JP2016066791A - パターン形成基板の製造方法、慣らし用基板、及び基板の組合体 - Google Patents

パターン形成基板の製造方法、慣らし用基板、及び基板の組合体 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン形成基板の歩留まりを向上させることができるパターン形成基板の製造方法を提供する。【解決手段】基板本体21と、基板本体21から突出するとともに表面にパターン領域22が設けられた段差構造23とを有する慣らし用基板20の段差構造23を、平面視で、被転写基板10の段差構造13よりも大きくする。慣らし用基板20を用いた慣らしインプリント工程の後に、被転写基板10に対する本番インプリント工程を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、インプリント法を行って製造されるパターン形成基板の製造方法、及び、インプリント法を行って製造されるパターン形成基板の製造過程において行われる慣らしインプリント工程に用いられる慣らし用基板、並びに基板の組合体に関する。
インプリント法は、表面に微細な凹凸パターンが形成された型(テンプレート)を、例えば、樹脂材料等の被成形材料を塗布したウエハ等の基板に押し付ける(押印する)ことにより、被成形材料を力学的に変形させ、被成形材料にパターンを転写する技術である。
インプリント法において用いられるテンプレートは、一度作製すれば、微細な凹凸パターンが転写された成形体を繰り返し製造できるため、高いスループットが得られて経済的であるとともに、有害な廃棄物の排出を少なく抑えることができる。このため、近年、種々の分野で応用が進められている。
このようなインプリント法で用いられるテンプレートは、一般的に、電子線リソグラフィ法によって製造されている。電子線リソグラフィ法によれば、テンプレート用基板の表面に電子線レジストを塗布し、電子線レジストに電子線描画を行ってレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとしてテンプレート用基板をエッチングして凹凸パターンを形成することができる。
上記のようにして電子線リソグラフィ法により製造されるテンプレートは、高価な電子線描画装置によって長時間かけて描画を行うことにより製造されるため、非常に製造コストが高くなるという問題がある。そのため、電子線リソグラフィ法により製造されたテンプレートをインプリント法に実際に用いたときに、テンプレートが直ぐに破損して再使用できなくなると、非常に大きな損失が生じる。
そのため、インプリント法においては、電子線リソグラフィ法によって製造されたテンプレートを母型(マスターテンプレート)として扱い、このマスターテンプレートからインプリント法によりレプリカテンプレートを製造し、このレプリカテンプレートからインプリント法により、製造対象の基板等の物品を製造する手法が一般的に採用されている。
このようにマスターテンプレートからレプリカテンプレートを製造する手法によれば、レプリカテンプレートを低コストで大量に製造可能である。そのため、レプリカテンプレートが破損した場合でもあっても製造コストを抑制することができ、直ぐに在庫のレプリカテンプレートに交換することができるため、生産性の低下も抑制することができる。
ところで、インプリント法による典型的な製造手順は、概略として、被成形材料が塗布される前の基材に被成形材料を塗布する工程と、被成形材料とテンプレートとを接触させて被成形材料にパターンを転写する工程と、被成形材料を硬化させ、当該硬化した被成形材料とテンプレートとを離型する工程と、を含む。このようなインプリント法による製造手順は、上記のようにマスターテンプレートからレプリカテンプレートを製造する場合であっても、レプリカテンプレートから製造対象の物品を製造する場合であっても、基本的に、同様である。なお、マスターテンプレートからレプリカテンプレートを製造する場合には、離型の後に、パターンが転写され硬化された被成形材料をマスクとして基材をエッチングすることが一般的である。
ところで、従来から、インプリント法における上記のような各種工程を効率良く実施するための技術が、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、被成形材料を介してマスターテンプレートの凹凸パターンに接触されてパターンを転写された後、エッチングされることでレプリカテンプレートを構成する基材としてのレプリカテンプレート用基板(以下、被転写基板と呼ぶ。)が開示されている。この被転写基板は、中央に設けられ、マスターテンプレートの凹凸パターンに接触されるパターン領域を周囲よりも高く位置させる凸状の段差構造を有している。このような段差構造を有する被転写基板によれば、パターン領域に塗布された被成形材料をマスターテンプレートの凹凸パターンに接触させる際に、パターン領域の周囲とマスターテンプレートの凹凸パターンの外側の領域とが接触することを防止できるため、被成形材料とマスターテンプレートとの接触面積を小さく抑えることができる。このことにより、離型を容易化することができる。
また、特許文献2には、テンプレートに押し付けられる被成形材料として、離型剤である界面活性剤等を含有させる材料を用いることが開示されている。
特開2013−175671号公報 特表2007−523249号公報
ところで、マスターテンプレートからレプリカテンプレートを製造する場合においては、マスターテンプレートとレプリカテンプレート用基板、すなわち被転写基板に塗布された被成形材料との離型を容易化するために、被転写基板とは別の基板(以下、慣らし用基板)を用意し、インプリント法を行ってレプリカテンプレートを製造する前に、前記慣らし用基板に離型剤(界面活性剤)を含有した被成形材料を塗布して、マスターテンプレートによりインプリントする(以下、慣らしインプリント工程と呼ぶ。)ことがある。
