JP2016069674A - ピストン用球状黒鉛鋳鉄、一体型ピストン及び舶用エンジン - Google Patents

ピストン用球状黒鉛鋳鉄、一体型ピストン及び舶用エンジン Download PDF

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Abstract

【課題】強度及び硬さを維持しつつ、耐熱性及び寿命に優れたピストン用球状黒鉛鋳鉄、この球状黒鉛鋳鉄によって形成された一体型ピストン、及びこのピストンを備える舶用エンジンを提供する。
【解決手段】 実施形態のピストン用球状黒鉛鋳鉄は、質量で、C:2.7〜4.3%、Si:2.0〜3.5%、Mn:0.3〜0.8%、Mg:0.02〜0.10%、Cu:0.3〜1.0%、Cr:0.05〜0.90%、Mo:0.05〜1.00%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる。そして、C含有量及びSi含有量が、C含有量とSi含有量との関係を示す図において、(C含有量,Si含有量)で示される点A(2.7%,3.5%)、点B(3.2%,2.0%)、点C(4.3%,2.0%)、点D(3.8%,3.5%)の各点を順次結ぶ線で囲まれた組成範囲内にある。
【選択図】なし

Description

本発明の実施の形態は、ピストン用球状黒鉛鋳鉄、一体型ピストン及び舶用エンジンに関する。
従来、プレジャーボートや汽船などの小型の舶用エンジンのピストンや、タンカー船の補機や主機などの舶用エンジンのピストンとして、クラウンとスカートの二つの構成部を有する組立型ピストンや、全体が一体的に形成された一体型ピストンが使用されている。組立型ピストンにおいて、ヘッド部を構成するクラウンは、低合金鋼で形成され、スカートは鋳鉄で形成される。一方、一体型ピストンは、球状黒鉛鋳鉄で形成される。
ここで、一体型ピストンは、二つの構成部を有する組立型ピストンに比べて、製造工程の削減が図れる。さらに、球状黒鉛鋳鉄で形成される一体型ピストンは、低合金鋼を使用する組立型ピストンに比べて、製造コストが低い。一体型ピストンは、このような利点を有している。
従来の球状黒鉛鋳鉄は、従来の舶用エンジンの運転条件の下において、一体型ピストンを構成する材料として、耐熱性や寿命に関する問題を生じることなく使用されてきた。
舶用エンジンにおいては、近年、排ガス規制対応や高効率化が進められている。これにより、舶用エンジンにおいて高出力化が求められている。そのため、エンジンを構成するピストンに作用する熱負荷は上昇する。すなわち、一体型ピストンを構成する球状黒鉛鋳鉄に作用する熱負荷は上昇する。この熱負荷の上昇の下、エンジンの作動と停止を繰り返すことによって、一体型ピストン、すなわち球状黒鉛鋳鉄にかかる熱疲労は大きくなる。
特開平08−260161号公報 特開2003−83159号公報
上記した高出力化に伴う熱疲労の増大により、一体型ピストンにき裂が発生するおそれがある。すなわち、一体型ピストンを形成する従来の球状黒鉛鋳鉄では、高出力化が図られたエンジンの運転条件下において、十分な耐熱性や寿命を得ることが困難である。
本発明が解決しようとする課題は、強度及び硬さを維持しつつ、耐熱性及び寿命に優れたピストン用球状黒鉛鋳鉄、この球状黒鉛鋳鉄によって形成された一体型ピストン、及びこのピストンを備える舶用エンジンを提供することである。
実施形態のピストン用球状黒鉛鋳鉄は、質量で、C:2.7〜4.3%、Si:2.0〜3.5%、Mn:0.3〜0.8%、Mg:0.02〜0.10%、Cu:0.3〜1.0%、Cr:0.05〜0.90%、Mo:0.05〜1.00%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる。そして、C含有量及びSi含有量が、C含有量とSi含有量との関係を示す図において、(C含有量,Si含有量)で示される点A(2.7%,3.5%)、点B(3.2%,2.0%)、点C(4.3%,2.0%)、点D(3.8%,3.5%)の各点を順次結ぶ線で囲まれた組成範囲内にある。
本発明では、強度及び硬さを維持しつつ、耐熱性及び寿命に優れたピストン用球状黒鉛鋳鉄、この球状黒鉛鋳鉄によって形成された一体型ピストン、及びこのピストンを備える舶用エンジンを提供することができる。
