JP2007222732A - 電極触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性材料の腐食/劣化を抑制・防止でき、これにより耐久性に優れ、長期にわたり高い触媒活性を示す電極触媒を提供する。
【解決手段】導電性材料に触媒粒子を担持させてなる電極触媒において、導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径をXとした場合、ある任意の触媒粒子Aに対して、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心が触媒粒子Aの重心と0.5X〜2Xの距離の範囲になるように、触媒粒子が導電性材料に担持されていることを特徴とする電極触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極触媒、好ましくは電解質膜−電極接合体(CCM)、特に燃料電池用電解質膜−電極接合体に使用される電極触媒、前記電気触媒を含むカソード触媒層および/またはアノード触媒層を有する電解質膜−電極接合体(CCM)、特に燃料電池用電解質膜−電極接合体、および当該電解質膜−電極接合体を有する燃料電池、特に固体電解質型燃料電池に関するものである。より詳細には、本発明は、導電性材料に触媒粒子を担持させてなる電極触媒中の導電性材料(特に、カーボン担体)の腐食を抑制・防止できる電極触媒、好ましくは電解質膜−電極接合体(CCM)、特に燃料電池用電解質膜−電極接合体に使用される電極触媒、前記電気触媒を含むカソード触媒層および/またはアノード触媒層を有する電解質膜−電極接合体(CCM)、特に燃料電池用電解質膜−電極接合体、および当該電解質膜−電極接合体を有する燃料電池、特に固体電解質型燃料電池に関するものである。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動して高出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。特に、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動することから、電気自動車用電源として期待されている。固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、電解質膜−電極接合体を、ガス拡散層さらにはセパレータで挟持した構造となっている。電解質膜−電極接合体は、高分子電解質膜が一対の電極触媒層により挟持されてなるものである。
このような電解質膜−電極接合体を有する固体高分子型燃料電池では、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、アノード側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒成分により酸化され、プロトンおよび電子となる(2H→4H+4e)。次に、生成したプロトンは、電極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらに電極触媒層と接触している高分子電解質膜を通り、カソード側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、電極触媒層を構成している導電性材料、さらに電極触媒層の高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、セパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子はカソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する(O+4H+4e→2HO)。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
従来の電極触媒層に含まれる電極触媒では、通常、カソード側電極触媒層およびアノード側電極触媒層ともに白金または白金合金等の触媒金属を微細化して、カーボンブラック等の比表面積の大きい担体に高分散担持させた電極触媒が用いられている。このような電極触媒は、触媒金属表面の電極反応面積が大きいため、触媒活性を高くすることができる。しかしながら、カソード側の酸素還元反応は活性化エネルギーが大きく、カソードに過電圧(抵抗)が生じ、0.8V以上の貴電位環境となった場合や、起動停止/連続運転を繰返すうちに、触媒成分である白金の溶出やカーボン担体の腐食が発生する。特に、カソード側では、アノード側で水素から得たプロトンがカソード側に供給される酸素と結合して水を生成するため、C+2HO→CO+4H+4e等の二酸化炭素を生成する反応が進行すると考えられる。このようにして生じた二酸化炭素により、導電性材料の腐食が起こり、担体表面に担持される触媒金属も遊離・凝集し、結果として触媒活性の低下や電池性能の低下を引き起こす。一方、アノード側では燃料不足が起こった場合、所望の電流密度を保つために燃料の酸化反応に代わって水の電気分解や導電性材料の酸化が発生するため、カソードの場合と同様にアノードにおいても導電性材料が腐食・消失し、触媒金属の遊離・凝集が起こる。
このため、導電性材料の腐食を防止して寿命特性を向上する手段について様々な検討がなされている。例えば、担体として使用するカーボンブラックをあらかじめ高温で熱処理して結晶化度を上げて高耐食性の黒鉛化度を高める方法が採られ、熱処理温度が高いほど耐食性が向上するとし、熱処理されたカーボンブラックの結晶化度が規定されている(特許文献1〜4)。また、加熱処理する際に、触媒担持カーボンに黒鉛化を促進する物質を混合して低い熱処理温度でカーボンの黒鉛化を行い、かつ黒鉛化の前または後で水蒸気等による賦活処理を行なって、寿命が長くしかも触媒貴金属を高分散状態に担持した触媒もある(特許文献5)。
特開2000−268828号公報 特開2001−357857号公報 特開2002−15745号公報 特開2003−36859号公報 特開2000−273351号公報
上記特許文献1〜4に記載するように、カーボンブラックの腐食を防止して寿命特性を向上するためにカーボンブラックを熱処理する方法では、熱処理温度が高いほどカーボンブラックの耐食性は向上する方向にある。しかしながら、同時にカーボンブラックのBET比表面積は減少する傾向にあり、カーボンブラック上に担持された白金微粒子はカーボンブラックの熱処理温度が高いほど粒子径が大きくかつ分散度が低下し、触媒活性が低下して燃料電池の発電セル電圧が低くなる。また、上記特許文献5の方法でカーボンの黒鉛化を行うと、黒鉛化の前または後で水蒸気等による賦活処理を行う必要があり、操作が煩雑である。
また、上記特許文献1〜5では、いずれも導電性材料上に担持される触媒成分の担持状態については何ら検討が行なわれていなかった。本発明者は、導電性材料上の触媒成分の担持状態を調べたところ、以下のようなことが分かった。すなわち、図1A上段に示されるように、触媒成分が凝集する部分や逆に担体表面が多く露出する部分が存在し、全体として触媒成分が不均一に担体上に担持するが、このような場合には、図1A下段に示されるように、水が担体表面が多く露出する部分と接触しやすいため、この部分では上記したような反応が起きて、二酸化炭素による導電性材料の腐食/劣化が起こる。ゆえに、このような電極触媒を使用した触媒層を有する燃料電池では、起動停止/連続運転を繰り返すうちに触媒活性の低下や電池性能の低下が起こるという問題があった。また、図1B上段に示されるように、触媒粒子径のバラツキの大きい部分が存在していたりする場合もあった。このような場合には、図1B下段に示されるように、粒子径の小さい触媒成分が多く存在する部分と水とが接触して、このような部分にはやはり上記したような反応が起きて、二酸化炭素による導電性材料の腐食/劣化が起こるため、このような電極触媒を使用した触媒層を有する燃料電池では、起動停止/連続運転を繰り返すうちに触媒活性の低下や電池性能の低下が起こるという問題があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、導電性材料の腐食/劣化を抑制・防止でき、これにより耐久性に優れ、長期にわたり高い触媒活性を示す電極触媒を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、カーボン腐食や触媒成分の溶出、導電性材料の劣化などの劣化要因やエンドプレートの締め付け圧力があっても、電極触媒層の構造(特に、空孔構造)を維持して、ガスの拡散性や生成水の排出性を良好に保持できる電極触媒を提供することである。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、導電性材料(特にカーボン担体)上に担持した触媒成分の担持状態を一定の間隔に存在するように規定することにより、担体の耐腐食性を向上できることを見出し、これにより本発明を完成した。
すなわち、上記目的は、導電性材料に触媒粒子を担持させてなる電極触媒において、導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径をXとした場合、ある任意の触媒粒子Aに対して、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心が触媒粒子Aの重心と0.5X〜2Xの距離の範囲になるように、触媒粒子が導電性材料に担持されていることを特徴とする電極触媒によって達成される。
