JP2016062857A - 触媒層、その製造方法、膜電極接合体および電気化学セル - Google Patents

触媒層、その製造方法、膜電極接合体および電気化学セル Download PDF

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Abstract

【課題】高いセル電圧、優れたロバスト性および優れた耐久性を有する触媒層、その製造方法、膜電極接合体および電気化学セルを提供する。
【解決手段】本発明の一の態様によれば、貴金属を含む2以上の貴金属含有層22と、貴金属含有層22間に配置された多孔質セラミックス層23とを備え、貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との間に空隙24が存在することを特徴とする、触媒層15が提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、触媒層、その製造方法、膜電極接合体および電気化学セルに関する。
近年、電気化学セルは盛んに研究されている。電気化学セルのうち、例えば、燃料電池は、水素などの燃料と酸素などの酸化剤とを電気化学的に反応させることにより発電させるシステムを含んでいる。燃料電池の中でも、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)は、環境への負荷が少ないことから、家庭用定置電源や自動車用電源として実用化されている。このPEFCは、反応生成物が水であるのに加えて、他の燃料電池と比較して低温で作動可能であるが、貴金属触媒の使用量が多く、コスト高となっている。したがって、貴金属触媒の使用量の低減によるコスト低減がPEFCの普及化への一つ大きな課題となっている。
PEFCの各電極に含まれる触媒層としては、カーボンブラック担体に触媒材料を担持させた炭素担持触媒が一般に使用されている。しかしながら、PEFCを例えば自動車用電源として使用した場合、起動および停止によって、カソード側の触媒層に含まれる炭素担体が腐食し、また、炭素担体に担持された貴金属触媒自体も溶解してしまう。これにより、触媒層および触媒層を含んだ膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の劣化が加速されることが報告されている。
炭素担体の腐食の問題を回避して、十分な耐久性を確保するため、炭素担体を用いず、基材に触媒をスパッタリングまたは蒸着することによって形成した触媒層を採用することが検討されている。このような触媒層としては、例えば、ウィスカー基板に白金をスパッタリングすることによって得られる触媒層がある(例えば、特許文献1参照)。炭素担体を用いないことによって、十分な耐久性を確保できる。
しかしながら、燃料電池のカソード側にこうした触媒層を適用し、かつ高湿度燃料を供給した場合には、電極反応によって生成する水が触媒層の内部から排出されずに水詰まりを起こす、いわゆるフラディング現象が起こりやすく、これにより特に室温近辺でのセル電圧が顕著に低下してしまう。また、低湿度燃料が供給される際もセル電圧が大きく低下する場合がある。これは、触媒層の保水能力が低いために、電解質膜には十分な水分が供給できないためであると考えられる。したがって、耐久性の他に、ロバスト性に優れた触媒層が求められている。
一方、炭素は疎水性であるため、水制御の観点から、現在、積層した白金層の間に繊維状炭素を導入することなどが提案されているが(例えば、特許文献2)、優れたロバスト性を得るためには十分なものとは言えない。なお、繊維状炭素は触媒担体ではないので、繊維状炭素の一部が腐食したとしても問題とならない。
特表2007−507328号公報 特開2010−33759号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、高いセル電圧、優れたロバスト性および優れた耐久性を有する触媒層、その製造方法、膜電極接合体および電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、貴金属を含む2以上の貴金属含有層と、前記貴金属含有層間に配置された多孔質セラミックス層とを備え、前記貴金属含有層と前記多孔質セラミックス層との間に空隙が存在することを特徴とする、触媒層が提供される。
本発明の他の態様によれば、貴金属を含む貴金属含有層を形成する工程と、前記貴金属含有層上に造孔材層を形成する工程と、前記造孔材層上に造孔材を含む造孔材含有セラミックス層を形成する工程とをこの順番で2回以上繰り返す工程と、前記造孔材層および前記造孔材含有セラミックス層中の前記造孔剤を除去する工程とを備える、触媒層の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、貴金属を含む貴金属含有層を形成する工程と、前記貴金属含有層上に造孔材層を形成する工程と、前記造孔材層上に多孔質セラミックス層を形成する工程とをこの順番で2回以上繰り返す工程と、前記造孔材層を除去する工程とを備える、触媒層の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、離間し、かつ対向して配置された一対の電極と、前記一対の電極間に配置された電解質膜とを備え、前記一対の電極の少なくとも一方が、上記の触媒層を含むことを特徴とする、膜電極接合体が提供される。
上記の膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータとを備えることを特徴とする、電気化学セルが提供される。
本発明の一の態様の触媒層ならびに他の形態の膜電極接合体および電気化学セルによれば、高いセル電圧、優れたロバスト性および優れた耐久性を有する。本発明の他の態様の触媒層の製造方法によれば、高いセル電圧、優れたロバスト性および優れた耐久性を有する触媒層を提供することができる。
第1の実施形態に係る膜電極接合体の概略構成図である。 第1の実施形態に係る触媒層の概略構成図である。 第1の実施形態に係る触媒層の走査型透過電子顕微鏡による観察像を示す図である。 第1の実施形態に係る触媒層の模式的な製造工程図である。 第1の実施形態に係る電気化学セルの概略構成図である。 第2の実施形態に係る触媒層の概略構成図である。 第2の実施形態に係る触媒層の模式的な製造工程図である。 第2の実施形態に係る触媒層の模式的な製造工程図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る触媒層、その製造方法、膜電極接合体および電気化学セルについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る膜電極接合体の概略構成図であり、図2は本実施形態に係る第2の触媒層の概略構成図であり、図3は本実施形態に係る触媒層の走査型透過電子顕微鏡による観察像を示す図であり、図4は本実施形態に係る触媒層の模式的な製造工程図であり、図5は本実施形態に係る電気化学セルの一例の概略構成図である。