しかしながら、従来、慣らしインプリント工程の実施時に、マスターテンプレートの凹凸パターンの外周に被成形材料が付着しマスターテンプレート上に残存してしまう場合がある。この場合、付着した被成形材料(以下、残存樹脂と呼ぶ。)が続いてインプリントされる被転写基板の一部と干渉し、レプリカテンプレートの歩留まりが低下するおそれがある。なお、このような慣らしインプリントでは、慣らし用基板に供給する被成形材料の膜厚が、通常被転写基板に塗布する被成形材料の膜厚よりも厚く設定される場合がある。この場合、被成形材料の量が多くなる為、インプリント中にマスターテンプレートの凹凸パターンからはみ出す被成形材料の量が多くなり、これがマスターテンプレート上に残りやすく、慣らしインプリントでは、特に残存樹脂が生じ易い傾向がある。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであって、その目的は、被転写基板に供給された被成形材料とテンプレートとを適正に接触させることができ、テンプレートによってパターンが転写された被成形材料及び被転写基板から得られるパターン形成基板の歩留まりを向上させることができるパターン形成基板の製造方法及び慣らし用基板を提供することにある。
本発明は、凹凸パターンを有するテンプレートを用いたパターン形成基板の製造方法であって、基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有する慣らし用基板を準備する慣らし用基板準備工程と、前記慣らし用基板の前記パターン領域に、第1被成形材料を供給する第1供給工程と、前記慣らし用基板の前記パターン領域に供給された前記第1被成形材料と、前記テンプレートの前記凹凸パターンと、を接触させる慣らしインプリント工程と、前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触した前記第1被成形材料と前記テンプレートとを離型する第1離型工程と、基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有する被転写基板を準備する被転写基板準備工程と、前記被転写基板の前記パターン領域に、第2被成形材料を供給する第2供給工程と、前記被転写基板の前記パターン領域に供給された前記第2被成形材料と、前記テンプレートの前記凹凸パターンと、を接触させる本番インプリント工程と、前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触した前記第2被成形材料と前記テンプレートとを離型する第2離型工程と、前記凹凸パターンによって前記パターンが転写された前記第2被成形材料及び前記被転写基板からパターン形成基板を得る仕上げ工程と、を備え、前記慣らし用基板の前記段差構造は平面視で、前記被転写基板の前記段差構造よりも大きいことを特徴とするパターン形成基板の製造方法、である。
前記第1被成形材料は、離型剤を含有していてもよい。
前記慣らし用基板の前記パターン領域には、クロム層が形成されていてもよい。
前記第1被成形材料と、前記第2被成形材料とは、それぞれ光硬化性樹脂を含有していてもよい。
前記第1被成形材料の光硬化性樹脂と、前記第2被成形材料の光硬化性樹脂とは、同一の材料であってもよい。
当該パターン形成基板の製造方法は、基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有し、その段差構造が平面視で、前記被転写基板の前記段差構造よりも小さい第2被転写基板を準備する工程と、前記第2被転写基板の前記パターン領域に、第3被成形材料を供給する第3供給工程と、前記第2被転写基板の前記パターン領域に供給された前記第3被成形材料と、前記テンプレートの前記凹凸パターンと、を接触させる第2本番インプリント工程と、前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触した前記第3被成形材料と前記テンプレートとを離型する第3離型工程と、をさらに備えていてもよい。
前記第1被成形材料の膜厚が、前記第2被成形材料の膜厚よりも厚くなっていてもよい。
また、本発明は、基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有する被転写基板を準備し、テンプレートの凹凸パターンと、前記被転写基板の前記パターン領域に供給された被成形材料とを接触させて、前記被成形材料にパターンを転写する前に用いられる慣らし用基板であって、基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有し、その段差構造が平面視で、前記被転写基板の前記段差構造よりも大きくなっており、前記被転写基板の前記パターン領域に供給された前記被成形材料にパターンを転写する前に、そのパターン領域に被成形材料が供給されて、前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触されることを特徴とする慣らし用基板、である。
また、本発明は、慣らし用基板と、被転写基板とを備えた基板の組合体であって、前記慣らし用基板は、第1の基板本体と、前記第1の基板本体から突出するとともに表面に第1のパターン領域が設けられた第1の段差構造とを有し、前記被転写基板は、第2の基板本体と、前記第2の基板本体から突出するとともに表面に第2のパターン領域が設けられた第2の段差構造とを有し、平面視で、前記慣らし用基板の前記第1の段差構造は、前記被転写基板の前記第2の段差構造よりも大きくなっていることを特徴とする基板の組合体である。
また、本発明は、凹凸パターンを有するテンプレートを用い、メサ部を有する被転写基板又は当該被転写基板上に配置される被成形材料にパターンを形成し、パターン形成基板を製造するパターン形成基板の製造方法であって、前記被転写基板のメサ部よりも平面視で大きいメサ部を有する基板を準備し、当該基板のメサ部に離型剤を含有する第1被成形材料を供給し、前記第1被成形材料に、前記テンプレートを接触させ、その後、離型し、前記テンプレートに前記第1被成形材料に含有された離型剤を付着させる工程と、前記被転写基板のメサ部に、第2被成形材料を供給し、前記第2被成形材料に、離型剤を付着された前記テンプレートを接触させ、その後、離型し、前記第2被成形材料にパターンを形成する工程と、を備え、パターンが形成された前記第2被成形材料及び前記被転写基板からパターン形成基板を得ることを特徴とするパターン形成基板の製造方法、である。
当該製造方法は、パターンが形成された前記第2被成形材料をマスクとして、前記被転写基板をエッチングする工程をさらに備え、前記被転写基板をエッチングして、前記パターン形成基板を得てもよい。
