JP2015216000A - リテーナ付きコネクタ - Google Patents

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Shimpei Sugimoto
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Abstract

【課題】リテーナによる端子金具の保持力を高めることが可能なリテーナ付きコネクタを提供する。
【解決手段】端子金具10が後方から挿入されるキャビティ23が設けられたハウジング20と、前記ハウジング20に取り付けられ、前記キャビティ23から退避して前記端子金具10の挿抜を許容する仮係止位置と、前記キャビティ23内に突出して前記端子金具10の挿抜を制限する本係止位置とに移動可能とされたリテーナ40と、を備え、前記リテーナ40は、前記仮係止位置から前記端子金具10の挿抜方向に対して斜め前方に移動した後、前記端子金具10の挿抜方向に対して略直交方向に移動して前記本係止位置に至るものとされている。
【選択図】図9

Description

本発明は、リテーナ付きコネクタに関する。
従来、ハウジングに設けられたキャビティ内に収容された端子金具を、キャビティに設けられたランスと、ハウジングに取り付けられたリテーナとによって二重に係止することで、抜け止めするようにしたリテーナ付きコネクタが知られている。
例えば、下記特許文献1に記載のリテーナ付きコネクタのハウジングには、キャビティに挿入された端子金具に一次係止するランスが設けられている。また、ハウジングには、キャビティから退避して端子金具の挿抜を許容する仮係止位置と、キャビティ内に突出して端子金具に二次係止する本係止位置との間で移動可能とされたリテーナが取り付けられている。このリテーナは、端子金具をキャビティに挿入する作業の時には仮係止位置に保持され、端子金具をキャビティに挿入し終えると、仮係止位置から斜め前方に移動されて本係止位置に至るものとされる。
特開2004−55227号公報
ところで、ランスをハウジングに設けることは、ハウジングの大型化を招いたり、ハウジングの内部構造を複雑化させてハウジング成形時の樹脂流れを悪くする等の問題を生じることがある。そこで、上記のようなリテーナ付きコネクタにおいて、ハウジングにランスを設けることなく、リテーナのみで端子金具の抜け止めを図りたいという要望があった。しかしながら、上記のように、単純に斜め方向に移動するリテーナのみで端子金具の抜け止めをする場合、電線が引っ張られる等によって端子金具に後向きの力が作用すると、その端子金具によってリテーナが後方に押され、斜め後方に移動して端子金具との係止状態が解除されてしまう虞があり、端子金具の保持力が低下することが懸念された。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、リテーナによる端子金具の保持力を高めることが可能なリテーナ付きコネクタを提供することを目的とする。
本発明のリテーナ付きコネクタは、端子金具が後方から挿入されるキャビティが設けられたハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記キャビティから退避して前記端子金具の挿抜を許容する仮係止位置と、前記キャビティ内に突出して前記端子金具の挿抜を制限する本係止位置とに移動可能とされたリテーナと、を備え、前記リテーナは、前記仮係止位置から前記端子金具の挿抜方向に対して斜め前方に移動した後、前記端子金具の挿抜方向に対して略直交方向に移動して前記本係止位置に至るものとされている。
本発明によれば、リテーナは、本係止位置から略直交方向に移動した後、斜め方向に移動することで仮係止位置に至るから、リテーナが本係止位置から斜め後方に移動するだけで仮係止位置に至るものに比して、リテーナが後方に押されても仮係止位置に移動しにくい。したがって、リテーナによる端子金具の保持力を高めることができる。
