JP2016062865A - 点火プラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ点火プラグにおいて、プラズマの生成効率を低下させることなく放電ノイズを抑制可能な技術を提供する。【解決手段】点火プラグは、電源が接続される端子と、端子に抵抗体を介して自身の後端部が接続された第1電極と、端子に直接的に自身の後端部が接続された第2電極と、第1電極の先端部および第2電極の先端部に対向する接地電極と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、点火プラグに関する。
内燃機関の点火プラグとして、混合気をプラズマによって点火するプラズマ点火プラグが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の点火プラグでは、中心電極と接地電極との間の放電ギャップにおいて放電を行わせ、その後、その放電ギャップ間に高いエネルギを印加することでプラズマを生成する。
特開2012−127286号公報
点火プラグに高いエネルギを印加するためには、プラズマ点火プラグに大きな電流を流すことが好ましい。一方で、点火プラグの放電ノイズを抑制するためには、点火プラグ内に抵抗器を実装することが好ましい。しかし、抵抗器を点火プラグに設けると、大きな電流を流すことが困難になり、プラズマの生成効率が低下する。そのため、プラズマ点火プラグにおいて、プラズマの生成効率を低下させることなく放電ノイズを抑制可能な技術が求められている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、点火プラグが提供される。この点火プラグは、電源が接続される端子と;前記端子に抵抗体を介して自身の後端部が電気的に接続された第1電極と;前記端子に直接的に自身の後端部が電気的に接続された第2電極と;前記第1電極の先端部および前記第2電極の先端部に対向する接地電極と;を備えることを特徴とする。このような形態の点火プラグによれば、端子と第1電極との間に抵抗体が備えられているので、第1電極と接地電極との間の放電ギャップにおける放電の際に、放電ノイズが発生することを抑制することができる。また、第2電極が端子に直接的に接続されているので、プラズマを生成するための電力を、この第2電極を通じて効率的に放電ギャップに供給することができる。そのため、プラズマの生成効率を低下させることなく放電ノイズの発生を抑制することができる。
(2)上記形態の点火プラグは、前記第1電極の後端と、前記抵抗体と、前記端子の先端とを内包する筒状の第1絶縁体を備えてもよい。このような形態の点火プラグによれば、第1絶縁体によって、第1電極の後端と抵抗体と端子の先端とを他の部品から絶縁することができる。
(3)上記形態の点火プラグにおいて、前記第1絶縁体を内包する筒状の第2絶縁体を備え、前記第2電極が、前記第2絶縁体の内周と前記第1絶縁体の外周との間に設けられてもよい。このような形態の点火プラグによれば、第2絶縁体によって、第2電極を他の部品から絶縁することができる。
(4)上記形態の点火プラグは、前記接地電極を先端に有し、前記第2絶縁体の外周に設けられた筒状の金具を備えてもよい。このような形態の点火プラグによれば、金具を介して接地電極を接地させることができる。
(5)上記形態の点火プラグにおいて、前記第1絶縁体は、前記第2絶縁体よりも短く、前記第2電極は、前記第1絶縁体よりも後端側で前記端子に接続されてもよい。このような形態の点火プラグによれば、簡易な構成で第2電極を端子に接続することができる。
(6)上記形態の点火プラグにおいて、前記第2電極と前記第1絶縁体との境界に、前記第2電極の材料と前記第1絶縁体の材料とが拡散しており、かつ、前記第2電極と前記第2絶縁体との境界に、前記第2電極の材料と前記第2絶縁体の材料とが拡散していてもよい。このような形態の点火プラグであれば、第2電極の材料と各絶縁体の材料とがそれらの境界で拡散しているので、強固な構造とすることができる。
(7)上記形態の点火プラグにおいて、前記端子の先端から前記第1絶縁体の後端までの距離が、3mm以上でもよい。このような形態の点火プラグによれば、端子の引き抜き強度を高めることができる。
(8)上記形態の点火プラグにおいて、前記端子と前記第1電極との間の抵抗値が1kΩ以上10kΩ以下であり、かつ、前記端子と前記第2電極との間の抵抗値が5Ω以下でもよい。このような形態の点火プラグによれば、プラズマが生成される確実性を高めることができる。
