JP2016066884A - フィルタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンドエリミネーションフィルタを用いてバンドパスフィルタとしての機能を得ることができるフィルタ回路を提供する。
【解決手段】フィルタ装置10は、パルス信号に含まれる所定周波数帯域の信号成分を出力信号として出力する。フィルタ装置10は、信号通過を阻止する阻止帯域が前記所定周波数帯域を含むように設定されているとともに、前記パルス信号が与えられるフィルタ回路3と、フィルタ回路3で生じる反射信号を取り出すサーキュレータ4と、を備え、サーキュレータ4が取り出した信号を前記出力信号として出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、フィルタ装置に関する。
通信装置等において濾波等の信号処理に用いられるフィルタとしては、例えば、特定の周波数帯域の信号のみを通過させるバンドパスフィルタの他(例えば、特許文献1参照)、特定の周波数帯域の信号の通過を阻止するバンドエリミネーションフィルタ等が一般的に用いられている。
特開2003−318605号公報
上記両フィルタは、互いに相反する特性を有しているが、バンドパスフィルタをバンドエリミネーションフィルタとして使用したい場合や、バンドエリミネーションフィルタをバンドパスフィルタとして使用したい場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、バンドエリミネーションフィルタを用いてバンドパスフィルタとしての機能を得ることができるフィルタ回路を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態であるフィルタ装置は、入力信号に含まれる所定周波数帯域の信号成分を出力信号として出力するフィルタ装置であって、信号通過を阻止する阻止帯域が前記所定周波数帯域を含むように設定されているとともに、前記入力信号が与えられるバンドエリミネーションフィルタと、前記バンドエリミネーションフィルタで生じる反射信号を取り出す取出部と、を備え、前記取出部が取り出した信号を前記出力信号として出力する。
上記フィルタ装置によれば、バンドエリミネーションフィルタを用いてバンドパスフィルタとしての機能を得ることができる。
第1実施形態に係るフィルタ装置を備えた通信装置のブロック図である。 フィルタ回路の構成を示すブロック図である。 フィルタ回路のフィルタ特性の一例を示す図である。 信号処理装置が出力するパルス信号の周波数スペクトラムの一部を示す図であり、フィルタ回路のフィルタ特性との関係を示している。 第2実施形態に係るフィルタ装置を示すブロック図である。 第3実施形態に係るフィルタ装置を示すブロック図である。 各フィルタに与えられる信号の周波数成分の変化の一例を模式的に示した図であり、(a)は、第1フィルタに与えられるパルス信号の周波数成分、(b)は、第1フィルタから第2フィルタに与えられる信号の周波数成分、(c)は、第2フィルタから第3フィルタに与えられる信号の周波数成分を示す図である。
[本願発明の実施形態の説明]
近年、通信信号を送信する通信装置において、搬送波を含んだ信号波形に対して時間軸方向にオーバーサンプリングを行って信号波形を変換し、この変換された信号を送信するといった試みがなされることがある。
この場合、この変換された信号には、通信信号成分の他、変換時に生じた雑音成分が通信信号成分の帯域以外の帯域に含まれている。
このため、変換された信号から通信信号成分を取り出すためにバンドパスフィルタが用いられることがある。
上記バンドパスフィルタは、信号の通過を許容する通過帯域が通信信号成分の周波数帯域を含むように設定される。
このようなバンドパスフィルタに変換された信号を与えれば、当該バンドパスフィルタは、通信信号成分を通過させるとともに、他の帯域の信号成分の通過を阻止する。これによって、変換された信号から通信信号成分を取り出すことができる。
ここで、上記通信装置が送信する通信信号は、通常通り、搬送波によって変調される。この搬送波の周波数は、種々の要因によって予め設定された複数の設定値の中から選択的に設定されることがある。つまり、通信信号の周波数帯域は、常に一定でなく変更される可能性がある。
このため、上記バンドパスフィルタの通過帯域も、通信信号の搬送波周波数に応じて変更可能(チューナブル)であることが求められる。
しかし、容量素子や共振器を用いた一般的なバンドパスフィルタをチューナブルな構成にする場合、複数の異なる経路を設けたり、これらを切り替えるスイッチ等を設けたりする必要が生じ、構成が複雑になる。このため、チューナブルなバンドパスフィルタを得ることは容易ではない。
その一方、バンドエリミネーションフィルタでは簡易な構成でチューナブルにすることができるため、チューナブルなバンドエリミネーションフィルタを得ることは、バンドパスフィルタと比較して容易である。
そこで、本発明者は、バンドエリミネーションフィルタをバンドパスフィルタとして使用できれば、簡易な構成でチューナブルなバンドパスフィルタが得られると考えた。
本発明者は、上記着想に基づいて本発明を完成させた。
まず最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一実施形態に係るフィルタ装置は、
入力信号に含まれる所定周波数帯域の信号成分を出力信号として出力するフィルタ装置であって、
信号通過を阻止する阻止帯域が前記所定周波数帯域を含むように設定されているとともに、前記入力信号が与えられるバンドエリミネーションフィルタと、
前記バンドエリミネーションフィルタで生じる反射信号を取り出す取出部と、を備え、
