の実施形態であって、ピストンロッドの先端部の縦断面一部拡大図である。 本発明の第1の実施形態であって、リングばねの(a)側面図(b)平面図である。 本発明の第1の実施形態であって、ピストンロッドの先端部の横断面図(図2のX−X'断面図)である。 本発明の第1の実施形態の変形例であって、変形例に係るリングばねの(a)側面図(b)平面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例であって、別の変形例に係るリングばねの(a)側面図(b)平面図である。 本発明の第2の実施形態であって、ピストンロッドの先端部の縦断面一部拡大図である。 本発明の第2の実施形態であって、略冠状部材の(a)平面図(b)側面図である。 本発明の第2の実施形態であって、シール構造部分の縦断面一部拡大図である。 本発明の第3の実施形態であって、ピストンロッドの先端部の縦断面一部拡大図である。 本発明の第3の実施形態であって、(a)通常時のシール構造部分の縦断面一部拡大図、(b)圧縮時のシール構造部分の縦断面一部拡大図である。 本発明の第3の実施形態の変形例であって、ピストンロッドの先端部の一部拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態であって、ピストンロッドの先端部の一部拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態であって、(a)通常時のシール構造部分の縦断面一部拡大図、(b)圧縮時のシール構造部分の縦断面一部拡大図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1〜6を参照しながら説明する。
(ロッキングピストンの基本構造)
本実施形態に係るロッキングピストンは、圧縮機内に設けられるものであり、図1に示すように、シリンダ10内にピストンロッド11を収容したものである。
ピストンロッド11は、シリンダ10内を揺動しつつ摺動可能に形成されたものであり、このピストンロッド11の先端部13には、皿状のピストン部が形成されている。また、このピストンロッド11の基部(大端部)の偏心位置に形成した軸受孔12には、圧縮機本体に設けられたクランクシャフト(図示せず)が軸受けされており、このクランクシャフトは、圧縮機本体に設けられた回転駆動装置(図示せず)に作動連結されている。
このため、回転駆動装置を作動させることにより、クランクシャフトを回転させ、これによってピストンロッド11の基部を偏心運動させて、ピストンロッド11の先端部13が摺動方向(図1における方向D1)に往復運動をするようになっている。すなわち、本実施形態に係る圧縮機は、クランクシャフトの回転によりピストンロッド11を往復動させてシリンダ10内に取り込まれた大気を圧縮し、圧縮空気で作動する各種装置や工具に向けて送出させるようになっている。
ところで、本実施形態に係るピストンロッド11は、図1に示すようにピストン部が一体的に設けられている。このため、上記したようなピストンロッド11の往復運動に伴い、ピストンロッド11の先端部13は摺動方向と直交する方向(図1における方向D2)に揺動することになる。
本実施形態においては、図2に示すように、ピストンロッド11の先端部13の外周には、ピストンロッド11とシリンダ10との間をシールするリップリング20が取り付けられており、このリップリング20によって、シリンダ10とピストンロッド11との間の間隙がシールされるようになっている。このため、ピストンロッド11の先端部13が揺動することによって発生する間隙も、リップリング20が弾性変形することによってシールされるようになっている。
このリップリング20は合成樹脂、合成ゴム等の具体的にはポリテトラフルオロエチレン又は変成ポリテトラフルオロエチレン、銅又は青銅合金粉末、球状炭素又は炭素繊維、二酸化モリブデンの成分構成からなる非金属材料から形成され、全周にわたって切れ目がなく連続した円環状の部材である。具体的には、リップリング20は、円環板状の底部21の全周縁からリップ部22が立設した形状をしている。図2に示すように、本実施形態においては、シリンダ10とピストンロッド11との間をしっかりとシールできるように形成されている。
また、このリップ部22の内側には、後述するように、リップ部22の高さ方向先端側においてリップ部22を外側に押し広げる拡張部材が設けられており、これにより、リップ部22のシール性能を向上させるようになっている。
なお、図2に示すように、上記したリップリング20は、ピストンロッド11の上面にリング押え23で固定されている。すなわち、ピストンロッド11の上面に形成された凹部にはリング押え23が嵌合しており、このリング押え23は上方から挿通された固定用ボルト28によってピストンロッド11の上面に固定されている。そして、リップリング20は、このリング押え23とピストンロッド11との間に挟まれて固定されている。
