JPH11236852A - 大型ディーゼルエンジンライナー - Google Patents

大型ディーゼルエンジンライナー

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JPH11236852A
JPH11236852A JP3874598A JP3874598A JPH11236852A JP H11236852 A JPH11236852 A JP H11236852A JP 3874598 A JP3874598 A JP 3874598A JP 3874598 A JP3874598 A JP 3874598A JP H11236852 A JPH11236852 A JP H11236852A
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JP
Japan
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outer layer
inner layer
layer
liner
diesel engine
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Withdrawn
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JP3874598A
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Hiroaki Katayama
博彰 片山
Hiroyuki Kimura
広之 木村
Yoshito Seto
良登 瀬戸
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Publication of JPH11236852A publication Critical patent/JPH11236852A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/004Cylinder liners
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/04Heavy metals
    • F05C2201/0469Other heavy metals
    • F05C2201/0475Copper or alloys thereof
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2203/00Non-metallic inorganic materials
    • F05C2203/04Phosphor

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型ディーゼルエンジンライナーにおいて、
外層と内層の肉厚の均一化と、溶着部分の健全化を図る
と共に、外層の高強度化、内層の耐摩耗性及び摺動特性
を改善する。 【解決手段】 重量%にて、C:0.3〜0.7%、S
i:1.6〜3.0%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:
1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以
下、Cu:0.3〜2.0%、残部実質的にFeからなる
鋳鋼の外層と、重量%にて、C:2.8〜4.0%、S
i:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜1.5%、P:0.
05〜1.0%、S:0.3%以下、残部実質的にFeか
らなる鋳鉄の内層とが溶着一体化されている。外層は、
必要に応じて、Cu:0.1〜4.0%を含有することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶用又は発電用
の大型ディーゼルエンジンに使用される複合シリンダー
ライナーに関する。
【0002】
【従来の技術】船舶等の大型ディーゼルエンジンに使用
されるシリンダーライナーは、その内周面をピストンが
摺動するため、耐摩耗性と、耐焼付性等の摺動特性が必
要とされる。従来、このライナー用材料として、耐摩耗
性に有効な炭化物と、耐焼付性に有効なA型黒鉛とを夫
々、組織中に晶出させた特殊鋳鉄材が使用されていた。
しかし、近年コンテナ船等の大型化、高出力化に伴なっ
て、シリンダーライナーに加わる内圧が大きくなるにつ
れ、シリンダーライナーの強度的な不足が問題となって
きた。そこで、出願人は、以前に、強靭性にすぐれる鋳
鋼の外層と、耐摩耗性及び耐焼付性にすぐれる鋳鉄材の
内層を溶着一体化した複合シリンダーライナーを提案し
た(特開昭60−169654)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この複合シリンダーラ
イナーは、遠心力鋳造により製造され、まず外層材溶湯
を投入し、外層の凝固が完了した段階を見計らって、内
層材溶湯を投入し、外層の内面部を再溶融させた後、内
層を凝固させることにより、両層が溶着一体化される。
しかし、前記複合シリンダーライナーの場合、外層に使
用される鋳鋼は鋳鉄に比べてCの含有量が少ないため、
高融点で凝固温度が高い。一方、内層に使用される鋳鉄
はCの含有量が多いため、低融点で凝固温度が低く、そ
の溶湯温度も低い。このため、外層の凝固後、内層材溶
湯投入のタイミングが遅れると、温度の低い内層材溶湯
では外層内面部を均一に再溶融することができなくな
り、再溶融層にバラツキが生じ、得られたライナーの外
層と内層の肉厚バランスが崩れる結果となる。また、外
層内面の再溶融が不十分な部分は、スラグなどを含む不
健全な最終凝固部が残存したままで複合層が形成される
ため、外層と内層の境界部で強度不足の問題が生ずる。
一方、内層材溶湯の投入タイミングが早すぎると、未凝
固状態の外層材が高Cの内層材溶湯に混入する結果、内
層材の凝固完了後の組織は狙いと大きく異なって低C材
となり、黒鉛晶出量が低下して硬化し、ピストンリング
の損傷を招く虞れがある。それゆえ、2層構造のシリン
ダーライナーを製造する場合、内層材溶湯を適当なタイ
ミングで投入するのが難しく、外層と内層を溶着一体化
させるのに非常に高度な技術を必要とした。
【0004】本発明の目的は、外層に、高強度で低融点
の鋳鋼材を用い、内層に、高強度で摺動特性にすぐれる
鋳鉄材を用いることにより、内層の鋳鉄材溶湯を投入し
たとき、外層内面の再溶融を容易ならしめ、外層内面の
不健全な最終凝固部をほぼ均一に再溶融させて、外層と
内層の溶着層の均一化と、溶着部分の健全化を達成し、
高強度を有する大型ディーゼルエンジンのシリンダーラ
イナーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された大型ディーゼルエンジンライ
ナーは、重量%にて、C:0.3〜0.7%、Si:1.