本発明によれば、被転写基板に供給された被成形材料とテンプレートとを適正に押し付けることができ、テンプレートによってパターンが転写された被成形材料及び被転写基板から得られるパターン形成基板の歩留まりを向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法に用いられるインプリント処理装置の概略図である。 図1に示すインプリント処理装置に装着されたマスターテンプレートの底面図である。 本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法に用いられる基板を示し、(A)は、被成形材料を供給されてパターンが形成される前の基板である被転写基板の側面図であり、(B)は、被転写基板の平面図であり、(C)は、慣らしインプリント工程で用いられる慣らし用基板の側面図であり、(D)は、慣らし用基板の平面図である。 本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法における慣らしインプリント工程で、マスターテンプレートに被成形材料が付着した様子を示した図である。 本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法における慣らしインプリント工程で、マスターテンプレートに被成形材料が付着した様子を示した図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図面は例示であり、説明のために特徴部を誇張することがあり、実物とは異なる場合がある。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(インプリント処理装置)
図1は、本発明の実施の形態に係るパターン形成基板の製造方法に用いられるインプリント処理装置100の概略構成を示す図である。本実施の形態では、インプリント処理装置100に装着されたマスターテンプレート110を用いて、パターン形成基板としてのレプリカテンプレートを製造する例を説明する。なお、パターン形成基板とは、パターンを有する基板のことを意味する。
図1に示すように、このインプリント処理装置100は、ウエハ等の基板を保持するとともに基板を所定の位置に位置決めするステージ101と、ステージ101に保持される基板の上方に配置され、前述したマスターテンプレート110を支持するチャック102と、を有している。
図1においては、ステージ101に保持される基板が二点鎖線で示されている。ステージ101は、保持する基板を、図中矢印Hに示すように水平移動させることにより、当該基板を所定位置に移動させるものである。
図2は、マスターテンプレート110の底面図である。図1及び図2に示すように、マスターテンプレート110は、その外形形状が矩形状に形成されており、その下面の中央領域に微細な凹凸パターン111が形成されている。ここで、底面および下面とは、マスターテンプレート110の、後述する慣らし用基板20または被転写基板10と接触する側の面であり、図1において下側の面である。凹凸パターン111は、電子線リソグラフィ法によって形成されている。すなわち、マスターテンプレート110は、テンプレート用基板の表面に電子線レジストを塗布し、電子線レジストに電子線描画を行ってレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとしてテンプレート用基板をエッチングして凹凸パターン111を形成することで、製造されている。
凹凸パターン111は、図中では概略的に示されているが、凹凸パターン111の凸部の高さ(凹部の深さ)、ピッチ、数、配置面積(マスターテンプレート110の主面に対する凹凸パターンの占有面積)、形状(ライン形状、ドット形状(モスアイ状)等)は、特に限定されるものではなく、製造の対象となるパターン形成基板に応じて適宜設定され得る。また、凹凸パターン111の寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、凸部の幅が40nm以下、好ましく10〜30nmであり、隣接する凸部の間の間隔は、40nm以下、好ましく10〜30nmである。なお、本実施の形態では、マスターテンプレート110の外形形状が矩形状であるが、マスターテンプレート110の外形形状は、例えば円形状等であっても構わない。
また、チャック102は、マスターテンプレート110を、図中矢印Vに示すように上下方向に移動させることにより、マスターテンプレート110の凹凸パターン111とステージ101に保持された基板に供給される被成形材料とを接触させるものである。なお、本実施の形態では、被成形材料として液状の光硬化性樹脂を含有する組成物が用いられる。
図示省略するが、このインプリント処理装置100には、ステージ101に保持された基板に対して上方から、被成形材料を供給するディスペンサヘッドと、マスターテンプレート110の上方に配置され、ステージ101に配置された基板に対して紫外線等の光を照射する光源と、が設けられている。当該光源は、光硬化性樹脂を含有する被成形材料を硬化させるために光を照射するようになっている。この光源がマスターテンプレート110の上方に配置される場合には、光がマスターテンプレート110を透過するように、マスターテンプレート110が、例えば光を透過可能な石英基板等から形成される。
本実施の形態では、ステージ101に、後述する被転写基板10(図3(A),(B)参照)及び慣らし用基板20(図3(C),(D)参照)が配置され、これら基板には、上記ディスペンサヘッドから被成形材料が供給されるようになっている。その後、チャック102によってマスターテンプレート110を移動させることにより、基板上の被成形材料に凹凸パターン111が押し付けられるようになっている。すなわち、本実施の形態では、インプリント法として、光インプリント法を採用している。
なお、以上に説明したインプリント処理装置100としては、典型的には従来公知のインプリント装置を用いることができる。
(被転写基板及び慣らし用基板)
次に、前述した本実施の形態に用いられる被転写基板10及び慣らし用基板20について説明する。図3(A),(B)には、被転写基板10の側面図と平面図とが示され、図3(C),(D)には、慣らし用基板20の側面図と平面図とが示されている。
被転写基板
