JP2016064544A - 成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】余剰樹脂が金型側に残存してしまうのを抑制することができる成形用金型を提供する。
【解決手段】成形用金型50は、樹脂を充填して積層体Uの基材層24上にレンズ層23を成形する金型であり、成形用金型50の表面からレンズ層23のレンズ形状に対応する形状に窪んだ成形空間部51と、成形用金型50の少なくとも一端部に設けられ、成形用金型50の表面から2mm以上、3mm以下の範囲で窪むようにして形成され、成形空間部51に充填される樹脂の余剰分となる余剰樹脂を受ける受け部521と、受け部521の端縁に設けられ、余剰樹脂を受ける受け面から突出する返し部53とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、投射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーンのレンズ層を形成する成形用金型に関するものである。
従来、様々な構成を有する反射スクリーンが開発され、映像表示システムに用いられている。近年では、反射スクリーンに対して至近距離から比較的大きな投射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されており、このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するための反射スクリーン等も開発されている。
短焦点型の映像投射装置は、反射スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな投射角度で映像光を投射することができ、映像投射装置と反射スクリーンとの奥行き方向の距離を短くすることができるので、反射スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与することができる(例えば、特許文献1)。
特許文献1の反射スクリーンは、映像光を透過させるレンズ層を有するものであり、このレンズ層は、基材を、樹脂が充填されたレンズ形状を賦形する成形用金型に押圧し、樹脂を硬化させた後に成形用金型から離型させることによって基材上に形成されている。
特開2012−252057号公報
このとき、成形用金型に充填される樹脂は、金型内で適正にレンズ層を賦形するために、レンズ層の体積よりも多く使用されるので、レンズ層を形成する樹脂の他、余剰分となる余剰樹脂が存在することとなる。そのため、成形用金型には、図7(a)に示すように、その端部に、余剰樹脂を受ける余剰樹脂受け部が設けられ、樹脂が金型外へ漏れ出てしまうのを抑制している。このように、金型に余剰樹脂受け部が設けられている場合、余剰樹脂は、基材上に形成されたレンズ層と連接した状態となるが、成形されたレンズ層を金型から離型するときに、図7(b)に示すように、余剰樹脂の一部が千切れてしまい、金型側に残存してしまう場合があった。
このように、余剰樹脂の一部が千切れて金型側に残存してしまうと、レンズ層を金型から離型するときに金型と樹脂との界面で発生する静電気によって、余剰樹脂の破片や、千切れた余剰樹脂の一部が、成形されたレンズ層に引き付けられて付着してしまい、レンズ層を傷つけたり、汚損したりする場合があった。また、金型に余剰樹脂が残存すると、金型から余剰樹脂を除去する工程を設ける必要があった。
本発明の課題は、余剰樹脂が金型側に残存してしまうのを抑制することができる成形用金型を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、樹脂を充填して基材(U、24)上にレンズ層(23)を成形する成形用金型(50)であって、当該成形用金型の表面から前記レンズ層のレンズ形状に対応する形状に窪んだ成形空間部(51)と、当該成形用金型の少なくとも一端部に設けられ、当該成形用金型の表面から2mm以上、3mm以下の範囲で窪むようにして形成され、前記成形空間部に充填される樹脂の余剰分となる余剰樹脂を受ける余剰樹脂受け部(521)と、前記余剰樹脂受け部の端縁に設けられ、前記余剰樹脂を受ける受け面から突出する返し部(53)とを備える成形用金型である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の成型用金型(50)において、前記余剰樹脂受け部(521)は、前記基材(U、24)上にレンズ層(23)が成形され、前記基材を当該成形用金型から離型する場合に、当該成形用金型の離型開始位置側(+X側)の端部に設けられていることを特徴とする成形用金型である。
本発明によれば、余剰樹脂が金型側に残存してしまうのを抑制することができる成形用金型を提供することができる。
実施形態の映像表示システムを説明する図である。 実施形態の反射スクリーンの層構成を説明する図である。 実施形態のレンズ層及び反射層の詳細を説明する図である。 実施形態の反射スクリーンの製造方法を説明する図である。 実施形態のレンズ層の成形に使用される成形用金型を示す図である。 実施形態のレンズ層の成形工程の詳細を説明する図である。 比較例の成形用金型によって形成されたレンズ層を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射スクリーン20を備える反射スクリーンユニット10と、映像源LS等とを有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから投影された映像光Lを反射スクリーン20が反射して、その画面上に映像を表示する。
