JP2016058718A - 電子部品、接続体、接続体の製造方法、電子部品の接続方法、緩衝材 - Google Patents

電子部品、接続体、接続体の製造方法、電子部品の接続方法、緩衝材 Download PDF

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Abstract

【課題】入力バンプ領域と出力バンプ領域とが実装面の相対向する両側縁に沿って配置されている電子部品において、熱圧着ツールによる圧力差を解消し接続信頼性を向上する。【解決手段】回路基板10に接続される実装面2に、相対向する一対の側縁の一方側2aに沿って出力バンプ3が配列された出力バンプ領域4が設けられ、一対の側縁の他方側2bに沿って入力バンプ5が配列された入力バンプ領域6が設けられ、実装面2と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面8に、出力バンプ領域4と入力バンプ領域6との間のバンプ間領域7と重畳する凹部9が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤を介して回路基板上に接続される電子部品、回路基板上に電子部品が接続された接続体、接続体の製造方法、電子部品の接続方法及び緩衝材に関し、特に、回路基板への実装面に複数のバンプ電極が配置されている電子部品、この電子部品が接続された接続体、接続体の製造方法、電子部品の接続方法及び緩衝材に関する。
従来、各種電子機器の回路基板にICチップやLSIチップ等の電子部品が接続された接続体が提供されている。近年、各種電子機器においては、ファインピッチ化、軽量薄型化等の観点から、電子部品として、実装面に突起状の電極であるバンプが配列されたICチップやLSIチップを用いて、これらICチップ等の電子部品を直接回路基板上に実装するいわゆるCOB(chip on board)や、COG(chip on glass)が採用されている。
COB接続やCOG接続においては、回路基板の端子部上に、異方性導電フィルムを介してICチップが熱圧着されている。異方性導電フィルムは、熱硬化型のバインダー樹脂に導電性粒子を混ぜ込んでフィルム状としたもので、2つの導体間で加熱圧着されることにより導電粒子で導体間の電気的導通がとられ、バインダー樹脂にて導体間の機械的接続が保持される。異方性導電フィルムを構成する接着剤としては、通常、信頼性の高い熱硬化性の接着剤を用いるようになっている。また一方で、光硬化性樹脂による接続や、熱硬化と光硬化を併用した接続方法も用いられているが、圧着ツールにより加圧する場合において、熱硬化性接着剤と同様の問題を含むと想定される。
バンプ付きICチップ50は、例えば図12(A)(B)に示すように、回路基板の実装面に、一方の側縁50aに沿って入力バンプ51が一列で配列された入力バンプ領域52が形成され、一方の側縁50aと対向する他方の側縁50bに沿って出力バンプ53が二列の千鳥状に配列された出力バンプ領域54が設けられている。バンプ配列はICチップの種類によって様々であるが、一般に、従来のバンプ付きICチップは、入力バンプ51の数よりも出力バンプ53の数が多く、入力バンプ領域52の面積よりも出力バンプ領域54の面積が広くなり、また入力バンプ51の形状が出力バンプ53の形状よりも大きく形成されている。
そして、COG実装では、異方性導電フィルム55を介して回路基板56の電極端子57上にICチップ50が搭載された後、緩衝材60を介して熱圧着ツール58によりICチップ50の上から加熱押圧する。この熱圧着ツール58による熱加圧によって、異方性導電フィルム55のバインダー樹脂が溶融して各入出力バンプ51,53と回路基板56の電極端子57との間から流動するとともに、各入出力バンプ51,53と回路基板56の電極端子57との間に導電性粒子が挟持され、この状態でバインダー樹脂が熱硬化する。これにより、ICチップ50は、回路基板56上に電気的、機械的に接続される。
特開2004−214373号公報
ここで、バンプ付きICチップ50等の電子部品は、実装面に、一方の側縁50aに沿って入力バンプ51が配列され、他方の側縁50bに沿って出力バンプ53が配列されることにより、中央にバンプが形成されていないバンプ間領域が設けられている。そのため、従来のCOB接続やCOG接続においては、熱圧着ツール58によってICチップ50が押圧されると、図13に示すように、両側縁50a,50bの各内側に設けられた入出力バンプ51,53を支点に、中央のバンプ間領域が凹むように反りが生じる。
また、ICチップ50は、実装面に形成された入力バンプ51と出力バンプ53との各バンプ配列及び大きさが異なり、入力バンプ領域52と出力バンプ領域54とに面積差を有する。さらに、電子部品は、入力バンプ領域52と出力バンプ領域54とが実装面において非対称に配置されている。
そのため、ICチップ50は、入力バンプ51と出力バンプ53に掛かる押圧力が不均一となり、例えば出力バンプ領域54においては、他方の側縁50b側に配列された出力バンプ53と、実装面の内側に配列された出力バンプ53とで、圧力差が生じ得る。
また、熱圧着ツール58による圧力が入力バンプ領域52と出力バンプ領域54との各内側縁に偏重することにより、出力バンプ領域54においては、他方の側縁50b側に配列された出力バンプ53への圧力が弱くなり、導電性粒子の押し込みが不足して導通不良を起こす恐れがある。
このような問題を解決するために、信号等の入出力には使用しないいわゆるダミーバンプを形成し、熱圧着ツールからICチップ全面にかかる応力を分散させ均一化させることがなされている。しかし、この手法でも応力の支点が増えることで、技術的難易度は高くなる。また、ダミーバンプを形成するためには、電子部品の製造工数が増加し、また、よけいに材料コストも必要となってしまうため、ダミーバンプを使用しない構成が望まれる。
そこで、本発明は、入力バンプ領域と出力バンプ領域とが実装面の相対向する両側縁に沿って配置されている電子部品において、熱圧着ツールによる圧力差を解消し接続信頼性を向上することができる電子部品、接続体、接続体の製造方法、電子部品の接続方法及び緩衝材を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る電子部品は、回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられているものである。
また、本発明に係る接続体は、電子部品が接着剤を介して回路基板上に配置され、圧着ツールで加圧されることにより、上記電子部品が上記回路基板上に接続された接続体において、上記電子部品は、上記回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられているものである。
また、本発明に係る接続体の製造方法は、接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する接続体の製造方法において、上記電子部品は、上記回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられているものである。
また、本発明に係る電子部品の接続方法は、接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する電子部品の接続方法において、上記電子部品は、上記回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられているものである。
また、本発明に係る緩衝材は、回路基板に接続される実装面に、出力バンプが配列された出力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と対向して入力バンプが配列された入力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域の間に設けられたバンプ間領域とを有する電子部品の、上記実装面と反対側の押圧面と圧着ツールとの間に配設されるシート状の緩衝材において、上記バンプ間領域に応じた位置に凹部が形成されているものである。
また、本発明に係る接続体の製造方法は、接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、緩衝材を介して圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する接続体の製造方法において、上記電子部品は、上記回路基板に接続される実装面に、出力バンプが配列された出力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と対向して入力バンプが配列された入力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域の間に設けられたバンプ間領域とを有し、上記緩衝材は、上記バンプ間領域に応じた位置に凹部が形成されているものである。
また、本発明に係る電子部品の接続方法は、接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、緩衝材を介して圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する電子部品の接続方法において、上記電子部品は、上記回路基板に接続される実装面に、出力バンプが配列された出力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と対向して入力バンプが配列された入力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域の間に設けられたバンプ間領域とを有し、上記緩衝材は、上記バンプ間領域に応じた位置に凹部が形成されているものである。
本発明によれば、圧着ツールに押圧される押圧面に、出力バンプ領域と入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部を設けることにより、圧着ツールの圧力が出力バンプ領域と入力バンプ領域とに集中し、反りが抑制されるとともに、圧着ツールによって出力バンプ及び入力バンプが十分に押圧される。したがって、電子部品は、入出力バンプと回路基板に設けられた入出力端子との間で良好な導通性を得る。
また、本発明によれば、圧着ツールと電子部品との間に配設される緩衝材のバンプ間領域に応じた位置に凹部が形成されているため、圧着ツールの圧力が出力バンプ領域と入力バンプ領域とに集中し、反りが抑制されるとともに、圧着ツールによって出力バンプ及び入力バンプが十分に押圧される。したがって、電子部品は、入出力バンプと回路基板に設けられた入出力端子との間で良好な導通性を得る。