前記取出部が取り出した信号を前記出力信号として出力する。
上記のように構成されたフィルタ装置によれば、バンドエリミネーションフィルタに入力信号が与えられると、バンドエリミネーションフィルタは、阻止帯域以外の信号成分を通過させ、阻止帯域の信号成分を反射する。バンドエリミネーションフィルタは阻止帯域が所定周波数帯域を含むように設定されているので、バンドエリミネーションフィルタでの反射によって生じる反射信号には所定周波数帯域の信号成分が含まれている。
よって、取出部が反射信号を取り出すことで、所定周波数帯域の信号成分を取り出すことができる。
このように、上記フィルタ装置によれば、バンドエリミネーションフィルタを用いて、入力信号から所定周波数帯域の信号成分を取り出すというバンドパスフィルタとしての機能を得ることができる。
(2)上記フィルタ装置において、
前記バンドエリミネーションフィルタは、前記阻止帯域の中心周波数が調整可能とされていることが好ましい。
この場合、所定周波数帯域の中心周波数が変更されたとしても、その変更に応じて阻止帯域の中心周波数を調整することで、バンドエリミネーションフィルタで反射する反射信号に所定周波数帯域の信号成分を含めることができ、入力信号から所定周波数帯域の信号成分を取り出すことができる。
(3)上記フィルタ装置において、
前記取出部は、前記バンドエリミネーションフィルタの前段に接続され、前記入力信号が与えられるとともに、前記入力信号を前記バンドエリミネーションフィルタに与えつつ前記バンドエリミネーションフィルタで生じる反射信号を取り出し可能とされているサーキュレータであることが好ましい。
この場合、取出部をサーキュレータによって構成することで、与えられた入力信号をバンドエリミネーションフィルタに与えつつ、入力信号と同じ信号経路を反対方向に進行する反射信号を取り出すことができる。
(4)また、上記サーキュレータである取出部は、与えられた入力信号をバンドエリミネーションフィルタに与えるが、入力信号の一部が漏れ、取出部が取り出した信号に不要な帯域の信号が含まれる場合がある。このため、
前段の取出部が取り出した反射信号が与えられる他のバンドエリミネーションフィルタと、
前記他のバンドエリミネーションフィルタの前段に接続され、前段の取出部が取り出した反射信号を前記他のバンドエリミネーションフィルタに与えつつ前記他のバンドエリミネーションフィルタで生じる反射信号を取り出す他の取出部と、をさらに備え、
前記他のバンドエリミネーションフィルタ及び前記他の取出部は、前記取出部の後段に1段又は複数段直列に接続されており、
最終段における前記他の取出部が取り出した信号を前記出力信号として出力するように構成することが好ましい。
この場合、取出部の後段に他のバンドエリミネーションフィルタ及び他の取出部を1段又は複数段直列に接続することで、サーキュレータである各取出部において入力信号の漏れが生じたとしても、出力信号に含まれる不要な帯域の信号を段階的に減衰させることができる。
(5)また、
前記取出部又は前記他の取出部が前記出力信号を出力する出力端には、前記出力信号を空間に放射するためのアンテナが接続されていることが好ましい。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔1 第1実施形態について〕
図1は、第1実施形態に係るフィルタ装置を備えた通信装置のブロック図である。
この通信装置1は、信号処理装置2と、信号処理装置2が出力する信号が与えられるフィルタ装置10とを備えている。
通信装置1は、ベースバンド信号を変調した変調信号を出力する。変調信号は、例えば、無線信号(RF信号)である。通信装置1が出力する信号は、通信に使用される信号(通信信号)である。本実施形態における通信信号は、搬送波周波数がfのRF信号である。
通信装置1は、前記通信信号を無線波としてフィルタ装置10に接続されたアンテナ5から空間に放射する。
信号処理装置2は、信号処理部2aと、バンドパス型ΔΣ変調器(Band Pass Delta−Sigma Modulator)2bとを備えている。
信号処理部2aは、デジタルのベースバンド信号(例えば、IQベースバンド信号)に対して、デジタル直交変調などの一次変調を行って、デジタル変調信号(デジタルRF信号)を生成する。ここで、デジタル変調信号の搬送波周波数はfである。
信号処理部2aは、生成したデジタル変調信号を、ΔΣ変調器2bに与える。なお、一次変調は、直交変調に限られず、ベースバンド信号を搬送波(周波数f)によって変調するものであればよい。
ΔΣ変調器2bは、信号処理部2aから与えられるデジタルRF信号に対してΔΣ変調を行い、パルス信号(量子化信号)を出力する。ΔΣ変調器2bのサンプリング周波数fは、ΔΣ変調器2bに入力される変調信号の搬送波周波数fよりも大きく設定される(f<f)。
信号処理装置2が出力するパルス信号は、搬送波周波数がfのRF信号を信号成分として含んでいる。また、前記パルス信号は、RF信号以外にΔΣ変調によって生じた量子化雑音等といった他の周波数の信号も信号成分として含んでいる。信号処理装置2が出力するパルス信号は、フィルタ装置10に与えられる。
フィルタ装置10は、信号処理装置2から与えられるパルス信号(入力信号)に含まれる、搬送波周波数fのRF信号(所定周波数帯域の信号成分)を出力信号として出力する機能を有している。
フィルタ装置10は、フィルタ回路3と、信号処理装置2とフィルタ回路3との間に接続されたサーキュレータ4とを備えている。
フィルタ装置10において、信号処理装置2からのパルス信号は、サーキュレータ4に与えられる。サーキュレータ4は、与えられたパルス信号をフィルタ回路3に与える。