C含有量とSi含有量との関係を示す図である。 実施の形態の球状黒鉛鋳鉄で作製された一体型ピストンの側面図である。 実施の形態の一体型ピストンを備えたディーゼルエンジンの構成を示す図である。 実施の形態の舶用エンジンを備えた船舶の側面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
以下の説明において組成成分を表す%は、特に明記しない限り質量%とする。図1は、C含有量とSi含有量との関係を示す図である。
実施の形態のピストン用球状黒鉛鋳鉄(以下、球状黒鉛鋳鉄と称する。)は、C:2.7〜4.3%、Si:2.0〜3.5%、Mn:0.3〜0.8%、Mg:0.02〜0.10%、Cu:0.3〜1.0%、Cr:0.05〜0.90%、Mo:0.05〜1.00%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる。
また、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄におけるC含有量及びSi含有量は、図1において、(C含有量,Si含有量)で示される点A(2.7%,3.5%)、点B(3.2%,2.0%)、点C(4.3%,2.0%)、点D(3.8%,3.5%)の各点を順次結ぶ線で囲まれた組成範囲内にある。なお、C含有量及びSi含有量として、各点を順次結ぶ線上も含まれる。この囲まれた範囲内における炭素当量CE(CE=C+1/3×Si)は、3.87〜4.97である。
ここで、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄における不可避的不純物としては、例えば、S、Pなどが挙げられる。これらの不可避的不純物のうち、少なくとも、Sを0.05%以下、Pを0.1%以下に抑制することが好ましい。
実施の形態の球状黒鉛鋳鉄は、基地組織の中に球状の黒鉛の結晶を備えている。この球状黒鉛鋳鉄における黒鉛の球状化率は、80%以上である。この球状化率は、JIS G5502に準拠して算出される。なお、一般に、黒鉛の球状化率が80%以上の鋳鉄が球状黒鉛鋳鉄と称される。
実施の形態の球状黒鉛鋳鉄において、黒鉛組織を除いた基地組織における炭化物の割合は、1.6%以下であることが好ましい。なお、この炭化物の割合は、次に示す平均された炭化物の割合である。
炭化物の割合は、例えば、次に示す方法で算出される。球状黒鉛鋳鉄の組織断面をナイタール腐食液で腐食させる。続いて、組織断面を顕微鏡で観察する。この際、例えば、倍率を100倍とし、5視野について観察する。各視野について画像処理を行い、炭化物が占める総面積及び黒鉛組織が占める総面積をそれぞれ算出する。
そして、黒鉛組織を除いた視野面積に対して炭化物が占める面積の割合を求める。すなわち、炭化物が占める面積を、黒鉛組織を除いた視野面積で除して、炭化物の割合を算出する。各視野に基づいて算出された炭化物の割合を算術平均して、平均された炭化物の割合を得る。
基地における炭化物は、靭性を低下させる。そのため、炭化物の割合を1.6%以下とすることで、靭性の低下が抑制される。なお、炭化物の割合は、この範囲の中でもより低いことが好ましい。
実施の形態の球状黒鉛鋳鉄は、パーライト系(パーライト主体)の球状黒鉛鋳鉄である。実施の形態の球状黒鉛鋳鉄の基地組織は、パーライト組織、フェライト組織、黒鉛組織及び炭化物で構成されている。ここで、パーライト系(パーライト主体)の球状黒鉛鋳鉄とは、黒鉛組織を除いた、球状黒鉛鋳鉄の基地組織において、パーライト組織の割合が、50%を超える球状黒鉛鋳鉄をいう。
実施の形態の球状黒鉛鋳鉄において、パーライト組織の割合は、60〜100%であることが好ましい。この範囲が好ましいのは、靭性と強度を両立させることができるからである。さらに好ましいパーライト組織の割合は、90〜100%である。なお、このパーライト組織の割合は、次に示す平均されたパーライト組織の割合である。
パーライト組織の割合は、例えば、次に示す方法で算出される。球状黒鉛鋳鉄の組織断面をナイタール腐食液で腐食させる。続いて、組織断面を顕微鏡で観察する。この際、例えば、倍率を100倍とし、5視野について観察する。各視野について画像処理を行い、パーライト組織が占める総面積及び黒鉛組織が占める総面積をそれぞれ算出する。