この映像表示システム1は、例えば、映像光Lを映像源LSから投射するフロントプロジェクションテレビシステム等として用いることが可能である。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン20へ投射する映像光投射装置である。本実施形態の映像源LSは、汎用の短焦点型プロジェクタである。映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン20の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン20の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン20の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
なお、スクリーン面とは、この反射スクリーン20全体として見たときにおける、反射スクリーン20の平面方向となる面を示すものである。
この映像源LSは、反射スクリーン20の画面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)における反射スクリーン20との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン20までの投射距離が短く、映像光Lの反射スクリーン20のスクリーン面に対する入射角度も大きい。
反射スクリーン20は、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、反射スクリーン20の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン20の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射スクリーン20は、例えば、対角100インチや、120インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
なお、本実施形態の映像表示システム1は、短焦点型のプロジェクタである映像源LSと、この映像源LSから投射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン20とを備えるものとしたが、これに限らず、映像源LSを、投射距離が長く、映像光の投射角度(即ち、スクリーンへの映像光の入射角度)の小さい従来の汎用プロジェクタとし、反射スクリーン20をそのような映像源LSに対応するものとしてもよい。
図2は、本実施形態の反射スクリーン20の層構成を説明する図である。
図2では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーンユニット10は、図1に示すように、反射スクリーン20と、その背面側に配置される平板状の支持板30と、接合層40とを有している。反射スクリーン20と支持板30とは、接合層40を介して一体に接合されている。
この支持板30は、高い剛性を有する部材であれば、特にその材料等は限定しないが、例えば、アルミニウム等の金属製の板材や、アクリル系樹脂等の樹脂製の板材等が好適に用いられる。また、表裏面をアルミニウム等の薄板とし、内部の芯材としてアルミニウム等の薄板により形成されたハニカム構造を備えることにより、板材全体としての軽量化を図った金属製の板材(所謂、ハニカムパネル)等を用いてもよい。また、支持板30は、外光の映り込みや外光によるコントラスト低下等を防止する観点から、光透過性を有しない部材であることが好ましい。
支持板30の厚みは0.2〜5.0mmが好適であり、より好ましくは1.0〜3.0mmである。厚みが0.2mmよりも薄いと、平面性を支持できるだけの剛性の付与が不十分であり、5.0mmよりも厚くなると、支持板30の重量が重くなるという問題がある。
反射スクリーン20は、薄く、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、反射スクリーン20は、支持板30に一体に接合される形態とすることにより、その画面の平面性を維持している。
接合層40は、反射スクリーン20と支持板30とを一体に接合する機能を有する層である。接合層40は、粘着剤や接着剤等により形成する。
反射スクリーン20は、図2に示すように、その厚み方向において、映像源側(観察者側)から順に、表面層25、基材層24、レンズ層23、反射層22を備えている。
基材層24は、レンズ層23を形成する基材となるシート状の部材である。この基材層24の映像源側には、表面層25が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層23が一体に形成されている。
基材層24は、拡散材を含有する光拡散層241と、顔料や染料等の着色材を含有する着色層242とを有している。本実施形態の基材層24は、光拡散層241と着色層242とが共押出成形されることにより、一体に積層されて形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、基材層24において、光拡散層241が背面側であり、着色層242が映像源側に位置する例を示したが、これに限らず、光拡散層241が映像源側に位置し、着色層242が背面側に位置する形態としてもよい。
光拡散層241は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有する層である。光拡散層241は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性を向上させたりする機能を有する。
光拡散層241の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