フィルタ回路3は、与えられたパルス信号に対してフィルタ処理を行う。フィルタ回路3は、フィルタ処理として、パルス信号に信号成分として含まれている周波数f近傍の信号の通過を阻止し、それ以外の信号を通過させる処理を行う。つまり、フィルタ回路3は、RF信号を含む周波数f近傍の信号の通過を阻止するバンドエリミネーションフィルタ(ノッチフィルタ)としての機能を有しており、信号通過を阻止する阻止帯域が所定周波数帯域(搬送波周波数fのRF信号の周波数帯域)を含むように設定されている。
なお、フィルタ回路3の構成については、後に詳述する。
フィルタ回路3の後段には、一端がフィルタ回路3の出力端3bに接続され、他端が接地された終端抵抗素子6が接続されている。フィルタ回路3を通過した信号は、終端抵抗素子6によって終端される。
一方、フィルタ回路3によって通過が阻止されたRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、フィルタ回路3で反射し、サーキュレータ4に戻る。
サーキュレータ4は、3つのポートを有している。第1ポート4aには、信号処理装置2が接続されている。第2ポート4bには、フィルタ回路3が接続されている。第3ポート4cには、アンテナ5が接続されている。
サーキュレータ4は、第1ポート4aから与えられる信号を第2ポート4bから出力し、第2ポート4bから与えられる信号を第3ポート4cから出力するように構成されており、当該サーキュレータ4に信号が与えられたときのポートに応じて非可逆的に信号伝送を行う。
RF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、フィルタ回路3で反射することでサーキュレータ4の第2ポート4bに与えられる。
サーキュレータ4は、第2ポート4bに与えられたRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を第3ポート4cから出力する。
このように、サーキュレータ4は、フィルタ回路3の前段に接続され、入力信号としてのパルス信号が与えられるとともに、パルス信号をフィルタ回路3に与えつつフィルタ回路3で生じる反射信号であるRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を取り出し可能とされている。これにより、サーキュレータ4は、与えられたパルス信号をフィルタ回路3に与えつつ、パルス信号と同じ信号経路をサーキュレータ4に向かって反対方向に進行する反射信号であるRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を取り出すことができる。
つまり、サーキュレータ4は、フィルタ回路3で生じる反射信号であるRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を取り出す取出部を構成している。
サーキュレータ4の第3ポート4cから出力されたRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、バンドパスフィルタ(BPF)13を通過した後、フィルタ装置10から出力される。フィルタ装置10から出力されたRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、アンテナ5に与えられ、アンテナ5によって通信信号として空間に放射される。
このように、フィルタ装置10は、サーキュレータ4が取り出した信号であるRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を出力信号として出力する。
上記構成のフィルタ装置10によれば、バンドエリミネーションフィルタとしての機能を有するフィルタ回路3にパルス信号が与えられると、フィルタ回路3は、阻止帯域以外の信号成分を通過させ、阻止帯域の信号成分を反射する。フィルタ回路3は阻止帯域が所定周波数帯域(搬送波周波数fのRF信号の周波数帯域)を含むように設定されているので、パルス信号がフィルタ回路3で反射することで生じる反射信号である周波数f近傍の信号にはRF信号が含まれている。
よって、サーキュレータ4が反射信号を取り出すことで、所定周波数帯域の信号成分としてのRF信号を取り出すことができる。
このように、上記構成のフィルタ装置10によれば、バンドエリミネーションフィルタ(フィルタ回路3)を用いて、入力信号(パルス信号)から所定周波数帯域の信号成分(RF信号)を取り出すというバンドパスフィルタとしての機能を得ることができる。
また、通信装置1は、ΔΣ変調器2b及びフィルタ回路3を制御する機能を有する制御部7を備えている。
制御部7は、ΔΣ変調器2bに与えられるRF信号の搬送波周波数fに応じたΔΣ変調を行うようにΔΣ変調器2bを制御する機能を有するとともに、フィルタ回路3の阻止帯域の中心周波数をRF信号の搬送波周波数fに応じて制御する機能を有している。
〔2 フィルタ回路について〕
図2は、フィルタ回路3の構成を示すブロック図である。
フィルタ回路3は、上述したように、バンドエリミネーションフィルタ(ノッチフィルタ)としての機能を有しており、その阻止帯域が所定周波数帯域(搬送波周波数fのRF信号の周波数帯域)を含むように設定されている。
さらに、フィルタ回路3は、阻止帯域の中心周波数が調整可能(チューナブル)とされている。フィルタ回路3の阻止帯域の中心周波数は、上述のように、制御部7によって制御される。
フィルタ回路3は、信号処理装置2からサーキュレータ4を介して入力端3aに与えられるパルス信号に対してフィルタ処理し、フィルタ処理したフィルタリング信号を出力端3bから出力する。
フィルタ回路3は、パルス信号が通過する信号線路3cから分岐した分岐線路3dに設けられた処理部11と、信号線路3cを通過したパルス信号と処理部11が出力する処理信号とを合成する電力合成器12とを備えている。