6〜3.0%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:1.0%以
下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、残部実質
的にFeからなる鋳鋼の外層と、重量%にて、C:2.
8〜4.0%、Si:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜
1.5%、P:0.05〜1.0%、S:0.3%以下、C
u:0.1〜4.0%、残部実質的にFeからなる鋳鉄の
内層とを溶着一体化させたものである。
【0006】請求項2に記載された大型ディーゼルエン
ジンライナーは、重量%にて、C:0.3〜0.7%、S
i:1.6〜3.0%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:
1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以
下、Cu:0.3〜2.0%、残部実質的にFeからなる
鋳鋼の外層と、重量%にて、C:2.8〜4.0%、S
i:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜1.5%、P:0.
05〜1.0%、S:0.3%以下、Cu:0.1〜4.0
%、残部実質的にFeからなる鋳鉄の内層とを溶着一体
化させたものである。
【0007】
【作用】外層に高Si材を用いたことにより、従来の外
層材に比べて、同一C含有量であっても、凝固温度がC
当量変化で0.4〜0.6に相当する低融点化が達成され
る。遠心力鋳造では、外層材を鋳込んだとき、外面から
内面に凝固が進むにつれて、スラグ等の軽量不純物は内
面側に移動する。このため、外層材の凝固が完了した段
階では、外層の内面側にスラグ等を含む不健全部が形成
される。しかし、外層材を低融点化したことにより、引
き続いて内層材用の鋳鉄溶湯を投入すると、一旦凝固し
た外層内面の再溶融が容易に行なわれ、外層内面の不健
全部は内層材溶湯と混ざり合って、内層の凝固の進行と
共に内層の内面側に移動し、内層の内面で凝固する。こ
の結果、外層と内層との境界部では、健全な成分のみが
凝固して溶着層が形成される。なお、内層内面側の不健
全部分は、鋳造工程終了後、機械切削加工によって簡単
に取り除くことができる。なお、外層材はSiの含有量
を増やしたことによって焼入れ性が向上するので、適正
な焼入れ熱処理により高強度が確保される。また、外層
材にCuを含むことにより、その析出硬化作用によって
強度がさらに高められる。
【0008】内層材については、Cuが、焼付を発生し
易く摺動特性を低下させるフェライトの生成を抑制する
ので、黒鉛の晶出によるすぐれた摺動特性が確保され、
またパーライト強化作用により高強度化が達成される。
【0009】
【成分限定理由の説明】まず、本発明の大型ディーゼル
エンジンライナーの外層を構成する特殊鋳鋼の材質の成
分限定理由について説明する。 C:0.3〜0.7% Cは、鉄系材料の強度を決定する最も重要な元素である
が、含有量が少ないと、フェライトが多くなり、耐力の
低下、疲労強度の低下を招く。また、溶解温度、鋳造温
度の上昇を招き、高融点外層と低融点内層との溶着部に
欠陥を生じ易くなる。このため、0.3%以上含有させ
る。一方、含有量が多くなると、セメンタイトが晶出
し、耐力は向上するが、伸びが低下して材質を脆くす
る。このため、上限は0.7%に規定する。
【0010】Si:1.6〜3.0% Siは、湯流れ性を改善すると共に溶湯の凝固点を下げ
る働きを有しており、複合シリンダーライナーの外層材
の低融点化に寄与する。また、Siの含有量が多くなる
と、熱処理時の焼入れ性向上が顕著となり、遅い焼入れ
速度でも鋳鋼の強度向上を達成することができる。この
ため、少なくとも1.6%以上含有させるものとし、熱
