JP2016069265A - 筐体を構成するセラミックス製のパッケージ部材とセラミックス製の蓋部材とを接合するための接合方法 - Google Patents

筐体を構成するセラミックス製のパッケージ部材とセラミックス製の蓋部材とを接合するための接合方法 Download PDF

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信介 矢野
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Abstract

【課題】セラミック材料で形成されたパッケージ部材と蓋部材とから構成される筐体におけるパッケージ部材と蓋部材との接合において、高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度を同時に達成する方法の提供。
【解決手段】パッケージ部材20の蓋部材30との接合面に接合材料溜まりを形成して、その中に所定量の接合材料を収容しておき、パッケージ部材20と蓋部材30との接合時に当該接合材料を加熱して溶融させ、パッケージ部材20と蓋部材30との接合面に高低差を形成して、接合面積を増やし、接合強度を高めてもよく、更に、接合面に形成された凸部と凹部とを嵌合させて両者の位置合わせを容易にしてもよい接合方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、筐体を構成するセラミックス製のパッケージ部材とセラミックス製の蓋部材とを接合するための接合方法に関する。より詳細には、本発明は、高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度を同時に達成する、筐体を構成するセラミックス製のパッケージ部材とセラミックス製の蓋部材とを接合するための接合方法に関する。
例えば橋梁及びビル等の構造物にセンサを取り付けて構造物における振動等の物理量を検知することにより構造物の状態を監視し、構造物の劣化及び/又は破損の発生をモニタリングするシステムが知られている。このようなシステムにおいて、センサへの電源供給やセンサによる検知信号の取得のためのケーブル等を敷設するのは、そのためのスペース及び敷設作業が必要となるので望ましくない。
そこで、無線通信機能を備えた複数のセンサ(「センサ付き無線端末」、「センサノード」とも称される。)を協調させて構造物の状態を監視する「センサネットワーク」と称されるシステムが開発されている。個々のセンサノードは、センサ、無線チップ、マイクロプロセッサ及び電源(例えば電池等)によって構成される。
上記のようなシステムによる構造物の状態監視は長期間に亘るため、センサノードには高い耐環境性が要求される。そこで、センサノードの耐環境性及び/又は絶縁性の向上を目的として、例えば図1に示したように、上述したようなセンサノードの構成部品(11乃至13)をセラミック材料によって形成されたパッケージ部材(20)の内部に収容し、セラミック材料によって形成された蓋部材(30)を同パッケージ部材(20)と一体的に接合することが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
パッケージ部材(20)には、例えば、その内部に収容されるセンサノードの構成部品(11乃至13)同士を電気的に接続するための配線(41)、無線通信のためのアンテナ(42)及び外部電極(43)等の導体パターンが埋設される場合がある。センサノードにおいても抵抗損失の低減及び高周波特性の向上が望ましい。従って、上記導体パターンは良導体(例えば、銀(Ag)及び銅(Cu)等)によって形成されることが望ましい。これら良導体の融点は低いため、パッケージ部材を形成する材料としては、低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co−fired Ceramics)が使用されることが一般的である。
一方、蓋部材を形成する材料としては、一般的なセラミック材料と比較して高価なLTCCではなく、相対的に安価であり、広く使用されているアルミナ(Al)が使用されることが一般的である。加えて、アルミナには、パッケージ部材と蓋部材との接合のための材料(接合材料)として使用されるガラスとの濡れ性が良好であり、機械的強度も高いという利点もある。
特開2013−122718号公報
前述したように、セラミック材料によって形成されたパッケージ部材と蓋部材とによって構成される筐体の内部にセンサノードの構成部品を収容することにより優れた耐環境性及び絶縁性を備えたセンサノードが知られている。パッケージ部材と蓋部材との接合は、これらの接合面に接合材料(例えば、ガラス粉末を含むペースト(ガラスペースト)及びガラスリボン等のガラス材料)を配設し、接合材料の融点以上の温度に加熱して接合材料を溶融させることによって行われる。パッケージ部材と蓋部材との接合強度を高め、センサノードの筐体全体としての強度を確保する観点からは、できるだけ少量の接合材料によって接合を達成し、接合層をできるだけ薄くすることが望ましい。
しかしながら、接合層を薄くすればするほど、接合材料の溶融時に残った気泡の接合面への投影面積が大きくなり、当該気泡が開気孔となったり、パッケージ部材と蓋部材との接合面積が小さくなったりして、筐体に求められる気密性の確保が困難となる。センサノードの筐体の気密性が不十分であると、例えばセンサノードの内部に湿度が侵入する虞が高まり、センサノードの耐環境性及び/又は絶縁性の低下に繋がる虞がある。従って、接合材料の溶融時に気泡の残留を少なくして筐体の気密性を確保する観点からは、残った気泡の投影面積が小さくなって閉気孔となるように十分な量の接合材料によって接合を達成し、接合層をある程度厚くすることが望ましい。このような観点から、一般に、接合層の厚みは数十μm(例えば、20μm)程度であり、数μm(例えば、5μm)程度が下限値となっている。
