JP2016064441A - 加圧装置及び加圧方法、演算制御装置、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

加圧装置及び加圧方法、演算制御装置、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 加圧対象である対象物の厚さが変動する場合であっても、その変動を効率よく補正することが可能な加圧装置等を提供する。
【解決手段】 加圧装置1は、厚み情報101に基づいて、最も厚さのある位置の幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別し、その判別結果に応じて、補正力と補正量とを求める演算部8と、補正力に基づきローラの曲げを補正する第1補正部4と、補正量に基づき押圧位置を補正する第2補正部5とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加圧の対象である対象物を圧延及び圧縮する技術分野に関する。
自動車産業や電機機器産業等の各種産業の発展によって、例えば、銅やアルミニウムなどの材料の需要は伸びている。また、これら産業からの要求に応じて、材料には、品種やサイズなどの違いにより様々な形態が存在する。このため、例えば、金属や樹脂などが塗布されたシートを板状や箔、或いは長尺シートといった形態の材料に加工する手法は、数多く存在する。当該手法としては、例えば、加圧装置が加圧対象である材料(以降、本願では、単に、「対象物」と称する)を、加圧ローラにより加圧することによって圧延や圧縮などを行うことが知られている。
ここで、本願出願に先立って存在する関連技術としては、例えば、特許文献1及び特許文献2がある。
特許文献1は、圧延機および圧延方法に関する技術を開示する。圧延機は、たわみやすい第一ロール(加圧ローラ)と、第一ロールより胴長の短い第二ロールと、たわみにくい圧延ロールとを備える。また、圧延機は、第一ロールと第二ロールとの両端に設置された4つの圧下手段を備える。これにより、圧延機は、第一ロールの圧下手段と、第二ロールの圧下手段との圧延荷重の変化に応じて、圧延すべき板材に対する厚さ補正とクラウン補正を行うことができる。ここで、クラウンとは、例えば、板材における短手方向の端部と略中央部との板厚が一致していない状態を表す。また、以下、本願の説明では、当該端部と略中央部との板厚の差を、クラウン量と称する。
上述した板厚の厚さ補正は、圧延荷重の変化に基づいて、第一ロールと第二ロールとの隙間(間隔)を表す圧下位置を変更する。また、当該厚さ補正は、圧下位置を変更することによって変化した圧延荷重を補正することを目的として、さらに、圧下位置を変更する。これにより、圧延機は、板材の厚さを初期状態に戻すよう修正することができる。
また、クラウン補正は、圧延荷重とローラの胴長とに基づいて、クラウン量を算出する。次に、クラウン補正は、算出したクラウン量に基づき第一ロールと第二ロールとの圧延荷重を算出する。クラウン補正は、算出した圧延荷重に基づいて、第一ロールと第二ロールとの圧下位置を変更する。厚さ補正と同様に、クラウン補正は、圧下位置を変更することによって変化した圧延荷重を補正することを目的として、さらに、圧下位置を変更する。
特許文献2は、板圧延機の圧下設定方法に関する技術を開示する。この圧下設定方法は、板圧延機における作業側と駆動側との圧下設定値及び圧延荷重に基づいて、作業側の圧下設定値と駆動側の圧下設定値との差(以下、説明の便宜上、「左右差」と称する)を求める。次に、当該圧下設定方法は、求めた左右差に対して圧延の対象である対象物の非対称性を考慮することによって、最適な圧下設定値の左右差を求める。また、当該圧下設定方法は、求めた左右差を板圧延機に設定する。これによって、当該圧下設定方法は、作業側と駆動側との圧下設定値の差を最適値にすることができる。ここで、駆動側とは、ロールにおける長手方向の両端のうち、ロールを駆動する機器が設置されている一端側を表す。また、作業側は、駆動側と対峙する他端側を表す。
特許第3274678号公報 特許第2604528号公報
加圧装置では、例えば、2以上のローラが回転することによって、そのローラの軸を支持する軸受部が発熱する。この発熱によって、ローラには、長手方向において熱分布を生じる。その結果、ローラにおける長手方向の両端は、径が大きくなる。また、ローラにおける長手方向の中心部または略中心部(以降、本願では、単に、「中心部」と称する)は、径が小さくなる。即ち、ローラは、長手方向の中心部から両端に向かって膨れた鼓状の形状に変形する。このため、このローラによって圧延された対象物における幅方向の断面形状は、両端が薄く、そして中央が厚い形状となる。即ち、当該断面形状は、中膨れの形状となる。また、軸受部が発熱することによって、加圧装置では、ローラを支える各機構に伝熱する。その結果、形状の変形は、熱膨張によりローラだけでなく、ローラ以外の各機構においても発生する。
このため、対象物の厚さには、厚くなったり薄くなったりとバラつきが生じる。このような状況において加圧することによって、断面形状は、幅方向に不均一となる。また、継続して加圧することによって、さらに、軸受部は発熱する。その結果、ローラ及び各機構の変形が進むことによって、対象物が流れる方向(長手方向、以降、本願では、「流れ方向」或いは「搬送する方向」と称する)の形状は、徐々に円弧が大きくなる。
その一方で、例えば、ロットの変更やローラの交換などによって一時的に加圧を停止した場合に、ローラ及び各機構は冷却される。その後、加圧を再開した場合に、暫くの間、対象物における形状の変化は、上述した変化と逆方向となる。
このように、加圧装置では、対象物の幅方向及び流れ方向において厚みが不均一な製品を成形することとなる。その結果、当該製品は、不良となるだけでなく、製品が本来満足すべき設計性能を発揮できなくなる可能性がある。
また、特許文献1に開示された圧延機は、厚さ補正とクラウン補正とを高速に繰り返すことによって、対象物である板材を均一な厚さとすることができる。その一方で、上述したように圧延機は、駆動側と作業側とでは非対称であることが一般的に知られている。そのため、特許文献1では、板材における幅方向の左右両端において厚み差が生じる。しかしながら、特許文献1は、当該厚み差を補正することについては開示も示唆もしていない。