このリング押え23の下部周縁部には、図2に示すように、全周に渡ってリップリング20との間に間隙が設けられている。このため、リップリング20は、拡張部材によって押し広げられたときに、リップ部22の立ち上がり基部から外側に押し広げられるように変形することができ、ピストンロッド11とシリンダ10との間を確実にシールする。
このように、本実施形態によれば、円環板状の底部21の全周縁からリップ部22が立設したリップリング20を備えているため、リップ部22に厚みを持たせることが可能となっている。しかも、このリップリング20のリップ部22の高さ方向上部側においてリップ部22を外側に押し広げる拡張部材を有するため、厚みのあるリップ部22であっても、高さ方向先端側すなわち自由端付近においてリップ部22を押し広げることができ、確実にピストンロッド11とシリンダ10との間をシールできるようになっている。このため、高圧の圧縮機であっても、安価で故障の少ないロッキングピストンを採用することができるとともに、変形や摩耗によりシール性能が低下したリップリング20を寒冷地などで使用した場合でも、確実にピストンロッド11とシリンダ10との間をシールできるようになっている。
(シール構造の詳細)
次に、本実施形態に係るシール構造の詳細について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係るシール構造は、リップ部22の高さ方向上部側においてリップ部22を外側に押し広げるリングばね30を拡張部材として設けたことを特徴とするものである。
このリングばね30は、図3に示すように、周方向の一部が欠けた形状であり、切断部31を有するC字形となっている。このリングばね30は、図2及び図4に示すように、リング押え23の外周面に形成された周溝24に嵌め込まれて使用される。このとき、リング押え23の周溝24は、周方向の一部が溝を形成しておらず、非溝部25となっている。このため、この非溝部25の位置にリングばね30の切断部31が配置されるように嵌め込むことができ、リングばね30を配置する方向が決定できるようになっている。なお、この非溝部25は、図4に示すように、ピストンロッドの揺動方向D2における一方側周縁に設けられており、すなわち、リングばね30は、切断部31がピストンロッドの揺動方向D2となるように配置されることになる。
リングばね30の外周径は、リングばね30が接するリップ部22の内周径よりもやや大きく形成されており、これにより、周溝24に嵌め込まれたリングばね30は、リップ部22を外側に押し広げるように形成されている。
ところで、リップ部22の内側に設けられたリングばね30は、リップ部22によって内側に押圧されることとなるため、切断部31が閉じるように縮径することとなる。リングばね30は、通常時においては略真円であるが、切断部31が閉じるように縮径すると、切断部31上を長軸が通るような略楕円形状に変形するようになっている。リングばね30は、上記したように非溝部25がピストンロッド11の揺動方向D2にくるようにリップ部22の内側に設けられているため、略楕円形状の長軸方向がピストンロッド11の揺動方向D2となるように変形することになる。
ここで、ピストンロッド11とシリンダ10との間のスペースが変化するのはピストンロッド11の揺動方向D2であるため、この揺動方向D2におけるピストンロッド11とシリンダ10との間が最もシール性能が要求されるものである。本実施形態によれば、この最もシール性能が要求される揺動方向D2にリングばね30の略楕円形状の長軸がくるようになっているため、揺動方向D2において最も強くリップ部22が外側に押し広げられることととなり、確実にピストンロッド11とシリンダ10との間をシールすることができるようになっている。
なお、本実施形態に係るリングばね30としては、上記したような形状のものに限らない。例えば、図5に示すように、切断部31の両端を内側に折り曲げた形状のものを用いても良いし、図6に示すように、切断部31の両端が重なった形状のものを用いても良い。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図7〜9を参照しながら説明する。本第2の実施形態の特徴点は、第1の実施形態のリングばね30に代えて、略冠状部材40を拡張部材として用いた点にある。
ここで、第2の実施形態におけるロッキングピストンの基本構造は、上記した第1の実施形態と同様であるので、同一となる説明を省略し、本実施形態の特徴点のみ述べることとする。すなわち、本実施形態は、第1の実施形態とは異なるロッキングピストンのシール構造を備えているため、この点のみ説明することとする。