光拡散層241に含まれる拡散材としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等、シリコン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等が好適に用いられる。なお、拡散材は、無機系拡散材と有機系拡散材とを組み合わせて用いてもよい。この拡散材は、略球形であり、平均粒径が約1〜50μmであるものを用いることが好ましい。また、使用に適した拡散材の粒径の範囲は、5〜30μmであるのが好ましい。
光拡散層241の厚さは、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、約100〜2000μmとすることが好ましい。光拡散層241は、そのヘイズ値が、85〜99%の範囲であることが望ましい。
着色層242は、黒色等の暗色系の着色剤等により、所定の光透過率となるように着色が施された層である。着色層242は、反射スクリーン20に入射する照明光等の不要な外光を吸収したり、表示される映像の黒輝度を低減させたりして、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層242の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
着色層242の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
着色層242は、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、その厚さを約30〜1000μmとすることが好ましい。
図3は、本実施形態のレンズ層23及び反射層22の詳細を説明する図である。
図3(a)は、レンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層22は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。図3(c)は、反射層が形成されたレンズ層の拡大斜視図を示している。なお、図3(b)及び図3(c)は、理解を容易にするために、レンズ層23の映像源側に位置する基材層24や表面層25は省略して示している。
レンズ層23は、基材層24の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、図3(a)等に示すように、点Cを中心として単位レンズ231が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側の面に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射スクリーン20の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン20の下方に位置している。
本実施形態では、レンズ層23は、その背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を上げて説明するが、これに限らず、単位レンズ231がスクリーン面に沿って画面上下方向等に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ231は、図2や図3(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)に平行であって、単位レンズ231の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位レンズ231は、背面側に凸であり、レンズ面232と、このレンズ面232と対向する非レンズ面233とを備えている。
本実施形態では、反射スクリーン20の使用状態において、単位レンズ231は、レンズ面232が頂点tを挟んで非レンズ面233よりも鉛直方向上側に位置している。
図3(b)に示すように、単位レンズ231のレンズ面232が、スクリーン面に平行な面となす角度は、αである。また、非レンズ面233がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。さらに、単位レンズ231の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ231のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ231間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ231の配列ピッチP、角度α,βは、単位レンズ231の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ231は、実際には、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ231の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。また、それに伴いレンズ高さhも変動している。
なお、これに限らず、配列ピッチPは、単位レンズ231の配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像光Lを投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン20のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン20の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
