JP2016060910A - 熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

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JP2016060910A JP2015165491A JP2015165491A JP2016060910A JP 2016060910 A JP2016060910 A JP 2016060910A JP 2015165491 A JP2015165491 A JP 2015165491A JP 2015165491 A JP2015165491 A JP 2015165491A JP 2016060910 A JP2016060910 A JP 2016060910A
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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、高温環境において収縮しにくく、かつ、延伸により破断しにくい
、偏光子の保護フィルムに適した、熱可塑性樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】メタクリル酸エステル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含む樹脂(A)と、メタクリル酸エステル単量体単位を含み、芳香族ビニル単量体単位を含まない樹脂(B)とを含有する熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂フィルムであって、
樹脂(A)が、樹脂(A)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、芳香族
ビニル単量体単位の含有割合が50重量%以上である樹脂であり、
樹脂(B)が、樹脂(B)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、メタク
リル酸エステル単量体単位の含有割合が50重量%以上である樹脂であり、
樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量(W)に対する樹脂(B)の
重量(W)の比(W/W)が1より大きい熱可塑性樹脂フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムに関し、それを延伸してなる延伸フィルムおよび偏光子保護フィルムにも関する。
液晶表示装置は通常、偏光板を備えており、偏光板として通常、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の少なくとも一方の面に、偏光子を保護するための偏光子保護フィルムが配置されたものが用いられている。
液晶表示装置は、例えば、自動車の車内等の高温環境で使用されることがよくあり、偏光子は高温環境において収縮しやすい性質があるため、耐熱性に優れ、かつ、偏光子の収縮を抑制するように、高温環境において収縮しにくい偏光子保護フィルムが求められている。
一般に、偏光子保護フィルムとして、熱可塑性樹脂フィルムがそのままで、または熱可塑性樹脂フィルムを延伸してなる延伸フィルムが用いられる。特許文献1には、(メタ)アクリル酸単量体単位、ビニル芳香族単量体単位およびラクトン環単量体単位を有するアクリル系共重合体からなる熱可塑性樹脂フィルムを延伸してなる延伸フィルムを偏光子保護フィルムとして用いることが記載されているが、特許文献1に記載されている熱可塑性樹脂フィルムは、延伸により破断しやすいことがあり、延伸時のハンドリング性に改善の余地があった。
特開2007−63541号公報
本発明者らは、耐熱性に優れ、高温環境において収縮しにくく、かつ、延伸により破断しにくい熱可塑性樹脂フィルムを提供するため、鋭意検討し、本発明に至った。
本発明は、以下を含む。
[1]メタクリル酸エステル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含む樹脂(A)と、メタクリル酸エステル単量体単位を含み、芳香族ビニル単量体単位を含まない樹脂(B)とを
含有する熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂フィルムであって、
樹脂(A)が、樹脂(A)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、芳香族
ビニル単量体単位の含有割合が50重量%以上である樹脂であり、
樹脂(B)が、樹脂(B)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、メタク
リル酸エステル単量体単位の含有割合が50重量%以上である樹脂であり、
樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量(W)に対する樹脂(B)の
重量(W)の比(W/W)が1より大きい熱可塑性樹脂フィルム。
[2]前記樹脂組成物は、さらにゴム弾性体粒子を含有する上記[1]記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[3]樹脂(A)がさらに環状酸無水物単量体単位を含み、前記樹脂組成物のメルトマスフローレートが1.2g/10min以上である上記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムを、延伸して得られる延伸フィルム。
[5]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムまたは[4]に記載の延伸フィルムからなる偏光子保護フィルム。
[6]偏光子の少なくとも一方の面に、上記[5]に記載の偏光子保護フィルムが配置された偏光板。
本発明によれば、耐熱性に優れ、高温環境において収縮しにくく、かつ、延伸により破断しにくい熱可塑性樹脂フィルムおよびそれを延伸してなる延伸フィルムを提供することができる。また、このような熱可塑性樹脂フィルムまたは延伸フィルムからなる偏光子保護フィルムを提供し、更に偏光子の一方の面に、この偏光子保護フィルムが配置された偏光板を提供することもできる。
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を示す概略説明図である。
〔樹脂組成物〕
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、樹脂組成物からなり、この樹脂組成物は、メタクリル酸エステル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含む樹脂(A)と、
メタクリル酸エステル単量体単位を含み、芳香族ビニル単量体単位を含まない樹脂(B)とを含有するものである。
〔樹脂(A)〕
樹脂組成物を構成する樹脂(A)は、メタクリル酸エステル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含む樹脂である。
メタクリル酸エステル単量体単位は、メタクリル酸エステル単量体から導かれる単量体単位である。メタクリル酸エステル単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸の炭素数1〜8のアルキルまたはシクロアルキルエステル単量体が挙げられる。2種以上のメタクリル酸エステル単量体を組み合わせて用いてもよい。なかでも、メタクリル酸の炭素数1〜7のアルキルエステル単量体が好ましく、樹脂(A)の耐熱性や透明性の点で、メタクリル酸メチルがより好ましい。
樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有割合は、樹脂(A)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、好ましくは、5重量%〜40重量%であり、樹脂(A)の透明性の点で、5重量%〜35重量%がより好ましく、10重量%〜30重量%がさらに好ましく、15重量%〜25重量%が特に好ましい。
芳香族ビニル単量体単位は、芳香族ビニル単量体から導かれる単量体単位である。本明細書において、芳香族ビニル単量体は、芳香環に無置換ビニル基または置換ビニル基が結合した構造を備えた単量体を意味する。芳香族ビニル単量体単位の具体例としては、下記式(1)
Figure 2016060910
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ニトロ基または炭素数1〜12のアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わす。)
で表される単量体単位が挙げられる。
式(1)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
