JP2016068166A - シート切断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外周側が先細りのテーパ状になった円盤状刃部19と、その両側面から同軸状に挟持する一対の弾性ローラ15、15とで成る回転式切断部13、上方に向かって開口し、直線状に延びる溝9が設けられた載置面7を有する載置部とを備える。シート状の被切断物を前記載置面に載せ、転動しながら走行させることで、弾性ローラ15の載置面7への押えと、刃部19のテーパ面23の角縁部11への押えの元に、隙間内に突出進行する刃部19の先端24が被切断物を切断していく。
【選択図】 図6
Description
最近では樹脂含浸技術の改善により、炭素繊維に含浸させることが可能になった。この炭素繊維に含浸させたものは、CF−SMC(carbon fiber-sheet molding compound)と呼称されており、従来のGF−SMCに比べて格段に高い比強度、比剛性を有するため、大幅な軽量化を実現できる。従って、自動車、航空機、更には産業機械をはじめとする幅広い分野での、金属材料からの代替化が期待されている。
而して、GF−SMCの生産ラインでは、切断は、カッターナイフによる手動切断か、特許文献1に示すような平刃のスライド移動による自動切断であるが、いずれの手法も、CF−SMCに含まれる炭素繊維を綺麗に切断することは難しい。
従って、裁断はさみによる危険な手動により、時間をかけて漸く切断しているのが現状であるが、これらの手法ですら、切断面が粗く、炭素繊維の一部は切断面で切断できずに外方に出ている。
最近では、超音波カッターによる切断も試みられているが、樹脂が熱で硬化したり、切断速度が遅くて作業性が低くなったり、実際の作業現場で防爆区域が多くて使用が制限される等の問題がある。
図1に示すように、シート切断装置1は、機体フレーム3のテーブルに、矩形の鋼材5を二枚平らに並べた状態で取り付けられており、それらの水平上面が載置面7になっている。図1では、正面側にある鋼材5が現れている。この鋼材5、5どうしは一定の間隔で僅かであるが離れており、それらの間に隙間9(図6)が形成されている。この隙間9は、上方から見ると溝になっている。また、この隙間9を挟んで対向する鋼材5、5の角隅部11、11(図6)はいずれも直角になっている。
図2が切断部13の分解斜視図であり、この図に示すように、弾性ローラ15の中心側には孔が開けられ、そこに金属ワッシャ17が内嵌されて一体化されている。弾性ローラ15はシリコンスポンジを素材とするものであり、圧縮変形が可能となっている。
符号25は円板状のスペーサを示し、このスペーサ25にも中心に挿通孔27が形成されている。スペーサ25は、丸刃19の両側面側に配設されて、それぞれ弾性ローラ15と対向している。このスペーサ25の径寸法は丸刃19の径寸法より小さくなっている。
さらに、座金33と、ワッシャ35が介装された上で、ナット37が配設されている。
連結筒39は上記した押えプレート29が軸方向に二分割された状態となっており、弾性ローラ15に向いた側は同径になっており、有る程度の筒長を有している。一方、反対側を向いた側は、テーパ状で先細りになっている。また、筒長も短くなっている。
弾性ローラ15側に突出した部位は、大径になっており、雄ネジ43が形成されている。反対側に突出した部位は小径になっており、突出元側は滑らかな周面を有して回転軸部45となり、先端側には雄ネジ47が形成されている。
連結アーム49の垂直な板面を挟んで、シャフト41と対向しているのは、矩形厚板状の保持ブロック55である。この保持ブロック55には、連結アーム49の嵌込み孔51に嵌め込むための環状突起57が設けられている。保持ブロック55の挿通孔とこの環状突起57の挿通孔は連続しており、この内周側に円環状の軸受59が圧入されて固定されている。
この保持ブロック55には環状突起57の上下の縁寄りにそれぞれネジ孔61、61が形成されている。
一体化されると、保持ブロック55側の環状突起57が連結アーム49に嵌め込まれた状態となる。
シャフト41の大径側は、連結筒39が弾性ローラ15の金属ワッシャ17〜スペーサ25の挿通孔27〜丸刃19の挿通孔21〜スペーサ25の挿通孔27〜弾性ローラ15の金属ワッシャ17に挿通され、その先では、雄ネジ43が押えプレート29の挿通孔31〜座金33〜ワッシャ35に挿通され、ナット37が締付けられて固定されており、押えプレート29、29の間で、一対の弾性ローラ15、15の間で丸刃19が挟持された状態となっている。ナット37が締め付けたときに、金属ワッシャ17がその軸力を受け止めるので、スポンジで構成された弾性ローラ15は潰れずに形状が保持されている。
回転軸部45の先では、雌ネジ47が座金65〜ワッシャ67に挿通され、座金65を軸受59の軸方向他端部に当った状態でナット37が締付けられて固定されており、シャフト41の抜け落ちが規制されている。
従って、一対の弾性ローラ15、15と丸刃19とでなる切断部13が、軸受59に軸周りに回転自在に安定的に支持されている。