レンズ層23は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により、基材層24の背面側の面(本実施形態では、光拡散層241側の面)に一体に形成されている。なお、レンズ層23は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
本実施形態の単位レンズ231は、その配列ピッチPが50〜200μmの範囲で形成され、レンズ高さhが0.5〜60μmの範囲で形成され、レンズ面232の角度αが0.5〜35°の範囲で形成され、非レンズ面233の角度βが45〜90°の範囲で形成されている。
反射層22は、光を反射する作用を有する層である。この反射層22は、光を反射するために十分な厚さを有し、単位レンズ231のレンズ面232の少なくとも一部に形成されている。
本実施形態の反射層22は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面232及び非レンズ面233に形成されている。具体的には、反射層22は、レンズ層23の背面側を覆い、背面側に凸となる単位レンズ231間の境界、すなわち、谷底となる点vを埋めるようにして形成されている。これにより、反射層22は、レンズ層の背面側の凹凸を略平坦にすることができ、接合層40を介して支持板30をより安定して貼付することができる。
ここで、単位レンズ231のレンズ高さhは、上述したように、単位レンズ231の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて変動するが、各単位レンズ231間の谷底となる点vにおけるレンズ層23の厚み方向の反射層22の厚みは、上述の効果をより効果的に奏するために、各単位レンズ231のレンズ高さhに対して10〜120%の範囲内の寸法で形成されていることが好ましい。
反射層22は、レンズ面232上に、アルミニウム等の光反射性の高い鱗片状の金属薄膜22aが含有された塗料をレンズ面232に対してスプレー塗布することによって形成される(詳細は後述する)。反射層22は、この鱗片状の金属薄膜22aの厚み方向に垂直な面がレンズ面232に対して略平行に配置されており、レンズ面232に入射した映像光Lを観察者側へと適正に反射させることができる。ここで、略平行とは、金属薄膜22aの厚み方向に垂直な面が、レンズ面232に対して完全に平行な場合だけでなく、レンズ面232に対する傾きが−10°〜+10°の範囲にある場合をも含むものをいう。また、鱗片状の金属薄膜22aとは、金属薄膜22aの厚み方向から見た形状(外形形状)が鱗片状であることをいい、この鱗片状とは、鱗状の形状だけでなく、楕円状や、円状、多角形状、薄膜を粉砕して得られる不定形な形状等を含むものをいう。
ここで、鱗片状の金属薄膜の性質区分としては、リーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプ、樹脂コーティングタイプ等があり、金属光沢、隠蔽性、密着性、配向性等にそれぞれ特徴があるが、本実施形態としては、金属光沢も重要であるが、密着性、配向性等考慮し樹脂コーティングタイプが好適である。
この金属薄膜22aは、映像光の反射効率を十分に確保するとともに、反射層22の背面側が透けてしまうのを防ぐために、複数ある各単位レンズのレンズ面上の全面において平均で8層以上、積層されていることが望ましい。なお、上述の金属薄膜22aを8層以上設けた反射層22は、複数ある単位レンズ231のレンズ面232のうち一部のレンズ面232に対して設けてもよく、また、全てのレンズ面232に対して設けてもよい。
反射層22は、入射した映像光を効率よく反射させるために、正反射率Rtが50%<Rt<70%であり、拡散反射率Rdが10%<Rd<50%であることが望ましい。
この反射層22を形成する塗料は、鱗片状の金属薄膜22a、バインダー、乾燥補助剤、制御剤等から構成されている。この塗料は、スプレーガンによる塗布容易性の観点から、粘度が50〜1000[cp](測定温度23度)の範囲内であることが望ましい。
この金属薄膜22aは、鱗片状に形成されたアルミニウムであり、その厚み寸法は、15〜150nmの範囲に、より好ましくは20〜80nmの範囲に形成されている。また、金属薄膜22aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ231のレンズ高さhと同等の寸法、すなわち、0.35〜78μmに形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さhと同等とは、金属薄膜の縦寸法及び横寸法の平均値がレンズ高さhに等しい場合だけでなく、レンズ高さhに近似する場合(例えば、レンズ高さhに対して−30%〜+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
ここで、この金属薄膜22aが非レンズ面233に略平行に配置されてしまうと、外光が非レンズ面233に入射した場合に、その外光が非レンズ面233で反射して観察者側に届いてしまう場合があり、その場合、映像のコントラスト低下の要因となる。そのため、金属薄膜22aの縦寸法及び横寸法の平均値を、上述のようにレンズ高さhと同等にすることによって、塗料がレンズ層23の背面側に塗布された場合に、金属薄膜22aが、非レンズ面233に対して略平行に配置されてしまうのを抑制することができる。これにより、反射層22は、外光が非レンズ面233に入射したとしても、金属薄膜の端部で拡散させることができ、観察者側に反射させてしまうのを極力抑制することができる。