は、好ましくは水素原子またはメチル基である。Rは、好ましくは水素原子であり、nは、好ましくは1である。RおよびRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2−メチル−4−クロロスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α―メチルスチレン、cis−β−メチルスチレン、trans−β−メチルスチレン、4−メチル−α−メチルスチレン、4−フルオロ−α−メチルスチレン、4−クロロ−α−メチルスチレン、4−ブロモ−α−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、α−ブロモスチレン、β−ブロモスチレン、2−ヒドロキシスチレンおよび4−ヒドロキシスチレンなどが挙げられ、スチレンおよびα−メチルスチレンが好ましい。2種以上の芳香族ビニル単量体を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A)中の芳香族ビニル単量体単位の含有割合は、樹脂(A)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、50重量%以上である。本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、このような樹脂(A)を含むため、高温環境での寸法安定性の点で優れる熱可塑性樹脂フィルムとなる。樹脂(A)中の芳香族ビニル単量体単位の含有量は、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの透明性、耐熱性および高温環境での寸法安定性の点で、好ましくは、50重量%〜80重量%であり、より好ましくは、55重量%〜75重量%であり、さらに好ましくは60重量%〜70重量%である。
樹脂(A)は、好ましくは、環状酸無水物単量体単位を含む。環状酸無水物単量体単位は、環状酸無水物単量体から導かれる。環状酸無水物単量体単位の具体例としては、下記式(2)
Figure 2016060910
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基またはフェニル基を表わす。)
で表される環状酸無水物単量体単位が挙げられる。
式(2)におけるハロゲン原子および炭素数1〜12のアルキル基としては、それぞれ式(1)において前記したものと同様のものが挙げられる。
およびRは、好ましくは、水素原子である。RおよびRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
環状酸無水物単量体としては、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸、ジクロロ無水マレイン酸、ブロモ無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸およびジフェニル無水マレイン酸が挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。2種以上の環状酸無水物単量体を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A)中の環状酸無水物単量体単位の含有割合は、樹脂(A)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、樹脂(A)の透明性および耐熱性の点で、好ましくは、5重量%〜30重量%であり、さらに好ましくは、10重量%〜25重量%であり、特に好ましくは、10重量%〜20重量%である。
樹脂(A)は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上述した単量体単位、即ちメタクリル酸エステル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位並びに環状酸無水物単量体単位以外の単量体単位を含んでもよい。上述した単量体単位以外の単量体単位は、上述した単量体単位を導く単量体のうちの少なくとも1種の単量体と共重合しうる単量体から導かれる単量体単位であればよく、好ましくは、上述の3種の単量体単位を導く単量体のすべてと共重合しうる単量体から導かれる単量体から導かれる単量体単位である。上述した単量体単位以外の単量体単位の含有割合は、樹脂(A)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、好ましくは、50重量%以下であり、より好ましくは、30重量%以下であり、さらに好ましくは、10重量%以下である。
樹脂(A)の重量平均分子量は、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの成形時または本発明の熱可塑性樹脂フィルムの延伸時のフィルムのハンドリング性の点で、好ましくは、90,000〜300,000であり、より好ましくは、100,000〜250,000であり、さらに好ましくは、110,000〜200,000である。
樹脂(A)は、それぞれの単量体を、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、注型重合法等の公知の方法により重合させることにより製造することができ、単量体の使用量を変えることにより、樹脂(A)中のそれぞれの単量体単位の含有量を調整することができる。
〔樹脂(B)〕
樹脂組成物を構成する樹脂(B)は、メタクリル酸エステル単量体単位を含み、芳香族ビニル単量体単位を含まない樹脂である。
メタクリル酸エステル単量体単位を導くメタクリル酸エステル単量体としては、樹脂(A)において前記したと同様のものが挙げられ、メタクリル酸メチルが好ましい。2種以上のメタクリル酸エステル単量体単位を含んでもよい。
樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位と、樹脂(B)中のメタクリル酸エステル単量体単位とが同一であることが好ましい。
樹脂(B)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有割合は、樹脂(B)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、50重量%以上であり、好ましくは、70重量%以上であり、より好ましくは、90重量%以上であり、さらに好ましくは、95重量%である。
樹脂(B)は、芳香族ビニル単量体単位を含まない樹脂、即ち芳香族ビニル単量体単位の含有割合が0(ゼロ)重量%である樹脂であるが、メタクリル酸エステル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位ではない他の単量体単位を含んでもよい。他の単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル単量体;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の等の無置換または置換スチレン単量体;
メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体;
無水マレイン酸等の環状酸無水物単量体;
フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等の環状イミド単量体が挙げられ、アクリル酸エステル単量体が好ましい。
樹脂(B)の重量平均分子量は、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの成形時または本発明の熱可塑性樹脂フィルムの延伸時のフィルムのハンドリング性の点で、好ましくは、90,000〜300,000であり、より好ましくは、100,000〜250,000であり、さらに好ましくは、110,000〜200,000である。
樹脂(B)は、メタクリル酸エステル単量体および必要に応じて他の単量体を、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、注型重合法等の公知の方法で重合させることにより製造することができる。
〔本発明の熱可塑性フィルム〕
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、樹脂(A)と、樹脂(B)とを含有する樹脂組成物からなる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムが、樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量(W)に対する樹脂(B)の重量(W)の比(W/W)が1より大きい樹脂組成物からなる場合は、W/Wが1より大きいため、延伸時の破断が起こりにくい、ハンドリング性が良好な熱可塑性樹脂フィルムとなる。比(W/W)は、1.5以上であることが更に好ましく、通常は30以下である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂組成物中における樹脂(A)および樹脂(B)の含有量は、樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量(W)に応じて上記比(W/W)を満足するように適宜選択されるが、例えば樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対する樹脂(A)の含有量は、通常10重量部〜80重量部、好ましくは20重量部〜75重量部であり、樹脂(B)の含有量は、通常20重量部〜90重量部、好ましくは25重量部〜80重量部である。
樹脂組成物は、樹脂(A)および樹脂(B)に加えてゴム弾性体粒子を含有していてもよい。ゴム弾性体粒子としては、市販のゴム弾性体粒子を使用することができ、例えばダウ・ケミカル社から販売されている「パラロイドTM」EXLシリーズ、株式会社カネカから販売されている「カネエース(登録商標)」シリーズ、三菱レイヨン株式会社から販売されている「メタブレン」Cシリーズ、Eシリーズ、Wシリーズ、Sシリーズ等が挙げられる。
ゴム弾性体粒子の粒子径は、例えば50nm〜0.8μm、好ましくは0.1μm〜0.5μmである。ゴム弾性体粒子の粒子径が50nm未満であると、樹脂組成物をフィルムへ加工する際などに、その流動性が低下しやすい。粒子径が0.8μmを超えると、熱可塑性樹脂組成物の内部ヘイズが高くなり易い。ゴム弾性体粒子の粒子径は、電子顕微鏡の観察により数平均分子量として測定することができる.
