JP2016062750A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】端子金具の挿入性を低下させたり、端子金具同士を短絡させたりすることなく、端子金具の保持力を向上させる。【解決手段】本明細書によって開示されるコネクタは、雌端子20が収容される複数のキャビティ31が設けられたハウジング30を有するコネクタ10であって、ハウジング30に対して前方から組み付けられるフロントリテーナ40を備え、フロントリテーナ40は、前方から各キャビティ31にそれぞれ挿入される複数の係止片42を有しており、係止片42は、雌端子20の被係止部24の進入経路から退避した仮係止位置と、被係止部24を後方から係止する本係止位置との間を左右方向に変位可能とされているところに特徴を有する。【選択図】図8
Description
本明細書によって開示される技術は、コネクタに関する。
従来、ハウジング内の複数のキャビティに収容された端子金具をキャビティ毎に設けられたランスによって抜け止めするコネクタとして、特開2003−346964号公報(下記特許文献1)が知られている。ランスは、キャビティ内に端子金具を収容する際に、ハウジング内に設けられた撓み空間に進入し、端子金具が正規の収容位置に至ると、弾性復帰して端子金具を抜け止めする。また、ハウジングに組み付けられるリテーナが撓み空間内に嵌入することで、ランスの撓み空間内への進入が規制され、端子金具が二重係止されるようになっている。また、ランスは、リテーナに押圧されて端子金具側に撓まされ、撓み分だけ端子金具との係止代が増大するようになっている。
ところで、端子金具の保持力は、端子金具によるランスの剪断面積が大きいほど大きくなる。このため、ランスを肉厚にしたり、幅広にしたりすることで、端子金具の保持力を向上させることができる。しかしながら、ランスを肉厚や幅広にすると、ランスを撓ませる力も大きくなり、端子金具を挿入する際の挿入抵抗が高くなってしまう。だからといって、ハウジングの側面に設けられたリテーナ挿入孔に各キャビティ間を横切るサイドリテーナを組み付け、サイドリテーナによって各端子を係止することで端子金具の保持力を向上させるようにすると、各キャビティ間に亘って設けられた連通孔を通じて端子金具同士が短絡してしまう虞がある。
本明細書では、端子金具の挿入性を低下させたり、端子金具同士を短絡させたりすることなく、端子金具の保持力を向上させる技術を開示する。
本明細書によって開示される技術は、端子が収容される複数のキャビティが設けられたハウジングを有するコネクタであって、前記ハウジングに対して前記端子の収容方向とは反対方向を組付方向として組付可能なリテーナを備え、前記リテーナは、前記組付方向から前記複数のキャビティにそれぞれ挿入可能な複数の係止部を有しており、前記係止部は、前記端子に設けられた被係止部の進入経路から退避した仮係止位置と、前記被係止部の進入経路内に進入して前記被係止部を前記端子の収容方向から係止する本係止位置との間を前記端子の収容方向と交差する方向に変位可能とされているところに特徴を有する。
このような構成によると、端子を挿入した後に、係止部を仮係止位置から本係止位置に変位させて端子を係止することができるから、係止部を組付方向に大型化することで端子の保持力を容易に向上させることができる。これにより、端子の挿入性を低下させることなく、端子の保持力を向上させることができる。
また、各キャビティに係止部をリテーナの組付方向から挿入して仮係止位置に配置し、それぞれのキャビティ内において係止部を端子の収容方向と交差する方向に変位させて本係止位置に配置することで、被係止部を端子の収容方向から係止することができるから、キャビティ間に端子同士を短絡させる孔を設ける必要がなく、キャビティ間に孔を設けることに起因して端子同士が短絡することを防ぐことができる。
また、各キャビティに係止部をリテーナの組付方向から挿入して仮係止位置に配置し、それぞれのキャビティ内において係止部を端子の収容方向と交差する方向に変位させて本係止位置に配置することで、被係止部を端子の収容方向から係止することができるから、キャビティ間に端子同士を短絡させる孔を設ける必要がなく、キャビティ間に孔を設けることに起因して端子同士が短絡することを防ぐことができる。
本明細書によって開示される技術の態様として、以下の構成が好ましい。