一方、接合材料を溶融させてパッケージ部材と蓋部材とを接合するとき、加熱斑等により接合面に温度のばらつきが生ずると、接合材料の溶融が不均一となり、蓋部材がパッケージ部材との接合面に対して傾く等の接合精度不良が生ずる場合がある。具体的には、相対的に温度が高い領域においては、接合材料の溶融が進み、その溶融物の粘度が低下し、流動性が高まる。一方、相対的に温度が低い領域においては、接合材料の溶融が遅れ、その溶融物の粘度が相対的に高い状態となったり、流動性の無い未溶融分が残ったりして、接合材料の流動性が低いままとなる。その結果、例えば蓋部材の自重によって、相対的に温度が高い領域においては蓋部材とパッケージ部材との間隔が相対的に狭くなり、相対的に温度が低い領域においては蓋部材とパッケージ部材との間隔が相対的に広くなる。
上記のように、パッケージ部材と蓋部材とを接合するときに接合面に温度のばらつきが生ずると、蓋部材がパッケージ部材との接合面に対して傾き、接合精度不良を招く虞がある。この傾きは、パッケージ部材と蓋部材とを接合するときの接合面における温度のばらつきが大きいほど大きい傾向がある。更に、この傾きは、接合材料が多いほど(即ち、接合層が厚いほど)大きい傾向がある。従って、接合精度不良を低減する観点からは、できるだけ少量の接合材料によって接合を達成し、接合層をできるだけ薄くすることが望ましい。
以上説明したように、接合材料の溶融時に気泡を抜け易くして筐体の気密性を確保するためには、接合層をある程度厚くすることが望ましい。一方、パッケージ部材と蓋部材との接合強度を高め、接合精度不良を低減するためには、接合層をできるだけ薄くすることが望ましい。即ち、上述したセンサノード用パッケージに限らず、セラミック材料によって形成されたパッケージ部材と蓋部材とによって構成される筐体において、接合層中の気泡に起因する気密性の低下を低減しつつ、パッケージ部材と蓋部材との接合強度を高め且つ接合精度不良を低減することは困難である。
従って、本発明の1つの目的は、セラミック材料によって形成されたパッケージ部材と蓋部材とによって構成される筐体におけるパッケージ部材と蓋部材との接合において、高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度(例えば、小さい傾き)を同時に達成することである。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、パッケージ部材の接合面に設けられた凹部内に適量の接合材料を収容しておき、パッケージ部材と蓋部材とを接合面にて当接させた状態において当該接合材料を加熱して溶融させることにより、高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度(例えば、小さい傾き)を同時に達成することができることを見出した。
即ち、本発明に係る接合方法(以降、「本発明方法」と称される場合がある。)は、
筐体を構成するセラミックス製のパッケージ部材とセラミックス製の蓋部材とを接合するための接合方法であって、
前記パッケージ部材において、前記筐体の内部空間に対応する凹部である収容部が形成されると共に、前記蓋部材との接合のための接合材料を溜めておくための凹部である接合材料溜まりが前記蓋部材との接合面である第1接合面に形成されており、
前記接合材料溜まり内に所定量の接合材料を収容する収容ステップと、
前記蓋部材の前記パッケージ部材との接合面である第2接合面を前記第1接合面と当接させた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる溶融ステップと、
前記接合材料を凝固させることによって前記パッケージ部材と前記蓋部材とを接合して前記蓋部材によって前記収容部を封止する封止ステップと、
を含む、接合方法である。
上記のように、本発明方法においては、パッケージ部材の蓋部材との接合面に接合材料溜まりを形成して、その中に所定量の接合材料を収容しておき、パッケージ部材と蓋部材との接合時に当該接合材料を加熱して溶融させる。これにより、パッケージ部材と蓋部材との接合において、高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度を同時に達成することができる。
パッケージ部材及び蓋部材を含む筐体を有するパッケージ中に収容されたセンサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図である。当該センサノードは本発明の第5実施形態の実施例(E01)に係る無線センサノードであり、収容部を画定するパッケージ部材の側壁の内部にアンテナが埋設されている。 本発明の第1実施形態に係る接合方法(第1方法)について説明する筐体の模式的な側断面図である。 本発明の第2実施形態に係る接合方法(第2方法)について説明する筐体の模式的な側断面図である。 本発明の第3実施形態に係る接合方法(第3方法)について説明する筐体の模式的な側断面図(a)及び平断面図(b)である。 本発明の第4実施形態に係る接合方法(第4方法)について説明する筐体の模式的な側断面図(a)及び平断面図(b)である。 パッケージ部材及び蓋部材を含む筐体を有するパッケージ中に収容されたセンサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図である。当該センサノードは従来技術としての比較例(C01)に係る無線センサノードであり、収容部を画定するパッケージ部材の底壁の内部にアンテナが埋設されている。 本発明の実施例E02に係る無線センサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図である。 従来技術としての比較例C02に係る無線センサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図である。 本発明の実施例E03に係る無線センサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図である。 従来技術としての比較例C03に係る無線センサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図である。 本発明の実施例E04に係る無線センサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図である。 本発明の実施例E05に係る無線センサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図及び透視図である。 従来技術としての比較例C05に係る無線センサノードの構成の一例を示す模式的な側断面図及び透視図である。 本発明の実施例に係る無線センサノードにおけるアンテナ形状に関する変形例を示す模式的な側断面図及び透視図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る接合方法(以下、「第1方法」と称される場合がある。)について説明する。第1方法は、例えばセンサノード用パッケージ等において使用されるセラミックス製の筐体を構成するパッケージ部材と蓋部材とを接合するための接合方法である。そこで先ず、第1方法が適用される筐体を備えるセンサノード用パッケージの構成につき、図2を参照しながら説明する。