ゴム弾性体粒子の含有量は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、通常2重量部〜50重量部、好ましくは5重量部〜35重量部である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量(W)に応じて、樹脂(A)と樹脂(B)とを、W/Wが1より大きくなるよう配合して樹脂組成物を得た後、例えば図1に示すように、樹脂組成物を溶融押出成形法により、フィルム化することにより、製造することができる。また、樹脂組成物を、溶液流延製膜法や熱プレス法等によりフィルム化する方法により、製造することもできる。なかでも、溶融押出成形法により、熱可塑性樹脂フィルムを製造することが好ましい。
溶融押出成形法により、本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する方法について、以下、さらに説明する。樹脂(A)と樹脂(B)とをW/Wが1より大きくなるよう配合し、必要に応じて、後述する他の成分を加え、樹脂組成物を得、次いで、得られた樹脂組成物を一軸もしくは二軸の押出機により溶融混練し、そして、Tダイから連続的に溶融樹脂をフィルム状に押出し、さらに、押出されたフィルム状の溶融樹脂を、一対の表面が平滑な冷却ロール(第1冷却ロールおよび第2冷却ロール)の間に挟み込んで、必要に応じてさらに第3冷却ロールに巻き掛けて、成形・冷却することにより、未延伸状態で長尺状の熱可塑性樹脂フィルムを製造することができる。樹脂(A)、樹脂(B)および他の成分の配合の方法は限定されず、公知の方法により配合すればよく、スーパーミキサーやバンバリーミキサーを用いてもよいし、一軸もしくは二軸押出機で溶融混練してもよいし、これらを組み合わせて行ってもよい。また、第1冷却ロール、第2冷却ロールおよび第3冷却ロールは、金属ロールまたは金属弾性ロールで構成してもよく、金属ロールと金属弾性ロールとを組み合わせて構成してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムが、樹脂(A)および樹脂(B)を含有し、さらにゴム弾性体粒子を含有する熱可塑性樹脂フィルムである場合には、樹脂(A)、樹脂(B)およびゴム弾性体粒子を配合して熱可塑性樹脂組成物を得た後、上記と同様に溶融押出成形法によりフィルム化することにより製造することができる。また、溶液流延成膜法、熱プレス法等によりフィルム化する方法により製造することもできる。好ましくは溶融押出成形法である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムが、樹脂(A)および樹脂(B)を含有し、さらにゴム弾性体粒子を含有する熱可塑性樹脂フィルムである場合に、溶融押出成形法により、本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する方法について、以下、さらに説明する。樹脂(A)と樹脂(B)とゴム弾性単粒子とをW/Wが1より大きくなるよう配合し、必要に応じて、後述する他の成分を加え、樹脂組成物を得、次いで、得られた樹脂組成物を一軸もしくは二軸の押出機により溶融混練し、そして、Tダイから連続的に溶融樹脂をフィルム状に押出し、さらに、押出されたフィルム状の溶融樹脂を、一対の表面が平滑な冷却ロール(第1冷却ロールおよび第2冷却ロール)の間に挟み込んで、必要に応じてさらに第3冷却ロールに巻き掛けて、成形・冷却することにより、未延伸状態で長尺状の熱可塑性樹脂フィルムを製造することができる。樹脂(A)、樹脂(B)、ゴム弾性体粒子および他の成分の配合の方法は限定されず、公知の方法により配合すればよく、スーパーミキサーやバンバリーミキサーを用いてもよいし、一軸もしくは二軸押出機で溶融混練してもよいし、これらを組み合わせて行ってもよい。また、第1冷却ロール、第2冷却ロールおよび第3冷却ロールは、金属ロールまたは金属弾性ロールで構成してもよく、金属ロールと金属弾性ロールとを組み合わせて構成してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、樹脂(A)および樹脂(B)以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、光拡散剤、艶消剤、染料、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤およびその他の樹脂(樹脂(A)および樹脂(B)以外の樹脂)が挙げられる。
本発明の熱可塑性フィルムは、好ましくは、紫外線吸収剤を含み、より好ましくは、波長200〜320nmに吸収極大を有する紫外線吸収剤(以下、紫外線吸収剤Xという。)、波長320〜400nmに吸収極大を有する紫外線吸収剤(以下、紫外線吸収剤Yという。)を含む。
紫外線吸収剤Xとしては、波長200〜320nmに吸収極大を有するトリアジン系紫外線吸収剤、波長200〜320nmに吸収極大を有するベンゾフェノン系紫外線吸収剤、波長200〜320nmに吸収極大を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、波長200〜320nmに吸収極大を有するベンゾエート系紫外線吸収剤および波長200〜320nmに吸収極大を有するシアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられる。
紫外線吸収剤Xとしては、例えば
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ジフェニル−4−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−N−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン―2−イル)−5−(2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ)フェノール、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキサデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−オクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートおよびエチル 2−シアノ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
紫外線吸収剤Yとしては、波長320〜400nmに吸収極大を有するトリアジン系紫外線吸収剤、波長320〜400nmに吸収極大を有するベンゾフェノン系紫外線吸収剤および波長320〜400nmに吸収極大を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。
紫外線吸収剤Yとしては、例えば
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2、2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、および、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
2種以上の紫外線吸収剤Xを組み合わせて用いてもよいし、2種以上の紫外線吸収剤Yを組み合わせて用いてもよい。類似の構造を有する紫外線吸収剤Xと紫外線吸収剤Yとを組み合わせて用いてもよいし、類似の構造を有さない紫外線吸収剤Xと紫外線吸収剤Yとを組み合わせて用いてもよい。フィルム成形時の蒸散物による成形機の周囲の汚染が少なく、かつ、紫外線吸収能に優れた熱可塑性樹脂フィルムが得られるという点で、溶融押出成形時に蒸散しやすい紫外線吸収剤と溶融押出成形時に蒸散しにくい紫外線吸収剤とを組み合わせて用いることが好ましい。
紫外線吸収剤XおよびYは、分子量が、それぞれ500〜1000であることが好ましく、550〜700であることがより好ましい。紫外線吸収剤XおよびYの均分子量があまり小さいと、偏光子保護フィルムの成形中に蒸散しやすく、分子量があまり大きいと、熱可塑性樹脂との相溶性が低下しやすい。
紫外線吸収剤XおよびYは、吸収極大の波長でのモル吸光係数が、それぞれ10L/mol・cm以上であることが好ましく、15L/mol・cm以上であることがより好ましい。紫外線吸収剤XおよびYの吸収極大の波長でのモル吸光係数が、それぞれ上記所定の範囲であることで、偏光子保護フィルムの紫外線吸収能はより優れるものとなり、さらに、偏光子保護フィルムへの該紫外線吸収剤の含有量を少なくすることができる。
