JP2016058478A - 半導体記憶装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダーホールの直径がより小さく及び/又は深くなっても、下部電極の閉塞を回避して正常なキャパシタを構成できる半導体記憶装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上の絶縁膜に開口部38Uと底部38Bとを有するホール38を形成するホール形成工程と、ホールの内面に底部に形成される膜厚より開口部に形成される膜厚が厚い一次下部電極39Aを形成する一次下部電極形成工程と、一次下部電極の表面に底部に形成される膜厚より開口部に形成される膜厚が厚い一次下部電極の酸化膜40を選択的に形成する酸化膜形成工程と、酸化膜を除去することにより開口が拡幅された下部電極42を形成する酸化膜除去工程と、を有する。【選択図】図9

Description

本発明は、半導体記憶装置の製造方法に関し、特に、シリンダーホールの内面にキャパシタの下部電極を形成する半導体記憶装置の製造方法に関する。
DRAM(Dynamic Random Access Memory)を構成する半導体記憶装置は、メモリセル領域と周辺回路領域とで構成される。メモリセル領域には、複数のメモリセルが二次元に配列されて配置される。各メモリセルは、一つのスイッチングトランジスタと一つのキャパシタとで構成される。キャパシタは、絶縁膜中に配置されるシリンダーホールの内面を覆うように形成される下部電極と、下部電極を覆う容量絶縁膜と、容量絶縁膜を覆う上部電極とで構成される。特許文献1乃至3には、半導体基板上の絶縁膜にシリンダーホールを形成し、シリンダーホール内面に下部電極を形成する半導体装置の製造方法が開示されている。
近年、半導体記憶装置の微細化に伴い、下部電極を形成するためのシリンダーホールの直径が著しく小さくなってきた。シリンダーホールは元々深さが深いことに加えて、さらに直径が小さくなることにより、下部電極をカバレージ良く形成することが困難となってきた。そのため、シリンダーホールの底部において必要十分な膜厚を持つ下部電極をシリンダーホール内に形成しようとすると、シリンダーホールの開口部においてその膜厚はより厚くなり、その表面積は減少することになる。そして、このような下部電極を覆うように容量絶縁膜及び上部電極を順次形成すると、例えば、容量絶縁膜を形成した段階でシリンダーホールの開口部は閉塞してしまい、上部電極をシリンダーホール内に形成することができなくなる。開口部が閉塞しない場合でも、下部電極の表面積の減少に伴いキャパシタの容量は減少する。すなわち、キャパシタが形成できないか、形成できたとしても容量の小さい不良キャパシタとなる。このような不良キャパシタは、半導体記憶装置の動作を阻害する。特許文献4には、シリンダーホールの閉塞を回避するために下部電極を形成した後、ウエットエッチング法により下部電極を薄膜化する半導体装置の製造方法が開示されている。
特開2003−142605号公報 特開2003−297952号公報 特開2013−030557号公報 特開2011−108927号公報
特許文献4に記載された半導体装置の製造方法は、下部電極を全体的に薄膜化する。したがって、この方法は、膜厚が一定でない下部電極への適用が難しい。換言すると、この方法は、半導体装置の今後の微細化への対応が難しいという問題点がある。
そこで、本発明はシリンダーホールがより深く及び/又はその径がより小さくなっても、下部電極の閉塞を回避して正常なキャパシタを構成できる半導体記憶装置の製造方法を提供する。
本発明の一実施の形態に係る半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上の絶縁膜に開口部と底部とを有するホールを形成する工程と、前記ホールの内面に前記底部に形成される膜厚より前記開口部に形成される膜厚が厚い一次下部電極を形成する工程と、前記一次下部電極の表面に前記底部に形成される膜厚より前記開口部に形成される膜厚が厚い前記1次下部電極の酸化膜を選択的に形成する工程と、前記酸化膜を除去することにより開口が拡幅された下部電極を形成する工程と、を有する。
本発明によれば、ホールの底部よりも開口部に厚く一次下部電極を形成し、その表面に底部より開口部において膜厚が厚い一次下部電極の酸化膜を選択的に形成した後、その酸化膜を除去する。これにより、底部に形成された一次下部電極を所望の厚さに維持しながら開口部に形成された一次下部電極の内、不要に厚く形成された部分を除去して、下部電極を形成することができる。つまり、下部電極の開口径を拡大するとともに、下部電極の表面積を増大させることができる。その結果、容量絶縁膜及び上部電極を形成して構成するキャパシタの容量を増加させることができる。また、微細化されたホールであっても開口部における閉塞を回避することができ、キャパシタを形成することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法により製造される半導体記憶装置の一部レイアウトを示す平面図である。 図1のA−A’線断面図である。 本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の要部を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法における一工程を説明するための断面図である。 図4に続く工程を説明するための断面図である。 図5に続く工程を説明するための断面図である。 図6に続く工程を説明するための断面図である。 図7に続く工程を説明するための断面図である。 図8に続く工程を説明するための断面図であり、(a),(b)及び(c)は、図8の破線枠に対応する部分の拡大図である。 図9(c)に続く工程を説明するための断面図である。 図10に続く工程を説明するための断面図である。 図11に続く工程を説明するための断面図である。 図12に続く工程を説明するための断面図である。 薬液の浸透性に対するTiN膜の膜厚依存性を示すグラフである。 シリンダーホールの開口直径と、シリンダーホール内に形成されたTiN膜に等方性プラズマ酸化法を用いて形成した酸化膜の膜厚との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法により製造される半導体記憶装置の部分断面図である。 (a),(b),(c)及び(d)は、本発明の第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法における工程を説明するため部分断面図である。 (a),(b),(c)及び(d)は、本発明の第2実施形態の変形例における工程を説明するため部分断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例の要部を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態についてについて詳細に説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法により製造される半導体記憶装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。ここでは、半導体記憶装置としてDRAM(Dynamic Random Access Memory)を例示する。
[半導体記憶装置]
最初に、半導体記憶装置のレイアウトについて、図1の平面図を用いて説明する。なお、図1のレイアウトは一例であって、これに限るものではない。また、以下では半導体基板としてp型の単結晶シリコン基板を用いる場合について説明するが、これに限るものではない。
図1には、DRAMのメモリセル領域MA(Memory cell Area)の一部と周辺回路領域PA(Peripheral circuit Area)の一部が示されている。周辺回路領域PAには、図2を参照して後述する周辺トランジスタPATrが複数配置される。
メモリセル領域MAには、シリコン基板上においてY方向(第1方向)に整列する複数の第1活性領域3A1、3A2、3A3、3A4が配置される。図1には4個の第1活性領域を示したが、実際にはさらに多くの第1活性領域が配置される。これらの第1活性領域3A1、3A2、3A3、3A4は、第1活性領域群3Aを構成する。各第1活性領域は周囲を素子分離領域によって囲まれている。例えば、第1活性領域3A1は、Y方向に垂直なX方向に対して負の角度で傾斜するX’方向に延在する一対の第1素子分離領域2aと、Y方向に延在する一対の第3素子分離領域2cと、で囲まれている。