処理時の焼入れ性をより高めたい場合は、2.1%以上
含有させることが好ましい。一方、含有量が多くなりす
ぎると、材質の脆化を招来する。このため、上限は、
3.0%に規定する。
【0011】Mn:0.2〜1.0% Mnは、通常Sと結合してSの悪影響を除去すると共
に、基地のパーライトを安定化し、強度を増す。0.2
%未満では、この効果は期待できず、一方、1.0%を
超えると、焼入れ効果が強くなり過ぎ、また、低温脆性
の問題を発生し易くなり、脆くなる。このため、含有量
は0.2〜1.0%に規定する。
【0012】Ni:1.0%以下 Niは、焼入れ性を向上させ、基地の強化に有効に作用
する。一方、含有量が増えてNiがシリンダーライナー
の内層に混入すると内層が硬化し、ピストンリングを摩
耗させる虞れがある。本発明の場合、焼入れ性の向上は
高Si含有により期待できるので、Niの上限は1.0
%に規定する。
【0013】Cr:1.0%以下 Crは、Niと同様、焼入れ性を向上させ、基地を強化
する効果がある。しかし、Crがシリンダーライナーの
内層に混入すると内層が硬化し、ピストンリングを摩耗
させる虞れがある。このため、上限は1.0%に規定す
る。
【0014】Mo:1.0%以下 Moは、Ni、Crと同様、基地の強化に有効である。
しかし、1.0%を超えて含有しても含有量の増加に対
応する効果が得られず、また、材質を脆くする作用も現
われる。また、シリンダーライナーの内層へMoが混入
すると、内層が硬化しピストンリングを摩耗させる虞れ
がある。このため、含有量の上限は1.0%とする。
【0015】Cu:0.3〜2.0% Cuは、Siと同様、湯流れ性を向上させると共に、F
e中への固溶限が大きいことから、熱処理において、C
uの析出硬化による強度の上昇に寄与する。また、Cu
の含有により、鋳鋼の降伏比は、Cuを添加しない鋳鋼
に比べて大きくなり、高強度化により薄肉化された場
合、エンジンシリンダーライナーの変形に対する抵抗が
高められる。また、Cuは内層の鋳鉄に対してもフェラ
イト生成を抑制し、パーライト生成を促進する効果があ
り、フェライトによるピストンリング焼付の抑制と、パ
ーライトによる強度向上が導かれる。これらの効果を発
揮させるために、必要に応じて、Cuを0.3〜2.0%
の範囲で含有することが好ましい。
【0016】本発明のエンジンシリンダーライナーの外
層材は、上記成分の他、残部はFe及び不可避的に含ま
れる不純物からなる。例えば、この外層材では、P、S
は不純物であり、材質を脆くするので少ない程好まし
い。それゆえ、P:0.1%未満、S:0.1%未満にす
るのが望ましい。
【0017】次に、本発明の大型ディーゼルエンジンラ
イナーの内層を構成する鋳鉄の材質の成分限定理由につ
いて説明する。 C:2.8〜4.0% 内層材は耐摩耗性と摺動特性を必要とし、そのためには
よく伸びた片状黒鉛と炭化物が必要である。Cが2.8
%に満たないと黒鉛量、炭化物量のいずれも不足し、耐
摩耗性、摺動特性が劣化する。一方、Cが4.0%を超
えると黒鉛、炭化物とも多くなりすぎ、脆くなる。
【0018】Si:0.5〜2.0% Siは黒鉛化能を有し、黒鉛量と炭化物量の比率を決定
する重要な元素である。含有量が0.5%に満たないと
黒鉛量が不足して、摺動特性が損なわれる。一方、2.
0%を超えると、炭化物が少なくなり耐摩耗性が劣化す
る。
【0019】Mn:0.2〜1.5% MnはSの弊害を取り除くと共に、基地の強化に有効で
ある。このため、0.2%以上含有させるが、あまり多
くなると硬化し過ぎて脆くなるため、上限は1.5%以
下とする。
【0020】P:0.05〜1.0% Pは、一般に材質の機械的性質を劣化させる元素として
知られているが、ライナーの内層材質においては、Pを
含有させることによって、P共晶物を生成し、このP共
晶物が耐摩耗性、摺動特性の向上に大きな効果を発揮す
るため、有効元素として添加される。その効果は、0.