市販の紫外線吸収剤を使用してもよい。市販のトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えばケミプロ化成株式会社製の「Kemisorb102」(2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−N−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン)、株式会社ADEKA製の「アデカスタブLAF70」(2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)、「アデカスタブLA46」(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ)フェノール)、および、BASFジャパン株式会社製の「チヌビン1577」(2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン)などが挙げられる。
市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば株式会社ADEKA製の「アデカスタブLA31」(2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、ケミプロ化成株式会社製の「Kemisorb279」(2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)および住化ケムテックス株式会社の「スミソーブ200」(2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)などが挙げられる。
樹脂(A)と樹脂(B)とを含む樹脂組成物のガラス転移温度は、100℃以上が好ましく、115℃以上がより好ましく、通常は180℃以下である。ガラス転移温度は、JIS K7121:1987に従い、示差走査熱量測定により加熱速度10℃/分で求める補外ガラス転移中間温度を意味する。樹脂組成物のガラス転移温度が100℃よりも低いと、熱可塑性フィルムを偏光子保護フィルムとして用いた場合に、高温環境において偏光子の収縮を抑制しにくくなり、偏光板が変形したり、偏光子保護フィルムが偏光子から剥がれやすくなることがある。
樹脂組成物の230℃、37.3Nにおけるメルトマスフローレート(MFR)は、0.8g/10min〜10g/10minであることが好ましく、0.9g/10min〜8g/10minであることがより好ましく、1.0g/10min〜6g/10minであることがさらに好ましい。MFRがこの範囲よりも大きいと、溶融押出成形により熱可塑性樹脂フィルムを製造する際に、溶融された樹脂組成物の吐出量の安定性が損なわれることがある。MFRがこの範囲よりも小さいと、溶融押出成形により熱可塑性樹脂フィルムを製造する際に、溶融された樹脂組成物がTダイの中で均一に広がらず、熱可塑性樹脂フィルムの厚み精度が低下することがある。MFRは、測定温度230℃、荷重37.3Nの条件でJIS K7210に従い測定することができる。
また、樹脂(A)として、更に環状酸無水物単量体単位を含有するものを用いた場合に、MFRが1.2g/10min以上であることが、溶融混練時に環状酸無水物単量体単位に起因する気泡の発生を抑制しうる点で、好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、好ましくは、10μm〜1000μmであり、より好ましくは、20μm〜500μmであり、さらに好ましくは、20μm〜300μmである。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、フィルムの厚さ40μmに換算した波長260nmでの光線透過率が、好ましくは2%以下であり、フィルムの厚さ40μmに換算した波長380nmでの光線透過率が、好ましくは5%以下である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、単層構成のフィルムであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない限りにおいて、2層以上の多層構成のフィルムであってもよい。熱可塑性樹脂フィルムが多層構成のフィルムである場合、各層は同じ組成の樹脂組成物から形成されていてもよいし、異なる組成の樹脂組成物から形成されていてもよい。異なる組成の樹脂組成物とは、含有する樹脂の種類が異なるもの、樹脂の種類は同じであるが各樹脂の含有量が異なるもの、樹脂の種類や含有量は同じであるが、その他の成分が異なるものなど、いずれの場合をも含む。
〔本発明の延伸フィルム〕
本発明の延伸フィルムは、上記本発明の熱可塑性樹脂フィルムを延伸してなるフィルムである。本発明の延伸フィルムは、本発明の熱可塑性樹脂フィルムと同様に、耐熱性に優れ、高温環境において収縮しにくく、さらには、延伸されていることから、機械的強度にも優れる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを延伸する方法としては、一軸延伸する方法および二軸延伸する方法が挙げられる。なかでも、二軸延伸する方法が好ましい。二軸延伸する方法としては、逐次二軸延伸法および同時二軸延伸法が挙げられる。延伸方向としては、熱可塑性樹脂フィルムの機械流れ方向が挙げられ、機械流れ方向に直交する方向および機械流れ方向に斜交する方向も挙げられる。延伸倍率は、1.1〜3倍であることが好ましい。本明細書において、機械流れ方向を縦方向と、この縦方向の延伸を縦延伸と定義し、機械流れ方向に直交する方向を横方向、この横方向の延伸を横延伸と定義する。また、機械流れ方向とは、溶融押出成形により長尺状の熱可塑性樹脂フィルムを製造する場合に、樹脂組成物が溶融状態からフィルムへと製膜されながら搬送される方向をいう。
本発明の延伸フィルムは、表面処理を施されてもよく、表面処理としては、ハードコート処理、防眩処理および防汚処理が挙げられる。
〔偏光子保護フィルム〕
本発明の熱可塑性樹脂フィルムおよび本発明の延伸フィルムは、いずれも偏光子保護フィルムとして好適である。偏光子保護フィルムは、偏光子の一方の面に配置して偏光子を保護するために用いられるフィルムである。本発明の熱可塑性樹脂フィルムおよび本発明の延伸フィルムは、偏光子保護フィルム以外に、窓やカーポート屋根材等の建築用採光部材、車窓等の車輌用採光部材、温室等の農業用採光部材、照明部材、前面フィルター等のディスプレイ部材等に積層してもよく、また、加飾フィルムとして、家電の筐体、車輌内装部材、内装用建築材料、壁紙、化粧板、玄関ドア、窓枠、巾木等に積層してもよい。
〔偏光板〕
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、本発明の偏光子保護フィルムが配置された偏光板である。偏光子保護フィルムと偏光子とは貼合されていることが好ましい。偏光子としては、公知の偏光子が挙げられる。偏光子の厚みは、通常5μm〜40μmである。
偏光子の一方の面に偏光子保護フィルムを配置する場合、他方の面には、透明樹脂フィ
ルムを配置してもよい。透明樹脂フィルムと偏光子とは貼合されていることが好ましい。
透明樹脂フィルムとしては、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂と
ポリカーボネート系樹脂との積層フィルムおよびオレフィン系樹脂フィルムが挙げられる
本発明の偏光子保護フィルムと偏光子とは接着剤で貼合することが好ましい。貼合に先
立って、貼合面のうち、少なくとも一方には、コロナ放電処理、プラズマ照射処理、電子
線照射処理またはその他の表面活性化処理を施しておくことが好ましい。本発明の偏光子
保護フィルムは、メタクリル酸エステル単量体単位を含み、芳香族ビニル単量体単位を含
まない樹脂からなる偏光子保護フィルムと比較して、接着剤で偏光子と貼合したときに接
着強度に優れる。
接着剤は、それぞれの部材に対して接着力を発現するものから、任意に選択して用いる
ことができる。典型的には、水系接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解または接着剤
成分を水に分散させたものや、活性エネルギー線の照射により硬化する成分を含む活性エ