本発明によれば、触媒粒子を一定の分散状態になるように導電性材料上に担持させることにより、導電性材料と水の共存下、高電位状態で起こる導電性材料の腐食を抑制・防止でき、本発明の電極触媒は耐久性に優れ、長期にわたり高い触媒活性を示す。このため、このような電極触媒をカソードおよび/またはアノード触媒層に用いたCCMを有する燃料電池は、起動停止/連続運転中の触媒層、特にカソード触媒層の導電性材料(特に、カーボン担体)の腐食を有効に防止/抑制できる。
本発明の第一は、導電性材料に触媒粒子を担持させてなる電極触媒において、導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径をXとした場合、ある任意の触媒粒子Aに対して、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心が触媒粒子Aの重心と0.5X〜2Xの距離の範囲になるように、触媒粒子が導電性材料に担持されていることを特徴とする電極触媒を提供するものである。したがって、本発明の電極触媒は、図2上段に示されるように、触媒粒子が一定の間隔で導電性材料上に高分散して存在する。このため、図2下段に示されるように、本発明の電極触媒では、カソード触媒層側で水が生成しても、触媒粒子が水と導電性材料との接触、即ち、C+2HO→CO+4H+4eの反応を有効に抑制・防止できる。同時に、アノード側においても、燃料不足時に所望の電流密度を保つための燃料の酸化反応をも有効に抑制・防止できる。したがって、本発明の電極触媒を、カソードおよび/またはアノード触媒層、特にカソード触媒層に使用した燃料電池は、耐久性に優れ、起動停止/連続運転を繰り返し行なった後であっても、触媒活性の低下を抑制でき、ゆえに長期にわたり優れた電池性能を維持することができる。上記利点に加えて、本発明の電極触媒は、上述したように導電性材料の腐食/劣化が有意に抑制/防止されるので、カーボン腐食や触媒成分の溶出、導電性材料の劣化などの劣化要因やエンドプレートの締め付け圧力により、電極触媒層の構造(特に、空孔構造)が損なわれることなく、電極触媒層の構造(特に、空孔構造)が良好に維持され、ガスの拡散性や生成水の排出性を良好に保持できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明では、導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径をXとした場合、ある任意の触媒粒子Aに対して隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心が、触媒粒子Aの重心と0.5X〜2Xの距離の範囲になるように、触媒粒子が導電性材料に担持されている、換言すると、ある任意の触媒粒子Aの重心からの距離が0.5X〜2Xの距離の範囲に3つ以上の触媒粒子の重心を置くように、触媒粒子群を導電性材料上に担持させることが必須の構成要件である。この際、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心と触媒粒子Aの重心との距離が2Xを超えると、図1Aに示されるように、触媒粒子間が開きすぎ、導電性材料表面の曝露面積が大きくなりすぎて、導電性材料表面と水が接触する可能性が高くなり、この部分では特に、高電位の状態にさらされる運転条件下で導電性材料の腐食/劣化が著しく生じるため好ましくない。一方、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心と触媒粒子Aの重心との距離が0.5X未満であると、触媒粒子同士の接触が増えるため、燃料ガス/酸化剤ガスと電極触媒と電解質との三相界面が小さくなり、触媒活性が低下するため好ましくない。本発明において、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心と触媒粒子Aの重心との距離(Y)は、導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径をXに対して、下記式を満足することが好ましい。
なお、本明細書において、「隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心と触媒粒子Aの重心との距離」は、導電性材料上に担持される各触媒粒子の分散状態を示す指標である。このため、各触媒粒子の粒径が同じであるとした場合には、例えば、図3Bに示されるように、触媒粒子A(図3B中の真ん中の円)と隣接する4個の触媒粒子の各円周が触媒粒子Aの円周と接する場合には、隣接する触媒粒子の重心と触媒粒子Aの重心との距離(Y)は1.0Xとなる。また、図3Aのように触媒粒子Aと隣接する4個の触媒粒子の重心が触媒粒子Aの円周上に存在する場合には、当該距離(Y)は、0.5Xであると記載される。さらに、図3Dのように、触媒粒子Aの重心と、当該触媒粒子Aの重心との距離が、触媒粒子Aの粒径の2倍である場合には、当該距離(Y)は、2.0Xであると記載される。なお、図3では、触媒粒子を球状と仮定しているため、重心と中心が同じである。また、図3から明らかなように、隣接する触媒粒子の重心と触媒粒子Aの重心との距離(Y)が0.5X〜2Xの距離の範囲である場合の、触媒粒子の占有率(単位格子当たりの触媒粒子が占める面積の割合(%))は14.9〜81.0%である。
この際、「触媒粒子の平均粒径」は、X線回折における触媒成分の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒粒子100〜1000個の粒子径の平均値により測定することができる。ただし、本明細書では、「触媒粒子の平均粒子径X」は、透過型電子顕微鏡(TEM)像より調べられる触媒粒子100個の粒子径の平均値とする。
また、本発明においては、導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径がXであり、触媒粒子が直径Xの球形と仮定した場合、1gあたりの触媒粒子が導電性材料を占有する面積S1、1gあたりの導電性材料の表面積S2(ただし、S2は、孔径X以下の細孔内における表面積を除くものとする)、電極触媒中の触媒成分の質量分率G1及び電極触媒中の導電性材料の質量分率G2が、式:(S1・G1)/(S2・G2)=0.2〜1.35を満たすことが好ましい。このような割合で触媒粒子が導電性材料を被覆する場合には、電極触媒は、十分な導電性材料の腐食の抑制/防止効果および十分な触媒活性を同時に達成できる。これに対して、式:(S1・G1)/(S2・G2)の値が0.2未満であると、導電性材料表面に占める触媒粒子の面積が小さいため、導電性材料の露出面積が大きくなり、導電性材料の腐食劣化を起こしやすくなる場合がある。一方、(S1・G1)/(S2・G2)が1.35を超えると、導電性材料表面を触媒粒子が埋め尽くすあるいは積層し、触媒粒子の利用率が低下する可能性がある。式:(S1・G1)/(S2・G2)の値は、好ましくは0.2〜1.0、最も好ましくは0.2〜0.8である。
本明細書において、「式:(S1・G1)/(S2・G2)の値」は、触媒粒子により導電性材料が被覆される割合を示す指標であり、この値が小さいということは導電性材料表面に占める触媒粒子の面積が小さい、即ち、導電性材料表面の曝露面積が大きいことを意味する。なお、上記式において、S1は、1gあたりの触媒粒子が導電性材料を占有する面積であり、例えば、平均粒子径a(nm)の触媒粒子が1g中にb(個)ある場合には、S1=(aπ/4)×bである。ここで、触媒粒子として白金粒子を使用した場合の、平均粒子径X(nm)と白金粒子1g当たりの導電性材料の占有面積(S1:m/g)を測定したところ、図4に示されるような結果が得られた。これから、白金粒子の平均粒子径(X)が大きくなるほど、S1は小さくなることが分かる。図4は、平均粒子径X(nm)(横軸)に対するS1(m/g)(縦軸)をプロットしたものである。また、S2は、導電性材料のBET面積である。また、例えば、30質量%の白金粒子を導電性材料に担持させた場合には、G1=0.3、G2=0.7となる。
触媒粒子の形状や大きさは、特に制限されず公知の触媒粒子と同様の形状及び大きさが使用できる。例えば、触媒粒子は、略粒状や楕円状なども包含する。この際、触媒粒子の平均粒子径Xは、小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため酸素還元活性も高くなり好ましいが、実際には平均粒子径が小さすぎると却って酸素還元活性が低下する現象が見られる。従って、触媒粒子の平均粒子径Xは、1〜10nm、より好ましくは2〜8nm、最も好ましくは3〜5nmの粒状であることが好ましい。担持の容易さや触媒成分の溶出しやすさという観点から1nm以上であることが好ましく、触媒の比表面積(即ち、触媒活性)や、上記したような触媒粒子の導電性材料上の分散状態(即ち、導電性材料の腐食/劣化の抑制)の観点から10nm以下であることが好ましい。特に、触媒粒子の平均粒子径が大きい場合には、触媒粒子間の間隔が大きくなるため、導電性材料、例えばカーボン材料を用いた場合、カーボン担体表面と水との接触が起き易く、運転条件下においては、著しいカーボン腐食を生じる可能性があるため好ましくない。