第1活性領域群3Aに対し、一つの第3素子分離領域2cを挟んで隣接する第2活性領域群3Bが配置される。第2活性領域群3Bは、Y方向に整列する複数の第2活性領域3B1、3B2、3B3、3B4で構成される。第1活性領域と同様、実際にはさらに多くの第2活性領域が配置される。各第2活性領域も周囲を素子分離領域によって囲まれている。例えば、第2活性領域3B1は、X方向に対して正の角度で傾斜するX’’方向に延在する一対の第2素子分離領域2bと、Y方向に延在する一対の第3活性領域2cと、で囲まれている。
第1活性領域群3Aと第2活性領域群3BとはX方向において線対象の位置関係となっている。図では、第1活性領域群3Aと第2活性領域群3Bが一列ずつ示されているが、実際には、複数の第1活性領域群と複数の第2活性領域群3Bが第3素子分離領域2cを挟んでX方向に交互に配置される。各々の活性領域はシリコン基板で構成される。各々の素子分離領域は、活性領域以外の領域に連続して配置される構成となる。
第1活性領域群3Aが配置される領域には、複数の活性領域と、これら複数の活性領域の間に位置する複数の素子分離領域に跨ってY方向に延在する2本の埋め込みワード線(以下、単にワード線と記す)WL1、WL2が配置される。2本のワード線WL1、WL2を配置することにより、第1活性領域3A1、3A2、3A3、3A4は、各々3つの領域に分割される。第1活性領域3A1に注目すると、第1容量拡散層6ba、ビット線拡散層6a、第2容量拡散層6bbに3分割される。第1容量拡散層6baと、第1ワード線WL1と、ビット線拡散層6aと、で第1埋め込みトランジスタ(以下、第1セルトランジスタと記す)Tr1が構成される。第1ワード線WL1は第1セルトランジスタTr1のゲート電極を構成する。同様に、第2容量拡散層6bbと、第2ワード線WL2と、ビット線拡散層6aと、で第2セルトランジスタTr2が構成される。第1容量拡散層6ba及び第2容量拡散層6bb(以下、両者を区別しない場合には容量拡散層6bと称することがある)の各々に重なって容量コンタクトプラグ31が配置される。また、ビット線拡散層6aに重なってビット線コンタクトプラグ19が配置される。容量コンタクトプラグ31に重なる位置に各々キャパシタ105が配置される(一部のキャパシタ105の図示は割愛している)。他の第1活性領域及び各々の第2活性領域も同様の構成となる。そして、X方向に配置される複数のビット線コンタクトプラグ19に重なってX方向に延在する複数のビット線BLが配置される。
次に、図2の断面図を参照する。図2の断面図は、図1のA−A’線断面に相当する。例えばp型の単結晶シリコンからなる半導体基板1において、図2の中央に位置する素子分離領域2cを挟んで左側に周辺回路領域PA、右側にメモリセル領域MAが配置されている。
メモリセル領域MAには、一対の素子分離領域2cによってX’方向に挟まれる活性領域3A3が位置する。各素子分離領域2cは、半導体基板1の表面に形成された溝をシリコン酸化膜などの埋め込み絶縁膜で埋設して構成される。活性領域3A3には、2つのゲートトレンチ(以下、トレンチと記載する)が配置される。トレンチの内面はセルゲート絶縁膜9で覆われる。セルゲート絶縁膜9を覆い、各々のトレンチの下部を埋設する第1ワード線WL1及び第2ワード線WL2が配置される。各々のワード線の上面には、トレンチの上部を埋設するキャップ絶縁膜10が配置される。
活性領域3A3の上面には、各々n型不純物拡散層からなる第1容量拡散層6ba、ビット線拡散層6a、第2容量拡散層6bbが配置される。第1容量拡散層6ba、セルゲート絶縁膜9、第1ワード線WL1及びビット線拡散層6aで第1セルトランジスタTr1が構成される。また、第2容量拡散層6bb、セルゲート絶縁膜9、第1ワード線WL2及びビット線拡散層6aで第2セルトランジスタTr2が構成される。
ビット線拡散層6aの上面にはポリシリコン膜14と金属膜15の積層膜からなるビット線BLが配置される。金属膜15の上面にはカバー絶縁膜16が配置される。カバー絶縁膜16を含むビット線BLを埋設するように第1層間絶縁膜25が配置される。
容量拡散層6bの上面には第1層間絶縁膜25を貫通するポリシリコン膜27と金属膜29の積層膜からなる容量コンタクトプラグ31が配置される。容量コンタクトプラグ31の上面にはクラウン構造の第1金属膜からなる下部電極42が配置される。また、下部電極42の内外面を覆う容量絶縁膜(以下、容量膜)44と容量膜44の表面を覆う第2金属膜からなる上部電極45が配置される。第1金属膜及び第2金属膜は、例えば窒化チタン(TiN)膜で構成される。下部電極42、容量膜44及び上部電極45でキャパシタ105が構成される。下部電極42のZ方向の上端部に位置する外面に接続して第2サポート膜33Eが配置され、中間に位置する外面に接続して第1サポート膜33Cが配置される。
一方、周辺回路領域PAには素子分離領域2a及び2cで挟まれる周辺活性領域の上面に周辺ゲート絶縁膜4が配置される。周辺ゲート絶縁膜4上には、ポリシリコン膜14aと金属膜15からなる周辺ゲート電極が配置される。金属膜15の上面にはカバー絶縁膜16が配置される。周辺ゲート電極の両側に位置する半導体基板1の表面には、各々LDD(Lightly Doped Drain)領域21及びソース/ドレイン領域23が配置される。これにより、プレーナ型の周辺トランジスタPATrが構成される。
周辺ゲート電極を埋設するように第1層間絶縁膜25が配置される。第1層間絶縁膜25を貫通し、一対のソース/ドレイン領域にそれぞれ接続される周辺コンタクトプラグ30が配置される。各周辺コンタクトプラグ30の上面には周辺配線32が配置される。周辺配線32を覆うようにストッパーシリコン窒化膜33Aが配置される。ストッパーシリコン窒化膜33A上には第2層間絶縁膜47が配置される。
第2層間絶縁膜47上及びメモリセル領域MAの上部電極45上に第3層間絶縁膜48が配置される。周辺回路領域PAには第3層間絶縁膜48、第2層間絶縁膜47及びストッパーシリコン窒化膜33Aを貫通し、周辺配線32に接続するビアプラグ49Bが配置される。また、メモリセル領域MAには第3層間絶縁膜48を貫通し、上部電極45に接続するビアプラグ49Aが配置される。各々のビアプラグ49の上面に第1配線50が配置される。第1配線50上に、さらに図示しない多層配線構造が配置され、DRAMが構成される。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について、図1及び図2に示したDRAM(Dynamic Random Access Memory)を製造する場合を例として、図3〜図15、及び図2を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一部を工程順に示すフローチャートである。また、図4乃至図13は、製造途中の半導体記憶装置の断面図であって、図1におけるA−A’線に対応する位置での断面図である。さらに、図14及び図15は、工程の説明中において参照するグラフである。
図3を参照すると、本実施形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域を形成する工程(S1)〜容量コンタクトプラグ形成工程(S5)と、半導体基板上へ絶縁膜を形成する工程(S6)と、絶縁膜にホールを形成する工程(S7)と、ホール内面に1次下部電極を形成する工程(S8)と、1次下部電極の表面に1次下部電極の酸化膜を選択的に形成する工程(S9)と、酸化膜を除去して下部電極を形成する工程(S10)と、下部電極表面に容量膜を形成する工程(S11)と、容量膜表面に上部電極を形成する工程(S12)と、で概略構成される。以下、各々の工程について説明する。なお、本実施形態では、半導体基板1としてp型の単結晶シリコンを用いるものとするが、これに限るものではない。また、下記の説明で用いるドライエッチング法は、断らない限り、周知の異方性ドライエッチング法を意味している。
(素子分離領域形成工程S1)