処理部11は、遅延素子11aと、位相器11bとを備えている。遅延素子11aは、パルス信号を遅延させる遅延処理を行う機能を有している。また、位相器11bは、パルス信号の位相を所定の位相量だけ移相させる移相処理を行う機能を有している。
つまり、処理部11は、信号処理装置2から与えられるパルス信号に対して遅延した遅延信号を処理信号として生成する。
一般に、マルチパス環境下において直接波と遅延波との間に干渉が生じると、受信した信号波における周波数領域にはノッチが生じることが知られている。ノッチは、当該ノッチ周囲の周波数帯域の利得よりも小さい利得となっており、その利得の変化が非常に急峻な特性となって現れる。また、ノッチは、直接波と遅延波との間の干渉によって生じるので、周波数の高低に関わらず、周波数領域上に周期的に現れる。
本実施形態のフィルタ回路3は、上記のようなノッチをフィルタ処理に利用すべく、信号処理装置2からのパルス信号に対して遅延した遅延信号を生成し、生成した遅延信号とパルス信号とを合成する。これにより、フィルタ回路3は、合成した信号の周波数領域上にノッチを生じさせ、これによってパルス信号に対してフィルタ処理を行ったフィルタリング信号を出力する。
つまり、フィルタ回路3は、この周波数領域上に現れるノッチを利用して特定の周波数帯域の信号の通過を阻止するとともに、ノッチ以外の周波数帯域においては信号を通過させる。
図3は、フィルタ回路3のフィルタ特性の一例を示す図である。図中、横軸は周波数、縦軸は利得を示している。
図に示すように、フィルタ回路3のフィルタ特性には、ノッチNが周期的に複数現れている。このノッチNは、パルス信号と、その遅延波である処理信号とが合成されることで生じているため、両信号の位相に応じて周期的に複数現れている。
フィルタ回路3は、当該フィルタ回路3のフィルタ特性として現れるノッチNの周波数領域上の位置を調整可能に構成されている。
以下、ノッチNの周波数領域上の位置の調整について、図3中、周波数ω1のノッチN(以下、第1ノッチNともいう)と、周波数ω2のノッチN(以下、第2ノッチNともいう)に着目して説明する。
例えば、フィルタ回路3に与えられるパルス信号を時間領域で表したものをf(t)、処理部11が出力する遅延信号である処理信号を時間領域で表したものをf(t−τ)とする。なお、tは時間、τはパルス信号に対する処理信号の遅延量(遅延時間)である。
これらを合成して得られるフィルタリング信号は、下記式(1)のように表すことができる。
f(t) + 〔f(t−τ)を搬送波位相φだけずらした波形〕・・・(1)
さらに、上記式(1)を周波数領域で表すと、下記式(2)のようになる。
F(ω) + F(ω)exp(j(ωτ+φ)) ・・・(2)
上記式(2)中、F(ω)は、パルス信号を周波数領域で表したもの、ωは角周波数、φはパルス信号に対する処理信号の位相差を示す位相量(式(1)中の搬送波位相φと同じ)を示している。
上記式(2)をさらに変形すると、下記式(3)のように表すことができる。
F(ω)(1 + exp(j(ωτ+φ))) ・・・(3)
上記式(3)中、ωτ+φは、フィルタリング信号の位相を表しており、角周波数ωである第1ノッチNにおける位相と、角周波数ωである第2ノッチNにおける位相とは2π異なっており、下記式(4)、(5)に示す関係にある。
さらに、式(5)から式(4)を減算すると、下記式(6)のようになる。
ωτ + φ = 2nπ ・・・(4)
ωτ + φ = 2(n+1)π ・・・(5)
ω − ω = 2π/τ ・・・(6)
上記式(6)に示すように、第1ノッチNと、第2ノッチNとの間の周波数帯域幅は、遅延量τによって表すことができる。
上記式(6)より、互いに隣接しているノッチ同士の周波数領域上における間隔は、遅延量τによって設定することができることが判る。
なお、上記式(6)は、下記式(7)のようにも表すことができる。
2π(f − f) = 2π/τ
− f = 1/τ ・・・(7)
但し、f=ω/2π f=ω/2π
また、上記式(3)中のωτ+φが「0」である場合、式(3)は、2×F(ω)となり、パルス信号と同位相になる。つまり、このときの位相φは、例えば、第1ノッチNと第2ノッチNとの間の中心周波数を任意の周波数ωにおいて同位相とするためのパラメータとなる。
よって、任意の角周波数をωとすると、第1ノッチNと第2ノッチNとの間の中心周波数をωに設定するための位相量φは、下記式(8)のように表される。
ωτ + φ = 0
φ = −ωτ ・・・(8)
上記式(8)に示すように、位相量φは、ωと、遅延量τとによって表すことができる。すなわち、位相量φは、ωと、遅延量τとによって求めることができる。
よって、例えば、パルス信号に含まれるRF信号の周波数の搬送波周波数といったような任意の周波数領域上の位置に対して、第1ノッチNと第2ノッチNとの間の周波数ωで位相量φを調整することができる。
このように、位相量φは、第1ノッチNと第2ノッチNとの間の中心周波数をωに設定するための値であり、第1ノッチN及び第2ノッチNの周波数領域上の位置を設定するためのパラメータを構成している。
以上のように、フィルタ回路3は、処理部11が出力する処理信号の遅延量τと、位相量φとを調整することによって、ノッチNの周波数領域上の位置を調整可能とされている。つまり、遅延素子11a及び位相器11bは、遅延処理における遅延量τ及び移相処理における位相量φの調整によって、フィルタリング信号の周波数領域に現れるノッチNの周波数領域上の位置を調整可能とされている。
例えば、第1ノッチNと第2ノッチNとの間で必要な帯域幅を決定すれば、上記式(6)によって、遅延量τが定まる。