前記被係止部は、前記端子に設けられた端子本体から突出して形成されており、前記係止部は、前記組付方向に延出された板状の延出部と、前記延出部の延出端部に設けられた係止突部とを備えており、前記係止部は、前記延出部の板厚方向とは異なる方向に変位することで、前記係止突部によって前記被係止部を前記端子の収容方向から係止する構成としてもよい。
前記被係止部は、前記端子に設けられた端子本体から突出して形成されており、前記係止部は、前記組付方向に延出された板状の延出部と、前記延出部の延出端部に設けられた係止突部とを備えており、前記係止部は、前記延出部の板厚方向とは異なる方向に変位することで、前記係止突部によって前記被係止部を前記端子の収容方向から係止する構成としてもよい。
例えば、係止部を仮係止位置から延出部の板厚方向に変位させて、係止突部によって被係止部を係止する場合、係止突部に対して被係止部の力が作用すると、延出部が板厚方向に撓むことで係止突部と被係止部との係止が解除されてしまう虞がある。
ところが、上記のような構成によると、係止部が延出部の板厚方向と異なる方向に変位することで、係止突部によって被係止部を係止するから、延出部が撓むことに起因して係止突部と被係止部との係止代が減少したり、係止突部と被係止部との係止が解除されたりすることを抑制することができる。
ところが、上記のような構成によると、係止部が延出部の板厚方向と異なる方向に変位することで、係止突部によって被係止部を係止するから、延出部が撓むことに起因して係止突部と被係止部との係止代が減少したり、係止突部と被係止部との係止が解除されたりすることを抑制することができる。
前記リテーナには、前記ハウジングに設けられたロック部を乗り越えることにより前記係止部を前記本係止位置にロックする弾性変位可能なロック片が設けられており、前記ロック片は、前記ロック部を乗り越える方向と交差する方向から組み付けられることで、前記ロック部を乗り越える前の位置に配される構成としてもよい。
このような構成によると、ロック片を弾性変位させることなく、ロック部を乗り越える前の位置に組み付けることができる。これにより、ロック片が塑性変形したり、ロック片が破損したりすることを防ぐことができ、係止部を本係止位置にしっかりとロックすることができる。
このような構成によると、ロック片を弾性変位させることなく、ロック部を乗り越える前の位置に組み付けることができる。これにより、ロック片が塑性変形したり、ロック片が破損したりすることを防ぐことができ、係止部を本係止位置にしっかりとロックすることができる。
本明細書によって開示される技術によれば、端子金具の挿入性を低下させたり、端子金具同士を短絡させたりすることなく、端子金具の保持力を向上させることができる。
<実施形態>
実施形態について図1から図9を参照して説明する。
本実施形態は、電線Wの端末に装着されるコネクタ10を例示している。このコネクタ10は、電線Wの端末に接続される雌端子(「端子」の一例)20と、雌端子20を収容するハウジング30とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図2および図3における上下方向を基準とし、左右方向とは図2および図4における左右方向を基準とする。また、前後方向とは、図3および図4における図示左方を前方とし、図示右方を後方として説明する。
実施形態について図1から図9を参照して説明する。
本実施形態は、電線Wの端末に装着されるコネクタ10を例示している。このコネクタ10は、電線Wの端末に接続される雌端子(「端子」の一例)20と、雌端子20を収容するハウジング30とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図2および図3における上下方向を基準とし、左右方向とは図2および図4における左右方向を基準とする。また、前後方向とは、図3および図4における図示左方を前方とし、図示右方を後方として説明する。
雌端子20は、導電性に優れた金属板材をプレスなどによって加工することにより、図3および図7に示すように、前後に長い形態に形成されている。雌端子20は、角筒状の端子本体21の後方に電線接続部22が設けられた形態とされている。
端子本体21は、図5および図9に示すように、正面視略矩形状をなす四角筒状をなしており、端子本体21の内部には、図3および図7に示すように、端子本体21の天井板21Aから前方に向かって片持ち状に延出された弾性片23が設けられている。端子本体21の前端部における底板21Bの外面には、図3および図5に示すように、下方に突出する被係止部24が設けられている。被係止部24は、前方に向かうほど先細りとなる略半円錐状に形成されており、被係止部24の後面は、端子本体21の底板21Bから外方に向かって離れるほど後方に向かってオーバーハング状に傾斜する被係止面24Aとされている。