まず、図4に示すように、半導体基板1の周辺回路領域PA及びメモリセル領域MAの所定領域に、周知のSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子分離領域2a、2cをそれぞれ形成する。即ち、半導体基板1の所定領域に、例えば深さ280nmの素子分離溝を形成し、形成した素子分離溝を素子分離絶縁膜で埋設する。これにより、周辺回路領域PA及びメモリセル領域MAにそれぞれ、素子分離領域2で区画された活性領域3、3A3が形成される。周辺回路領域PA及びメモリセル領域MAには、各々複数の活性領域が形成されるが、説明の便宜上、図3では各々一ずつの活性領域3、3A3を示している。
次に、活性領域3、3A3に設けるトランジスタの性能調整用に、p型不純物となるボロン(B)あるいはn型不純物となるリン(P)や砒素(As)を、所定の領域に必要な濃度、必要な深さにイオン注入する。不純物の注入後、N雰囲気中で不純物を活性化させる熱処理を行う。
(周辺回路領域保護膜形成工程S2)
次に、周辺回路領域PAに、後に周辺ゲート絶縁膜4となる保護膜を形成する。具体的には、半導体基板1の表面に例えば厚さが4nmの酸化膜(シリコン酸化膜)を熱酸化法により形成する。続いて、形成したシリコン酸化膜に対してプラズマ窒化処理を行いシリコン酸窒化膜とする。このシリコン酸窒化膜を保護膜として利用する。この保護膜は、後述の工程で形成するゲート電極に含有されるボロン(B)が半導体基板1へ漏洩する現象を回避するために形成される。形成されたシリコン酸窒化膜は、周辺回路領域PAに形成される周辺トランジスタ用の周辺ゲート絶縁膜4となる。
次に、半導体基板1の全面に、後に保護膜5となる非晶質シリコン膜を、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えば厚さ20nmに成膜する。続いて、周辺回路領域PAを覆う図示しないマスクパターンを形成し、メモリセル領域MAに非晶質シリコン膜(5)の表面を露出させる。次に、非晶質シリコン膜(5)を通して活性領域3A3の表面にn型不純物をイオン注入し、後に拡散層6(6a,6ba,6bb)となるn型不純物注入層(6)を形成する。n型不純物として、リン(P)や砒素(As)を用いることができる。また、イオン注入は、シリコン基板中の不純物濃度が例えば1×1018(atoms/cm)となるように行う。
次に、マスクパターンをマスクとするドライエッチング法により、メモリセル領域MAに露出している非晶質シリコン膜(5)を除去する。さらに、マスクパターンを除去する。その後、n型不純物注入層(6)を活性化させる熱処理を行う。これにより、n型不純物注入層(6)は、後述の工程でセルトランジスタのソース/ドレインとなる(n型不純物)拡散層6となる。また、この熱処理により、非晶質シリコン膜(5)は多結晶シリコン膜(以下、ポリシリコン膜)に変換される。これにより、周辺回路領域PAを覆いポリシリコン膜からなる保護膜5が形成される。保護膜5は、後の工程で受ける種々のダメージから周辺ゲート絶縁膜4を保護する機能を有する。
(セルトランジスタ形成工程S3)
次に、周知のリソグラフィーとドライエッチング法により、Y方向に延在する一対のトレンチ8を形成する。これらのトレンチ8は、複数の第1素子分離領域2a及び複数の活性領域3A3を跨いで連通するように形成される。また、各トレンチ8は、例えば幅25nm、深さ150nmとなるように形成される。一対のトレンチ8を形成することにより、活性領域3A3の表面に形成されたn型不純物拡散層6は、ビット線拡散層6aと、第1容量拡散層6baと、第2容量拡散層6bbに3分割される。ビット線拡散層6aは、トランジスタのソースとして機能する。また、容量拡散層6ba、6bbは、各々トランジスタのドレインとして機能する。
次に、一対のトレンチ8の内面にシリコン酸化膜からなる厚さ5nm程度のセルゲート絶縁膜9を熱酸化法により形成する。その後、一対のセルゲート絶縁膜9の表面をそれぞれ覆い、トレンチ8の下部をそれぞれ埋設する第1ワード線WL1及び第2ワード線WL2を形成する。これらのワード線WLは、Y方向に配置される複数のトランジスタに共有される第1ゲート電極及び第2ゲート電極として機能する。各ワード線WLは、窒化チタン膜などの金属化合物膜と、タングステンなどの金属膜との積層膜で形成される。
次に、ワード線WLの上面を覆い、トレンチ8の上部空間を埋設するように、シリコン窒化膜からなるキャップ絶縁膜10が形成される。これにより、1つの活性領域3A3には、第1ワード線WL1(第1ゲート電極)と、セルゲート絶縁膜9と、ビット線拡散層6a(ソース)と、第1容量拡散層6ba(ドレイン)と、からなる第1セルトランジスタTr1が形成される。また、第2ワード線WL2(第2ゲート電極)と、セルゲート絶縁膜9と、ビット線拡散層6a(ソース)と、第2容量拡散層6bb(ドレイン)と、からなる第2セルトランジスタTr2が形成される。ビット線拡散層6aは、2つのセルトランジスタTr1、Tr2に共有される構成となる。
(ビット線及び周辺トランジスタ形成工程S4)
次に、図5に示すように、半導体基板1上の全面に、厚さ30nmのシリコン酸化膜12をプラズマCVD法により成膜する。次に、シリコン酸化膜12上に、メモリセル領域MAの全体を覆い、周辺回路領域PAを開口する図示しないマスクパターンを形成する。その後、マスクパターンをマスクとするドライエッチング法により、周辺回路領域PAに形成されたシリコン酸化膜12を除去する。この後、マスクパターンを除去する。
次に、周辺回路領域PAの全体及びメモリセル領域MAを覆うとともに、ビット線拡散層6a上に開口を有する図示しないマスクパターンを形成する。次に、マスクパターンをマスクとするドライエッチング法により、シリコン酸化膜12の一部を除去して、ビット線拡散層6aの上面を露出させるビット線コンタクトホール13を形成する。この後、マスクパターンを除去する。
次に、ビット線コンタクトホール13を埋設するようにシリコン基板1の全面に厚さ50nmの非晶質シリコン膜を成膜する。この非晶質シリコン膜は、後にポリシリコン膜14及びポリシリコン膜14aの一部となる。また、ポリシリコン膜14のビット線コンタクトホール13を埋設する部分は、ビット線コンタクトプラグ19となる。非晶質シリコン膜(14)の形成により、周辺回路領域PAでは、保護膜5であるポリシリコン膜の上に非晶質シリコン膜(14)が積層された状態となる。
次に、イオン注入法により、周辺回路領域PAの非晶質シリコン膜(14)と保護膜5の積層膜及びメモリセル領域MAに位置する非晶質シリコン膜(14)にリン(P)を導入する。それから、N雰囲気中で活性化アニールを行い、リン導入領域をN型シリコン膜に変換すると同時に非晶質シリコン膜をポリシリコン膜14に変換する。これにより、周辺回路領域PAに位置する保護膜5は同じポリシリコン膜14と一体化し単層のポリシリコン膜14aが形成される。
その後、ポリシリコン膜14,14a上に、合計の厚さが40nmとなる金属膜15を成膜する。金属膜15は、チタンシリサイド膜(TiSi)、窒化チタン膜(TiN)、タングステンシリサイド膜(WSi)、タングステン膜(W)を順次積層することにより形成する。さらに、厚さ160nmのシリコン窒化膜からなるカバー絶縁膜16をCVD法により形成する。以下、周辺回路領域PAに位置するポリシリコン膜14a、金属膜15及びカバー絶縁膜16を周辺積層体と記載する場合がある。また、メモリセル領域MAに位置するポリシリコン膜14、金属膜15及びカバー絶縁膜16をセル積層体と記載する場合がある。
次に、リソグラフィーとドライエッチング法により、メモリセル領域MAに位置するセル積層体をエッチングし、ポリシリコン膜14と金属膜15との積層膜からなるビット線BLを形成する。これにより、図1に示すように、X方向に延在する複数のビット線BLが形成される。また、各ビット線BLは、ビット線コンタクトホール13を埋設するビット線コンタクトプラグ19によって対応する複数のビット線拡散層6a(ソース)に接続される。本実施形態では、ビット線BLの、ワード線WL延在方向の幅は20nmとしている。
また、ビット線BLの形成と同時に、周辺回路領域PAでは、周辺積層体をエッチングすることにより、ポリシリコン膜14aと金属膜15との積層膜からなる周辺トランジスタ用の周辺ゲート電極18が形成される。
次に、半導体基板1の全面にシリコン窒化膜を6nm形成した後、ドライエッチング法によりエッチバックする。これにより、ビット線BL及び周辺ゲート電極18の側壁の各々に第1サイドウォール膜20を形成する。それから、メモリセル領域MAを図示しないマスクパターンで覆った状態で、周辺回路領域PAにリンやヒ素などのn型不純物のイオン注入を行う。これにより、周辺ゲート電極18の両側に位置する半導体基板1の領域にLDD領域21を形成する。この後、メモリセル領域MA上に形成したマスクパターンを除去する。
