JP2016059600A - プレフィルドシリンジ用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素バリア性に優れたプレフィルドシリンジ用容器を提供する。【解決手段】(A)シリンジバレル10、(B)キャップ20、(C)ガスケット30、(D)プランジャー40を備えたプレフィルドシリンジ用容器であって、前記(A)シリンジバレルのノズル部の表面積のうち、前記(B)キャップにより覆われている割合が80〜100%である、プレフィルドシリンジ用容器。【選択図】図1
Description
本発明は、プレフィルドシリンジ用容器に関し、詳しくは酸素バリア性能に優れたプレフィルドシリンジ用容器に関する。
従来から、医療現場等において薬液を密閉状態で充填し保管するための医療用包装容器として、ガラス製のプレフィルドシリンジ(「プレフィル用シリンジ」等と呼ばれることもある。)が使用されている。プレフィルドシリンジは、治療に必要な薬液が予めシリンジに充填されているものである。そのため、アンプルやバイアルに保存された薬液を一旦シリンジで吸引するといった操作が不要である。プレフィルドシリンジを用いることで、薬液への異物混入の防止、医療作業の効率化、薬液の誤投与といった医療事故防止等が期待出来る。プレフィルドシリンジとしては、例えば、プラスチック製のものやガラス製のものが用いられている。
しかしながら、ガラス製のプレフィルドシリンジの場合、保管中に容器中の内容液にナトリウムイオン等が溶出する、フレークスという微細な物質が発生する、金属で着色した遮光性ガラス製容器を使用する場合には着色用の金属が内容物に混入する、落下等の衝撃により割れやすい、等の問題があった。また、比較的に比重が大きいため、重いという問題点もあった。そのため、種々の代替材料が検討されている。具体的には、ガラスに比べて軽量なプラスチック、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー等が、ガラス代替として検討されている。中でも、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で、酸素バリア性能および酸素吸収性能に優れるプレフィルドシリンジとして、所定のテトラリン環を有するポリマーと遷移金属触媒を含有する酸素吸収性プレフィルドシリンジ(特許文献1)が開発されている。
また、酸化ケイ素化合物をプラスチックシリンジバレルにコーティングし、酸素バリア性能を改善した医療容器が開発されている(特許文献2)。
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2のプレフィルドシリンジでは、その製造の方法によっては、筒先のノズル部における酸素バリア層の形成が不十分な場合や、筒先のノズル部厚さが円筒部に比べ薄くなる場合があり、酸素バリア性能に課題がある場合があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、酸素バリア性に優れたプレフィルドシリンジ用容器を提供することにある。
本発明者らは、プレフィルドシリンジ用容器について鋭意検討した結果、ノズル部の広範囲を覆う形状のキャップを用いることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
<1> (A)シリンジバレル、(B)キャップ、(C)ガスケット、(D)プランジャーを備えたプレフィルドシリンジ用容器であって、前記(A)シリンジバレルのノズル部の表面積のうち、前記(B)キャップにより覆われている割合が80〜100%である、プレフィルドシリンジ用容器。
<2> 前記(A)シリンジバレルが多層である、上記<1>に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<3> 前記(B)キャップの材料の酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下である、上記<1>又は<2>に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<4> 前記(B)キャップがブチルゴムを含有する、上記<1>〜<3>の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<5> 前記(A)シリンジバレルの酸素透過度が0.001mL/(0.21atm・day・package)以下である、上記<1>〜<4>の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<6> 前記(C)ガスケットの材料の酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下である上記<1>〜<5>の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<7> 上記<1>〜<6>の何れか一項のプレフィルドシリンジ用容器と、前記容器に収容された薬液とを備えたプレフィルドシリンジ。
<1> (A)シリンジバレル、(B)キャップ、(C)ガスケット、(D)プランジャーを備えたプレフィルドシリンジ用容器であって、前記(A)シリンジバレルのノズル部の表面積のうち、前記(B)キャップにより覆われている割合が80〜100%である、プレフィルドシリンジ用容器。