図1(A)は本発明が適用された電子部品の接続工程を示す断面図であり、図1(B)は接続体を示す断面図である。 図2は、ICチップの実装面を示す平面図である。 図3は、ICチップの押圧面の形成例を示す図であり、(A)は補助部材を貼着する工程を示す断面図であり、(B)は補助部材が貼着されることにより凹部が形成されたICチップを示す断面図である。 図4(A)は凹部の出力バンプ領域側の端部が出力バンプ領域上に形成されているICチップを示す断面図であり、図4(B)は凹部の出力バンプ領域側の端部がバンプ間領域上に形成されているICチップを示す断面図である。 図5は、バンプ間領域にダミーバンプを設けたICチップを示す平面図である。 図6は、異方性導電フィルムを示す断面図である。 図7(A)は凹部が形成された緩衝材を用いた電子部品の接続工程を示す断面図であり、図7(B)は接続体を示す断面図である。 図8は、緩衝材を示す斜視図である。 図9は、緩衝材の凹凸部を形成する工程を示す側面図である。 図10は、搬送方向に応じた緩衝材の構成を示す平面図であり、(A)は長手方向に沿って凹部が連続する緩衝材を示し、(B)は短手方向に沿って形成された凹部及び凸部が長手方向に沿って交互に形成された緩衝材を示す。 図11(A)は緩衝材の凸部がICチップのバンプ間領域と重畳する状態を示す断面図であり、図11(B)は緩衝材の凹部がICチップの出力バンプ領域と重畳する状態を示す断面図である。 図12は、参考例に係るICチップの接続工程を示す図であり、(A)はICチップの実装面を示す平面図であり、(B)はICチップの熱加圧工程を示す断面図である。 図13は、ICチップに、バンプ間領域が凹むように反りが発生した状態を示す断面図である。
以下、本発明が適用された電子部品、接続体、接続体の製造方法、電子部品の接続方法、及び緩衝材について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[接続体20]
図1(A)(B)に示すように、接続体20は、回路基板10上に異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)30等の接着剤を介してICチップ1を搭載し、緩衝材15を介してICチップ1の押圧面8を熱圧着ツール40によって加熱押圧することにより、ICチップ1の実装面2に設けられたバンプと回路基板10に設けられた電極端子とを導電接続したものである。
[ICチップ]
図2に示すように、ICチップ1の回路基板上に接続される実装面2は、略矩形状をなし、長さ方向となる相対向する一対の側縁2a,2bに沿って、出力バンプ3が配列された出力バンプ領域4及び入力バンプ5が配列された入力バンプ領域6が形成されている。ICチップ1は、出力バンプ領域4が実装面2の一方の側縁2a側に形成され、入力バンプ領域6が実装面2の他方の側縁2b側に形成されている。これにより、ICチップ1は、実装面2の幅方向に亘って出力バンプ領域4と入力バンプ領域6とが離間して形成され、実装面2の中央部にバンプが形成されていないバンプ間領域7が設けられている。
出力バンプ領域4には、複数の出力バンプ3が実装面2の長手方向に沿って配列されることにより、例えば一方の側縁2a側から順に3列の出力バンプ列3A、3B、3Cが形成されている。また、各出力バンプ列3A〜3Cの出力バンプ3は、千鳥状に配列されている。
また、入力バンプ領域6には、例えば複数の入力バンプ5が、実装面2の長手方向に沿って1列で配列された入力バンプ列5Aが形成されている。なお、入力バンプ5は、出力バンプ3よりも大きく形成される。これにより、ICチップ1は、出力バンプ領域4と入力バンプ領域6とが面積差を有するとともに、実装面2において非対称に配置されている。なお、入出力バンプ3,5は、互いに同一サイズで形成してもよい。
入出力バンプ3,5は、例えば銅バンプや金バンプ、あるいは銅バンプに金メッキを施したもの等が好適に用いられる。また、入出力バンプ3,5は、回路基板10に設けられている入出力端子に応じた配置で設けられ、ICチップ1が回路基板10に位置合わせされて接続されることにより、異方性導電フィルム30を介して入出力端子と接続される。
なお、入出力バンプ3,5の配列は、図2に示す以外にも、一方の側縁に一又は複数列で配列され、他方の側縁に一又は複数列で配列されるいずれの構成であってもよい。また、入出力バンプ3,5は、一列配列の一部が複数列となってもよく、複数列の一部が一列となってもよい。さらに、入出力バンプ3,5は、複数列の各列が平行且つ隣接する電極端子同士が並列するストレート配列で形成されてもよく、あるいは複数列の各列が平行且つ隣接する電極端子同士が均等にズレる千鳥配列で形成されてもよい。
なお、近年の液晶表示装置その他の電子機器の小型化、高機能化に伴い、ICチップ1等の電子部品も小型化、低背化が求められ、入出力バンプ3,5も、その高さが低くなっている(例えば6〜15μm)。
[凹部]
また、ICチップ1は、実装面2と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面8に、出力バンプ領域4と入力バンプ領域6との間のバンプ間領域7と重畳する凹部9が設けられている。ICチップ1は、バンプ間領域7と重畳する位置に凹部9を設けることにより、熱圧着ツール40の圧力が出力バンプ領域4と入力バンプ領域6とに集中し、反りが抑制されるとともに、熱圧着ツール40によって出力バンプ3及び入力バンプ5が十分に押圧される。したがって、ICチップ1は、入出力バンプ3,5と回路基板10に設けられた入出力端子16,17との間で導電性粒子を十分に押し込むことができ、良好な導通性を得る。
すなわち、ICチップ1は、出力バンプ領域4と入力バンプ領域6との間にバンプ間領域7が設けられているため、熱圧着ツール40によって実装面2の全面に対して圧力を掛けられると、出力バンプ3が複数列で配列されることにより幅方向に亘って大面積に形成されている出力バンプ領域4においては、入力バンプ領域6と対峙する内側縁における押圧力が強まり実装面2の一方の側縁2a側にかけて押圧力が弱まる圧力勾配となり、一方の側縁2a側に配列されている出力バンプ3に対する押圧力が不足する。これにより、導電性粒子の押し込みが不足することにより、特に外側のバンプ列において出力バンプ3の導通抵抗が高くなる恐れがあった。
そこで、ICチップ1は、押圧面8のバンプ間領域7と重畳する位置に凹部9を設けることにより、出力バンプ領域4及び入力バンプ領域6と重畳する領域が相対的に突出され、熱圧着ツール40の押圧力を局所的に受けることができる。これにより、ICチップ50は、反りが抑制され、複数の出力バンプ列3A〜3Cが配列された出力バンプ領域4の幅方向に亘る圧力勾配が緩やかに均され、当該一方の側縁2a側において熱圧着ツール40による押圧力が不足する事態を防止する。これにより、ICチップ1は、当該一方の側縁2a側に形成された外側の出力バンプ3においても回路基板10に形成された出力端子16との間で確実に導電性粒子を挟持し、導通性を確保することができる。
凹部9は、例えばICチップ1の基板を所定の寸法に切削することにより、例えば連続する直線状に形成することができる。また、図3に示すように、凹部9は、ICチップ1の回路基板10の入出力バンプ領域4,6と重畳する位置に、バンプ間領域7と重畳する領域との間に段差を形成する補助部材11を設けることにより形成してもよい。補助部材11は、ICチップ1の基板と異なる材料、例えば耐熱性に優れるPIフィルムが用いられ、接着部材によって基板10に接着される。また、補助部材11は、絶縁ペーストを塗布し硬化させることにより設けてもよい。
また、凹部9は、ICチップ1の製造工程のいずれかのステップにおいて形成すればよい。例えば、大径のシリコンウェハからICチップ基板を切り出し個片化する工程に先立って、ウェハ表面を切削することにより、予め凹部9を形成してもよい。また、凹部9は、シリコンウェハ等と同様、エッチングにより形成してもよい。
[凹部深さD]
ICチップ1は、熱圧着ツール40によって熱加圧される際に、押圧面8と熱圧着ツール40との間に緩衝材15が介在される(図1参照)。そして、押圧面8に形成される凹部9は、熱圧着ツール40との間に介在される緩衝材15の厚さT以上の深さDを有することが好ましい。これにより、ICチップ1は、熱圧着ツール40に押圧面8が押圧された際にも、緩衝材15が凹部9の底面を押圧することによりバンプ間領域7が凹むように反りが生じることを防止することができる。
また、凹部9は、ICチップ1の基板厚さTの90%以内の深さとすることが好ましく、80%以内の深さがより好ましく、70%以内の深さが更により好ましい。また、ICチップ1は、凹部9が形成された領域の厚さ(T‐D)が15μm以上有することが好ましい。凹部9をICチップ1の基板厚さTの90%より大きい深さにすると、ICチップ1内部の配線パターン層に負荷がかかることがある。また、凹部9をICチップ1の基板厚さTの70%以内の深さとすることで、熱圧着ツール40の押圧時において、緩衝材15が凹部9の底面を押圧した場合にも反りを抑制する機械的な強度を保持することができる。
[出力バンプの内側縁と凹部の端部との距離]
ここで、図4に示すように、凹部9の出力バンプ領域4側の端部と出力バンプ領域4の最も内側に配列された出力バンプ列3Cの内側縁との距離をCとし、出力バンプ領域4の出力バンプ3の配列方向と直交する幅方向の長さをAとする。このとき、ICチップ1は、凹部9の出力バンプ領域4側の端部が、出力バンプ列3Cの内側縁から一方の側縁2a側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの12.5%未満の領域と(図4(A))、出力バンプ列3Cの内側縁から他方の側縁2b側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの50%未満の領域(図4(B))との間に位置されていることが好ましい。
また、さらに好ましくは、ICチップ1は、凹部9の出力バンプ領域4側の端部が、出力バンプ列3Cの内側縁から一方の側縁2a側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの7.5%未満の領域と、出力バンプ列3Cの内側縁から他方の側縁2b側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの37.5%未満の領域との間に位置されている。
出力バンプ領域4側の端部が上記領域に位置するように凹部9を形成することにより、熱圧着ツール40によって出力バンプ領域4と重畳する領域を押圧するとともに、バンプ間領域7と重畳する領域を過剰に押圧することもない。したがって、熱圧着ツール40の圧力が出力バンプ領域4に集中し、バンプ間領域7における反りが抑制されるとともに、熱圧着ツール40によって各出力バンプ列3A〜3Cを十分に押圧することができる。