(構成)
図2(a)に示したように、第1方法が適用される筐体100を構成するパッケージ部材110及び蓋部材120は、何れもセラミックスによって形成されている。好ましくは、パッケージ部材110及び蓋部材120を形成するセラミックスは酸化物系セラミックスである。より好ましくは、前述したように、パッケージ部材110を形成するセラミックスは低温同時焼成セラミックス(LTCC)であり、蓋部材120を形成するセラミックスはアルミナである。このように、パッケージ部材110を形成するセラミックスと、蓋部材120を形成するセラミックスとは、同じであっても、異なっていてもよい。
前記パッケージ部材110には、前記筐体100の内部空間に対応する凹部である収容部140が形成されている。この収容部140の内部には、例えば、前述したように、センサノードの構成部品(例えば、センサ、無線チップ、マイクロプロセッサ及び電源(例えば電池等)等)が収容される。更に、第1方法が適用される前記パッケージ部材110の前記蓋部材120との接合面である第1接合面には、前記蓋部材120との接合のための接合材料を溜めておくための凹部である接合材料溜まり130が形成されている。
接合材料溜まり130の形状及び大きさは、その内部に所定量の接合材料を収容することができ且つ溶融して流動性が高まった接合材料が適度に広がって第1接合面と第2接合面との間の隙間に入り込むことが可能である限り、特に限定されない。例えば、接合材料溜まり130は、前記収容部140の開口部を連続的に取り囲むように第1接合面に形成された溝であってもよく、第1接合面において開口するように形成された複数の穴であってもよい。
尚、パッケージ部材及び蓋部材は、上記構成を満足することが可能である限り、如何なる手法によって製造されてもよい。例えば、上記のようなパッケージ部材及び蓋部材を製造するための具体的な方法は、例えば、主としてセラミック材料を含んでなる誘電体材料からなる基材を採用する配線基板等のセラミック製品の製造方法として、当該技術分野において広く使用されている種々の方法の中から適宜選択することができる。このような製造方法の一般的な具体例としては、例えば、所謂「ドクターブレード法」及び「ゲルキャスト法」等を挙げることができる。
(接合手順)
図2(b)に示したように、先ず、収容ステップにおいて、前記接合材料溜まり130内に所定量の接合材料150aを収容する。「所定量」とは、接合材料溜まりの内部に収容されることができ且つ溶融して流動性が高まった接合材料が適度に広がって第1接合面と第2接合面との間の隙間に入り込むことが可能となる量である。使用される接合材料に応じた所定量は、例えば、事前実験等によって予め特定することができる。例えば、種々の量の接合材料が接合材料溜まりに収容されたパッケージ部材と蓋部材とを接合面において当接させた組み合わせを用意する。これらの組み合わせを加熱して接合材料を溶融させた後に凝固させる。このようにして接合されたパッケージ部材と蓋部材との接合状態を調べることにより、接合材料に応じた所定量を特定することができる。
次に、図2(c)に示したように、溶融ステップにおいて、前記蓋部材120の前記パッケージ部材110との接合面である第2接合面を前記第1接合面と当接させた状態において前記接合材料150aを加熱して溶融させる。以下の説明において、溶融後の接合材料を150bと呼称することにより溶融前の接合材料150aと区別する。接合材料を加熱する方法は特に限定されず、例えば電気炉等の加熱炉及び赤外線ランプ等の加熱手段を使用することができる。このようにして接合材料150aを加熱して溶融させると、図2(d)に示したように、流動性が高まった接合材料150bが広がり、第1接合面と第2接合面との間の隙間Gに到達する。この隙間Gは非常に小さいため、毛細管現象により、この隙間Gの中に接合材料150bが入り込む。
上記のように毛細管現象によって第1接合面と第2接合面との間の隙間Gの中に接合材料150bが入り込むので、接合材料150bの層は極めて薄く、しかも接合材料150bの中に気泡が生ずる虞は極めて低い。加えて、パッケージ部材110と蓋部材120とを接合面において当接させるとき、接合材料150aはパッケージ部材110の第1接合面に形成された接合材料溜まり130に収容されており、第1接合面と第2接合面との間には接合材料150aは存在しない。従って、たとえ加熱斑等により接合面に温度のばらつきが生じても、前述した従来技術に係るセンサノード用パッケージのように蓋部材120がパッケージ部材110との接合面に対して傾く等の接合精度不良を低減することができる。
次に、封止ステップにおいて、前記接合材料150bを凝固させることによって前記パッケージ部材110と前記蓋部材120とを接合して前記蓋部材120によって前記収容部140を封止する。接合材料を凝固させる方法は特に限定されず、例えば放冷及び何らかの冷却手段を使用する強制冷却等によって接合材料を凝固させることができる。上述したように接合材料の層は極めて薄く、しかも接合材料の中に気泡が生ずる虞は極めて低いので、高い気密性及び高い接合強度を同時に達成することができる。
以上説明したように、第1方法によれば、パッケージ部材と蓋部材との接合において、高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度を同時に達成することができる。尚、図2に示した例においては、方形の断面形状を有する溝として接合材料溜まりが形成されている。しかしながら、上述したように、接合材料溜まりの形状及び大きさは、上記に限定されない。