ネルギー線硬化性接着剤を挙げることができる。中でも、生産性の観点から、活性エネル
ギー線硬化性接着剤が好ましい。
水系接着剤としては、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂やウレタン樹脂を用い
た組成物が好ましい。水系接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場
合、ポリビニルアルコール系樹脂としては、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン
化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセ
チル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変
性ポリビニルアルコールのような、変性されたポリビニルアルコール系樹脂などが挙げら
れる。接着剤成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、その接着剤は、ポリ
ビニルアルコール系樹脂の水溶液として調製されることが多い。接着剤水溶液におけるポ
リビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、1重量部〜10重量部であることが好ましく、1重量部〜5重量部であることがより好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水系接着剤には、接着性を向上させるため
に、グリオキザールや水溶性エポキシ樹脂などの硬化性成分または架橋剤を添加すること
が好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレ
ンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との
反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリ
アミドポリアミンエポキシ樹脂などが挙げられる。ポリアミドポリアミンエポキシ樹脂と
しては、市販品を使用してもよく、例えば、田岡化学株式会社製の「スミレーズレジン6
50」および「スミレーズレジン675」、星光PMC株式会社製の「WS−525」な
どが挙げられる。これら硬化性成分または架橋剤の添加量は、ポリビニルアルコール系樹
脂100重量部に対して、1重量部〜100重量部であることが好ましく、1重量部〜50重量部であることがより好ましい。その添加量が少ないと、接着性向上効果が小さくなり、一方でその添加量が多いと、接着剤層が脆くなることがある。
水系接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合は、適当な接着剤組成物の例とし
て、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物と
の混合物が挙げられる。ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂は、ポリ
エステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)
が導入されたものである。アイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水
中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好ましい。
活性化エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、それを構成する活性エネルギー線の照
射により硬化する成分(以下、単に「硬化性成分」ということがある)としては、エポキ
シ化合物、オキタセン化合物、アクリル系化合物などが挙げられる。エポキシ化合物やオ
キタセン化合物のようなカチオン重合性の化合物を用いる場合には、カチオン重合開始剤
が配合される。また、アクリル系化合物のようなラジカル重合性化合物を用いる場合には
ラジカル重合開始剤が配合される。中でも、エポキシ化合物を硬化性成分の一つとする接
着剤が好ましく、飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物を硬
化性成分の一つとする接着剤がより好ましい。また、それにオキセタン化合物を併用して
もよい。
エポキシ化合物としては、市販品を使用してもよく例えば、三菱化学株式会社製の「エ
ピコート」シリーズ、DIC株式会社製の「エピクロン」シリーズ、新日鉄住金株式会社
製の「エポトート」シリーズ、株式会社ADEKA製の「アデカレジン」シリーズ、ナガ
セケムテックス株式会社製の「デナコール」シリーズ、ダウ・ケミカル社製の「ダウエポ
キシ」シリーズ、日産化学工業株式会社製の「テピック」などが挙げられる。
飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物としては、市販品を
使用してもよく、例えば、ダイセル化学工業株式会社製の「セロキサイド」シリーズおよ
び「サイクロマー」シリーズ、ダウ・ケミカル社製の「サイラキュア」シリーズなどが挙
げられる。
オキセタン化合物としては、市販品を使用してもよく、例えば、東亞合成株式会社製の
「アロンオキセタン」シリーズ、宇部興産株式会社製の「ETERNACOLL」シリー
ズなどが挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、市販品を使用してもよく、例えば、日本化薬株式会社製
の「カヤキュア」シリーズ、ダウ・ケミカル社製の「サイラキュア」シリーズ、サンアプ
ロ株式会社製の光酸発生剤である「CPI」シリーズ、ミドリ化学株式会社製の光酸発生
剤である「TAZ」、「BBI」および「DTS」、株式会社ADEKA製の「アデカオ
プトマー」シリーズ、ローディア社製の「RHODORSIL」シリーズなどが挙げられ
る。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて光増感剤を含有することができる。光
増感剤を用いることで、反応性が向上し、硬化物層の機械強度や接着強度をさらに向上さ
せることができる。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過
硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、アントラセン系化合物、ハロゲ
ン化合物、光還元性色素などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤には、その接着性を損なわない範囲で各種の添加剤を配
合することができる。添加剤としては、例えば、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移
動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤などが挙げられ
る。さらに、その接着性を損なわない範囲で、カチオン重合とは別の反応機構で硬化する
硬化性成分を配合することもできる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、同じ組成であっても、異なる組成であってもよいが
、両者を硬化させるための活性エネルギー線の照射は、同時に行うことが好ましい。
活性エネルギー線としては、例えば、X線、紫外線、可視光線などが挙げられる。中で
も、利用の容易さ、並びに活性エネルギー線硬化性接着剤の調製の容易さ、安定性および
硬化性能の観点から、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、
中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイ
クロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を偏光子または本発明の偏光子保護フィルムに塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を介して偏光子と本発明の偏光子保護フィルムとを重ね合わせ、活性エネルギー線を照射することにより、活性エネルギー線硬化性樹脂が硬化して偏光子と本発明の保護フィルムとが接着されて、本発明の偏光板を得ることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて得られる接着剤層の厚さは、1〜50μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。接着剤層の厚さは、偏光子または本発明の偏光子保護フィルムに形成される塗膜の厚さにより調整することができる。