金属薄膜22aは、反射層としての光反射機能の確保の観点から、塗料全体の重量に対して重量比で3〜15%の範囲内で含有されるのが望ましい。
バインダーは、熱硬化性樹脂から構成される透明な接合剤である。本実施形態では、バインダーは、ウレタン系の熱硬化性樹脂を用いるが、これに限定されるものでなく、エポキシ系の熱硬化性樹脂を用いてもよく、また、紫外線硬化性樹脂等を用いてもよい。なお、バインダーは、硬化剤を添加し2液硬化型として使用してもよく、ウレタン系樹脂であれば、ポリイソシアネート等を使用することができ、また、エポキシ系樹脂であれば、アミン類等を使用することができる。
乾燥補助剤は、レンズ層に塗布された塗料の乾燥時間を所定の時間に調整する溶剤であり、いわゆる遅乾溶剤である。本実施形態では、乾燥補助剤は、レンズ層23の背面側に塗布された塗料の乾燥までの時間をおよそ1時間となるように、所定の量が塗料に含まれている。乾燥補助剤は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソブチルケトン、3−メトキシ−1−ブチルアセテートの混合溶剤を使用することができる。
制御剤は、塗料に含有される金属薄膜22aの配向を制御する溶剤である。制御剤は、塗料に含まれることによって、金属薄膜22aをレンズ面232に対して略平行に配置させることができる。制御剤は、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アクリルオリゴマー、シリコーン等を使用することができる。
表面層25は、基材層24の映像源側(観察者側)に設けられる層である。本実施形態の表面層25は、反射スクリーン20の映像源側の最表面を形成している。
本実施形態の表面層25は、ハードコート機能及び防眩機能を有しており、基材層24の映像源側の表面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)等の電離放射線硬化型樹脂を塗膜の膜厚約10〜100μmとなるように塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状が賦形されて形成されている。
なお、表面層25は、上記の例に限らず、反射防止機能や防眩機能、ハードコート機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数選択して設けることができる。また、表面層25としてタッチパネル層等を設けてもよい。
また、表面層25は、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を有する層を、表面層25と基材層24との間に、さらに別層として設けてもよい。
さらに、表面層25は、基材層24とは別層であって不図示の粘着材等により基材層24に接合される形態としてもよいし、基材層24のレンズ層23とは反対側(映像源側)の面に直接形成してもよい。
図2に戻り、本実施形態の反射スクリーン20へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。図2では、理解を容易にするために、表面層25、着色層242、光拡散層241、レンズ層23の屈折率は等しいものとし、映像光L1及び外光Gに対する光拡散層241の光拡散作用等は省略して示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン20の下方から入射し、表面層25及び基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面232へ入射して反射層22によって反射され、観察者O側に向かい、略正面方向へ反射スクリーン20から出射する。従って、映像光L1は、効率よく反射されて観察者Oに届くので、明るい映像を表示できる。
なお、映像光L1が反射スクリーン20の下方から投射され、かつ、角度β(図3(b)参照)が反射スクリーン20の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面233に直接入射することはなく、非レンズ面233は、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G(G1、G2)は、図2に示すように、主として反射スクリーン20の上方から入射し、表面層25及び基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面233へ入射するが、非レンズ面233の背面側に形成された反射層22の金属薄膜22aの端部で拡散され、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。また、一部の外光G2は、レンズ面232で反射して、主として反射スクリーン20の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。さらに、一部の外光は、反射スクリーン20に入射して、着色層242に吸収される。従って、反射スクリーン20では、外光G1,G2等による映像のコントラスト低下を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン20によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
ここで、本実施形態の反射スクリーン20の製造方法の一例について説明する。
図4は、本実施形態の反射スクリーン20の製造方法の一例を説明する図である。
図4(a)に示すように、拡散材を含有する樹脂と着色材を含有する樹脂とを、それぞれ所定の厚さで共押出成形することにより、光拡散層241及び着色層242を一体に成形し、基材層24を形成する。ここでは、基材層24は、ウェブ状であるとする。
