JP2019056034A - 樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性に優れた成形体が得られる樹脂組成物及びその成形体を提供する。【解決手段】スチレン系共重合体(A)10〜50質量%と、メタクリル樹脂(B)40〜80質量%と、アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)5〜30質量%からなる樹脂組成物。スチレン系共重合体(A)は、芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性に優れた成形体が得られる樹脂組成物及びその成形体に関するものである。
自動車の内装部材や外装部材には、各種用途に適合した多種多様なプラスチック材料が使用されている。耐熱性や耐衝撃性に優れる代表的なプラスチックとして、ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、耐傷付き性、耐侯性に劣るため、ハードコート処理や加飾処理が必要とされる場合がある。また、耐熱ABSは、更に外観や色相に劣るため、塗装処理を行う場合がある。耐侯性や耐傷付き性、外観に優れる代表的なプラスチックとして、メタクリル樹脂が挙げられるが、耐熱性や耐衝撃性が劣るため、使用部位が限定される場合がある。耐熱ASA樹脂は、耐侯性に優れるが、強度や耐熱性に課題が残る。
透明なゴム変性スチレン系樹脂組成物の耐熱性や耐衝撃性を向上させる技術としては、酸無水物基含有共重合体などを配合する技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。
プラスチックに塗装を行う場合、揮発性の有機化合物を使用するために環境負荷が大きくなり、更に重ね塗装が必要とされる場合には、作業工程数が増加し生産効率が悪くなるという課題がある。また、ハードコート処理や加飾処理を行う場合、作業工程数の増加に加えてコストアップとなってしまう。
塗装処理や加飾処理を行う代わりに、プラスチックに着色剤を加えて意匠性や装飾性を表わす原着材料が知られている(例えば特許文献2参照。)。
特許第5885473号公報 特許第5616084号公報
本発明は、耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性に優れた成形体が得られる樹脂組成物及びその成形体を提供することである。
本発明は、以下を要旨とするものである。
(1)スチレン系共重合体(A)10〜50質量%と、メタクリル樹脂(B)40〜80質量%と、アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)5〜30質量%と、を含有する樹脂組成物。
(2)スチレン系共重合体(A)が、芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%と、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%と、を含み、JIS K7206に準拠して求めたビカット軟化温度が115℃以上であることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物。
(3)アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)が、コアシェル構造を有しており、コア部はアクリル系ゴム状重合体単独又はアクリル系ゴム状重合体とシリコーン系ゴム状重合体からなる複合体であり、シェル部は(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位の群から選ばれる1種類以上からなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4)有機系着色剤、無機系着色剤、金属系着色剤の群から選ばれる1種類以上の着色剤を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
(5)紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤から選ばれる1種類以上を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれか一つに記載の樹脂組成物からなる成形体。
(7)自動車の内装部材又は外装部材として使用されることを特徴とする(6)に記載の成形体。
耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性に優れた成形体が得られる樹脂組成物及びその成形体を提供することができる。
<用語の説明>
本願明細書において、例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
スチレン系共重合体(A)とは、芳香族ビニル単量体単位と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を有する共重合体のことであり、例えばスチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体がある。
芳香族ビニル単量体単位とは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどの各スチレン系単量体に由来する単位のことである。これらの中でも好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位とは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの各メタクリル酸エステル単量体、及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレートなどの各アクリル酸エステル単量体に由来する単位のことである。これらの中でも好ましくはメチルメタクリレート単位である。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位とは、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、アコニット酸無水物などの各無水物単量体に由来する単位のことである。これらの中でも好ましくはマレイン酸無水物単位である。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
スチレン系共重合体(A)は、芳香族ビニル単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位以外の、共重合可能なビニル単量体の単位を共重合体中に発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。これら共重合可能なビニル単量体単位の含有量は、好ましくは5質量%以下である。共重合可能なビニル単量体の単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸単量体、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド単量体、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミド単量体などの各単量体に由来する単位が挙げられる。共重合可能なビニル単量体の単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
スチレン系共重合体(A)の構成単位は、好ましくは芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%であり、さらに好ましくは芳香族ビニル単量体単位50〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位7〜38質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位12〜25質量%である。