特許文献2には、求めた圧下設定値の左右差に対して対象物の非対称性を考慮することによって、最適な圧下設定値の左右差を求める板圧延機の圧下設定方法が開示されている。しかしながら、特許文献2は、左右差を求めるに際して、対象物を圧延していない状態において圧下設定値と圧延荷重とを実測する必要がある。また、特許文献2は、実測したデータに基づいて、ハウジング及び圧下系の変形特性を抽出すると共に、抽出した変形特性に基づき最適な圧下設定値の左右差を求める必要がある。そのため、特許文献2では、手間がかかる。また、これらの実測から求めた特性値は、経時的に変化する虞がある。そのため、特許文献2では、定期的に校正が必要となるため効率的とは言えない。
本発明は、加圧対象である対象物の厚さが変動する場合であっても、その変動を効率よく補正することが可能な加圧装置等を提供することを主たる目的とする。
上記の課題を達成すべく、本発明の一態様に係る加圧装置は、以下の構成を備えることを特徴とする。
即ち、本発明の一態様に係る加圧装置は、
対象物を搬送する方向に対して直角または略直角な幅方向の厚さを示す厚み情報に基づいて、最も厚さのある位置の前記幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別し、その判別結果に応じて、前記対象物を押圧するローラの曲げを補正する補正力と近接する前記ローラ間の押圧位置を補正する補正量とを求める演算手段と、
前記補正力に基づき前記ローラの曲げを補正する第1補正手段と、
前記補正量に基づき前記押圧位置を補正する第2補正手段とを備える。
或いは、同目的は、上記に示す演算制御装置によっても達成される。
また、同目的を達成すべく、本発明の一態様に係る加圧方法は、以下の構成を備えることを特徴とする。
即ち、本発明の一態様に係る加圧方法は、
対象物を搬送する方向に対して直角または略直角な幅方向の厚さを示す厚み情報に基づいて、最も厚さのある位置の前記幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別し、その判別結果に応じて、前記対象物を押圧するローラの曲げを補正する補正力と近接する前記ローラ間の押圧位置を補正する補正量とを求め、
前記補正力に基づき前記ローラの曲げを補正し、
前記補正量に基づき前記押圧位置を補正する。
尚、同目的は、上記の各構成を有する演算制御装置を、コンピュータによって実現するコンピュータ・プログラム、及びそのコンピュータ・プログラムが格納されている、読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
本発明によれば、加圧対象である対象物の厚さが変動する場合であっても、その変動を効率よく補正することが可能な加圧装置等を提供することができる。
本発明の第1の実施形態における加圧装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における加圧装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における加圧装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態における加圧装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における加圧装置の構成を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態における加圧ローラが熱膨張によって変形した態様を具体的に例示する図である。 本発明の第2の実施形態における変形した加圧ローラによって圧延された対象物の厚み形状を例示する図である。 本発明の第2の実施形態における加圧装置が行う動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における演算部が行う演算処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における対象物の厚み形状を具体的に例示する図である。 本発明の第2の実施形態における対象物の厚み形状を具体的に例示する図である。 本発明の第2の実施形態における補正シリンダによって第1加圧ローラ及び第2加圧ローラの曲げを補正する態様を具体的に例示する図である。 本発明に係る各実施形態を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成を例示的に説明するブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、説明の便宜上、各図面に併記した3次元(X、Y、Z)座標軸を用いて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における加圧装置1の構成を示す斜視図である。また、図2は、本発明の第1の実施形態における加圧装置1の構成を示すブロック図である。
図1及び図2において、加圧装置1は、第1ローラ2、第2ローラ3、第1補正部4(4−1及び4−2)、第2補正部5(5−1及び5−2)、軸受部6(6−1乃至6−8)、加圧部7及び演算部8を備える。
尚、以下の説明では、説明の便宜上、第1補正部4−1及び第1補正部4−2を総称して、第1補正部4と称する。また、以下の説明では、第2補正部5−1及び第2補正部5−2を総称して、第2補正部5と称する。以下の説明では、軸受部6−1乃至軸受部6−8を総称して、軸受部6と称する。
第1ローラ2と第2ローラ3とは、長手方向の両端の軸を支持する軸受部6によって当該軸を中心に回動可能なように保持されている。
より具体的に、第1ローラ2は、長手方向の一端(プラスY方向)側の軸9を軸受部6−1及び軸受部6−3によって保持されている。また、第1ローラ2は、長手方向の他端(マイナスY方向)側の軸9を軸受部6−2及び軸受部6−4によって保持されている。
また、第2ローラ3は、長手方向の一端(プラスY方向)側の軸10を軸受部6−5及び軸受部6−7によって保持されている。第2ローラ3は、長手方向の他端(マイナスY方向)側の軸10を軸受部6−6及び軸受部6−8によって保持されている。
