JP2016065181A - 樹脂組成物及びそれらを用いた成形体 - Google Patents

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【課題】従来の欠点に鑑み、屈曲性及び成形性を向上させた高温環境下においても薬剤や化粧水などの有効成分が吸着しにくい樹脂組成物及びそれらを用いた成形体を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、溶融混合によりイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の分子両末端にオレフィン系相溶化剤(B)とポリカルボジイミド化合物(C)を化学結合させた樹脂を含む。該樹脂組成物は、フィルム、シート、積層体、多層フィルム、多層シート、容器、成形品等に使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、屈曲性と成形性を向上させた薬剤や化粧水などの有効成分が高温環境下でも吸着しにくい樹脂組成物及びそれらを用いた成形体に関するものである。
従来のポリオレフィン系樹脂を容器の最内層もしくは包装フィルムのシーラントにした場合、低分子量の有機化合物が吸着しやすくバリア性が劣るため、飲食物や化粧品等の香気成分が浸透あるいは吸着して風味が低下したり、化粧品や薬剤の微量な有効成分が浸透あるいは吸着して効能が低下したりする欠点がある。
内容物の有効成分が吸着しにくい材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)が一般的に使用される。しかし、ポリエチレンテレフタレートはフィルムやシートを押出成形で作製する時に流動性が高くフィルムを安定して加工することが難しい。また出来上がったフィルムやシートも硬く脆いため、屈曲や落下などの衝撃により破断しやすいという問題がある。また、PETを使用した場合には、ダイレクトブロー成形においても流動性が高くドローダウンを起こしてしまい、容器が安定して成形できないといった問題も生じてしまう。
従来の技術では、ポリエステル系エラストマー、多官能エポキシ化合物、カルボジイミド化合物の3種類を溶融混練することで成形性、耐ヒートサイクル性を向上させた樹脂組成物が作製されている(特許文献1)。
またポリ乳酸と耐熱性樹脂を混合した樹脂、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物を溶融混合することで耐加水分解性、耐熱性、引張伸度を向上させた樹脂組成物も作製されている(特許文献2)。
国際公開第2007/111059号 特開2008−266432号公報
特許文献1では、ラクトン類を開環重合したポリエステル系エラストマー樹脂を主成分としているため、高温環境下ではベース樹脂のソフトセグメント領域に有効成分が浸透しやすくなり、結果吸着量が増えるという問題が生じる。
特許文献2では、ポリ乳酸を含む樹脂組成物であるが、ポリ乳酸が生分解であるため、例えば40℃以上の高温環境下での長期保管において、樹脂が分解してしまうという問題が生じる。
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、屈曲性及び成形性を向上させた高温環境下においても薬剤や化粧水などの有効成分が吸着しにくい樹脂組成物及びそれらを用いた成形体(フィルム、シート、成形品等)を提供することを課題とする。
本発明は、溶融混合によりイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の分子両末端にオレフィン系相溶化剤(B)とポリカルボジイミド化合物(C)を化学結合させた樹脂を含む樹脂組成物を提供する。
前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)と前記オレフィン系相溶化剤(B)と前記ポリカルボジイミド化合物(C)との合計を100質量%とするうち、前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)が85〜98質量%、前記オレフィン系相溶化剤(B)が1〜13質量%、前記ポリカルボジイミド化合物(C)が1〜9質量%の範囲内で含まれることが好ましい。
オレフィン系相溶化剤(B)がエチレン―グリシジルメタクリレート共重合体であることが好ましい。
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)のイソフタル酸変性率が2〜30モル%であることが好ましい。
また、本発明は、前記樹脂組成物から形成されるフィルムまたはシートを提供する。
また、本発明は、基材の少なくとも片面に前記樹脂組成物からなる層が積層された積層体を提供する。
また、本発明は、共押出法によって少なくとも片方の表面層に前記樹脂組成物からなる層を形成したことを特徴とする多層フィルムまたは多層シートを提供する。
また、本発明は、内容物と直接接触する樹脂層が前記樹脂組成物からなることを特徴とする容器または成形品を提供する。
本発明によれば、従来のPETフィルム、シート、容器よりも折り曲り性が向上し、折り曲げによる破断、袋や容器等に成形した時の落下による割れの問題などが改善できる。また、本発明によれば、化粧品や薬剤等、香料や有効成分が容器に吸着しにくい。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、以下の樹脂(A)、樹脂(B)、樹脂(C)からなり、樹脂(A)の分子両末端に樹脂(B)、樹脂(C)をそれぞれ化学結合させ、屈曲性と成形性を向上させ、かつ、高温環境下でも薬剤や化粧水などの有効成分が吸着しにくい樹脂組成物である。