<第2実施形態>
ところで、例えばセンサノード用パッケージ等において使用されるセラミックス製の筐体に求められる高い気密性及び接合強度を確保するためには、第1接合面と第2接合面との間に介在する接合材料の層の幅(収容部を画定するパッケージ部材の側壁の厚み方向における接合材料の層の寸法)が所定値(例えば、3mm)以上であることが望ましい。換言すれば、例えば水分等が外部から筐体の内部に侵入するときの行程がより長い方が、より高い気密性が達成される。その結果、接合面積もまた増大するので、パッケージ部材と蓋部材との接合強度もより高くなる。
しかしながら、本発明方法においては、上述したように、接合材料を溜めておくための凹部である接合材料溜まりがパッケージ部材の第1接合面に形成される。従って、このような接合材料溜まりを備えない従来技術に係る筐体と比較して、パッケージ部材の第1接合面と蓋部材の第2接合面との接合面積は、接合材料溜まりの開口部に相当する面積だけ、より小さい。それに対応して、第1接合面と第2接合面との間に介在する接合材料の層の幅もまた、より小さい。従って、例えばセンサノード用パッケージ等において使用されるセラミックス製の筐体に求められる高い気密性及び接合強度を確保する観点からは、接合材料溜まりによって減少した接合面接及び接合材料の層の幅を補完することが望ましい。より好ましくは、パッケージ部材の第1接合面と蓋部材の第2接合面との接合面積及び接合材料の層の幅を増大させることが望ましい。
そこで、本発明の第2実施形態に係る接合方法(以下、「第2方法」と称される場合がある。)においては、前記第1接合面に第1高低差が形成されている。この第1高低差は、第1接合面と第2接合面との間に介在する接合材料の層の幅が大きくなるように形成される。具体的には、例えば、図3(a)に示したように、パッケージ部材110の第1接合面の収容部140から見て最も外側の領域が高く、この領域に隣接する内側の領域が低く、更に最も内側の領域が高くなるように第1高低差を形成してもよい(即ち、第1接合面に溝を形成するようにしてもよい)。或いは、図3(b)に示したように、パッケージ部材110の第1接合面の収容部140から見て外側の領域が低く、内側の領域が高くなるように第1高低差を形成してもよい。逆に、図3(c)に示したように、パッケージ部材110の第1接合面の収容部140から見て外側の領域が高く、内側の領域が低くなるように第1高低差を形成してもよい。尚、図3においては、第1接合面に形成された接合材料溜まりは省略されている。
上記に対応して、前記第2接合面には、前記第1接合面と嵌合可能となるように前記第1高低差に対応する第2高低差が形成されている。この第2高低差は、図3(a)乃至(c)に示したように、パッケージ部材の第1接合面に形成される高低差とは高低が逆になっており、パッケージ部材の第1接合面と蓋部材の第2接合とを当接させたときに、互いの高低差(凹凸)が嵌合することができるように形成される。
更に、前記溶融ステップにおいて、前記第1高低差と前記第2高低差とを嵌合させた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる。これにより、溶融した接合材料が第1高低差と第2高低差との間の隙間に入り込む。従って、このような高低差が接合面に形成されていない場合と比較して、接合材料の層の幅がより大きくなる。その結果、例えば水分等が外部から筐体の内部に侵入するときの行程がより長くなり、より高い気密性が達成される。更に、接合面積もまた増大するので、パッケージ部材と蓋部材との接合強度もより高くなる。
<第3実施形態>
ところで、パッケージ部材と蓋部材とを接合するときに、これらの部材の位置合わせが不十分であると、接合面積が減少して、筐体としての気密性及び/又はパッケージ部材と蓋部材との接合強度が低下する虞がある。この問題の対策として、第1接合面の外縁によって規定される形状よりも大きい平板状の蓋部材を採用することにより、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせが不十分であっても、接合面積の減少を回避することができる。
しかしながら、この場合、蓋部材がパッケージ部材からはみ出した状態となるため、例えば運搬時等に、このはみ出した部分が周囲の他の物品等にぶつかったり、引っかかったりして、破損する虞がある。従って、パッケージ部材と蓋部材とを接合するときに、これらの部材の位置合わせを簡便に行うことができることが望ましい。
そこで、本発明の第3実施形態に係る接合方法(以下、「第3方法」と称される場合がある。)においては、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせをするための凹凸をそれぞれの部材の接合面に設ける。この凹凸を嵌合させることにより、これらの部材の位置合わせを簡便且つ正確に行うことができる。
即ち、第3方法においては、前記第1接合面及び前記第2接合面の対向する少なくとも1つの領域において、前記第1接合面及び前記第2接合面の一方に嵌合用凸部が形成され、他方に嵌合用凹部が形成される。嵌合用凸部及び嵌合用凹部の形状及び大きさは、センサノード用パッケージにおけるパッケージ部材と蓋部材との接合において高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度を同時に達成するという本発明の目的の妨げとならない限り、特に限定されない。
例えば、図4に示したように、収容部140を画定するパッケージ部材110の4つの側壁の頂面に該当する第1接合面に円柱状の嵌合用凹部160をそれぞれ形成し、蓋部材120の第2接合面における各嵌合用凹部160に対向する位置に嵌合用凹部160と嵌合可能な大きさの円柱状の嵌合用凸部170を形成してもよい。