載置面7には、切断部13が上方から臨んでおり、載置面7にCF−SMCを載せると、図4に示すような状態となる。
図5に示すように、被切断物は、CF−SMCである。CF−SMCは、短い炭素繊維(C)が含浸された樹脂部(R)は未だ硬化が完了しておらず、柔軟性を有しており、その上下面がフィルム(F)でコートされている。
CF−SMCが鋼材5、5の上面を載置面としてその上に載せられており、鋼材5、5どうしの間の隙間9にも被さった状態となっている。
また、一対の弾性ローラ15、15の下側の外周面16が圧縮されたことにより、丸刃19が外周面16から突出する。この突出した部分はテーパ部であり、そのテーパ面23の一部がCF−SMCを伴って隙間9に入り込むようになっている。
切断部13が転動しながら走行すると、弾性ローラ15、15の圧縮に伴い、丸刃19の外周部が弾性ローラ15、15の間から相対的に突出して、隙間9に入り込んでいく。
その際には、先ず、二つの弾性ローラ15、15がCF−SMCを載置面7に対して押え付け始める。
次に、丸刃19が突出してくると、テーパ面23にガイドされてCF−SMCが隙間9内に引っ張り込まれる。
そして、テーパ部のテーパ面23がCF−SMCを鋼材5の角縁部11に対して押え付けると、丸刃19の先端24がCF−SMCを打ち抜くことで、切断する。
そして、丸刃19の両側面にあるテーパ面23、23が角縁部11に剛性的に強固に当って押え付けていくので、刃先24がCF−SMCに切り込んだときの振れが解消され、鋭い切れ味が実現される。
しかも、電気的駆動により自動的に作業を行うことができるので、安全性も高い。
例えば、上記の実施の形態では、丸刃19の径寸法より弾性ローラ15の径寸法が大きく設定されており、弾性ローラ15が圧縮されていないときには、丸刃19の外周縁は弾性ローラ15の外周縁より内方に後退しているが、これに限定されず、弾性ローラ15が載置面7に対して押え作用を働かせられるのであれば、丸刃19の径寸法を弾性ローラ15の径寸法と同じまたは大きく設定してもよい。
また、上記の実施の形態では、エアシリンダ71を利用して弾性ローラ15を載置面に対して押えているが、これに限定されず、油圧式シリンダでも良い。更には、スプリング、ゴム等の弾性体を載置面に対して付勢させて押えてもよい。但し、エアシリンダを利用すると、押え圧を調整し易いので、所望の押え圧を簡単に実現できる点が、他のものに比べて長所となっている。
また、上記の実施の形態では、隙間9の両側にある角縁部11、11は略直角となっており、このように尖った方が、CF−SMCを押え付け易いが、多少の丸みを有していても、押え効果は十分得らえる。
3……機体フレーム 5……鋼材 7……載置面
9……隙間 11……角縁部 13……切断部
15……弾性ローラ 16……外周面 17……金属ワッシャ
19……丸刃 21…挿通孔 23……テーパ面
24……(丸刃の)先端 25……スペーサ 27……押えプレート
29……挿通孔 31……押えプレート 33……座金
35…ワッシャ 37……ナット 39……連結筒
41……シャフト 43…雄ネジ 45……回転軸部
47……雄ネジ 49……連結アーム 51……嵌込み孔
53……ネジ孔 55……保持ブロック 57……環状突起
59……軸受 61……ネジ孔 63……取付けネジ
65……座金 67……ワッシャ 69……ナット
71……ロッドレスタイプのエアシリンダ
CF−SMC
C……炭素繊維 R‥‥樹脂部 F……フィルム
Claims (5)
- 外周側が先細りのテーパ状になった円盤状刃部と、前記刃部を両側面から同軸状に挟持する一対の弾性ローラとで成る回転式切断部と、
上方に向かって開口し、直線状に延びる溝が設けられた載置面を有する載置部とを備え、
シート状の被切断物を前記載置面に載せ、前記被切断物を介して前記切断部の刃部のテーパ部の一部は前記溝内で、その両側の弾性ローラは前記載置面上で、それぞれ転動しながら走行させることで、前記弾性ローラの前記載置面に対する弾性的な押えと、前記刃部のテーパ部の前記溝の角縁部に対する剛性的な押えの元に、前記刃部が前記溝内へ突出進行し、その先端が前記被切断物を切断していくことを特徴とするシート切断装置。 - 請求項1に記載したシート切断装置において、
切断部は刃部と弾性ローラとに分解可能に構成されていることを特徴とするシート切断装置。 - 請求項1または2に記載したシート切断装置において、
弾性ローラはスポンジ状素材で構成されていることを特徴とするシート切断装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載したシート切断装置において、
前記切断部の移動機構が設けられていることを特徴とするシート切断装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載したシート切断装置において、
CF−SMCを切断するのに使用することを特徴とするシート切断装置。
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