芳香族ビニル単量体単位が45質量%以上であれば、長期耐久性、熱安定性、成形加工性が向上し、50質量%以上であれば、さらに長期耐久性、熱安定性、成形加工性が向上する。芳香族ビニル単量体単位が85質量%以下であれば、耐傷付き性、色相、耐侯性が向上し、80質量%以下であれば、さらに耐傷付き性、色相、耐侯性が向上する。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が5質量%以上であれば、耐傷付き性、色相、耐侯性が良好となり、7質量%以上であれば、さらに耐傷付き性、色相、耐侯性が良好となる。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が45質量%以下であれば、長期耐久性、熱安定性、成形加工性が向上し、38質量%以下であれば、さらに長期耐久性、熱安定性、成形加工性が向上する。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が10質量%以上であれば、耐熱性と長期耐久性が向上し、12質量%以上であれば、さらに耐熱性と長期耐久性が向上する。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が30質量%以下であれば、熱安定性と成形加工性が向上し、25質量%以下であれば、さらに熱安定性と成形加工性が向上する。
スチレン系共重合体(A)は、JIS K7206に準拠し、荷重50N、昇温速度50℃/時間で求めたビカット軟化温度が115℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは125℃以上である。ビカット軟化温度が高いほど、樹脂組成物を成形して得られる成形体の耐熱性と長期耐久性が良好となる。
スチレン系共重合体(A)の質量平均分子量(Mw)は、10×10〜30×10であることが好ましく、さらに好ましくは14×10〜25×10ある。質量平均分子量(Mw)が10×10より小さいと、樹脂組成物を成形して得られる成形体の耐衝撃性が低くなり、30×10を超えると樹脂組成物の成形加工性が悪くなる。スチレン系共重合体(A)の質量平均分子量(Mw)は、重合工程での重合温度、重合開始剤の種類及び添加量、連鎖移動剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量などによって制御することができる。なお、質量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の値であり、以下に記載の測定条件における測定値である。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:0.8質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(Polymer Labotatories社製)を用いて作製した。
スチレン系共重合体(A)のASTM D1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率は、88%以上であることが好ましく、さらに好ましくは89%以上であり、特に好ましくは90%以上である。2mm厚みの全光線透過率が88%以上であれば、樹脂組成物を成形して得られる成形体の透明性が良好となり、色相に優れたものになる。なお、全光線透過率とは、射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で成形された縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて測定した値のことである。
スチレン系共重合体(A)の製造方法としては特に限定はなく、溶液重合、塊状重合等公知の方法で製造できるが、溶液重合がより好ましい。溶液重合で用いる溶剤は、副生成物ができ難く、悪影響が少ないという観点から非重合性であることが好ましい。溶剤の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。単量体や共重合体の溶解度、溶剤回収のし易さの観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。溶剤の添加量は、得られる共重合体量100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは30〜80質量部である。10質量部以上であれば、反応速度及び重合液粘度を制御する上で好適であり、100質量部以下であれば、所望の質量平均分子量(Mw)を得る上で好適である。
重合プロセスは回分式重合法、半回分式重合法、連続重合法のいずれの方法であっても差し支えないが、所望の分子量範囲と透明性を得る上で回分式重合法が好適である。
重合方法は特に限定されないが、簡潔プロセスによって生産性良く製造することが可能であるという観点から、好ましくはラジカル重合法である。重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例えばジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレートなどの公知の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルプロピオニトリル、アゾビスメチルブチロニトリルなどの公知のアゾ化合物を用いることができる。これらの重合開始剤は1種類でもよく、2種類以上を併用することもできる。これらの中でも10時間半減期温度が、70〜110℃である有機過酸化物を用いるのが好ましい。
スチレン系共重合体(A)は、その重合手順に特に制限はないが、その全光線透過率を88%以上にするために、共重合組成分布が小さくなるように重合しなければならない。芳香族ビニル単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体は強い交互共重合性を有するため、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体の重合速度に対応するように不飽和ジカルボン酸無水物単量体を連続的に分添する方法が好適である。重合速度のコントロールについては、重合温度、重合時間、及び重合開始剤添加量とで調整することができる。重合開始剤を連続分添すると、より重合速度をコントロールし易くなるので好ましい。
スチレン系共重合体(A)は、その質量平均分子量(Mw)が10×10〜30×10であることが好ましい。質量平均分子量(Mw)をこの範囲に調整するには、重合温度、重合時間、重合開始剤添加量の調整に加えて、溶剤添加量及び連鎖移動剤添加量を調整すればよい。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンや2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどの公知の連鎖移動剤を用いることができる。
重合終了後、重合液には必要に応じて、ヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物などの耐熱安定剤、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物などの耐光安定剤、滑剤や可塑剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油などの添加剤を加えても構わない。その添加量は全単量体単位100質量部に対して0.2質量部未満であることが好ましい。これらの添加剤は、1種類でもよく、2種類以上を併用しても構わない。