<<<触媒層および膜電極接合体>>>
図1に示される膜電極接合体(以下、「MEA」と称する。)10は、離間し、かつ対向して配置された一対の電極11、12と、電極11、12間に配置された電解質膜13とを備えている。
<<電解質膜>>
電解質膜13は、例えば、プロトン伝導性を有する電解質を含んでいる。電解質膜13は、電極11に供給された燃料に由来する水素イオンを、電極12に伝導する機能を有する。プロトン伝導性を有する電解質としては、例えばスルホン酸基を有するフッ素樹脂(例えば、ナフィオン(登録商標)(デュポン社製)、フレミオン(登録商標)(旭化成社製)、およびアシブレック(旭硝子社製)など)や、タングステン酸やリンタングステン酸などの無機物を使用することができる。
電解質膜13の厚さは、MEA10の特性を考慮して適宜決定される。強度、耐溶解性およびMEA10の出力特性の観点から、電解質膜13の厚さは、5μm以上300μm以下が好ましく、5μm以上150μm以下がより好ましい。
<<電極>>
電極11、12は、それぞれ、電解質膜13に接する触媒層14、15と、触媒層14、15上に積層されたガス拡散層16、17とを含んでいる。MEA10が燃料電池に使用される場合、電極11がアノードであり、電極12がカソードである。アノードには水素が供給され、カソードには酸素が供給される。
<ガス拡散層>
ガス拡散層16、17は、ガス拡散性と導電性が十分であればよい。ガス拡散層16、17としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、金属フェルト、不織布などが挙げられる。ガス拡散層16、17は、好ましくは、撥水剤を含む。撥水剤は、例えば、ガス拡散層7、8の撥水性を高め、フラッディング現象が起こるのを防ぐ。撥水剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系高分子材料が挙げられる。PEFCの場合は、撥水度(ガス拡散層における撥水剤の重量パーセント)については一般的に2重量%以上30重量%以下が好ましい。なお、ガス拡散層と触媒層との間にマイクロポラース層を設けることによってPEFCの特性を改善することが可能であり、マイクロポラース層の厚みは1以上50μm以下が好ましく、2μm以上30μm以下がより好ましい。また、マイクロポラース層の空孔率と撥水度または親水度(マイクロポラース層における撥水剤または親水剤の重量パーセント)を調整することによってPEFCの特性またはロバスト性を向上させることが可能である。親水剤としては親水性の材料であれば良い。親水剤としては、例えば、親水基をもつ有機材料またはSiO、Al、TiOなどのセラミックス材料が挙げられる。
<触媒層>
触媒層14、15は、触媒材料を含む。触媒材料は、例えば、Pt、Ru、Rh、Os、Ir、PdおよびAuなどの貴金属元素からなる群から選択される少なくとも1種を含む。このような触媒材料は、触媒活性、導電性および安定性に優れている。前述の金属は、酸化物として用いることもでき、2種以上の金属を含む複合酸化物または混合酸化物であってもよい。
最適な貴金属元素は、使用される反応に応じて適宜選択される。触媒層14、15が水素酸化反応または水素発生反応に使用される場合、触媒層5、6は、例えば、Ptを含む。
触媒層14、15が、COを含む改質水素ガスまたはメタノール、エタノール等のアルコールの酸化反応に使用される場合、触媒層5、7は、例えば、PtyRuz1-y-zで示される組成を有する合金を含む。ここで、yは、0.2≦y≦0.8であり、zは、0≦z≦0.8であり、元素Tは、W、Hf、Si、Mo、Ta、Ti、Zr、Ni、Co、Nb、V、Sn、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種である。この合金は、20〜80原子%のPt、0〜80原子%のRu、および0〜80原子%の元素Tを含んでいる。
触媒層14、15が酸素還元反応に使用される場合、触媒層14、15は、例えば、Ptu1-uで示される組成を有する合金を含む。ここで、uは、0<u≦0.9であり、元素Mは、Co、Ni、Fe、Mn、Ta、W、Hf、Si、Mo、Ti、Zr、Nb、V、Cr、AlおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種である。この合金は、0原子%より多く90原子%以下のPt、および10原子%以上100原子%未満の元素Mを含んでいる。
触媒層14、15が、酸素発生反応に使用される場合、触媒層14、15は、例えば、Ir、Ru、Pt、Au、RhおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含む。あるいは、それらの酸化物とTa若しくはSnの酸化物との複合酸化物が、触媒層14、15に含まれる。触媒層14、15が30原子%以上のPtまたはIrを含む場合には、触媒材料の活性と耐久性とを両立できる。
触媒層14、15の少なくとも一方は、図2に示される構造を有する。触媒層14、15の両方が図2に示される構造を有することが好ましい。この場合、触媒層14、15に含まれる触媒材料は、同一であっても異なるものであってもよい。上述したフラッディング現象はPEFCカソード側で生じるので、フラッディング現象を抑制する観点から触媒層15が図2に示される構造を有することが好ましい。以下、触媒層15が図2に示される構造を有するものとして説明する。なお、図2に示される構造は、触媒層15の一部を示すものである。
触媒層15は、図2に示されるように、基板21と、基板21上に互いに離間して積層された2以上の貴金属含有層22と、貴金属含有層22間に配置された空孔23aを有する多孔質セラミックス層23とを備えている。貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との間には空隙24が存在している。貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との少なくとも一部はこの空隙24を介して離間している。このような触媒層の走査型透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)による20万倍の観察像は、図3のようになる。