ICチップ1は、凹部9の出力バンプ領域4側の端部が、出力バンプ列3Cの内側縁から一方の側縁2a側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの12.5%以上の領域まで形成されると、出力バンプ領域4に重畳する領域における熱圧着ツール40による加圧領域が一方の側縁2a側に偏り、出力バンプ領域4の最も内側に配列された出力バンプ列3Cに対する押圧力が不足する。
また、ICチップ1は、凹部9の出力バンプ領域4側の端部が、出力バンプ列3Cの内側縁から他方の側縁2b側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの50%以上の領域に位置されると、熱圧着ツール40による加圧領域がバンプ間領域7と重畳する領域に広がり、熱圧着ツール40によってICチップ1が押圧されると、出力バンプ領域4の内側に設けられた出力バンプ列3Cを支点に、中央のバンプ間領域7が凹むように反りが生じる。そのため、出力バンプ領域4の最も外側に配列された出力バンプ列3Aに対する押圧力が不足する。
[回路基板]
回路基板10は、接続体20の用途に応じて選択されるものであり、例えば、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、セラミック基板、フレキシブル基板等、その種類は問わない。回路基板10は、ICチップ1に設けられた入出力バンプ3,5と接続される入出力端子16,17が形成されている。
[アライメントマーク]
なお、ICチップ1及び回路基板10は、重畳させることにより回路基板10に対するICチップ1のアライメントを行う図示しないアライメントマークが設けられている。基板側アライメントマーク及びIC側アライメントマークは、組み合わされることにより回路基板10とICチップ1とのアライメントが取れる種々のマークを用いることができる。回路基板10の入出力端子の配線ピッチやICチップ1の入出力バンプ3,5のファインピッチ化が進んでいることから、ICチップ1と回路基板10とは、高精度のアライメント調整が求められることが多い。
[ダミーバンプ]
また、図5に示すように、ICチップ1は、バンプレイアウトや製造工数の制約が許せば、出力バンプ領域4と入力バンプ領域6との間に、信号等の入出力には使用しないいわゆるダミーバンプ18が配列されたダミーバンプ領域19を適宜設けてもよい。
[接着剤]
なお、ICチップ1を回路基板10に接続する接着剤としては、異方性導電フィルム30を好適に用いることができる。異方性導電フィルム30は、図6に示すように、通常、基材となる剥離フィルム31上に導電性粒子32を含有するバインダー樹脂層(接着剤層)33が形成されたものである。異方性導電フィルム30は、図1に示すように、回路基板10とICチップ1との間にバインダー樹脂層33を介在させることで、回路基板10とICチップ1とを接続させるとともに、入出力バンプ3,5と入出力端子16,17とで導電性粒子32を挟持させ、導通させるために用いられる。
バインダー樹脂層33の接着剤組成物は、例えば膜形成樹脂、熱硬化性樹脂、潜在性硬化剤、シランカップリング剤等を含有する通常のバインダー成分からなる。
膜形成樹脂としては、平均分子量が10000〜80000程度の樹脂が好ましく、特にエポキシ樹脂、変形エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の各種の樹脂が挙げられる。中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば市販のエポキシ樹脂やアクリル樹脂等を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じてアクリル化合物、液状アクリレート等を適宜選択することができる。例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等を挙げることができる。なお、アクリレートをメタクリレートにしたものを用いることもできる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
潜在性硬化剤としては、特に限定されないが、加熱硬化型の硬化剤が挙げられる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、熱、光、加圧等の用途に応じて選択される各種のトリガにより活性化し、反応を開始する。熱活性型潜在性硬化剤の活性化方法には、加熱による解離反応などで活性種(カチオンやアニオン、ラジカル)を生成する方法、室温付近ではエポキシ樹脂中に安定に分散しており高温でエポキシ樹脂と相溶・溶解し、硬化反応を開始する方法、モレキュラーシーブ封入タイプの硬化剤を高温で溶出して硬化反応を開始する方法、マイクロカプセルによる溶出・硬化方法等が存在する。熱活性型潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミン塩、ジシアンジアミド等や、これらの変性物があり、これらは単独でも、2種以上の混合体であってもよい。ラジカル重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、中でも有機過酸化物を好ましく使用することができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系等を挙げることができる。シランカップリング剤を添加することにより、有機材料と無機材料との界面における接着性が向上される。
[導電性粒子]
バインダー樹脂層33に含有される導電性粒子32としては、異方性導電フィルムにおいて使用されている公知の何れの導電性粒子を挙げることができる。すなわち、導電性粒子としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の各種金属や金属合金の粒子、金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラス、セラミック、プラスチック等の粒子の表面に金属をコートしたもの、或いは、これらの粒子の表面に更に絶縁薄膜をコートしたもの等が挙げられる。樹脂粒子の表面に金属をコートしたものである場合、樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を挙げることができる。
バインダー樹脂層33を構成する接着剤組成物は、このように膜形成樹脂、熱硬化性樹脂、潜在性硬化剤、シランカップリング剤等を含有する場合に限定されず、通常の異方性導電フィルムの接着剤組成物として用いられる何れの材料から構成されるようにしてもよい。
バインダー樹脂層33を支持する剥離フィルム31は、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methylpentene-1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)等にシリコーン等の剥離剤を塗布してなり、異方性導電フィルム30の乾燥を防ぐとともに、異方性導電フィルム30の形状を維持する。
異方性導電フィルム30は、何れの方法で作製するようにしてもよいが、例えば以下の方法によって作製することができる。膜形成樹脂、熱硬化性樹脂、潜在性硬化剤、シランカップリング剤、導電性粒子等を含有する接着剤組成物を調整する。調整した接着剤組成物をバーコーター、塗布装置等を用いて剥離フィルム31上に塗布し、オーブン等によって乾燥させることにより、剥離フィルム31にバインダー樹脂層33が支持された異方性導電フィルム30を得る。
また、上述の実施の形態では、接着剤として、バインダー樹脂層33に適宜導電性粒子32を含有した熱硬化性樹脂組成物をフィルム状に成形した接着フィルムを例に説明したが、本発明に係る接着剤は、これに限定されず、例えばバインダー樹脂層33のみからなる絶縁性接着フィルムでもよい。また、本発明に係る接着剤は、バインダー樹脂層33のみからなる絶縁性接着剤層と導電性粒子32を含有したバインダー樹脂層33からなる導電性粒子含有層とを積層した構成とすることができる。また、接着剤は、このようなフィルム成形されてなる接着フィルムに限定されず、バインダー樹脂組成物に導電性粒子32が分散された導電性接着ペースト、あるいはバインダー樹脂組成物のみからなる絶縁性接着ペーストとしてもよい。本発明に係る接着剤は、上述したいずれの形態をも包含するものである。
[接続工程]
次いで、回路基板10にICチップ1を接続する接続工程について説明する。先ず、回路基板10の入出力端子が形成された実装面上に異方性導電フィルム30を仮貼りする。次いで、この回路基板10を接続装置のステージ上に載置し、回路基板10の実装面上に異方性導電フィルム30を介してICチップ1を配置する。
次いで、バインダー樹脂層33を硬化させる所定の温度に加熱された熱圧着ツール40によって、緩衝材15を介してICチップ1の押圧面8上を所定の圧力、時間で熱加圧する。これにより、異方性導電フィルム30のバインダー樹脂層33は流動性を示し、ICチップ1の実装面2と回路基板10の実装面の間から流出するとともに、バインダー樹脂層33中の導電性粒子32は、出力バンプ3と出力端子16との間、及び入力バンプ5と入力端子17との間に挟持されて押し潰される。
このとき、本発明が適用されたICチップ1によれば、押圧面8にバンプ間領域7と重畳する凹部9が設けられているため、熱圧着ツール40の圧力が出力バンプ領域4と入力バンプ領域6とに集中し、反りが抑制されるとともに、熱圧着ツール40によって出力バンプ3及び入力バンプ5が十分に押圧される。
その結果、入出力バンプ3,5と回路基板10の入出力端子16,17との間で導電性粒子32を挟持することにより電気的に接続され、この状態で熱圧着ツール40によって加熱されたバインダー樹脂が硬化する。したがって、ICチップ1は、当該一方の側縁2a側の出力バンプ列3Aにおいても回路基板10に形成された出力端子16との間で確実に導通性を確保することができる。
入出力バンプ3,5と回路基板10の入出力端子16,17との間にない導電性粒子32は、バインダー樹脂に分散されており、電気的に絶縁した状態を維持している。これにより、ICチップ1の出力バンプ3及び入力バンプ5と回路基板10の入出力端子16,17との間のみで電気的導通が図られる。なお、バインダー樹脂として、ラジカル重合反応系の速硬化タイプのものを用いることで、短い加熱時間によってもバインダー樹脂を速硬化させることができる。また、異方性導電フィルム30としては、熱硬化型に限らず、加圧接続を行うものであれば、光硬化型もしくは光熱併用型の接着剤を用いてもよい。
次いで、本発明の実施例について説明する。本実施例では、ICチップの押圧面に形成した凹部の深さD、凹部の出力バンプ領域側の端部と出力バンプ領域の最も内側に配列された出力バンプ列の内側縁との距離C及び凹部の入力バンプ領域側の端部と入力バンプ領域に配列された入力バンプ列の内側縁との距離J、並びに緩衝材の厚みTを変えて接続体サンプルを形成し、内側の出力バンプ列及び外側の出力バンプ列における導電性粒子の変形量を測定、評価した(図1、図4参照)。