重合液からスチレン系共重合体(A)を回収する方法については、特に限定はなく、公知の脱揮技術を用いることができる。例えば、重合液を二軸脱揮押出機にギヤーポンプを用いて連続的にフィードし、重合溶剤や未反応モノマーなどを脱揮処理する方法が挙げられる。なお、重合溶剤や未反応モノマーなどを含む脱揮成分は、コンデンサーなどを用いて凝縮させて回収し、凝縮液を蒸留塔にて精製することで、重合溶剤は再利用することが可能である。
メタクリル樹脂(B)とは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を有する重合体であり、例えば、ポリメチルメタクリレートなど、市販されている一般的なものを使用することができる。また本発明においては、さらにスチレン系単量体単位を20質量%以下の範囲で含有するものも使用することができる。
メタクリル樹脂(B)には、本発明の効果を阻害しない範囲で安定剤や可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを配合してもよい。
アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)とは、コアシェル構造を有したものであり、市販されている一般的なものを使用することができる。アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)のコア部は、アクリル系ゴム状重合体単独又はアクリル系ゴム状重合体とシリコーン系ゴム状重合体からなる複合体であり、シェル部は(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位の群から選ばれる1種類以上の単量体単位からなる重合体又は共重合体であることが好ましい。
コアシェル構造とは、中心部がコア、中心部周囲がシェルからなり、コアとシェルがそれぞれ異なるポリマーから構成される多層構造のことである。
コア部に用いられるアクリル系ゴム状共重合体とは、アルキル(メタ)アクリレート単量体単位、多官能性アルキル(メタ)アクリレート単量体単位から選ばれる単量体単位からなる共重合体のことである。
アルキル(メタ)アクリレート単量体単位としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアルキルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレートなどのアルキルメタクリレートが挙げられる。これらの中でも好ましくはn−ブチルアクリレート単量体単位である。これらアルキル(メタ)アクリレート単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
多官能性アルキル(メタ)アクリレート単量体単位としては、例えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどが挙げられる。これら多官能性アルキル(メタ)アクリレート単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
コア部に用いられるシリコーン系ゴム状共重合体とは、ジメチルシロキサン単量体単位とビニル重合性官能基含有シロキサン単量体単位からなる共重合体のことである。
ジメチルシロキサン単量体単位としては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。これらジメチルシロキサン単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
ビニル重合性官能基含有シロキサン単量体単位としては、例えば、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシランなどのメタクリロイルオキシシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンなどのビニルシロキサン、p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン、及びγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシロキサンが挙げられる。これらビニル重合性官能基含有シロキサン単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
シェル部は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位の群から選ばれる1種類以上の単量体単位からなる重合体又は共重合体である。
シェル部に用いられる(メタ)アクリル酸エステル単量体単位とは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの各メタクリル酸エステル単量体、及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレートなどの各アクリル酸エステル単量体に由来する単位のことである。これらの中でも好ましくはメチルメタクリレート単位である。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
シェル部に用いられる芳香族ビニル単量体単位とは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどの各スチレン系単量体に由来する単位のことである。これらの中でも好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
シェル部に用いられるシアン化ビニル単量体単位とは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、マレオニトリルなどの各シアン化ビニル系単量体に由来する単位のことである。これらシアン化ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
なおシェル部には、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位以外の、共重合可能なビニル単量体単位を共重合体中に発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。これら共重合可能なビニル単量体単位の含有量は、好ましくは5質量%以下である。共重合可能なビニル単量体の単位としては、アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸単量体、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド単量体、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミド単量体などの各単量体に由来する単位が挙げられる。共重合可能なビニル単量体の単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
スチレン系共重合体(A)とメタクリル樹脂(B)とアクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)からなる樹脂組成物の配合比率は、スチレン系共重合体(A)10〜50質量%と、メタクリル樹脂(B)40〜80質量%と、アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)5〜30質量%であり、さらに好ましくはスチレン系共重合体(A)15〜40質量%と、メタクリル樹脂(B)45〜70質量%と、アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)10〜25質量%である。上記の配合比率であれば、耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性のバランスに優れる。