また、本発明では、導電性材料に担持した触媒粒子の粒子径のバラツキ(分布)が0.75X〜1.5Xの範囲であることが好ましい。触媒粒子の粒子径のバラツキがこのような範囲であると、触媒粒子の溶出や再結晶化、さらには導電性材料上に適宜担持された触媒粒子によって導電性材料と水との接触を有効に抑制・防止できるため、導電性材料の劣化を有効に抑制・防止できる。これに対して、触媒粒子のバラツキが上記範囲に入っていない場合には、触媒粒子の溶出が起こる運転条件下においては、小さい粒子は溶出し、電解質膜中や大きな粒子の表面に再析出してしまう場合がある。また、このように大きな粒子の表面に再析出した場合には、触媒の比表面積が低下するため、触媒の比活性の低下を引き起こす可能性がある。また、溶出した粒子が膜中に析出した場合には、膜の劣化を促進する原因となる可能性があるためやはり好ましくない。さらに、触媒粒子のバラツキがこの範囲に入っていない場合には、触媒粒子の間隔が大きくなる可能性が大きく、導電性材料と水との接触が起こり易くなる場合がある。
本発明において、触媒層を構成する触媒粒子は、カソード触媒層に用いられる場合には、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。また、アノード触媒層に用いられる触媒粒子もまた、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。具体的には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びこれらの合金等などから選択され、好ましくは、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、及びマンガン等の金属、及びこれらの合金が好ましく使用される。これらのうち、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性などを向上させるために、少なくとも白金を含むものが好ましく用いられる。前記合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、白金が30〜90原子%、合金化する金属が10〜70原子%とするのがよい。カソード触媒をして合金を使用する場合の合金の組成は、合金化する金属の種類などによって異なり、当業者が適宜選択できるが、白金が30〜90原子%、合金化する他の金属が10〜70原子%とすることが好ましい。なお、合金とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素または非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物または金属と非金属との化合物を形成しているものなどがあり、本願ではいずれであってもよい。この際、カソード触媒層に用いられる触媒粒子及びアノード触媒層に用いられる触媒粒子は、上記の中から適宜選択できる。以下の説明では、特記しない限り、カソード触媒層及びアノード触媒層用の触媒粒子についての説明は、両者について同様の定義であり、一括して、「触媒粒子」と称する。しかしながら、カソード触媒層及びアノード触媒層用の触媒粒子は同一である必要はなく、上記したような所望の作用を奏するように、適宜選択される。
本発明において、導電性材料としては、触媒粒子を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として十分な電子導電性を有しているものであればよく、主成分がカーボンであるのが好ましい。具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、トーカブラック等のカーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブなどからなるカーボン粒子が挙げられる。これらのうち、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、トーカブラック、活性炭、グラファイト、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブが導電性材料として好ましい。この際、上記導電性材料は、1種を単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。なお、本発明において「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、実質的に炭素原子からなるとは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。
前記導電性材料のBET比表面積は、触媒粒子を高分散担持させるのに十分な比表面積であればよいが、好ましくは30〜500m/g、より好ましくは100〜300m/gとするのがよい。前記比表面積がこのような範囲であれば、導電性材料への触媒粒子および高分子電解質の良好な分散性を維持でき、触媒粒子及び高分子電解質の有効利用率を向上させ、十分な発電性能が達成できる。
また、前記導電性材料の大きさは、特に限定されないが、担持の容易さ、触媒利用率、電極触媒層の厚みを適切な範囲で制御するなどの観点からは、平均粒子径が5〜200nm、好ましくは10〜100nm程度とするのがよい。
または、導電性材料は、カーボンナノファイバー(CNF)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ(CNT)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノチューブの少なくとも一方からなる、あるいは上記多枝カーボンナノファイバーまたは多枝カーボンナノチューブの少なくとも一方をさらに含むことが好ましい。この際、上記導電性材料は、1種を単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。従来、電極触媒層は、負荷運転によって導電性材料(特に、カーボン)の腐食、触媒の溶出、電解質の劣化など種々の変化を生じ、特に電極触媒層の空孔構造は、劣化が著しく、ガスの拡散や生成水の排出などに影響を及ぼし、発電機能を著しく低下させる要因になっていた。しかしながら、このように、多枝カーボンナノファイバーおよび/または多枝カーボンナノチューブを導電性材料として使用すると、図5に示すように、突起を成長させた多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブを導電性材料として使用した場合は、突起を成長させない2次元系のCNF/CNTを使用した場合に比べると、触媒粒子を多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブの分岐した部分にしっかりと担持することができると同時に、以下に詳述するように電極触媒を触媒層に使用する場合にイオン伝導性物質(電解質)との絡みが良いため、触媒層の変形を有意に抑制・防止することができる。また、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブは、(i)従来のCNF/CNTに比べて、比表面積が大きいため、ガスの拡散性や排水性の点で有利である;(ii)通常の突起を成長させないカーボンファイバー等とは異なり、ファイバーの成長方向に対し、垂直に近い角度で突起が成長しているため、触媒粒子の担持が強固に容易に行なえ、表面にしっかりとかつ高密度で触媒粒子を担持できるため、導電性材料自体のカーボン耐食性も高くできる;(iii)従来のCNF/CNTに比べて、比表面積が高くかつ触媒粒子の担持が容易なため、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブに触媒粒子を担持させた電極触媒を含む電極触媒層は優れた性能を発揮できるという利点がある。さらに、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブは、通常の突起を成長させないカーボンファイバー等とは異なり、ファイバーの成長方向に対し、垂直に近い角度で(3次元的な)突起が成長しているため、電極触媒層を電解質膜に転写する際の、膜への食い込みも抑制することが可能である。このため、このような多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブを導電性材料に使用した電飾触媒を含む電極触媒層は、その構造をより良好に維持でき、触媒層の劣化や締め付け圧により触媒層が変形した場合であっても、電解質膜を破損することを有効に防止することができる。
本発明において、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブを導電性材料に使用する場合の、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブの製造方法は、特に制限されず、通常の炭素の成長方法が使用できる。例えば、カーボンナノファイバー/カーボンナノチューブの表面に、微細なNiやFeなどの、カーボンの気相成長を補助する触媒を担持した後、その触媒を基に化学蒸着法(CVD)などによってカーボンの気相成長を行なうことによって、カーボンナノファイバー/カーボンナノチューブの表面から枝状のカーボンが成長する。または、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブは市販品であってもよい。
本発明において、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブを導電性材料に使用する場合の、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブの大きさは、触媒粒子を良好に担持できるものであれば特に制限されないが、例えば、直径が10〜200nm、より好ましくは10〜100nmであり、長さが20nm〜2μm、より好ましくは20〜500nmであるものが好ましく使用される。また、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブの枝と枝との間隔は、触媒粒子を良好に担持できかつ触媒活性について相互に邪魔しない程度で、適宜選択できる。