先ず、図3(A),(B)に示すように、被転写基板10は、対向する一対の主面を有する基板本体11と、基板本体11から突出するとともにその表面にパターン領域12が設けられた段差構造13(メサ部)と、を有している。なお、パターン領域12は、段差構造13の表面全域、すなわち図中上面全域に設けられている。被転写基板10は、被成形材料(後述する、第2の被成形材料45)を介してマスターテンプレート110の凹凸パターン111に接触されてパターンを転写された後、本実施の形態ではエッチングされることでレプリカテンプレートを構成する基板である。他の実施形態として、被成形材料をインプリントで成形し、基板はエッチングせずに、被成形材料からなるパターンを有する、パターン形成基板としても良い。
この被転写基板10では、パターン領域12の全体に被成形材料が供給されるようになっており、段差構造13が設けられることによって、パターン領域12に供給された被成形材料をマスターテンプレート110の凹凸パターン111に接触させる際に、パターン領域12の周囲(パターン領域12よりも外側の部分)とマスターテンプレート110とが接触することを防止できるようになっている。これにより、被成形材料とマスターテンプレート110との接触面積を小さく抑えることができることで、接触後の離型を容易化することができるようになっている。
本実施の形態の基板本体11及び段差構造13(パターン領域12)は平面視で、矩形状に形成されており、段差構造13は、基板本体11の一方の主面の中央領域に形成されている。段差構造13は、マスターテンプレート110の凹凸パターン111に対向するように重ね合わされた際に、凹凸パターン111の全体を、その内側に包含可能な形状に形成されている。なお、本実施の形態では、基板本体11及び段差構造13が平面視で矩形状に形成されているが、基板本体11及び段差構造13は、例えば円形状等に形成されていてもよい。また、基板本体11と段差構造13との形状が互いに異なっていてもよく、例えば、基板本体11が矩形状に形成され、段差構造13が円形状に形成される等の態様であってもよい。
被転写基板10としては、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラスや、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン等の樹脂等、またはこれらの任意の積層材からなる透明基板等を用いることができる。また、被転写基板10としては、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属基板、シリコン、窒化ガリウム等の半導体基板等も用いることができる。
また、被転写基板10の主面のうちの段差構造13(パターン領域12)が形成される主面上には、パターン領域12も含む全体に、ハードマスク層が形成されていてもよい。ハードマスク層を構成する材料としては、Cr、Ti、Ta、Al等の金属材料、シリコン酸化物等を用いることができる。ハードマスク層は、蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成することができる。
また、被転写基板10は、段差構造13が形成された一方の主面とは反対側の主面側に、くぼみ部が形成されていてもよい。この場合、くぼみ部の平面視における大きさは、段差構造13(パターン領域12)よりも大きいことが好ましい。このようなくぼみ部を形成した場合には、マスターテンプレート110からの離型の際に、被転写基板10にある程度の変形を許容することで、離型の容易化を図ることができる。
慣らし用基板
次いで、図3(C),(D)に示すように、慣らし用基板20は、対向する一対の主面を有する基板本体21と、基板本体21から突出するとともにその表面にパターン領域22が設けられた段差構造23(メサ部)と、を有している。なお、パターン領域22は、段差構造23の表面全域、すなわち図中上面全域に設けられている。
この慣らし用基板20は、慣らしインプリント工程において用いられる基板である。詳細は後述するが、この慣らしインプリント工程において、この慣らし用基板20は、被成形材料(後述する、第1の被成形材料40)を介してマスターテンプレート110の凹凸パターン111に接触され、この際に、被成形材料に含有される離型剤を凹凸パターン111に供給する。
この慣らし用基板20では、パターン領域22の全体に被成形材料が供給されるようになっており、被成形材料として、前述したように離型剤(界面活性剤)を含有する被成形材料が供給される。当該被成形材料には、光硬化性樹脂も含有されている。なお、慣らし用基板20に供給される離型剤を含有する被成形材料と、被転写基板10に供給される被成形材料とは、同一のものでも、異なるものでもよい。本実施の形態では、後述の製造方法で説明するように、慣らし用基板20に供給される被成形材料と、被転写基板10に供給される被成形材料とは、同一である。製造効率の向上のためには、慣らし用基板20に供給される被成形材料の光硬化性樹脂と、被転写基板10に供給される被成形材料の光硬化性樹脂とが、同一の材料であることが好ましい。
また、この慣らし用基板20では、被転写基板10と同様に、段差構造23が設けられることによって、パターン領域22に供給された被成形材料をマスターテンプレート110の凹凸パターン111に接触させる際に、パターン領域22の周囲(パターン領域22よりも外側の部分)とマスターテンプレート110とが接触することを防止できるようになっている。これにより、被成形材料とマスターテンプレート110との接触面積を小さく抑えることができることで、接触後の離型を容易化することができるようになっている。
また、本実施の形態の基板本体21及び段差構造23(パターン領域22)は平面視で、矩形状に形成されており、段差構造23は、基板本体21の一方の主面の中央領域に形成されている。段差構造23は、マスターテンプレート110の凹凸パターン111に対向するように重ね合わされた際に、凹凸パターン111の全体を、その内側に包含可能な形状に形成されている。なお、本実施の形態では、基板本体21及び段差構造23が平面視で矩形状に形成されているが、基板本体21及び段差構造23は、例えば円形状等に形成されていてもよい。また、基板本体21と段差構造23との形状が互いに異なっていてもよく、例えば、基板本体21が矩形状に形成され、段差構造23が円形状に形成される等の態様であってもよい。