樹脂組成物を得る方法については、特に限定はなく、公知の溶融混練技術を用いることができる。好適に使用できる溶融混練装置としては、単軸押出機、完全噛合形同方向回転二軸押出機、完全噛合形異方向回転二軸押出機、非又は不完全噛合形二軸押出機などのスクリュー押出機、バンバリーミキサー、コニーダー及び混合ロールなどがある。
樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で安定剤や可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを配合してもよい。
スチレン系共重合体(A)とメタクリル樹脂(B)とアクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)からなる樹脂組成物に対して、さらに有機系着色剤、無機系着色剤、金属系着色剤の群から選ばれる1種類以上の着色剤を含有させてもよい。有機系着色剤、無機系着色剤、金属系着色剤の群から選ばれる1種類以上の着色剤を配合することで、良好な発色性、外観、色相、意匠性などを付与することができる。
有機系着色剤とは、有機顔料や有機染料などのことであり、市販されている一般的なものを使用することができる。有機顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ系顔料などのアゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等などが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。有機染料としては、例えば、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン/オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、ピラゾロン染料、ペリノン染料、キノフタロン染料などが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。有機系着色剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して、5質量部未満であることが好ましい。
無機系着色剤とは、無機系の天然鉱物顔料や合成無機顔料などのことであり、市販されている一般的なものを使用することができる。例えば、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄1種、亜鉛黄2種、ウルトラマリン青、プロシア青、カーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、セラミックス、炭酸カルシウム、カオリン、白色雲母などが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。無機系着色剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して、5質量部未満であることが好ましい。
金属系着色剤とは、金属の粉末、酸化物又は合金を含有する顔料であり、市販されている一般的なものを使用することができる。金属系着色剤の原料として用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、チタン、マグネシウム、ステンレスなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。金属系着色剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して、5質量部未満であることが好ましい。
スチレン系共重合体(A)とメタクリル樹脂(B)とアクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)からなる樹脂組成物に対して、さらに紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤を配合することで、耐侯性を向上させることができる。
紫外線吸収剤とは、高分子材料の劣化要因となる紫外線を吸収する添加剤のことであり、例えば、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、サリシレート系、マロン酸エステル系、オキザニリド系(蓚酸アニリド系)などがあり、市販されている一般的なものを使用することができる。いずれも紫外線を吸収して、高分子材料に対して無害な熱エネルギーなどに転換する作用を持つ。紫外線吸収剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して、5質量部未満であることが好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とは、例えば2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチルレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾール−2イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラハイドロフタルイミディルメチル)フェノール、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、6−(2−ベンゾトリアゾイル)−4−t−オクチル−6’−t−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノールなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤とは、例えば2,2−ビス{〔2−シアノー3,3−ジフェニルアクリロイル〕オキシ〕メチル}プロパン−1,3−ジイル=ビス(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート)、2−シアノー3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノー3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
トリアジン系紫外線吸収剤とは、例えば2−(4,6−ジフェニル―1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔2−(2−エチルヘキサノイルオキシ〕エトキシフェノール、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤とは、例えばオクタベンゾン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロベンフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸三水和物、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
ベンゾエート系紫外線吸収剤とは、例えば2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ビス−tert−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
サリシレート系紫外線吸収剤とは、例えばフェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