前記導電性材料に触媒粒子が担持された電極触媒において、触媒粒子の担持量は、電極触媒の全量に対して、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜50質量%とするのがよい。前記担持量が上記範囲であると、触媒粒子の導電性材料上で良好に分散でき、発電性能の向上が期待できる。なお、触媒粒子の担持量は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)によって調べることができる。
また、導電性材料への触媒粒子の担持は公知の方法で行うことができる。例えば、含浸法、溶液還元(液相還元担持)法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル(マイクロエマルジョン法)などの公知の方法が使用できるが、好ましくは溶液還元法が使用される。以下、本発明の電極触媒を溶液還元法を用いて製造する方法について詳述するが、本発明の電極触媒は下記製法によって製造されるものに限定されない。
本発明において好ましく使用される溶液還元法としては、上記導電性材料に、還元剤及び触媒粒子の前駆体溶液を加え、所定時間、好ましくは30〜120分間、25〜50℃で攪拌・混合した後、超音波ホモジナイザーなどを使用してさらに所定時間、好ましくは10〜30分間、25〜50℃で良好に分散・混合し、均一な分散液を得た後、分散液を所定時間、好ましくは1〜12時間、60〜95℃で還元処理して、導電性材料上に触媒粒子を担持させる。
上記方法において、還元剤としては、エタノール、メタノール、プロパノール、ギ酸、ギ酸ナトリウムやギ酸カリウムなどのギ酸塩、ホルムアルデヒド、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)及びヒドラジン(N)などが使用でき、好ましくは、エタノール、メタノール、プロパノール、ギ酸、ホルムアルデヒド、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、水素化ホウ素ナトリウム及びヒドラジンが使用できる。この際、還元剤の添加量は、下記に詳述する触媒粒子の前駆体を十分還元して導電性材料上に担持できる量であれば特に制限されないが、例えば、担持する触媒金属のモル数に対し、1〜200倍モルの還元剤を投入することが好ましい。
また、触媒粒子の前駆体としては、前記した触媒粒子に使用する金属の種類によって適宜選択できる。例えば、触媒粒子に貴金属粒子を使用する場合には、貴金属イオン源としては、例えば、硝酸ロジウム、硝酸パラジウム等の硝酸塩、塩化白金酸、ジニトロジアンミン白金等の硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、テトラアンミン白金、ヘキサアンミン白金等のアンミン塩、炭酸塩、重炭酸塩、塩化白金、塩化パラジウム等の臭化物、塩化物などのハロゲン化物、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などの、水溶液中で貴金属イオンになれる化合物が好ましく挙げられる。これらのうち、貴金属の塩化白金酸やジニトロジアンミン白金の硝酸塩などが好ましく使用される。また、触媒粒子に遷移金属粒子を使用する場合には、例えば、上記遷移金属の硝酸塩、ジニトロジアンミン塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、臭化物、塩化物などのハロゲン化物、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などの、水溶液中で遷移金属イオンになれる化合物が好ましく挙げられる。これらのうち、遷移金属のハロゲン化物、特に塩化物、硝酸塩、及びジニトロジアンミン塩が好ましく使用され、硝酸塩が特に好ましい。なお、上記触媒粒子の前駆体は、単独であってもあるいは2種以上の混合物であってもよい。
上記方法において、導電性材料の量は、所望の量の触媒粒子が担持さればよく、特に制限されない。
また、このようにして得られた分散液は、所定時間、還元処理されるが、上記溶液還元法を用いて導電性材料に触媒粒子を担持する工程において、触媒成分を還元剤で還元処理する際に、一酸化炭素ガスを流入することが好ましい。一酸化炭素ガスを上記混合溶液中にバブリングなどによって流入しながら、触媒粒子の前駆体を還元剤で還元処理して導電性材料上に担持すると、触媒粒子が接近した状態になっても、触媒粒子の前駆体(特に白金)表面に一酸化炭素が付着して粒子同士の凝集を防ぐため、導電性材料に触媒粒子が上記したような所望の分散状態で担持できる。この際、一酸化炭素ガスは、一酸化炭素のみからなってもあるいは窒素、ヘリウム、空気などのガスと混合されて使用されてもよいが、好ましくは窒素中に10〜100体積%の濃度で、より好ましくは空気中に50〜100体積%の濃度で、一酸化炭素を含む混合ガスが使用される。また、一酸化炭素ガスの流入速度は、上記したような効果が達成できれば特に制限されない。
最後に、上記還元反応が終了した後は、溶液を濾過して固形分を分離し、純水などで線状し、乾燥することによって、導電性材料上に触媒粒子が本発明にかかる分散状態で担持した電極触媒が得られる。
本発明では、上記触媒粒子に加えて、水電解活性を有する触媒が導電性材料上に共存担持されることが好ましい。この際、水電解活性を有する触媒は、触媒粒子とは異なる成分で構成されてなる。また、水電解活性を有する触媒は、本発明の必須の構成要件である、触媒粒子の分散状態を満足する必要はなく、下記に詳述するような効果を奏するものであれば、いずれの分散状態にあってもよい。本発明によると、触媒粒子を一定の条件で担持することにより、導電性材料と水の共存下、高電位状態で起こるカーボン腐食を抑制できる。しかしながら、当該状態によっても、触媒粒子間の空隙部分に水が入り込むことを完全に抑制できない、または燃料ガスや酸化剤ガス中に含まれる水蒸気若しくは酸化剤ガス(特に酸素)が入り込むことにより反応して生成した水の存在を完全に防止/抑制することはできない場合がある。このため、少量の水が触媒粒子間に存在して、導電性材料の腐食が多少なりとも起こる場合がある。このような場合には、上記したように、触媒粒子に加えて、水電解活性を有する触媒を導電性材料上に共存して担持することによって、このような少量の水を効率よく分解して、導電性材料の腐食をより有効に抑制・防止することができる。本発明は、上述したように、触媒粒子が導電性担体上に一定の距離範囲で存在することを主要な特徴とするものであるが、このような場合であっても、図6に示されるように、触媒粒子がほぼ一定の所定の距離で導電性材料上に担持されている(図6上段左)場合はもちろんのこと、触媒粒子が本発明による所定の距離範囲内ではあるがある程度変動した距離を保って(ある程度不均一な分散状態で)導電性材料上に担持されている(図6上段右)場合がありうる。このような場合であっても、水電解活性を有する触媒が導電性材料上に共存担持していれば、水電解活性を有する触媒は、やや距離の離れた各触媒粒子間に存在できる(図6下段参照)。このため、小さな水分子が触媒粒子間に入りこんでも、水電解活性を有する触媒の存在によって、より有効に水の存在を抑制・防止することができる。
本発明において使用できる水電解活性を有する触媒は、水電解活性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、イリジウム、ルテニウム、イリジウムとルテニウムとの合金などが挙げられる。これらのうち、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、イリジウムまたはルテニウムが好ましい。特に触媒活性及びカーボン耐食性の観点からは、触媒粒子である白金触媒粒子と、水電解活性が高く、耐溶出性に優れる酸化イリジウムを水電解活性を有する触媒として導電性材料上に共存担持することが好ましい。
水電解活性を有する触媒の形状や大きさは、特に制限されず公知の触媒と同様の形状及び大きさが使用できる。例えば、水電解活性を有する触媒は、略粒状や楕円状なども包含する。この際、粒状である場合の水電解活性を有する触媒の平均粒子径は、特に制限されないが、触媒粒子間に入り込めるように、触媒粒子の平均粒子径より小さいことが好ましい。したがって、水電解活性を有する触媒は、平均粒子径が0.3〜20nm、より好ましくは0.5〜2nmの粒状であることが好ましい。このような範囲であれば、水電解活性を有する触媒は、触媒粒子間に容易に入り込んで、場合によっては導電性材料上に存在してしまう水を効率よく電解できる。
また、本発明において、水電解活性を有する触媒が前記触媒粒子と導電性材料上で共存担持する場合の、水電解活性を有する触媒の存在割合は、上述したような効果を奏する割合であれば特に制限されない。具体的には、水電解活性を有する触媒は、同一の導電性材料上に存在する触媒粒子に対して、5〜50質量%、より好ましくは5〜33質量%、最も好ましくは10〜20質量%のである。なお、上記水電解活性を有する触媒の量は、例えば、触媒粒子としての白金および水電解活性を有する触媒としてのイリジウムが2:1の質量比(Pt:Ir=2:1)で存在する場合には、50質量%であることとなる。水電解活性を有する触媒がこのような量で存在する場合には、十分な触媒活性を維持したまま、触媒粒子間に入り込んだ水を分解して、導電性材料の腐食を同時に有効に抑制・防止できる。