[評価用ICチップ]
本実施例に用いたICチップは、20mm×1.5mm、基板の最大厚さ160μmであり、実装面の一方の側縁には長手方向に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、他方の側縁には長手方向に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が形成されている。出力バンプ領域には実装面の幅方向にわたって出力バンプ列が3列並列され、入力バンプ領域には入力バンプ列が1列で形成されている。また、出力バンプ領域の幅方向の長さAは400μmとし、入力バンプ領域の幅方向の長さは140μmとした。なお、3つの出力バンプ列を構成する各出力バンプは千鳥状に配列されている(図2参照)。また、出力バンプ領域と入力バンプ領域の間のバンプ間領域の幅は800μmである。
[評価用基板]
評価用のICチップが搭載される回路基板は厚さ200μmのガラス基板であり、実装面には、Al層がいわゆるベタ配線で形成されている。
[緩衝材・異方性導電フィルム]
ICチップの実装は異方性導電フィルムをガラス基板の実装面に貼着した後、ICチップの押圧面を、緩衝材を介して熱圧着ツールによって所定温度、圧力、時間で加熱押圧することにより行った。緩衝材としてはテフロン(登録商標)を用い、厚さ50μm及び100μmのものを用意した。
異方性導電フィルムは、エポキシ系熱硬化タイプのものであり、フェノキシ樹脂(PKHH、巴工業株式会社製)25質量部、エポキシ樹脂(EP828、三菱化学株式会社製)10質量部、カチオン系硬化剤(SI−60L、三新化学工業株式会社製)10質量部、シランカップリング剤(A−187、モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ社製)2質量部、導電性粒子(AUL703、積水化学工業株式会社製、アクリル樹脂粒子の表面にNi/Auメッキ被膜が形成された金属被膜樹脂粒子、平均粒子径3.0μm)30質量部を、撹拌装置を用いて均一になるように混合した。混合後の配合物を剥離処理したPETフィルム上に乾燥後の平均厚みが10μmとなるように塗布、乾燥させることにより作製した。また、熱圧着ツールによるICチップの圧着条件は、150℃、90MPa、5秒とした。
[第1の実施例]
第1の実施例では、凹部の端部と入出力バンプ列の内側縁との距離C,Jを一定とし、緩衝材の厚みに対する凹部の深さDを変えた接続体サンプルを形成し、外側の出力バンプ列及び内側の出力バンプ列において、圧縮変形された導電性粒子の径を測定した。そして、両出力バンプ列における変形後の導電性粒子径が2.4μm以下の場合を◎、一方又は両方の出力バンプ列における変形後の導電性粒子径が2.4μmより大きく2.6μm以下の場合を○、一方又は両方の出力バンプ列における変形後の導電性粒子径が2.7μm以上の場合を×とした。
[実施例1]
実施例1では、凹部深さDを50μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを50μmとした(図4(B))。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例1に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.6μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例2]
実施例2では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを50μmとした(図4(B))。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例2に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.4μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例3]
実施例3では、凹部深さDを100μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを50μmとした(図4(B))。また、厚さ100μmの緩衝材を用いた。
実施例3に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.5μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例4]
実施例4では、凹部深さDを110μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを50μmとした(図4(B))。また、厚さ100μmの緩衝材を用いた。
実施例4に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[比較例1]
比較例1では、ICチップの押圧面に凹部を設けなかった。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
比較例1に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.8μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μmであった。
[比較例2]
比較例2では、凹部深さDを40μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを50μmとした(図4(B))。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
比較例2に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.7μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μmであった。
[比較例3]
比較例3では、凹部深さDを90μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを50μmとした(図4(B))。また、厚さ100μmの緩衝材を用いた。
比較例3に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.8μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
Figure 2016058718
表1に示すように、実施例1〜4に係るICチップは、凹部深さDが緩衝材の厚み以上の深さを有することから、熱圧着ツールに押圧面が押圧された際にも、緩衝材が凹部の底面を押圧することなく、バンプ間領域が凹むように反りが生じることを防止することができた。そのため、実施例1〜4に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列においても圧縮変形後の導電性粒子径が2.6μm以下となり、良好な導通性を有するものとなった。
一方、比較例1では凹部が設けられていないため、比較例2及び3では、凹部深さDが緩衝材の厚み未満の深さであったことから、緩衝材を介して熱圧着ツールの押圧力がバンプ間領域に伝わり、入力バンプ列及び内側の出力バンプ列の各内側縁を支点にバンプ間領域が凹むように反りが生じた。そのため、比較例1〜3に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.7μm以上となり、導通不良となる恐れが生じた。
[第2の実施例]
第2の実施例では、凹部の端部と入出力バンプ列の内側縁との距離C,Jを変えた接続体サンプルを形成し、外側の出力バンプ列及び内側の出力バンプ列において、圧縮変形された導電性粒子の径を測定した。圧縮変形後の導電性粒子径の評価は第1の実施例と同じである。
[実施例5]
実施例5では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを−30μmとした。すなわち、実施例5に係るICチップは、凹部の端部が入出力バンプ領域と30μm重畳する位置まで形成されている(図4(A))。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の一方の側縁側に向かって7.5%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例5に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.5μmであった。
[実施例6]
実施例6では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを−20μmとした。すなわち、実施例6に係るICチップは、凹部の端部が入出力バンプ領域と20μm重畳する位置まで形成されている(図4(A))。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の一方の側縁側に向かって5%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例6に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μmであった。
[実施例7]
実施例7では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを0μmとした。すなわち、実施例7に係るICチップは、凹部の端部が入出力バンプ領域の内側縁と重畳する位置まで形成されている。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の一方の側縁側に向かって0%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例7に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.0μmであった。
[実施例8]
実施例8では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを50μmとした(図4(B))。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の他方の側縁側に向かって12.5%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例8に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.4μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例9]