(9)上記形態の点火プラグにおいて、前記第1電極と前記接地電極との間の最短距離が、前記第2電極と前記接地電極との間の最短距離よりも短くてもよい。このような形態の点火プラグによれば、適切な位置、すなわち、第1電極と接地電極との間で放電が発生する可能性を高めることができる。
本発明は、上述した点火プラグとしての形態に限らず、種々の形態で実現することが可能である。例えば、点火プラグを備えた点火システムや、点火プラグの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての点火プラグの部分断面図である。 点火プラグを含む点火システムの概略構成図である。 点火プラグの製造方法の流れを示す工程図である。 点火プラグが製造される様子を示す図である。 ノイズの評価試験を行った結果を示す図である。 プラズマの生成試験を行った結果を示す図である。 プラズマの大きさを確認する試験結果を示す図である。 放電が生じた位置を確認する試験の結果を示す図である。 放電が生じた位置を確認する試験の結果を示す図である。 端子の引き抜き強度試験の結果を示す図である。 端子の引き抜き強度試験の結果を示す図である。 点火プラグの破損試験の結果を示す図である。 点火プラグの破損試験の結果を示す図である。 点火プラグの変形例を示す説明図である。
A.点火プラグの実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての点火プラグの部分断面図である。図2は、点火プラグを含む点火システムの概略構成図である。以下では、点火プラグ100の軸線O方向を各図面における上下方向とし、下側を点火プラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。図1において、一点破線で示す軸線Oの右側は、点火プラグ100の外観を示しており、軸線Oの左側は、点火プラグ100の中心軸を通る断面を示している。
図1に示すように、点火プラグ100は、電源が接続される端子10と、第1電極20と、第2電極30と、接地電極40と、を備えている。また、点火プラグ100は、第1絶縁体50と、第2絶縁体60と、主体金具70と、を備えている。
端子10は、軸線O方向に沿って延びる棒状の金属部材である。端子10は、後端に位置して外部に露出する頭部11と、頭部11よりも先端側に位置し、頭部11よりも外径が小さい胴部12と、胴部12よりも先端側に位置し、胴部12よりも外径が小さい先端部13とを有している。端子10の頭部11には、高圧ケーブルおよびプラグキャップを介して電源が接続される。
本実施形態の点火プラグ100には、図2に示すように、電源として、火花放電用の高圧電源200と、プラズマ生成用の高周波電源300とが接続される。これらの電源の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。高圧電源200からは、比較的高い電圧(例えば、5kV〜30kV)がトリガ放電用の電圧として点火プラグ100に供給される。また、高周波電源300からは、比較的高い周波数(例えば、1MHz以上20MHz以下)の電流が、プラズマ生成用の電流として点火プラグ100に供給される。
第1電極20(図1)は、軸線O方向に沿って延びる棒状の電極である。第1電極20は、インコネル(商標名)600等のニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成された母材の内部に、母材よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金からなる芯材21を埋設した構造を有する。第1電極20の後端部は、セラミック製の抵抗体25を介して端子10の先端部13に接続されている。抵抗体25と第1電極20とは、導電性のガラスシール材26によって接続されている。第1電極20の先端部は、内燃機関の燃焼室内に曝される。第1電極20は、「中心電極」と呼ぶこともできる。
第2電極30は、軸線O方向に沿って延びる円筒状の電極である。第2電極30は、例えば、銅、ニッケルまたはニッケルを含有する合金(例えば、SUS304)から形成された筒状の金属体を塑性加工することによって作製される。第2電極30は、第1電極20の周囲に第1絶縁体50を介して配置されている。第2電極30の後端部31は、端子10の胴部12に直接的に接続されている。本実施形態では、軸線O方向における第2電極30の先端の位置は、第1電極20の先端よりも後端側である。