電線接続部22は、図3および図7に示すように、複数のバレル25を有しており、これらのバレル25が電線Wの端末に圧着されることで、電線Wの端末に雌端子20が電気的に接続されている。
電線接続部22は、図3および図7に示すように、複数のバレル25を有しており、これらのバレル25が電線Wの端末に圧着されることで、電線Wの端末に雌端子20が電気的に接続されている。
ハウジング30は、合成樹脂製であって、図1に示すように、正面視略矩形状をなす前後に長いブロック状をなしている。ハウジング30の内部には、図2および図5に示すように、前後方向に貫通する複数(本実施形態では4つ)のキャビティ31が上下左右に整列した状態で形成されており、各キャビティ31は、図3および図4に示すように、ハウジング30の全長に亘って延びる隔壁32によって完全に独立した形態で形成されている。また、各キャビティ31における下端部は、左方に拡幅されることで上端部に比べてやや幅広に形成されている。
各キャビティ31内には、図3および図7に示すように、後方から雌端子20が収容可能とされており、キャビティ31内に収容された雌端子20は、キャビティ31の前後方向略中央部に設けられた弾性係止片33によって後方から係止されることで、キャビティ31内に抜け止めされている。
各キャビティ31内には、図3および図7に示すように、後方から雌端子20が収容可能とされており、キャビティ31内に収容された雌端子20は、キャビティ31の前後方向略中央部に設けられた弾性係止片33によって後方から係止されることで、キャビティ31内に抜け止めされている。
弾性係止片33は、キャビティ31の底壁31Aから前方に向けて片持ち状に延出された形態とされており、弾性係止片33の基端部を支点に上下に弾性変位可能とされている。弾性係止片33は、キャビティ31内に雌端子20が後方から挿入されると、雌端子20の端子本体21によって後方から押圧されることで下方に弾性変位し、雌端子20が正規の収容位置に至ると、端子本体21による押圧状態が解除されることで弾性復帰する。そして、端子本体21の下端部が弾性係止片33によって後方から係止されることで、雌端子20の後方への抜け止めが図られる。
さて、ハウジング30の前端部には、図2から図4に示すように、ハウジング30の前端面30Aよりも後方に僅かに凹んだリテーナ装着凹部34がキャビティ31の前端開口の周辺部に設けられており、このリテーナ装着凹部34には、別体のフロントリテーナ(「リテーナ」の一例)40が前方から組み付けられるようになっている。
リテーナ装着凹部34は、前方に向けて略矩形状に開口すると共に、左方に開口しており、リテーナ装着凹部34の内部空間は、各キャビティ31と前後に連通している。ハウジング30の前端部におけるリテーナ装着凹部34の右方には、リテーナ装着凹部34の右側内壁34Aとハウジング30の右側面30Bとに開口するロック用溝部35が上下二段で設けられている。ロック用溝部35は、リテーナ装着凹部34の上端部と上下方向略中央部との位置に設けられており、各ロック用溝部35の底壁35Aには、上方に突出するロック部36が設けられている。ロック部36は、突出端である上端部が下端部よりも幅狭となるように正面視台形状に形成されており、両ロック用溝部35のロック部36は、上下方向に揃った配置とされている。
フロントリテーナ40は、図2および図4に示すように、ハウジング30にリテーナを前方から組み付けた状態の仮係止位置と、図6および図8に示すように、仮係止位置よりも右側に変位した本係止位置との間を左右方向にスライド変位可能とされている。また、フロントリテーナ40は、図4および図5に示すように、リテーナ装着凹部34内に収容されることでハウジング30の前壁を構成する前壁部41と、前壁部41から後方に真っ直ぐ延出されて各キャビティ31に挿入される複数(本実施形態では4つ)の係止片(「係止部」の一例)42とを備えて構成されている。