本実施例におけるコネクタであって、端子金具を挿入する前の状態を示す斜視図 ハウジングおよびリテーナを示す側面図と、係止突起を示す一部拡大側面図 上側リテーナを示す正面図 リテーナが仮保持位置に保持された状態のコネクタを示す側面図 リテーナが仮保持位置に保持された状態のコネクタを示す断面図と、係止突起および凹部を示す一部拡大断面図 リテーナが中間位置に保持された状態のコネクタを示す側面図 リテーナが中間位置に保持された状態のコネクタを示す断面図と、係止突起および凹部を示す一部拡大断面図 リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタを示す側面図 リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタを示す断面図と、係止突起および凹部を示す一部拡大断面図
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明のリテーナ付きコネクタは、前記端子金具が半挿入状態である場合には、前記リテーナが、前記仮係止位置から斜め前方に移動する際に前記端子金具を前方に押して正規の挿入状態に至らしめるものとしてもよい。
このような構成によれば、リテーナの移動により端子金具の半挿入状態が矯正されるから、端子金具が半挿入状態で留め置かれず、端子金具の挿入位置を容易に矯正することができる。
また、本発明のリテーナ付きコネクタは、前記ハウジングおよび前記リテーナが、互いに摺接して前記リテーナの斜め方向の移動を案内する第1案内部と、前記リテーナの略直交方向の移動を案内する第2案内部とを備えているものとしてもよい。
このような構成によれば、リテーナの斜め方向の移動および略直交方向の移動が案内されるから、リテーナの移動をスムーズに行うことができる。
<実施例>
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1〜図9を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例におけるリテーナ付きコネクタ(以下、単にコネクタCと称する)は、複数の端子金具10が収容されるハウジング20と、端子金具10を抜け止めするリテーナ40とを備えている。以下、各構成部材において、ハウジング20における嵌合面側を前方とし、また、図1の上側を上方、下側を下方として説明する。
端子金具10は、雌型の端子金具であり、導電性の金属板をプレス加工することで形成されている。端子金具10は、図示しない相手側の雄型の端子金具のタブが前方から挿入される端子本体部11と、電線13の端末部に圧着接続されるバレル部12とを備えている(図5参照)。端子本体部11は角筒状をなし、その後面が、リテーナ40に係止される被係止部14とされている。
ハウジング20は、合成樹脂材により全体として扁平なブロック状に形成されている(図1参照)。ハウジング20の上面には、図示しない相手側コネクタと正規に嵌合したときに、相手側コネクタに係止して両コネクタを嵌合状態にロック可能なロックアーム21が設けられている。ロックアーム21は、ハウジング20の幅方向における中央部に設けられ、上下方向に弾性撓み可能とされている。ロックアーム21は、ハウジング20の上面に一段低く形成された段差部22に設けられている。
ハウジング20には、後方から端子金具10が挿入されるキャビティ23が複数設けられている。キャビティ23は、上下2段に配置されており、上段のキャビティ23は、ロックアーム21(段差部22)の両側方に形成されている。
ハウジング20には、図2に示すように、リテーナ40が装着されるリテーナ装着部24が、ハウジング20の上面側と下面側とにそれぞれ設けられている。上下のリテーナ装着部24のうち上面側のリテーナ装着部(以下、上側リテーナ装着部24Uと称する)はハウジング20の上方および両側方の三方に開口し、下面側のリテーナ装着部(以下、下側リテーナ装着部24Sと称する)はハウジング20の下方および両側方の三方に開口している。なお、上側リテーナ装着部24Uは、上段の全キャビティ23に連通して形成され、下側リテーナ装着部24Sは、下段の全キャビティ23に連通して形成されている。
リテーナ装着部24は、ハウジング20の前後方向における中間部に形成され、その前端位置は、図5に示すように、キャビティ23内に正規深さまで挿入された端子金具10の端子本体部11の後端位置(被係止部14の配置位置)に揃えられている。リテーナ装着部24の前後両面34は、前後方向に対して略直交する面とされ、リテーナ40の略直交方向の移動を案内する第2案内部を構成している。