第1絶縁体50は、アルミナ等を焼成して形成された筒状の絶縁体である。第1絶縁体50は、第1電極20の後端と、抵抗体25と、端子10の先端とを内包している。また、第1絶縁体50の周囲には第2電極30が配置される。そのため、第1絶縁体50は、第1電極20の後端と抵抗体25と端子10の先端とを第2電極30から電気的に絶縁することができる。第1絶縁体50は、例えば、アルミナ等の原料をプレス成形することによって作製することができる。第1絶縁体50の材料としては、窒化ケイ素や窒化アルミニウムを用いることも可能である。
第2絶縁体60は、アルミナ等を焼成して形成された筒状の絶縁体である。第2絶縁体60は、第1絶縁体50を内包している。そして、第2絶縁体60の内周と第1絶縁体50の外周との間には、前述した第2電極30が配置されている。そのため、第2絶縁体60は、第2電極30を、後述する主体金具70から絶縁することができる。軸線O方向における第1絶縁体50、第2電極30および第2絶縁体60のそれぞれの先端の位置は、本実施形態では同一であるが、第2電極30は、第2絶縁体60よりも短く、第1絶縁体50よりも長いため、第2電極30の後端部は、第2絶縁体60の軸孔61内において露出している。この露出した第2電極30の後端部は、第2絶縁体60と端子10の胴部12との間に挟まれるようにして端子10に接触している。このような構造であれば、第2電極30を簡易な構成で端子10に接続することができる。
第2絶縁体60の、軸線O方向の略中央には、外径が最も大きな鍔部62が形成されており、それより後端側には後端側胴部63が形成されている。第2絶縁体60の、鍔部62より先端側には、後端側胴部63よりも外径の小さな先端側胴部64が形成されている。さらにその先端側胴部64よりも先端側に、先端側胴部64よりも外径の小さな脚長部65が形成されている。脚長部65の先端は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際には、内燃機関の燃焼室内に曝される。
主体金具70は、内燃機関のエンジンヘッドに点火プラグ100を固定するための略円筒状の金具である。主体金具70は、第2絶縁体60を、その後端側胴部63の一部から脚長部65にかけての部位を取り囲むようにして保持している。主体金具70は低炭素鋼材により形成され、全体にニッケルメッキあるいは亜鉛メッキが施されている。主体金具70の後端部には、プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部71が設けられている。また、主体金具70は、工具係合部71よりも先端側に、エンジンヘッドのプラグホールに螺合するネジ山(図示省略)が形成されたネジ部72を備えている。
主体金具70の工具係合部71とネジ部72との間には、鍔状のシール部73が形成されている。ネジ部72とシール部73との間のネジ首74には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット80が嵌挿されている。ガスケット80は、点火プラグ100をエンジンヘッドに取り付けた際に、点火プラグ100とエンジンヘッドとの間を封止し、気密漏れを防止する。
主体金具70の工具係合部71より後端側には薄肉の加締部75が設けられている。また、シール部73と工具係合部71との間には、薄肉の圧縮変形部76が設けられている。工具係合部71から加締部75にかけての主体金具70の内周面と第2絶縁体60の後端側胴部63の外周面との間には、環状の線パッキン81および線パッキン82が介在している。線パッキン81と線パッキン82との間には、タルク(滑石)83が充填されている。
点火プラグ100の製造時においては、加締部75を内側に折り曲げるようにして先端側に押圧することにより圧縮変形部76が変形する。圧縮変形部76の変形により、線パッキン81、タルク83、線パッキン82を介し、第2絶縁体60が主体金具70内で先端側に向け押圧される。この押圧により、主体金具70のネジ部72の内周に形成された第1段部77に、第2絶縁体60の先端側胴部64と脚長部65との間に形成された第2段部66が板パッキン84を介して押圧され、主体金具70と第2絶縁体60とが一体にされる。このとき、主体金具70と第2絶縁体60との間の気密性は、板パッキン84によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。また、この押圧により、タルク83が軸線O方向に圧縮されて主体金具70内の気密性が高められる。