さらに、定めた遅延量τを上記式(8)に代入することで、位相量φを求めることができる。なお、上記式(8)の位相量φは、第1ノッチNと第2ノッチNとの間の中心周波数をωに設定するための値なので、ノッチNの周波数領域上の位置をRF信号の搬送波周波数fに設定する場合、第1ノッチNと第2ノッチNとの中間に周波数f0が位置するように第1ノッチNと第2ノッチNとを配置し、周波数fに対して第1ノッチNと第2ノッチNとの間の帯域幅の1/2の値を加算又は減算してさらに2πを乗算した値を上記式(8)のωとして代入する。
以上によって、ノッチNの周波数領域の位置を任意に設定するための遅延量τ及び位相量φを求めることができる。
処理信号の遅延量τは、処理部11の遅延素子11aによって調整される。また、処理信号の位相量φは、処理部11の位相器11bによる移相処理によって調整される。
処理部11の遅延素子11a及び位相器11bは、制御部7(図1)によって制御される。制御部7は、フィルタ回路3の阻止帯域をRF信号の搬送波周波数fに応じて制御する。
つまり、遅延素子11aの遅延量τは、必要な帯域幅として設定される第1ノッチNと、第2ノッチNとの間の周波数帯域幅に応じて制御部7により設定される。
また、位相器11bの位相量φは、フィルタ処理に応じた設定周波数に応じて制御部7により設定される。
図4は、信号処理装置2が出力するパルス信号の周波数スペクトラムの一部を示す図であり、フィルタ回路3のフィルタ特性との関係を示している。図中、線図Pは、フィルタ回路3のフィルタ特性を示している。
図中、パルス信号は、ΔΣ変調器2bに与えられる変調信号(RF信号)の搬送波周波数fにおいて、主信号成分を含んでいる。また、パルス信号は、変調信号の帯域以外の帯域に雑音成分を含んでいる。
このように、ΔΣ変調器2bから出力された信号は、パルス信号(デジタル信号)であるが、アナログ信号としてみると、ΔΣ変調器2bに入力された変調信号(RF信号)を信号成分として含んでいる。
また、図4に示すように、本実施形態のフィルタ回路3は、フィルタ回路3のフィルタ特性を示す線図Pに現れているノッチNの周波数領域上の位置がRF信号の搬送波周波数fとなるように、処理信号の遅延量τと、位相量φとが調整されている。
これにより、フィルタ回路3は、RF信号を含む搬送波周波数f近傍の信号の通過を阻止し、他の部分の周波数帯域においては信号を通過させるように設定されている。
つまり、フィルタ回路3は、ノッチNの周波数領域上の位置を中心とした一定の帯域幅において信号の通過を阻止する阻止帯域を設定している。
よって、阻止帯域の中心周波数は、ノッチNの周波数領域上の位置とほぼ一致している。よって、図4では、阻止帯域の中心周波数は、搬送波周波数fとほぼ一致するように設定されている。
また、阻止帯域は、図4に示すように、主信号成分(搬送波周波数fのRF信号)の周波数帯域を含むように設定されている。
このように、フィルタ回路3は、搬送波周波数f近傍の信号の通過を阻止するバンドエリミネーションフィルタ(ノッチフィルタ)としての機能を有している。
なお、図4に示すように、ノッチNは搬送波周波数f近傍以外の位置にも複数現れる。よって、フィルタ回路3は、主信号成分(RF信号)以外に、他のノッチNに対応する周波数領域上の位置の雑音成分についても通過を阻止する。
フィルタ回路3を通過し、当該フィルタ回路3からフィルタリング信号として出力される信号は、終端抵抗素子6(図1)によって終端される。
一方、フィルタ回路3によって通過が阻止されたRF信号を含んだ搬送波周波数f近傍の主信号成分、及びノッチNに対応する位置の雑音成分は、当該フィルタ回路3で反射し、サーキュレータ4(図1及び図2)に戻る。
図1及び図2に示すように、フィルタ回路3で反射した信号成分は、サーキュレータ4の第3ポート4cから出力され、バンドパスフィルタ13に与えられる。
このバンドパスフィルタ13は、RF信号を含んだ周波数f近傍の主信号成分を通過させ、それ以外のノッチNに対応する位置の雑音成分については、通過を阻止するように構成されている。
これによって、バンドパスフィルタ13の後段に設けられているアンテナ5には、RF信号を含んだ周波数f近傍の主信号成分のみが与えられる。
アンテナ5は、与えられた主信号成分を空間に放射する。
上記フィルタ回路3は、上述したように、遅延素子11aの遅延量τ及び位相器11bの位相量φによってノッチNの周波数領域の位置を任意に設定することができる。
よって、フィルタ回路3は、ノッチNの周波数領域上の位置とほぼ一致している阻止帯域の中心周波数が調整可能である。
これによって、フィルタ装置10は、RF信号の搬送波周波数fが変更されたとしても、その変更に応じて阻止帯域の中心周波数を調整することで、フィルタ回路3で反射する反射信号にRF信号を含めることができ、パルス信号から所定周波数帯域の信号成分(RF信号)を取り出すことができる。
また、上記フィルタ回路3によれば、当該フィルタ回路3のフィルタ特性(フィルタリング信号の周波数領域上)に現れるノッチの周波数領域上の位置を遅延素子11aの遅延量τ及び位相器11bの位相量φによって調整できるので、ノッチの周波数領域上の位置をフィルタ処理に応じて設定される設定周波数に設定することができ、ノッチを利用することによってフィルタ回路3として適切な周波数特性を容易に得ることができる。
また、ノッチは、周波数の高低に関わらず、フィルタ特性に周期的に現れる。よって、高周波信号を処理する場合においても、ノッチは一定の周波数幅ごとに現れるので、周波数の高低に関わらず、所望のフィルタ特性を容易に得ることができる。
〔3 第2実施形態について〕
図5は、第2実施形態に係るフィルタ装置を示すブロック図である。