尚、以下の説明では、説明の便宜上、ローラにおける長手方向の+(プラス)Y方向側を右側、或いは単に右と称する。また、以下の説明では、ローラにおける長手方向の−(マイナス)Y方向側を、左側、或いは単に左と称する(以下、各実施形態においても同様)。
第1ローラ2と第2ローラ3とは、加圧すべき対象物を挟み込むように互いが異なる方向(例えば、図5に示す矢印A方向)に回転する。これにより、第1ローラ2と第2ローラ3とは、対象物を連続的に加圧する。また、第1ローラ2と第2ローラ3とは、対象物を特定の方向(以下、本願では、「流れ方向」或いは「搬送する方向」とも記す)に送り出す。その結果、第1ローラ2と第2ローラ3とは、対象物を圧延や圧縮することができる。
ここで、対象物とは、例えば、金属や樹脂などが塗布されたシートである。また、当該シートは、板状や箔、或いは長尺シートといった形態に成形されている。
次に、加圧部7は、軸受部6−5と軸受部6−6とに接続されている。これにより、第1ローラ2と第2ローラ3とが対象物を加圧するに際して、加圧部7は、例えば、所定の加圧力を第2ローラ3に対して与える。
尚、以下の説明では、説明の便宜上、対象物を幅方向に切断した断面形状を「厚み形状」と称する。また、以下の説明では、説明の便宜上、熱によってローラの形状が変形することを、「ローラの曲げ」或いは、単に、「曲げ」と称する。そして、以下の説明では、対象物を搬送する方向に対して直角または略直角な幅方向を、単に、「幅方向」と称する(以下、各実施形態においても同様)。
演算部8は、対象物を搬送する方向に対して直角または略直角(以下、本願では、単に、「直角」と称する)な幅方向の厚さを示す厚み情報101に基づいて、幅方向における最も厚さのある位置(頂点)の、幅方向における対象物の中心位置(中心点)からのずれを示すずれ量を求める。次に、演算部8は、求めたずれ量に基づいて当該最も厚さのある位置の当該中心位置からのずれを判別する。そして、演算部8は、判別した結果に応じて、対象物を押圧(圧下とも記す)するローラ(第1ローラ2及び第2ローラ3)の曲げを補正する補正力と、近接するローラ(第1ローラ2及び第2ローラ3)間の間隔(隙間)を表す押圧位置(圧下位置とも記す)を補正する補正量とを求める。ここで、押圧とは、対象物に力を加えることによって押し付けることを表す。
より具体的に、演算部8は、厚み情報101に基づいて、係る幅方向と平行または略平行(以下、本願では、単に、「平行」と称する)なローラにおける長手方向の一端側(右側)の補正力(右補正力)と他端側(左側)の補正力(左補正力)とを求める。また、演算部8は、右側の補正量(右補正量)と左側の補正量(左補正量)とを求める。
次に、演算部8は、求めた右補正力を、第1補正部4−1に対して設定する。演算部8は、求めた左補正力を、第1補正部4−2に対して設定する。また、演算部8は、求めた右補正量を、第2補正部5−1に対して設定する。演算部8は、求めた左補正量を、第2補正部5−2に対して設定する。
ここで、厚み情報101とは、第1ローラ2と第2ローラ3とによって圧延された対象物における幅方向の厚さを示す情報である。より具体的に、厚み情報101は、例えば、所定の距離または時間間隔毎に、対象物における幅方向の厚さとその厚さを測定した位置とを含む。
尚、一例として、演算部8は、係る補正力と係る補正量とを同時または略同時(以降、本願では、「同時」と略記する)に求める。また、演算部8は、求めた補正力を第1補正部4に対して設定すると共に、求めた補正量を第2補正部5に対して設定する構成を採用してもよい。
これによって、加圧装置1は、係る補正力に基づき第1ローラ2及び第2ローラ3の曲げを補正することによって、対象物を平坦にすることができる。また、加圧装置1は、係る補正量に基づきローラ間の押圧位置を補正することによって、対象物における幅方向の一端と他端との間において生じる厚み差(以降、本願では、「両端の厚み差」と称する)を補正することができる。その結果、加圧装置1は、所望の厚みをなす対象物を形成することができる。
例えば、上述したように対象物を平坦にした後に係る左右の厚み差を補正した場合に、所望する厚みをなす対象物への収束は遅れてしまう可能性がある。その結果、対象物には、厚みのバラつきが発生する。即ち、当該バラつきは、対象物の品質に影響を及ぼす。これに対して、加圧装置1は、同時に、求めた補正力に基づき第1補正部4がローラの曲げを補正し、求めた補正量に基づき第2補正部5が押圧位置を補正することができる。そのため、加圧装置1は、より速やかに対象物を所望の厚みに形成することができる。
第1補正部4−1は、第1ローラ2の軸9を支持する軸受部6−3と第2ローラ3の軸10を支持する軸受部6−7とに接続されている。また、第1補正部4−2は、第1ローラ2の軸9を支持する軸受部6−4と、第2ローラ3の軸10を支持する軸受部6−8とに接続されている。
第1補正部4は、演算部8によって求められた対象物を押圧するローラの曲げを補正する補正力に基づいて、第1ローラ2と第2ローラ3との曲げを補正する。即ち、第1補正部4は、第1ローラ2と第2ローラ3との軸をたわませることによって、それらローラに生じた変形を矯正する。
次に、第2補正部5−1は、第1ローラ2の軸9を支持する軸受部6−1に接続されている。また、第2補正部5−2は、第1ローラ2の軸9を支持する軸受部6−2に接続されている。
第2補正部5は、演算部8によって求められた近接するローラ間の押圧位置を補正する補正量に基づいて、その押圧位置を補正する。即ち、第2補正部5は、第1ローラ2と第2ローラ3との間隔である押圧位置を調整する。
ここで、より具体的に、第2補正部5の機構としては、例えば、駆動軸(図1に示す斜線部)をモータによって±(プラスマイナス)X方向に可変する構成を採用してもよい。
このように本実施の形態に係る加圧装置1によれば、加圧対象である対象物の厚さが変動する場合であっても、その変動を効率よく補正することができる。その理由は、以下に述べる通りである。