05%に満たないと期待できず、1.0%を超えると機
械的性質が劣化し、欠け落ち摩耗を発生し易くなる。
【0021】S:0.3%以下 Sは、材質の機械的性質を劣化させる不純物元素である
が、本発明のライナーの内層材として問題のない範囲と
して0.3%以下とする。
【0022】Cu:0.1〜4.0% Cuは、焼付を起こし易く摺動特性を劣化させるフェラ
イトの生成を抑制する作用があり、パーライトの生成を
促進してパーライトを安定させると共に、機械的性質を
向上させる作用を有する。このCuの効果は、ライナー
の割れ抑制の点からも有効である。また、Cuは腐食に
対する抵抗性を向上させる作用があり、ライナー内面で
の腐食摩耗に対しても効果的である。これらの効果を発
揮させるために、0.1%以上、4.0%以下を含有させ
る。
【0023】本発明のエンジンシリンダーライナーの外
層材は、上記成分の他、残部はFe及び不可避的に含ま
れる不純物からなる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の大型ディーゼルエンジン
ライナー(1)は円筒体で、その横断面を図1に示してお
り、強度が高く、低融点の鋳鋼からなる外層(12)に、耐
摩耗性、耐焼付性にすぐれる鋳鉄の内層(13)を溶着一体
化して形成される。なお、船舶用ディーゼルエンジンに
使用されるシリンダーライナーは、上部の上死点部は燃
焼爆発の影響を大きく受けるため、前述の如く高強度を
要求されるが、下部の下死点部では燃焼爆発の影響が小
さく、強度的にあまり問題にならないことから、図2に
示すように、上部側を複層スリーブ(2)、下部側を単層
スリーブ(3)とし、両スリーブ(2)(3)を一体に構成した
ものがある。この場合には、本発明のライナー(1)は上
部側の複層スリーブ(2)に適用され、単層スリーブ(3)は
耐摩耗性、耐焼付性にすぐれる材質のみから形成され
る。
【0025】外層(12)を構成する鋳鋼は、前述の如く、
重量%にて、C:0.3〜0.7%、Si:1.6〜3.0
%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:1.0%以下、C
r:1.0%以下、Mo:1.0%以下、残部実質的にF
eからなり、必要に応じて、Cu:0.3〜2.0%をさ
らに含んでいる。
【0026】内層(13)を構成する鋳鉄は、前述の如く、
C:2.8〜4.0%、Si:0.5〜2.0%、Mn:
0.2〜1.5%、P:0.05〜1.0%、S:0.3%
以下、Cu:0.1〜4.0%、残部実質的にFeからな
る。
【0027】本発明の大型ディーゼルエンジンライナー
は、金型遠心力鋳造法により作製され、外層の溶湯を投
入し、外層の内面が凝固した直後に内層の溶湯を投入
し、外層の最内面部を再溶融させて外層と内層を溶着一
体化する。遠心力鋳造装置は、横型、傾斜型、立型のい
づれも適用可能である。
【0028】
【実施例】横型遠心力鋳造金型に、外層材溶湯を鋳込
み、外層が完全に凝固した後直ちに、内層材溶湯を鋳込
み、外層と内層を溶着一体化させて、外径1180mm、
内径860mm、長さ3000mmの供試用複層ライナーを
作製した。外層と内層の成分を表1に示す。表1中、N
o.1及びNo.2は本発明の複層ライナー、No.3は従来の
複層ライナーである。供試ライナーは、鋳造後、100
0℃で5時間保持した後、300℃/Hの冷却速度で常
温まで空冷し、さらに600℃で10時間保持後炉冷す
る熱処理を行なった。
【0029】
【表1】
【0030】外層材を遠心力鋳造する際、外層材溶湯の
液相線と固相線の温度を測定した。その結果を表1に併
せて示す。なお、液相線は凝固開始温度、固相線は強固
終了温度を意味する。表1の結果からわかるとおり、N
o.3と比べて、No.1は液相線で30℃、固相線で37
℃低く、No.2は液相線で25℃、固相線で34℃低く
なっており、Siの増量により融点が低下することを示
している。
【0031】供試ライナーの外径と内径を機械切削加工
により、外径1150mm、内径900mmに仕上げた後、
超音波探傷機を用いて、供試ライナーの外周面から、溶
着状況の検査と肉厚を測定した。No.1とNo.2は、超音
波探傷機による検査結果では、溶着状況に異常は認めら
れず、肉厚は、外層の平均厚さが105mm、内層の平均
厚さが20mm、内層の肉厚変動は約5mm以下であり、良
好であった。さらに、供試ライナーを軸方向に切断し、
溶着状況を目視観察したところ、不健全部分は全く認め
られず、極めて良好であった。また、内層の金属組織を
顕微鏡で観察したところ、フェライトは殆どなく、全体
としてパーライト組織であった。これに対し、比較例で
あるNo.3は、外層の平均厚さが100mm、内層の平均
厚さが25mmであった。なお、内層の厚さは冷却速度の
速い両端側で薄く、内層の肉厚変動は約10mmもあり、
本発明の実施例の約2倍以上と大きかった。
【0032】供試ライナーから所定の試験片を切り出