空隙24は貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との間の少なくとも一部に存在していればよい。すなわち、貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との少なくとも一部が空隙24によって接触せずに、離間していればよく、貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23とが一部の箇所において接触していてもよい。
貴金属含有層22および多孔質セラミックス層23はそれぞれの層の端部の融合(図示せず)によって物理的に繋がっていることが好ましい。貴金属含有層22および多孔質セラミックス層23がそれぞれの層の端部の融合によって物理的に繋がることにより、貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23を離間した状態を保つことができる。
触媒層15においては、隣り合う2枚の貴金属含有層22間の最大距離は、10nm以上400nm以下であることが好ましい。2枚の貴金属含有層22間の最大距離がこの範囲内であれば、スムーズな物質移動が行なわれ、電気化学セルの特性に悪影響を及ぼすこともない。隣り合う貴金属含有層12間の最大距離は、15nm以上300nm以下であることがより好ましい。
燃料電池の発電環境ロバスト性および低温起動などを考慮すると、隣り合う貴金属含有層22間の最大距離は30nm以上400nm以下が好ましい場合もある。触媒層15における隣り合う2枚の貴金属含有層22間の最大距離は、後述する造孔材の使用量、スパッタリング時の条件等により制御することができる。
貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との最大距離は10nm以上300nm以下であることが好ましい。貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との最大距離がこの範囲内であれば、水詰まりの低減と貴金属含有層への燃料供給の両立が可能となる。
(貴金属含有層)
貴金属含有層22は、貴金属を含む層である。貴金属含有層22は、担体を含まない層であることが好ましい。
貴金属含有層22は、貴金属含有層22の20原子%以上が、Pt、Ir、Ru、Au、Pd、RhおよびAgからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。耐久性を考慮すると、貴金属としてはPtが有利である。
貴金属触媒の量の低減を図る観点から、PEFCの場合は、貴金属含有層22中の貴金属の量は、0.01mg/cm以上0.3mg/cm以下であることが好ましい。
貴金属含有層22は、サンドイッチ構造などの多層構造とすることができる。例えば、貴金属含有層を、貴金属以外の材料から構成された貴金属含有層中心部と、貴金属のみまたは主として貴金属を含む貴金属含有層表面部とから構成してもよい。この場合、貴金属含有層表面部の組成と貴金属含有層中心部の組成の相違によって特異な表面原子状態を形成し、高い触媒活性を得ることが可能である。また、貴金属は貴金属含有層表面部のみで済むので、貴金属の使用量を低減できる。この場合は、耐久性と触媒の活性とを考慮して、貴金属含有層表面部分の厚み、組成、貴金属含有層中心部の厚み、組成、構造などを使用条件に応じて最適化することができる。また、貴金属含有層表面部に、貴金属の他、ベースメタルを多めに含ませることによって、特異な表面組成、表面構造を形成し、触媒活性を向上させ、貴金属の使用量を低減できる場合もある。
貴金属含有層22は、空孔を有していてもよい。貴金属含有層22が多孔質の場合には、水分の排出など物質の移動がよりスムーズになる。その結果、貴金属の使用量が少ない場合においても、電気化学セルの特性をさらに向上させることができる。貴金属含有層22の空孔率は、20体積%以上80体積%以下であることが好ましい。貴金属含有層の空孔率は、以下のようにして求めるものとする。まず、SEMによる断面観察により、貴金属含有層の空孔の面積(SN1)と貴金属含有層の貴金属部分の面積(SN2)を求め、次いで、これらの総和(SN1+SN2)に対する面積の比(SN1/(SN1+SN2))を求める。本実施形態においては、この面積比を体積比とみなす。例えば、面積比が20面積%の場合には、20体積%とする。貴金属含有層12の空孔率がこの範囲内であれば、貴金属の利用効率を低下させることなく、物質を十分に移動させることができる。
積層された複数の貴金属含有層22を部分的に一体化して金属部を構成することが好ましい。メカニズムはまだ完全に解明されていないが、電極反応のためのプロトン伝導または水素原子伝導をよりスムーズにできるためと考えられる。
(多孔質セラミックス層)
上述したように、多孔質セラミックス層23は空孔を有し、かつ隣り合う貴金属含有層22の間に存在している。多孔質セラミックス層23の空孔率が20体積%以上80体積%以下であることが好ましく、30体積%以上80体積%以下であることがより好ましい。多孔質セラミックス層23の空孔率をこの範囲にしたのは、空孔率が20体積%未満であると、多孔質セラミックス層の水制御能力が不十分であり、高電流密度における電気化学セル特性が不安定になる場合が多く、また空孔率が80体積%を超えると、電気化学セルの耐久性は低下する場合があり、多孔質セラミックス層の構造安定性が不十分となるおそれがあるからである。多孔質セラミックス層の空孔率は以下のようにして求めるものとする。まず、SEMによる断面観察により、多孔質セラミックス層の空孔の面積(SC1)と多孔質セラミックス層のセラミックス部分の面積(SC2)を求め、次いで、これらの総和(SC1+SC2)に対する面積の比(SC1/(SC1+SC2))を求める。本実施形態においては、この面積比を体積比とみなす。例えば、面積比が20面積%の場合には、20体積%とする。
電気化学セルの動作環境によって貴金属含有層の間に複数枚の多孔質セラミックス材料層を導入しても良い。この場合、耐久性と安定性の観点から隣り合う2枚多孔質セラミックス層の間の距離は5nm以上200nm以下であることが好ましい。