即ち、加圧装置1は、厚み情報101に基づいて、所望の厚みをなす対象物に加圧可能なようにローラの曲げを補正する補正力とローラ間の押圧位置を補正する補正量とを求める演算部8を備えるからである。また、加圧装置1は、求められた補正力に基づいてローラの曲げを補正する第1補正部4と、求められた補正量に基づいて押圧位置を補正する第2補正部5とを備えるからである。
<第2の実施形態>
次に、上述した本発明の第1の実施形態に係る加圧装置1を基本とする第2の実施形態について説明する。以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明する。その際、上述した各実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明は省略する。
本発明の第2の実施形態における加圧装置11について、図3乃至図13を参照して説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態における加圧装置11の構成を示す斜視図である。図4は、本発明の第2の実施形態における加圧装置11の構成を示すブロック図である。また、図5は、本発明の第2の実施形態における加圧装置11の構成を示す側面図である。
尚、図5は、説明をよりわかりやすくすることを目的として、第1加圧ローラ12、第2加圧ローラ13、測定器18及び対象物19の構成を示す側面図である。
また、以下の説明では、説明の便宜上、補正シリンダ14−1及び補正シリンダ14−2を総称して、補正シリンダ14と称する。また、以下の説明では、押圧モータ15−1及び押圧モータ15−2を総称して、押圧モータ15と称する。
図3乃至図5において、加圧装置11は、第1加圧ローラ12、第2加圧ローラ13、補正シリンダ14(補正シリンダ14−1及び補正シリンダ14−2)、押圧モータ15(押圧モータ15−1及び押圧モータ15−2)、軸受部6(軸受部6−1乃至6−8)、加圧シリンダ17、演算部8及び測定器(測定部)18を備える。
より具体的に、第1加圧ローラ12は、第1の実施形態において説明した第1ローラ2に相当する。第2加圧ローラ13は、第1の実施形態において説明した第2ローラ3に相当する。
また、補正シリンダ14は、第1の実施形態において説明した第1補正部4に相当する。押圧モータ15は、第1の実施形態において説明した第2補正部5に相当する。加圧シリンダ17は、第1の実施形態において説明した加圧部7に相当する。
図5に示すように測定器18は、加圧装置11の出側に設けられている。測定器18は、第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13とによって圧延(または、圧縮)された対象物19における幅方向の厚さを測定する。より具体的に、測定器18は、例えば、所定の距離または時間間隔毎に、対象物19における幅方向の厚さを測定する。測定器18は、測定した厚さとその厚さを測定した位置とを厚み情報101として演算部8に対して与える。
ここで、測定器18には、例えば、対象物19にセンサを接触させる接触式を採用してもよい。或いは、測定器18は、非接触式のセンサを採用してもよい。また、測定器18には、対象物19における幅方向に配置された複数の測定点において厚みを測定する方式、1点の測定点を当該幅方向に往復させることによって厚みを測定するスキャン方式及び複数のセンサを用いて線状に照射したレーザの反射を読み取ることによって厚みを測定する方式の何れかの方式を採用してもよい。
次に、演算部8は、例えば、加圧装置11における不図示のCPU(Central_Processing_Unit)によって構成してもよい。或いは、演算部8は、例えば、加圧装置11と異なる他の情報処理装置(例えば、図13に示す情報処理装置)によって構成してもよい。即ち、演算部8は、加圧装置11と別体の演算制御装置として構成してもよい。
以下の説明において、より具体的に、本実施形態における加圧装置11の動作について説明する。
以下の説明では、説明の便宜上、一例として、第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13(以下、説明の便宜上、総称して、「加圧ローラ」と称する)が回転することよって軸受部6が発熱することとする。そして、軸受部6において発生した熱は、加圧ローラ及びそれら加圧ローラを支える各機構に伝熱することとする。これにより、加圧ローラは、長手方向における両端の温度が高く、中央に向かって温度が低くなる熱分布となる。その結果、加圧ローラは、熱膨張によって、図6に示すような外膨れの形状となる。
図6は、本発明の第2の実施形態における加圧ローラが熱膨張によって変形した態様を具体的に例示する図である。
図6において、加圧ローラは、長手方向の中心部は径が小さく、中心部から両端に向かって膨れた形状に変形する。また、図6に示す点線は、変形する前の加圧ローラの形状を表す。
また、加圧ローラを支える各機構も熱膨張することによって、第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13との隙間は小さくなる。その結果、対象物19の厚さは、薄くなる。
このような状況において圧延された対象物19の厚み形状は、例えば、図7に示すように凸状となる。
図7は、本発明の第2の実施形態における変形した加圧ローラによって圧延された対象物19の厚み形状を例示する図である。
図7において、横軸は、対象物19における幅方向の位置を示す。縦軸は、対象物19における幅方向の厚さを示す。また、中心点は、対象物19における幅方向の中心位置を表す。頂点は、厚み形状の頂点を表す。即ち、頂点とは、対象物19における幅方向の厚さのうち、最も厚さのある位置を表す。図7に示す対象物19は、頂点が中心点から紙面左側にずれていることを表す。
図8は、本発明の第2の実施形態における加圧装置11が行う動作を示すフローチャートである。係るフローチャートに沿って加圧装置11の動作手順を説明する。
尚、説明の便宜上、上述した構成を例に説明するが、本実施形態を例に説明する本発明は、前述した構成には限定されない(以下の実施形態においても同様)。