尚、嵌合用凸部及び嵌合用凹部の数及び位置は、図4に示した例に限定されず、例えば、第1接合面及び第2接合面の形状、パッケージ部材と蓋部材とを接合させる工程仕様及び位置合わせによって得ようとする効果等に応じて、適宜定めることができる。更に、第1接合面及び第2接合面の何れに嵌合用凸部を形成し、何れに嵌合用凹部を形成してもよい。例えば、第1接合面には嵌合用凹部のみを形成し、第2接合面には嵌合用凸部のみを形成してもよい。逆に、第1接合面には嵌合用凸部のみを形成し、第2接合面には嵌合用凹部のみを形成してもよい。或いは、第1接合面に嵌合用凹部及び嵌合用凸部を形成し、第2接合面にはそれぞれに対応する嵌合用凸部及び嵌合用凹部を形成してもよい。
そして、前記溶融ステップにおいて、前記嵌合用凸部と前記嵌合用凹部とを嵌合させることによって前記パッケージ部材と前記蓋部材との位置合わせがなされた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる。これにより、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせが不十分であるために接合面積が減少することを防ぐことができる。その結果、第3方法によれば、例えばセンサノード用パッケージ等において使用されるセラミックス製の筐体におけるパッケージ部材と蓋部材との接合において高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度をより確実に達成することができる。
尚、上述したように、第2方法においては第1高低差と第2高低差とを嵌合させた状態で溶融ステップが実行される。このように第1高低差と第2高低差との嵌合により、十分な位置合わせがなされた状態において接合材料を加熱して溶融させることができる場合もある。しかしながら、第1高低差及び第2高低差の形状によっては、パッケージ部材と蓋部材との相対位置が必ずしも一意に定まらない。このような場合においても、第3方法によれば、嵌合用凸部と嵌合用凹部との嵌合により、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせを確実に行うことができる。
<第4実施形態>
ところで、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせを簡便且つ正確に行うための方策は上記に限定されない。例えば、蓋部材のパッケージ部材に対向する面に突起を設けて、収容部を画定するパッケージ部材の側壁と当該突起とを接触させることにより、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせを簡便且つ正確に行うことができる。
即ち、本発明の第4実施形態に係る接合方法(以下、「第4方法」と称される場合がある。)においては、前記蓋部材の前記パッケージ部材に対向する面であって前記第2接合面ではない部分における少なくとも1つの領域に少なくとも1つの突起が形成される。突起の形状及び大きさは、例えばセンサノード用パッケージ等において使用されるセラミックス製の筐体におけるパッケージ部材と蓋部材との接合において高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度を同時に達成するという本発明の目的の妨げとならない限り、特に限定されない。
但し、上記突起は、蓋部材のパッケージ部材に対向する面であって第2接合面ではない部分に形成される。より詳しくは、上記突起は、その外壁が、パッケージ部材と蓋部材とを接合するときに、収容部を画定するパッケージ部材の側壁の内側面と接触するような位置に形成される。これにより、パッケージ部材と蓋部材とを接合するときに、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせがなされる。
例えば、図5に示したように、蓋部材120のパッケージ部材110に対向する面であって第2接合面ではない部分に4つの突起180を形成してもよい。パッケージ部材110と蓋部材120とを接合するとき、これら4つの突起180は、収容部140を画定するパッケージ部材110の4つの側壁の内側面に接触する。これにより、パッケージ部材110と蓋部材120との位置合わせを簡便且つ正確に行うことができる。
尚、上記突起の数及び位置は、図5に示した例に限定されず、例えば、第1接合面及び第2接合面の形状、パッケージ部材と蓋部材とを接合させる工程仕様及び位置合わせによって得ようとする効果等に応じて、適宜定めることができる。
そして、前記溶融ステップにおいて、前記収容部を画定する前記パッケージ部材の側壁の内側面と前記突起の外側面とを接触させることによって前記パッケージ部材と前記蓋部材との位置合わせがなされた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる。これにより、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせが不十分であるために接合面積が減少することを防ぐことができる。その結果、第4方法によれば、例えばセンサノード用パッケージ等において使用されるセラミックス製の筐体におけるパッケージ部材と蓋部材との接合において高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度をより確実に達成することができる。
尚、上述したように、第2方法においては第1高低差と第2高低差とを嵌合させた状態で溶融ステップが実行される。このように第1高低差と第2高低差との嵌合により、十分な位置合わせがなされた状態において接合材料を加熱して溶融させることができる場合もある。しかしながら、第1高低差及び第2高低差の形状によっては、パッケージ部材と蓋部材との相対位置が必ずしも一意に定まらない。このような場合においても、第4方法によれば、蓋部材のパッケージ部材に対向する面に形成された突起の外側面と、収容部を画定するパッケージ部材の側壁の内側面と、を接触させることにより、パッケージ部材と蓋部材との位置合わせを確実に行うことができる。
<接合材料>