リテーナ装着部24の前端部には、図9に示すように、本係止位置に配されたリテーナ40の外面側に係止し、その外側への変位を制限する係止凸部25が突設されている。係止凸部25は、上側リテーナ装着部24Uの上端部および下側リテーナ装着部24Sの下端部に設けられている。係止凸部25は、リテーナ装着部24の開口縁部のうち前側の縁部に、幅方向に延びて形成されている。
係止凸部25の断面形状は、図5に示すように、その前側の部分(根元側の部分)が、上面と下面とが略平行(上下方向の厚さ寸法が一定)をなす基部25Kとされ、その後側の部分(先端側の部分)が、後端(先端)に向かって尖った形状をなす尖り部25Lとされている。尖り部25Lの上面および下面は、基部25Kから後端に向かって同等の勾配で互いに接近する傾斜をなしている。尖り部25Lの後端は、その上下方向における略中心に位置している。
ハウジング20の両側面には、図2に示すように、その上側および下側に、前後一対ずつ突起部26が設けられている。
前後の突起部26のうち前側の突起部(以下、前側突起部26Mと称する)は、側面視、方形状をなし、その四つの角部はすべて丸められている。前側突起部26Mの突出端面は、その全面にわたりハウジング20の側面に対して略平行をなしている。
前後の突起部26のうち後側の突起部(以下、後側突起部26Uと称する)は、側面視、前側突起部26Mよりも前後方向に長い長方形状をなしている。後側突起部26Uの前端の上下両角部は略直角をなし、後端の上下両角部は丸められている。
後側突起部26Uのうち略前半部分の突出端面は、ハウジング20の側面に対して略平行をなし、略後半部分の突出端面(後側突起部26Uの後面33)は、後端から前方に向かってハウジング20の側面からの突出寸法が少しずつ増すように傾斜している。
前側突起部26Mおよび後側突起部26Uの上下両面27は、いずれも前後方向に対して緩やかに傾斜しており、リテーナ40の斜め方向の移動を案内する第1案内部を構成している。
また、前側突起部26Mの前後両面31および後側突起部26Uの前面32は、前後方向に対して略直交する面とされ、リテーナ40の略直交方向の移動を案内する第2案内部を構成している。前側突起部26Mの前後両面31と後側突起部26Uの前面32とは互いに略平行をなし、ハウジング20の上下方向における中央側の端が、ハウジング20の上面側または下面側の端よりもわずかに後側に位置するように傾斜している。
リテーナ40は、リテーナ装着部24に一ずつ装着されている。リテーナ装着部24に装着されたリテーナ40は、キャビティ23から退避して端子金具10の挿抜を許容する仮係止位置と、キャビティ23内に突出して端子金具10の挿抜を制限する本係止位置とに移動可能とされている。リテーナ40は、仮係止位置から端子金具10の挿抜方向に対して斜め前方に移動した後、端子金具10の挿抜方向に対して略直交方向に移動して本係止位置に至るものとされている。
リテーナ40は合成樹脂材にて形成され、ハウジング20の上面側または下面側に沿うようにして幅方向に延びる形状をなすリテーナ本体部41と、リテーナ本体部41の長手方向の両端部に設けられてハウジング20の側面の外側に沿うように張り出す左右一対の側片部42とを備えている。
リテーナ本体部41には、端子金具10の被係止部14に後方から係止してその抜け止めをする抜け止め部43が各キャビティ23に対応して設けられている。抜け止め部43は、上側リテーナ装着部24Uに装着されるリテーナ(以下、上側リテーナ40Uと称する)においてはリテーナ本体部41の下面に設けられ(図3参照)、下側リテーナ装着部24Sに装着されるリテーナ(以下、下側リテーナ40Sと称する)においてはリテーナ本体部41の上面に設けられている。なお、上側リテーナ40Uのリテーナ本体部41は、図3に示すように、幅方向の中間部がロックアーム21の下方に配されるようにハウジング20の段差部22に沿う形状をなしている。
また、抜け止め部43の両側には、隣り合うキャビティ23間を仕切る隔壁を構成する壁部35Rが立設されている。この壁部35Rと、ハウジング20側に設けられて隔壁を構成する壁部35Hとの当接面35は、前後方向に対して傾斜し、リテーナ40の斜め方向の移動を案内する第1案内部を構成している。