接地電極40は、主体金具70の先端に溶接されて固定されている。接地電極40は、その内側面が第1電極20の先端部および第2電極30の先端部に対向するように、屈曲されている。接地電極40の内側面の軸線O上および第1電極20の先端には、それぞれ貴金属チップが溶接されていてもよい。接地電極40は、主体金具70を介してエンジンヘッドに電気的に接地される。
B.点火プラグの製造方法:
図3は、点火プラグの製造方法の流れを示す工程図である。図4は、点火プラグが製造される様子を示す図である。本実施形態の製造方法では、まず、図4に示すように、第2絶縁体60の軸孔61内に、第2電極30と第1絶縁体50と第1電極20とが挿入される(図3のステップS10)。
その後、第2絶縁体60の軸孔61内には、既に挿入された第1電極20の後端側からガラスシール材26の原料となる粉体が挿入される。そして、更に、その後端から端子10が挿入されつつ加熱処理が行われる(ステップS20)。本実施形態では、この加熱処理を、800℃において所定時間(例えば、5分)、行う。このステップS20の工程が終了すると、第2絶縁体60と第2電極30と第1絶縁体50と第1電極20とガラスシール材26と端子10とが一体化された中間組立体が形成される。800℃の温度で加熱処理を行うことにより、第2電極30と第1絶縁体50との境界に、第2電極30の材料と第1絶縁体50の材料とが拡散し、かつ、第2電極30と第2絶縁体60との境界に、第2電極30の材料と第2絶縁体60の材料とが拡散することになる。2種の材料が拡散していることは、例えば、中間組立体の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)によって観察することによって確認することができる。
中間組立体が形成されると、その中間組立体が、主体金具70に挿入され、所定の治具によって、主体金具70の加締部75が加締められる(ステップS30)。すると、主体金具70と中間組立体とが接合され、点火プラグ100が完成する。
上記ステップS20では、第2絶縁体60の内周面と、第1絶縁体50の外周面とに、それぞれ、第2電極30に含まれる金属と同種の金属によるめっき(例えば、厚さ3μmのニッケルめっき)を施した上で、上述した加熱処理を行ってもよい。こうすることにより、第2電極30と、第1絶縁体50および第2絶縁体60との接合強度を更に高めることができる。
以上で説明した本実施形態の点火プラグ100によれば、端子10と第1電極20との間に抵抗体25が備えられているので、第1電極20と接地電極40との間の放電ギャップにおけるトリガ放電の際に、放電ノイズが発生することを抑制することができる。また、端子10には、抵抗体25を介することなく第2電極30が直接的に接続されているため、高周波電源300からの高周波電流を、この第2電極30を通じて、放電ギャップに効率的に供給することができる。しかも、本実施形態では、第1電極20よりも径方向外側に円筒状の第2電極30が配置されているため、物体の表面を伝わりやすい高周波電流を、効率的に放電ギャップに供給することができる。よって、本実施形態の点火プラグ100によれば、プラズマの生成効率を低下させることなく放電ノイズが発生することを抑制することができる。
なお、ノイズを抑制するための抵抗体を、点火プラグの内部ではなく、点火プラグの外部(例えば、高圧電源200内)に設けることも可能であるが、その場合には、抵抗体と放電ギャップとの間に存在する導電体の長さが長くなり、その分、その導電体に電荷が蓄積されやすくなる。すると、放電時にその電荷が放電ギャップに流れ込むことにより、大きな電流が流れてしまい、放電ノイズを抑制することが困難になる。これに対して、本実施形態では、放電ギャップに近い位置に抵抗体25が設けられているため、電荷が蓄積されにくく、放電ノイズを効果的に抑制することができる。
以上で説明した本実施形態の点火プラグ100は、以下の仕様1〜4のうち1以上の仕様を満たしていることが好ましい。