多孔質セラミックス層23の材料組成、材料構造については電気化学セルの作動環境における十分な化学安定性、電気化学安定性を持つなら、特に限定がない。例えば、多孔質セラミックス層13は、Ru、Ta、Sn、Zr、W、Nbのいずれかが含まれる酸化物から構成することができる。
多孔質セラミックス層23の厚みは、空隙の水詰まりの低減または保水能力の向上の観点から、5nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上80nm以下であることがより好ましい。
貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との間には、少なくとも空隙24が存在すればよく、空隙の他、例えば、繊維状炭素のような他の材料が配置されていてもよい。貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との間の空間における空隙率は、30体積%以上であることが好ましい。
本実施形態においては、貴金属含有層22間に多孔質セラミックス層23を配置しているので、優れたセル電圧、優れたロバスト性および優れた耐久性を得ることができる。すなわち、多孔質セラミックス層23は親水性であり、また多孔質セラミックス層23は空孔を有しているので、PEFC発電によってカソード側に水が生成され、空隙24に水が浸入した場合であっても、多孔質セラミックス層23で水を吸収できる。したがって、水が生成された場合であっても、燃料ガスの拡散を阻害することない。これにより、高湿度条件下であっても、セル電圧の低下を抑制できる。また、低湿度環境でも多孔質セラミックス層23が保有している水分の放出によって電解質膜の乾燥を低減できる。したがって、多孔質セラミックス層23の導入によって、高いセル電圧と優れたロバスト性を得ることができる。また、触媒層14が担体を含んでいないので、担体が腐食する問題も生じない。これにより優れた耐久性を得ることができる。
<<<触媒層および膜電極接合体の製造方法>>>
このような触媒層は、貴金属含有層を形成する工程(S01)と、前記貴金属含有層上に造孔材層を形成する工程(S02)と、前記造孔材層上に造孔材を含む造孔材含有セラミックス層を形成する工程(S03)とをこの順序で2回以上繰り返して、出発積層体を得る工程(S04)と、前記出発積層体から前記造孔材含有セラミック層の造孔材および前記造孔材層を除去する工程(S05)とを含む方法によって作製することができる。なお、各工程を繰り返した後に最後に貴金属含有層を形成してもよい。
具体的には、まず、図4(a)に示すように、基板21上に貴金属含有層22を形成する工程と、貴金属含有層22上に造孔材層25を形成する工程と、造孔材層25上に造孔材を含む造孔材含有セラミックス層26を形成する工程とをこの順序で2回以上繰り返して、基板21上に、貴金属含有層22と、造孔材層25と、造孔剤を含む造孔材含有セラミックス層26とを備える出発積層体27を形成する。
貴金属含有層には、造孔材が添加されていても良い。また、高い空孔率を達成するために貴金属含有層に造孔材を添加する必要がある場合もある。
貴金属含有層22、造孔材層25および造孔材含有セラミックス層26は、それぞれスパッタリング法または蒸着によって形成することができる。
造孔材は、後述する洗浄液に対する溶解性が、触媒材料(貴金属)よりも高いことが求められる。例えば、金属または金属酸化物を、造孔材として用いることができる。短時間で成膜および除去でき、作業性に優れ、低コストであるなどの点から造孔材としては金属が好ましい。造孔材に用いられる金属としては、例えばMn、Fe、Co、Ni、Zn、Sn、AlおよびCuからなる群から選択される金属が挙げられる。また、酸化物および窒化物などのセラミックスの粒子を、造孔材として使用してもよい。また、適切な空孔構造を形成するために、複数種類の造孔材を使用してもよい。
造孔材のスパッタリングまたは蒸着の際には、雰囲気に酸素を導入することによって、多孔質セラミックス層または酸化物の構造および安定性を調整することができる。雰囲気の酸素分圧は、20%未満であることが好ましい。
造孔材層25を構成する造孔材および造孔材含有セラミックス層26に含まれる造孔材26aは例えば洗浄液で洗浄することにより除去することができるので、洗浄液による洗浄で出発積層体27から造孔材層25および造孔材含有セラミックス層26の造孔材26aを除去することができる。洗浄液としては、酸性溶液またはアルカリ性溶液が用いられる。
続いて、出発積層体27から造孔材層25および造孔材含有セラミックス層26に含まれる造孔材を選択的に除去して、図4(b)に示すように、多孔質セラミックス層23、および貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との間に空隙24を形成する。なお、貴金属含有層が造孔材層25と同じ造孔材を含む場合には、造孔材層25の除去の際に、貴金属含有層にも空孔が形成される。
このように、空隙24を挟んで複数の貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23とを含む触媒層15が得られる。自己組織化によって、複数の貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23とは、例えばそれぞれ層の端部の融合(図示せず)によって物理的に繋がっている。
造孔材の除去については、場合によっては、電解または洗浄と電解とを組み合わせて、造孔材を除去しても良い。さらに、これらの処理の前後に熱処理を行ってもよい。出発積層体27から造孔材(造孔金属)を除去する際、造孔材を完全には除去できないことがある。そのため、出発積層体27において造孔材が占める割合を、目標とする多孔度よりも高くしてもよい。
造孔金属の溶解に伴って、触媒材料が洗浄液中に溶出する場合があるが、出発積層体27を予め基板に固定することによって、これを抑制することができる。具体的には、出発積層体27に、ナフィオン(デュポン社製)などのポリマー溶液を含浸させ、その後、乾燥させてから造孔金属を溶解させる。必要に応じて、洗浄液中の溶存酸素を取り除いてもよい。
触媒層15には、造孔材の一部が残存していてもよい。残存した造孔材は、安定な酸化物を形成し、触媒材料の成長抑制、触媒層の構造の維持およびプロトン伝導の促進などに寄与すると考えられる。