次に、図4(b)に示すように、基材層24の映像源側となる面(本実施形態では、着色層242側の面)上に、ウレタンアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状を有する表面層25を形成する。本実施形態では、表面層25は、その表面の表面粗さが0.1〜3μmの範囲であり、ヘイズ値が5〜20%の範囲で形成されている。これにより、基材層24に表面層25が積層された積層体Uが完成する。
なお、表面層25上に不図示のマスキング材を剥離可能に貼合して、次工程に流してもよい。このマスキング材としては、例えば、透明又は略透明なシート状の部材を用いることができ、以降の製造過程における表面層25表面の汚れや傷つきを防止する機能を有している。
次に、表面層25及び基材層24を、所定の大きさに裁断し、枚葉状とする。
そして、図4(c)に示すように、基材層24の背面側となる面(本実施形態では、光拡散層241側の面)に、紫外線成形法等により、レンズ層23を形成する。
レンズ層23は、基材層24の表面層25が積層された面とは反対側の面(本実施形態では、光拡散層241側の面)を、アクリル系の紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形用金型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形用金型から離型することにより形成される(詳細は後述する)。
次に、図4(d)に示すように、レンズ層23の背面側に、不図示のスプレーガンにより鱗片状の金属薄膜22aが含有された塗料を吹き付けて反射層22を形成する。塗料の塗布は、スプレーガンを、レンズ層23の画面左右方向に平行移動させながら、画面上下方向の下端部から上端側へ所定の移動ピッチ(例えば、70mmピッチ)で移動させることによって行う。このとき、スプレーガンの向きは、金属薄膜22aをレンズ面232に対して略平行に配置させ易くするために、レンズ面232に対して略垂直であることが好ましい。
最後に、表面層25からマスキング材等を剥離したり、更なる裁断工程等の後工程を行ったりする等して、反射スクリーン20が完成する。
次に、図4(c)におけるレンズ層の形成工程の詳細について説明する。
図5は、レンズ層の成形に使用される成形用金型を示す図である。図5(a)は、成形用金型の平面図を示し、図5(b)は、図5(a)のb−b断面図を示し、図5(c)は、図5(b)のc部詳細図を示す。
ここで、図5の各図において、成形用金型の上下方向をX方向とし、左右方向をY方向とし、厚み方向をZ方向とし、これらの各方向は、この成形用金型によって形成されるレンズ層23(反射スクリーン20)の画面上下方向、画面左右方向、厚み方向にそれぞれ対応する。また、厚み方向の+Z側を成形用金型50の表面側とし、−Z側を成形用金型50の裏面側とする。なお、図5(b)は、成形空間部51に形成されるレンズ層23のフレネルレンズ形状に対応する形状のフレネルセンターとなる点C‘を通り、成形用金型50の上下方向に平行であって、厚み方向に平行な面における断面である。
成形用金型50は、積層体Uの基材層24側の面にレンズ層23を形成する金型であり、図5(a)に示すように、厚み方向から見て略矩形状に形成されている。成形用金型50には、成形空間部51、余剰樹脂受け部52、返し部53、返し部54等が設けられている。
成形空間部51は、図5(b)に示すように、成形用金型の表面から反射スクリーン20のレンズ層23のレンズ形状に対応する形状に窪んだ空間であり、その空間内に樹脂が充填され基材層24が押圧されることによって、基材層24上にレンズ層23を成形する。
また、この成形空間部51には、その外周部と余剰樹脂受け部52との間に、テーパ部511が形成されている。このテーパ部511は、成形用金型50の表面から下がるようにして余剰樹脂受け部52へと傾斜した傾斜面であり、この成形用金型50の製造過程において、レンズ層23のレンズ形状に対応する形状(成形空間部51)を加工する際に、加工用刃物が成形空間部51の外周縁外側と接触してしまうのを避けるために設けられている。
ここで、本実施形態では、レンズ層23を形成する樹脂は、成形空間部51の全面に均一に塗布されるとともに、+X側端部及び左右(Y方向)端部に盛るようにして充填され、積層体Uが+X側端部から−X側端部に向かって成形用金型50に押圧されることによって、盛られた樹脂が、主に成形空間部51の−X側へ流動し、成形空間部51内の全体に充填される。また、樹脂が充填され、レンズ層23が成形された積層体Uは、成形用金型50の+X側端部から引き剥がして、成形用金型50から離型されるものとする。
余剰樹脂受け部52は、成形空間部51に充填される樹脂の余剰分となる余剰樹脂を受ける部分である。余剰樹脂受け部52は、厚み方向から見て略矩形状に形成される成形用金型50の4辺の端縁部にそれぞれ設けられている(受け部521〜523)。
受け部521は、成形用金型50の+X側の端部、すなわち、成形空間部51内において流動する樹脂の上流側の端部に形成されている。ここで、受け部521は、図5(c)に示すように、樹脂を受ける面が成形用金型50の表面から窪むように形成されている。この樹脂を受ける面と成形用金型の表面との距離dは、2mm≦d≦3mmの範囲で形成されている。ここで、成形用金型50の表面とは、成形用金型50の積層体Uが積層される側の面をいい、本実施形態では、成形空間部51の周囲を取り囲んだ縁部分の面をいう。