本実施形態のフィルタ装置10は、フィルタ回路3で反射されるRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を取り出すための取出部として、方向性結合器15を用いた点において、上記第1実施形態と相違している。
図5中、方向性結合器15は、信号処理装置2と、フィルタ回路3との間に接続されている。方向性結合器15は、信号が入力される第1ポート15aと、入力された信号を出力する第2ポート15bと、第1結合ポート15cと、第2結合ポート15dとを備えている。
方向性結合器15は、第1ポート15aに信号が与えられ、信号が第2ポート15bに向けて線路15eを伝搬すると、与えられた信号を第2結合ポート15dから出力する。
また、方向性結合器15は、第2ポート15bに信号が与えられ、信号が第1ポート15aに向けて線路15eを伝搬すると、与えられた信号を第1結合ポート15cから出力する。両結合ポート15c、15dから出力される信号は、線路15eを伝搬する信号に対して、若干減衰された状態で出力される。
本実施形態の方向性結合器15の第2結合ポート15dには、一端が第2結合ポート15dに接続され、他端が接地された終端抵抗素子16が接続されており、第2結合ポート15dは終端されている。
一方、第1結合ポート15cには、バンドパスフィルタ13及びアンテナ5が接続されている。
上記構成のフィルタ装置10において、信号処理装置2からのパルス信号は、方向性結合器15の第1ポート15aに与えられる。
方向性結合器15は、与えられたパルス信号をフィルタ回路3に与える。
フィルタ回路3は、RF信号を含む周波数f近傍の信号を含む阻止帯域の信号の通過を阻止し、他の帯域の信号を通過させて終端抵抗素子6に導く。
よって、フィルタ回路3によって通過が阻止されたRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、フィルタ回路3で反射し、方向性結合器15の第2ポート15bに与えられる。
反射信号として方向性結合器15に与えられた、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、第2ポート15bから第1ポート15aに向けて線路15eを伝搬する。
これにより、方向性結合器15は、第1結合ポート15cからRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を出力する。
このように、方向性結合器15は、フィルタ回路3で生じる反射信号であるRF信号を含んだ周波数f近傍の信号を取り出す取出部として用いることができる。
方向性結合器15が取り出したRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、バンドパスフィルタ13を通過した後、アンテナ5に与えられ、アンテナ5によって通信信号として空間に放射される。
〔4 第3実施形態について〕
図6は、第3実施形態に係るフィルタ装置を示すブロック図である。
本実施形態のフィルタ装置10は、信号処理装置2に接続されているサーキュレータの後段に、他のフィルタ回路及び他のサーキュレータを複数段直列に接続した点において、上記第1実施形態と相違している。
図6中、フィルタ装置10は、第1フィルタ21と、第2フィルタ22と、第3フィルタ23とを備えている。
第1フィルタ21は、フィルタ回路31と、サーキュレータ41と、終端抵抗素子61とを備えている。
また、第2フィルタ22は、フィルタ回路32と、サーキュレータ42と、終端抵抗素子62とを備えている。
第3フィルタ23は、フィルタ回路33と、サーキュレータ43と、終端抵抗素子63とを備えている。
各フィルタ21、22、23は、上記第1実施形態のフィルタ回路3、サーキュレータ4、及び終端抵抗素子6の構成と同様の構成とされている。よって、各フィルタ21、22、23は、サーキュレータ41、42、43の第1ポート41a、42a、43aから与えられた信号から所定周波数帯域の信号成分(RF信号)を取り出すというバンドパスフィルタとしての機能を有している。
よって、本実施形態のフィルタ装置10は、これらフィルタ21、22、23を複数段直列に接続することで、第1実施形態にて示したフィルタ回路3及びサーキュレータ4を複数段直列に接続した構成とされている。
第1フィルタ21が備えるサーキュレータ41の第1ポート41aは、信号処理装置2に接続されている。
第1フィルタ21が備えるサーキュレータ41の第3ポート41cは、第2フィルタ22が備えるサーキュレータ42の第1ポート42aに接続されている。よって、第1フィルタ21のサーキュレータ41が出力するRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、第2フィルタ22のサーキュレータ42に与えられる。
第2フィルタ22が備えるサーキュレータ42の第3ポート42cは、第3フィルタ23が備えるサーキュレータ43の第1ポート43aに接続されている。よって、第2フィルタ22のサーキュレータ42が出力するRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、第3フィルタ23のサーキュレータ43に与えられる。
つまり、第1フィルタ21の後段に接続されている第2フィルタ22のフィルタ回路32は、前段の取出部であるサーキュレータ41が取り出した反射信号が与えられる他のバンドエリミネーションフィルタを構成している。また、サーキュレータ42は、フィルタ回路32の前段に接続され、前段の取出部であるサーキュレータ41が取り出した反射信号をフィルタ回路32に与えつつフィルタ回路32で生じる反射信号を取り出す他の取出部を構成している。