また、図3(A),(B)と、図3(C),(D)とを対比して明らかなように、本実施の形態の慣らし用基板20の段差構造23は平面視で、被転写基板10の段差構造13よりも大きくなっている。より詳しくは、段差構造23は、段差構造13に対向するように重ね合わされた際に、段差構造13の全体を、その内側に包含可能な形状に形成されている。なお、本実施の形態では、段差構造23と段差構造13とがともに矩形状で、且つ、相似形状になっている。しかしながら、段差構造23が、段差構造13に対向するように重ね合わされた際に、段差構造13の全体を、その内側に包含可能な形状に形成されていれば、段差構造23と段差構造13とは互いに異なる形状であってもよい。例えば、段差構造23が円形状に形成され、段差構造13が矩形状に形成されるような態様であってもよい。
このような慣らし用基板20としては、被転写基板10と同様に、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラスや、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン等の樹脂等、またはこれらの任意の積層材からなる透明基板等を用いることができる。また、慣らし用基板20としては、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属基板、シリコン、窒化ガリウム等の半導体基板等も用いることができる。
また、この慣らし用基板20の主面のうちの段差構造23(パターン領域22)が形成される主面上には、パターン領域22を含む全体に、ハードマスク層が形成されていてもよい。ハードマスク層を構成する材料としては、Cr、Ti、Ta、Al等の金属材料、シリコン酸化物等を用いることができる。ハードマスク層は、蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成することができる。
また、慣らし用基板20は、被転写基板10と同様に、段差構造23が形成された一方の主面とは反対側の主面側に、くぼみ部が形成されていてもよい。この場合、くぼみ部の平面視における大きさは、段差構造23(パターン領域22)よりも大きいことが好ましい。このようなくぼみ部を形成した場合には、マスターテンプレート110からの離型の際に、慣らし用基板20にある程度の変形を許容することで、離型の容易化を図ることができる。
本実施の形態においては、被転写基板10のパターン領域12を被成形材料を介してマスターテンプレート110の凹凸パターン111に接触させてパターンを転写する前に、以上に説明した慣らし用基板20のパターン領域22に被成形材料を供給して、マスターテンプレート110の凹凸パターン111に接触させる慣らしインプリント工程を行う。この慣らしインプリント工程においては、被成形材料に含有される離型剤が凹凸パターン111に供給される。これにより、被転写基板10にパターンを転写する本番インプリント工程を行った後の離型の容易化を図ることができる。また、慣らし用基板20は、慣らしインプリント工程後にエッチングされず、被成形材料を剥離することで、再利用することが出来る。以下では、慣らしインプリント工程を含む、本実施の形態に係るパターン形成基板としてのレプリカテンプレートの製造方法について詳述する。
(レプリカテンプレート(パターン形成基板)の製造方法)
図4乃至図6は、本実施の形態に係るパターン形成基板としてのレプリカテンプレートの製造方法の工程を示した図である。図4は、主に、慣らしインプリントに関する工程を示し、図5は、主に、本番インプリントに関する工程を示し、図6は、主に、仕上げ工程を示している。
慣らしインプリントに関する工程
本実施の形態に係るパターン形成基板としてのレプリカテンプレートの製造方法では、先ず、図4(A)に示すように、上述した慣らし用基板20を準備する(慣らし用基板準備工程)。そして、慣らし用基板20を、インプリント処理装置100におけるステージ101に保持する。
次いで、図4(B)に示すように、慣らし用基板20のパターン領域22に、離型剤と光硬化性樹脂とを含有する第1の被成形材料40(第1被成形材料)を供給する(第1供給工程)。第1の被成形材料40は、前述したインプリント処理装置100におけるディスペンサヘッドから供給される。
本実施の形態に係る第1供給工程では、第1の被成形材料40の膜厚がT1となるように第1の被成形材料40が供給される。なお、前記ディスペンサヘッドからは、インクジェット式にて第1の被成形材料40が供給されてもよいし、ディスペンサヘッドから第1の被成形材料40を供給した後、スピンコート法によって膜厚が一定となるようにしてもよい。インクジェット式にて第1の被成形材料40が供給される場合には、多数の液滴が点在する状態となる場合がある。この場合、液滴の厚さが、膜厚T1に相当する。
第1の被成形材料40の膜厚T1は、第1の被成形材料40とマスターテンプレート110の凹凸パターン111とを接触させる後述する慣らしインプリント工程の際に、第1の被成形材料40に含有される離型剤がマスターテンプレート110側に引き寄せられて、凹凸パターン111に十分に供給される程度の厚さに設定される。
その後、マスターテンプレート110の下方に、慣らし用基板20が配置される。具体的に、パターン領域22上の第1の被成形材料40が、同図4(B)に示すように、マスターテンプレート110の凹凸パターン111に対向するように、慣らし用基板20がステージ101によって位置決めされる。
次いで、図4(C)に示すように、慣らし用基板20のパターン領域22に供給された第1の被成形材料40と、マスターテンプレート110の凹凸パターン111と、を接触させる(慣らしインプリント工程、プライミング工程)。この際、第1の被成形材料40に含有される離型剤がマスターテンプレート110側に引き寄せられて、凹凸パターン111に供給(付着)される。この際、慣らし用基板20の主面のうちのパターン領域22が形成される主面上に、Cr等のハードマスク層を形成して、マスターテンプレート110との間で表面自由エネルギーに差を生じさせれば、離型剤がマスターテンプレート110側に効率的に引き寄せられ得るため、慣らし用基板20のパターン領域22が形成される主面上にはCr等のハードマスク層が形成されることが好ましい。具体的に、本実施の形態では、クロム層をハードマスク層として、慣らし用基板20のパターン領域22が形成される主面上に形成している。