前壁部41は、図3および図4に示すように、やや厚みのある正面視略矩形平板状をなしており、フロントリテーナ40がハウジング30に対して組み付けられると、前壁部41がリテーナ装着凹部34に収容され、前壁部41の前端面41Aとハウジング30の前端面30Aとが面一となるように形成されている。また、前壁部41は、仮係止位置では、図2および図4に示すように、リテーナ装着凹部34の左右方向略中央部に配され、本係止位置では、図6および図8に示すように、リテーナ装着凹部34の右端に配される。
前壁部41には、図2および図6に示すように、前後に貫通して設けられた略矩形状の端子挿通孔43が複数(本実施形態では4つ)設けられている。各端子挿通孔43は、上下左右に整列した状態で形成されており、前壁部41がリテーナ装着凹部34の右端に配された本係止位置に配されると、図6から図8に示すように、各キャビティ31と前後方向に一致するようになっている。
各端子挿通孔43の周縁部には、図6から図8に示すように、後方に向かうほど端子挿通孔43に向かって傾斜する4つの案内面44がそれぞれ設けられており、各端子挿通孔43の下方には、前壁部41を前後に貫通する正面視略矩形の貫通孔45が設けられている。
貫通孔45は、前壁部41が本係止位置に配されると、図6および図7に示すように、キャビティ31内に収容された雌端子20の被係止部24の前方に配され、貫通孔45を通して前方から被係止部24が確認できるようになっている。
貫通孔45は、前壁部41が本係止位置に配されると、図6および図7に示すように、キャビティ31内に収容された雌端子20の被係止部24の前方に配され、貫通孔45を通して前方から被係止部24が確認できるようになっている。
また、前壁部41の右側端面41Bにおける上端部と上下方向略中央部との2箇所には、図2および図6に示すように、ハウジング30のロック部36と左右方向に係止可能なロック片46が設けられている。ロック片46は、前壁部41から右方に延出された上下方向に扁平な平板状に形成されており、ロック片46の基端部を支点に上下に弾性変位可能とされている。ロック片46の基端部は、下方に張り出すことで肉厚に形成されており、ロック片46の基端部における剛性が高められている。ロック片46の先端には、下方に突出するロック爪47が設けられており、ロック爪47の右側の先端面は、下方に向かうほど左方に傾斜した乗り上げ面47Aとされている。
ロック片46は、ハウジング30に対してフロントリテーナ40を前方から組み付ける際に、ロック片46が弾性変位する方向と直交した前方からロック部36に対して組み付けられるようになっており、ロック片46を弾性変位させることなく、ロック部36の左面と乗り上げ面47Aとを前後方向に摺動させつつ、ロック部36に組み付けられるようになっている。
また、フロントリテーナ40を仮係止位置から本係止位置に変位させる過程では、ロック部36に対してロック爪47の乗り上げ面47Aが乗り上げることでロック片46が上方に弾性変位し、前壁部41が本係止位置に至ると、ロック爪47がロック部36を乗り越えてロック片46が弾性復帰する。そして、図6に示すように、ロック爪47とロック部36とが左右方向に係止することで、前壁部41が本係止位置に配された状態に保持されるようになっている。
係止片42は、図3および図5に示すように、前後方向に長い平面視略矩形をなしており、左右方向に幅広で前後に長い平板状をなす延出部48と、延出部48の延出端である後端部に設けられた前後に長い係止突部49とを備えて構成されている。
延出部48は、前壁部41からハウジング30内に収容された雌端子20における端子本体21の前後方向略中央部の位置まで延出された形態をなしており、延出部48の幅寸法は、キャビティ31の幅寸法の半分よりもやや大きい寸法に設定されている。延出部48は、キャビティ31の下端部において底壁31Aに沿うように配されている。言い換えると、延出部48は、キャビティ31内に収容された雌端子20よりも下方に配されている。
延出部48は、前壁部41からハウジング30内に収容された雌端子20における端子本体21の前後方向略中央部の位置まで延出された形態をなしており、延出部48の幅寸法は、キャビティ31の幅寸法の半分よりもやや大きい寸法に設定されている。延出部48は、キャビティ31の下端部において底壁31Aに沿うように配されている。言い換えると、延出部48は、キャビティ31内に収容された雌端子20よりも下方に配されている。
また、延出部48は、仮係止位置では、図4および図5に示すように、キャビティ31内において左側に偏心した左側端部に配され、延出部48の右側端部がキャビティ31の左右方向略中央部よりもやや右寄りの位置に配されるようになっている。また、延出部48は、本係止位置では、図8および図9に示すように、キャビティ31内において右側に偏心した右側端部に配され、延出部48の左側端部がキャビティ31の左右方向略中央部よりもやや左寄りの位置に配されるようになっている。