樹脂(A):イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート
樹脂(B):オレフィン系相溶化剤
樹脂(C):ポリカルボジイミド化合物
本実施形態の樹脂組成物に用いられるイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)は、ジカルボン酸成分とジオール成分とから構成されるポリエステル系樹脂のうち、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸が第1の主成分、イソフタル酸が第2の主成分であり、ジオール成分としては、エチレングリコールが主成分である共重合体である。他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸などの1種または2種以上が挙げられる。他のジオール成分としては、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)のイソフタル酸変性率は、2〜30モル%が好ましく、4〜26モル%がより好ましい。イソフタル酸変性のないポリエチレンテレフタレートでは非吸着性は有するが、融点が高いため成形時の加工温度を高く設定しなければならず、シート、フィルム、ブロー容器など多層成形する際に隣接する接着性樹脂との温度バランスが取れず成形できない。このため、より低温で加工できるイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートが望ましい。また従来、重合時に柔軟性を付与するために使用される、ポリオキシテトラメチレングリコールのような炭素数2以上の繰り返し単位を持つポリエーテル成分やラクトンの開環重合成分などのいわゆるソフトセグメントがあると、薬剤などの有効成分が浸透しやすい。このため、それらのソフトセグメントを形成する成分を共重合させていないイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の極限粘度(IV)は、0.60〜0.85dl/gであることが好ましい。ここで、極限粘度は、JIS K 7367−5に準じ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(質量比1/1)混合溶媒中、30℃で測定される値である。
本実施形態の樹脂組成物に用いられるオレフィン系相溶化剤(B)は、ポリエチレン系樹脂との相溶性を有するとともに、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の末端基である水酸基(−OH)およびカルボキシル基(−COOH)と反応することが可能な官能基として、エポキシ基(>O)を有する重合体である。このようなオレフィン系相溶化剤(B)としては、エチレンやプロピレン等のオレフィン(B−a)と、グリシジルメタクリレート(GMA)等のエポキシ基を有するモノマー(B−b)を少なくとも含む共重合体が挙げられる。他に共重合可能なモノマーとしては、アクリル酸エチルやアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボン酸等の1種または2種以上が挙げられる。なかでも、エチレンとグリシジルメタクリレートの2成分からなるエチレン―グリシジルメタクリレート共重合体は、ポリエステル系樹脂末端と反応し易いため、望ましい。エチレン―グリシジルメタクリレート共重合体のGMA含有率は、2〜30重量%が望ましく、さらに望ましくは5〜20重量%である。
本実施形態の樹脂組成物に用いられるポリカルボジイミド化合物(C)は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を有する重合体である。カルボジイミド基(−N=C=N−)は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の末端基である水酸基(−OH)およびカルボキシル基(−COOH)と反応することができる。例えば、−N=C=N−R−で表される繰り返し単位(ここで、Rは炭化水素基等の二価基を表す。)を有するカルボジイミド化合物が挙げられる。ポリカルボジイミド化合物(C)は単独重合体(Rが分子全体で同一)に限らず、共重合体(同一分子内に異なるRを有する)でもよく、2種以上を併用してもよい。ポリカルボジイミド化合物(C)は、公知の方法で合成可能である。例えば、O=C=N−R−N=C=Oで表されるジイソシアネート化合物(ここで、Rは前記と同様)を原料として、縮合反応や、尿素、チオ尿素等を中間体とする工程などによって製造できる。ポリカルボジイミド化合物(C)は、脂肪族ポリカルボジイミド類、脂環族ポリカルボジイミド類、芳香族ポリカルボジイミド類のいずれでも良いが、より屈曲性を向上させる効果がある脂肪族ポリカルボジイミド類が特に望ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、溶融混合により、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の分子両末端にオレフィン系相溶化剤(B)とポリカルボジイミド化合物(C)を化学結合させた樹脂(本実施形態の溶融混合樹脂)を含む。本実施形態の溶融混合樹脂により、屈曲性と成形性を向上させ、かつ、有効成分が吸着しにくい樹脂組成物とそれらを用いた成形体が得られる。