得られた触媒層15には、スプレーまたは含浸法によってナフィオン(デュポン社製)などのポリマー溶液を付与してもよい。これによって、触媒層15のプロトン伝導性を高めることができる。
触媒層15と他の部材との密着性も高められる。触媒層15の撥水性を調整するために、撥水剤を付与することもできる。撥水剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、疎水化処理したシリカなどが挙げられる。
また、このような触媒層は、貴金属含有層を形成する工程(S11)と、前記貴金属含有層上に造孔材層を形成する工程(S12)と、前記造孔材層上に多孔質セラミックス層を形成する工程(S13)とをこの順序で2回以上繰り返して、出発積層体を得る工程(S14)と、前記出発積層体から前記造孔材層を除去する工程(S15)とを含む方法によって作製することも可能である。なお、各工程を繰り返した後に最後に貴金属含有層を形成してもよい。
具体的には、まず、基板上に貴金属含有層22を形成する工程と、貴金属含有層22上に造孔材層を形成する工程と、造孔材層上に多孔質セラミックス層23を形成する工程とをこの順序で2回以上繰り返して、基板上に、貴金属含有層22と、造孔材層と、多孔質セラミックス層23とを備える出発積層体を形成する。続いて、この出発積層体から造孔材層を選択的に除去して、貴金属含有層22と多孔質セラミックス層23との間に空隙24を形成し、これにより、触媒層15が得られる。なお、この方法における造孔材層は、造孔材層25と同様であるので、説明を省略するものとする。
MEA10は、触媒層14、15を用いて、例えば以下の手順により作製することができる。例えば、触媒層14、15の基板がガス拡散層16、17の場合は基板が外側になるように触媒層14と触媒層15で電解質膜13を挟んで図1に示すように積層し、加熱および加圧して接合する。これによりMEA1が得られる。
触媒層14、15の基板が転写用基板の場合は、まず、転写用基板から触媒層14をガス拡散層16に転写するとともに触媒層15をガス拡散層17に転写する。2つの触媒層で電解質膜13を挟んで図1に示すように積層し、加熱および加圧して接合することによりMEA10が得られる。あるいは、触媒層14、15の少なくとも一方を、電解質膜13に転写した後、触媒層14、15の上にガス拡散層16、17を配置してもよい。これらを図1に示すように積層し、加熱および加圧して接合する。これによりMEA1が得られる。
各部材の接合は、一般的には、ホットプレス機を使用して行われる。プレス温度は、電極11、12および電解質膜13において結着剤として使用される高分子電解質のガラス転移温度より高い温度であり、一般的には、100〜400℃である。プレス圧は、電極2、3の硬さに依存するが、一般的には、5〜200kg/cmである。
本実施形態においては、MEA10は、図2に示す構造の触媒層14を備えているので、上述した理由から、高いセル電圧、優れたロバスト性、および優れた耐久性を得ることができる。
<<<電気化学セル>>>
以下、電気化学セルについて説明するが、ここで示す電気化学セルは、燃料電池における単セルとして説明する。
図5に示される単セル30は、図1に示した膜電極接合体10を、アノードセパレータお31よびカソードセパレータ32でそれぞれ挟持した構造を有する。
アノードセパレータ31およびカソードセパレータ32は、それぞれ、空気および燃料をMEA1に供給するための流路31a、32aを含んでいる。触媒層14、15およびガス拡散層16、17の両側面には、それぞれシール部材33、34を配置し、MEA10からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
この単セル30を複数積層し、直列につないで燃料電池(図示せず)が得られる。複数のMEA10を使用した場合には、より高い起電力を得ることができる。燃料電池の形状は特に限定されず、所望する電圧などの電池の特性に応じて適宜選択される。燃料電池は、スタック構造に限らず、平面配置構造を有していてもよい。また、燃料電池に含まれる単セルの数も、特に限定されない。
燃料としては、例えば、水素、改質ガス、メタノール、エタノールおよび蟻酸からなる群より選択される少なくとも1種類を含んだ水溶液を使用することができる。
本実施形態における電気化学セルは、電解セルまたはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型電気化学セルとすることもできる。例えば電解セルは、電極11としてアノードの代わりに酸素発生触媒電極を含む以外は、上述の燃料電池と同様の構成とすることができる。
本実施形態に係る単セル30は、図2に示す構造の触媒層14を備えているので、上述した理由から、高いセル電圧、優れたロバスト性、および優れた耐久性を得ることができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態に係る触媒層およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。図6は本実施形態に係る触媒層の概略構成図であり、図7および図8は本実施形態に係る触媒層の模式的な製造工程図である。
<<<触媒層>>>
第1の実施形態では図2の構造を有する触媒層15を用いているが、本実施形態では触媒層15の代わりに、図4に示される構造を有する触媒層40を用いる。なお、触媒層40は、第1の実施形態と同様にMEA10や単セル30に組み込まれて使用される。
本実施形態の触媒層40は、図6に示されるように、基板41と、基板41上に積層された2以上の貴金属含有層42と、貴金属含有層42間に配置された空孔43aを含む多孔質セラミックス層43とを備える。貴金属含有層42と多孔質セラミックス層43との間には空隙44が存在おり、また繊維状炭素45が配置されている。この場合、空隙44は、繊維状炭素45間にも存在している。なお、基板41、貴金属含有層42、多孔質セラミックス層43、空隙44は、基板21、貴金属含有層22、多孔質セラミックス層23、空隙24と同様であるので、説明を省略するものとする。
繊維状炭素45は、空隙の確保の観点から、2nm以上500nm以下の直径を有していることが好ましい。
本実施形態においては、図6に示す構造の触媒層40を備えているので、上述した理由と同様の理由から、高いセル電圧、優れたロバスト性、および優れた耐久性を得ることができる。また、本実施形態においては、貴金属含有層42と多孔質セラミック層43との間に、空隙44の他に、繊維状炭素45が配置されているので、触媒層40の形状を保持することができ、潰れ難い。これにより、耐久性をさらに向上させることができる。