第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13とは、対象物19を挟み込むように互いに異なる方向に回転する。より具体的に、第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13とは、例えば、図5の矢印Aが示す方向に回転する。これにより、対象物19は、図5において−(マイナス)Z方向(紙面右方向)に送り出される。また、第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13とは、対象物19が所定の厚さとなるよう補正シリンダ14、押圧モータ15及び加圧シリンダ17により与えられた加圧力によって対象物19を加圧する。
測定器18は、所定の時間周期毎に、対象物19における幅方向の厚さを測定する。また、測定器18は、測定した厚さと位置とを示す厚み情報101を演算部8に対して出力する(ステップS1)。
演算部8は、測定器18から得た厚み情報101に基づいて、最も厚さのある位置の、幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別する。また、演算部8は、その判別した結果に応じて、第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13との曲げを補正する補正力と、近接する第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13との間の押圧位置を補正する補正量とを算出する(ステップS2)。
より具体的に、演算部8は、紙面右側(+Y方向)に位置する補正シリンダ14−1に対する補正力と押圧モータ15−1に対する補正量とを求める。また、演算部8は、紙面左側(−Y方向)に位置する補正シリンダ14−2に対する補正力と押圧モータ15−2に対する補正量とを求める。
ここで、以下の説明において、より具体的に、本実施形態における演算部8による補正力と補正量との演算処理について、図9乃至図11を参照して説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態における演算部8が行う演算処理の動作を示すフローチャートである。係るフローチャートに沿って演算部8の動作手順を説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態における対象物19の厚み形状を具体的に例示する図である。
図10において、横軸は、対象物19における幅方向の位置を示す。縦軸は、対象物19における幅方向の厚さを示す。また、曲線によって表された実線Aは、圧延された対象物19の厚み形状を表す。即ち、実線Aに示す対象物19は、変形した加圧ローラによって圧延された結果、縦軸方向に湾曲した形状(凸形状)を表す。
次に、図10において、実線Bは、所望する対象物19の厚み形状を示す。即ち、実線Bは、目標とする対象物19の厚さを示す。実線Cは、対象物19における両端(紙面左右)の厚み差YGRLを示す。点線Dは、対象物19における幅方向の中心位置(中心点)を示す。また、点線Eは、圧延された対象物19における幅方向の厚さのうち、最も厚さのある位置を表す。即ち、点線Eは、頂点を表す。点線Fは、当該厚み差YGRLを補正した際の対象物19における厚み形状を示す。
まず、演算部8は、圧延された対象物19における幅方向の厚さのうち、最も厚さのある位置と対象物19における中心位置とのずれを判別する(ステップS11)。
より具体的に、演算部8は、次に示す式(1)によって係るずれを判別する。即ち、
(X1−L/2)≦0 ・・・・(1)
式(1)に示すX1は、図10に示すように対象物19における一端(紙面左)から最も厚さのある位置までの幅である。Lは、対象物19の幅である。“/”は、除算を表す(以下、各実施形態においても同様)。
演算部8は、式(1)に示す条件を満たすと判別した場合に、処理をステップS12に進める。即ち、演算部8は、係る最も厚さのある位置(頂点)が紙面左側にずれていると判断する(ステップS11において「YES」)。
一方で、演算部8は、式(1)に示す条件を満たさないと判別した場合には、処理をステップS14に進める。即ち、演算部8は、式「(X1−L/2)>0」に示す条件を満たすと判断する。そして、演算部8は、係る最も厚さのある位置(頂点)が紙面右側にずれていると判断する(ステップS11において「NO」)。
次に、演算部8は、第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13とのそれぞれの曲げを補正する補正力を算出する(ステップS12)。
より具体的に、演算部8は、次の式(2)によって第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13とのそれぞれの曲げを補正する補正力を算出する。
(補正力)=β*X2 ・・・・(2)
式(2)に示す“*”は、積算を表す。X2は、対象物19における厚み差である。即ち、X2は、対象物19における厚さの薄い位置と厚さの厚い位置との厚み差である。βは、対象物19の弾性変形係数と加圧ローラの変形係数とから求めることができる係数である。但し、本実施形態を例に説明する本発明は、前述した構成には限定されない(以下、各実施形態においても同様)。例えば、係数βは、加圧装置11を稼動するに際して、加圧装置11を調整していることから分かっている場合に、その判明している変形関係から求めてもよい。或いは、係数βは、対象物19を実測することにより判明している変形関係から求めてもよい(以下、各実施形態においても同様)。
より具体的に、例えば、以下の説明では、X2を1.0μm(マイクロメートル)とする。また、ここでは、補正力を「+0.1MPa(メガパスカル)」増加することによって図10の実線Aに示す形状を直線にできることが分かっていることとする。その場合に、係数βは、式(2)「0.1MPa=β×1.0」から「β=0.1」と求めることができる。
このように、例えば、加圧装置11を管理する管理者や作業者は、容易に補正力を求めることができる。
尚、加圧装置11の負荷を左右均等にすることを目的として、左右の補正力は、同じ力を設定することが一般的に知られている。そのため、一例として、以下の説明では、本願においても同様に、左右の補正力は、同じ値を設定することとする。