次に、図6を参照する。第2サイドウォール膜22を形成するために、シリコン基板1の全面に厚さ15nm程度のシリコン酸化膜をCVD法により成膜する。その後、周辺回路領域PAのみを覆う図示しないマスクパターンを形成し、ウェット処理にてメモリセル領域MAに形成されたシリコン酸化膜を除去する。さらに、マスクパターンを除去した後、シリコン酸化膜を全面エッチバックする。これにより、周辺ゲート電極18の側面にのみシリコン酸化膜から成る第2サイドウォール膜22が形成される。
その後、メモリセル領域MAを覆うマスクパターン(図示していない)を形成し、全面にn型不純物をイオン注入する。これにより、周辺トランジスタにのみn型不純物が注入される。マスクパターンを除去した後、注入されたn型不純物の活性化アニールを行う。これにより、n型不純物拡散層からなる周辺トランジスタのソース/ドレイン領域23が形成され、プレーナ型の周辺トランジスタPATrが完成する。
(容量コンタクトプラグ形成工程S5)
次に、シリコン基板1上の全面に、厚さ4nm程度のシリコン窒化膜からなるライナー絶縁膜24をCVD法により形成する。続いて、ライナー絶縁膜24上に、ビット線BL及び周辺ゲート電極18を埋設するようにシリコン酸化膜からなる第1層間絶縁膜25を形成する。そして、カバー絶縁膜16をストッパーとするCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により第1層間絶縁膜25の表面を平坦化する。
次に、リソグラフィーとドライエッチング法を用いて、メモリセル領域MAに位置する第1層間絶縁膜25とライナー絶縁膜24を貫通する容量コンタクトホール26を形成する。容量コンタクトホール26の底面には、第1容量拡散層6ba、第2容量拡散層6bbがそれぞれ露出する。なお、各々の容量コンタクトホール26の直径は25nm程度とする。続いて、容量コンタクトホール26の下部を埋設するように、1×1020(atoms/cm)のリンを含有するポリシリコン膜27を形成する。
次に、リソグラフィーとドライエッチング法を用いて、周辺回路領域PAに位置する第1層間絶縁膜25とライナー絶縁膜24を貫通する周辺コンタクトホール28を形成する。周辺コンタクトホール28の底面にはソース/ドレイン領域23が露出する。
次に、周辺コンタクトホール28と、容量コンタクトホール26の上部と、を埋設する金属膜29を形成する。金属膜29はチタンシリサイド膜、窒化チタン膜、タングステン膜などで形成される。これにより、周辺コンタクトホール28内には金属膜29からなる周辺コンタクトプラグ30が形成される。また、容量コンタクトホール26内には、ポリシリコン膜27と金属膜29とからなる容量コンタクトプラグ31が形成される。
(絶縁膜形成工程S6)
次に、図7に示すように、周辺コンタクトプラグ30に接続し、金属膜からなる周辺配線32を周知の方法により形成する。次に、第1層間絶縁膜25上及び周辺配線32上の全面に、厚さ50nmのストッパーシリコン窒化膜33AをCVD法により成膜する。次に、厚さ800nmのボロンとリンを含有するシリコン酸化膜(BPSG(Boron-doped Phospho-Silicate Grass)膜)からなる第1シリンダー層間膜33B、厚さ50nmのシリコン窒化膜からなる第1サポート膜33C、厚さ400nmのシリコン酸化膜からなる第2シリンダー層間膜33D、厚さ200nmのシリコン窒化膜からなる第2サポート膜33EをCVD法により順次成膜する。ストッパーシリコン窒化膜33A、第1シリンダー層間膜33B、第1サポート膜33C、第2シリンダー層間膜33D、第2サポート膜33Eを総称して絶縁膜(シリンダー絶縁膜)33と記載する場合がある。絶縁膜33の厚さは1500nmとなる。
(ホール形成工程S7)
次に、リソグラフィーとドライエッチング法を用いて、絶縁膜33を貫通するホール(シリンダーホール)38を形成する。シリンダーホール38の直径は50nmとしている。シリンダーホール38は開口部38Uと底部38Bを有している。ここでは、開口部38Uの位置を、絶縁膜33の上面33uから第2シリンダー層間膜33D側に50nm下方の位置と定義する。また、底部38Bの位置は、ストッパーシリコン窒化膜33Aの上面33Auから第1シリンダー層間膜33B側に50nm上方の位置と定義する。シリンダーホール38の底面には、容量コンタクトプラグ31が露出する。
(一次下部電極形成工程S8)
次に、図8に示すように、シリンダーホール38の内面を含む絶縁膜33上の全面に、例えば厚さ20nmの窒化チタン膜(第1金属膜)39を下部電極材料膜として形成する。窒化チタン(TiN)膜39は、四塩化チタン(TiCl)ガスと、アンモニア(NH)ガスを原料ガスとし、温度を460℃とするCVD法により成膜することができる。本実施形態では、絶縁膜33の厚さH1すなわちシリンダーホール38の深さH1を1500nm、シリンダーホール38の直径W1を50nmとしている。この構成において、絶縁膜33の上面33uに厚さTs=20nmのTiN膜39を成膜すると、シリンダーホール38の開口部38Uには厚さTua=18nmのTiN膜39が形成される。また、底部38Bには厚さTba=16nmのTiN膜39が形成される。
この後、ドライエッチング法によるエッチバックを行い、絶縁膜33の上面33uに形成されたTiN膜39を除去する。TiN膜39のドライエッチングには、塩素含有プラズマを用いることができる。TiN膜39をエッチバックする際、シリンダーホール38の底面に形成されたTiN膜39も除去されることが懸念されるが、エッチング条件の調整によりこの懸念は回避することができる。すなわち、異方性を発現するバイアス電圧を弱めることによりプラズマ中のイオンの底面への到達確率を下げてやれば良い。こうして、シリンダーホール38内にTiN膜39からなる一次下部電極が形成される。
以下、図9(a)、(b)、(c)を用い、本実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法において特徴的な一次下部電極のスリミングについて説明する。図9の各々は、図8に示す破線枠に対応する部分の拡大図である。図9(a)は、一次下部電極39Aが形成された直後の状態、図9(b)は一次下部電極39Aのスリミングを行っている途中の状態、図9(c)は、一次下部電極39Aをスリミングした結果、下部電極42が形成された状態を示している。
最初に図9(a)を用いて関連技術の問題について説明する。図9(a)は、シリンダーホール38の内面に一次下部電極39Aが形成された状態を示している。この時、シリンダーホール38の開口直径W1が50nm、開口部38UのTiN膜39の膜厚Tuaが18nmであるとすると、一次下部電極39Aにより規定される新たな開口直径W2は14nmである。
関連技術では、一次下部電極39Aをそのまま下部電極として用いる。即ち、一次下部電極39Aの表面を覆うように容量絶縁膜を成膜する。容量絶縁膜は、リーク電流を抑制するために少なくとも7nmの厚さを必要とする。そのため、開口部38Uには径方向両側に7nmずつ、計14nmの容量絶縁膜を形成しなければならない。この膜厚は、一次下部電極39Aの形成により形成される新たな開口の直径W2に等しい。したがって、一次下部電極39Aの形成により形成された新たな開口は、一次下部電極39Aの表面を覆う容量絶縁膜を形成することにより閉塞する。その結果、シリンダーホール38内に上部電極45を形成することができない、即ち、キャパシタ105を形成することができない事態となる。
一方、前述の特許文献4には、下部電極を形成した後、ウエットエッチング法により下部電極を薄膜化(スリミング)する方法が開示されている。この方法によれば、下部電極の薄膜化により開口部の径が拡大されるので、容量絶縁膜の形成によって開口部が閉塞することを回避できる。
しかしながら、ウエットエッチング法による下部電極の薄膜化は、開口部のみならずシリンダーホールの底部に形成された下部電極をも薄膜化する。即ち、特許文献4の薄膜化方法を図9(a)の一次下部電極39Aに適用すると、開口部38Uの一次下部電極39Aが薄膜化されるだけでなく、シリンダーホール38の底部38Bに形成された一次下部電極39Aも同じ膜厚だけウエットエッチングされる。底部38Bには、最初から開口部38Uより薄い膜厚のTiN膜39が形成されている。このため、底部38BのTiN膜39が開口部38UのTiN膜39と同じ膜厚分だけエッチングされると、結果的に底部38BのTiN膜39が過剰に薄膜化された状態となる恐れがある。そして、過剰に薄膜化されたTiN膜39は薬液を浸透させてしまうため種々の新たな問題が発生する。