<2> 前記(A)シリンジバレルが多層である、上記<1>に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<3> 前記(B)キャップの材料の酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下である、上記<1>又は<2>に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<4> 前記(B)キャップがブチルゴムを含有する、上記<1>〜<3>の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<5> 前記(A)シリンジバレルの酸素透過度が0.001mL/(0.21atm・day・package)以下である、上記<1>〜<4>の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<6> 前記(C)ガスケットの材料の酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下である上記<1>〜<5>の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
<7> 上記<1>〜<6>の何れか一項のプレフィルドシリンジ用容器と、前記容器に収容された薬液とを備えたプレフィルドシリンジ。
本発明によれば、筒先のノズル部における酸素バリア性が向上するので、酸素バリア性能に優れたプレフィルドシリンジ用容器を提供することが出来る。さらに、本発明によれば、筒先のノズル部からの液漏れが抑制されたプレフィルドシリンジを提供することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
本実施形態のプレフィルドシリンジ用容器は、(A)シリンジバレル、(B)キャップ、(C)ガスケット、(D)プランジャー、を備える。
[(B)キャップ]
図1にプレフィルドシリンジ用のシリンジバレルおよびキャップを示す。キャップはシリンジバレルの先端部に設けられたノズル部に、勘合・装着される。プレフィルドシリンジの酸素バリア性能を確保するため、本実施形態においては、シリンジバレルのノズル部の表面積のうち、前記(B)キャップにより覆われている割合(ノズル部被覆率)が80〜100%であり、より好ましくは85〜100%、更に好ましくは90〜100%である。キャップによるノズル部被覆率が高いほど、高い酸素バリア性能が得られる。さらに、シリンジバレルの肩部や円筒部の少なくとも一部をもキャップで覆うことで、より酸素バリア性能を向上することが出来る。また、被覆率が高いほど、薬液収容後のプレフィルドシリンジにおいて、筒先のノズル部からの液漏れを抑制することが出来る。
図1にプレフィルドシリンジ用のシリンジバレルおよびキャップを示す。キャップはシリンジバレルの先端部に設けられたノズル部に、勘合・装着される。プレフィルドシリンジの酸素バリア性能を確保するため、本実施形態においては、シリンジバレルのノズル部の表面積のうち、前記(B)キャップにより覆われている割合(ノズル部被覆率)が80〜100%であり、より好ましくは85〜100%、更に好ましくは90〜100%である。キャップによるノズル部被覆率が高いほど、高い酸素バリア性能が得られる。さらに、シリンジバレルの肩部や円筒部の少なくとも一部をもキャップで覆うことで、より酸素バリア性能を向上することが出来る。また、被覆率が高いほど、薬液収容後のプレフィルドシリンジにおいて、筒先のノズル部からの液漏れを抑制することが出来る。
シリンジノズル部と接触する部分のキャップの厚みとしては、酸素バリア性能の観点から300〜20000μmが好ましく、500〜10000μmがより好ましく、1000〜5000μmが特に好ましい。またシリンジノズル部の開口部を覆う部分のキャップの厚みとしては、酸素バリア性能の観点から500〜30000μmが好ましく、1000〜20000μmがより好ましく、2000〜10000μmが特に好ましい。
[キャップの材質]
本実施形態で用いられるキャップの材質は、特に限定されないが、たとえば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性得ラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。プレフィルドシリンジ用容器の酸素バリア性の確保のため、低い酸素透過率をもつ材質を選択することが好ましい。例えば、イソブチレンと少量のイソプレンの共重合体からなるブチルゴム、ブチルゴムをハロゲン化したブロモブチルゴムやクロロブチルゴムが挙げられ、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴムが好ましい。
本実施形態で用いられるキャップの材質は、特に限定されないが、たとえば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性得ラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。プレフィルドシリンジ用容器の酸素バリア性の確保のため、低い酸素透過率をもつ材質を選択することが好ましい。例えば、イソブチレンと少量のイソプレンの共重合体からなるブチルゴム、ブチルゴムをハロゲン化したブロモブチルゴムやクロロブチルゴムが挙げられ、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴムが好ましい。
[(A)シリンジバレル]
本実施形態で用いられるシリンジバレルは一般的な樹脂シリンジバレルを用いることができ、何ら制限はないが、プレフィルドシリンジ用容器の酸素バリア性能確保の観点から、バレルは0.001mL/(0.21atm・day・package)以下の酸素透過度を有することが好ましい。
本実施形態で用いられるシリンジバレルは一般的な樹脂シリンジバレルを用いることができ、何ら制限はないが、プレフィルドシリンジ用容器の酸素バリア性能確保の観点から、バレルは0.001mL/(0.21atm・day・package)以下の酸素透過度を有することが好ましい。
上記シリンジバレルは単層、多層等の形態の制限はない。
多層シリンジバレルは熱可塑性樹脂組成物(b)よりなる第1の樹脂層(スキン層)とバリア性熱可塑性樹脂組成物(b)と、バリア性熱可塑性樹脂組成物(a)よりなる第2の樹脂層(コア層)と、第1の熱可塑性樹脂組成物(b)よりなる第3の樹脂層(スキン層)と、をこの順に有する構造を備えている。