ここで、例えば、求めた補正力に基づいて、第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13とを補正した場合に、対象物19は、図10の実線Cに示す直線となる。直線となった対象物19は、図10の実線Bに示すように目標とする対象物19の厚さよりも厚くなる。また、対象物19は、両端の厚み差YGRLだけ左右非対称となる。
その理由は、上述したように熱膨張により加圧ローラ及び加圧ローラ以外の各機構に生じる変形(例えば、ゆがみ)や補正力に基づき補正シリンダ14から加えられた力などによる影響を受けるからである。そのため、加圧装置11の左側と右側とは、左右非対称となる。その結果、加圧装置11は、当該両端の厚み差YGRLを調整する必要がある。
次に、演算部8は、近接する2以上の第1加圧ローラ12と第2加圧ローラ13との押圧位置を補正する補正量を算出する。即ち、演算部8は、対象物19における両端(紙面左右)の厚み差YGRLを調整する補正量を算出する(ステップS13)。
まず、演算部8は、対象物19における両端の厚み差YGRLを算出する。より具体的に、当該両端の厚み差YGRLは、対象物19の幅と、対象物19における一端(紙面左)から最も厚さのある位置までの幅との割合から次式(3)のように定義することができる。即ち、
GRL=X2*|X1−L/2|/(L/2) ・・・・(3)
このように、加圧装置11は、求めた両端の厚み差YGRLに基づいて、その厚み差YGRLを解消することできる。その結果、例えば、対象物19は、図10の点線Fに示すように直線となる。しかしながら、両端の厚み差YGRLが解消された対象物19の厚さは、図10の実線Bに示すように目標とする対象物19の厚さと異なる。その理由は、対象物19の弾性力及び復元力、加圧装置11の加圧力等の影響によって、所望の厚さに補正したい量と、求めた押圧位置の補正量とは同じにならないためである。
そのため、目標とする厚さに補正する量をthとすると補正量Yは、次式(4)のように定義することができる。即ち、
補正量Y=α*th ・・・・(4)
式(4)に示す係数αは、対象物19の弾性変形係数や加圧装置11における加圧力等の設計値から求めてもよい。しかしながら、上述した係数βと同様に、係数αは、加圧装置11を稼動するに際して、加圧装置11を調整していることから分かっている場合に、その判明している変形関係から求めてもよい。或いは、係数αは、対象物19を実測することにより判明している変形関係から求めてもよい。
より具体的に、例えば、以下の説明では、押圧位置を1.0μm下げることとする。また、ここでは、押圧位置を1.0μm下げることによって対象物19の厚さが0.4μm薄くなることが分かっていることとする。その場合に、係数αは、「1.0/0.4」によって「α=2.5」と求めることができる。
このように、例えば、加圧装置11を管理する管理者や作業者は、容易に補正量を求めることができる。
演算部8は、(X1−L/2)≦0に示す条件を満たす場合に、以下に示す左側の補正量YGL、右側の補正量YGR、左側の補正力YBL及び右側の補正力YBRを求めることができる。即ち、
・YGL=α(X2*|X1−L/2|/(L/2)+βX2)、
・YGR=α*βX2、
・YBL=βX2及び
・YBR=βX2となる。
また、演算部8は、例えば、既に補正量及び補正力が設定されている場合に、それら補正量と補正力とに求めた補正量と補正力とをそれぞれ加算することによって、新たに、補正量及び補正力を求めればよい。
演算部8は、ステップS11において式(1)に示す条件を満たさないと判別した場合には、ステップS14及びステップS15に示す処理を実行する。
尚、ステップ14に示す処理は、ステップS12に示す処理と同様である。そのため、重複する説明は省略する。
図11は、本発明の第2の実施形態における対象物19の厚み形状を具体的に例示する図である。
図11において、横軸は、対象物19における幅方向の位置を示す。縦軸は、対象物19における幅方向の厚さを示す。また、曲線によって表された実線Gは、圧延された対象物19の厚み形状を表す。即ち、実線Gに示す対象物19は、変形した加圧ローラによって圧延された結果、縦軸方向に湾曲した形状(凸形状)を表す。
図11に示す対象物19は、紙面右側が厚くなっていることを表す。また、対象物19の頂点は、中心位置に対して右側にずれていることを表す。そのため、演算部8は、ステップS15において右側の補正量YGRに対して両端の厚み差YGRLを補正する補正量を算出する(ステップS15)。
これによって、演算部8は、(X1−L/2)≦0に示す条件を満たさない場合に、以下に示す左側の補正量YGL、右側の補正量YGR、左側の補正力YBL及び右側の補正力YBRを求めることができる。換言すると、演算部8は、(X1−L/2)>0に示す条件を満たす場合に、以下に示す左側の補正量YGL、右側の補正量YGR、左側の補正力YBL及び右側の補正力YBRを求めることができる。即ち、
・YGL=α*βX2、
・YGR=α(X2*|X1−L/2|/(L/2)+βX2)、
・YBL=βX2及び
・YBR=βX2となる。
このように、演算部8は、係る中心位置からのずれを判別した結果に応じて、厚み情報101に基づき求めた対象物19における幅方向の両端の厚さの差を示す両端の厚み差YGRLに基づいて、一端側(右側)の補正量または他端側(左側)の補正量の何れかを求める。
以上で、演算部8が行う演算処理は、終了する。
次に、補正シリンダ14は、演算部8によって算出された補正力(左側の補正力YBL及び右側の補正力YBR)に基づいて、第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13の曲げを補正する。また、押圧モータ15−1は、演算部8によって算出された右側の補正量YGRに基づいて、押圧位置を補正する。そして、押圧モータ15−2は、演算部8によって算出された左側の補正量YGLに基づいて、押圧位置を補正する(ステップS3)。