そして、黒鉛組織を除いた視野面積に対してパーライト組織が占める面積の割合を求める。すなわち、パーライト組織が占める面積を、黒鉛組織を除いた視野面積で除して、パーライト組織の割合を算出する。各視野に基づいて算出されたパーライト組織の割合を算術平均して、平均されたパーライト組織の割合を得る。
基地におけるパーライト組織は、強度(引張強度)を向上させる。そのため、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄をパーライト系の球状黒鉛鋳鉄とすることで、優れた強度(引張強度)が得られる。
実施の形態の球状黒鉛鋳鉄は、例えば、船舶用エンジンのピストンを構成する材料として好適である。船舶用エンジンとしては、例えば、ボア径(シリンダの直径)が150mm〜350mm程度のエンジンが挙げられる。また、船舶用エンジンとしては、500PS〜4500PSの出力のエンジンが挙げられる。すなわち、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄は、小型〜中型の船舶用エンジンのピストンを構成する材料として適用できる。このような船舶用エンジンの運転時において、ピストンの温度は、例えば、500℃程度となる。
次に、上記した実施の形態の球状黒鉛鋳鉄における各組成範囲の限定理由を説明する。
(1)C(炭素)
Cは、球状黒鉛を晶出させるために必要な元素である。Cの含有率が2.7%以上において、球状化率が80%以上の球状黒鉛が晶出する。一方、Cの含有率が4.3%以下において、黒鉛の著しい晶出を抑え、球状化率が80%以上の球状黒鉛の晶出が維持される。さらに、80%以上の球状化率を維持するため、Cの含有率は、C含有量とSi含有量との関係を示す図1において、点A(2.7%,3.5%)と点B(3.2%,2.0%)とを結ぶ直線AB以上で、かつ点C(4.3%,2.0%)と点D(3.8%,3.5%)とを結ぶ直線CD以下である。Cの含有率を直線AB以上とすることで、引け性の悪化が抑制される。一方、Cの含有率を直線CD以下とすることで、カーボンドロス欠陥や浮上黒鉛の発生が抑制される。
ここで、Cの含有率は、C含有量とSi含有量との関係を示す図1において、点E(3.3%,2.8%)と点F(3.43%,2.4%)とを結ぶ直線EF以上で、かつ点G(3.7%,2.4%)と点H(3.57%,2.8%)とを結ぶ直線GH以下であることがより好ましい。
(2)Si(ケイ素)
Siは、球状黒鉛を晶出させるために必要な元素である。Siの含有率が2.0%以上において、球状化率が80%以上の球状黒鉛が晶出する。また、Siの含有率が2.0%以上において、引け性の悪化が抑制される。一方、Siの含有率が3.5%以下において、強度が低下することなく、球状化率が80%以上の球状黒鉛の晶出が維持される。また、Siの含有率が3.5%以下において、ドロス欠陥や浮上黒鉛の発生が抑制される。そのため、Siの含有率を2.0〜3.5%とした。より好ましいSiの含有率は2.4〜2.8%である。
上記したCとSiの組成範囲から、球状黒鉛鋳鉄におけるC含有量及びSi含有量は、図1において、(C含有量,Si含有量)で示される点E(3.3%,2.8%)、点F(3.43%,2.4%)、点G(3.7%,2.4%)、点H(3.57%,2.8%)の各点を順次結ぶ線で囲まれた組成範囲内にあることがより好ましい。この範囲内における炭素当量CEは、4.23〜4.50である。
(3)Mn(マンガン)
Mnは、黒鉛を微細化するとともに、基地組織であるパーライトを強化する作用を有する元素である。これらの効果は、Mnの含有率が0.3%以上において発揮される。一方、Mnの含有率が0.8%以下において、伸びと脆性の悪化を防止し、引けの増加を抑制する。そのため、Mnの含有率を0.3〜0.8%とした。より好ましいMnの含有率は、0.3〜0.5%である。
(4)Mg(マグネシウム)
Mgは、球状黒鉛を得るために必要な元素である。Mgの含有率が0.02%以上において、球状化率が80%以上の球状黒鉛が得られる。一方、Mgの含有率が0.10%以下において、引け巣、ドロス欠陥、逆チル、材質硬化およびガス欠陥が抑制される。そのため、Mgの含有率を0.02〜0.10%とした。より好ましいMgの含有率は、0.02〜0.05%である。
