JP2016066119A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図1〜図5Cを用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.全体構成]
図1は、本開示の電子機器の一例であるパーソナルコンピュータ1の斜視図であり、図2は、図1のパーソナルコンピュータ1の本体ユニット2の一部の構成を示す概略図である。図1は、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ1を開いた状態の外観を示す図である。図1、図2に示されるように、パーソナルコンピュータ1は、本体ユニット2と、表示ユニット3と、本体ユニット2と表示ユニット3との間に設けられたヒンジ部4とを備える。表示ユニット3は、ヒンジ部4を介して本体ユニット2と開閉可能に接続される。本体ユニット2は、例えばマグネシウムなどの金属製の金属筐体21と、当該金属筐体21上に設けられた樹脂製のキーボード22(図1では省略している)及びポインティングデバイス23とを備える。また、表示ユニット3には液晶表示パネル(LCD)31が設けられる。
ここで、本開示に至った背景について説明する。CPU等の演算処理装置は例えば600MHz〜2.6GHzの高周波で動作して熱を発生させるとともにMHz、GHz単位の高周波ノイズを発生する。すなわち、演算処理装置10は、演算処理中に内部の回路抵抗によって発熱し、さらに演算処理速度に応じた高周波ノイズである電磁波を放出する。回路基板5に実装されたアンテナモジュールは、800MHz〜5GHzの周波数帯域を使用するので、演算処理装置10から発生する電磁波はアンテナモジュールを含む他の電子回路に影響を及ぼし、ひいてはパーソナルコンピュータ1の誤動作の要因となる。この問題を解決するため、本開示のパーソナルコンピュータ1は、演算処理装置10(すなわち、発熱体)に放熱ユニット6を接続し、さらに放熱ユニット6を接地させることにより、演算処理装置10により発生した電磁波を他の電子回路に放出させないように構成している。以下、放熱ユニット6の構成について説明する。
[1−2−1.概要]
図3は、図2の本体ユニット2を底面側から見たときの平面図であり、図4は、図3の放熱ユニット6及びその近傍の構成を拡大して示した図である。ここで、図3は、図1のパーソナルコンピュータ1の底板を外した状態における本体ユニット2を底面側から見たときの平面図である。図3に示すように、金属筐体21内には、回路基板5、放熱ユニット6及び各種の電子部品30が配置されている。
図4に示すように、ヒートパイプ60は、受熱端60aにおいて、固定具62により受熱板61を介して回路基板5に固定され、回路基板5が金属筐体21に固定される。さらに、ヒートパイプ60は、放熱端60cにおいて、固定具64により金属板69を介して金属筐体21に固定される。ヒートパイプ60の他の箇所は、金属筐体21に接触されずに浮いた状態にある。以下、ヒートパイプ60の固定構造について、より具体的に説明する。
ヒートパイプ60と放熱体65とが接触する位置(所定位置)と、放熱端60cとの間の距離は、放熱端60cの金属筐体21への接続位置における金属筐体21の温度が、所定位置における金属筐体21の温度よりも、所定温度以上低くなるような距離に設定する。ここで、所定温度は、放熱端60cにおける放熱を十分に行える温度である。図4に示すように、ヒートパイプ60と受熱板61とが接続する部分(ヒートパイプ60の受熱端60a)及びヒートパイプ60と金属筐体21とが接続する部分(ヒートパイプ60の放熱端60c)は、ヒートパイプ60と放熱体65とが接触する部分(ヒートパイプ60の伝導部60bの一部)よりも金属筐体21内においてより内側に位置される。この構成とすることにより、図2に示すように、ヒートパイプ60の放熱端60cにおいて、ヒートパイプ60が金属筐体21に熱的に接続される位置はキーボード22の領域内となる。ヒートパイプ60の放熱端60cと液晶表示パネル31との間に樹脂製のキーボード22が存在する。従って、パーソナルコンピュータ1を閉じた状態とした場合でも、ヒートパイプ60の放熱端60cと液晶表示パネル31との間に樹脂製のキーボード22が存在するので、ヒートパイプ60の放熱端60cから金属筐体21に放熱された熱は低い熱伝導率を有する樹脂製のキーボード22に伝達され、直接的に液晶表示パネル31に伝達されない。従って、演算処理装置10で生じた高熱による当該液晶パネル31の劣化が抑制される。また、ユーザーが触れる可能性のある後壁21aの領域から、受熱端60aおよび放熱端60cを離す構造となるため、ユーザーへの熱の影響を低減する効果も期待できる。
以上のように構成されたパーソナルコンピュータ1について、放熱ユニット6による作用を以下に説明する。