また、第2フィルタ22の後段に接続されている第3フィルタ23のフィルタ回路33は、前段の取出部であるサーキュレータ42が取り出した反射信号が与えられる他のバンドエリミネーションフィルタを構成している。また、サーキュレータ43は、フィルタ回路33の前段に接続され、前段の取出部であるサーキュレータ42が取り出した反射信号をフィルタ回路33に与えつつフィルタ回路33で生じる反射信号を取り出す他の取出部を構成している。
第3フィルタ23が備えるサーキュレータ43の第3ポート43cには、バンドパスフィルタ13を介してアンテナ5が接続されている。
上記構成のフィルタ装置10において、信号処理装置2からのパルス信号は、第1フィルタ21が備えるサーキュレータ41の第1ポート41aに与えられる。
サーキュレータ41は、与えられたパルス信号をフィルタ回路31に与える。
サーキュレータ41は、上記第1実施形態と同様、パルス信号がフィルタ回路31で反射することで生じる、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号を取り出し、第3ポート41cから出力する。
サーキュレータ41の第3ポート41cから出力されたRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、第2フィルタ22に与えられる。
第2フィルタ22が備えるサーキュレータ42の第1ポート42aには、サーキュレータ41の第3ポート41cから出力されるRF信号を含んだ周波数f近傍の信号が与えられる。
ここで、サーキュレータ41の第1ポート41aにパルス信号が与えられたときに、パルス信号は、第3ポート41cからフィルタ回路3に向けて出力されるが、信号成分の一部が、第1ポート41aから第3ポート41cに向けて漏れる場合がある。
このため、サーキュレータ42の第1ポート42aには、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号と、第1ポート41aから漏れた信号成分とが与えられる場合がある。
第1ポート41aから漏れた信号成分には、主信号成分以外の雑音成分も含まれているので(図4参照)、第2フィルタ22には、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号とともに雑音成分も与えられることになる。
つまり、第1フィルタ21から第2フィルタ22に与えられる信号には、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号の他、雑音成分が含まれることがある。
ただし、第1ポート41aから漏れる信号成分は、元の信号と比較して減衰するので、第2フィルタ22に与えられる雑音成分は、信号処理装置2が出力するパルス信号に含まれる雑音成分と比較してより減衰している。
第2フィルタ22が備えるサーキュレータ42の第1ポート42aに、第1フィルタ21からの信号が与えられると、当該サーキュレータ42は、サーキュレータ41と同様、第1フィルタ21からの信号がフィルタ回路3で反射することで生じる、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号を取り出し、第3ポート42cから出力する。
サーキュレータ42の第3ポート42cから出力されたRF信号を含んだ周波数f近傍の信号は、第3フィルタ23に与えられる。
また、第2フィルタ22が備えるサーキュレータ42の第1ポート42aに第1フィルタ21からの信号が与えられたときに、当該第1フィルタ21からの信号は、上記パルス信号と同様に、信号成分の一部が、第1ポート42aから第3ポート42cに向けて漏れる場合がある。
よって、第2フィルタ22から第3フィルタ23に与えられる信号においても、上記同様、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号の他、雑音成分が含まれることがある。
なお、第1ポート42aから第3ポート42cに向けて漏れる信号成分に含まれる雑音成分も、元の信号と比較して減衰するので、第3フィルタ23に与えられる雑音成分は、第2フィルタ22に与えられる雑音成分よりもさらに減衰している。
図7は、各フィルタに与えられる信号の周波数成分の変化の一例を模式的に示した図であり、図7(a)は、第1フィルタ21に与えられるパルス信号の周波数成分、図7(b)は、第1フィルタ21から第2フィルタ22に与えられる信号の周波数成分、図7(c)は、第2フィルタ22から第3フィルタ23に与えられる信号の周波数成分を示す図である。
図7(a)に示すように、信号処理装置2から出力されたパルス信号は、主信号成分(RF信号を含んだ周波数f近傍の信号)の電力と、周囲の雑音成分の電力とは、ほぼ同じである。
第1フィルタ21を通過した信号は、図7(b)に示すように、周波数成分はほぼそのままで、雑音成分のみd1だけ減衰されている。第1フィルタ21を通過した信号に含まれている雑音成分は、そのほとんどがサーキュレータ41の第1ポート41aから第3ポート41cに向けて漏れた信号であり、このため、元の信号であるパルス信号の雑音成分の電力と比較して減衰されている。
さらに、第2フィルタ22を通過した信号は、図7(c)に示すように、周波数成分はほぼそのままで、雑音成分のみさらにd2だけ減衰されている。第2フィルタ22を通過した信号に含まれている雑音成分は、そのほとんどがサーキュレータ42の第1ポート42aから第3ポート42cに向けて漏れた信号であり、その雑音成分は、第1フィルタ21から第2フィルタ22に与えられた段階で減衰されている。このため、第2フィルタ22を通過することでさらに減衰されている。