マロン酸エステル系紫外線吸収剤とは、例えばマロン酸[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ジメチルエステル、テトラエチル−2,2−(1,4−フェニレン−ジメチリデン)−ビスマロネートなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
オキザニリド系(蓚酸アニリド系)紫外線吸収剤とは、例えば2−エチル−2’−エトキシ−オキザニリドなどがある。
ヒンダードアミン系光安定剤とは、テトラメチルピペリジン骨格を基本骨格とした光安定剤のことであり、市販されている一般的なものを使用することができる。光劣化によって生じたポリマーラジカルやポリオキシラジカルなどのラジカルを捕捉しラジカル連鎖反応による劣化の進行を停止すると考えられている。ヒンダードアミン系光安定剤は、例えばコハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物、オレフィン(C20−C24)・無水マレイン酸・4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン共重合物、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−ジスピロ−[5.1.11.2]−ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキソ−7−オキサ−3.20−ジアザジスピロ−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−20(2,3−エポキシ−プロピル)ジスピロ−[5.1.11.2]−ヘネイコサン−オンなどが挙げられ、これらは1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して、5質量部未満であることが好ましい。
樹脂組成物から成形体を得る方法については、特に限定はなく、公知の成形加工技術を用いることができる。例えば、射出成形、押出成形、シート成形、プレス成形などが挙げられる。
樹脂組成物を成形して得られる成形体は、自動車の内装部材や外装部材などに好適に使用できる。
以下、本発明をさらに詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例などになんら限定されるものではない。
<スチレン系共重合体(A−1)の製造例>
マレイン酸無水物が20質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた20%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.7kg、スチレン25kg、メチルメタクレリレート10.3kg、t−ドデシルメルカプタン40gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.4kg/時、及び2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを42g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.4kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で28.8kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトン及び微量の未反応モノマーなどを脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−1)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−1)をC−13NMR法により組成分析を行い、GPC装置にて質量平均分子量(Mw)の測定を行った。さらに射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを射出成形し、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて2mm厚みの全光線透過率を測定した。またJIS K7206に準拠し、荷重50N、昇温速度50℃/時間の条件でビカット軟化温度を測定した。組成分析結果、分子量測定結果、全光線透過率測定結果及びビカット軟化温度測定結果を表1に示す。
<スチレン系共重合体(A−2)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液2.5kg、スチレン17.5kg、メチルメタクリレート2.6kg、t−ドデシルメルカプタン9gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.25kg/時、4時間目から7時間目までが1.73kg/時、7時間目から10時間目までが0.86kg/時、10時間目から13時間目までが0.17kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で17.28kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.15kg/時、7時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.49kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトン及び微量の未反応モノマーなどを脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−2)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、全光線透過率及びビカット軟化温度を測定した。測定結果を表1に示す。
<スチレン系共重合体(A−3)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液1.2kg、スチレン23kg、メチルメタクリレート1.7kg、t−ドデシルメルカプタン7gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、20%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。20%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.05kg/時、4時間目から7時間目までが1.65kg/時、7時間目から10時間目までが0.83kg/時、10時間目から13時間目までが0.13kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で16.03kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.15kg/時、7時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.49kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトン及び微量の未反応モノマーなどを脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−3)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、全光線透過率及びビカット軟化温度を測定した。測定結果を表1に示す。