演算処理装置10の動作時に発生した電磁波は、熱伝導シート63を介して受熱板61に伝播する。受熱板61に伝播された電磁波の一部は、金属製の固定具62を介して金属筐体21に伝播し(図5A参照)、残りの電磁波は、ヒートパイプ60の受熱端60a及び伝導部60bを介して、ヒートパイプ60の放熱端60cに伝播される。ヒートパイプ60の放熱端60cに伝播された電磁波は、金属製の固定具64を介して及び直接的に金属筐体21に伝播され(図5B参照)、かつ熱伝導シート67を介して金属筐体21に伝播される(図5C参照)。金属筐体21は接地(グランド電位に接続)されているのでこれにより、演算処理装置10から発生する電磁波の放射を防止できる。なお、ヒートパイプ60の放熱端60c、及び各固定具62、64と、金属筐体21との接触面積が大きいほど電磁波の放射を低減する能力(接地能力)は高くなる。
演算処理装置10の動作時に発生した熱は、熱伝導シート63及び受熱板61を介してヒートパイプ60の受熱端60aに伝導される。受熱端60aにおいて受け取られた熱は、ヒートパイプ60の伝導部60bを伝導する。ヒートパイプ60の伝導部60bを伝導する熱は、放熱用フィン65に伝導され、放熱用フィン65に伝導された熱は、その表面から放出される。放出された熱は、送風ファンユニット66からの風により金属筐体21の開口部21bを介して外部に放出される。残りの熱は、ヒートパイプ60の伝導部60bを伝導し、当該ヒートパイプ60の放熱端60cから直接的にあるいは熱伝導シート67を介して、金属筐体21に伝導される。金属筐体21に伝導された熱は、金属筐体21自身が熱の拡散によって温度を下げることを目的とした部品(ヒートシンク)として機能することにより、外部空間に放熱される。
以上のように、本実施の形態に係るパーソナルコンピュータ1は、発熱体である演算処理装置10と、放熱体65と、導電性を有し、かつ演算処理装置10で発生した熱を放熱体65に伝導するヒートパイプ60と、演算処理装置10、放熱体65、及びヒートパイプ60を収容する金属筐体21と、を備え、ヒートパイプ60は、一端において演算処理装置10に熱的に及び電気的に接続した状態で固着され、受熱端60aと放熱端60cとの間の所定位置において放熱体65に熱的に及び電気的に接続した状態で固着され、放熱端60cにおいて金属筐体21に熱的に及び電気的に接続した状態で固着される。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
2…本体ユニット、
3…表示ユニット、
4…ヒンジ部、
5…回路基板、
6…放熱ユニット、
10…発熱体、
21…金属筐体、
21a…後壁、
21b…開口部、
22…キーボード、
23…ポインティングデバイス、
31…液晶表示パネル(LCD)、
60…ヒートパイプ、
60a…受熱端、
60b…伝導部、
60c…放熱端、
61…受熱板、
62,64,67,70…固定具、
63,67…熱伝導シート、
65…放熱体、
65a…放熱用フィン、
66…送風ファンユニット、
66a…送風ファンケース、
66b…送風ファン、
66c…吸入口、
66d…排気口、
69…金属板、
90…熱伝導ゴム。
Claims (8)
- 発熱体と、
放熱体と、
導電性を有し、かつ上記発熱体で発生した熱を上記放熱体に伝導する伝導体と、
上記発熱体、上記放熱体、及び上記伝導体を収容する金属筐体と、を備え、
上記伝導体は、一端において上記発熱体に熱的に及び電気的に接続した状態で固着され、上記一端と他端との間の所定位置において上記放熱体に熱的に及び電気的に接続した状態で固着され、上記他端において上記金属筐体に熱的に及び電気的に接続した状態で固着される、
電子機器。 - 上記所定位置と上記他端との間の距離は、上記他端の上記金属筐体への接続位置における上記金属筐体の温度が、上記所定位置における上記金属筐体の温度よりも、所定温度以上低くなる距離である、請求項1記載の電子機器。
- 上記伝導体の上記一端及び上記他端は、上記所定位置よりも上記金属筐体内において内側に位置していることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器。
- 上記伝導体の上記他端に熱的に及び電気的に接続した状態で固着された金属板と、上記金属板を上記金属筐体に固定する第1の固体具とをさらに備え、
上記伝導体は、上記金属板及び上記第1の固定具を介して、上記金属筐体に熱的に及び電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の電子機器。 - 上記伝導体と上記発熱体との間に熱伝導部材を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の電子機器。
- 上記伝導体の上記一端に熱的に及び電気的に接続した状態で固着された受熱板と、上記受熱板を上記金属筐体に固定する第2の固定具
を備え、
上記伝導体は、上記受熱板及び上記第2の固定具を介して、上記金属筐体に熱的に及び電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の電子機器。 - 上記伝導体は、金属により形成されることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の電子機器。
- 上記伝導体は、ヒートパイプであることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の電子機器。
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