(仕様1)端子10の後端から第1電極20の先端までの抵抗値R1が1kΩ以上10kΩ以下であり、かつ、端子10の後端から第2電極30の先端までの抵抗値R2が5Ω以下である。
(仕様2)第1電極20と接地電極40との間の最短距離G1(図1参照)が、第2電極30と接地電極40との間の最短距離G2(図1参照)よりも短い。
(仕様3)端子10の先端から第1絶縁体50の後端までの軸線Oに沿った距離L(図1参照)が、3mm以上である。
(仕様4)第2絶縁体60と第2電極30と第1絶縁体50と第1電極20とガラスシール材26と抵抗体25と端子10とが一体化された中間組立体を、800℃以上の温度で熱処理して形成する。
以下、点火プラグ100がこれらの仕様を満たしていることが好ましい理由を、試験結果に基づき説明する。
C.試験結果:
<仕様1について>
図5は、ノイズの評価試験を行った結果を示す図である。この試験では、端子10の後端から第1電極20の先端までの抵抗値R1と、端子10の後端から第2電極30の先端までの抵抗値R2とが異なる複数の点火プラグ100のサンプルを用意し、各サンプルについて、0.4MPaの加圧空気中で、60Hzの周期で点火プラグ100に放電を行わせ、「JASO D002−2−04」に規定された電流法によってノイズの測定を行った。そして、100MHzまでの周波数帯域中、100kHzにおける電流強度(dB)を測定し、80dB以下であれば、合格とした。
図5に示すように、本試験では、抵抗値R1が1kΩ以上20kΩ以下、かつ、抵抗値R2が0.5Ω以上10Ω以下のサンプルが、電流強度が80dB以下となり、合格となった。これに対して、抵抗値R1が0.1kΩ以上0.5kΩ以下、かつ、抵抗値R2が0.5Ω以上10Ω以下のサンプルは、いずれも、電流強度が80dBを超えており、不合格であった。
図6は、プラズマの生成試験を行った結果を示す図である。この試験では、抵抗値R1と抵抗値R2とが異なる複数の点火プラグ100のサンプルを用意し、各サンプルについて、0.4MPaの加圧空気中において、高圧電源200と高周波電源300とを用いてプラズマが生成されるか否かを評価した。具体的には、点火プラグ100の端子10に流れる電流波形を測定し、その波形を観察することによって高周波電流が流れていることが確認された場合には、プラズマが生成されたと判断した。各サンプルの第2絶縁体60の先端面における各部の寸法は以下の(1)〜(4)に示したとおりである。また、各サンプルにおいて、第2絶縁体60の先端面から先端側に向けて第1電極20が突出した長さは2.0mmであり、第1電極20の先端と接地電極40との間の軸線O上の距離(放電ギャップ)は1.0mmである。
(1)第1電極20の外径が1.5mm。
(2)第1絶縁体50の外径が2.7mm、径方向の厚みが0.4mm。
(3)第2電極30の外径が3.3mm、径方向の厚みが0.2mm。
(4)第2絶縁体60の外径が5.7mm。
図6に示すように、本試験では、抵抗値R1が0.1k以上10kΩ以下、かつ、抵抗値R2が0.5Ω以上10Ω以下のサンプルにおいて、高周波電流が観察されたため合格となった。これに対して、抵抗値R1が15k以上20kΩ以下、かつ、抵抗値R2が0.5Ω以上10Ω以下のサンプルは、いずれも、高周波電流が観察されず不合格であった。
図7は、プラズマの大きさを確認する試験結果を示す図である。この試験では、図6に示した試験において発生したプラズマ(または火花)の画像を撮像し、その画像を解析することによって撮像されたプラズマの最大面積を算出した。
図7に示すように、本試験では、抵抗値R1が0.1k以上10kΩ以下、かつ、抵抗値R2が0.5Ω以上5Ω以下のサンプルでは、プラズマの面積が大きくなった。これに対して、抵抗値R1が15kΩ以上20kΩ以下のサンプル、および、抵抗値R2が10Ωのサンプルは、いずれも、プラズマ(火花)の面積が顕著に小さくなった。そのため、この試験では、抵抗値R1が0.1k以上10kΩ以下、かつ、抵抗値R2が0.5Ω以上5Ω以下のサンプルを合格とし、それ以外のサンプルを不合格とした。
上述した各試験の結果、上記実施形態における点火プラグ100は、上述した仕様1のとおり、端子10と第1電極20間の抵抗値R1が1kΩ以上10kΩ以下であり、かつ、端子10と第2電極30間の抵抗値R2が5Ω以下であることが好ましいことが確認された。上述した各試験によれば、ノイズを抑制するためには、抵抗値R1が1kΩ以上であることが好ましく、10kΩを超える抵抗値R1では、ギャップ間の絶縁破壊が困難となり、また、抵抗値R2が5Ωを超えると、プラズマを十分に大きくすることができないからである。