本発明の偏光板は、液晶セルに貼り合わせて、液晶表示装置に用いられる液晶パネルとすることができる。偏光板と液晶セルは、粘着剤を用い、粘着剤層を介して貼合されることが好ましい。この粘着剤層は、アクリル酸エステルを主成分とし、官能基含有アクリル系単量体が共重合されたアクリル樹脂を粘着剤成分とするアクリル系粘着剤によって形成するのが一般的である。液晶セルに粘着剤層を介して偏光板を貼合してなる液晶パネルは、液晶表示装置に使用することができる。
本発明の偏光板は、偏光子保護フィルムが本発明の熱可塑性樹脂または本発明の延伸フィルムからなるので、耐熱性に優れており、高温環境下でも偏光子の収縮を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例および比較例で使用した押出装置は、図1に示す装置であり、その構成は、以下のとおりである。
押出機:スクリュー径65mm、一軸、ベント付きの押出機〔東芝機械(株)製〕。
Tダイ:幅800mm、リップ間隔1mmのマルチマニホールド型ダイ〔日立造船(株)製〕。
第1冷却ロール:金属弾性ロール
第2冷却ロール:金属ロール
第3冷却ロール:金属ロール
金属弾性ロールは、ステンレス鋼からなる軸ロールの外周部を覆うように、片面が鏡面化された厚さ2mmのステンレス鋼製薄膜を鏡面仕上げ面がロール外面になる様に配置し、軸ロールと金属性薄膜との間に熱媒油からなる流体を封入した、外径が250mmである金属弾性ロールである。金属ロールは、表面を鏡面仕上げしたステンレス鋼からなり、外径250mmであるスパイラルロールである。
[熱可塑性樹脂]
実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例5で使用した熱可塑性樹脂を以下に示す。各々の樹脂の重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定により求めた。なお、樹脂A1、樹脂A2および樹脂Cの重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnはポリスチレン換算で求めた。樹脂B1の重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ポリメチルメタクリレート換算で求めた。
樹脂A1:メタクリル酸メチル単量体単位、スチレン単量体単位および無水マレイン酸単量体単位からなる樹脂であり、メタクリル酸メチルとスチレンと無水マレイン酸とを共重合することにより調製したものを用いた。
樹脂A1を構成するすべての単量体単位の合計100重量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の含有割合は20重量%であり、スチレン単量体単位の含有割合は65重量%であり、無水マレイン酸単量体単位の含有割合は15重量%であった。
また、樹脂A1の重量平均分子量(Mw)は150,000であり、数平均分子量(Mn)は68,000であり、Mw/Mnは2.2であった。
樹脂A2:メタクリル酸メチル単量体単位、スチレン単量体単位および無水マレイン酸単量体単位からなる樹脂であり、メタクリル酸メチルとスチレンと無水マレイン酸とを共重合することにより調製したものを用いた。
樹脂A2を構成するすべての単量体単位の合計100重量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の含有割合は26重量%であり、スチレン単量体単位の含有割合は57重量%であり、無水マレイン酸単量体単位の含有割合は17重量%であった。
樹脂A2の重量平均分子量(Mw)は150,000であり、数平均分子量(Mn)は66,000であり、Mw/Mnは2.3であった。
樹脂C:メタクリル酸メチル単量体単位、スチレン単量体単位および無水マレイン酸単量体単位からなる樹脂であり、メタクリル酸メチルとスチレンと無水マレイン酸とを共重合することにより調製したものを用いた。
樹脂Cを構成するすべての単量体単位の合計100重量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の含有割合は39重量%であり、スチレン単量体単位の含有割合は47重量%であり、無水マレイン酸単量体単位の含有割合は14重量%であった。
樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は220,000であり、数平均分子量(Mn)は83,000であり、Mw/Mnは2.6であった。
樹脂B1:メタクリル酸メチル単量体単位およびアクリル酸メチル単量体単位からなる樹脂であり、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとを、樹脂B1を構成するすべての単量体単位の合計100重量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の含有割合が97重量%に、アクリル酸メチル単量体単位の含有割合が3重量%になるよう配合し、重合させたのち、吸収極大を300nmおよび342nmに有する紫外線吸収剤「スミソーブ200」(住化ケムテックス社製)を濃度120ppmとなるように配合し、得られた樹脂組成物を2軸押出機にて溶融混練して得たものを用いた。
樹脂B1の重量平均分子量(Mw)は160,000であり、数平均分子量(Mn)は85,000であり、Mw/Mnは1.9であった。
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤として、以下に示すX1、Y1、Y2を用い、紫外線吸収剤X1:紫外線吸収剤Y1:紫外線吸収剤Y2(重量比)が、0.7:0.6:1.2となるように混合して用いた。
紫外線吸収剤X1:ケミプロ化成株式会社製の紫外線吸収剤「Kemisorb102」(吸収極大:波長280nm、モル吸光係数:68.3L/mol・cm、重量平均分子量:508.9、トリアジン系紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤Y1:株式会社ADEKA製の紫外線吸収剤「LAF70」(吸収極大:波長356nm、モル吸光係数:65.7L/mol・cm、重量平均分子量:699.9、トリアジン系紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤Y2:株式会社ADEKA社製の紫外線吸収剤「アデカスタブLA31」(吸収極大:波長350nm、モル吸光係数:18.0L/mol・cm、重量平均分子量:658、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)
実施例1〜6および比較例1〜5
[熱可塑性樹脂フィルムの作製]
押出機、Tダイおよび第1〜第3冷却ロールを、図1に示すように配置した。次いで、樹脂A1、樹脂A2または樹脂C、樹脂B1および紫外線吸収剤を表1に示す割合で混合して得られた樹脂組成物を押出機にて溶融混練し、それぞれを設定温度260℃のTダイに供給した。
Tダイから押し出したフィルム状の溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、第3冷却ロールに巻き掛けて成形・冷却し、厚み120μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た。
なお、第1冷却ロールの表面温度は80℃、第2冷却ロールの表面温度80℃、第3冷却ロールの表面温度は100℃であった。これらの温度は、各冷却ロールの表面温度を実測した値である。
なお、実施例6における樹脂A2および樹脂B1の合計量100重量部に対する樹脂A2、樹脂B1および紫外線吸収剤の使用量は、それぞれ樹脂A2の使用量が約25重量部、樹脂B1の使用量が約75重量部、紫外線吸収剤の使用量が約2.5重量部である。
それぞれの樹脂組成物のMFR(測定温度230℃、荷重37.3N)を、JIS K7210に従い測定した。また、それぞれの樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。得られた結果を表2に示す。