実施例9では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを100μmとした(図4(B))。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の他方の側縁側に向かって25%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例9に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.5μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μmであった。
[実施例10]
実施例10では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを150μmとした(図4(B))。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の他方の側縁側に向かって37.5%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例10に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.6μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μmであった。
[比較例4]
比較例4では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを−50μmとした。すなわち、比較例4に係るICチップは、凹部の端部が入出力バンプ領域と50μm重畳する位置まで形成されている(図4(A))。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の一方の側縁側に向かって12.5%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
比較例4に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.7μmであった。
[比較例5]
比較例5では、凹部深さDを60μm、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離Jを200μmとした(図4(B))。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の他方の側縁側に向かって50%の位置となる。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
比較例5に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.8μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
Figure 2016058718
表2に示すように、実施例5〜10に係るICチップは、凹部の出力バンプ領域側の端部が、最も内側の出力バンプ列の内側縁から一方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの12.5%未満の領域と、最も内側の出力バンプ列の内側縁から他方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの50%未満の領域との間に位置されている。したがって、実施例5〜10に係る接続体サンプルでは、緩衝材を介して熱圧着ツールによって出力バンプ領域と重畳する領域が押圧されるとともに、バンプ間領域と重畳する領域が過剰に押圧されることもない。したがって、熱圧着ツールの圧力が出力バンプ領域に集中し、バンプ間領域における反りが抑制されるとともに、熱圧着ツールによって外側及び内側の出力バンプ列も十分に押圧することができる。そのため、実施例5〜10に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列においても圧縮変形後の導電性粒子径が2.6μm以下となり、良好な導通性を有するものとなった。
一方、比較例4に係るICチップは、凹部の出力バンプ領域側の端部が、最も内側の出力バンプ列の内側縁から一方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの12.5%の位置まで凹部が形成されているため、出力バンプ領域に重畳する領域における熱圧着ツールによる加圧領域が一方の側縁側に偏り、出力バンプ領域の最も内側に配列された出力バンプ列に対する押圧力が不足する。そのため、比較例4に係る接続体サンプルでは、内側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.7μmとなり、導通不良となる恐れが生じた。
また、比較例5に係るICチップは、凹部の出力バンプ領域側の端部が、最も内側の出力バンプ列の内側縁から他方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの50%の位置まで凹部が形成されているため、緩衝材を介して熱圧着ツールの押圧力がバンプ間領域に伝わり、入力バンプ列及び内側の出力バンプ列の各内側縁を支点にバンプ間領域が凹むように反りが生じた。そのため、比較例5に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.7μm以上となり、導通不良となる恐れが生じた。
[第3の実施例]
第3の実施例では、凹部の出力バンプ領域側の端部と出力バンプ列の内側縁との距離Cと,凹部の入力バンプ領域側の端部と入力バンプ列の内側縁との距離Jとを変えた接続体サンプルを形成し、外側の出力バンプ列及び内側の出力バンプ列において、圧縮変形された導電性粒子の径を測定した。圧縮変形後の導電性粒子径の評価は第1の実施例と同じである。
[実施例11]
実施例11に係るICチップは、凹部深さDを60μmとし、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の出力バンプ領域側の端部との距離Cを−30μmとした。すなわち、凹部の出力バンプ領域側の端部が出力バンプ領域と30μm重畳する位置まで形成されている。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の一方の側縁側に向かって7.5%の位置となる。また、実施例11に係るICチップは、入力バンプ列の内側縁と凹部の入力バンプ領域側の端部との距離Jを150μmとした。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例11に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.6μmであった。
[実施例12]
実施例12に係るICチップは、凹部深さDを60μmとし、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の出力バンプ領域側の端部との距離Cを−20μmとした。すなわち、凹部の出力バンプ領域側の端部が出力バンプ領域と20μm重畳する位置まで形成されている。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の一方の側縁側に向かって5%の位置となる。また、実施例12に係るICチップは、入力バンプ列の内側縁と凹部の入力バンプ領域側の端部との距離Jを50μmとした。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例12に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.4μmであった。
[実施例13]
実施例13に係るICチップは、凹部深さDを60μmとし、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の出力バンプ領域側の端部との距離Cを50μmとした。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の他方の側縁側に向かって12.5%の位置となる。また、実施例13に係るICチップは、入力バンプ列の内側縁と凹部の入力バンプ領域側の端部との距離Jを−20μmとした。すなわち、凹部の入力バンプ領域側の端部が入力バンプ領域と20μm重畳する位置まで形成されている。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例13に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.4μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例14]
実施例14に係るICチップは、凹部深さDを60μmとし、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の出力バンプ領域側の端部との距離Cを150μmとした。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の他方の側縁側に向かって37.5%の位置となる。また、実施例14に係るICチップは、入力バンプ列の内側縁と凹部の入力バンプ領域側の端部との距離Jを−30μmとした。すなわち、凹部の入力バンプ領域側の端部が入力バンプ領域と30μm重畳する位置まで形成されている。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
実施例14に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.6μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[比較例6]
比較例6に係るICチップは、凹部深さDを60μmとし、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の出力バンプ領域側の端部との距離Cを−50μmとした。すなわち、凹部の出力バンプ領域側の端部が出力バンプ領域と50μm重畳する位置まで形成されている。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の一方の側縁側に向かって12.5%の位置となる。また、比較例6に係るICチップは、入力バンプ列の内側縁と凹部の入力バンプ領域側の端部との距離Jを200μmとした。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