<スチレン系共重合体(A−4)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液5.0kg、スチレン17.2kg、メチルメタクリレート15.1kg、t−ドデシルメルカプタン42gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、20%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。20%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.74kg/時、4時間目から7時間目までが1.98kg/時、7時間目から10時間目までが1.68kg/時、10時間目から13時間目までが0.3kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で22.84kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.15kg/時、7時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.49kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトン及び微量の未反応モノマーなどを脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−4)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、全光線透過率及びビカット軟化温度を測定した。測定結果を表1に示す。
<スチレン系共重合体(A−5)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液2.9kg、スチレン9.8kg、メチルメタクリレート4.5kg、t−ドデシルメルカプタン11gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.5kg/時、4時間目から7時間目までが1.9kg/時、7時間目から10時間目までが0.9kg/時、10時間目から13時間目までが0.2kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で19kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.12kg/時、7時間目から13時間目までが0.22kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.16kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトン及び微量の未反応モノマーなどを脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−5)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、全光線透過率及びビカット軟化温度を測定した。測定結果を表1に示す。
<スチレン系共重合体(A−6)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液1.8kg、スチレン18.2kg、メチルメタクレリレート23.5kg、t−ドデシルメルカプタン47g、メチルイソブチルケトン5kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を1.3kg/時、及び2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を370g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま1.3kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で15.6kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトン及び微量の未反応モノマーなどを脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−6)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−6)について、A−1と同様に組成分析、分子量、全光線透過率及びビカット軟化温度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2019056034
<メタクリル樹脂(B−1)>
メタクリル樹脂(B−1)は、住友化学社製「スミペックス MH」(MFR:2g/10min、ガラス転移温度:108℃)を使用した。
<アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C−1)>
アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C−1)は、三菱レイヨン社製「メタブレン S−2100」(コア部:アクリル系ゴム状重合体とシリコーン系ゴム状重合体のからなる複合体、シェル部:(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位)を使用した。
<ジエン系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体>
ブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.17μm)を固形分換算で31.5kg計量して容積200Lのオートクレーブに移し、純水78.5kgを加え、攪拌しながら窒素気流下で温度50℃に昇温した。ここに硫酸第一鉄1.25g、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム2.5g、ロンガリット100gを純水に溶解した水溶液2kgと、スチレン6.3kg、メタクリル酸メチル22.2kg、t−ドデシルメルカプタン60gからなる混合物、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド120g、オレイン酸カリウム450gを純水に分散した分散液8kgを、別々に6時間かけて連続添加した。添加終了後、温度を70℃に昇温して、さらにジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド30g添加した後2時間放置して重合を終了した。得られた乳化液に酸化防止剤を加え、純水で固形分を15質量%に希釈した後に温度60℃に昇温し、激しく撹拌しながら希硫酸を加えて塩析を行い、その後温度を90℃に昇温して凝固させ、次に脱水、水洗、乾燥して粉末状のジエン系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体を得た。得られたジエン系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体は、コア部のブタジエンゴムの組成が53質量%、シェル部のスチレン−メタクリル酸エステル系共重合体の組成が47質量%(スチレン単量体単位22質量%、メタクリル酸メチル単量体単位78質量%)であった。
<ポリカーボネート樹脂>
ポリカーボネート樹脂は、三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン S−2000」(MFR:10g/10min、ガラス転移温度:150℃)を使用した。
<耐熱ABS樹脂>
耐熱ABS樹脂は、デンカ社製「マレッカ K−200」(MFR:6g/10min、ガラス転移温度:115℃)を使用した。
<耐熱ASA樹脂>
耐熱ASA樹脂は、BASF社製「ルーランS 778T」(MFR:6g/10min、ガラス転移温度:100℃)を使用した。
<実施例・比較例>