[熱可塑性樹脂組成物(b)]
単層シリンジバレルで使用される樹脂及び、多層シリンジバレルのスキン層(第1の樹脂層、第3の樹脂層)にて熱可塑性樹脂組成物(b)として使用される熱可塑性樹脂としては、公知のものを適宜用いることが出来る。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、あるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム又はブロック共重合体等のポリオレフィン;無水マレイン酸グラフトポリエチレンや無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン6IT、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等;ノルボルネンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体、およびテトラシクロドデセンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体であるシクロオレフィンコポリマー(COC)、また、ノルボルネンを開環重合し、水素添加した重合物であるシクロオレフィンポリマー(COP)等あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂組成物(b)は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
[熱可塑性樹脂組成物(b)]
単層シリンジバレルで使用される樹脂及び、多層シリンジバレルのスキン層(第1の樹脂層、第3の樹脂層)にて熱可塑性樹脂組成物(b)として使用される熱可塑性樹脂としては、公知のものを適宜用いることが出来る。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、あるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム又はブロック共重合体等のポリオレフィン;無水マレイン酸グラフトポリエチレンや無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン6IT、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等;ノルボルネンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体、およびテトラシクロドデセンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体であるシクロオレフィンコポリマー(COC)、また、ノルボルネンを開環重合し、水素添加した重合物であるシクロオレフィンポリマー(COP)等あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂組成物(b)は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
また、熱可塑性樹脂組成物(b)は、薬液を保存する都合上、耐薬品性、耐溶出性及び耐衝撃性に優れた性質のものが好ましい。また、水蒸気バリア性を有しているとさらに好ましく、水蒸気透過度に関しJIS K 7126に準拠した手法で得られる数値として、1.0g・mm/m2・day以下を満たすことが出来るバリア性樹脂から選択するのがよい。特に好ましいのは、ノルボルネンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体、およびテトラシクロドデセンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体であるシクロオレフィンコポリマー(COC)、また、ノルボルネンを開環重合し、水素添加した重合物であるシクロオレフィンポリマー(COP)も好ましい。このようなCOCおよびCOPは例えば特開平5−300939号公報あるいは特開平5−317411号公報に記載されている。
[バリア性熱可塑性樹脂組成物(a)]
多層シリンジバレルのコア層(第2の樹脂層)にてバリア熱可塑性樹脂組成物(a)として使用される樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、植物由来樹脂及び塩素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、酸素バリア性において、酸素透過度に関しJIS K 7126に準拠した手法で得られる数値として、0.5cc・mm/m2・day・atm以下を満たすことが出来るバリア性樹脂から選択するのが好ましい。また内容物を視認しやすいよう透明性の観点から非晶性樹脂であると好ましい。さらに、バリア性熱可塑性樹脂組成物(a)は、酸素吸収性樹脂組成物であることが好ましい。薬液充填時に如何にガス置換操作を行ったとしても、充填時に混入した気泡に含まれる酸素や、内容物の液中に溶存する酸素は完全には取り除けない可能性がある。バリア性熱可塑性樹脂組成物(a)が酸素吸収性樹脂組成物の場合は、溶存酸素を吸収するだけでなく、容器の壁部を透過して外部から侵入してくる微量酸素をも完全に排除することが出来る。好ましい酸素吸収性樹脂組成物として、例えば、国際公開第2013/077436号に記載されたポリエステル化合物及び遷移金属触媒を含む酸素吸収性樹脂組成物を挙げることが出来る。