リテーナ本体部41の前面には、リテーナ装着部24に設けられた係止凸部25が入り込み可能な凹部44が設けられている。凹部44は、係止凸部25に対応してリテーナ本体部41の前面に凹み形成され、リテーナ本体部41の幅方向に延びる溝形状をなしている(図1参照)。
凹部44の断面形状は、図5に示すように、その前側の部分(開口側の部分であって、以下、開口部44Kと称する)が、後側の部分(奥側の部分であって、以下、奥部44Lと称する)よりも上下方向に大きく開いた形状とされている。開口部44Kの上面および下面は、奥部44Lから前端に向かって互いの間隔が開く向きで傾斜している。また、奥部44Lの上面および下面は、開口部44K側の端部は略平行をなし、それよりも後側は、後端に向かって互いに接近する側に傾斜している。奥部44Lの後端面(奥端面)は、前後方向に対して略直交をなしている。なお、凹部44は、図7に示すように、若干の隙間を有して係止凸部25が入り込み可能な大きさを有している。
また、リテーナ本体部41の前端部には、リテーナ40が本係止位置に保持されているときに、係止凸部25の内側に入り込むように傾斜したテーパ部48が形成されている(図9参照)。テーパ部48は、図1に示すように、係止凸部25の形成範囲と同等の範囲にわたり、リテーナ本体部41の幅方向に連続して設けられている。
リテーナ40の両側片部42には、ハウジング20に設けられた前側突起部26Mおよび後側突起部26Uが入り込み可能な孔部45が、開口して形成されている(図4参照)。孔部45は、全体として前後方向に長い長孔状に形成され、その長さ寸法は、ハウジング20に設けられた前後一対の突起部26が、一括して入る寸法とされている。また、孔部45の上下方向の寸法は、前後の突起部26の同方向の寸法と同等とされ、孔部45の深さ寸法(側片部42の厚さ寸法)は、前後の突起部26の突出寸法と同等とされている。
孔部45の上下両面46は、前後の突起部26の上下両面27に沿うように傾斜し、リテーナ40の斜め方向の移動を案内する第1案内部を構成している。
孔部45の前後方向における中間部には、ハウジング20の前側突起部26Mが嵌合可能な嵌合凹部47が設けられている。嵌合凹部47は、上側リテーナ40Uにおいては孔部45の上側に、下側リテーナ40Sにおいては孔部45の下側に、孔部45と連通して形成されている。
嵌合凹部47は、図8に示すように、前側突起部26Mと略同形をなし、前側突起部26Mが圧入気味に嵌合される。嵌合凹部47の両側面47Sは、前後方向に対して略直交をなし、リテーナ40の直交方向の移動を案内する第2案内部を構成している。嵌合凹部47の開口端の両角部(孔部45との連通部分の両角部)は丸められ、前側突起部26Mを誘い込みやすくされている。なお、嵌合凹部47の両側面47Sは、互いに略平行をなすとともに前側突起部26Mの前後両面31に沿うようにわずかに傾斜している。
また、側片部42の後面49は、前後方向に対して略直交をなし、リテーナ40の略直交方向の移動を案内する第2案内部を構成している。なお、側片部42の後面49は、後側突起部26Uの前面32に沿うようにわずかに傾斜している。
次に、上記のようなコネクタCにおいてハウジング20に端子金具10を挿入する作業の一例について説明する。
まず、ハウジング20の上面側および下面側にリテーナ40を組み付けて仮係止位置に保持させる。リテーナ40の孔部45に前後一対の突起部26を入り込ませるようにすると、孔部45の前端部に前側突起部26Mが嵌合し、孔部45の後端部に後側突起部26Uが嵌合した状態になる(図4参照)。これにより、孔部45の上下両面46と前後の突起部26の上下両面27とが上下方向に当接することで、リテーナ40の上下方向の移動が制限される。また、前側突起部26Mの前面と孔部45の前面とが当接し、後側突起部26Uの後端と孔部45の後面とが当接することで、リテーナ40の前後方向の移動が制限される。この仮係止位置では、図5に示すように、リテーナ40の抜け止め部43がキャビティ23から退避している。