例えば、容量絶縁膜44を成膜する前の洗浄工程ではフッ酸含有液が用いられる。フッ酸含有液が過剰に薄膜化されたTiN膜39(下部電極)を浸透するとその周囲に位置するシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜やシリンダー層間膜をエッチングしてしまう。特に、シリンダーホール38の底面に形成された下部電極が過剰に薄膜化されフッ酸含有液が浸透するようになると、下層に位置する第1層間絶縁膜25がエッチングされてしまい、空洞が生じて構造物の破壊によるショートも発生し得る。
ここで、図14を参照する。図14には、薬液の浸透性に対するTiN膜の膜厚依存性を調べた発明者の実験結果が示されている。実験は、次のように行った。まず、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成し、さらにその上に20nmのTiN膜をCVD法で形成した実験試料を準備した。この実験試料に対して、ウエットエッチング法もしくはドライエッチング法を用いてTiN膜を薄膜化した。その後、実験試料をフッ酸含有溶液に浸漬し、所定の面積内におけるシリコン酸化膜のエッチング領域の個数(染み込み個数)を調べた。
図14において、横軸は残存TiN膜厚(下部電極の実膜厚に相当)、縦軸は染み込み個数を示している。この実験結果は、下層のシリコン酸化膜がエッチングされ始めるTiN膜の膜厚、すなわち薬液がTiN膜を浸透可能となる膜厚を示している。図14から明らかなように、薬液の浸透はTiN膜の膜厚が4.3nmより薄い領域で、薄いほど激しく浸透することが分かる。したがって、TiN膜中の薬液の浸透を防止するためには、マージンを考慮してTiN膜厚を5nm以上確保することが望ましい。
上記例では、開口部38Uの一次下部電極39Aの膜厚は18nmであり、底部38Bの膜厚は16nmである。このため、特許文献4に記載されたウエットエッチング法を用いて一次下部電極39Aのスリミングを行うことで、キャパシタ105の形成が可能になる。例えば、底部38Bに6nmのTiN膜39を残存させるようにスリミングを行うものとすれば、開口部38Uには8nmのTiN膜39が残存することとなる。この場合、新たな開口直径W2は34nmとなる。したがって、厚さ7nmの容量絶縁膜44を形成しても開口部38Uの閉塞は発生せず、キャパシタ105を形成することができる。しかし、後述する第2実施形態のようにシリンダーホールがより深くなった場合や、微細化により開口径W1がさらに縮小された場合には、等方的にエッチングが進行するウエットエッチング法を用いるスリミング法は、適用困難となる。
そこで、本実施形態では、等方的にエッチングが進行するウエットエッチング法ではなく、一次下部電極39Aの選択酸化法と一次下部電極39Aの酸化膜40を選択的に除去するスリミング方法を用いる。
(一次下部電極の酸化膜形成工程S9)
図9(a)及び図9(b)を参照して、本実施形態の選択酸化法について説明する。本実施形態の選択酸化法では等方性プラズマ酸化法を用いる。等方性プラズマとは、高周波パワーを印加して発生させたプラズマに、半導体基板に対するバイアスパワーもしくは電圧を意識的に印加しない状態のプラズマを意味する。異方性プラズマ条件では、バイアスを印加するのでプラズマ中のイオンにエネルギーが付与され、ホールのより深い領域までイオンが到達して反応に寄与する。しかし、等方性プラズマ条件では、イオンにエネルギーが付与されないため、ホールのより浅い部分でのみ反応が進行する特徴がある。本実施形態の等方性プラズマ酸化法に用いる条件は、一例として半導体基板の温度250℃、圧力130Pa、酸化時間0.5分、プラズマガスとして酸素(O):窒素(N)=1:10が挙げられる。
図9(a)に示した試料は、前述のようにシリンダーホール38の深さH1が1500nm、開口直径W1が50nmで、一次下部電極39Aの開口部38Uの厚さTuaが18nm、底部38Bの厚さTbaが16nmとなっている。図9(a)の試料に対して上記の等方性プラズマ酸化法を実施すると、図9(b)に示すように、一次下部電極39Aの一部が酸化され、表面側に酸化チタン(TiO)膜40が形成される。TiO膜40は透過型電子顕微鏡により観察可能である。開口部38Uに形成されたTiO膜40の膜厚Tubは1.6nm、底部38Bに形成されたTiO膜40の膜厚Tbbは0.4nm程度であった。すなわち、開口部38Uに形成されたTiO膜40の膜厚Tubは、底部38Bに形成されたTiO膜40の膜厚Tbbの4倍となっていた。
ここで、図15を参照する。図15は、シリンダーホール38の開口直径を種々変化させた試料について、上記の等方性プラズマ酸化法を実施し、開口部38Uと底部38Bとに形成されたTiO膜40の各々の厚さを調べた発明者の実験結果である。横軸にはシリンダーホール38の開口直径W1を、縦軸には形成されたTiO膜40の厚さを示している。
図15から理解されるように、開口部38Uに形成されるTiO膜厚(◆で示す)は開口直径W1に依存しないのに対し、底部38Bに形成されるTiO膜厚(□で示す)は開口直径W1が狭くなるほど著しく減少する。特に、開口直径W1が40nm以下の領域では、底部38BにはTiO膜40が形成されない。これらのことから、シリンダーホール38の形状自体を利用することにより、開口部38Uに厚く、底部38Bに薄いTiO膜40を選択的に形成できることが理解される。つまり、シリンダーホールに形成された一次下部電極39Aの表面に形成される酸化膜の膜厚が底部よりも開口部において厚くなるという選択性は、シリンダーホールの開口直径に依存する特性を有する。本実施の形態ではこの特性を利用して酸化膜を形成する。
図15は、シリンダーホールの深さH1を一定とし、開口直径W1を変化させた場合の結果を示しているが、逆の場合も同様の結果を得ることができる、すなわち、開口直径W1を一定とし、深さH1を深くしても開口部に厚く、底部に薄いTiO膜を選択的に形成することができる。
(酸化膜除去工程S10)
図9(c)は、一次下部電極39Aの表面に形成されたTiO膜40を選択的に除去した後の状態を示している。TiO膜40の選択的な除去には、例えば、HF(49%):HO=1:300、23℃のフッ酸(HF)含有溶液を用いることができる。シリコン窒化膜からなる第2サポート膜33E及び一次下部電極39Aを構成するTiN膜は、上記エッチング液ではエッチングされないのでTiO膜40を選択的に除去することができる。これにより下部電極42が形成される。
図9(b)の段階において、例えば、上記の等方性プラズマ酸化法により3分間酸化すると、開口部38Uに形成されるTiO膜40の膜厚Tubは9.6nmとなる。これを除去すると開口部38Uに残存する下部電極42の膜厚Tuは18−9.6=8.4nmとなる。同様に、底部38Bに形成されるTiO膜40の膜厚Tbbは2.4nmとなる。これを除去すると底部38Bに残存する下部電極42の膜厚Tbは16−2.4=13.6nmとなる。したがって、下部電極42の底部において、前述の薬液の浸透を抑制するTiN膜(下部電極)の厚さの好ましい範囲となる5nm以上を確保した上で、開口部38Uの下部電極膜厚を薄膜化することが可能である。
なお、等方性プラズマ酸化法及びHF含有溶液の条件は、一例であって、上記条件に限るものではない。例えば、等方性プラズマ酸化法にバイアス印加条件を付加して異方性酸化成分を重ねれば(等方性プラズマと異方性プラズマを共存させれば)開口部と底部のTiO膜の膜厚差を維持しつつ、その差分を小さくすることも可能となり制御範囲を拡大できる。
以上のように、TiO膜40を形成し除去することで、一次下部電極39Aのスリミングを行う。これにより、図9(a)の段階では14nmであった一次下部電極39Aの開口直径W2を、図9(c)の段階では下部電極42の開口直径W3として33.2nmまで拡大することができる。こうして、シリンダーホール38をより深く、及び/又は、より細くした場合であっても、後の工程で形成される容量絶縁膜44及び上部電極45をシリンダーホール38内に形成することが可能となる。