このように樹脂を受ける面と成形用金型50の表面との距離dを上記寸法範囲に規定することによって受け部521に漏れ出た余剰樹脂が積層体Uと密着することとなり、レンズ層23を成形した積層体Uを成形用金型50から離型する場合に、受け部521の余剰樹脂が積層体Uとともに金型から剥離する。これにより、離型の際に余剰樹脂の一部が千切れて金型側に残存してしまうのを抑制することができ、レンズ層を成形用金型から離型するときに発生する静電気によって、余剰樹脂の破片や、千切れた余剰樹脂の一部が、成形されたレンズ層に引き付けられて付着してしまい、レンズ層を傷つけたり、汚損したりしてしまうのを防ぐことができる。
仮に、距離dをd<2mmにした場合、受け部521の樹脂を受ける面と積層体Uとの隙間が狭くなりすぎてしまい、余剰樹脂が効率よく受け部521に流れ出なくなるため好ましくない。また、仮に、距離dをd>3mmにした場合、受け部521の樹脂を受ける面と積層体Uとの隙間が広くなりすぎてしまい、受け部521に漏れ出た余剰樹脂が積層体Uと接触しなくなり、上記効果を奏することができなくなるため好ましくない。
受け部522は、成形用金型50の−X側の端部、すなわち、成形空間部51内において押し流される樹脂の下流側の端部に形成されている。受け部522は、樹脂を受ける面が成形用金型50の表面から窪むように形成されている。受け部522は、第1受け部522aと、第2受け部522bとから構成されており、第2受け部522bの樹脂を受ける面(底面)が、第1受け部522aの樹脂を受ける面(底面)からさらに窪む(低くなる)ようにして形成されている。
受け部522は、上述したように、流動する樹脂の下流側に位置しており、上流側の受け部521に比して流れ込む余剰趣旨の量が多くなる場合が多いため、受け部を2段構成としている。受け部522に流れ込む余剰樹脂は、まず第1受け部522aに流れ込んで溜まった上で、さらに第2受け部522bへと流れ込む。
ここで、積層体Uは、レンズ層23を成形する場合に、その端部が、第1受け部522a及び第2受け部522bの境界部の上側に位置する(図6(b)参照)。そのため、第2受け部522bに流れ出た余剰樹脂は、レンズ層23が成形された積層体Uを成形用金型50から引き剥がす前に、予め第2受け部522bから除去することができる。
第1受け部522aは、図5(b)に示すように、流れ込んだ樹脂を受けるとともに、金型からの樹脂切れをよくする観点から、樹脂を受ける面(底面)が窪むようにして形成されている。
受け部523は、成形用金型50の左右方向(Y方向)の各端部に設けられており、樹脂を受ける面が成形用金型50の表面から窪むように形成されている。これにより、受け部523は、成形空間部51の左右両端側から漏れ出る余剰樹脂を受ける。
返し部53は、受け部521の端縁に設けられ、受け部521の樹脂を受ける面から表面側(+Z側)に突出するように形成されており、受け部521に漏れ出た余剰樹脂が受け部521の端縁からこぼれてしまうのを防ぐ。
返し部54は、受け部522の第2受け部522bの端縁に設けられ、第2受け部522bの樹脂を受ける面から表面側に突出するように形成されており、第2受け部522bに漏れ出た余剰樹脂が第2受け部522bの端縁からこぼれてしまうのを防ぐ。
なお、本実施形態では、受け部523には、成形用金型50の左右両端側から漏れ出る樹脂の量が他の受け部(521、522)に比して少ないことから、返し部が設けられていないが、これに限定されるものでなく、返し部を設けるようにしてもよい。
次に、レンズ層23の成形工程の詳細について説明する。
図6は、レンズ層の成形工程の詳細を説明する図であり、図5(b)に対応する断面である。図6(a)は、成形用金型上に盛られた樹脂を、積層体Uを介して押圧する状態を示す図であり、図6(b)は、レンズ層が形成された積層体の離型前の状態を示す図である。
図7は、比較例の成形用金型によって形成されたレンズ層を示す図である。図7(a)は、レンズ層が形成された基材の離型前の状態を示す図であり、図7(b)は、レンズ層が形成された基材の離型後の状態を示す図である。
まず、作業者は、成形用金型50の表面(成形空間部51側の面)を上方に向けて、不図示の可動ステージ上に配置する。本実施形態では、上述したように、積層体Uは、その画面上下方向を成形用金型の上下方向に一致させて配置する。そして、図6(a)に示すように、樹脂を成形空間部51の全面に均一に塗布するとともに、+X側端部及び左右方向(Y方向)端部に盛り、その樹脂の上に積層体Uを基材層24が下方に向くようにして配置して、回転ローラRによって押圧する。
それから、不図示の可動ステージを+X方向に移動させることによって、回転ローラRが回転し、積層体Uを介して押圧された樹脂が、積層体U及び成形用金型50間において+X側から−X側へと主に流動する。また、このとき、樹脂は、左右方向へも流動する。
ここで、流動する樹脂の大部分は、成形空間部51内に充填されることとなるが、充填しきれなかった余剰分の樹脂(余剰樹脂)は、余剰樹脂受け部52へと流れ込んで溜まることとなる。すなわち、余剰樹脂のうち成形空間部51の+X側(上流側)へ漏れ出る樹脂は、受け部521へ流れ込んで溜まり、−X側(下流側)へ漏れ出る樹脂は、受け部522へ流れ込んで溜まり、左右側(+Y側、−Y側)へ漏れ出る樹脂は、受け部523へ流れ込んで溜まる。ここで、余剰樹脂の量が多い受け部521、受け部522には、それぞれ返し部53、返し部54が設けられているので、金型からこぼれ出ることなく余剰樹脂を溜めることができる。
次に、流し込んだ樹脂に紫外線を照射して硬化させ、その後にレンズ層23が成形された積層体Uを成形用金型50から離型する。
具体的には、まず、第2受け部522bに溜まった余剰樹脂を除去し、余剰樹脂のあった部分を清掃する。それから、レンズ層23が成形された積層体Uを、成形用金型50の+X側端部(離型開始位置)側から引き剥がして、成形用金型50から離型する。