さらに、水電解活性を有する触媒が前記触媒粒子と導電性材料上で共存担持する場合、水電解活性を有する触媒は、上記したような触媒粒子の担持工程前あるいは後のいずれに導電性材料上に担持されてもよいが、好ましくは触媒粒子の担持工程後である。触媒粒子が担持された後の方が、触媒粒子間の隙間に効率よく水電解活性を有する触媒を存在させることができるからである。この際、水電解活性を有する触媒の導電性材料上への担持方法は、特に制限されず、公知の担持方法が同様にしてあるいは修飾して使用できる。例えば、イリジウムやルテニウムを水電解活性を有する触媒として使用する場合には、触媒粒子の担持について上記したような方法が同様にして使用できる。また、酸化イリジウムや酸化ルテニウムを水電解活性を有する触媒として使用する場合には、上記方法に加えて、溶液還元法や加熱酸化法や電析法などが好ましく使用できる。この際、溶液還元法では、例えば、硝酸イリジウムや塩化イリジウムの水溶液をイリジウム前駆体として用い、そこへ、還元剤、例えは、エタノール、メタノール、プロパノール、ギ酸、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸等の還元剤を混合し、約90℃で4時間加熱攪拌後、ろ過し、乾燥することで、イリジウム前駆体あるいはイリジウムを担持できる。さらに、含酸素雰囲気で150℃〜400℃の間で加熱処理をすることで、酸化イリジウムとして担持することもできる。また、加熱酸化法としては、特に制限されないが、例えば、塩化イリジウム(IrCl・HO)、塩化イリジウム酸(HIrCl・6HO)、及び樹脂酸イリジウムを、水、エタノール、ブタノール等の溶媒に溶解してイリジウム前駆体溶液を調製し、このイリジウム前駆体溶液を、触媒粒子が所定の距離範囲で担持した導電性材料に塗布して、これを酸素雰囲気(例えば、酸素分圧が0.1〜0.5気圧の条件)下で、200〜800℃の温度で、5〜10分間、加熱処理する方法が好ましく使用される。また、電析法としては、特に制限されないが、例えば、イリジウム錯体(例えば、NaIrOの水溶液中に、触媒粒子が所定の距離範囲で担持した導電性材料を浸漬して、酸化イリジウム(IrO)を電着する方法が使用できる。なお、上記方法では、水電解活性を有する触媒として酸化イリジウムを導電性材料上に担持させる方法について詳述したが、酸化ルテニウムなどの他の水電解活性を有する触媒についても同様の方法が使用できる。
このようにして得られた電極触媒は、水の共存下で、高電位状態で起こる導電性材料の腐食を抑制・防止でき、耐久性に優れ、長期にわたり高い触媒活性を示す。このため、本発明の電極触媒は、カソードおよび/またはアノード触媒層に用いることにより得られたCCMは、起動停止/連続運転中の触媒層、特にカソード触媒層の導電性材料(特に、カーボン担体)の腐食を有効に防止/抑制できるため、このような効果が望まれる用途、特に燃料電池用の電解質膜−電極接合体(CCM)に有用である。すなわち、本発明の第二は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の側に配置されたカソード触媒層と、前記電解質膜の他方の側に配置されたアノード触媒層とを有する、電解質膜−電極接合体であって、本発明の電極触媒がカソード触媒層またはアノード触媒層の少なくとも一方に使用されることを特徴とする電解質膜−電極接合体を提供するものである。また、本発明の第三は、このような電解質膜−電極接合体を用いてなる燃料電池を提供するものである。
本発明の電解質膜−電極接合体(CCM)は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の側に配置されたカソード触媒層と、前記電解質膜の他方の側に配置されたアノード触媒層とを有し、本発明の電極触媒をカソードまたはアノード触媒層の少なくとも一方に用いる。この際、上述したように、カソード側で水を生成するため、本発明の電極触媒は、少なくともカソード触媒層に使用されることが好ましい。
なお、触媒層に本発明の電極触媒を使用しない場合には、当該分野において既知の電極触媒と同様の触媒が使用でき、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心と触媒粒子Aの重心との距離に制限がない以外は、上記本発明の電極触媒と同様である。
本発明において、カソード触媒層/アノード触媒層(以下、単に「触媒層」とも称する)には、電極触媒(触媒粒子が導電性材料に担持したもの)の他に、イオン伝導性物質が含まれる。前記イオン伝導性物質としては、特に限定されず公知のものを用いることができるが、少なくとも高いプロトン伝導性を有する部材であればよい。この際使用できるイオン伝導性物質は、ポリマー骨格の全部又は一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質と、ポリマー骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質とに大別される。
前記フッ素系電解質として、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ゴアセレクト(登録商標、ジャパンゴアテックス株式会社製)、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーなどが好適な一例として挙げられる。
前記炭化水素系電解質として、具体的には、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸、ポリフェニルスルホン酸等が好適な一例として挙げられる。
イオン伝導性物質は、耐熱性、化学的安定性などに優れることから、フッ素原子を含むのが好ましく、なかでも、ナフィオン(Nafion 登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)などのフッ素系電解質が好ましく挙げられる。
本発明のCCMに用いられる電解質膜としては、特に限定されず、触媒層に用いたものと同様の導電性材料からなる高分子電解膜が挙げられる。また、デュポン社製の各種のナフィオン(登録商標)やフレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)に代表されるパーフルオロスルホン酸膜、ダウケミカル社製のイオン交換樹脂(ダウエックス、登録商標)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体樹脂膜、トリフルオロスチレンをベースポリマーとする樹脂膜などのフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂系膜など、一般的に市販されている固体高分子型電解質膜、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜、多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。前記電解質膜に用いられる高分子電解質と、各触媒層に用いられる高分子電解質とは、同じであっても異なっていてもよいが、各触媒層と電解質膜との密着性を向上させる観点から、同じものを用いるのが好ましい。
前記電解質膜の厚みとしては、得られるCCMの特性を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜200μm、特に好ましくは15〜100μmである。製膜時の強度やCCM作動時の耐久性の観点から5μm以上であることが好ましく、CCM作動時の出力特性の観点から300μm以下であることが好ましい。
また、上記電解質膜としては、上記したようなフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂による膜に加えて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などから形成された多孔質状の薄膜に、リン酸やイオン性液体等の電解質成分を含浸したものを使用してもよい。
本発明のCCMの製造方法は、特に制限されず、上記したようにカソード触媒層および/またはアノード触媒層に本発明の電極触媒を添加する以外は、従来公知の方法と同様の方法が適用できる。例えば、本発明の電極触媒及びイオン伝導性物質から調製された触媒インクを所望の厚さで転写用台紙上に塗布・乾燥することによって、カソード側及びアノード側の触媒層をそれぞれ形成し、さらにこの触媒層が内側にくるように電解質膜を上記触媒層で挟持してホットプレス等により接合した後、転写用台紙を剥がすことによって、CCMが得られる。
以下、本発明のCCMの製造方法の好ましい実施態様を説明する。なお、以下の態様は、本発明の好ましい態様を示したものであり、本発明のCCMの製造方法が下記方法に限定されるものではなく、カソード及びアノード触媒層双方に本発明の電極触媒を使用する場合の製法について説明するが、上述したように、本発明の電極触媒をカソード及びアノード触媒層双方に使用する必要はなく、このような場合には、公知の電極触媒を使用すればよい。