(5)Cu(銅)
Cuは、Crなどの白銑鉄化元素の添加における炭化物を抑制する。Cuの含有率が0.3%以上において、この効果が得られる。一方、Cuの含有率が1.0%以下において、80%以上の球状化率が維持される。そのため、Cuの含有率を0.3〜1.0%とした。より好ましいCuの含有率は、0.3〜0.5%である。
(6)Cr(クロム)
Crは、耐熱性や硬さを向上させる。Crの含有率が0.05%以上において、これらの効果が得られる。一方、Crの含有率が0.90%以下において、適切な硬さを維持しつつ、靱性を低下させる炭化物の過剰な形成を抑制する。そのため、Crの含有率を0.05〜0.90%とした。より好ましいCrの含有率は、0.2〜0.4%である。
(7)Mo(モリブデン)
Moは、Crと同様に、耐熱性や硬さを向上させる。Moの含有率が0.05%以上において、これらの効果が得られる。一方、Moの含有率が1.00%以下において、適切な硬さを維持しつつ、靱性を低下させる炭化物の過剰な形成を抑制する。そのため、Moの含有率を0.05〜1.00%とした。より好ましいMoの含有率は、0.3〜0.5%である。
(8)S(硫黄)、P(リン)
S及びPは、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが好ましい。また、これらの不可避的不純物のうち、少なくとも、Sは0.05以下、Pは0.1以下に抑制されることが好ましい。
Sは、Mgなどとの親和力が大きく、球状化剤のMgを消費する。さらに、MgSを生じ、鋳物の品質を劣化させる。そのため、Sの残存含有率を0.05%以下とし、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが好ましい。
Pは、基地の粒界にステダイトの析出(晶出)を促す。これにより、脆化が進む。そのため、Pの残存含有率を0.1%以下とし、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが好ましい。
次に、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄、及びこの球状黒鉛鋳鉄を用いて製造される一体型ピストンの製造方法について説明する。
実施の形態の球状黒鉛鋳鉄や一体型ピストンは、例えば、次のように製造される。球状黒鉛鋳鉄を構成するための溶湯は、例えば、1480〜1550℃の温度に維持される。溶湯は、例えば、電気炉などによって形成される。
この溶湯に対して、球状化処理を行う。ここで、球状化処理の方法は、特に限定するものではなく、球状黒鉛鋳鉄を作製する際に広く一般的に行われている方法である。なお、球状化剤として、Mg合金、Fe−Si−Mg合金などが用いられる。球状化処理の温度は、製品への鋳込み温度から逆算して、1480〜1550℃とする。
ここで、球状化処理前の溶湯に対して、溶湯中のS及びPの含有量がそれぞれ0.05%以下、0.1%以下となるように脱硫及び脱リンを行ってもよい。
球状化処理後、砂型により形成した鋳型へ注湯する。ここで、鋳型へ注湯するための取鍋に溶湯を移し替えるときに、接種剤を添加して接種する。接種温度は、注湯温度から逆算して、例えば、1380〜1450℃で実施する。注湯温度が高いと引け不良が発生しやすくなり、注湯温度が低いとガス欠陥や湯回り不良が発生しやすいため、注湯温度は、例えば、1330〜1410℃に設定される。なお、これらの温度は、例えば、浸漬型温度計で測定される。ここで、一体型ピストンを形成する場合、鋳型は、一体型ピストンの形状に形成されている。
鋳型内の注湯は、冷却場において、例えば350℃以下の温度になるまで、自然冷却される。
冷却後、解枠して鋳型から鋳物を取り出す。鋳物に付着した砂は、例えば、ショットピーニングなどによって落とされる。また、湯道や押湯などの構成部以外の部分は、例えば、プラズマ溶断などによって切り離される。
続いて、鋳物は、熱処理される。熱処理として、焼きならし処理及び焼きなまし処理を行う。