より具体的に、補正シリンダ14は、例えば、算出された補正力に基づいて、第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13における長手方向の両端を図12の矢印Bに示す方向に力を加えることによって第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13をたわませる。即ち、補正シリンダ14は、第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13における長手方向の両端を互いの間隔が開く方向に力を加える。その場合に、補正シリンダ14は、第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13における長手方向の左右均等に力を加える。これにより、補正シリンダ14は、第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13の曲げを補正することができる。
図12は、本発明の第2の実施形態における補正シリンダ14によって第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13の曲げを補正する態様を具体的に例示する図である。
次に、算出され補正量に基づいて、両端の厚み差YGRLを補正可能なようにそれぞれの押圧モータ15−1及び押圧モータ15−2は駆動する。これにより、押圧モータ15は、押圧位置を補正することができる。
このように、加圧装置11は、第1加圧ローラ12及び第2加圧ローラ13の曲げと押圧位置とを同時に補正することができる。
尚、上述した本実施形態では、説明の便宜上、一例として、加圧装置11は、凸状に変形した対象物19を補正する構成を例に説明した。しかしながら本発明に係る実施形態は、係る構成に限定されない。加圧装置11は、凹状に変形した対象物19を補正する構成を採用してもよい。その場合に、演算部8は、対象物19における幅方向の厚さのうち、最も薄い位置(頂点)の、対象物19における中心位置からのずれを判別する。その判別結果に応じて、演算部8は、上述した演算処理によって、補正力と補正量とを求めることができる。また、演算部8は、既に設定された補正量から求めた補正量を減算することによって、新たに補正量を求めればよい。
これによって、加圧装置11は、ロットの変更やローラの交換などによって一時的に稼動停止した場合に生じる凹状に変形した対象物19を補正することができる。
また、上述した本実施形態では、説明の便宜上、一例として、加圧装置11は、同時に加圧ローラの曲げと押圧位置とを補正する構成を例に説明した。しかしながら本発明に係る実施形態は、係る構成に限定されない。加圧装置11は、例えば、求めた補正量及び補正力を、それら補正量及び補正力よりも小さい単位に分割すると共に、分割した単位毎に加圧ローラの曲げと押圧位置とを補正する構成を採用してもよい。より具体的に、例えば、加圧装置11は、求めた補正量を、10分の1の単位に分割してもよい。或いは、例えば、加圧装置11は、一度に補正することが可能な最大の補正量を決定する。加圧装置11は、求めた補正量を、その決定した補正量の単位に分割してもよい。その場合に、押圧モータ15は、分割した補正量に基づいて、例えば、制御サンプリング毎や測定器18のサンプリング毎に補正する構成を採用してもよい。
これにより、加圧装置11は、段階的に加圧ローラの曲げと押圧位置とを補正することができる。そのため、加圧装置11は、例えば、対象物19の厚みを大きく変更する場合であっても、段階的に対象物19の厚みを補正することができる。その結果、加圧装置11は、対象物19の品質を落とすことなく生産を継続することができる。また、例えば、加圧装置11は、加圧ローラの曲げを大きく変更する場合であっても、加圧ローラが許容する範囲において当該曲げを補正することができる。その結果、加圧装置11は、例えば、加圧ローラを破損することなく動作を継続することができる。
また、上述した説明では、説明の便宜上、説明をよりわかりやすくすることを目的として、2つの加圧ローラによって構成された加圧装置11を例に説明した。しかしながら本発明に係る実施形態は、係る構成に限定されない。加圧装置11は、例えば、作業ロールと補助ロールと言った、多段の加圧ローラによって構成された加圧装置に適用して好適である。その場合に、押圧位置と曲げを補正することによって対象物19を所望の状態にすることに変わりはなく、加圧装置11は、α,βの係数が示す値を調整することによって実現することができる。
このように本実施の形態に係る加圧装置11によれば、第1の実施形態において説明した効果を享受できると共に、さらに、より速やかに、対象物の厚さ変動を補正することができる。その理由は、以下に述べる通りである。
即ち、加圧装置11は、圧延された対象物19の厚さを測定する測定器18を、さらに備えるからである。また、加圧装置11は、加圧ローラの曲げ補正と加圧ローラ間の押圧位置の補正とを同時に実行することができるからである。
(ハードウェア構成例)
上述した実施形態において図面に示した演算部は、ソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。これらの各ソフトウェアモジュールは、専用のハードウェアによって実現してもよい。但し、これらの図面に示した演算部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、図13を参照して説明する。
図13は、本発明の模範的な実施形態に係る演算部(演算制御装置)を実行可能な情報処理装置300(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、図13は、サーバ等のコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。このコンピュータは、演算部8(図2)、或いは、演算部8(図4)を実現可能である。
図13に示した情報処理装置300は、以下の構成がバス306(通信線)を介して接続された一般的なコンピュータである。
・CPU(Central_Processing_Unit)301、
・ROM(Read_Only_Memory)302、
・RAM(Random_Access_Memory)303、
・ハードディスク304(記憶装置)、