まず、電極触媒、イオン伝導性物質及び溶剤を一緒に混合して、カソード/アノード用触媒インクを調製する。ここで、補強材を、カソード触媒層またはアノード触媒層の少なくとも一方にさらに添加することが好ましい。補強材を添加することによって、上記導電性材料の項で述べたのと同様、触媒層の構造をより良好に維持でき、触媒層の劣化や締め付け圧により触媒層が変形した場合であっても、電解質膜を破損することを有効に防止することができる。この際使用できる補強材としては、上記導電性材料で使用されるものと同様のものが使用でき、好ましくはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、トーカブラック、活性炭、グラファイト、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー(CNF)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ(CNT)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノチューブであり、より好ましくはカーボンナノファイバー(CNF)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノファイバー及びカーボンナノチューブ(CNT)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノチューブである。特に、多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブは、通常の突起を成長させないカーボンファイバー等とは異なり、ファイバーの成長方向に対し、垂直に近い角度で(3次元的な)突起が成長しているため、電極触媒層を電解質膜に転写する際の、膜への食い込みも抑制することが可能であるため、このような多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブを補強材として含む電極触媒層は、その構造をより良好に維持でき、触媒層の劣化や締め付け圧により触媒層が変形した場合であっても、電解質膜を破損することを有効に防止することができるため、好ましく使用される。この際、上記補強材は、1種を単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。この場合における電極触媒、イオン伝導性物質、溶剤及びフィラーの添加順序は、特に制限されないが、(ア)電極触媒及びフィラーを混合した後、これにイオン伝導性物質を添加、混合する工程;(イ)電極触媒及びイオン伝導性物質を混合した後、これにフィラーを添加、混合する工程;(ウ)電極触媒、イオン伝導性物質及びフィラーを一緒に添加、混合する工程など、いずれの工程も好ましく使用される。この際、溶剤は、上記いずれの部分で添加されてもよい。
上記方法において、触媒インクに補強材を添加する場合の補強材の添加量は、特に制限されないが、好ましくは、電極触媒中の導電性材料1質量部に対して、0.01〜0.4質量部である。このような範囲であれば、通常の起動停止/連続運転を繰り返し行なった後であっても触媒層の構造を十分維持でき、燃料ガスの拡散性を維持でき、のゆえに優れた触媒活性(発電効率)をも維持できる。より好ましくは、補強材の添加量は、電極触媒中の導電性材料に対して、5〜50質量%、最も好ましくは10〜30質量%である。
上記方法において、溶剤としては、特に制限されず、触媒層を形成するのに使用される通常の溶剤が同様にして使用できる。具体的には、水、シクロヘキサノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の低級アルコールが使用できる。また、溶剤の使用量もまた、特に制限されず公知と同様の量が使用できるが、触媒インクにおいて、電極触媒は、所望の作用、即ち、水素の酸化反応(アノード側)及び酸素の還元反応(カソード側)を触媒する作用を十分発揮できる量であればいずれの量で、使用されてもよい。電極触媒が、触媒インクの全質量に対して、5〜30質量%、より好ましくは9〜20質量%となるような量で存在することが好ましい。
本発明の触媒インクは、増粘剤を含んでもよい。増粘剤の使用は、触媒インクが転写用台紙上にうまく塗布できない場合などに有効である。この際使用できる増粘剤は、特に制限されず、公知の増粘剤が使用できるが、例えば、グリセリン、エチレングリコール(EG)、ポリビニルアルコール(PVA)、プロピレングリコール(PG)などが挙げられる。増粘剤を使用する際の、増粘剤の添加量は、本発明の上記効果を妨げない程度の量であれば特に制限されないが、触媒インクの全質量に対して、好ましくは5〜20質量%である。
次に、上記で調製されたアノード用及びカソード用触媒インク(以下、一括して、「触媒インク」と称する)を、それぞれ、転写用台紙上に塗布・乾燥して、アノード触媒層及びカソード触媒層を形成する。この際、転写用台紙としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート、ポリエステルシートなどの公知のシートが使用できる。なお、転写用台紙は、使用する触媒インク(特にインク中のカーボン等の導電性材料)の種類に応じて適宜選択される。また、上記工程において、触媒層の厚みは、水素の酸化反応(アノード側)及び酸素の還元反応(カソード側)の触媒作用が十分発揮できる厚みであれば特に制限されず、従来と同様の厚みが使用できる。具体的には、触媒層の厚みは、1〜30μm、より好ましくは1〜20μmである。また、転写用台紙上への触媒インクの塗布方法は、特に制限されず、スクリーン印刷法、沈積法、あるいはスプレー法などの公知の方法が同様にして適用できる。また、塗布された触媒層の乾燥条件もまた、触媒層から溶剤を完全に除去できる条件であれば特に制限されない。具体的には、触媒インクの塗布層(触媒層)を真空乾燥機内にて、室温〜100℃、より好ましくは50〜80℃で、30〜60分間、乾燥する。この際、触媒層の厚みが十分でない場合には、所望の厚みになるまで、上記塗布・乾燥工程を繰り返す。次に、このようにして作製された触媒層で電解質膜を挟持した後、当該積層についてホットプレスを行なう。この際、ホットプレス条件は、触媒層及び電解質膜が十分密接に接合できる条件であれば特に制限されないが、100〜200℃、より好ましくは110〜170℃で、電極面に対して1〜5MPaのプレス圧力で行なうのが好ましい。これにより電解質膜と触媒層との接合性を高めることができる。ホットプレスを行なった後、転写用台紙を剥がすことにより、触媒層と電解質膜とからなるCCMを得ることができる。
なお、上記では、転写方法することにより、CCMを製造する方法について述べてきたが、本発明のCCMは、直接塗布などの他の方法によって製造されてもよい。このような場合の製造方法は、特に制限されず、公知の直接塗布法が同様にしてあるいは適宜修飾を加えて使用できるが、例えば、以下のような方法が使用できる。上記したような触媒インクを、電解質膜上に直接塗布して、各触媒層が形成される。この際、電解質膜上へのカソード/アノード触媒層の形成条件は、特に制限されず、公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾を加えて使用できる。例えば、触媒インクを電解質膜上に、乾燥後の厚みが5〜20μmになるように、塗布し、真空乾燥機内にてまたは減圧下で、25〜150℃、より好ましくは60〜120℃で、5〜30分間、より好ましくは10〜20分間、乾燥する。なお、上記工程において、触媒層の厚みが十分でない場合には、所望の厚みになるまで、上記塗布・乾燥工程を繰り返す。
なお、本発明によるCCMは、下記に詳述されるように、一般的にガス拡散層をさらに有してもよく、この際、ガス拡散層は、上記方法において、転写用台紙を剥がし、得られた接合体をさらにガス拡散層で挟持することによって、触媒層と電解質膜との接合後にさらに各触媒層に接合することが好ましい。または、触媒層を予めガス拡散層表面上に形成して触媒層−ガス拡散層接合体を製造した後、上記したのと同様にして、この触媒層−ガス拡散層接合体で電解質膜をホットプレスにより挟持・接合することもまた好ましい。
この際、CCMに用いられるガス拡散層としては、特に限定されず公知のものが同様にして使用でき、例えば、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性及び多孔質性を有するシート状材料を基材とするものなどが挙げられる。前記基材の厚さは、得られるガス拡散層の特性を考慮して適宜決定すればよいが、30〜500μm程度とすればよい。厚さが上記範囲内にあれば、機械的強度、ガスや水などの透過性を十分達成することができる。
触媒層をガス拡散層表面上に形成する方法は、特に制限されず、スクリーン印刷法、沈積法、スプレー法などの公知の方法が同様にして適用できる。また、触媒層のガス拡散層表面上への形成条件は、特に制限されず、上記したような具体的な形成方法によって従来と同様の条件が適用できる。
前記ガス拡散層は、撥水性をより高めてフラッディング現象などを防ぐことを目的として、前記基材に撥水剤を含ませることが好ましい。前記撥水剤としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系の高分子材料、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。
また、撥水性をより向上させるために、前記ガス拡散層は、前記基材上に撥水剤を含むカーボン粒子の集合体からなるカーボン粒子層を有するものであってもよい。