次に、図10に示すように、厚さ80nmのシリコン酸化膜からなる犠牲膜41をプラズマCVD法により成膜する。プラズマCVD法で成膜されるシリコン酸化膜はステップカバレージが悪いので、シリンダーホール38を埋設することなく、開口部だけを閉塞させるように形成することができる。これにより、後の工程でリソグラフィー工程が実施されてもシリンダーホール38内にフォトレジストが残存する不都合を回避することができる。
次に、図11に示すように、リソグラフィーとドライエッチング法により、第2サポート膜33Eに第1サポート開口41Aを形成する。詳述すると、まず、周辺回路領域PAの全域とメモリセル領域MAの一部を開口するマスクパターン(図示せず)を犠牲膜41上に形成する。次に、マスクパターンをマスクとして、犠牲膜41及び第2サポート膜33Eを連続的にドライエッチングし第1サポート開口41Aを形成する。図11には示されていないが、第1サポート開口41Aは、メモリセル領域MAの中央部にも形成される。メモリセルMAの中央部には、複数の第1サポート開口41Aが形成される。その後、マスクパターンを除去する。
次に、図12に示すように、第2シリンダー層間膜33D及び第1シリンダー層間膜33Bを全て除去する。
詳述すると、まず、フッ化水素酸(HF)溶液を用いるウェットエッチ処理を実施する。HF溶液は、第1サポート開口41Aを介して第2サポート膜33Eの下部へ進入する。これにより、メモリセル領域MA及び周辺回路領域PAに位置する第2シリンダー層間膜33Dが全て除去される。このとき、犠牲膜41も同時に除去される。これにより、第1サポート膜33Cの上面が露出する。
次に、第2サポート膜33Eをマスクとして、上面が露出している第1サポート膜33Cをドライエッチングする。これにより、図11の段階で第2サポート膜33Eに形成された第1サポート開口41Aのパターンがそのまま第1サポート膜33Cに形成される。これにより第1シリンダー層間膜33Bの上面の一部が露出する。
次に、フッ化水素酸(HF)溶液を用いて、再度、ウェットエッチ処理を実施する。これにより、メモリセル領域MA及び周辺回路領域PAに位置する第1シリンダー層間膜33Bが除去され、図12に示す状態となる。この状態において、ストッパーシリコン窒化膜33Aの上面が露出する。また、各々の下部電極42は内外壁面が露出するクラウン構造となる。さらに各下部電極42は、外壁面に第1サポート膜33Cと第2サポート膜33Eが接する構成となる。この構成により、各々の下部電極42の倒壊や捩れを防止することができる。
(容量膜形成工程S11)
次に、図13に示すように、容量膜44を成膜する。容量膜44は、メモリセル領域MAのみならず周辺回路領域PAにも形成されるが、後の工程により除去される。図13は、除去後の状態を示している。
図13に示すように、メモリセル領域では、容量膜44が下部電極42の内外壁露出面、及び第1サポート膜33C及び第2サポート膜33Eの上下面及び側面を覆うように形成される。容量膜44は、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)膜からなる高誘電率膜と、誘電率は低いが熱的に安定な酸化アルミニウム(Al)膜と、の積層膜で形成される。本実施形態では容量膜44の厚さを7nmとしている。
容量膜44には、半導体記憶装置の安定動作のために、より大きな蓄積電荷量と、より小さなリーク電流特性が要求される。このため容量膜44の厚さは少なくとも7nm必要である。図9(a)の段階で一次下部電極39Aの薄膜化処理を実施しない場合、開口直径W2は14nmとなっているので、厚さ7nmの容量膜44を形成した段階でシリンダーホール38の開口部38Uは閉塞する。そのため、上部電極45がシリンダーホール38内に形成されず内壁キャパシタを構成することができない。これに対して、本実施形態では、一次下部電極39Aの薄膜化処理を実施することにより、図9(c)の段階で下部電極42の開口直径W3を33.2nmまで拡大している。したがって、厚さ7nmの容量膜44を形成した段階でも19.2nmの開口を残存させることができる。それゆえ、上部電極45をシリンダーホール38内に形成することができる。すなわち、下部電極42の内壁及び外壁のいずれをもキャパシタとして機能させることができる。
(上部電極形成工程S12)
次に、容量膜44の表面を覆うように上部電極45を形成する。上部電極45は、容量膜44と同様に、周辺回路領域PAにも形成されるが、その後除去される。メモリセル領域MAにおいて、上部電極45は、容量膜44に接して下部電極42の内周側を埋設し、また容量膜44に接して下部電極42の外周側を囲む。上部電極45は、例えば、厚さ10nmの窒化チタン膜で構成される。窒化チタン膜は、下部電極42と同様に、四塩化チタン(TiCl)ガスと、アンモニア(NH)ガスを原料ガスとし、温度を460℃とするCVD法により形成することができる。上部電極45を形成した段階でシリンダーホール38は閉塞する。
次に、シリンダーホール38を閉塞させた上部電極45上に図示しないプレートW膜をスパッタ法により形成する。また、プレートW膜上に、厚さ100nmのカバーシリコン酸化膜46をプラズマCVD法により成膜する。
次に、メモリセル領域MAを覆う図示しないマスクパターンをマスクとして、周辺回路領域PAに形成されたカバーシリコン酸化膜46、プレートW膜、上部電極45、容量膜44をドライエッチング法により除去する。その後、マスクパターンを除去する。こうして、図13に示すように、メモリセル領域MAには、半導体基板1上に突出し複数のキャパシタ105からなるメモリマット105Aが形成される。また、メモリマット105Aの存在により、周辺回路領域PAには、凹部47Aが形成される。
(上層配線層形成工程)
次に、図2に示す第2層間膜絶縁膜47となるシリコン酸化膜をシリコン基板1上の全面に形成する。シリコン酸化膜の形成には、モノシラン(SiH)と一酸化二窒素(NO)を原料ガスとし、温度400℃のプラズマCVD法を用いることができる。シリコン酸化膜は、凹部47Aが全て埋まる厚さ、例えば2500nmに形成される。その後、CMP法により、図示しないプレートW膜をストッパーとして擦り切るまでカバーシリコン酸化膜46を含むシリコン酸化膜を研磨する。これにより、メモリセル領域MA及び周辺回路領域PAの各々の表面が面一となるように平坦化される。こうして、周辺回路領域PAに生じた凹部47Aは、第2層間絶縁膜47で埋設される。
次に、第2層間絶縁膜47上を含む全面に厚さ500nmのシリコン酸化膜からなる第3層間絶縁膜48をプラズマCVD法により形成する。
次に、リソグラフィーとドライエッチング法により、第3層間絶縁膜48を貫通し、キャパシタ105の上部に形成されているプレートW膜に接続する第1スルーホール49aを形成する。同時に、第3層間絶縁膜48及び第2層間絶縁膜47を貫通し、周辺配線32の上面を露出させる第2スルーホール49bを形成する。
次に、CVD法で形成するタングステンなどの金属膜からなるビアプラグ49A及び49Bを形成する。ビアプラグ49Aは、第1スルーホール49aを埋設し、ビアプラグ49Bは、第2スルーホール49bを埋設するように形成される。
次に、第3層間絶縁膜48上に、Ti膜、TiN膜、厚さ300nmのアルミニウム(Al)膜、及びTiN膜をスパッタ法により順次成膜する。次に、リソグラフィーとドライエッチング法により、TiN膜、アルミニウム膜、TiN膜及びTi膜をパターニングし、第1配線50を形成する。この後、さらに必要に応じて層間絶縁膜及び配線層を形成することにより半導体記憶装置が製造される。
上述のように、本実施形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板1上の絶縁膜33に開口部38Uと底部38Bとを有するシリンダーホール38を形成する工程と、シリンダーホール38の内面に底部38Bに形成される膜厚より開口部38Uに形成される膜厚が厚い一次下部電極39Aを形成する工程と、一次下部電極39Aの表面に底部38Bに形成される膜厚より開口部38Uに形成される膜厚が厚い一次下部電極39Aの酸化膜40を選択的に形成する工程と、酸化膜40を除去することにより開口幅が拡幅された下部電極42を形成する工程と、を有する。