・外部装置との通信インタフェース(Interface:以降、「I/F」と称する)305、
・CD−ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記憶媒体307に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ308。
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、以下の手順によって達成される。即ち、図13に示した情報処理装置300に対して、その説明において参照したブロック構成図(図2、図4)或いはフローチャート(図9)の機能を実現可能なコンピュータ・プログラムが供給される。その後、そのコンピュータ・プログラムは、当該ハードウェアのCPU301に読み出されて実行されることによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータ・プログラムは、読み書き可能な一時記憶メモリ(RAM303)またはハードディスク304等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータ・プログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。例えば、CD−ROM等の各種記憶媒体307を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等である。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムを構成するコード、或いはそのコードが格納された記憶媒体によって構成されると捉えることができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
1 加圧装置
2 第1ローラ
3 第2ローラ
4、4−1、4−2 第1補正部
5、5−1、5−2 第2補正部
6、6−1乃至6−8 軸受部
7 加圧部
8 演算部
9 軸
10 軸
11 加圧装置
12 第1加圧ローラ
13 第2加圧ローラ
14、14−1、14−2 補正シリンダ
15、15−1、15−2 押圧モータ
17 加圧シリンダ
18 測定器
19 対象物
101 厚み情報
300 情報処理装置
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 ハードディスク
305 通信インタフェース
306 バス
307 記憶媒体
308 リーダライタ

Claims (8)

  1. 対象物を搬送する方向に対して直角または略直角な幅方向の厚さを示す厚み情報に基づいて、最も厚さのある位置の前記幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別し、その判別結果に応じて、前記対象物を押圧するローラの曲げを補正する補正力と近接する前記ローラ間の押圧位置を補正する補正量とを求める演算手段と、
    前記補正力に基づき前記ローラの曲げを補正する第1補正手段と、
    前記補正量に基づき前記押圧位置を補正する第2補正手段と、を備える
    ことを特徴とする加圧装置。
  2. 前記演算手段は、
    前記幅方向と平行または略平行な前記ローラにおける長手方向の一端側の前記補正量と他端側の前記補正量とを求め、
    前記第2補正手段は、
    前記一端側の補正量と前記他端側の補正量とに基づいて、前記押圧位置を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の加圧装置。
  3. 前記演算手段は、
    前記判別結果に応じて、前記厚み情報に基づき求めた前記対象物における前記幅方向の両端の厚さの差を示す厚み差に基づいて、前記一端側の補正量または前記他端側の補正量の何れかを求める
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加圧装置。
  4. 同時または略同時に、前記第1補正手段は、前記ローラの曲げを補正し、前記第2補正手段は、前記押圧位置を補正する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の加圧装置。
  5. 所定の距離または時間間隔毎に、前記対象物における前記幅方向の厚さを測定し、測定した厚さとその厚さを測定した位置とを前記厚み情報として与える測定手段を、さらに、備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の加圧装置。
  6. 対象物を搬送する方向に対して直角または略直角な幅方向の厚さを示す厚み情報に基づいて、最も厚さのある位置の前記幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別し、その判別結果に応じて、前記対象物を押圧するローラの曲げを補正する補正力と近接する前記ローラ間の押圧位置を補正する補正量とを求める
    ことを特徴とする演算制御装置。
  7. 対象物を搬送する方向に対して直角または略直角な幅方向の厚さを示す厚み情報に基づいて、最も厚さのある位置の前記幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別し、その判別結果に応じて、前記対象物を押圧するローラの曲げを補正する補正力と近接する前記ローラ間の押圧位置を補正する補正量とを求め、
    前記補正力に基づき前記ローラの曲げを補正し、
    前記補正量に基づき前記押圧位置を補正する
    ことを特徴とする加圧方法。
  8. 対象物を搬送する方向に対して直角または略直角な幅方向の厚さを示す厚み情報に基づいて、最も厚さのある位置の前記幅方向における対象物の中心位置からのずれを判別し、その判別結果に応じて、前記対象物を押圧するローラの曲げを補正する補正力と近接する前記ローラ間の押圧位置を補正する補正量とを求める機能を、
    コンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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