次に、ハウジング20に端子金具10を挿入する。仮係止位置に保持されたリテーナ40の抜け止め部43は、キャビティ23から退避しているので、端子金具10は、キャビティ23内をスムーズに前進する。端子金具10の前端がキャビティ23の前端に至るまで端子金具10を押し入れるようにして、上下の全キャビティ23に順に端子金具10を挿入する。
次いで、リテーナ40を仮係止位置から本係止位置へと移行させる。
まず、リテーナ40を仮係止位置から斜め前方に押して中間位置に移行する。仮係止位置に保持されたリテーナ40を前方に押し込むと、側片部42の後端部が後側突起部26Uの後面33の傾斜によって後側突起部26Uに徐々に乗り上がる。そして、リテーナ40は、第1案内部に案内されて斜め前方にスライド移動し、図6に示すように、側片部42の後端部が後側突起部26Uを乗り越えると、図7に示すように、リテーナ40の凹部44にハウジング20の係止凸部25が入り込み、リテーナ40の前端がリテーナ装着部24の前端面(係止凸部25の下側)に突き当たってその前進が止められる。また、図6に示すように、側片部42の後面49が後側突起部26Uの前面32に当接し、後方への変位が制限される。
この間、端子金具10が半挿入状態であった場合(端子金具10が正規の挿入深さよりも手前に位置していた場合)には、リテーナ40の前進に伴ってキャビティ23に少しずつ進出する抜け止め部43が、端子金具10の後端(被係止部14)を押し、端子金具10を正規の挿入状態に至らしめる。
こうしてリテーナ40は中間位置に至り、図6に示すように、前側突起部26Mと嵌合凹部47とが上下方向に対向して配置される。
次いで、リテーナ40を中間位置から垂直方向に押して本係止位置に移行する。中間位置に保持されたリテーナ40を、上側リテーナ40Uであれば下方、下側リテーナ40Sであれば上方に押し込む。すると、第2案内部によってリテーナ40は垂直方向に移動が案内され、やがて、リテーナ40が本係止位置に至ると、図4に示すように、リテーナ40の抜け止め部43が各キャビティ23に収容された端子金具10の後方に大きく突出して端子金具10の被係止部14に係止し、端子金具10が抜け止めされた状態になる。この状態では、リテーナ40の凹部44が係止凸部25から外れてテーパ部48がその下側または上側に入り、係止凸部25によってリテーナ40は外方への移動を制限される。また、図8に示すように、嵌合凹部47と前側突起部26Mとが嵌合し、側片部42の後面49と後側突起部26Uの前面32とが当接することで、リテーナ40は、前後方向の移動が制限される。
以上により、ハウジング20への端子金具10の挿入およびリテーナ本係止作業が完了する。
ここで、電線13が引っ張られる等によって端子金具10に後向きの力が作用すると、端子金具10によってリテーナ40が後方に押される。すると、嵌合凹部47の前面が前側突起部26Mの前面に押し付けられ、側片部42の後面49が後側突起部26Uの前面32に押し付けられ、リテーナ本体部41の後面がリテーナ装着部24の後面に押し付けられて、リテーナ40の移動は確実に防がれる。したがって、ハウジング20と端子金具10との係止状態が、本発明のリテーナ係止構造により確実に維持される。
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
本実施例のコネクタCは、端子金具10が後方から挿入されるキャビティ23が設けられたハウジング20を有し、ハウジング20には、キャビティ23から退避して端子金具10の挿抜を許容する仮係止位置と、キャビティ23内に突出して端子金具10の挿抜を制限する本係止位置とに移動可能とされたリテーナ40が取り付けられ、リテーナ40は、仮係止位置から端子金具10の挿抜方向に対して斜め前方に移動した後、端子金具10の挿抜方向に対して略直交方向に移動して本係止位置に至るものとされている。
この構成によれば、リテーナ40は、本係止位置から略直交方向に移動した後、斜め後方に移動することで仮係止位置に至るから、リテーナが本係止位置から斜め後方に移動するだけで仮係止位置に至るものに比して、リテーナ40が後方に押されても仮係止位置に移動しにくい。したがって、リテーナ40による端子金具10の保持力を高めることができる。