本実施形態の溶融混合樹脂は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)とオレフィン系相溶化剤(B)およびポリカルボジイミド化合物(C)とを溶融混合して、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の末端基である水酸基(−OH)およびカルボキシル基(−COOH)を、オレフィン系相溶化剤(B)に含まれるエポキシ基(>O)およびポリカルボジイミド化合物(C)に含まれる(−N=C=N−)と反応させることにより得られる。本実施形態の溶融混合樹脂は、1分子のイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の一方の末端に1分子のオレフィン系相溶化剤(B)が結合して、他方の末端に1分子のポリカルボジイミド化合物(C)が結合した場合に限られない。イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の2分子以上がオレフィン系相溶化剤(B)またはポリカルボジイミド化合物(C)により連結した化学構造を有してもよい。
本実施形態の樹脂組成物においては、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)とオレフィン系相溶化剤(B)とポリカルボジイミド化合物(C)との合計を100質量%とするうち、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)が85〜98質量%、オレフィン系相溶化剤(B)が1〜13質量%、ポリカルボジイミド化合物(C)が1〜9質量%の範囲内で含まれることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、目的を損なわない範囲で、適宜の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。
本実施形態の成形体は、本実施形態の樹脂組成物を一部または全部に用いて成形された物品である。本実施形態の樹脂組成物を成形すると、屈曲性と成形性を向上させ、かつ、有効成分が吸着しにくい製品が得られる。本実施形態の成形体としては、本実施形態の樹脂組成物から形成されるフィルムまたはシート、基材の少なくとも片面に本実施形態の樹脂組成物からなる層が積層された積層体、共押出法によって少なくとも片方の表面層に本実施形態の樹脂組成物からなる層を形成した多層フィルムまたは多層シート、内容物と直接接触する樹脂層が本実施形態の樹脂組成物からなる容器または成形品が挙げられる。
フィルム、シート、容器または成形品は、本実施形態の樹脂組成物のみを用いた単層構成とすることもできるが、水蒸気バリア性やガスバリア性を確保するため多層構成とすることもできる。多層構成の場合、その各層がいずれも樹脂からなるものでもよく、紙やアルミ箔などの異種材料を1層又は複数層積層してもよい。各層の少なくとも1層が本実施形態の樹脂組成物からなる層であればよく、他の層には他の樹脂層や樹脂フィルム等を用いることもできる。多層のフィルムまたはシートの場合、補強層、ガスバリア層、遮光層、印刷層等を設けることができる。ブロー成形や共押出等の場合、各層が熱可塑性樹脂からなることが好ましい。多層フィルムを製造する方法としては、特に限定されることなく、押出ラミネート法、ドライラミネート法、共押出法またはこれらの併用が挙げられる。
成形体における水分やガスの侵入を防ぐため、水蒸気バリア性樹脂やガスバリア性樹脂等の層を設けることが好ましい。水蒸気バリア性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。ガスバリア性樹脂としては、ナイロン等のポリアミド樹脂や、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。接着性樹脂としては、酸変性ポリエチレンや酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィンが挙げられる。
容器の形態は特に限定されず、チューブ、ボトル、パウチ、バッグ等が挙げられる。本実施形態の成形体(フィルム、シート、容器等)は、飲食物や化粧品、薬剤等、香料や有効成分を含有する内容品の包装に好適に利用することができる。特に、内容物と直接接触する最内層の樹脂層が、本実施形態の樹脂組成物からなる層であることが好ましい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
Figure 2016065181
なお、表1において用いた略語の意味は、次のとおりである。
「I−PET」・・・イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(イソフタル酸変性率23モル%、極限粘度IV=0.68dl/g、ρ=1.34g/cm、Tmなし)
「E−GMA(1)」・・・エチレン―グリシジルメタクリレート共重合体(Tm=87℃、MFR=380g/10分、GMA含有率19重量%)
「E−GMA(2)」・・・エチレン―グリシジルメタクリレート共重合体(Tm=105℃、MFR=3g/10分、GMA含有率6重量%)
「PCI」・・・ポリカルボジイミド(軟化温度55℃、製品名:カルボジライト(登録商標)LA−1、日清紡ケミカル(株)製)
<サンプル作製方法>
(1)(溶融混合ペレット作製)
表1に示す組成により、各実施例および比較例の溶融混合ペレットを小型ストランドダイ押出機で作製した。
(2)(プレスシート)
続けて、溶融混合により作製したペレットを用いて、熱プレス機で1mmの厚さに成形する方法によりプレスシートを製造した。