比較例6に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.7μmであった。
[比較例7]
比較例7に係るICチップは、凹部深さDを60μmとし、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の出力バンプ領域側の端部との距離Cを200μmとした。これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(400μm)の他方の側縁側に向かって50%の位置となる。また、比較例7に係るICチップは、入力バンプ列の内側縁と凹部の入力バンプ領域側の端部との距離Jを−50μmとした。すなわち、凹部の入力バンプ領域側の端部が入力バンプ領域と50μm重畳する位置まで形成されている。また、厚さ50μmの緩衝材を用いた。
比較例7に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.8μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μmであった。
Figure 2016058718
表3に示すように、実施例11〜14に係るICチップは、凹部の出力バンプ領域側の端部が、最も内側の出力バンプ列3内側縁から一方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの12.5%未満の領域と、最も内側の出力バンプ列の内側縁から他方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの50%未満の領域との間に位置されている。したがって、実施例11〜14に係る接続体サンプルは、凹部の入力バンプ領域側の端部の位置に関わらず、上述した実施例5〜10と同様に、緩衝材を介して熱圧着ツールによって出力バンプ領域と重畳する領域が押圧されるとともに、バンプ間領域と重畳する領域が過剰に押圧されることもない。したがって、熱圧着ツールの圧力が出力バンプ領域に集中し、バンプ間領域における反りが抑制されるとともに、熱圧着ツールによって外側及び内側の出力バンプ列も十分に押圧することができる。そのため、実施例11〜14に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列においても圧縮変形後の導電性粒子径が2.6μm以下となり、良好な導通性を有するものとなった。
一方、比較例6に係るICチップは、凹部の出力バンプ領域側の端部が、最も内側の出力バンプ列の内側縁から一方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの12.5%の位置まで凹部が形成されているため、出力バンプ領域に重畳する領域における熱圧着ツールによる加圧領域が一方の側縁側に偏り、出力バンプ領域の最も内側に配列された出力バンプ列に対する押圧力が不足する。そのため、比較例6に係る接続体サンプルでは、内側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.7μmとなり、導通不良となる恐れが生じた。
また、比較例7に係るICチップは、凹部の出力バンプ領域側の端部が、最も内側の出力バンプ列の内側縁から他方の側縁側に向かって出力バンプ領域の幅方向の長さAの50%の位置まで凹部が形成されているため、緩衝材を介して熱圧着ツールの押圧力がバンプ間領域に伝わり、入力バンプ列及び内側の出力バンプ列の各内側縁を支点にバンプ間領域が凹むように反りが生じた。そのため、比較例7に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.7μm以上となり、導通不良となる恐れが生じた。
[緩衝材の変形例]
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、上述したICチップ1、回路基板10、接続体20の構成と同じ構成については、同じ符号を付してその詳細を省略する。
本発明は、ICチップ1の押圧面8に凹部9を設けることなく、緩衝材41に凹部42を設けてもよい。緩衝材41は、上述した緩衝材15と同様に、ICチップ1を回路基板10に異方性導電接続する際に、ICチップ1の押圧面8と熱圧着ツール40との間に介在させるものである。
図7(A)に示すように、緩衝材41は、ICチップ1の押圧面8に密着させる面に、出力バンプ領域4と入力バンプ領域6との間のバンプ間領域7と重畳する凹部42が設けられている。図8に示すように、緩衝材41は、矩形状に形成され、幅方向の両側にICチップ1の入出力バンプ領域4,6と重畳する凸部43が長手方向にわたって形成されるとともに、凸部43の間にバンプ間領域7と重畳する凹部42が長手方向にわたって形成されている。
緩衝材41は、バンプ間領域7と重畳する位置に凹部42を設けることにより、出力バンプ領域4及び入力バンプ領域6と重畳する凸部43が相対的に突出され、熱圧着ツール40の押圧力を局所的に伝えることができる。
これにより、緩衝材41は、熱圧着ツール40の圧力を出力バンプ領域4と入力バンプ領域6とに集中させ、ICチップ1の反りを抑制するとともに、複数の出力バンプ列3A〜3Cが配列された出力バンプ領域4の幅方向に亘る圧力勾配が緩やかに均され、当該一方の側縁2a側において熱圧着ツール40による押圧力が不足する事態を防止する。したがって、ICチップ1は、当該一方の側縁2a側に形成された外側の出力バンプ3においても回路基板10に形成された出力端子16との間で確実に導電性粒子を挟持し、導通性を確保することができる。
このように、凹部42が形成された緩衝材41を介在させることにより、ICチップ1は、熱圧着ツール40によって出力バンプ3及び入力バンプ5が十分に押圧され、入出力バンプ3,5と回路基板10に設けられた入出力端子16,17との間で導電性粒子を十分に押し込むことができ、良好な導通性を得る。
凹部42を有する緩衝材41は、例えばポリイミド、シリコーンラバー、ポリテトラフルオロエチレン等、一般に異方性導電フィルムを用いた接続時に緩衝材として用いられる公知の材料を用いて製造することができ、また、例えば射出成形や押出し成形によって製造することができる。
また、緩衝材41は、表面を切削することにより凹部42を形成することができる。また、緩衝材41は、図9に示すように、入出力バンプ領域4,6と重畳する位置に、バンプ間領域7と重畳する領域との間に段差を形成する補助部材44を設けることにより形成してもよい。補助部材44は、緩衝材41に用いることができる材料、例えば耐熱性に優れるPIフィルムが用いられ、接着部材によって緩衝材41に接着される。また、補助部材44は、絶縁ペーストを塗布し硬化させることにより設けてもよい。実用上、緩衝材41は単一の部材であることが好ましい。異方性接続は連続的に行うため、複数の部材を組み合わせたものより、単一であることが同一条件にし易いからである。
凹部42及び凸部43が形成された緩衝材41は、図10(A)に示すように、フィルム状に形成され、長手方向に沿って凹部42が連続する。あるいは。緩衝材41は、図10(B)に示すように、フィルム状に形成され、短手方向に沿って形成された凹部42及び凸部43が長手方向に沿って交互に形成される。そして、緩衝材41は、ロール状に巻回されて保管され、接続体20の製造工程においてロール体より引き出され、熱圧着ツールとICチップ1や異方性導電フィルム30との間に配置されて使用される。
[凹部深さD]
凹部42は、緩衝材41の全厚さTの25%以上の深さDを有することが好ましい。これにより、緩衝材41は、熱圧着ツール40に押圧された際にも、凹部42が押圧面8を押圧することなく、ICチップ1にバンプ間領域7が凹むように反りが生じることを防止することができる。
一方、凹部42の深さDが緩衝材41の全厚さTの25%未満となると、緩衝材41は、熱圧着ツール40に押圧された際に凹部42が撓んで押圧面8に当接し、熱圧着ツール40の押圧力がバンプ間領域に伝わってICチップ1にバンプ間領域7が凹むように反りが生じ得る。そのため、ICチップ1は、外側の出力バンプ列において熱圧着ツール40による押圧力が不足し、導通不良となる恐れが生じる。
[出力バンプの内側縁と凹部の端部との距離]
ここで、凹部42の出力バンプ領域4側の端部と出力バンプ領域4の最も内側に配列された出力バンプ列3Cの内側縁との距離をC’とし、出力バンプ領域4の出力バンプ3の配列方向と直交する幅方向の長さをAとする。このとき、図11(A)に示すように、緩衝材41は、凹部42の入出力バンプ領域4側の端部が、バンプ間領域内に位置し、凸部43とバンプ間領域とが重畳する範囲がバンプ間領域の幅Gの50%(片側25%ずつ)までとすることが好ましい。また、図11(B)に示すように、緩衝材41は、凹部42の出力バンプ領域4側の端部が、出力バンプ列3Cの内側縁から一方の側縁2a側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの20%未満の領域とに位置されることが好ましい。
出力バンプ領域4側の端部が上記領域に位置するように凹部42を配置することにより、熱圧着ツール40によって出力バンプ領域4と重畳する領域を十分な圧力で押圧するとともに、バンプ間領域7と重畳する領域を過剰に押圧することもない。したがって、熱圧着ツール40の圧力が出力バンプ領域4に集中し、バンプ間領域7における反りが抑制されるとともに、熱圧着ツール40によって各出力バンプ列3A〜3Cを十分に押圧することができる。
緩衝材41は、凹部42の入出力バンプ領域4側の端部がバンプ間領域の中心よりに位置し、凸部43とバンプ間領域とが重畳する範囲がバンプ間領域の幅Gの50%を超えると、熱圧着ツール40による加圧領域がバンプ間領域7と重畳する領域に広がり、熱圧着ツール40によってICチップ1が押圧されると、出力バンプ領域4の内側に設けられた出力バンプ列3Cを支点に、中央のバンプ間領域7が凹むように反りが生じる。そのため、出力バンプ領域4の最も外側に配列された出力バンプ列3Aに対する押圧力が不足する。
また、緩衝材41は、凹部42の出力バンプ領域4側の端部が、出力バンプ列3Cの内側縁から一方の側縁2a側に向かって出力バンプ領域4の幅方向の長さAの20%以上の領域に配置されると、出力バンプ領域4に重畳する領域における熱圧着ツール40による加圧領域が一方の側縁2a側に偏り、出力バンプ領域4の最も内側に配列された出力バンプ列3Cに対する押圧力が不足する。
[接続工程]
次いで、緩衝材41を用いて回路基板10にICチップ1を異方性導電接続する接続工程について説明する。先ず、ICチップ1の押圧面8と仮貼り用の低温に加熱された熱圧着ツール(図示せず)との間に緩衝材41を搬送し、回路基板10の入出力端子が形成された実装面上に異方性導電フィルム30を仮貼りする。次いで、この回路基板10を接続装置のステージ上に載置し、回路基板10の実装面上に異方性導電フィルム30を介してICチップ1を配置する。