得られた各熱可塑性樹脂フィルムの耐衝撃性を評価するために下記の方法によってシャルピー衝撃強度を、表面硬度を評価するために下記の方法によって鉛筆硬度を、それぞれ測定した。結果を表3に示す。
<シャルピー衝撃強度>
JIS K7111−1に従い、得られた熱可塑性樹脂フィルムを、幅10mmに切り出して測定した。
<鉛筆硬度>
JIS K5600に従い測定した。
[延伸フィルムの作製]
得られた熱可塑性樹脂フィルムを、それぞれ二軸延伸し、延伸フィルムを作製した。まず、各熱可塑性樹脂フィルムを、熱風循環式の炉の前後に備えらえた2組のニップロール対の間を通して縦延伸を行った。炉は1m間隔の4つのゾーンに分けて温度設定をすることができる炉を使用した。炉の入り口側の第1ゾーンを室温に、その次の第2ゾーンを、熱可塑性樹脂フィルムの作成に用いた樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)と同じ温度に、その次の第3ゾーンと出口側の第4ゾーンとを、Tgより10℃高い温度に、それぞれ設定した。入り口側のニップロールを通過するフィルムの速度を2mm/minとし、出口側のニップロールを通過するフィルムの速度を4.4mm/minとすることで、縦方向の延伸倍率が2.2倍の長尺の縦延伸フィルムを作製した。
次に、作製した縦延伸フィルムを縦方向の長さが1mとなるように裁断して、縦方向の長さが1mである縦延伸フィルムを得、この縦方向の長さが1mである縦延伸フィルムをテンター横延伸機に導入して横延伸を行った。横延伸は長さ4mの熱風循環式の炉内で行い、炉内温度はTgより10℃高い温度に設定した。炉内を通る速度は1mm/minとし、延伸倍率は2倍とした。以上のようにして、縦方向の延伸倍率が2.2倍、横方向の延伸倍率が2倍の二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みは40μmであった。
<ハンドリング性>
延伸フィルムの作製に用いた熱可塑性フィルムの延伸時のハンドリング性を、以下の方法により評価した。
熱可塑性樹脂フィルムを縦延伸して得た縦延伸フィルムを裁断して、縦方向の長さが1mである縦延伸フィルム10枚を得た。得られた10枚の縦延伸フィルムについて、それぞれ横延伸を行って、10枚の2軸延伸フィルムを得た。この縦延伸と横延伸とにおいて、延伸により破断したフィルムが0枚であった場合、ハンドリング性が良好と判断し、○と評価し、1枚以上のフィルムが破断した場合、ハンドリング性が不良と判断し、×と評価した。評価結果を表3に示す。
[偏光子の作製]
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100である水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100である水溶液に56.5℃でさらに浸漬した。浸漬後のフィルムを8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光子を得た。延伸は、主に、ヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行い、合計の延伸倍率は5.3倍、得られた偏光子の厚みは27μmであった。
[偏光板の作製]
得られた偏光子の両面に、保護フィルムとして二軸延伸したフィルムを、それぞれその貼合面にコロナ処理を施した後、紫外線硬化接着剤(東亞合成(株)製”アロニックス”)を塗工し、貼合ロールにより貼合した。その後、紫外線を照射し、前記接着剤を硬化させて、偏光板を得た。なお、紫外線照射は、260nm〜320nmの波長域での積算光量が200mJ/cmとなるよう行った。
<高温環境における機械的強度の評価>
二軸延伸フィルムの高温環境における機械的強度を評価するために、下記の方法によって、二軸延伸フィルムの80℃での高温引張弾性率を測定した。値が高いほど、偏光子に貼り合わせた際、高温環境において、偏光フィルムの収縮を抑制する強度が高く、良好である。
二軸延伸フィルムを、縦延伸方向を長辺として、縦方向120mm、横方向25mmの長方形に切り出し、チャック間距離を90mmとして縦方向に引張速度5mm/minで、80℃で引張試験を行った。引張強度が3MPaから6MPaとなる領域での応力−歪み曲線の傾きから、高温引張弾性率を算出した。算出した結果を表3に示す。
<光線透過率評価>
二軸延伸フィルムの波長260nmにおける光線透過率と波長380nmにおける光線透過率を、日立ハイテクフィールディング株式会社製の分光光度計U−4100を用いて、測定した。結果を表3に示す。
<偏光板の収縮率の評価>
偏光板の、偏光フィルムの延伸方向と平行な方向をMDと、偏光フィルムの延伸方向と垂直な方向をTDとして、作製した偏光板から、MD方向の長さが100mm、TD方向の長さが100mmである偏光板を切り出した。切り出した偏光板を80℃に設定されたオーブンに設置して250時間保持した。偏光板を取り出してMD方向の長さとTD方向の長さを、それぞれノギスで測定し、MD方向、TD方向それぞれの収縮率を下記式に従って算出した。結果を表4に示す。
収縮率(%)=100×{100−(80℃加熱後の長さ(mm))}/100
<偏光板の接着強度の評価>
偏光板中の偏光フィルムと保護フィルムとの間のはく離強さを以下に示す方法により評価した。
作製した偏光板を300時間放置した後、200mm×25mmの大きさの長方形に裁断した。一方の保護フィルムの表面にアクリル系粘着剤層を設け、粘着剤層をガラス板に貼り付けた。粘着剤層が設けられた保護フィルムと偏光フィルムとの間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mmを剥がして、その剥がした部分を試験機のつかみ部でつかんだ。この状態の試験片を、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気中、JIS K6854−2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で180度はく離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均はく離力を求めた。結果を表5に示す。
Figure 2016060910
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Figure 2016060910
Figure 2016060910
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〔熱可塑性樹脂〕
実施例7〜実施例11および比較例6〜比較例8で使用した熱可塑性樹脂を以下に示す。各々の樹脂の重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定により求めた。なお、樹脂A3および樹脂A4の重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnはポリスチレン換算で求めた。樹脂B2の重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ポリメチルメタクリレート換算で求めた。
樹脂A1:実施例1〜実施例3で用いたものと同じ樹脂A1を用いた。
樹脂A3:メタクリル酸メチル単量体単位、スチレン単量体単位および無水マレイン酸単量体単位からなる樹脂であり、メタクリル酸メチルとスチレンと無水マレイン酸とを共重合することにより調製したものを用いた。
樹脂A3を構成するすべての単量体単位の合計100重量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の含有割合は21重量%であり、スチレン単量体単位の含有割合は57重量%であり、無水マレイン酸単量体単位の含有割合は22重量%である。
樹脂A3の重量平均分子量(Mw)は193,000であり、数平均分子量(Mn)は88,000であり、Mw/Mnは2.2である。
樹脂A4:メタクリル酸メチル単量体単位、スチレン単量体単位および無水マレイン酸単量体単位からなる樹脂であり、メタクリル酸メチルとスチレンと無水マレイン酸とを共重合することにより調製したものを用いた。
樹脂A4を構成するすべての単量体単位の合計100重量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の含有割合は21重量%であり、スチレン単量体単位の含有割合は57重量%であり、無水マレイン酸単量体単位の含有割合は22重量%である。