係止突部49は、図3および図5に示すように、延出部48の左側端部における上面から上方に突出した形態をなしており、係止突部49の上端は、キャビティ31内に収容された雌端子20の下面の高さ位置に設定されている。また、係止突部49は、図4に示すように、延出部48の後端から延出部48の前後方向略中央部の位置まで前方に向かって延びるブロック状に形成されており、延出部48の左側縁に沿うように左側に偏心した位置に配置されている。係止突部49の前端面は、図3に示すように、延出部48から離れるほど前方に向かってオーバーハング状に傾斜しており、キャビティ31内に収容された雌端子20の被係止部24における被係止面24Aとほぼ平行となる係止面49Aとされている。
係止突部49は、仮係止位置では、図4および図5に示すように、キャビティ31の左側壁31Bに接触した状態となり、キャビティ31内に収容される雌端子20の被係止部24の進入経路から退避した状態となる。そして、本係止位置では、図8および図9に示すように、係止突部49は、キャビティ31の左右方向略中央部に配されることで、キャビティ31内に収容される雌端子20の被係止部24の進入経路内に配置され、係止突部49の係止面49Aが雌端子20の被係止部24の被係止面24Aと前後に対向した状態となる。そして、端子本体21の被係止部24における被係止面24Aが係止突部49の係止面49Aによって後方から係止されることで、雌端子20が二重に係止されるようになっている。
本実施形態は、以上のような構成であって、続いて、コネクタ10の組付て手順を説明すると共に、コネクタ10の作用および効果について説明する。
まず、ハウジング30に対してフロントリテーナ40を前方から組み付け、ハウジング30に対してフロントリテーナ40を仮係止位置に配置する。ここで、ハウジング30に対してフロントリテーナ40を組み付ける際には、ハウジング30の各キャビティ31に対して係止片42をそれぞれ挿入しつつ、前壁部41をハウジング30のリテーナ装着凹部34内に収容する。また、フロントリテーナ40を仮係止位置に配置する直前に、ロック部36の左面にロック爪47の乗り上げ面47Aを沿わせるようにして、ロック部36にロック片46を前方から組み付ける。つまり、ロック片46を弾性変位させることなくロック片46を仮係止位置に配置することができるから、例えば、ロック片を変形させて仮係止位置に配置する場合に比べて、ロック片46が塑性変形したり、ロック片46が破損したりすることを防ぐことができる。
まず、ハウジング30に対してフロントリテーナ40を前方から組み付け、ハウジング30に対してフロントリテーナ40を仮係止位置に配置する。ここで、ハウジング30に対してフロントリテーナ40を組み付ける際には、ハウジング30の各キャビティ31に対して係止片42をそれぞれ挿入しつつ、前壁部41をハウジング30のリテーナ装着凹部34内に収容する。また、フロントリテーナ40を仮係止位置に配置する直前に、ロック部36の左面にロック爪47の乗り上げ面47Aを沿わせるようにして、ロック部36にロック片46を前方から組み付ける。つまり、ロック片46を弾性変位させることなくロック片46を仮係止位置に配置することができるから、例えば、ロック片を変形させて仮係止位置に配置する場合に比べて、ロック片46が塑性変形したり、ロック片46が破損したりすることを防ぐことができる。
ハウジング30に対してフロントリテーナ40が仮係止位置に組み付けられたところで、ハウジング30の後方から各キャビティ31に対して雌端子20を挿入し、雌端子20が正規の収容位置まで挿入されると、図3に示すように、それぞれの雌端子20がキャビティ31の弾性係止片33によって後方から係止される。また、キャビティ31に対して雌端子20を挿入する過程では、図4に示すように、係止片42の係止突部49は、被係止部24の進入経路から退避した状態となっており、係止突部49と被係止部24とが前後方向に接触することがないから、例えば、ハウジングに設けられた係止部を雌端子の被係止部によって押し退けつつ、雌端子を正規の収容位置まで挿入するようなランスに場合に比べて、雌端子20の挿入抵抗を高くすることなく、雌端子20を正規の収容位置まで挿入することができる。