第3フィルタ23の第3ポート43cからバンドパスフィルタ13に与えられる信号においても、第1ポート43aから第3ポート43cに向けて漏れる信号成分によって、RF信号を含んだ周波数f近傍の信号の他、雑音成分が含まれることがある。
しかし、第3フィルタ23が出力する信号に含まれる雑音成分は、前段である第2フィルタ22が出力する信号に含まれる雑音成分よりもさらに減衰される。
以上のように、取出部としてのサーキュレータは、当該サーキュレータに与えられる入力信号をフィルタ回路に与えるが、その入力信号の一部が漏れ、サーキュレータが取り出した信号に雑音成分が含まれる場合がある。
これに対して、本実施形態のフィルタ装置10は、第1フィルタ21の後段に、さらに第2フィルタ22及び第3フィルタ23を複数段直列に接続し、最終段における第3フィルタ23のサーキュレータ43が第3ポート43cから出力する信号を出力信号として出力するように構成したので、サーキュレータ4において信号の漏れが生じたとしても、出力信号に含まれる不要な帯域の信号である雑音成分を段階的に減衰させることができる。
〔5 その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、上記各実施形態では、バンドエリミネーションフィルタとして、遅延素子11a及び位相器11bを含んだ処理部11と、信号線路3cを通過したパルス信号と処理部11が出力する処理信号とを合成する電力合成器12とを備えているフィルタ回路3を用いた場合を例示したが、これに限定されることはなく、一般的な容量素子や共振器を用いたバンドエリミネーションフィルタを用いてもよい。さらに、阻止帯域がチューナブルとされたバンドエリミネーションフィルタを用いてもよい。
また、上記第3実施形態では、フィルタ装置10が、フィルタ回路及びサーキュレータを備えたフィルタを3つ(フィルタ21、22、23)を備えた場合を例示したが、フィルタ装置10は、フィルタを複数備えていればよく、より多数のフィルタを備えて構成することもできる。
また、上記第3実施形態では、各フィルタ21、22、23がサーキュレータを備えた構成の場合を例示したが、上記第2実施形態と同様に、サーキュレータに代えて方向性結合器を用いてもよい。
さらに、フィルタ装置10が備える複数のフィルタは、サーキュレータを備えたフィルタと、方向性結合器を備えたフィルタの両方を含んで構成することもできる。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 通信装置
2 信号処理装置
2a 信号処理部
2b 変調器
3 フィルタ回路
3a 入力端
3b 出力端
3c 信号線路
3d 分岐線路
4 サーキュレータ
4a 第1ポート
4b 第2ポート
4c 第3ポート
5 アンテナ
6 終端抵抗素子
7 制御部
10 フィルタ装置
11 処理部
11a 遅延素子
11b 位相器
12 電力合成器
13 バンドパスフィルタ
15 方向性結合器
15a 第1ポート
15b 第2ポート
15c 結合ポート
15d 結合ポート
15e 線路
16 終端抵抗素子
21 第1フィルタ
22 第2フィルタ
23 第3フィルタ
31 フィルタ回路
32 フィルタ回路
33 フィルタ回路
41 サーキュレータ
41a 第1ポート
41b 第2ポート
41c 第3ポート
42 サーキュレータ
42a 第1ポート
42b 第2ポート
42c 第3ポート
43 サーキュレータ
43a 第1ポート
43b 第2ポート
43c 第3ポート
61 抵抗素子
62 抵抗素子
63 抵抗素子

Claims (5)

  1. 入力信号に含まれる所定周波数帯域の信号成分を出力信号として出力するフィルタ装置であって、
    信号通過を阻止する阻止帯域が前記所定周波数帯域を含むように設定されているとともに、前記入力信号が与えられるバンドエリミネーションフィルタと、
    前記バンドエリミネーションフィルタで生じる反射信号を取り出す取出部と、を備え、
    前記取出部が取り出した信号を前記出力信号として出力するフィルタ装置。
  2. 前記バンドエリミネーションフィルタは、前記阻止帯域の中心周波数が調整可能とされている請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記取出部は、前記バンドエリミネーションフィルタの前段に接続され、前記入力信号が与えられるとともに、前記入力信号を前記バンドエリミネーションフィルタに与えつつ前記バンドエリミネーションフィルタで生じる反射信号を取り出し可能とされているサーキュレータである請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
  4. 前段の取出部が取り出した反射信号が与えられる他のバンドエリミネーションフィルタと、
    前記他のバンドエリミネーションフィルタの前段に接続され、前段の取出部が取り出した反射信号を前記他のバンドエリミネーションフィルタに与えつつ前記他のバンドエリミネーションフィルタで生じる反射信号を取り出す他の取出部と、をさらに備え、
    前記他のバンドエリミネーションフィルタ及び前記他の取出部は、前記取出部の後段に1段又は複数段直列に接続されており、
    最終段における前記他の取出部が取り出した信号を前記出力信号として出力する請求項3に記載のフィルタ装置。
  5. 前記取出部又は前記他の取出部が前記出力信号を出力する出力端には、前記出力信号を空間に放射するためのアンテナが接続されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
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