前記カーボン粒子としては、特に限定されず、カーボンブラック、黒鉛、膨張黒鉛などの従来一般的なものであればよい。なかでも、電子伝導性に優れ、比表面積が大きいことから、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが好ましく挙げられる。前記カーボン粒子の粒径は、10〜100nm程度とするのがよい。これにより、毛細管力による高い排水性が得られるとともに、触媒層との接触性も向上させることが可能となる。
前記カーボン粒子層に用いられる撥水剤としては、前記基材に用いられる上述した撥水剤と同様のものが挙げられる。なかでも、撥水性、電極反応時の耐食性などに優れることから、フッ素系の高分子材料が好ましく用いられる。
前記カーボン粒子層における、カーボン粒子と撥水剤との混合比は、カーボン粒子が多過ぎると期待するほど撥水性が得られない恐れがあり、撥水剤が多過ぎると十分な電子伝導性が得られない恐れがある。これらを考慮して、カーボン粒子層におけるカーボン粒子と撥水剤との混合比は、質量比で、90:10〜40:60程度とするのがよい。
前記カーボン粒子層の厚さは、得られるガス拡散層の撥水性を考慮して適宜決定すればよい。
ガス拡散層に撥水剤を含有させる場合には、一般的な撥水処理方法を用いて行えばよい。例えば、ガス拡散層に用いられる基材を撥水剤の分散液に浸漬した後、オーブン等で加熱乾燥させる方法などが挙げられる。
ガス拡散層において基材上にカーボン粒子層を形成する場合には、カーボン粒子、撥水剤等を、水、パーフルオロベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒などの溶媒中に分散させることによりスラリーを調製し、前記スラリーを基材上に塗布し乾燥、もしくは、前記スラリーを一度乾燥させ粉砕することで粉体にし、これを前記ガス拡散層上に塗布する方法などを用いればよい。その後、マッフル炉や焼成炉を用いて250〜400℃程度で熱処理を施すのが好ましい。
なお、触媒層と電解質膜と、及び好ましくはガス拡散層を含む接合体の製造方法は、上述した方法に限定されない。すなわち、触媒インクを電解質膜上に塗布・乾燥させた後ホットプレスして、触媒層を電解質膜と接合し、得られた接合体をガス拡散層で挟持して、CCMとする方法;触媒インクを、前記ガス拡散層上に塗布・乾燥させて触媒層を形成し、これを電解質膜とホットプレスにより接合する方法、などであってもよく各種公知技術を適宜用いて行えばよい。
本発明のCCMは、上述した通り、触媒担体として用いられる導電性材料、特にカーボン担体の腐食が起きた後であっても、触媒層の薄層化を抑制・防止することが可能である。また、本発明のCCMでは、導電性材料が劣化/腐食しても、フィラーによりガス流路は確保されているので、触媒層内のガスの良好な拡散性が維持できる。従って、本発明の電解質膜−電極接合体を有する燃料電池は優れた発電効率を発揮できる。したがって、本発明はさらに、本発明のCCMを用いてなる燃料電池を提供するものである。
前記燃料電池の種類としては、特に限定されず、上記した説明中では固体高分子型燃料電池を例に挙げて説明したが、この他にも、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池に代表される酸型電解質の燃料電池、ダイレクトメタノール型燃料電池、マイクロ燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能であるから、固体高分子型燃料電池が好ましく挙げられる。また、前記燃料電池は、搭載スペースが限定される車両などの移動体用電源の他、定置用電源などとして有用であるが、特にシステムの起動/停止や出力変動が頻繁に発生する自動車用途で特に好適に使用できる。
前記固体高分子型燃料電池は、定置用電源の他、搭載スペースが限定される自動車などの移動体用電源などとして有用である。なかでも、比較的長時間の運転停止後に高い出力電圧が要求されることによるカーボン担体の腐食、および、運転時に高い出力電圧が取り出されることにより高分子電解質の劣化が生じやすい自動車などの移動体用電源として用いられるのが特に好ましい。
前記燃料電池の構成としては、特に限定されず、従来公知の技術を適宜利用すればよいが、一般的にはCCMをセパレータで挟持した構造を有する。
前記セパレータとしては、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボン製や、ステンレス等の金属製のものなど、従来公知のものであれば制限なく用いることができる。セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するための流路溝が形成されてもよい。セパレータの厚さや大きさ、流路溝の形状などについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
また、各触媒層に供給されるガスが外部にリークするのを防止するために、ガスケット層上の触媒層が形成されていない部位にさらにガスシール部が設けられてもよい。前記ガスシール部を構成する材料としては、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系の高分子材料、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。また、ガスシール部の厚さとしては、2mm〜50μm、望ましくは1mm〜100μm程度とすればよい。
さらに、燃料電池が所望する電圧等を得られるように、セパレータを介してCCMを複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
導電性材料として多枝カーボンファイバー(マイクロフェーズ社製:BET比表面積100m/g)1gに、還元剤としてエタノール50ml、触媒粒子原料として白金濃度0.1wt%のジニトロジアンミン白金硝酸塩水溶液1000gを投入し、30分間、25℃で攪拌・混合した後、超音波ホモジナイザーを用いてさらに30分間分散混合した。その後、その分散溶液に10%COガスを200ml/minで30分間バブリング後、COガスをバブリングしながら分散溶液をウォーターバス中で加熱し、85℃〜90℃とした後、2時間保持した。液色は無色透明になるまで還元反応を進行させた後、得られた反応液を濾過した。固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt45wt%を得た。
このようにして得られたPt担持カーボン粉末(1)について透過型電子顕微鏡(TEM)像を撮影し、図7に示す。
実施例2
導電性材料として多枝カーボンファイバー(マイクロフェーズ社製:BET比表面積100m/g)1gに、還元剤としてエタノール50ml、触媒粒子原料として白金濃度0.1wt%のジニトロジアンミン白金硝酸塩水溶液429gを投入し、30分間、25℃で攪拌・混合した後、超音波ホモジナイザーを用いてさらに30分間分散混合した。その後、その分散溶液に10%COガスを200ml/minで30分間バブリング後、COガスをバブリングしながら分散溶液をウォーターバス中で加熱し、85℃〜90℃とした後、2時間保持した。液色は無色透明になるまで還元反応を進行させた後、得られた反応液を濾過した。固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt30wt%担持カーボン粉末(2)を得た。
比較例1
導電性材料としてカーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC:BET比表面積800m/g)1gに、還元剤としてエタノール50ml、触媒粒子原料として白金濃度0.1wt%のジニトロジアンミン白金硝酸塩水溶液1000gを投入し、30分間、25℃で攪拌混合後、超音波ホモジナイザーを用いてさらに30分間分散混合した。その後、その分散溶液に10%COガスを200ml/minで30分間バブリング後、COガスをバブリングしながら分散溶液をウォーターバス中で加熱し、85℃〜90℃とした後、2時間保持した。液色は無色透明になるまで還元反応を進行させた後、得られた反応液を濾過した。固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt45wt%担持カーボン粉末(3)を得た。
このようにして得られたPt担持カーボン粉末(3)について透過型電子顕微鏡(TEM)像を撮影し、図8に示す。
比較例2
カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC:BET比表面積800m/g)を高温で処理し、グラファイト化したグラファイト化ケッチェンブラック(導電性材料)1gに、還元剤としてエタノール50ml、触媒粒子原料として白金濃度0.1wt%のジニトロジアンミン白金硝酸塩水溶液1000gを投入し、30分間、25℃で攪拌混合後、超音波ホモジナイザーを用いてさらに30分間分散混合した。その後、その分散溶液に10%COガスを200ml/minで30分間バブリング後、COガスをバブリングしながら分散溶液をウォーターバス中で加熱し、85℃〜90℃とした後、2時間保持した。液色は無色透明になるまで還元反応を進行させた後、得られた反応液を濾過した。固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt45wt%担持カーボン粉末(4)を得た。
このようにして得られたPt担持カーボン粉末(4)について透過型電子顕微鏡(TEM)像を撮影し、図9に示す。
実施例3:カーボン耐食性評価(高電位試験)(25分間保持後ECA/初期ECA)
上記実施例1,2及び比較例1,2で得られたカーボン粉末について、下記方法に従ってカーボン耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