<評価方法>
(1)(メルトフローレート(MFR)測定)
メルトフローレート(MFR)は、220℃または240℃で、2.16kg荷重における値(g/10分)を測定した。MFR測定は、Tダイ押出成形時の成形加工性、ダイレクトブロー成形におけるドローダウンの指標になることから実施している。
(2)(折り曲げ試験)
1mmの厚さに成形したプレスシートを15mm(巾)×100mm(長さ)の大きさに切り、MIT耐折度試験機(テスター産業(株)製)を用いて、1.5kgf(14.7N)、角度135°で折り曲げ試験を実施し、破断するまでの折り曲げ回数を測定した。
(3)(酢酸α−トコフェロールの残存率)
有効成分として酢酸α−トコフェロール(ビタミンEアセテート)を含む市販の化粧水3mlを15mm(外径)×32mm(高さ)の遮光性ガラス瓶に入れ、同じガラス瓶に7mm(巾)×25mm(高さ)の大きさに切った厚さ1mmのプレスシートを入れ、蓋を閉め密閉し、40℃で1ヶ月保管した後に開封し、化粧水中の酢酸α−トコフェロールの残存量を高速液体クロマトグラフィ法で定量し、前記残存量をもとに有効成分の残存率を算出した。
(4)(ネックイン評価)
小型Tダイ押出機を用いて厚さ50μmのフィルムを作製した。Tダイの幅は150mm、Tダイ―冷却ロール間の距離(エアギャップ)は50mm、押出機の設定温度、樹脂の押出量は実施例、比較例全て同じ条件で行ない、製膜したフィルム幅から計算式{(Tダイ幅)−(フィルム幅)}/2を用いて製膜時のネックインを算出した。
表2に(1)〜(4)の評価結果を示す。
Figure 2016065181
表2の結果から本発明(実施例1〜5)によれば、I−PET、E−GMA、PCIを溶融混合することで、I−PET単体(比較例1)よりもMFRが低下し、折曲試験における破断までの折曲回数が大きく向上した。酢酸トコフェロールの残存率もI−PET(比較例1)単体と同等であるという結果も得られた。またMFRは樹脂の流動性の指標であるが同時に粘度の指標でもあるから、この結果から粘度向上によってフィルム、シート、ダイレクトブロー容器がより成形しやすくなると言える。
またフィルムのネックインにおいても本発明(実施例1)はI−PET単体(比較例1)よりもネックインが小さくなり、フィルムの加工性が向上することが確認できている。
I−PET、E−GMAの2種混合(比較例2,3)ではI−PET単体(比較例1)よりも折曲回数は向上するが、本発明の折曲回数には及ばない結果となった。MFRの低下率も本発明には及ばなかったことから、フィルム、シート、ダイレクトブロー容器の成形性は本発明ほど向上しないと言える。因みにE−GMAの配合比率をさらに上げた場合(比較例4)、折曲回数は0回と逆に脆くなってしまい、樹脂の流動性も低くなりすぎてしまった。
一般的に折り曲げに強いとされているエチレンの成分を多く含ませるため、エチレン含有率が高い(GMA含有率が低い)E−GMAを用いた場合(比較例7)でも、本発明の折曲回数には及ばなかったことから、本発明による効果が確認できている。
I−PET、PCIの2種混合(比較例5,6)では、折曲試験における破断までの折曲回数はI−PETよりも低下するという結果が得られた。酢酸トコフェロールの残存率も1ヶ月後ではI−PET単体とほぼ同等レベルであるが、3ヶ月後ではPCIの配合比率が高くなることで残存率が低下するという結果も得られた(比較例6)。

Claims (8)

  1. 溶融混合によりイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)の分子両末端にオレフィン系相溶化剤(B)とポリカルボジイミド化合物(C)を化学結合させた樹脂を含む樹脂組成物。
  2. 前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)と前記オレフィン系相溶化剤(B)と前記ポリカルボジイミド化合物(C)との合計を100質量%とするうち、前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)が85〜98質量%、前記オレフィン系相溶化剤(B)が1〜13質量%、前記ポリカルボジイミド化合物(C)が1〜9質量%の範囲内で含まれることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. オレフィン系相溶化剤(B)がエチレン―グリシジルメタクリレート共重合体である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(A)のイソフタル酸変性率が2〜30モル%である請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物から形成されるフィルムまたはシート。
  6. 基材の少なくとも片面に請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層が積層された積層体。
  7. 共押出法によって少なくとも片方の表面層に請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層を形成したことを特徴とする多層フィルムまたは多層シート。
  8. 内容物と直接接触する樹脂層が請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物からなることを特徴とする容器または成形品。
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