次いで、バインダー樹脂層33を硬化させる所定の温度に加熱された熱圧着ツール40によって、緩衝材41を介してICチップ1の押圧面8上を所定の圧力、時間で熱加圧する。これにより、異方性導電フィルム30のバインダー樹脂層33は流動性を示し、ICチップ1の実装面2と回路基板10の実装面の間から流出するとともに、バインダー樹脂層33中の導電性粒子32は、出力バンプ3と出力端子16との間、及び入力バンプ5と入力端子17との間に挟持されて押し潰される。
ここで、上述したように緩衝材41は、フィルム状に形成されるとともにロール体より引き出されて、熱圧着ツールの下方に搬送されて使用される。このとき、緩衝材41の搬送方向Pと異方性導電フィルム30やICチップ1が搭載された回路基板の搬送方向Pとが同じ場合、図10(A)に示すように、長手方向に沿って凹部42が連続する緩衝材41が使用される。この場合、緩衝材41は、異方性導電フィルム30と平行に搬送されるため、通常の異方性導電接続と同様の手法で配置することができる。
また、緩衝材41の搬送方向Pと異方性導電フィルム30やICチップ1が搭載された回路基板の搬送方向Pとが直交する場合、図10(B)に示すように、短手方向に沿って形成された凹部42及び凸部43が長手方向に沿って交互に形成されている緩衝材41が使用される。
本発明が適用された緩衝材41によれば、ICチップ1のバンプ間領域7と重畳する凹部42が設けられているため、熱圧着ツール40の圧力が出力バンプ領域4と入力バンプ領域6とに集中し、反りが抑制されるとともに、熱圧着ツール40によって出力バンプ3及び入力バンプ5が十分に押圧される。
その結果、入出力バンプ3,5と回路基板10の入出力端子16,17との間で導電性粒子32を挟持することにより電気的に接続され、この状態で熱圧着ツール40によって加熱されたバインダー樹脂が硬化する。したがって、ICチップ1は、当該一方の側縁2a側の出力バンプ列3Aにおいても回路基板10に形成された出力端子16との間で確実に導通性を確保することができる。
入出力バンプ3,5と回路基板10の入出力端子16,17との間にない導電性粒子32は、バインダー樹脂に分散されており、電気的に絶縁した状態を維持している。これにより、ICチップ1の出力バンプ3及び入力バンプ5と回路基板10の入出力端子16,17との間のみで電気的導通が図られる。
[第4の実施例]
第4の実施例では、凹部深さD、及び凹部の端部と入出力バンプ列の内側縁との距離C’,J’を変えた緩衝材を用いて、ICチップをガラス基板に接続した接続体サンプルを形成し、外側の出力バンプ列及び内側の出力バンプ列において、圧縮変形された導電性粒子の径を測定した。圧縮変形後の導電性粒子径の評価は第1の実施例と同じである。
[評価用ICチップ]
本実施例に用いたICチップは、20mm×1.6mm、厚さ0.2mmであり、実装面の一方の側縁には長手方向に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、他方の側縁には長手方向に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が形成されている。出力バンプ領域には実装面の幅方向にわたって出力バンプ列が3列並列され、入力バンプ領域には入力バンプ列が1列で形成されている。また、出力バンプ領域の幅方向の長さAは350μmとし、入力バンプ領域の幅方向の長さは60μmとした。また、出力バンプ領域及び入力バンプ領域と外側縁との距離はそれぞれ70μmである。なお、3つの出力バンプ列を構成する各出力バンプは千鳥状に配列されている(図2参照)。また、出力バンプ領域と入力バンプ領域の間のバンプ間領域の幅Gは約1000μmである。
[評価用基板]
評価用のICチップが搭載される回路基板は厚さ200μmのガラス基板であり、実装面には、Al層がいわゆるベタ配線で形成されている。
[緩衝材・異方性導電フィルム]
ICチップの実装は異方性導電フィルムをガラス基板の実装面に貼着した後、ICチップの押圧面を、緩衝材を介して熱圧着ツールによって所定温度、圧力、時間で加熱押圧することにより行った。緩衝材としてはポリイミドを用い、ポリイミドテープを貼り付けることで、深さの異なる凹部を形成するとともに、全厚さを100μmとした複数のサンプルを用意した。
異方性導電フィルムは、第1の実施例と同じものを用いた。また、熱圧着ツールによるICチップの圧着条件も第1の実施例と同じとした。
[実施例15]
実施例15では、凹部深さDを50μm、ICチップの出力バンプ側の側縁2aから凹部までの距離Lは470μm、ICチップの入力バンプ側の側縁2bから凹部までの距離Lは180μmであり、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C’及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離J’を50μmとした。すなわち、実施例15に係る緩衝材は、凹部の端部がICチップのバンプ間領域内に位置し、凸部がバンプ間領域幅G(1000μm)の10%(片側50μmずつ)まで重畳されている(図11(A)参照)。
実施例15に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例16]
実施例16では、凹部深さDが75μmの緩衝材を用いた他は、実施例15と同じ条件とした。
実施例16に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.3μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例17]
実施例17では、凹部深さDが25μmの緩衝材を用いた他は、実施例15と同じ条件とした。
実施例17に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.4μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[実施例18]
実施例18に係る接続体サンプルでは、凹部深さDを50μm、ICチップの出力バンプ側の側縁2aから凹部までの距離Lは670μm、ICチップの入力バンプ側の側縁2bから凹部までの距離Lは380μmであり、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C’及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離J’を250μmとした。すなわち、実施例18に係る緩衝材は、凹部の端部がICチップのバンプ間領域内に位置し、凸部がバンプ間領域幅G(1000μm)の50%(片側250μmずつ)まで重畳されている(図11(A)参照)。
実施例18に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.5μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μmであった。
[実施例19]
実施例19では、凹部深さDが25μmの緩衝材を用いた他は、実施例18と同じ条件とした。
実施例19に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.5μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[比較例8]
比較例8では、凹部が形成されていない緩衝材を用いた。比較例8に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.9μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μmであった。
[比較例9]
比較例9では、凹部深さDが10μmの緩衝材を用いた他は、実施例15と同じ条件とした。
比較例9に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.8μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μmであった。
[比較例10]
比較例10に係る接続体サンプルでは、凹部深さDを50μm、ICチップの出力バンプ側の側縁2aから凹部までの距離Lは820μm、ICチップの入力バンプ側の側縁2bから凹部までの距離Lは530μmであり、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C’及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離J’を400μmとした。すなわち、比較例10に係る緩衝材は、凹部の端部がICチップのバンプ間領域内に位置し、凸部がバンプ間領域幅G(1000μm)の80%(片側400μmずつ)まで重畳されている(図11(A)参照)。
比較例10に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.8μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.2μmであった。
[比較例11]
比較例11に係る接続体サンプルでは、凹部深さDを50μm、ICチップの出力バンプ側の側縁2aから凹部までの距離Lは345μm、ICチップの入力バンプ側の側縁2bから凹部までの距離Lは55μmであり、最も内側の出力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離C’及び入力バンプ列の内側縁と凹部の端部との距離J’を−75μmとした。すなわち、比較例11に係る緩衝材は、凹部の端部がICチップの入出力バンプ領域に位置し(図11(B)参照)、これは、出力バンプ領域の幅方向の長さA(350μm)の一方の側縁側に向かって21.4%の位置となる。
比較例11に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.1μm、内側の出力バンプ列における導電性粒子径が2.7μmであった。
Figure 2016058718
表4に示すように、実施例15〜19に係る緩衝材は、全厚さTの25%以上の深さDを有するとともに、凹部の端部がICチップのバンプ間領域の50%以内に位置し、凸部とバンプ間領域との重畳面積は、バンプ間領域の50%以下とされている。したがって、実施例15〜19に係る接続体サンプルでは、緩衝材を介して熱圧着ツールによって出力バンプ領域が十分に押圧されるとともに、バンプ間領域が過剰に押圧されることもない。したがって、熱圧着ツールの圧力が出力バンプ領域に集中し、バンプ間領域における反りが抑制されるとともに、熱圧着ツールによって外側及び内側の出力バンプ列も十分に押圧することができる。そのため、実施例15〜19に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列においても圧縮変形後の導電性粒子径が2.6μm以下となり、良好な導通性を有するものとなった。