多層シリンジバレルのコア層(第2の樹脂層)にてバリア熱可塑性樹脂組成物(a)として使用される樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、植物由来樹脂及び塩素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、酸素バリア性において、酸素透過度に関しJIS K 7126に準拠した手法で得られる数値として、0.5cc・mm/m2・day・atm以下を満たすことが出来るバリア性樹脂から選択するのが好ましい。また内容物を視認しやすいよう透明性の観点から非晶性樹脂であると好ましい。さらに、バリア性熱可塑性樹脂組成物(a)は、酸素吸収性樹脂組成物であることが好ましい。薬液充填時に如何にガス置換操作を行ったとしても、充填時に混入した気泡に含まれる酸素や、内容物の液中に溶存する酸素は完全には取り除けない可能性がある。バリア性熱可塑性樹脂組成物(a)が酸素吸収性樹脂組成物の場合は、溶存酸素を吸収するだけでなく、容器の壁部を透過して外部から侵入してくる微量酸素をも完全に排除することが出来る。好ましい酸素吸収性樹脂組成物として、例えば、国際公開第2013/077436号に記載されたポリエステル化合物及び遷移金属触媒を含む酸素吸収性樹脂組成物を挙げることが出来る。
本実施形態の多層シリンジバレルの製造方法については特に限定されず、通常の射出成形法により製造することが出来る。例えば、国際公開第2013/077436号(特許文献1)に記載された製造方法を用いることが出来る。
[コートバレル製造方法]
本実施形態において、単層シリンジバレルに他の材料をコートすることで多層シリンジバレルを作成することが出来る。コートする材料は特に制限はない。酸素バリア性能を確保の観点からすれば、コートのバリア被膜の組成物としては、酸化ケイ素をベースとする膜であるのが好ましい。このような膜は、望ましくは揮発性の有機ケイ素化合物又はガスによって作られる。またコート層の数に制限はない。バリア被膜のコーティングの方法には、何らの制限はない。
本実施形態において、単層シリンジバレルに他の材料をコートすることで多層シリンジバレルを作成することが出来る。コートする材料は特に制限はない。酸素バリア性能を確保の観点からすれば、コートのバリア被膜の組成物としては、酸化ケイ素をベースとする膜であるのが好ましい。このような膜は、望ましくは揮発性の有機ケイ素化合物又はガスによって作られる。またコート層の数に制限はない。バリア被膜のコーティングの方法には、何らの制限はない。
[(C)ガスケット]
ガスケットの材料は特に限定されず、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。プレフィルドシリンジ用容器の酸素バリア性能確保の観点から、ガスケットに用いられる材料は酸素バリア性の良い例えば、イソブチレンと少量のイソプレンの共重合体からなるブチルゴム、ブチルゴムをハロゲン化したクロロブチルゴムやブロモブチルゴムが挙げられ、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴムが好ましい。ガスケットの材料としては、酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下であるものが好ましく、200mL・mm/(m2・day・atm)がより好ましく、100mL・mm/(m2・day・atm)が特に好ましい。ガスケット天面の最薄部の厚みとしては、酸素バリア性能の観点から300〜30000μmが好ましく、500〜20000μmがより好ましく、1000〜10000μmが特に好ましい。
ガスケットの材料は特に限定されず、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。プレフィルドシリンジ用容器の酸素バリア性能確保の観点から、ガスケットに用いられる材料は酸素バリア性の良い例えば、イソブチレンと少量のイソプレンの共重合体からなるブチルゴム、ブチルゴムをハロゲン化したクロロブチルゴムやブロモブチルゴムが挙げられ、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴムが好ましい。ガスケットの材料としては、酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下であるものが好ましく、200mL・mm/(m2・day・atm)がより好ましく、100mL・mm/(m2・day・atm)が特に好ましい。ガスケット天面の最薄部の厚みとしては、酸素バリア性能の観点から300〜30000μmが好ましく、500〜20000μmがより好ましく、1000〜10000μmが特に好ましい。
[(D)プランジャー]
本実施形態で用いられるプランジャ−は一般的なシリンジに用いるプランジャ−を使用でき、その構造および材質に制限はない。
本実施形態で用いられるプランジャ−は一般的なシリンジに用いるプランジャ−を使用でき、その構造および材質に制限はない。
[プレフィルドシリンジ]
プレフィルドシリンジの一態様としては、上述したプレフィルドシリンジ用容器に薬液等を収容し、使用時にバレルの先端側を開封して注射針を装着するように構成された注射器(シリンジ)が挙げられる。
プレフィルドシリンジの一態様としては、上述したプレフィルドシリンジ用容器に薬液等を収容し、使用時にバレルの先端側を開封して注射針を装着するように構成された注射器(シリンジ)が挙げられる。
薬液としては特に制限はないが、本実施形態の効果の点から、例えば、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどのビタミン剤、アトロピンなどのアルカロイド、アドレナリン、インシュリンなどのホルモン剤、ブドウ糖、マルトースなどの糖類、セフトリアキソン、セファロスポリン、シクロスポリンなどの抗生物質、インシュリン、アドレナリンなどのホルモン剤、オキサゾラム、フルニトラゼパム、クロチアゼパム、クロバザムなどのベンゾジアゼピン系薬剤などが挙げられる。本実施形態の酸素吸収性プレフィルドシリンジ用容器は、これらの化合物を含む薬液等を収容した場合に酸化による変質を抑制する事が出来る。
[殺菌処理]