図7に示すように、本実施形態に係るシール構造は、リップ部22の高さ方向上部側においてリップ部22を外側に押し広げる略冠状部材40を設けたことを特徴とするものである。
この略冠状部材40は、図8に示すように、環状に形成された基部41の周縁から複数の起立片42を立ち上げてなるものであり、この複数の起立片42は、開放端43側に向かって漸次外側に拡開するように形成されて板ばねとなっている。この略冠状部材40の基部41は、図9に示すように、リング押え23の下面とリップリング20の底部21との間に挟まれており、これにより、略冠状部材40がリップリング20の内周に沿うように固定されている。
この略冠状部材40の起立片42の開放端43は、図9に示すように、リップ部22の端縁よりも上方に突出するようになっている。また、この起立片42の開放端43側の外周径は、リップ部22の端縁の内周径よりもやや大きく形成されており、これにより、略冠状部材40の起立片42は、リップ部22の端縁を外側に押し広げるように形成されている。
このように、本実施形態によれば、複数の起立片42のそれぞれが別個にリップ部22に荷重を与えることが可能となっており、ピストンロッド11の揺動により変形するリップ部22の形状に追従して荷重を与えることが可能となっている。このため、確実にピストンロッド11とシリンダ10との間をシールすることができる。
なお、上記した実施形態においては、略冠状部材40の起立片42の開放端43がリップ部22の端縁よりも上方に突出するように形成したが、これに限らない。すなわち、略冠状部材40の起立片42は、リップ部22の高さ方向上部側においてリップ部22を外側に押し広げるものであればよく、リップ部22の端縁よりも下方においてリップ部22を外側に押し広げるものであってもよい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図10〜12を参照しながら説明する。本第3の実施形態の特徴点は、第1の実施形態のリングばね30に代えて、リング状の金具50を拡張部材として用いた点にある。
ここで、第3の実施形態におけるロッキングピストンの基本構造は、上記した第1の実施形態と同様であるので、同一となる説明を省略し、本実施形態の特徴点のみ述べることとする。すなわち、本実施形態は、第1の実施形態とは異なるロッキングピストンのシール構造を備えているため、この点のみ説明することとする。
図10に示すように、本実施形態に係るシール構造は、リップ部22の高さ方向上部側においてリップ部22を外側に押し広げるリング状の金具50を設けたことを特徴とするものである。
このリング状の金具50は、図10に示すように、断面形状台形の切れ目のないリング状部材であり、外周面が先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されている。このリング状の金具50は、図11に示すように、リング押え23の外周面に形成された周溝24に嵌め込まれて使用される。なお、リング押え23の周溝24は、第1の実施形態とは異なり、全周に渡って形成されるものである。
ここで、リング押え23の周溝24は、図11に示すように、リング状の金具50の高さ(ピストンロッドの摺動方向D1における幅)よりも大きい幅で形成されている。このため、リング状の金具50は、周溝24内をリップ部22の内周面52に沿って摺動可能となっている。
なお、リップ部22の内周面も、図11に示すように、先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されており、このリップ部22のテーパ面の最大内径(先端側の内径)よりも、前述したリング状の金具50のテーパ面の最小外径(反先端側の外径)の方が大きく形成されているため、通常時においては、図11(a)に示すように、リング状の金具50は、周溝24の上部に位置するようになっている。
そして、ピストンロッド11が往復運動を開始し、ピストンロッド11が圧縮方向(図11の上方向)に摺動したときに、前記したリング状の金具50は、吸気工程から圧縮工程に移行したときの慣性により、図11(b)に示すように、反先端方向に摺動してリップ部22を外側に押し広げるようになっている。そして、反先端方向に摺動したリング状の金具50は、圧縮工程にある間は空気圧によってシール位置を持続させ、吸気工程に入ったときの慣性により、図11(a)の位置へと戻る。
このように、本実施形態によれば、シール性能が要求される圧縮動作時に確実にピストンロッド11とシリンダ10との間をシールすることができるようになっている。