一方、比較例8に係る緩衝材は凹部が形成されていないため、熱圧着ツールの押圧力がバンプ間領域に伝わってICチップにバンプ間領域が凹むように反りが生じる。そのため、比較例8に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.9μmとなり、導通不良となる恐れが生じた。
また、比較例9に係る緩衝材は凹部の深さが全厚さTの10%と浅く、熱圧着ツールに押圧された際に凹部が撓んでICチップの押圧面に当接し、熱圧着ツールの押圧力がバンプ間領域に伝わってICチップにバンプ間領域が凹むように反りが生じる。そのため、比較例9に係る接続体サンプルでは、外側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.8μmとなり、導通不良となる恐れが生じた。
また、比較例10に係る緩衝材は、凹部の端部がバンプ間領域幅Gの中央よりに位置し、凸部とバンプ間領域との重畳面積がバンプ間領域の80%とされているため、緩衝材を介して熱圧着ツールの押圧力がバンプ間領域に伝わり、入力バンプ列及び内側の出力バンプ列の各内側縁を支点にバンプ間領域が凹むように反りが生じた。そのため、比較例10に係る接続体サンプルは、外側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.8μmとなり、導通不良となる恐れが生じた。
また、比較例11に係る緩衝材は、凹部の端部が出力バンプ領域の21%内側に位置し、凸部と出力バンプ領域との重畳面積が少なく、出力バンプ領域に重畳する領域における熱圧着ツールによる加圧領域が一方の側縁側に偏り、出力バンプ領域の最も内側に配列された出力バンプ列に対する押圧力が不足する。そのため、比較例11に係る接続体サンプルでは、内側の出力バンプ列において熱圧着ツールによる押圧力が不足し、圧縮変形後の導電性粒子径が2.7μmとなり、導通不良となる恐れが生じた。
このように、緩衝材の形状を適切な範囲にすることで、ICチップの背面加工と同様に、安定した異方性接続を行えることがわかった。緩衝材はICチップよりも比較的安価であるため、コストの低減に寄与できる。また、ICチップのバンプレイアウトは種々存在するが、効果が見られる緩衝材の凹凸寸法の適用範囲にはマージンがあることから、ICチップのバンプレイアウトが変更になっても、緩衝材の変更は少なくてすみ、このことからもコストの低減に寄与できることが分かる。
1 ICチップ、2 実装面、2a 一方の側縁、2b 他方の側縁、3 出力バンプ、3A〜3C 出力バンプ列、4 出力バンプ領域、5 入力バンプ、5A 入力バンプ列、6 入力バンプ領域、7 バンプ間領域、8 押圧面、9 凹部、10 回路基板、15 緩衝材、18 ダミーバンプ、19 ダミーバンプ領域、20 接続体、30 異方性導電フィルム、31 剥離フィルム、32 導電性粒子、33 バインダー樹脂、40 熱圧着ツール、41 緩衝材、42 凹部、43 凸部

Claims (22)

  1. 回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、
    上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられている電子部品。
  2. 上記凹部の上記出力バンプ領域又は入力バンプ領域の一方側の端部は、上記一方のバンプ領域の最も内側に配列されたバンプ列の内側縁から、上記一方のバンプ領域の上記バンプの配列方向と直交する幅方向の上記一方のバンプ領域が設けられた側縁側に向かって上記一方のバンプ領域の上記幅方向の長さの12.5%未満の領域と、上記一方のバンプ領域の上記幅方向の他方のバンプ領域が設けられた側縁側に向かって上記一方のバンプ領域の上記幅方向の長さの50%未満の領域との間に位置されている請求項1記載の電子部品。
  3. 上記凹部の上記出力バンプ領域又は入力バンプ領域の一方側の端部は、上記一方のバンプ領域の最も内側に配列されたバンプ列の内側縁から、上記一方のバンプ領域の上記バンプの配列方向と直交する幅方向の上記一方のバンプ領域が設けられた側縁側に向かって上記一方のバンプ領域の上記幅方向の長さの7.5%未満の長さの領域と、上記一方のバンプ領域の上記幅方向の他方のバンプ領域が設けられた側縁側に向かって上記一方のバンプ領域の上記幅方向の長さの37.5%未満の領域との間に位置されている請求項2記載の電子部品。
  4. 上記一方のバンプ領域が、出力バンプ領域である請求項2又は3に記載の電子部品。
  5. 上記凹部は、押圧面の切削により形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品。
  6. 上記凹部は、上記押圧面の上記出力バンプ領域及び上記入力バンプ領域と重畳する位置に上記バンプ間領域との間に段差を形成する補助部材が設けられることにより形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子部品。
  7. 上記凹部の深さは、該凹部が形成される基板の厚みの90%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子部品。
  8. 電子部品が接着剤を介して回路基板上に配置され、圧着ツールで加圧されることにより、上記電子部品が上記回路基板上に接続された接続体において、
    上記電子部品は、
    上記回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、
    上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられている接続体。
  9. 上記凹部の深さは、該凹部が形成される基板の厚みの90%以下である請求項8記載の接続体。
  10. 接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する接続体の製造方法において、
    上記電子部品は、
    上記回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、
    上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられている接続体の製造方法。
  11. 上記凹部の深さよりも薄い緩衝材を用いて上記電子部品を圧着する請求項10記載の接続体の製造方法。
  12. 上記凹部の深さは、該凹部が形成される基板の厚みの90%以下である請求項10又は11に記載の接続体の製造方法。
  13. 接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する電子部品の接続方法において、
    上記電子部品は、
    上記回路基板に接続される実装面に、相対向する一対の側縁の一方側に沿って出力バンプが配列された出力バンプ領域が設けられ、上記一対の側縁の他方側に沿って入力バンプが配列された入力バンプ領域が設けられ、
    上記実装面と反対側の圧着ツールに押圧される押圧面に、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域との間のバンプ間領域と重畳する凹部が設けられている電子部品の接続方法。
  14. 上記凹部の深さよりも薄い緩衝材を用いて上記電子部品を圧着する請求項13に記載の電子部品の接続方法。
  15. 上記凹部の深さは、該凹部が形成される基板の厚みの90%以下である請求項13又は14に記載の電子部品の接続方法。
  16. 回路基板に接続される実装面に、出力バンプが配列された出力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と対向して入力バンプが配列された入力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域の間に設けられたバンプ間領域とを有する電子部品の、上記実装面と反対側の押圧面と圧着ツールとの間に配設されるシート状の緩衝材において、
    上記バンプ間領域に応じた位置に凹部が形成されている緩衝材。
  17. 上記電子部品は、相対向する一対の側縁の一方側に沿って上記出力バンプが配列された上記出力バンプ領域が設けられ、上記一方の側縁の他方側に沿って上記入力バンプが配列された上記入力バンプ領域が設けられている請求項16記載の緩衝材。
  18. 上記出力バンプ領域は、上記出力バンプが配列されたバンプ列が複数並列されている請求項16又は17に記載の緩衝材。
  19. 略矩形状に形成され、長手方向に沿って上記凹部が形成されている請求項16〜18の何れか1項に記載の緩衝材。
  20. 略矩形状に形成され、短手方向に沿って形成された上記凹部が長手方向に沿って複数形成されている請求項16〜18の何れか1項に記載の緩衝材。
  21. 接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、緩衝材を介して圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する接続体の製造方法において、
    上記電子部品は、上記回路基板に接続される実装面に、出力バンプが配列された出力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と対向して入力バンプが配列された入力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域の間に設けられたバンプ間領域とを有し、
    上記緩衝材は、上記バンプ間領域に応じた位置に凹部が形成されている接続体の製造方法。
  22. 接着剤を介して回路基板上に電子部品を配置し、緩衝材を介して圧着ツールで加圧することにより上記電子部品を上記回路基板上に接続する電子部品の接続方法において、
    上記電子部品は、上記回路基板に接続される実装面に、出力バンプが配列された出力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と対向して入力バンプが配列された入力バンプ領域と、上記出力バンプ領域と上記入力バンプ領域の間に設けられたバンプ間領域とを有し、
    上記緩衝材は、上記バンプ間領域に応じた位置に凹部が形成されている電子部品の接続方法。
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