なお、これらの被保存物の充填(包装)前後に、被保存物に適した形で、容器や被保存物の殺菌処理を施すことが出来る。殺菌方法としては、例えば、100℃以下での熱水処理、100℃以上の加圧熱水処理、130℃以上の超高温加熱処理等の加熱殺菌;紫外線、マイクロ波、ガンマ線等の電磁波殺菌;エチレンオキサイド等のガス処理;過酸化水素や次亜塩素酸等の薬剤殺菌等が挙げられる。
なお、これらの被保存物の充填(包装)前後に、被保存物に適した形で、容器や被保存物の殺菌処理を施すことが出来る。殺菌方法としては、例えば、100℃以下での熱水処理、100℃以上の加圧熱水処理、130℃以上の超高温加熱処理等の加熱殺菌;紫外線、マイクロ波、ガンマ線等の電磁波殺菌;エチレンオキサイド等のガス処理;過酸化水素や次亜塩素酸等の薬剤殺菌等が挙げられる。
以下に実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に記載が無い限り、NMR測定は室温で行った。
(実施例1)
(実施例1)
[モノマー合成例]
内容積18Lのオートクレーブに、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル2.20kg、2−プロパノール11.0kg、5%パラジウムを活性炭に担持させた触媒350g(50wt%含水品)を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素と置換し、さらに窒素を水素と置換した後、オートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるまで水素を供給した。次に、撹拌機を起動し、回転速度を500rpmに調整し、30分かけて内温を100℃まで上げた後、さらに水素を供給し圧力を1MPaとした。その後、反応の進行による圧力低下に応じ、1MPaを維持するよう水素の供給を続けた。7時間後に圧力低下が無くなったので、オートクレーブを冷却し、未反応の残存水素を放出した後、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液を濾過し、触媒を除去した後、分離濾液から2−プロパノールをエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物に、2−プロパノールを4.40kg加え、再結晶により精製し、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを80%の収率で得た。尚、NMRの分析結果は下記の通りである。1H‐NMR(400MHz CDCl3)δ7.76-7.96(2H m)、7.15(1H d)、3.89(3H s)、3.70(3H s)、2.70-3.09(5H m)、1.80-1.95(1H m)。
内容積18Lのオートクレーブに、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル2.20kg、2−プロパノール11.0kg、5%パラジウムを活性炭に担持させた触媒350g(50wt%含水品)を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素と置換し、さらに窒素を水素と置換した後、オートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるまで水素を供給した。次に、撹拌機を起動し、回転速度を500rpmに調整し、30分かけて内温を100℃まで上げた後、さらに水素を供給し圧力を1MPaとした。その後、反応の進行による圧力低下に応じ、1MPaを維持するよう水素の供給を続けた。7時間後に圧力低下が無くなったので、オートクレーブを冷却し、未反応の残存水素を放出した後、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液を濾過し、触媒を除去した後、分離濾液から2−プロパノールをエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物に、2−プロパノールを4.40kg加え、再結晶により精製し、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを80%の収率で得た。尚、NMRの分析結果は下記の通りである。1H‐NMR(400MHz CDCl3)δ7.76-7.96(2H m)、7.15(1H d)、3.89(3H s)、3.70(3H s)、2.70-3.09(5H m)、1.80-1.95(1H m)。
[ポリマー製造例]
填塔式精留等、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置および窒素導入管を備えた0.03立方メートルのポリエステル樹脂製造装置に、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル18.15kg、エチレングリコール7.26kg、テトラブチルチタネート2.86gを仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を85%以上とした後、テトラブチルチタネート2.86gを添加し、昇温と減圧を徐々に行い、245℃、0.1kPa以下で重縮合を行い、ポリエステル化合物(1)を得た。得られたポリエステル化合物(1)のポリスチレン換算の重量平均分子量は8.5×104、数平均分子量は3.0×104、ガラス転移温度は67℃、融点は非晶性のため認められなかった。
[樹脂組成物製造例]
填塔式精留等、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置および窒素導入管を備えた0.03立方メートルのポリエステル樹脂製造装置に、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル18.15kg、エチレングリコール7.26kg、テトラブチルチタネート2.86gを仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を85%以上とした後、テトラブチルチタネート2.86gを添加し、昇温と減圧を徐々に行い、245℃、0.1kPa以下で重縮合を行い、ポリエステル化合物(1)を得た。得られたポリエステル化合物(1)のポリスチレン換算の重量平均分子量は8.5×104、数平均分子量は3.0×104、ガラス転移温度は67℃、融点は非晶性のため認められなかった。