し、アムスラー試験機により、外層の引張強度と伸び、
及び内層の引張強度を測定した。その測定結果を表1に
併せて示す。
【0033】外層については、No.1とNo.2は、No.3
よりも引張強度が大きく、強度にすぐれていることがわ
かる。これは、Siの増量による焼入れ性向上効果によ
るものと考えられる。また、No.2の方がNo.1よりも、
若干引張強度が大きくなっているが、これは、Cuの析
出硬化による効果と考えられる。なお、伸びに関して
は、No.1とNo.2は、No.3よりも小さい結果となって
いるが、これは引張強度が大きくなった分だけ、伸びが
小さくなったものと考えられ、材料としては、すぐれた
強靭性を具備していると考えてよい。
【0034】内層については、No.1とNo.2は、No.3
よりも引張強度が大きく、より高い強度を具えているこ
とがわかる。これは、Cuの含有による効果と考えられ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の大型ディーゼルエンジンライナ
ーは、外層に、すぐれた強靱性を具備しつつ低融点の鋳
鋼材を使用したから、内層の鋳鉄材溶湯を投入したとき
に再溶融し易く、外層内面の不健全な最終凝固部はほぼ
均一に再溶融され、外層と内層の肉厚の均一化と溶着部
分の健全化が達成される。また、内層には、摺動特性及
び耐摩耗性にすぐれる鋳鉄材を使用したから、ライナー
の高寿命化を達成できる。本発明に係る大型ディーゼル
エンジンライナーは、遠心力鋳造法を利用することによ
り、船舶用又は電力用の大型ディーゼルエンジン用シリ
ンダーライナーとして要求される特性を具えたものを容
易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】大型ディーゼルエンジンライナーの横断面図で
ある。
【図2】船舶用ディーゼルエンジンライナーの縦断面図
である。
【符号の説明】
(1) エンジンライナー (12) 外層 (13) 内層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、C:0.3〜0.7%、S
    i:1.6〜3.0%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:
    1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以
    下、残部実質的にFeからなる鋳鋼の外層と、重量%に
    て、C:2.8〜4.0%、Si:0.5〜2.0%、M
    n:0.2〜1.5%、P:0.05〜1.0%、S:0.
    3%以下、Cu:0.1〜4.0%、残部実質的にFeか
    らなる鋳鉄の内層とが溶着一体化されていることを特徴
    とする大型ディーゼルエンジンライナー。
  2. 【請求項2】 重量%にて、C:0.3〜0.7%、S
    i:1.6〜3.0%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:
    1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以
    下、Cu:0.3〜2.0%、残部実質的にFeからなる
    鋳鋼の外層と、重量%にて、C:2.8〜4.0%、S
    i:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜1.5%、P:0.
    05〜1.0%、S:0.3%以下、Cu:0.1〜4.0
    %、残部実質的にFeからなる鋳鉄の内層とが溶着一体
    化されていることを特徴とする大型ディーゼルエンジン
    ライナー。
JP3874598A 1998-02-20 1998-02-20 大型ディーゼルエンジンライナー Withdrawn JPH11236852A (ja)

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Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006528073A (ja) * 2003-05-12 2006-12-14 エム.ユエルゲンゼン ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー 遠心鋳造方法
FR2968358A1 (fr) * 2010-12-02 2012-06-08 Peugeot Citroen Automobiles Sa Chemise pour bloc moteur
CN103509998A (zh) * 2013-09-27 2014-01-15 无锡阳工机械制造有限公司 一种改良碳素钢及其制备工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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