前記製造例で記したスチレン系共重合体(A)とメタクリル樹脂(B)、アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)、ジエン系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体を表2〜表3で示した割合で混合した後、二軸押出機(東芝機械社製TEM−35B)にて、シリンダー温度240℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。各種評価結果を表2〜表3に示す。
Figure 2019056034
Figure 2019056034
(組成分析)
組成分析は、C−13NMR核磁気共鳴装置を用いて、下記記載の測定条件で実施した。
装置名:JNM−ECXシリーズFT−NMR(JEOL RESONANCE社製)
溶媒:重水素化クロロホルム
濃度:2.5質量%
温度:27℃
積算回数:8000回
(質量平均分子量)
質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の値であり、下記記載の測定条件にて実施した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:0.8質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(Polymer Laboratories社製)を用いて作製した。
(2mm厚みの鏡面プレートの全光線透過率)
2mm厚みの鏡面プレートの全光線透過率は、射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で成形された縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて測定した。
(ビカット軟化温度)
JIS K7206に準拠し、荷重50N、昇温速度50℃/時間の条件でビカット軟化温度を測定した。ビカット軟化温度が110℃以上を合格とした。
(シャルピー衝撃強度)
JIS K7111に準拠し、ノッチ有りの条件でシャルピー衝撃強度を測定した。シャルピー衝撃強度が5kJ/m以上を合格とした。
(鉛筆硬度)
射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを得た。得られた鏡面プレートを用いて、JIS K 5600−5−4:1999(荷重750g、角度45℃)に準拠し、鉛筆ひっかき硬度試験器(コーテック社製KT−VF2380)を用いて鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度F以上を合格とした。
(外観)
射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレート50枚を作製した。得られた鏡面プレート50枚を目視にて観察し、着色、気泡、焼けコンタミ、ブツなどの外観不良が発生したサンプル数を数えることによって、外観評価を行った。評価基準は以下の通りで、◎と○を合格とした。
◎:外観不良のサンプル数が0個
○:外観不良のサンプル数が1〜2個
△:外観不良のサンプル数が2〜5個
×:外観不良のサンプル数が6個以上
(長期耐久性)
射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを得た。得られた鏡面プレートを、恒温恒湿器(ESPEC社製PL−3J)内に静置し、温度60℃、湿度90%の条件にて1500時間の長期耐久試験を行い、試験前後の縦方向の長さから変形率を算出した。なお、変形率は以下の式を用いた絶対値として算出し、評価基準は以下の通りで、◎と○を合格とした。
変形率(%)=(│試験後の長さ−試験前の長さ│)/試験前の長さ×100
◎:変形率が0.3%未満
○:変形率が0.3以上〜0.4%未満
△:変形率が0.4以上〜0.5%未満
×:変形率が0.5%以上
(耐侯性)
射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを得た。得られた鏡面プレートを用いて、促進耐侯性試験機(東洋精機製作所社製アトラスキセノンウェザーメーターCi4000、使用フィルター;IN、OUT共にタイプSボロシリケイト)にてJASO M351に準拠し、1500時間の耐侯試験を行った。日本電色工業社製測色色差計(ZE6000)を用いて、JIS Z8729に準拠しE値を算出し、試験後のE値から試験前のE値の差をΔE値とした。ΔE値0.5以下を合格とした。
実施例1で使用したスチレン系共重合体(A−1)、メタクリル樹脂(B)、アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)及び着色剤(D)を表4で示した割合で混合した後、二軸押出機(東芝機械社製TEM−35B)にて、シリンダー温度240℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。各種評価結果を表4に示す。
Figure 2019056034
表4に記載した着色剤(D)は、それぞれ以下に示すものを使用した。
D−1:有機系着色剤(住化ケムテックス社製 Sumiplast Black HB)
D−2:無機系着色剤(デュポン社製 タイピュア R−103)
D−3:金属系着色剤(東洋アルミニウム社製 METAX U TBK023U−M)
実施例では、耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性に優れた樹脂組成物を得ることができた。一方、比較例では耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性のうち、いずれかの物性が劣るものであった。
本発明の樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性、耐傷付き性、外観、長期耐久性及び耐侯性に優れた成形体を得ることができる。この成形体は、自動車の内装部材や外装部材に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. スチレン系共重合体(A)10〜50質量%と、メタクリル樹脂(B)40〜80質量%と、アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)5〜30質量%と、を含有する樹脂組成物。
  2. スチレン系共重合体(A)が、芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%と、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%と、を含み、JIS K7206に準拠して求めたビカット軟化温度が115℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. アクリル系ゴム状重合体を含むグラフト共重合体(C)が、コアシェル構造を有しており、コア部はアクリル系ゴム状重合体単独又はアクリル系ゴム状重合体とシリコーン系ゴム状重合体からなる複合体であり、シェル部は(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位の群から選ばれる1種類以上からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 有機系着色剤、無機系着色剤、金属系着色剤の群から選ばれる1種類以上の着色剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤から選ばれる1種類以上を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる成形体。
  7. 自動車の内装部材又は外装部材として使用されることを特徴とする請求項6記載の成形体。

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