[樹脂組成物製造例]
ポリエステル化合物(1)100質量部に対し、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.1質量部となるようドライブレンドして得られた混合物を、直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機に15kg/hの速度で供給し、シリンダー温度290℃の条件にて溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングすることにより、酸素吸収性樹脂組成物(1)を得た。
[シリンジの製造]
[シリンジの製造]
下記の条件により、層Bを構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層Aを構成する材料を別の射出シリンダーから、層Bを構成する樹脂と同時に射出し、次に層Aを構成する樹脂を必要量射出して射出金型内キャビティーを満たすことにより、B/A/Bの3層構成のシリンジを製造した。層Aの質量をシリンジの総質量の30質量%とした。層Aを構成する樹脂としては酸素吸収樹脂組成物(1)を使用した。層Bを構成する樹脂としてはシクロオレフィンポリマー(日本ゼオン株式会社製、商品名:ZEONEX 5000、ガラス転移温度68℃)を使用した。成形後のゲートを切断後の径がISO594−1(φ3.976±0.051)に規定の値となる位置にて超音波溶断機にて切断した。
(シリンジの形状)
ISO11040−6に準拠した内容量1cc(ロング)とした。なお、シリンジの製造には、射出成形機(日精エー・エス・ビー機械(株)製、型式:ASB−12N/10)を使用した。
(シリンジの成形条件)
層A用の射出シリンダー温度:260℃
層B用の射出シリンダー温度:260℃
射出金型内樹脂流路温度:260℃
金型温度:18℃
(シリンジの形状)
ISO11040−6に準拠した内容量1cc(ロング)とした。なお、シリンジの製造には、射出成形機(日精エー・エス・ビー機械(株)製、型式:ASB−12N/10)を使用した。
(シリンジの成形条件)
層A用の射出シリンダー温度:260℃
層B用の射出シリンダー温度:260℃
射出金型内樹脂流路温度:260℃
金型温度:18℃
[シリンジの性能評価]
得られたシリンジの酸素バリア性能試験について、以下の方法および基準にしたがって測定し、評価した。
得られたシリンジの酸素バリア性能試験について、以下の方法および基準にしたがって測定し、評価した。
[メチレンブルーゲル酸素バリア試験]
ショ糖脂肪酸エステル5.0gを90℃の水5.0Lに溶解させた。この水溶液に寒天粉末75g、水酸化ナトリウム2.4g、D−グルコース300g、メチレンブルー0.75gを添加し、溶解させてメチレンブルーゲルを作製した。次いで、このゲルを10分間煮沸して、溶存酸素を除去した。煮沸後のゲルの色は黄色で、酸素と反応すると青色に変色する。このゲルを作製したシリンジバレルに充填して、ブチルゴム製のガスケット(Datwyler社製、V9283、FM257)を装着したプランジャーを挿入した。また、ノズル部にはブチルゴム製のキャップ(1)を装着し、ノズル開口部を密閉した。23℃で1か月、6か月保存後の変化を観察した。保存後の酸素バリア性能を以下の基準に従ってゲルの色彩で評価した。評価結果を表1に示す。
<ゲル色彩評価基準>
A:充填直後と同じ黄色
B:筒先付近が薄い青色
C:全体が薄い青色
D:筒先付近が青色
E:全体が青色
ショ糖脂肪酸エステル5.0gを90℃の水5.0Lに溶解させた。この水溶液に寒天粉末75g、水酸化ナトリウム2.4g、D−グルコース300g、メチレンブルー0.75gを添加し、溶解させてメチレンブルーゲルを作製した。次いで、このゲルを10分間煮沸して、溶存酸素を除去した。煮沸後のゲルの色は黄色で、酸素と反応すると青色に変色する。このゲルを作製したシリンジバレルに充填して、ブチルゴム製のガスケット(Datwyler社製、V9283、FM257)を装着したプランジャーを挿入した。また、ノズル部にはブチルゴム製のキャップ(1)を装着し、ノズル開口部を密閉した。23℃で1か月、6か月保存後の変化を観察した。保存後の酸素バリア性能を以下の基準に従ってゲルの色彩で評価した。評価結果を表1に示す。
<ゲル色彩評価基準>
A:充填直後と同じ黄色
B:筒先付近が薄い青色
C:全体が薄い青色
D:筒先付近が青色
E:全体が青色
(実施例2)
芳香族ポリアミド樹脂(三菱ガス化学株式会社製、商品名「MXナイロンS6007」)100質量部に対し、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.1質量部となるようドライブレンドして得られた混合物を、直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機に15kg/hの速度で供給し、シリンダー温度290℃の条件にて溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングすることにより、酸素吸収性樹脂組成物(2)を得た。
芳香族ポリアミド樹脂(三菱ガス化学株式会社製、商品名「MXナイロンS6007」)100質量部に対し、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.1質量部となるようドライブレンドして得られた混合物を、直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機に15kg/hの速度で供給し、シリンダー温度290℃の条件にて溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングすることにより、酸素吸収性樹脂組成物(2)を得た。