全ての雌端子20が弾性係止片33によって後方から係止されたところで、フロントリテーナ40を右方にスライド変位させて仮係止位置から本係止位置に変位させる。すると、各キャビティ31内において、係止片42がキャビティ31の左側端部から右側端部の位置に変位し、図7から図9に示すように、係止片42の係止突部49が雌端子20の端子本体21における被係止部24の後方に配される。これにより、各雌端子20の被係止部24がフロントリテーナ40に設けられた前後に長い係止突部49によって後方から係止され、雌端子20が弾性係止片33と共に二重に係止された状態となることにより、コネクタ10の組立てが完了する。
つまり、本実施形態によると、キャビティ31内に雌端子20を挿入した後に、係止片42を仮係止位置から本係止位置に変位させ、係止片42に設けられた前後に長い係止突部49によって雌端子20を後方から係止するから、雌端子20に対する係止突部49の剪断面積を大きくすることができる。これにより、雌端子20の挿入性を低下させることなく、雌端子20の保持力を向上させることができる。
また、各キャビティ31に対してフロントリテーナ40の係止片42を前方から挿入し、それぞれのキャビティ31内において係止片42を雌端子20の挿入方向である前後方向と直交する左右方向に変位させて、係止突部49によって雌端子20を抜け止めするから、キャビティ31間に雌端子20同士を短絡させる孔を設ける必要がなく、キャビティ31間に孔を設けることに起因して雌端子20同士が短絡することを防ぐことができるようになっている。
以上のように、本実施形態によると、フロントリテーナ40の係止片42を、キャビティ31の前方から挿入して雌端子20の進入経路から退避した仮係止位置に配置し、雌端子20をキャビティ31の正規の位置まで挿入した後、フロントリテーナ40を右方向にスライド変位させて、係止片42を雌端子20の進入経路である本係止位置に配置することにより、雌端子20を後方から係止することができる。
つまり、例えば、雌端子の挿入過程において雌端子によって押圧されるランスのような係止片の場合、雌端子の保持力を向上させるには、一般に、係止片を肉厚や幅広に形成して雌端子に対する係止片の剪断面積を確保するため、係止片の剛性が高くなることで雌端子の挿入性が低下してしまう嫌いがある。ところが、本実施形態によると、雌端子20の挿入の際に、雌端子20の被係止部24と係止片42とが前後に接触することがないから、雌端子20の挿入性を低下させることなく、雌端子20の挿入作業を実施することができる。また、係止突部49の前後の長さを任意に変更することにより、雌端子20に対する係止突部49の剪断面積を容易に変更することができるから、雌端子20の保持力を容易に変更することができる。
ところで、例えば、キャビティ内において係止片を変位させる方向を左右方向ではなく、延出部の板厚方向である上下方向に変位させることで、雌端子の被係止部の後方に係止突部を配置する方法も考えられる。しかしながら、延出部の板厚方向に係止片を変位させて雌端子の被係止部を後方から係止すると、雌端子が後方に変位した際に、延出部が上下方向に撓んでしまうことで、被係止部に対する係止突部の係止代が小さくなったり、被係止部と係止突部との係止が解除されたりする虞がある。
ところが、本実施形態によると、係止片42は、延出部48の板厚方向である上下方向と直交した左右方向にスライド変位する構成となっており、雌端子20が後方に変位したとしても、延出部48が左右方向に大きく撓むことがないから、本係止位置における雌端子20の保持力を高い状態に確保することができる。
また、本実施形態によると、フロントリテーナ40をハウジング30の前方から組み付けて仮係止位置に配置することができるから、ロック片46を弾性変位させることなく、ロック部36に組み付けることができる。したがって、例えば、ロック片を弾性変形させつつ、ハウジングにフロントリテーナを組み付ける場合に比べて、ロック片46が塑性変形したり、ロック片46が破損したりすることを防ぐことができる。これにより、係止片42を本係止位置に確実に保持することができ、フロントリテーナ40の係止突部49による雌端子20の保持力を確実に発揮させることができる。
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、被係止部24の被係止面24Aと係止突部49の係止面49Aとを傾斜した状態に構成した。しかしながら、これに限らず、被係止面と係止面とを上下方向に垂直な面に構成してもよい。