<仕様2について>
図8および図9は、放電が生じた位置を確認する試験の結果を示す図である。図8は、0.4MPaの加圧空気環境下で試験を行った結果を示し、図9は、1.2MPaの加圧空気環境下で試験を行った結果を示している。これらの試験では、第1電極20と接地電極40との間の最短距離G1と、第2電極30と接地電極40との間の最短距離G2とが異なる複数の点火プラグ100のサンプルを用意し、各サンプルについて、1Hzの周期で点火プラグ100を放電させ、高速度カメラにて放電時の画像を撮像し、放電が生じた位置を確認した。使用した各サンプルの抵抗値R1は5kΩであり、抵抗値R2は1Ωである。この試験では、10回放電させて10回全てにおいて、第1電極20と接地電極40との間で放電が生じた場合に合格と判定し、10回中1回でもその他の位置(例えば、第2電極30と接地電極40と間)で放電が生じた場合には不合格と判定した。
図8および図9に示すように、これらの試験結果によれば、上述した仕様2のとおり、第1電極20と接地電極40との間の最短距離G1が、第2電極30と接地電極40との間の最短距離G2よりも短い場合に、適正な位置において放電が生じることが確認された。
<仕様3について>
図10および図11は、端子の引き抜き強度試験の結果を示す図である。この試験では、端子10の先端から第1絶縁体50の後端までの軸線Oに沿った距離Lを変化させた点火プラグ100の複数のサンプルを用意し、各サンプルについて「JIS B 8031 7.7」に規定された引き抜き強度試験を実施し、端子10の引き抜き強度を測定した。そして、この規定の基準である400N以下の引き抜き強度であったサンプルを不合格と判定した。
図10および図11に示した試験結果によれば、上記仕様3のとおり、端子10の先端から第1絶縁体50の後端までの軸線Oに沿った距離Lは、3mm以上確保されていることが好ましいことが確認された。距離Lが3mm以上確保されていれば、端子10の外周面と第1絶縁体50の内周面とに十分な接触面積が確保され、引き抜き強度が高まるためだと推測される。
<仕様4について>
図12および図13は、点火プラグの破損試験の結果を示す図である。この試験では、上述した点火プラグ100の製造方法のステップS20(図3参照)における加熱処理の温度を変化させて作製した点火プラグ100の複数のサンプルを用意し、各サンプルについて破損試験を行った。具体的には、各サンプルを高圧容器に取り付け、発火部側(先端側)に油圧によって圧力を加え、各サンプルが破損した圧力を測定した。この試験では、18MPa未満の圧力で破損したサンプルを不合格とした。18MPaは、内燃機関の筒内圧に相当する。なお、各サンプルの、端子10の先端から第1絶縁体50の後端までの距離Lは、5mmである。
図12および図13に示した試験結果によれば、800℃以上の温度によって熱処理を行ったサンプルは、いずれも、18MPa未満の圧力によって破損することがなかった。そのため、上述した仕様4のとおり、点火プラグ100の製造時には、中間組立体を、800℃以上の温度で熱処理することが好ましいことが確認された。このような温度で熱処理を行えば、第2電極30と第1絶縁体50、および、第2電極30と第2絶縁体60が、それぞれ、それらの境界において拡散し、強固に接合されるためだと推測される。
以上で説明したとおり、上述した実施形態における点火プラグ100が、上記仕様1〜4のうち少なくともいずれか一つを満たすことが好ましいことが、各試験の結果から明らかとなった。
D.変形例:
<変形例1>
図14は、点火プラグの変形例を示す説明図である。上記実施形態では、接地電極40は、主体金具70の先端に接合され、屈曲されている。これに対して、接地電極40aは、図14に示すように、主体金具70aの先端に環状に設けられていてもよい。この場合、環状の接地電極40aの中心に設けられた貫通孔42を通じて、プラズマが燃焼室内に噴出する。接地電極40aは、主体金具70aに溶接されていてもよいし、主体金具70aと一体に形成されていてもよい。また、上記実施形態では、第2絶縁体60、第2電極30、および、第1絶縁体50の先端の位置は軸線O方向において揃えられていたが、これらの先端の位置は、図14に示すように、ばらついていてもよい。