焼きならし処理は、例えば、強度を向上するためになされる。焼きならし処理は、例えば、870〜940℃の温度で、2〜3時間行われる。すなわち、焼きならし処理は、鋳物の温度が870〜940℃に到達後、2〜3時間行われる。この温度に到達するまでの昇温速度は、250〜350℃/hであることが好ましい。
一方、冷却は、例えば、500〜1000℃/hの冷却速度で室温まで行われることが好ましい。ここで、上記温度は、例えば、炉における温度に基づくものである。
焼きならしの温度を上記範囲にするのは、結晶粒の粗大化による靭性の低下を抑制するためである。
なお、焼きならし処理は、球状黒鉛鋳鉄や一体型ピストンにおいて、例えば、700MPa以上の引張強度が必要な場合に実施される。すなわち、熱処理として、焼きならし処理及び焼きなまし処理の双方を施す場合と、焼きなまし処理のみを施す場合とがある。
焼きなまし処理は、例えば、応力を除去するためになされる。焼きなまし処理は、例えば、550〜600℃の温度で、3〜4時間行われる。すなわち、焼きなまし処理は、鋳物の温度が550〜600℃に到達後、3〜4時間行われる。この温度に到達するまでの昇温速度は、80〜120℃/hであることが好ましい。
一方、冷却は、例えば、20〜30℃/hの冷却速度で、250〜350℃の温度まで行われることが好ましい。この冷却は、例えば、炉冷によって行われる。そして、鋳物は、大気中において、自然冷却によって室温まで冷却される。なお、上記温度は、前述した焼きならし処理と同様に、炉における温度に基づくものである。
焼きなましの温度を上記範囲にするのは、適正な応力の除去を行いつつ、パーライトの分解による強度の低下を抑制するためである。冷却速度を20〜30℃/hとするのは、部品全体を均一に冷却するためである。
上記した工程を経て、球状黒鉛鋳鉄や一体型ピストンが作製される。
ここで、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄で作製された一体型ピストンの構成について説明する。
図2は、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄で作製された一体型ピストン10の側面図である。図2に示すように、一体型ピストン10は、クラウン11とスカート12とが一体的に形成されている。クラウン11は、略円筒形状を有している。スカート12は、クラウン11から下方に延びるように形成されている。
この一体型ピストン10は、例えば、船舶用エンジンのピストンとして使用することができる。船舶用エンジンとしては、例えば、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、デュアルフューエルエンジンなどが挙げられる。船舶用エンジンとしては、例えば、ボア径(シリンダの直径)が150mm〜350mm、6〜12気筒のエンジンが挙げられる。
このように、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄で作製された一体型ピストン10は、優れた耐熱性や寿命を有する。そのため、従来の船舶用エンジンよりも、例えば、熱負荷が上昇した船舶用エンジンに、一体型ピストン10を適用することが可能となる。
次に、実施の形態の一体型ピストンを備えた船舶用エンジンの構成について説明する。なお、この一体型ピストンは、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄で作製されている。ここでは、一体型ピストンをディーゼルエンジンに備えた一例を示す。
図3は、実施の形態の一体型ピストン33を備えたディーゼルエンジン20の構成を示す図である。図3に示すように、ディーゼルエンジン20は、主体部30と、吸気経路部40と、排気経路部50と、燃料供給部60とを備えている。
主体部30は、燃料を燃焼させて得られた熱エネルギを運動エネルギに変換する。具体的には、燃焼によって得られた熱エネルギをクランクシャフト34の回転運動に変換する。主体部30は、シリンダブロック31と、シリンダヘッド32と、一体型ピストン33と、クランクシャフト34と、カムシャフト35とを備える。
シリンダブロック31は、シリンダ36を備える。このシリンダ36には、一体型ピストン33が摺動自在に収納されている。シリンダヘッド32は、一体型ピストン33に対向するように配置されている。そして、シリンダ36、一体型ピストン33及びシリンダヘッド32によって、作動室37が構成されている。