樹脂A4の重量平均分子量(Mw)は127,000であり、数平均分子量(Mn)は58,000であり、Mw/Mnは2.19であった。
樹脂B1:実施例1〜実施例6、比較例3〜比較例5で用いたものと同じ樹脂B1を用いた。
樹脂B2:メタクリル酸メチル単量体単位およびアクリル酸メチル単量体単位からなる樹脂であり、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとを、樹脂B2を構成するすべての単量体単位の合計100重量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の含有割合が99重量%に、アクリル酸メチル単量体単位の含有割合が1重量%になるよう配合し、重合させた後、さらに、吸収極大を300nmおよび342nmに有する紫外線吸収剤「スミソーブ200」を濃度100ppmとなるように配合し、得られた樹脂組成物を2軸押出機にて溶融混練して得たものを用いた。
樹脂B2の重量平均分子量(Mw)は101,000であり、数平均分子量(Mn)は58,000であり、Mw/Mnは1.8であった。
〔ゴム弾性体粒子〕
ゴム弾性体粒子としては、以下のゴム1およびゴム2を用いた。
ゴム1:ダウ・ケミカル日本株式会社製の「PARALOIDTMEXL-2678」(ブタジエン系ゴム粒子、粉末状)を用いた。このゴム1の屈折率は1.516であり、粒子径は200nmである。
ゴム2:株式会社カネカ製のカネエースM732(ブタジエン系ゴム、粉末状)を用いた。このゴム2の屈折率は1.515であり、粒子径は130〜180nmである。
実施例7〜11および比較例6〜8
[熱可塑性樹脂フィルムの作製]
樹脂A1、樹脂A2、樹脂A3、樹脂A4、樹脂B1、樹脂B2、ゴム1、ゴム2および紫外線吸収剤を表6に示す割合で混合して樹脂組成物を得た。なお、紫外線吸収剤は、Y2〔アデカスタブLA31〕のみを用いた。得られた樹脂組成物を実施例1〜6および比較例1〜5と同様に、図1に示す押出機、Tダイおよび第1〜第3冷却ロールを用いて熱可塑性樹脂フィルムを得た。このとき、熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、表8に示す通りであった。
それぞれの樹脂組成物のMFR、ガラス転移温度を測定した結果を表7に、得られた熱可塑性樹脂フィルムのシャルピー衝撃強度を表8に示す。また、得られた熱可塑性樹脂フィルムの折り曲げ性は、フィルムのサンプルを10mm×50mmに切り出し、長辺方向を半分に折り曲げ、フィルムが破断しなかった場合を「○」、フィルムが破断した場合を「×」として評価した。結果を表8に示す。
<高温環境における機械的強度の評価2>
熱可塑性樹脂フィルムの高温環境における機械的強度を評価するための第2の方法として、下記の方法によって熱可塑性樹脂フィルムの80℃での高温引張弾性率を測定した。
熱可塑性樹脂フィルムは押出方向を長辺として、縦方向100mm、横方向25mmの長方形に切り出し、チャック間距離を50mmとして縦方向に引張速度1mm/minで、80℃で引張試験を行った。引張強度が3MPaから6MPaとなる領域での応力−歪み曲線の傾きから、高温引張弾性率を算出した。算出した結果を表8に示す。
<光線透過率評価2>
熱可塑性樹脂フィルムの光線透過率を評価するための第2の方法として、波長260nmにおける光線透過率と波長380nmにおける光線透過率を、株式会社 島津製作所製の分光光度計UV−2450を用いて、測定した。結果を表8に示す。
[延伸フィルムの作製]
実施例7および8で得られた熱可塑性樹脂フィルムを、実施例1〜6および比較例1〜5と同様の条件で、それぞれ二軸延伸し、延伸フィルムを作製した。得られた二軸延伸フィルムの厚みは20μmであった。実施例7および8の熱可塑性樹脂フィルムのハンドリング性はいずれも良好であった。延伸前の熱可塑性樹脂フィルムと同様の方法で、延伸後の延伸フィルムの高温引張弾性率を測定した結果、実施例7の延伸フィルムは2090MPa、実施例8の延伸フィルムは1869MPaであった。
[偏光子2の作製]
ポリビニルアルコールフィルムの厚みを60μmに、合計の延伸倍率を5.6倍に変更した以外は偏光子1と同様の方法にて偏光子2を作製した。得られた偏光子2の厚みは22μmであった。
[偏光板の作製]
偏光子2の片面に、実施例7〜11、比較例6〜8の熱可塑性樹脂フィルムをそれぞれその貼合面にコロナ処理を施した後、紫外線硬化接着剤(東亞合成(株)製”アロニックス”)を塗工し、偏光子2のもう片方の面に、シクロオレフィン系樹脂の二軸延伸品であり、貼合面に予めコロナ処理を施した位相差フィルムを、エポキシ化合物を主成分とする別の紫外線硬化性接着剤を塗工して、熱可塑性樹脂フィルム/偏光子/位相差フィルムとして貼合した。その後、紫外線を照射し、前記接着剤を硬化させて、偏光板を得た。なお、紫外線照射は、260nm〜320nmの波長域での積算光量が200mJ/cmとなるよう行った。
<偏光板の収縮率の評価2>
得られた偏光板の、偏光フィルムの延伸方向と平行な方向をMDとし、偏光フィルムの延伸方向と垂直な方向をTDとして、作製した偏光板から、MD方向の長さが100mm、TD方向の長さが100mmである偏光板を切り出した。切り出した偏光板を80℃のオーブン中に投入し、250時間保持した。株式会社ニコン製の二次元寸法測定器“NEXIV VMR−12072” を用いて、オーブン投入前後の寸法を測定した。そして、以下の式により求めた値を収縮率(%)とした。測定結果を表9に示す。

Figure 2016060910
Figure 2016060910

この表6において、樹脂A1、樹脂A2、樹脂A3、樹脂A4、樹脂B1、樹脂B2、ゴム1、ゴム2および紫外線吸収剤(Y2)の使用量は、「重量部」で示しており、表中では単位を「(部)」と示した。
Figure 2016060910
Figure 2016060910
Figure 2016060910
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、耐熱性に優れ、高温環境において収縮しにくく、かつ、延伸により破断しにくいため、それを延伸してなる延伸フィルムは偏光子の保護フィルムとして有用である。
1 押出機
2 ダイ
3 フィルム状の溶融樹脂
4 冷却ユニット
5 第1冷却ロール
6 第2冷却ロール
7 第3冷却ロール
A 熱可塑性樹脂フィルム

Claims (6)

  1. メタクリル酸エステル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含む樹脂(A)と、
    メタクリル酸エステル単量体単位を含み、芳香族ビニル単量体単位を含まない樹脂(B)とを含有する樹脂組成物からなる熱可塑性樹脂フィルムであって、
    樹脂(A)が、樹脂(A)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、芳香族ビニル単量体単位の含有割合が50重量%以上である樹脂であり、
    樹脂(B)が、樹脂(B)を構成するすべての単量体単位100重量%に対して、メタクリル酸エステル単量体単位の含有割合が50重量%以上である樹脂であり、
    樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量(W)に対する樹脂(B)の重量(W)の比(W/W)が1より大きい熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 樹脂組成物は、さらにゴム弾性体粒子を含有する請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 樹脂(A)がさらに環状酸無水物単量体単位を含み、前記樹脂組成物のメルトマスフローレートが1.2g/10min以上である請求項1〜請求項2のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムを、延伸して得られる延伸フィルム。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムまたは請求項4に記載の延伸フィルムからなる偏光子保護フィルム。
  6. 偏光子の少なくとも一方の面に、請求項5に記載の偏光子保護フィルムが配置された偏光板。
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