これにより、下部電極42の開口部における開口幅が拡幅されるので、その後容量膜44を形成してもホール38の閉塞を回避して上部電極45をホール38内に形成することができる。その結果、シリンダーホール38をより深くしたり、その径をより小さくしたりしても、そのシリンダーホール38内に形成した下部電極42の内外壁を利用するキャパシタを構成することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明する。第1実施形態では、第1サポート膜33C及び第2サポート膜33Eを備えるクラウン構造のキャパシタを有する半導体記憶装置の製造に本発明の半導体記憶装置の製造方法を適用する例について説明した。しかし、クラウン構造のキャパシタは、さらに微細化が進むと、下部電極の機械的強度が不足する結果、サポート膜によっても支えきれず、変形等によって隣接キャパシタとショートとする可能性が高くなる。そこで、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法として、シリンダー層間膜を除去しないシリンダー構造のキャパシタを備える半導体記憶装置を製造する例について説明する。
図16は、本実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法により製造される半導体記憶装置の断面構造の一例を示している。なお、この半導体記憶装置の平面レイアウトは図1と同じである。
図16に示す半導体記憶装置において、図2に示した半導体記憶装置と最も異なる点は、第1シリンダー層間膜33B及び第2シリンダー層間膜33Dが下部電極42の周囲に残存している点である。この構成によれば、キャパシタ105を構成する下部電極42は、シリンダーホール38の内面に張り付いて固定される。つまり、クラウン構造のように下部電極の周囲に位置するシリンダー層間膜を除去しないので下部電極42の倒壊、捻じれ等に起因するショートの問題を回避できる。
しかしながら、この構成では、キャパシタ105は、シリンダーホール38の内面のみを利用するシリンダー構造(コンケーブ構造と呼ばれる場合もある)となる。このため、クラウン構造のキャパシタと同等の容量を得るためには、シリンダーホール38の深さをクラウン構造の場合に比べて約2倍にする必要が生じる。この点を考慮して、第2実施形態では、絶縁膜33の厚さ、すなわちシリンダーホール38の深さH2(図17参照)を3000nmとし、シリンダーホール38の開口直径W1を40nmとしている。図16に示したように、第2実施形態では、第1サポート膜33C及び第2サポート膜33Eが存在しない。したがって、絶縁膜33は、例えば厚さ50nmのストッパーシリコン窒化膜33A、厚さ2000nmの第1シリンダー層間膜33B、厚さ950nmの第2シリンダー層間膜33Dで形成される。その他の構成は図2の半導体記憶装置と同じなので説明は割愛する。
図17(a)は、第1実施形態と同様の工程により、絶縁膜33に開口直径W1が40nmとなるシリンダーホール38を形成した後、下部電極材料膜であるTiN膜39を形成した段階を示す拡大断面図である。第1実施形態の場合と同様に、絶縁膜33上の厚さが20nmとなるTiN膜39を形成すると、シリンダーホール38の開口部38Uには膜厚Tuaが18nmのTiN膜39が形成される。これにより、新たな開口直径W2は4nmとなる。また、深さが約3000nmとなる底部38Bには膜厚Tbaが12nmのTiN膜39が形成される。
次に、図17(b)に示すように、絶縁膜33の上面に形成されたTiN膜39をドライエッチング法により除去する。これにより、一次下部電極39Aが形成される。第1実施形態でも説明したように、この状態で厚さ7nmの容量膜44を形成すると開口部は容量膜44で完全に閉塞し、シリンダーホール38内に上部電極45を形成できなくなる。すなわち、キャパシタ105を構成することはできない。
次に、図17(c)に示すように、等方性プラズマ酸化法により一次下部電極39Aの一部を酸化させ、一次下部電極39Aの表面に下部電極材料膜(TiN膜39)の酸化膜(TiO膜)40を形成する。第1実施形態の説明に用いた図15に示されるように、開口直径が40nmで、酸化時間が0.5分の場合、開口部38Uに形成されるTiO膜40の厚さは1.6nmとなる。また、この場合、深さ1500nmより深い位置には、TiO膜40は形成されない。図15の結果を基に、本実施形態では、酸化時間を4分とする。これは、深さ2000nmよりも深い位置には酸化膜が形成されないようにするためである。これにより、開口部38Uに形成されるTiO膜40の厚さTubは12.8nmとなる。底部38BにはTiO膜40は形成されず、厚さTbaが12nmのTiN膜39がそのまま残存する。
次に、図17(d)に示すように、第1実施形態と同様にフッ酸含有溶液によりTiO膜40を除去する。これにより、シリンダーホール38内には下部電極42が形成される。TiO膜40の開口部38Uにおける厚さTubは12.8nmなので、下部電極42の開口部38Uにおける膜厚Tuは18−12.8=5.2nmとなる。その結果、下部電極42を形成した段階での開口直径W3は40−10.4=29.6nmとなり、容量膜44及び上部電極45をシリンダーホール38内に形成することができる。一方、底部38Bにおける下部電極42の膜厚Tbは、一次下部電極39Aの膜厚Tbaと同じ12nmである。
第1実施形態の図14で説明したように、TiN膜の厚さが5nmより薄くなると薬液が浸透する問題が生じる。しかし、本実施形態の下部電極42では、最も薄い部分で5.2nmとなっているので、薬液の浸透の問題は発生しない。薬液の浸透が生じた場合、TiO膜40のエッチングに用いられるフッ酸含有溶液はシリンダー層間膜33をも溶解させ、下部電極42とシリンダー層間膜33との接触を断つ。その結果、下部電極42は支持を失い、下部電極42自体の微動等により容量コンタクトプラグ31との接続信頼性が低下する。本実施形態ではこのような事態は生じない。
なお、フッ酸含有溶液によりTiO膜40をエッチングする図17(d)の工程では、上面が露出している第2シリンダー層間膜33Dもエッチングされる。しかし、このエッチング量は30〜50nmであって、シリンダーホール38の深さH2の3000nmに比べればわずかであり実質的な問題にはならない。
この後、第1実施形態と同様の工程によりキャパシタ105及び配線等が形成され半導体記憶装置が完成する。
上記のように、本実施形態では深さ3000nm、開口直径40nmのシリンダーホール38を用いてシリンダー構造のキャパシタ105を形成する。この場合であっても下部電極材料の選択酸化法を用いることにより、下部電極42の薬液浸透を回避する膜厚を維持しつつ開口部の閉塞をも回避してシリンダー構造のキャパシタ105を形成することができる。
以上説明したように、第2実施形態も第1実施形態と同様に、半導体基板1上の絶縁膜33に開口部38Uと底部38Bとを有するホール38を形成する工程と、ホール38の内面に底部38Bに形成される膜厚より開口部38Uに形成される膜厚が厚い一次下部電極39Aを形成する工程と、一次下部電極39Aの表面に底部38Bに形成される膜厚より開口部38Uに形成される膜厚が厚い一次下部電極39Aの酸化膜40を選択的に形成する工程と、酸化膜40を除去することにより開口幅が拡幅された下部電極42を形成する工程と、を有する構成である。
(変形例)
次に、図18及び図19を参照して、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法における変形例について説明する。
第2実施形態では、図17(b)に示す工程において絶縁膜33の上面に形成された下部電極材料膜(39)を全て除去し、シリンダーホール38内に一次下部電極39Aを形成した後、一次下部電極39Aに対して薄膜化処理を実施している。これに対し、本変形例では、図18(a)に示すようにシリンダーホール38を含む全面に下部電極材料膜(39)を形成した後、図18(b)に示すように下部電極材料膜(39)に対し選択酸化処理を実施して酸化膜40を形成し、その後、図18(c)に示すように酸化膜40の除去処理を実施し、最後に図18(d)に示すように絶縁膜33上の薄膜化された下部電極材料膜(39)を除去して下部電極42を形成する方法を用いる。なお、成膜方法、酸化方法、除去方法は、第1及び第2実施形態と同様の方法を用いることができる。