作動室37は、一体型ピストン33の摺動運動によって容積が変化する内部空間である。なお、本ディーゼルエンジン20は、複数の作動室37が設けられた多気筒エンジンである。
一体型ピストン33は、コネクティングロッドによってクランクシャフト34と連結されている。クランクシャフト34は、一体型ピストン33の摺動によって回転する。また、クランクシャフト34は、複数のギヤを介してカムシャフト35を回転させる。
吸気経路部40は、外部から吸入された空気を作動室37へ導く。吸気経路部40は、空気が流れる方向に沿って、コンプレッサホイル(図示しない)と、吸気マニホールド41とを備える。吸気マニホールド41は、コンプレッサホイルによって圧縮された空気を作動室37へ導く。
排気経路部50は、作動室37から排出された排気を外部へ導く。排気経路部50は、排気が流れる方向に沿って、排気マニホールド51と、タービンホイル(図示しない)とを備える。排気マニホールド51は、作動室37から排出された排気をタービンホイルへ導く。
燃料供給部60は、燃料タンクから供給された燃料を作動室37へ導く。燃料供給部60は、燃料が流れる方向に沿って、燃料噴射ポンプ61と、燃料噴射ノズル62とを備える。燃料噴射ポンプ61は、プランジャの往復運動によって加圧した燃料を燃料噴射ノズル62へ送り出す。燃料噴射ノズル62は、作動室37の内部に燃料を噴射する。
このような船舶用エンジンに備えられた一体型ピストン10は、優れた耐熱性や寿命を有する。そのため、一体型ピストン10を備えた船舶用エンジンにおいて、従来の船舶用エンジンよりも、例えば、熱負荷を上昇させることが可能となる。
次に、実施の形態の船舶用エンジンを備えた船舶の概要について説明する。なお、この船舶用エンジンは、実施の形態の一体型ピストンを備えている。
図4は、実施の形態の舶用エンジンを備えた船舶70の側面図である。図4に示すように、船舶70は、船体71と、キャビン72と、ファンネル73(煙突)と、プロペラ74及び舵75とを備える。
キャビン72は、船体71におけるデッキ76上の後部に設けられている。ファンネル73は、キャビン72の後方に配置されている。プロペラ74及び舵75は、船体71の後方下部に設けられている。
船体71内の後部には、プロペラ74の駆動源である主エンジン77及び減速機78が備えられている。プロペラ74は、主エンジン77から減速機78を経由した回転動力によって回転駆動される。なお、実施の形態の舶用エンジンは、主エンジン77として機能する。
さらに、船体71内の後部には、船舶70内の電気系統に電力を供給するための発電装置79が設置されている。発電装置79としてエンジンを備える場合には、実施の形態の船舶用エンジンを発電用エンジンとして適用してもよい。
上記した実施の形態の球状黒鉛鋳鉄は、強度及び硬さを維持しつつ、優れた耐熱性や寿命を有する。この球状黒鉛鋳鉄から作製された一体型ピストンにおいても、強度及び硬さを維持しつつ、優れた耐熱性や寿命を有する。この一体型ピストンを備えた舶用エンジンにおいては、ピストンの耐熱性や寿命に関して、高い信頼性を有する。
(球状化率、強度、硬さ、耐熱性、炭化物の割合、寿命及びパーライトの割合の評価)
ここでは、実施の形態の球状黒鉛鋳鉄において、80%以上の球状化率を有し、優れた耐熱性及び寿命が得られることを説明する。
表1は、評価に用いられた試料1〜試料17の化学組成を示す。なお、試料1〜試料10は、本実施の形態の化学組成範囲にある球状黒鉛鋳鉄である。試料11〜試料17は、その化学組成が本実施の形態の化学組成範囲にない球状黒鉛鋳鉄又は黒鉛鋳鉄であり、比較例である。また、表1には、炭素当量CE(CE=C+1/3×Si)も示している。
Figure 2016069674
試料1〜試料17の球状黒鉛鋳鉄について、球状化率、強度、硬さ、耐熱性、炭化物の割合、寿命及びパーライトの割合を評価した。なお、炭化物の割合とは、黒鉛組織を除いた基地組織における炭化物の割合であり、パーライトの割合とは、黒鉛組織を除いた基地組織におけるパーライト組織の割合である。
球状化率の測定は、JIS G5502に準拠して行われた。