なお、上記した実施形態においては、リング状の金具50の外周面51とリップ部22の内周面とのいずれもが、先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されていることとしたが、これに限らない。すなわち、図12に示すように、リップ部22の内周面上部のみを先端側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成すれば良いのであって、たとえば図11において、リップ部22の内周面を真直状にして、リップ部22の内周面上部とリング状の金具50の外周面51と当接する形状でも良い。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図13及び14を参照しながら説明する。本第4の実施形態の特徴点は、第1の実施形態のリングばね30に代えて、非金属部材60を拡張部材として用いた点にある。
ここで、第4の実施形態におけるロッキングピストンの基本構造は、上記した第1の実施形態と同様であるので、同一となる説明を省略し、本実施形態の特徴点のみ述べることとする。すなわち、本実施形態は、第1の実施形態とは異なるロッキングピストンのシール構造を備えているため、この点のみ説明することとする。
図13に示すように、本実施形態に係るシール構造は、リップ部22の高さ方向上部側においてリップ部22を外側に押し広げる非金属部材60を設けたことを特徴とするものである。
この非金属部材60は、図13に示すように、切れ目のないリング部材であり、熱膨張によりリップ部22を外側に押し広げるものである。
この非金属部材60は、リング押え23の外周面に形成された周溝24に嵌め込まれて使用されるものである。なお、リング押え23の周溝24は、第1の実施形態とは異なり、全周に渡って形成されるものである。
この非金属部材60の外周径は、非金属部材60が接するリップ部22の内周径よりもやや大きいか、同程度に形成されており、これにより、周溝24に嵌め込まれた非金属部材60が圧縮熱で熱膨張したときに、リップ部22を外側に押し広げるように形成されている。
しかも、この非金属部材60は、リング押え23よりも線膨張係数が大きい材料で形成されているため、熱膨張が促進されて、シール性能の向上が従来よりも早く実現できるようになっている。
また、図14(a)に示すように、非金属部材60の厚みT1は、リップ部22の厚みT2と比較して幅厚となるように形成されている。このため、更に熱膨張が促進されて、シール性能の向上が従来よりも早く実現できるようになっている。
また、図14(b)に示すように、非金属部材60は、ピストンロッド11が空気を圧縮した際の空気圧により弾性変形し、リップ部22を外側に押し広げるようになっている。このため、熱膨張に加えて圧力による潰れでシール性能を向上させることができるようになっている。
このように、本実施形態によれば、非金属部材60の熱膨張によりピストンロッド11とシリンダ10との間をシールするとともに、シール性能の向上させるための様々な工夫が凝らされているため、確実にピストンロッド11とシリンダ10との間をシールすることができるようになっている。
10 シリンダ
11 ピストンロッド
12 軸受孔
13 先端部
20 リップリング
21 底部
22 リップ部
23 リング押え
24 周溝
25 非溝部
28 固定用ボルト
30 リングばね(拡張部材)
31 切断部
40 略冠状部材(拡張部材)
41 基部
42 起立片
43 開放端
50 リング状の金具(拡張部材)
51 リング状の金具の外周面
52 リップ部の内周面
60 非金属部材(拡張部材)
D1 ピストンロッドの摺動方向
D2 ピストンロッドの揺動方向
T1 非金属部材の厚み
T2 リップリングの厚み

Claims (3)

  1. 圧縮機のシリンダ内をピストンロッドが揺動しつつ摺動するロッキングピストンのシール構造において、
    前記ピストンロッドの先端部に、前記シリンダと前記ピストンロッドとの間をシールするためのリップリングを備え、
    前記リップリングは、円環板状の底部の全周縁からリップ部が立設したものであって、
    前記リップ部の内側に、前記リップ部の高さ方向上部側において前記リップ部を外側に押し広げる拡張部材を設け、
    前記拡張部材は、熱膨張により前記リップ部を外側に押し広げるリング状の非金属部材であり、
    この非金属部材は、前記ピストンロッドの先端部に設けられた円盤状のリング押えの外周に配置されるとともに、このリング押えよりも線膨張係数が大きい材料で形成されていることを特徴とする、ロッキングピストンのシール構造。
  2. 前記非金属部材は、前記リップ部の厚みと比較して幅厚に形成されていることを特徴とする、請求項1記載のロッキングピストンのシール構造。
  3. 前記非金属部材は、前記ピストンロッドが空気を圧縮した際の空気圧により弾性変形し、前記リップ部を外側に押し広げることを特徴とする、請求項1又は2に記載のロッキングピストンのシール構造。
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