酸素吸収樹脂組成物(1)に代えて、酸素吸収樹脂組成物(2)を用いること以外は、実施例1と同様に行い、酸素吸収性樹脂組成物およびシリンジをそれぞれ製造した。得られたシリンジの性能評価を実施例1と同様にそれぞれ行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
酸素吸収樹脂組成物(1)に代えて、ナイロン6IT(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、ノバミッド)を用いること以外は、実施例1と同様に試験を行なった。評価結果を表1に示す。
酸素吸収樹脂組成物(1)に代えて、ナイロン6IT(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、ノバミッド)を用いること以外は、実施例1と同様に試験を行なった。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
キャップ(1)に代えてノズル部を100%覆い、シリンジバレル肩部と密着する形状のキャップ(2)を用いること以外は、実施例3と同様に試験を行なった。評価結果を表1に示す。
キャップ(1)に代えてノズル部を100%覆い、シリンジバレル肩部と密着する形状のキャップ(2)を用いること以外は、実施例3と同様に試験を行なった。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
キャップ(1)に代えてノズル部を70%覆う形状のキャップ(3)を用いること以外は、実施例3と同様に試験を行なった。評価結果を表1に示す。
キャップ(1)に代えてノズル部を70%覆う形状のキャップ(3)を用いること以外は、実施例3と同様に試験を行なった。評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4のプレフィルドシリンジは、良好な酸素バリア性に優れることが確認された。
10:シリンジバレル
11:ノズル部
12:肩部
13:円筒部
20:キャップ
30:ガスケット
40:プランジャー
11:ノズル部
12:肩部
13:円筒部
20:キャップ
30:ガスケット
40:プランジャー
Claims (7)
- (A)シリンジバレル、(B)キャップ、(C)ガスケット、(D)プランジャーを備えたプレフィルドシリンジ用容器であって、前記(A)シリンジバレルのノズル部の表面積のうち、前記(B)キャップにより覆われている割合が80〜100%である、プレフィルドシリンジ用容器。
- 前記(A)シリンジバレルが多層である、請求項1に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
- 前記(B)キャップの材料の酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下である、請求項1又は2に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
- 前記(B)キャップがブチルゴムを含有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
- 前記(A)シリンジバレルの酸素透過度が0.001mL/(0.21atm・day・package)以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
- 前記(C)ガスケットの材料の酸素透過係数が300mL・mm/(m2・day・atm)以下である請求項1〜5の何れか一項に記載のプレフィルドシリンジ用容器。
- 請求項1〜6の何れか一項のプレフィルドシリンジ用容器と、前記容器に収容された薬液とを備えたプレフィルドシリンジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014190027A JP2016059600A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | プレフィルドシリンジ用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014190027A JP2016059600A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | プレフィルドシリンジ用容器 |
Publications (1)
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JP2016059600A true JP2016059600A (ja) | 2016-04-25 |
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ID=55796481
Family Applications (1)
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JP2014190027A Pending JP2016059600A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | プレフィルドシリンジ用容器 |
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Country | Link |
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-
2014
- 2014-09-18 JP JP2014190027A patent/JP2016059600A/ja active Pending
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