強度は、引張試験によって評価された。引張試験は、JIS Z2241に準拠して行われた。破断時の伸びは、伸び計を用いて算出した。引張試験における試験片として、JIS Z2241における14号A試験片を使用した。
硬さは、ブリネル硬さ試験によって評価された。ブリネル硬さ試験は、JIS Z2243に準拠して行われた。
耐熱性は、クリープ試験によって評価された。クリープ試験は、JIS Z2271に準拠して行われた。クリープ試験では、試験温度を450℃、負荷応力を300MPaとした。そして、応力載荷後25時間後のひずみをクリープひずみとした。クリープひずみは、伸び計を用いて算出された。温度計測には、R型熱電対を用いた。クリープ試験における試験片として、JIS Z2241における14号A試験片を使用した。
耐熱性の向上の度合いを示す耐熱性向上度は、各試料におけるクリープひずみを、従来の球状黒鉛鋳鉄である試料11におけるクリープひずみで除することで得られた(各試料におけるクリープひずみ/試料11におけるクリープひずみ)。なお、この耐熱性向上度は、小さいほど耐熱性に優れている。
炭化物の割合及びパーライトの割合は、前述した方法で得られた。
寿命は、高温低サイクル疲労試験よって評価された。高温低サイクル疲労試験は、JIS Z2279に準拠して行われた。高温低サイクル疲労試験では、試験温度を450℃とした。温度計測にはR型熱電対を用い、ひずみ計測には伸び計を用いた。そして、各試料における結果を、従来の球状黒鉛鋳鉄である試料11における結果で除して寿命比を算出した。なお、この寿命比は、大きいほど寿命が長いことを示す。
それぞれの試験に使用する試験片は、次のように作製された。電気炉において、球状黒鉛鋳鉄を構成するための溶湯を形成した。溶湯の温度を1520℃に維持し、球状化処理及び接種を行った。
続いて、浸漬型温度計によって注湯の温度が1350〜1380℃であることを確認し、砂型により形成した鋳型へ注湯した。そして、冷却場において、鋳型内の注湯を350℃以下の温度まで自然冷却した。
冷却後、解枠して鋳型から鋳物を取り出した。ショットピーニングによって、鋳物から砂を落とした。
続いて、各鋳物に対して、焼きなまし処理を行った。焼きなまし処理は、570℃の温度で、3.5時間行った。なお、この温度に到達するまでの昇温速度を100℃/hとした。3.5時間の経過後、各鋳物を、炉冷によって、25℃/hの冷却速度で280℃の温度まで冷却した。続いて、自然冷却によって、大気中において、各鋳物を室温まで冷却した。
冷却後、鋸盤によって各鋳物から丸棒を切り出し、旋盤加工によって各試験片に加工した。このようにして試験片を得た。
さらに、試料1〜10試料に係る鋳物に対しては、焼きならし処理及び焼きなまし処理の双方を行ったものも作製した。焼きならし処理は、900℃の温度で、2.5時間行った。なお、この温度に到達するまでの昇温速度を300℃/hとした。2.5時間の経過後、各鋳物を、空冷によって、800℃/hの冷却速度で150℃の温度まで冷却した。
続いて、焼きなまし処理を行った。焼きなまし処理は、上記した条件と同様の条件で行われた。冷却後、上記同様に加工し、試験片を得た。
各試料における試験結果を表2及び表3に示す。表2は、焼きなまし処理のみを行ったときの結果である。表3は、焼きならし処理及び焼きなまし処理を行ったときの結果である。
ここで、表2に示された結果において、試料16及び試料17については、球状化率が80%未満である。そのため、試料16及び試料17を、球状黒鉛鋳鉄と称することはできないため、球状化率の測定以外の評価は行っていない。また、寿命に関しては、試料6〜試料10及び試料11〜試料15について評価した。なお、球状化率及び炭化物の割合は、焼きならし処理をするか否かで変わらないため、表3には示していない。
Figure 2016069674
Figure 2016069674
表2および表3に示すように、試料1〜試料10においては、80%以上の球状化率を有し、従来の球状黒鉛鋳鉄(試料11)と同等の引張強度及びブリネル硬さを維持しつつ、耐熱性が向上されている。また、試料1〜試料10においては、炭化物の割合は、1.6%以下であり、パーライトの割合は、50%を超えている。