次いで、図4(D)に示すように、光を照射して第1の被成形材料40を硬化させる。光は、前述したインプリント処理装置100における光源から照射される。
次いで、図4(E)に示すように、凹凸パターン111に接触した第1の被成形材料40とマスターテンプレート110とを離型する(第1離型工程)。その後、図4(F)に示すように、慣らし用基板20をステージ110から取り外す。
以上の工程により、第1の被成形材料40に含有される離型剤が、凹凸パターン111に供給されて、以下で説明する本番インプリント工程後の離型を容易化することができる。
本番インプリントに関する工程
続いて、本番インプリントに関する工程では、先ず、図5(A)に示すように、上述した被転写基板10を準備する(被転写基板準備工程)。そして、被転写基板10を、インプリント処理装置100におけるステージ101に保持する。
次いで、図5(B)に示すように、被転写基板10のパターン領域12に、この例では、離型剤と光硬化性樹脂とを含有する第2の被成形材料45(第2被成形材料)を供給する(第2供給工程)。第2の被成形材料45は、前述したインプリント処理装置100におけるディスペンサヘッドから供給される。また、この例では、被転写基板10のパターン領域12に供給される第2の被成形材料45が、慣らし用基板20のパターン領域22に供給された第1の被成形材料40と同一である。しかしながら、前述したように、第2の被成形材料45と第1の被成形材料40とは異なっていてもよい。
本実施の形態に係る第2供給工程では、第2の被成形材料45の膜厚がT2となるように第2の被成形材料45が供給される。なお、前記ディスペンサヘッドからは、インクジェット式にて第2の被成形材料45が供給されてもよいし、ディスペンサヘッドから第2の被成形材料45を供給した後、スピンコート法によって膜厚が一定となるようにしてもよい。インクジェット式にて第2の被成形材料45が供給される場合には、多数の液滴が点在する状態となる場合がある。この場合、液滴の厚さが、膜厚T2に相当する。
第2の被成形材料45の膜厚T2は、第2の被成形材料45とマスターテンプレート110の凹凸パターン111とを接触させる後述する本番インプリント工程の際に、第2の被成形材料45が凹凸パターン111の外周側にはみ出さない程度に設定される。ここで、本実施の形態においては、上述した第1供給工程において慣らし用基板20のパターン領域22に供給した第1の被成形材料40の膜厚T1が、第2供給工程における第2の被成形材料45の膜厚T2よりも大きく設定される。これにより、本実施の形態では、慣らし用基板20のパターン領域22に供給した第1の被成形材料40が凹凸パターン111に接触された際に、第1の被成形材料40に含有される離型剤が凹凸パターン111に十分に供給されることが図られている。一方で、このように慣らしインプリントでは、膜厚T1が厚く設定される為に、被成形材料40の量が多くなる為、インプリント中にマスターテンプレート110の凹凸パターン111からはみ出す被成形材料40の量が多くなり、これがマスターテンプレート110上に残りやすく、特に残存樹脂が生じ易い傾向がある。
その後、マスターテンプレート110の下方に、被転写基板10が配置される。具体的に、パターン領域12上の第2の被成形材料45が、同図5(B)に示すように、マスターテンプレート110の凹凸パターン111に対向するように、被転写基板10がステージ110によって位置決めされる。
次いで、図5(C)に示すように、被転写基板10のパターン領域12に供給された第2の被成形材料45と、マスターテンプレート110の凹凸パターン111と、を接触させる(本番インプリント工程)。
次いで、図5(D)に示すように、光を照射して第2の被成形材料45を硬化させる。光は、前述したインプリント処理装置100における光源から照射される。
次いで、図5(E)に示すように、凹凸パターン111に接触した第2の被成形材料45とマスターテンプレート110とを離型する(第2離型工程)。この際、凹凸パターン111には、上述の慣らしインプリン工程により、離型剤が供給されているので、この第2離型工程における第2の被成形材料45とマスターテンプレート110との離型は、容易に行われ得る。
以上の工程により、凹凸パターン111に対応するパターンが転写された第2の被成形材料45からなる成形体50(図5(F)参照)と、この成形体50を保持した被転写基板10が得られる。
仕上げ工程
続いて、本実施の形態では、パターンが転写された第2の被成形材料45からなる成形体50と、この成形体50を保持した被転写基板10からレプリカテンプレート120を加工する仕上げ工程を行う。本実施の形態では、図6(A)に示すように、成形体50を保持した被転写基板10上に、凹凸パターン111の凸部に相当する部分の第2の被成形材料45が薄い残膜として残る。
本実施の形態の仕上げ工程においては、先ず、図6(B)に示すように、酸素ガスを用いたイオンエッチング処理などで、上記薄い残膜を除去し、凸部が点在した成形体50を得る。次いで、凸部が点在した成形体50をマスクとし、CFガス等を用いて、被転写基板10をドライエッチングする。これにより、図6(C)に示すように、凹凸パターンが転写されたレプリカテンプレート120が製造される。
以上に説明した本実施の形態によれば、慣らしインプリン工程において用いられる慣らし用基板20の段差構造23が平面視で、被転写基板10の段差構造13よりも大きくなっている。詳しくは、段差構造23が、段差構造13に対向するように重ね合わされた際に、段差構造13の全体を、その内側に包含可能な形状に形成されている。この場合、慣らしインプリント工程の後の離型の際に、仮に、慣らし用基板20のパターン領域22に供給された第1の被成形材料40が、図7に示すように、マスターテンプレート110の凹凸パターン111の外周に付着した場合であっても、その後、被転写基板10のパターン領域12とマスターテンプレート110の凹凸パターン111とを接触させる際に、段差構造13(パターン領域12)よりも外側に、凹凸パターン111の外周に付着した第1の被成形材料40が位置する。これにより、凹凸パターン111との接触の際に、パターン領域12が凹凸パターン111の外周に付着した第1の被成形材料40に干渉することを容易に回避することができる。なお、図7において、破線で示した領域は、被転写基板10の段差構造13(パターン領域12)の外形を示している。また、図5においても、凹凸パターン111の外周に付着した第1の被成形材料40が示されている。特に、図5(C)に示すように、パターン領域12が凹凸パターン111の外周に付着した第1の被成形材料40に干渉することを回避することができる。