<<触媒層の製造方法>>
このような触媒層は、貴金属含有層を形成する工程(S21)と、前記貴金属含有層上に炭素合成触媒層を形成する工程(S22)と、前記炭素合成触媒層上に造孔材層を形成する工程(S23)と、前記造孔材層上に造孔材を含む造孔材含有セラミックス層を形成する工程(S24)と、前記造孔材含有セラミックス層上に炭素合成触媒層を形成する工程(S25)と、前記炭素合成触媒層上に造孔材層を形成する工程(S26)と、貴金属含有層を形成する工程(S21)から前記造孔材含有セラミックス層上に炭素合成触媒層を形成する工程(S25)までをこの順序で2回以上繰り返して、出発積層体を得る工程(S27)と、前記出発積層体から前記造孔材層および前記造孔材含有セラミック層の造孔材を除去する工程(S28)と、造孔材層の除去によって形成された空隙に炭素を含むガスを用いて炭素合成触媒層上に繊維状炭素を形成する工程(S29)と、繊維状炭素を形成した後、炭素合成触媒を除去する工程(S30)とを含む方法によって作製することができる。なお、各工程を繰り返した後に最後に貴金属含有層を形成してもよい。
具体的には、まず、図7(a)に示すように、基板上41に貴金属含有層42を形成する工程と、貴金属含有層42上に炭素合成触媒層46を形成する工程と、炭素合成触媒46上に造孔材層47を形成する工程と、造孔材層47上に造孔材48aを含む造孔材含有セラミックス層48を形成する工程と、造孔材含有セラミックス層48上に炭素合成触媒層46を形成する工程と、炭素合成触媒層46上に造孔材層47を形成する工程とをこの順序で2回以上繰り返して、基板41上に、貴金属含有層42と、造孔材層45、炭素合成触媒46と、造孔材層47と、造孔材含有セラミック層48と、炭素合成触媒46と、造孔材層47とを備える出発積層体49を形成する。
造孔材層47および造孔材48aは、造孔材層25および造孔材26aと同様であるので、説明を省略するものとする。炭素合成触媒層46は、炭素合成触媒から構成されている。炭素合成触媒は特に限定されず、例えば、Ni、CoおよびFeから選択される金属(A)を用いることができる。この金属(A)は、AlおよびCuなどから選択される金属(B)との合金として用いてもよい。さらに、前述の金属(A)と他の物質との混合物など、一般的な合成触媒を炭素合成触媒として用いることができる。貴金属含有層42の高温処理による触媒層構造崩れを防ぐため、炭素合成触媒として、繊維状炭素の合成温度を低く抑制できるNi系、Co系合成触媒を用いることが好ましい。
後述するように造孔材層47および造孔材48aは除去するが、炭素合成触媒層46は残存させなければならないので、造孔材と炭素合成触媒とは異なる金属を用いる必要がある。例えば、炭素合成触媒にNiを用いたときは、造孔材としてNi以外の金属、例えばAlを用いることが必要である。
続いて、出発積層体49からから造孔材層47および造孔材含有セラミックス層48に含まれる造孔材48aを選択的に除去して、図7(b)に示すように、多孔質セラミックス層43、ならびに炭素合成触媒層46と多孔質セラミックス層43との間および貴金属含有層42と炭素合成触媒46との間に空隙44を形成する。なお、貴金属含有層が造孔材層47と同じ造孔材を含む場合には、造孔材層47の除去の際に、貴金属含有層にも空孔が形成される。
出発積層体49から造孔材を選択的に除去する工程について、本実施形態においては炭素合成触媒層46を残存させる必要があるため、洗浄液を選ぶなど除去工程を考慮する必要がある。本発明は造孔材としてAlを用い、繊維状ナノカーボンの合成触媒としてNiを用いる場合には、洗浄液としてアルカリ溶液を用いることができる。
造孔材層47および造孔材含有セラミックス層48に含まれる造孔材48aが除去されることによって、貴金属含有層42と、炭素合成触媒46と、空隙44と、多孔質セラミックス層43とを含む含空隙積層体50が得られる。自己組織化によって、複数の貴金属含有層42と、炭素合成触媒層46と、多孔質セラミックス層43とは、例えばそれぞれ層の端部の融合(図示せず)によって物理的に繋がっている。なお、この工程においては、造孔材の除去は不十分な場合が多い。
造孔材の除去については、場合によっては、電解または洗浄と電解とを組み合わせて、造孔材を除去しても良い。さらに、これらの処理の前後に熱処理を行ってもよい。出発積層体60から造孔材(造孔金属)を除去する際、造孔材を完全には除去できないことがある。そのため、出発積層体49において造孔材が占める割合を、目標とする多孔度よりも高くしてもよい。
造孔金属の溶解に伴って、触媒材料が洗浄液中に溶出する場合がある。出発積層体49を予め基板に固定することによって、これを抑制することができる。具体的には、出発積層体49に、ナフィオン(デュポン社製)などのポリマー溶液を含浸させ、その後、乾燥させてから造孔金属を溶解させる。必要に応じて、洗浄液中の溶存酸素を取り除いてもよい。
次いで、熱CVD法によって空隙44中に繊維状炭素45を合成する。熱CVDは空隙44中に例えばCなど炭素を含むガスを流し、かつ300〜700℃に含空隙積層体50を加熱した状態で行なうことができる。これによって、図8(a)に示されるように繊維状炭素45が生じて、空隙44に繊維状炭素45が形成され、含繊維積層体51が得られる。なお、含繊維積層体51においては、炭素合成触媒層46は、層状ではなく、粒状の炭素合成触媒46aとなっている。
繊維状炭素45を形成した後、炭素合成触媒46aと残存の造孔材を除去する。これにより、空隙44および繊維状炭素45が形成され、図8(b)に示すような触媒層40が得られる。炭素合成触媒46aは、例えば酸性溶液で洗浄して除去することができる。酸性溶液としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、またはこれらの混合液が挙げられる。こうした酸性溶液中に、前述の含繊維積層体51を5分〜50時間程度浸漬することによって、炭素合成触媒46aが除去される。この際、酸性溶液を加熱して約50〜100℃にしてもよい。
炭素合成触媒46aは、洗浄後にも触媒層40の内部に残留することが多い。残留した炭素合成触媒46aは、酸化物などとして水の吸収源などとして特性向上に寄与すると思われる。炭素合成触媒46aの金属における金属成分中、Ni、Co、Feの含有量は、0.5原子%以上50原子%以下であることが好ましい。なお、繊維状炭素の形態及び生成量を制御するため、炭素合成触媒の助触媒としてCuなど他の材料を炭素合成触媒に導入する場合がある。