すなわち、本変形例における半導体記憶装置の製造方法は、図3のフローチャートに示した半導体基板に素子分離領域を形成する工程(S1)〜絶縁膜を形成する工程(S6)と、図19のフローチャートに示す工程S7〜S12とで概略構成される。図19に示す工程は、絶縁膜にホールを形成する工程(S7)と、ホールを含む全面に下部電極材料膜を形成する工程(S8a)と、下部電極材料膜表面に下部電極材料の酸化膜を選択的に形成する工程(S9a)と、酸化膜を除去して絶縁膜の上面に形成された下部電極材料膜を薄膜化する工程(S10a)と、絶縁膜の上面に残存する薄膜化された下部電極材料膜を除去してホール内面に下部電極を形成する工程(S11a)と、下部電極表面に容量膜を形成する工程(S11)と、容量膜表面に上部電極を形成する工程(S12)と、を含む。
さらに言えば、本変形例の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板1上の絶縁膜33に開口部38Uと底部38Bとを有するホール38を形成する工程と、ホール38の底部38Bに形成される膜厚より開口部38Uに形成される膜厚が厚い下部電極材料膜39をホール38の内面を含む全面に形成する工程と、下部電極材料膜39の表面に底部38Bに形成される膜厚より開口部38Uに形成される膜厚が厚い下部電極材料の酸化膜40を選択的に形成する工程と、酸化膜40を除去することにより開口幅が拡幅された一次下部電極39Aを形成する工程と、絶縁膜33上に残存している一次下部電極39Aを除去してホール38の内面に下部電極42を形成する工程と、を有する。
本変形例を用いても第2実施形態と同様に、下部電極材料膜の選択酸化法を用いることにより、下部電極材料膜の薬液浸透を回避する膜厚を維持しつつ開口部の閉塞をも回避してシリンダー構造のキャパシタ105を形成することができる。
以上、本発明についていくつかの実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形・変更が可能である。上述した成膜材料、成膜方法、エッチング方法、膜厚や成膜温度などの数値等は単なる例示に過ぎず、その目的に応じて種々のものを採用し得る。
1 半導体基板
2a 第1素子分離領域
2b 第2素子分離領域
2c 第3素子分離領域
3 活性領域
3A1,3A2,3A3,3A4 第1活性領域
3B1,3B2,3B3,3B4 第2活性領域
4 周辺ゲート絶縁膜
5 保護膜
6a ビット線拡散層
6ba 第1容量拡散層
6bb 第2容量拡散層
8 トレンチ
9 セルゲート絶縁膜
10 キャップ絶縁膜
12 シリコン酸化膜
13 ビット線コンタクトホール
14,14a ポリシリコン膜
15 金属膜
16 カバー絶縁膜
18 周辺ゲート電極
19 ビット線コンタクトプラグ
20 第1サイドウォール膜
21 LDD領域
22 第2サイドウォール膜
23 ソース/ドレイン領域
24 ライナー絶縁膜
25 第1層間絶縁膜
26 容量コンタクトホール
27 ポリシリコン膜
28 周辺コンタクトホール
29 金属膜
30 周辺コンタクトプラグ
31 容量コンタクトプラグ
32 周辺配線
33 シリンダー絶縁膜
33A ストッパーシリコン窒化膜
33Au 上面
33B 第1シリンダー層間膜
33C 第1サポート膜
33D 第2シリンダー層間膜
33E 第2サポート膜
33u 上面
38 シリンダーホール
38U 開口部
38B 底部
39 窒化チタン膜
39A 一次下部電極
41 犠牲膜
41A 第1サポート開口
42 下部電極
44 容量絶縁膜
45 上部電極
47 第2層間絶縁膜
47A 凹部
48 第3層間絶縁膜
49A,49B ビアプラグ
49a 第1スルーホール
49b 第2スルーホール
50 第1配線
105 キャパシタ
105A メモリマット

Claims (15)

  1. 半導体基板上の絶縁膜に開口部と底部とを有するホールを形成するホール形成工程と、
    前記ホールの内面に前記底部に形成される膜厚より前記開口部に形成される膜厚が厚い一次下部電極を形成する一次下部電極形成工程と、
    前記一次下部電極の表面に前記底部に形成される膜厚より前記開口部に形成される膜厚が厚い前記一次下部電極の酸化膜を選択的に形成する酸化膜形成工程と、
    前記酸化膜を除去することにより開口が拡幅された下部電極を形成する酸化膜除去工程と、
    を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  2. 前記酸化膜形成工程は、酸素含有プラズマを用いるプラズマ酸化法を用いて実施されることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  3. 前記酸化膜形成工程は、バイアスパワーを印加しない条件で等方性プラズマを発生させて行われることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  4. 前記酸化膜形成工程は、バイアスパワーを印加する条件で等方性プラズマと異方性プラズマを共存させて行われることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  5. 前記酸化膜形成工程は、前記底部に形成される膜厚よりも前記開口部に形成される膜厚が厚くなる選択性が前記ホールの開口直径に依存する特性を利用して実施されることを特徴とする請求項2,3又は4に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  6. 前記酸化膜形成工程は、前記ホールの深さ2000nmより深い位置には前記酸化膜が形成されない条件で実施されることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一つに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  7. 前記一次下部電極形成工程は、前記ホールの内面を含む全面に下部電極材料膜を形成する工程と、前記絶縁膜の上面に形成された前記下部電極材料膜を異方性ドライエッチング法により除去する工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  8. 前記一次下部電極形成工程は、前記ホールの内面を含む全面に下部電極材料膜を形成する工程を含み、
    前記半導体記憶装置の製造方法は、酸化膜除去工程の後に、前記絶縁膜の上面に残る前記下部電極材料膜を異方性ドライエッチング法により除去する工程、をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  9. 前記下部電極材料膜は、窒化チタン膜であることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  10. 前記異方性ドライエッチング法は、塩素含有プラズマを用いる方法であることを特徴とする請求項9に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  11. 前記絶縁膜を形成する工程をさらに有し、前記絶縁膜を形成する工程は、第1シリンダー層間膜、第1サポート膜、第2シリンダー層間膜及び第2サポート膜を順次形成する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  12. 前記絶縁膜を形成する工程をさらに有し、前記絶縁膜を形成する工程は、第1シリンダー層間膜及び第2シリンダー層間膜を順次形成する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  13. 前記絶縁膜を形成する工程の前に、前記半導体基板にトランジスタを形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  14. 前記絶縁膜を形成する工程の前に、
    前記トランジスタに接続されるビット線を形成する工程と、
    前記ビット線を埋設する第1層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1層間絶縁膜を貫通して前記トランジスタのソース/ドレインに接続されるコンタクトプラグを形成する工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  15. 前記下部電極の表面を覆う容量絶縁膜を形成する工程と、
    前記容量絶縁膜の表面を覆う上部電極を形成する工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一つに記載の半導体記憶装置の製造方法。
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