また、端子金具10が半挿入状態である場合には、リテーナ40は、仮係止位置から斜め前方に移動する際に端子金具10を前方に押して正規の挿入状態に至らしめる。この構成によれば、リテーナ40の移動により端子金具10の半挿入状態が矯正されるから、端子金具10が半挿入状態で留め置かれず、端子金具10の挿入位置を容易に矯正することができる。
また、ハウジング20およびリテーナ40が、互いに摺接してリテーナ40の斜め方向の移動を案内する第1案内部と、リテーナ40の略直交方向の移動を案内する第2案内部とを備えている。この構成によれば、リテーナ40の斜め方向の移動および略直交方向の移動が案内されるから、リテーナ40の移動をスムーズに行うことができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、本発明を、ハウジング20の上下両面にリテーナ40が装着されるコネクタCに適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、ハウジングの上下両面のうちいずれか一方の面側のみにリテーナが装着されるコネクタにも適用することができる。
(2)上記実施例では、本発明を、キャビティ23がハウジング20の上下2段に配されているコネクタCに適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、キャビティがハウジングの上下方向に1段のみまたは、3段以上に配されているコネクタにも適用することができる。
(3)上記実施例では、端子金具10が半挿入状態である場合には、リテーナ40は、仮係止位置から斜め前方に移動する際に端子金具10を前方に押して正規の挿入状態に至らしめるものとされているが、これに限らず、例えば、リテーナは、端子金具が半挿入状態であっても、仮係止位置から斜め前方に移動する際には端子金具に接触せず、略直交方向に移動する際に端子金具に接触して正規の挿入状態に至らしめるものとしてもよい。
(4)上記実施例では、ハウジング20およびリテーナ40には、第1案内部または第2案内部として機能する部位が複数設けられているが、これに限らず、リテーナの移動を案内する手段は適宜変更することができる。
C…コネクタ(リテーナ付きコネクタ)
10…端子金具
20…ハウジング
23…キャビティ
27…前側突起部および後側突起部の上下両面(第1案内部)
31…前側突起部の前後両面(第2案内部)
32…後側突起部の前面(第2案内部)
34…リテーナ装着部の前後両面(第2案内部)
35…当接面(第1案内部)
40…リテーナ
46…孔部の上下両面(第1案内部)
47S…嵌合凹部の両側面(第2案内部)
49…側片部の後面(第2案内部)

Claims (3)

  1. 端子金具が後方から挿入されるキャビティが設けられたハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられ、前記キャビティから退避して前記端子金具の挿抜を許容する仮係止位置と、前記キャビティ内に突出して前記端子金具の挿抜を制限する本係止位置とに移動可能とされたリテーナと、を備え、
    前記リテーナは、前記仮係止位置から前記端子金具の挿抜方向に対して斜め前方に移動した後、前記端子金具の挿抜方向に対して略直交方向に移動して前記本係止位置に至るものとされているリテーナ付きコネクタ。
  2. 前記端子金具が半挿入状態である場合には、前記リテーナが、前記仮係止位置から斜め前方に移動する際に前記端子金具を前方に押して正規の挿入状態に至らしめる請求項1に記載のリテーナ付きコネクタ。
  3. 前記ハウジングおよび前記リテーナが、互いに摺接して前記リテーナの斜め方向の移動を案内する第1案内部と、前記リテーナの略直交方向の移動を案内する第2案内部とを備えている請求項1または請求項2に記載のリテーナ付きコネクタ。
JP2014097718A 2014-05-09 2014-05-09 リテーナ付きコネクタ Pending JP2015216000A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1145751A (ja) * 1997-07-25 1999-02-16 Amp Japan Ltd 電気コネクタ

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