得られた触媒層40には、スプレーまたは含浸法によってナフィオン(デュポン社製)などのポリマー溶液を付与してもよい。これによって、触媒層40のプロトン伝導性または吸水性を高めることができ、PEFCの発電特性を向上させることができる。
触媒層40と他の部材との密着性も高められる。触媒層40の撥水性を調整するために、撥水剤を付与することもできる。撥水剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、疎水化処理したシリカなどが挙げられる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<実施例1〜4>
まず、基板として、表面に厚さ1〜50μmの炭素層を有するカーボンペーパーToray060(東レ社製)を用意した。この基板上に、スパッタリング法により貴金属含有セラミックス層を形成した。さらに、貴金属含有層上にスパッタリング法により造孔材層、造孔材含有セラミックス層、および造孔材層を順次形成した。そして、触媒ローディング量が0.1mg/cmになるように各層をさらに順次形成して、出発積層体を得た。なお、触媒ローディング量は、電極面積が1cm当たりの触媒(貴金属)の量を表わす。得られた出発積層体を、60〜100℃の0.5Mの硫酸水溶液に12時間浸漬して、出発積層体に酸処理を施し、出発積層体から造孔材含有セラミックス層および造孔材層を除去した。この酸処理を2回繰り返した後、純水で洗浄した。最後に、得られた積層体を60℃〜100℃で乾燥させて実施例1〜4に係る触媒層を得た。なお、貴金属含有層、造孔材層、多孔質セラミックス層の組成、厚み、空孔率等は、表1に示されるものであった。
<実施例5〜8>
まず、基板として、表面に厚さ1〜50μmの炭素層を有するカーボンペーパーToray060(東レ社製)を用意した。この基板上に、スパッタリング法により貴金属含有層を形成した。さらに、貴金属含有層上にスパッタリング法により炭素合成触媒層、造孔材層、造孔材含有セラミックス層、および造孔材層を順次形成した。そして、触媒ローディング量が0.1mg/cmになるように各層をさらに順次形成して、出発積層体を得た。得られた出発積層体を、60〜100℃のNaOH水溶液(pH:10〜14)に30分浸漬して、出発積層体にアルカリ処理を施し、出発積層体から造孔材含有セラミックス層の造孔材および造孔材層を除去した。このアルカリ処理を2回繰り返した後、純水で洗浄し、得られた積層体を乾燥させて含空隙積層体を得た。
続いて、Cのガスを流し、かつ含空隙積層体を300℃〜500℃に加熱して、熱CVD法により炭素合成触媒層上に繊維状炭素を形成し、繊維状炭素を有する含繊維積層体を作製した。
次いで、含繊維積層体を60〜100℃の0.5Mの硫酸水溶液に30分浸漬して、含繊維積層体に酸処理を施した。この酸処理を2回繰り返した後、含繊維積層体を純水で洗浄した。最後に、含繊維積層体を乾燥させて触媒層を得た。なお、貴金属含有層、炭素合成触媒層、造孔材層、多孔質セラミックス層の組成、厚み、空孔率等は、表1に示されるものであった。
<比較例1>
比較例1においては、多孔質セラミックス層を設けなかったこと以外、実施例1と同様の手法によって、触媒層を作製した。なお、比較例1に係る貴金属含有層の組成等は、表1に示されるものであった。
<比較例2>
市販の粒子状Pt触媒(田中貴金属社製、型番TEC10E50E−HT)2g、純水5g、20%ナフィオン(デュポン社製)溶液5g、および2−エトキシエタノール20gを混合した。得られた混合物を十分に攪拌して、分散させて、スラリーを作製した。撥水処理したカーボンペーパー(350μm、東レ社製)を用意し、この上に、コトロールコータにより上記スラリーを塗布し、乾燥させた。これによって、Pt触媒のローディング密度0.1mg/cmのPt触媒層(標準電極)を得た。
実施例1〜8および比較例1、2で得られた触媒層をカソードとして用い、かつ比較例3のPt触媒層をカソードとして用いてMEAを構成し、それぞれ評価した。具体的には、実施例1〜8および比較例1、2で作製された触媒層を、7.07cm×7.07cmの正方形の切片を切り取って、カソードとして用いた。カソードの面積は約50cmであった。
カソードおよびアノードでナフィオン211(デュポン社製)を挟み、温度125℃、圧力15kg/cmで、1分間熱圧着して接合することによりMEAを得た。比較のため、カソードおよびアノードの両方に前述の標準電極を使用して、標準MEAを作製した。
<燃料電池の単セルの作製>
得られたMEAをアノードセパレータおよびカソードセパレータでそれぞれ挟んで、高分子電解質型燃料電池の単セルを作製した。アノードセパレータおよびカソードセパレータのそれぞれには、流路が設けられている。
作製した触媒層、MEAおよび単セルを用いて、以下の項目について評価した。
<空孔率および層間最大距離測定>
実施例1〜8および比較例1で得られた触媒層を切断した。例えば、触媒層が矩形の場合には、その短辺の中心を長辺に平行に切断した。また、比較例2の触媒層も同様に切断した。それぞれの触媒層について、切断面の中央の位置をSEMにより観察した。
実施例1〜4の触媒層は、複数の貴金属含有層と、貴金属含有層間に空隙を介して配置された多孔質セラミックス層とを有する積層構造を含むことが確認された。実施例5〜8の触媒層は、複数の貴金属含有層と、貴金属含有層間に空隙および繊維状炭素を介して配置された多孔質セラミックス層とを有する積層構造を含むことが確認された。比較例1の触媒層は、空隙を介して複数の貴金属含有層が離間して積層された積層構造を含むことが確認された。比較例2の触媒層は、細孔を含む単層構造であった。
また、触媒層を、厚さ方向に沿って、上部、中部および下部で切断した。さらに、各々について、3箇所でSEMにより観察した。合計9視野の40〜80万倍のSEM像を得て、コントラストから、貴金属含有層における貴金属部分または多孔質セラミックス層におけるセラミックス部分と空孔とを区別した。各視野の貴金属含有層について、空孔が占める面積(SN1)を計測し、また貴金属が占める面積(SN2)を計測した。そして、これらの面積を基に、これらの総和(SN1+SN2)に対する面積の比(SN1/(SN1+SN2))を求め、この面積比を体積比とみなした。各々の視野について体積比を算出し、9視野の体積比の平均値を貴金属含有層の空孔率とした。また、同様に、各視野の多孔質セラミックス層について、空孔が占める面積(SC1)を計測し、またセラミックスが占める面積(SC2)を計測した。そして、これらの面積を基に、これらの総和(SC1+SC2)に対する面積の比(SC1/(SC1+SC2))を求め、この面積比を体積比とみなした。各々の視野について体積比を算出し、9視野の体積比の平均値を多孔質セラミックス層の空孔率とした。