ところで、前述したように、パッケージ部材と蓋部材とは、これらの接合面に接合材料を配設し、接合材料の融点以上の温度に加熱して接合材料を溶融させることによって接合される。この接合材料は、セラミックス製のパッケージ部材とセラミックス製の蓋部材とを接合して、高い気密性、高い接合強度及び良好な接合精度を同時に達成することができる限り、特に限定されない。具体的には、接合材料は、例えば、ガラスを含む材料(即ち、ガラス材料)である。より具体的には、接合材料は、例えば、ガラス粉末、ガラスフリット及び接合材料溜まりの形状に合う形状を有する固化ガラス(例えば、ガラスリボン等)からなる群より選ばれる少なくとも1つの接合材料である。
<本発明に係る筐体及び当該筐体を有するセンサノード用パッケージ>
本発明の範囲は、これまで説明してきたパッケージ部材と蓋部材との接合方法のみに限定されず、上述した各種実施形態及びそれらの変形例に係る接合方法によって接合されたパッケージ部材及び前記蓋部材によって構成された筐体にも及ぶ。更に、本発明の範囲は、これらの筐体を有するセンサノード用パッケージにも及ぶ。
<第5実施形態>
ところで、冒頭で述べたように、パッケージ部材の収容部を画定する壁部には、例えば、収容部に収容されるセンサノードの構成部品同士を電気的に接続するための配線、外部電極及び無線通信のためのアンテナ等の導体パターンが埋設される場合がある。例えば、図6に示した従来技術に係るセンサノードのように、これらの導体パターンは、パッケージ部材の収容部を画定する各種壁部のうち、側壁ではなく、底壁に埋設されることが一般的である。
しかしながら、図6に示したように、パッケージ部材20の収容部を画定する底壁の内面(内側の表面)には、例えば制御IC、電源IC、無線IC、センサ、水晶発信器及び発電素子、並びに制御回路、電源回路及び無線回路等の構成部品11乃至13が配設される。更に、例えばセンサノードの構成部品同士を電気的に接続するための配線41及び/又は外部との接続のための電極43等が、収容部を画定する底壁の表面及び/又は内部に形成される。従って、従来技術に係るセンサノードにおいては、これらの構成部品11乃至13及び/又は配線41等の影響により、アンテナ42の送受信性能が十分に発揮されない場合があった。
そこで、本発明者は、アンテナ42を構成する導体パターンを、パッケージ部材の収容部を画定する各種壁部のうち、底壁ではなく、側壁の内部に埋設することにより、構成部品11乃至13及び/又は配線41等の影響によるアンテナ42の送受信性能の低下を抑制することができることを見出した。
即ち、本発明の第5実施形態に係る筐体(以下、「第5筐体」と称される場合がある。)は、
筐体の内部空間に対応する凹部である収容部が形成されたセラミックス製のパッケージ部材及びセラミックス製の蓋部材を含む筐体であって、
前記収容部を画定する前記パッケージ部材の側壁の内部に埋設されたアンテナを更に備える筐体である。
上記のように、第5筐体においては、収容部を画定するパッケージ部材の側壁の内部にアンテナが埋設される。これにより、アンテナと構成部品及び/又は配線等との位置関係(例えば、距離及び/又は角度等)の自由度が高まる。具体的には、アンテナと構成部品及び/又は配線等とを離したり、アンテナの指向性に応じてアンテナと構成部品及び/又は配線等との向き(角度)を調整したりすることが容易になる。
例えば、アンテナと構成部品及び/又は配線等との距離を大きくする(これらを遠ざける)ことによって構成部品及び/又は配線等の影響によるアンテナの送受信性能の低下を抑制しようとする場合を想定する。この場合、収容部を画定するパッケージ部材の底壁の内部にアンテナが埋設される従来技術に係る筐体においては、パッケージ部材の底壁の厚みを大きくすることが必須となる。しかしながら、このようにパッケージ部材の底壁の厚みを大きくすると、パッケージ部材の質量及び大きさが増大する。その一方で、アンテナと構成部品及び/又は配線等とを遠ざける効果は小さい。即ち、構成部品及び/又は配線等の影響によるアンテナの送受信性能の低下を効果的に抑制することは難しい。
一方、収容部を画定するパッケージ部材の側壁の内部にアンテナが埋設される第5筐体においては、パッケージ部材の質量及び/又は大きさの大幅な増大を伴うこと無く、アンテナと構成部品及び/又は配線等とを容易に遠ざけることができる。即ち、構成部品及び/又は配線等の影響によるアンテナの送受信性能の低下を効果的に抑制することができる。
尚、第5筐体は、上述したパッケージ部材と蓋部材との各種接合方法によって製造されたものであってもよい。更に、本発明の範囲は、第5筐体を有するセンサノード用パッケージにも及ぶ。
(無線センサノードの各種サンプルの製造)
ここで、第5筐体を有する無線センサノードの各種サンプル(実施例)及び従来技術に係る筐体を有する無線センサノードの各種サンプル(比較例)を製造し、両者におけるアンテナの放射効率を比較した。先ず、以下の表1に示す実施例(E01乃至E05)及び比較例(C01乃至C03及びC05)に係る無線センサノードの各種サンプルを製造した。何れのサンプルにおいても、5〜120の種々の比誘電率を有するセラミックスを用いてパッケージ部材20及び蓋部材30を形成した。そして、これらの接合面にガラスペーストを接合材料として配設し、当該接合材料の融点以上の温度に加熱して当該接合材料を溶融させることによって、パッケージ部材20及び蓋部材30を接合させた。尚、表1に示したアンテナの長さは、アンテナを構成する導体パターンの合計長さではなく、後述する図12及び図14に示したように、アンテナ全体としての長さ(L)を指す。
Figure 2016069265
(無線センサノードの各種サンプルの評価結果)
何れのサンプルについても、300〜2500MHzの周波数を有する電波をそれぞれのアンテナを介して放射させ、それぞれの放射効率を評価した。ここで、表1に示した各種サンプルの評価結果につき、それぞれの構成に照らしながら以下に詳細に説明する。
(実施例E01及び比較例C01)
先ず、実施例E01及び比較例C01は、それぞれ図1及び図6に示した構成を有する。具体的には、実施例E01と比較例C01とは、単純な線状のモノポール型のアンテナ42がそれぞれパッケージ部材20の側壁及び底壁の内部に埋設されている点を除き、同じ構成を有する無線センサノードである。