(2)上記実施形態では、フロントリテーナ40を左右方向にスライド変位可能に構成した。しかしながら、これに限らず、フロントリテーナを斜め後方向や斜め前方向にスライド変位可能に構成してもよい。
(3)上記実施形態では、雌端子20を有するコネクタ10を一例として示した。しかしながら、これに限らず、雄端子を有するコネクタに本明細書で開示した技術を適用してもよい。
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、被係止部24の被係止面24Aと係止突部49の係止面49Aとを傾斜した状態に構成した。しかしながら、これに限らず、被係止面と係止面とを上下方向に垂直な面に構成してもよい。
(2)上記実施形態では、フロントリテーナ40を左右方向にスライド変位可能に構成した。しかしながら、これに限らず、フロントリテーナを斜め後方向や斜め前方向にスライド変位可能に構成してもよい。
(3)上記実施形態では、雌端子20を有するコネクタ10を一例として示した。しかしながら、これに限らず、雄端子を有するコネクタに本明細書で開示した技術を適用してもよい。
10:コネクタ
20:雌端子(端子)
21:端子本体
24:被係止部
30:ハウジング
31:キャビティ
36:ロック部
40:フロントリテーナ(リテーナ)
42:係止片(係止部)
46:ロック片
48:延出部
49:係止突部
20:雌端子(端子)
21:端子本体
24:被係止部
30:ハウジング
31:キャビティ
36:ロック部
40:フロントリテーナ(リテーナ)
42:係止片(係止部)
46:ロック片
48:延出部
49:係止突部
Claims (3)
- 端子が収容される複数のキャビティが設けられたハウジングを有するコネクタであって、
前記ハウジングに対して前記端子の収容方向とは反対方向を組付方向として組付可能なリテーナを備え、
前記リテーナは、前記組付方向から前記複数のキャビティにそれぞれ挿入可能な複数の係止部を有しており、
前記係止部は、前記端子に設けられた被係止部の進入経路から退避した仮係止位置と、前記被係止部の進入経路内に進入して前記被係止部を前記端子の収容方向から係止する本係止位置との間を前記端子の収容方向と交差する方向に変位可能とされているコネクタ。 - 前記被係止部は、前記端子に設けられた端子本体から突出して形成されており、
前記係止部は、前記組付方向に延出された板状の延出部と、前記延出部の延出端部に設けられた係止突部とを備えており、
前記係止部は、前記延出部の板厚方向とは異なる方向に変位することで、前記係止突部によって前記被係止部を前記端子の収容方向から係止する請求項1記載のコネクタ。 - 前記リテーナには、前記ハウジングに設けられたロック部を乗り越えることにより前記係止部を前記本係止位置にロックする弾性変位可能なロック片が設けられており、
前記ロック片は、前記ロック部を乗り越える方向と交差する方向から組み付けられることで、前記ロック部を乗り越える前の位置に配される請求項1または請求項2記載のコネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014189777A JP2016062750A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014189777A JP2016062750A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016062750A true JP2016062750A (ja) | 2016-04-25 |
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ID=55798142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014189777A Pending JP2016062750A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016062750A (ja) |
-
2014
- 2014-09-18 JP JP2014189777A patent/JP2016062750A/ja active Pending
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