多孔質セラミックス層と隣り合う貴金属含有層との最大距離は、触媒層厚さ方向において各多孔質セラミックス材料層と隣り合う貴金属含有層との間の距離を測定し、それぞれの最大距離を求めた。そして、9視野の平均値を最大距離とした。
<セル電圧測定およびロバスト性評価>
得られた単セルに対して、一日コンディショニングを行った。その後、65℃に維持し、アノードに燃料として水素を供給するとともにカソードに空気を供給した。水素の流量は0.5L/minとし、空気の流量は2L/minとした。水素および空気の相対湿度は、いずれも60%であった。水素および空気の供給とともに、1A/cmの電流密度で電流を放電させて、10分後のセル電圧(V)を測定した。
ロバスト性評価においては、水素および空気の湿度をいずれも100%に変更する以外は上述と同様な測定を行なった。セル電圧の変化(ΔV)に応じて、以下のような評価基準によってロバスト性を評価した。なお、ロバスト性は、AまたはBであれば合格レベルとする。
ΔV≦25mV:ロバスト性A
25<ΔV≦50mV:ロバスト性B
ΔV>50mV:ロバスト性C
<耐久性>
以下の耐久性プロトコルに従って、耐久性を評価した。アノードに水素を流量0.2L/minで供給するとともに、カソードに窒素を流量1L/minで供給しながら、単セルを65℃に維持した。水素および窒素の相対湿度は、いずれも100%とした。この状態で、セル電圧0.6Vに3秒間を保持した後、1.0Vに3秒間を保持して、1サイクルとする。このサイクルを、合計30,000サイクル繰り返した。その後、65℃に維持し、アノードに燃料として水素を流量0.5L/minで供給するとともに、カソードに空気を流量2L/minで供給し、水素および空気の相対湿度は、いずれも60%であった。1A/cmの電流密度で電流を放電させ、10分後のセル電圧(V)を測定した。耐久性評価前のセル電圧(V)と比較して低下率(100×(V−V)/V)を求めた。低下率に応じて、以下のように耐久性を評価した。なお、耐久性は、AAまたはAであれば合格レベルとする。
5%以下:AA
5%超10%以下:A
10%超20%未満:B
20%超:C
以下、結果を表2に示す。
比較例1に係る触媒層は、多孔質セラミックス材料層を含有しないために、湿度依存が大きく、ロバスト性が劣っていた。多孔質セラミック層を含まない比較例2の触媒層では、セル電圧が低いのに加えて耐久性が劣っていた。これに対し、実施例1〜8に係る触媒層は、燃料電池の単セルに使用した場合、高いセル電圧、優れたロバスト性、および優れた耐久性を全て備えていたことが理解できる。ここで、実施例5〜8に係る触媒層は、実施例1〜4に係る触媒層よりも耐久性に優れていた。これは、実施例5〜8に係る触媒層が、繊維状炭素を含有したためであると考えられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…膜電極接合体(MEA)、11、12…電極、13…電解質膜、14、15、40…触媒層、16、17…ガス拡散層、22、42…貴金属含有層、23、43…多孔質セラミックス層、23a、43a…空孔、24、44…空隙層、30…単セル。

Claims (11)

  1. 貴金属を含む2以上の貴金属含有層と、
    前記貴金属含有層間に配置された多孔質セラミックス層とを備え、
    前記貴金属含有層と前記多孔質セラミックス層との間に空隙が存在することを特徴とする、触媒層。
  2. 前記貴金属含有層と前記多孔質セラミックス層との間に配置された繊維状炭素をさらに含む、請求項1に記載の触媒層。
  3. 前記貴金属含有層と前記多孔質セラミックス層との最大距離が10nm以上300nm以下である、請求項1または2に記載の触媒層。
  4. 前記貴金属含有層が当該貴金属含有層の内部に空孔を有し、かつ前記貴金属含有層の空孔率が20体積%以上80体積%以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の触媒層。
  5. 前記多孔質セラミックス層が当該多孔質セラミックス層の内部に空孔を有し、かつ前記多孔質セラミックス層の空孔率が20体積%以上80体積%以下である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の触媒層。
  6. 前記多孔質セラミックス層の膜厚が5nm以上100nm以下である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の触媒層。
  7. 前記多孔質セラミックス層が、Ru、Ta、Sn、Zr、WおよびNbから選択される少なくとも1種以上の元素を含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の触媒層。
  8. 貴金属を含む貴金属含有層を形成する工程と、前記貴金属含有層上に造孔材層を形成する工程と、前記造孔材層上に造孔材を含む造孔材含有セラミックス層を形成する工程とをこの順番で2回以上繰り返す工程と、
    前記造孔材層および前記造孔材含有セラミックス層中の前記造孔剤を除去する工程と
    を備える、触媒層の製造方法。
  9. 貴金属を含む貴金属含有層を形成する工程と、前記貴金属含有層上に造孔材層を形成する工程と、前記造孔材層上に多孔質セラミックス層を形成する工程とをこの順番で2回以上繰り返す工程と、
    前記造孔材層を除去する工程と
    を備える、触媒層の製造方法。
  10. 離間し、かつ対向して配置された一対の電極と、
    前記一対の電極間に配置された電解質膜とを備え、
    前記一対の電極の少なくとも一方が、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の触媒層を含むことを特徴とする、膜電極接合体。
  11. 請求項10に記載の膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータとを備えることを特徴とする、電気化学セル。
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