他方、比較例として、被転写基板と慣らし用基板とで同一の基板を用いた場合には、慣らしインプリント工程の実施時に、マスターテンプレートの凹凸パターンの外周に被成形材料が付着し易くなってしまう。仮に、マスターテンプレートの外周に被成形材料(残存樹脂)が付着すると、その後の被転写基板に対するインプリント工程において、被転写基板のパターン領域の縁部が前記残存樹脂に干渉して、被転写基板に塗布された被成形材料を適正にマスターテンプレートに接触させることが困難となり、その結果、レプリカテンプレートの歩留まりが低下し得る。
これに対して、本実施の形態によれば、被転写基板10に供給された第2の被成形材料45とマスターテンプレート110とを適正に接触させることができるので、マスターテンプレート110によってパターンが転写された第2の被成形材料45及び被転写基板10から得られるパターン形成基板としてのレプリカテンプレート120の歩留まりを向上させることができる。
なお、図8は、慣らしインプリント工程の後の離型の際に、第1の被成形材料40がマスターテンプレート110の凹凸パターン111の外周に付着した場合において、付着した第1の被成形材料40の一部41が、凹凸パターン111側に紐状に飛び出した状態を示している。このような状況が生じた場合においても、段差構造13が光硬化性樹脂40と干渉することを回避し得るように、段差構造23と段差構造13との大小関係が決定されることが好ましい。
例えば、本実施の形態においては、段差構造13が短辺25mm長辺35mm程度である場合、慣らしインプリント工程で、はみ出し得る第1の被成形材料40の幅は、1〜10μm程度であり、加えて装置のアライメント精度は、1〜10μmであり、高精度である。この場合、前述した、はみ出し得る第1の被成形材料40の幅及びアライメント精度を考慮すると、段差構造23と段差構造13との間の離間幅は、10μm以上であることが好ましい。
さらに、図8で示したように、紐状に剥がれる現象が起こることを考慮すると、更に離間幅を広くすることが好ましい。紐状に剥がれる現象が起きた場合、紐状に剥がれた第1の被成形材料40は、長さが1〜3mm程度までに及ぶことがあり、離型時の剥離帯電によりパターン中心方向に向かって伸びる傾向がある。これを考慮すると、紐状に剥がれ得る第1の被成形材料40に、被転写基板10の段差構造13が干渉しない為には、段差構造23が段差構造13をその内側に包含するように重ね合わされた際に、例えば、段差構造13の輪郭線から段差構造23の輪郭線までの距離(離間幅)が、2〜4mmに設定されることが好ましい。一方、この場合、離型力が5〜10%程度も大きくなる傾向が認められる為、インプリントに支障きたさないように幅を設定することが必要である。
また、本実施の形態では、慣らし用基板20のパターン領域22に、クロム層が形成されている。これによれば、慣らし用基板20のパターン領域22とマスターテンプレート110との間で表面自由エネルギーに差を生じさせることにより、離型剤がマスターテンプレート110側に効率的に引き寄せることができる。このことにより、離型性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、慣らし用基板20に供給する第1の被成形材料40の光硬化性樹脂と、被転写基板10に供給する第2の被成形材料45の光硬化性樹脂とを同一の材料としている。これによれば、製造効率を向上させることができる。また、慣らし用基板20及び被転写基板10に供給する被転写材料がそれぞれ光硬化性樹脂を含有する。光硬化性樹脂でインプリントを行う場合には、室温で小さい接触圧力でインプリントを行うことが可能である。このため、生産性を向上することができる。
(変形例)
本実施の形態では、本発明をレプリカテンプレート120を製造する場合に適用した例を説明したが、レプリカテンプレート120から製造対象の基板(パターン形成基板に対応する。)を製造する際に、慣らしインプリン工程を行う場合にも、本発明は適用可能である。また、上述の実施の形態では、光インプリントを採用する例を説明したが、本発明は、熱インプリント法を採用した場合でも、適用可能である。
また、基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有し、その段差構造が平面視で、被転写基板10の段差構造13よりも小さい第2被転写基板を準備して、上述した被転写基板10の離型の後に、前記第2被転写基板の前記パターン領域に、第3被成形材料を供給する第3供給工程と、前記第2被転写基板の前記パターン領域に供給された前記第3被成形材料と、マスターテンプレート110の凹凸パターン111と、を接触させる第2本番インプリント工程と、マスターテンプレート110の凹凸パターン111に接触した前記第3被成形材料とマスターテンプレート110とを離型する第3離型工程と、を行ってもよい。この場合には、被転写基板10が第2被転写基板の慣らし用基板となって、被転写基板10と凹凸パターン111との接触で凹凸パターン111の外周に樹脂が付着したとしても、第2被転写基板と凹凸パターン111を適正に接触させ得るとともに離型が容易化される。このため、第2被転写基板から好適にパターン形成基板を製造し得る。
10 被転写基板
11 基板本体
12 パターン領域
13 段差構造(メサ部)
20 慣らしインプリント基板
21 基板本体
22 パターン領域
23 段差構造
40 第1の被成形材料
45 第2の被成形材料
50 成形体
100 インプリント処理装置
101 ステージ
102 チャック
110 マスターテンプレート
120 レプリカテンプレート

Claims (11)

  1. 凹凸パターンを有するテンプレートを用いたパターン形成基板の製造方法であって、