尚、図1及び図6に示したように、実施例E01及び比較例C01は何れもパッケージ部材20の底部(底壁)の外面に露出した外部電極43を備える。外部電極43は、例えばセンサ等のデバイス、回路、電源、設備及びこれらとの接続のためのケーブル等、センサノードの外部にある部品との電気的接続を確立するための端子として使用される。
表1に示したように、実施例E01の放射効率は65%以上であったのに対し、比較例C01の放射効率は65%未満であった。これは、従来技術に係る比較例C01においては、収容部を画定するパッケージ部材20の底壁の内部にアンテナ42が埋設されているために構成部品11乃至13及び/又は配線41等の影響によりアンテナ42の送信性能が低下し、本発明に係る実施例E01においては、収容部を画定するパッケージ部材20の側壁の内部にアンテナ42が埋設されているために構成部品11乃至13及び/又は配線41等の影響がアンテナ42の送信性能に及ばなかったためであると考えられる。
(実施例E02及び比較例C02)
次に、実施例E02及び比較例C02は、それぞれ図7及び図8に示した構成を有する。具体的には、実施例E02及び比較例C02は、何れもパッケージ部材20の底部(底壁)の外面に露出した外部電極43を備えない点を除き、それぞれ実施例E01及び比較例C01と同じ構成を有する。
表1に示したように、実施例E02の放射効率は65%以上であったのに対し、比較例C02の放射効率は65%未満であった。これは、実施例E01及び比較例C01について上述した理由と同じ理由によるものと考えられる。
(実施例E03及び比較例C03並びに実施例E04)
ところで、上述した例においては特に言及しなかったが、アンテナを備える機器においては、アンテナのインピーダンスを整合させるためのアンテナ整合回路が使用されるのが一般的である。そこで、実施例E03及びC03として、アンテナ整合回路を収容部に備える構成を例示する。実施例E03及び比較例C03は、それぞれ図9及び図10に示した構成を有する。具体的には、実施例E03及び比較例C03は、何れも、以下の点を除き、それぞれ実施例E02及び比較例C02と同じ構成を有する。
(1)アンテナ42のインピーダンスを整合するためのアンテナ整合回路Mを収容部に備える点、
(2)構成部品11乃至13及びアンテナ整合回路Mを電気的に接続するための配線41がパッケージ部材20の内部ではなく、収容部を画定する底壁の内面(内側の表面)に配設されている点、並びに
(3)アンテナ42がアンテナ整合回路Mを介して配線41と接続されている点。
更に、実施例E04は、図11に示した構成を有する。具体的には、実施例E04は、アンテナ整合回路Mを、収容部ではなく、パッケージ部材20の側壁の内部に備える点を除き、実施例E03と同じ構成を有する。
尚、アンテナ整合回路とは、アンテナ42の入力インピーダンスと送信機のインピーダンスとを整合させて、アンテナ42から放射するはずの信号が送信機に反射したりする現象を低減することを目的として、アンテナ42と送信機との間に配設される。一般に、整合回路はインダクタ(L)及びキャパシタ(C)を含む回路であり、一般的には、実施例E03及び比較例C03のように、収容部に配設されることが一般的である。しかしながら、実施例E04のように、パッケージ部材20の側壁の内部に埋設されていてもよい。
表1に示したように、実施例E03及びE04の放射効率は65%以上であったのに対し、比較例C03の放射効率は65%未満であった。これもまた、これまで説明してきた各種実施例と比較例との評価結果と同様である。即ち、この場合も、従来技術に係る比較例C03においては、収容部を画定するパッケージ部材20の底壁の内部にアンテナ42が埋設されているために構成部品11乃至13及び/又は配線41等の影響によりアンテナ42の送信性能が低下し、本発明に係る実施例E03及びE04においては、収容部を画定するパッケージ部材20の側壁の内部にアンテナ42が埋設されているために構成部品11乃至13及び/又は配線41等の影響がアンテナ42の送信性能に及ばなかったためであると考えられる。
(実施例E05及び比較例C05)
次に、実施例E05及び比較例C05は、それぞれ図12及び図13に示した構成を有する。具体的には、実施例E05及び比較例C05は、何れもアンテナ42が単純な線状のモノポール型ではなくメアンダ形状となっている点を除き、それぞれ実施例E01及び比較例C01と同じ構成を有する。これらのサンプルにおいては、アンテナ42をメアンダ形状とすることにより、アンテナ42をコンパクトに収容することができるので、パッケージを小型化することができる。
より詳しくは、図12の(b)は、図12の(a)に示した実施例E05に係る無線センサノードを白抜きの矢印によって示す方向から見た側面の透視図である。図12の(b)に示したように、実施例E05においては、メアンダ形状を有するアンテナ42がパッケージ部材20の側壁の内部に埋設されている。一方、図13の(b)は、図13の(a)に示した比較例C05に係る無線センサノードの上面の透視図である。図13の(b)に示したように、比較例C05においては、メアンダ形状を有するアンテナ42がパッケージ部材20の底壁の内部に埋設されている。尚、図13の(b)においては、構成部品11乃至13及び/又は配線41等の下にアンテナ42が配設されているので、アンテナ42は破線によって示した。
この場合もまた、表1に示したように、実施例E05の放射効率は65%以上であったのに対し、比較例C05の放射効率は65%未満であった。この結果もまた、実施例E01及び比較例C01について上述した理由と同じ理由によるものと考えられる。
(アンテナの配置及び形状に関する変形例)
尚、上記においては、図12及び図13に示したように、メアンダ形状のアンテナ42を構成する導体パターンがパッケージ部材20の壁面(それぞれ、側壁及び底壁)に略平行な面内にあるようにアンテナ42が埋設されていた。しかしながら、メアンダ形状のアンテナ42を構成する導体パターンは必ずしもパッケージ部材20の壁面に略平行な面内にある必要は無い。例えば、メアンダ形状のアンテナ42を構成する導体パターンは、パッケージ部材20の壁面と交差(例えば、直交)する面内にあってもよい。