ここで、従来は、基材(積層体)への余剰樹脂の付着を避けるために、余剰樹脂受け部の樹脂の受け面と成形用金型の表面との間の距離が広く(3mmより大きく)取られていた。そのため、図7(a)に示すように、受け部に流れ込んだ余剰樹脂と基材との接触は最小限になっていた。この場合、レンズ層が形成された基材を成形用金型から離型するときに、図7(b)に示すように、余剰樹脂が、最も薄い部分で割れてしまう場合があった。このとき、離型の際にレンズ層から生じる静電気によって、割れた破片等や、成形用金型に残存した余剰樹脂の一部が、成形されたレンズ層に引き付けられて付着してしまい、レンズ層を傷つけたり、汚損したりする場合があった。また、金型に余剰樹脂が残存すると、受け部から余剰樹脂を除去する工程を設ける必要があった。
また、従来の受け部には返し部が設けられていないため、充填した樹脂が多すぎる場合、それに伴い余剰樹脂も多くなってしまい、受け部の端縁から余剰樹脂がこぼれ出てしまう場合もあり、この場合、こぼれ出た余剰樹脂の清掃工程を設ける必要もあった。
これに対し、本実施形態の成形用金型50には、上述したように、受け部521が、樹脂を受ける面と成形用金型50の表面との距離dが2mm≦d≦3mmの範囲で形成され、また、受け部521の端縁に返し部53が設けられている。これにより、成形空間部51の+X側から漏れ出る余剰樹脂は、図6(b)に示すように、返し部53で堰き止められ、積層体U(基材層24)と受け部521の受け面との間にほぼ隙間ない状態で形成される。これにより、レンズ層23が成形された積層体Uを成形用金型50から離型した場合においても、受け部521に流れ込んだ余剰樹脂が、割れる等して金型側に残存してしまうのを抑制することができ、レンズ層が傷ついたり、汚損したりするのを防ぐことができる。また、余剰樹脂を除去する工程や、余剰樹脂の清掃工程を設ける必要性が生じてしまうのを回避することもできる。
特に、本実施形態では、受け部521が、レンズ層23が成形された積層体Uを成形用金型50から離型する場合における成形用金型50の離型開始位置側(+X側)の端部に設けられているので、余剰樹脂が金型側に残存してしまうのをより効果的に抑制することができる。
なお、レンズ層23が形成された積層体Uは、基材層24上に余剰樹脂が形成されてしまうが、その後の工程において所定の大きさに裁断されるため、余剰樹脂が反射スクリーン20の製品となる部分に残存してしまうことはない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態において、成形用金型50は、受け部521が、樹脂を受ける面と成形用金型の表面との距離dが2mm≦d≦3mmの範囲で形成され、返し部53を有する例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、距離dの範囲が上述のように規定され、返し部53が設けられた受け部521の形態を、受け部522や、受け部523に設けるようにしてもよい。
(2)上述の実施形態において、樹脂は、成形空間部51の+X側に盛られ、押圧されることにより主に−X側に流動する例を示したが、これに限定されるものでなく、例えば、成形空間部51の−X側に盛られ、押圧されることにより+X側に主に流動するようにしてもよい。また、上述の実施形態では、レンズ層23が成形された積層体Uの離型の離型開始位置を成形用金型50の+X側端部としたが、これに限定されるものでなく、−X側端部から剥がすようにしてもよく、また、−X側端部から剥がすとともに、+X側端部からも剥がすようにしてもよい。
(3)上述の実施形態において、成形用金型50を上下方向(X方向)に搬送して、レンズ層23を画面上下方向の上側から成形する例を示したが、これに限定するものでない。例えば、成形空間部51に設けられるレンズ層に対応する形状の上下方向(X方向)を、レンズ層の画面左右方向に対応させるようにして成形用金型を作製し、レンズ層23を画面左右方向の左側又は右側から成形するようにしてもよい。
1 映像表示システム
10 反射スクリーンユニット
20 反射スクリーン
22 反射層
22a 金属薄膜
23 レンズ層
231 単位レンズ
232 レンズ面
233 非レンズ面
24 基材層
25 表面層
50 成形用金型
51 成形空間部
511 テーパ部
52 余剰樹脂受け部
521、522、523 受け部
53、54 返し部
LS 映像源
U 積層体

Claims (2)

  1. 樹脂を充填して基材上にレンズ層を成形する成形用金型であって、
    当該成形用金型の表面から前記レンズ層のレンズ形状に対応する形状に窪んだ成形空間部と、
    当該成形用金型の少なくとも一端部に設けられ、当該成形用金型の表面から2mm以上、3mm以下の範囲で窪むようにして形成され、前記成形空間部に充填される樹脂の余剰分となる余剰樹脂を受ける余剰樹脂受け部と、
    前記余剰樹脂受け部の端縁に設けられ、前記余剰樹脂を受ける受け面から突出する返し部と、
    を備える成形用金型。
  2. 請求項1に記載の成型用金型において、
    前記余剰樹脂受け部は、前記基材上にレンズ層が成形され、前記基材を当該成形用金型から離型する場合に、当該成形用金型の離型開始位置側の端部に設けられていること、
    を特徴とする成形用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019172387A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 株式会社ダイセル 成型品の離型方法、及び離型装置

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