<変形例2>
上記実施形態では、プラズマ生成用に高周波電源を用いているが、プラズマ生成用の電源としては、高周波電源以外にも、直流電源や容量の大きいコンデンサを用いてもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、図1に示されているように、第2電極30の後端部は、直接的に端子10に接続されている。これに対して、例えば、第2絶縁体60の内周面にめっきを施すことにより、そのめっきを介して第2電極30を端子10に接続してもよい。つまり、第2電極30は、電気的に直接、端子10に接続されていればよい。また、第2電極30は、円筒状に限らず、端子10に後端が接続された複数の線状の導線によって構成してもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態や実施例、変形例の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…端子
11…頭部
12…胴部
13…先端部
20…第1電極
21…芯材
25…抵抗体
26…ガラスシール材
30…第2電極
31…後端部
40,40a…接地電極
50…第1絶縁体
60…第2絶縁体
61…軸孔
62…鍔部
63…後端側胴部
64…先端側胴部
65…脚長部
66…第2段部
70…主体金具
71…工具係合部
72…ネジ部
73…シール部
74…ネジ首
75…加締部
76…圧縮変形部
77…第1段部
80…ガスケット
81,82…線パッキン
83…タルク
84…板パッキン
90…キャビティ
100…点火プラグ
200…高圧電源
300…高周波電源
O…軸線

Claims (9)

  1. 電源が接続される端子と、
    前記端子に抵抗体を介して自身の後端部が接続された第1電極と、
    前記端子に直接的に自身の後端部が接続された第2電極と、
    前記第1電極の先端部および前記第2電極の先端部に対向する接地電極と、
    を備えることを特徴とする点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記第1電極の後端と、前記抵抗体と、前記端子の先端とを内包する筒状の第1絶縁体を備えることを特徴とする点火プラグ。
  3. 請求項2に記載の点火プラグであって、
    前記第1絶縁体を内包する筒状の第2絶縁体を備え、
    前記第2電極が、前記第2絶縁体の内周と前記第1絶縁体の外周との間に設けられていることを特徴とする点火プラグ。
  4. 請求項3に記載の点火プラグであって、
    前記接地電極を先端に有し、前記第2絶縁体の外周に設けられた筒状の金具を備えることを特徴とする点火プラグ。
  5. 請求項3または請求項4に記載の点火プラグであって、
    前記第1絶縁体は、前記第2絶縁体よりも短く、
    前記第2電極は、前記第1絶縁体よりも後端側で前記端子に接続されていることを特徴とする点火プラグ。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の点火プラグであって、
    前記第2電極と前記第1絶縁体との境界に、前記第2電極の材料と前記第1絶縁体の材料とが拡散しており、かつ、前記第2電極と前記第2絶縁体との境界に、前記第2電極の材料と前記第2絶縁体の材料とが拡散していることを特徴とする点火プラグ。
  7. 請求項2から請求項6までのいずれか一項に記載の点火プラグであって、
    前記端子の先端から前記第1絶縁体の後端までの距離が、3mm以上であることを特徴とする点火プラグ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の点火プラグであって、
    前記端子と前記第1電極との間の抵抗値が1kΩ以上10kΩ以下であり、かつ、前記端子と前記第2電極との間の抵抗値が5Ω以下であることを特徴とする点火プラグ。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の点火プラグであって、
    前記第1電極と前記接地電極との間の最短距離が、前記第2電極と前記接地電極との間の最短距離よりも短いことを特徴とする点火プラグ。
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