更に、アンテナ42の形状は、上述した単純な線状のモノポール型及びメアンダ形状に限定されない。例えば、図14に示すように、アンテナ42を構成する導体パターンが渦巻き状に形成されていてもよい。尚、図14の(b)は、図14の(a)に示した実施例に係る無線センサノードを白抜きの矢印によって示す方向から見た側面の透視図である。図14の(b)に示したように、この実施例においては、渦巻き状の形状を有するアンテナ42がパッケージ部材20の側壁の内部に埋設されている。
また更に、アンテナの種類はモノポール型に限定されず、例えばダイポール型及びループ型等のモノポール型以外の種類のアンテナを使用することができる。本発明によって達成される上記効果はアンテナの形状によって得られるものではなく、アンテナの配置によって得られる効果である。従って、アンテナの種類及び形状に拘わらず上記効果が達成されるのである。
(総括)
以上説明してきたようなセンサノードの各種サンプルにおける何れの組み合わせにおいても、表1に示したように、本発明の第5の実施形態に係る筐体(第5筐体)の要件を満たす実施例において、比較例に勝る放射効率が測定された。即ち、パッケージ部材20の底壁の内部ではなく、側壁の内部にアンテナ42を形成する導体パターンを埋設した方が、構成部品及び/又は配線等の影響によるアンテナ42の送信性能(放射効率)の低下を抑制することができることが確認された。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び実施例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきた。しかしながら、これらの説明はあくまでも例示を目的とするものである。即ち、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
11乃至13…構成部品、20…パッケージ部材、30…蓋部材、31…板状部、32…リム部、41…配線、42…アンテナ、43…外部電極、100…筐体、110…パッケージ部材、120…蓋部材、130…接合材料溜まり、140…収容部、150a…溶融前の接合材料、150b…溶融後の接合材料、160…嵌合用凹部、170…嵌合用凸部及び180…突起。

Claims (11)

  1. 筐体を構成するセラミックス製のパッケージ部材とセラミックス製の蓋部材とを接合するための接合方法であって、
    前記パッケージ部材において、前記筐体の内部空間に対応する凹部である収容部が形成されると共に、前記蓋部材との接合のための接合材料を溜めておくための凹部である接合材料溜まりが前記蓋部材との接合面である第1接合面に形成されており、
    前記接合材料溜まり内に所定量の接合材料を収容する収容ステップと、
    前記蓋部材の前記パッケージ部材との接合面である第2接合面を前記第1接合面と当接させた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる溶融ステップと、
    前記接合材料を凝固させることによって前記パッケージ部材と前記蓋部材とを接合して前記蓋部材によって前記収容部を封止する封止ステップと、
    を含む、接合方法。
  2. 請求項1に記載の接合方法であって、
    前記第1接合面に第1高低差が形成されており、
    前記第1接合面と嵌合可能となるように前記第1高低差に対応する第2高低差が前記第2接合面に形成されており、
    前記溶融ステップにおいて、前記第1高低差と前記第2高低差とを嵌合させた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる、
    接合方法。
  3. 請求項1又は2に記載の接合方法であって、
    前記第1接合面及び前記第2接合面の対向する少なくとも1つの領域において、前記第1接合面及び前記第2接合面の一方に嵌合用凸部が形成され、他方に嵌合用凹部が形成されており、
    前記溶融ステップにおいて、前記嵌合用凸部と前記嵌合用凹部とを嵌合させることによって前記パッケージ部材と前記蓋部材との位置合わせがなされた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる、
    接合方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の接合方法であって、
    前記蓋部材の前記パッケージ部材に対向する面であって前記第2接合面ではない部分における少なくとも1つの領域に少なくとも1つの突起が形成されており、
    前記溶融ステップにおいて、前記収容部を画定する前記パッケージ部材の側壁の内側面と前記突起の外側面とを接触させることによって前記パッケージ部材と前記蓋部材との位置合わせがなされた状態において前記接合材料を加熱して溶融させる、
    接合方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の接合方法であって、
    前記接合材料がガラスを含む、
    接合方法。
  6. 請求項5に記載の接合方法であって、
    前記接合材料がガラス粉末、ガラスフリット及び接合材料溜まりの形状に合う形状を有する固化ガラスからなる群より選ばれる少なくとも1つの接合材料である、
    接合方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の接合方法によって接合されたパッケージ部材及び前記蓋部材によって構成された筐体。
  8. 請求項7に記載の筐体を有するセンサノード用パッケージ。
  9. 筐体の内部空間に対応する凹部である収容部が形成されたセラミックス製のパッケージ部材及びセラミックス製の蓋部材を含む筐体であって、
    前記収容部を画定する前記パッケージ部材の側壁の内部に埋設されたアンテナを更に備える筐体。
  10. 請求項9に記載の筐体であって、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の接合方法によって接合されたパッケージ部材及び前記蓋部材によって構成された筐体。
  11. 請求項9又は10に記載の筐体を有するセンサノード用パッケージ。
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