<耐食性評価方法>
直径0.5mmの金線コイルを作製し、そのコイルを触媒インクに浸した後、室温にて10分間減圧乾燥を行った。減圧乾燥後、さらに大気圧下80℃にて3時間乾燥させ、評価試料とした。測定には、3電極型電気化学評価セルを用いた。参照電極には水素電極を用い、対極には白金線コイルを取り付けた。作用極に上記手順で作製した評価試料を取り付け、電解液には0.5規定モル濃度の硫酸水溶液を用いた。高電位腐食試験は、印加電圧を1.6V(vs SHE)とし、室温にて実施し、25分後にCVを測定した。CV測定時の掃引電圧範囲は−0.02V〜1.15V(vs SHE)で、掃引速度は50mV/秒であった。また、測定は70℃にて実施した。CV測定後、そのCV線図よりECA(有効表面積)を算出し、25分間保持後ECA/初期ECAによりカーボン耐食性を評価した。
上記表1から、本発明の電極触媒は、触媒粒子の導伝性材料上の分散状態が本発明による条件を満たしていない比較例の電極触媒に比して、有意に高いカーボン耐食性を示すことが分かる。なお、下記表1における「導電性担体の燃料温度」は、ガラス転移温度(TG)による導電性材料の燃焼温度を示し、カーボン担体(即ち、電極触媒を担持する前の導電性材料そのもの)の腐食耐性(耐酸化性)の指標として使用される。この際、燃焼温度が高いということは、カーボン担体の腐食耐性(耐酸化性)に優れることを意味する。したがって、表1から明らかなように、比較例1、2では、実施例1、2に比して、耐腐食性に優れたカーボン担体を導電性材料として使用しているにもかかわらず、カーボン耐食性に劣るカーボン担体を使用した実施例1、2の電極触媒の方が、カーボン耐食性が向上していることが示される。これから、本発明によるように導電性材料上の触媒粒子の担持状態を最適化することは、カーボン耐食性の向上、ゆえに耐久性に優れ、長期にわたり高い触媒活性を示す電極触媒を得るという点で非常に重要なファクターであると考察される。
本発明の電極触媒は、導電性材料の耐腐食性に優れるため、特に高分子型燃料電池用の電極触媒として有用である。
従来の電極触媒における導電性材料に担持する触媒成分の担持状態を示す図である。 従来の電極触媒における導電性材料に担持する触媒成分の担持状態を示す図である。 本発明の電極触媒における導電性材料に担持する触媒成分の担持状態を示す図である。 本発明の電極触媒において、「隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心と触媒粒子Aの重心との距離」を説明するための図である。 平均粒子径X(nm)(横軸)に対するS1(m/g)(縦軸)をプロットした図である。 本発明の電極触媒において、導電性材料としてカーボンナノファイバー/カーボンナノチューブおよび多枝カーボンナノファイバー/多枝カーボンナノチューブを使用した触媒層を説明する図である。 本発明の電極触媒において水電解活性を有する触媒及び触媒粒子が導電性材料に共存担持する担持状態を示す図である。 実施例1で得られたPt担持カーボン粉末(1)の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 比較例1で得られたPt担持カーボン粉末(3)の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 比較例2で得られたPt担持カーボン粉末(4)の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。

Claims (19)

  1. 導電性材料に触媒粒子を担持させてなる電極触媒において、導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径をXとした場合、ある任意の触媒粒子Aに対して、隣接する3つ以上の触媒粒子のそれぞれの重心が触媒粒子Aの重心と0.5X〜2Xの距離の範囲になるように、触媒粒子が導電性材料に担持されていることを特徴とする電極触媒。
  2. 前記導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径がXであり、触媒粒子が直径Xの球形と仮定した場合、1gあたりの触媒粒子が導電性材料を占有する面積S1、1gあたりの導電性材料の表面積S2(ただし、S2は、孔径X以下の細孔内における表面積を除くものとする)、電極触媒中の触媒成分の質量分率G1及び電極触媒中の導電性材料の質量分率G2が、下記式:(S1・G1)/(S2・G2)=0.2〜1.35を満たすものである、請求項1に記載の電極触媒。
  3. 前記導電性材料に担持した触媒粒子の平均粒子径Xが、1nm〜10nmの範囲である、請求項1または2に記載の電極触媒。
  4. 前記導電性材料に担持した触媒粒子の粒子径のバラツキが0.75X〜1.5Xの範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極触媒。
  5. 触媒粒子は、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1種の金属または前記群より選択される2種以上の金属の合金から形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極触媒。
  6. 導電性材料は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、トーカブラック、活性炭、グラファイト、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極触媒。
  7. 導電性材料は、カーボンナノファイバー(CNF)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ(CNT)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノチューブの少なくとも一方であるまたは少なくとも一方を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極触媒。
  8. 電極触媒は、溶液還元法を用いて導電性材料に触媒成分を担持することによって製造される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極触媒。
  9. 溶液還元法を用いて導電性材料に触媒成分を担持する工程において、エタノール、メタノール、プロパノール、ギ酸、ホルムアルデヒド、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、水素化ホウ素ナトリウム及びヒドラジンからなる群より選択される少なくとも1種を触媒粒子の還元剤として用いる、請求項8に記載の電極触媒。
  10. 溶液還元法を用いて導電性材料に触媒成分を担持する工程において、触媒成分を還元剤で還元処理する際に、一酸化炭素ガスを流入する、請求項9に記載の電極触媒。
  11. 水電解活性を有する触媒がさらに前記導電性材料に前記触媒粒子と共存担持され、前記水電解活性を有する触媒は触媒粒子とは異なる成分で構成されてなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電極触媒。
  12. 前記水電解活性を有する触媒が、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、イリジウムまたはルテニウムの少なくとも1種から形成される、請求項11に記載の電極触媒。
  13. 水電解活性を有する触媒は、加熱酸化法または電析法によって前記導電性材料に前記触媒粒子と共存担持される、請求項11または12に記載の電極触媒。
  14. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の側に配置されたカソード触媒層と、前記電解質膜の他方の側に配置されたアノード触媒層とを有する電解質膜−電極接合体であって、請求項1〜13のいずれか1項に記載の電極触媒がカソード触媒層またはアノード触媒層の少なくとも一方に使用されることを特徴とする電解質膜−電極接合体。
  15. カソード触媒層またはアノード触媒層の少なくとも一方はさらに補強材を含む、請求項14に記載の電解質膜−電極接合体。
  16. 前記補強材は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、トーカブラック、活性炭、グラファイト、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項15に記載の電解質膜−電極接合体。
  17. 前記補強材は、カーボンナノファイバー(CNF)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ(CNT)の表面からカーボンを主成分とする突起を成長させた多枝カーボンナノチューブの少なくとも一方を含む、請求項15または16に記載の電解質膜−電極接合体。
  18. 前記補強材の添加量が、電極触媒中の導電性材料1質量部に対して、0.01〜0.4質量部である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の電解質膜−電極接合体。
  19. 請求項15〜18のいずれか1項に記載の電解質膜−電極接合体を用いてなる燃料電池。
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