さらに、表2に示すように、試料6〜試料10における寿命比は、従来の球状黒鉛鋳鉄(試料11)の寿命比の3倍以上である。これは、試料6〜試料10において、耐熱性が向上されていること、及び炭化物の割合が1.6以下に抑えられていることが要因と考えられる。
なお、試料1〜試料5に関して、寿命比のデータは示されていないが、耐熱性が向上されていること、及び炭化物の割合が1.6以下に抑えられていることから、試料6〜試料10における寿命比と同程度の寿命比が得られるものと考えられる。
また、表3に示すように、試料1〜試料10において、700MPa以上の引張強度が得られている。なお、表3には示されていないが、焼きならし処理及び焼きなまし処理を行ったときにおいても、寿命比は、従来の球状黒鉛鋳鉄(試料11)3倍以上であった。
一方、表2に示すように、Crの含有量が多い試料12及び試料13、及びMoの含有量が多い試料14及び試料15においては、靭性を低下させる炭化物の割合が1.6%を超えている。寿命比に関して、これらの試料12〜試料15は、従来の球状黒鉛鋳鉄(試料11)よりは高いが、試料6〜試料10よりも低い。これは、試料12〜試料15において、耐熱性が向上されているものの、炭化物の割合が1.6を超えていることが要因と考えられる。すなわち、試料12〜試料15においては、靭性が低下しているため、試料6〜試料10よりも寿命比が低いと考えられる。
Siの含有率が本実施の形態の範囲にない試料16及び試料17においては、球状化率が80%未満である。
このように、試料1〜試料10においては、80%以上の球状化率を有し、優れた耐熱性及び寿命が得られることがわかる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,33…一体型ピストン、11…クラウン、12…スカート、20…ディーゼルエンジン、30…主体部、31…シリンダブロック、32…シリンダヘッド、34…クランクシャフト、35…カムシャフト、36…シリンダ、37…作動室、40…吸気経路部、41…吸気マニホールド、50…排気経路部、51…排気マニホールド、60…燃料供給部、61…燃料噴射ポンプ、62…燃料噴射ノズル、70…船舶、71…船体、72…キャビン、73…ファンネル、74…プロペラ、75…舵、76…デッキ、77…主エンジン、78…減速機、79…発電装置。

Claims (7)

  1. 質量で、C:2.7〜4.3%、Si:2.0〜3.5%、Mn:0.3〜0.8%、Mg:0.02〜0.10%、Cu:0.3〜1.0%、Cr:0.05〜0.90%、Mo:0.05〜1.00%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    C含有量及びSi含有量が、C含有量とSi含有量との関係を示す図において、(C含有量,Si含有量)で示される点A(2.7%,3.5%)、点B(3.2%,2.0%)、点C(4.3%,2.0%)、点D(3.8%,3.5%)の各点を順次結ぶ線で囲まれた組成範囲内にあることを特徴とするピストン用球状黒鉛鋳鉄。
  2. 質量で、Crを0.2〜0.4%含有していることを特徴とする請求項1記載のピストン用球状黒鉛鋳鉄。
  3. 質量で、Moを0.3〜0.5%含有していることを特徴とする請求項1又は2記載のピストン用球状黒鉛鋳鉄。
  4. 前記不可避的不純物のうち、質量で、Sを0.05%以下、Pを0.1%以下に抑制されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のピストン用球状黒鉛鋳鉄。
  5. 前記ピストン用球状黒鉛鋳鉄が、パーライト系の球状黒鉛鋳鉄であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のピストン用球状黒鉛鋳鉄。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載のピストン用球状黒鉛鋳鉄を用いて作製されたことを特徴とする一体型ピストン。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項記載のピストン用球状黒鉛鋳鉄を用いて作製された一体型ピストンを備えることを特徴とする舶用エンジン。
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