    基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有する慣らし用基板を準備する慣らし用基板準備工程と、
    前記慣らし用基板の前記パターン領域に、第1被成形材料を供給する第1供給工程と、
    前記慣らし用基板の前記パターン領域に供給された前記第1被成形材料と、前記テンプレートの前記凹凸パターンと、を接触させる慣らしインプリント工程と、
    前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触した前記第1被成形材料と前記テンプレートとを離型する第1離型工程と、
    基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有する被転写基板を準備する被転写基板準備工程と、
    前記被転写基板の前記パターン領域に、第2被成形材料を供給する第2供給工程と、
    前記被転写基板の前記パターン領域に供給された前記第2被成形材料と、前記テンプレートの前記凹凸パターンと、を接触させる本番インプリント工程と、
    前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触した前記第2被成形材料と前記テンプレートとを離型する第2離型工程と、
    前記凹凸パターンによって前記パターンが転写された前記第2被成形材料及び前記被転写基板からパターン形成基板を得る仕上げ工程と、
    を備え、
    前記慣らし用基板の前記段差構造は平面視で、前記被転写基板の前記段差構造よりも大きい
    ことを特徴とするパターン形成基板の製造方法。
  2. 前記第1被成形材料は、離型剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成基板の製造方法。
  3. 前記慣らし用基板の前記パターン領域に、クロム層が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成基板の製造方法。
  4. 前記第1被成形材料と、前記第2被成形材料とは、それぞれ光硬化性樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパターン形成基板の製造方法。
  5. 前記第1被成形材料の光硬化性樹脂と、前記第2被成形材料の光硬化性樹脂とは、同一の材料である
    ことを特徴とする請求項4に記載のパターン形成基板の製造方法。
  6. 基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有し、その段差構造が平面視で、前記被転写基板の前記段差構造よりも小さい第2被転写基板を準備する工程と、
    前記第2被転写基板の前記パターン領域に、第3被成形材料を供給する第3供給工程と、
    前記第2被転写基板の前記パターン領域に供給された前記第3被成形材料と、前記テンプレートの前記凹凸パターンと、を接触させる第2本番インプリント工程と、
    前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触した前記第3被成形材料と前記テンプレートとを離型する第3離型工程と、をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成基板の製造方法。
  7. 前記第1被成形材料の膜厚が、前記第2被成形材料の膜厚よりも厚い
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン形成基板の製造方法。
  8. 基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有する被転写基板を準備し、テンプレートの凹凸パターンと、前記被転写基板の前記パターン領域に供給された被成形材料とを接触させて、前記被成形材料にパターンを転写する前に用いられる慣らし用基板であって、
    基板本体と、前記基板本体から突出するとともに表面にパターン領域が設けられた段差構造とを有し、その段差構造が平面視で、前記被転写基板の前記段差構造よりも大きくなっており、
    前記被転写基板の前記パターン領域に供給された前記被成形材料にパターンを転写する前に、そのパターン領域に被成形材料が供給されて、前記テンプレートの前記凹凸パターンに接触される
    ことを特徴とする慣らし用基板。
  9. 慣らし用基板と、被転写基板とを備えた基板の組合体であって、
    前記慣らし用基板は、第1の基板本体と、前記第1の基板本体から突出するとともに表面に第1のパターン領域が設けられた第1の段差構造とを有し、
    前記被転写基板は、第2の基板本体と、前記第2の基板本体から突出するとともに表面に第2のパターン領域が設けられた第2の段差構造とを有し、
    平面視で、前記慣らし用基板の前記第1の段差構造は、前記被転写基板の前記第2の段差構造よりも大きくなっている
    ことを特徴とする基板の組合体。
  10. 凹凸パターンを有するテンプレートを用い、メサ部を有する被転写基板又は当該被転写基板上に配置される被成形材料にパターンを形成し、パターン形成基板を製造するパターン形成基板の製造方法であって、
    前記被転写基板のメサ部よりも平面視で大きいメサ部を有する基板を準備し、当該基板のメサ部に離型剤を含有する第1被成形材料を供給し、前記第1被成形材料に、前記テンプレートを接触させ、その後、離型し、前記テンプレートに前記第1被成形材料に含有された離型剤を付着させる工程と、
    前記被転写基板のメサ部に、第2被成形材料を供給し、前記第2被成形材料に、離型剤を付着された前記テンプレートを接触させ、その後、離型し、前記第2被成形材料にパターンを形成する工程と、を備え、
    パターンが形成された前記第2被成形材料及び前記被転写基板からパターン形成基板を得る
    ことを特徴とするパターン形成基板の製造方法。
  11. パターンが形成された前記第2被成形材料をマスクとして、前記被転写基板をエッチングする工程をさらに備え、
    前記被転写基板をエッチングして、前記パターン形成基板を得る
    ことを特徴とする請求項10に記載のパターン形成基板の製造方法。
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