JP2016058365A - 非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた入出力特性をもつ非水系二次電池を提供する。
【解決手段】 非水系二次電池の正極は、層状岩塩構造をもつリチウム金属複合酸化物を有する正極活物質をもつ。電解液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする金属塩と、ヘテロ元素を有する有機溶媒とを含む。電解液の振動分光スペクトルにおける有機溶媒由来のピーク強度につき、有機溶媒本来のピークの強度をIoとし、ピークがシフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioである。
【選択図】 なし
Description
前記正極は、層状岩塩構造をもつリチウム金属複合酸化物を有する正極活物質をもち、
前記電解液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする金属塩と、ヘテロ元素を有する有機溶媒とを含み、
前記電解液の振動分光スペクトルにおける前記有機溶媒由来のピーク強度につき、前記有機溶媒本来のピークの強度をIoとし、前記ピークがシフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioであることを特徴とする。
電解液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする塩(以下、「金属塩」又は単に「塩」ということがある。)と、ヘテロ元素を有する有機溶媒とを含む電解液であって、電解液の振動分光スペクトルにおける有機溶媒由来のピーク強度につき、有機溶媒本来のピーク波数におけるピークの強度をIoとし、有機溶媒本来のピークが波数シフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioであることを特徴とする。
(R1は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R2は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X2は、SO2、C=O、C=S、RcP=O、RdP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rb、Rc、Rdは、R1又はR2と結合して環を形成しても良い。)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
X3は、SO2、C=O、C=S、ReP=O、RfP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Re、Rfは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Re、Rfは、R3と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R5は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R6は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R4、R5、R6のうち、いずれか2つ又は3つが結合して環を形成しても良い。
X4は、SO2、C=O、C=S、RgP=O、RhP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X5は、SO2、C=O、C=S、RiP=O、RjP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X6は、SO2、C=O、C=S、RkP=O、RlP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、R4、R5又はR6と結合して環を形成しても良い。)
(R7、R8は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
また、R7とR8は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X7は、SO2、C=O、C=S、RmP=O、RnP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X8は、SO2、C=O、C=S、RoP=O、RpP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rm、Rn、Ro、Rpは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rm、Rn、Ro、Rpは、R7又はR8と結合して環を形成しても良い。)
(R9は、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X9は、SO2、C=O、C=S、RqP=O、RrP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rq、Rrは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rq、Rrは、R9と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R10、R11、R12は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
R10、R11、R12のうちいずれか2つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。また、R10、R11、R12の3つが結合して環を形成しても良く、その場合、3つのうち2つの基が2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たし、1つの基が2n−1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X10は、SO2、C=O、C=S、RsP=O、RtP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X11は、SO2、C=O、C=S、RuP=O、RvP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X12は、SO2、C=O、C=S、RwP=O、RxP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、R10、R11又はR12と結合して環を形成しても良い。)
(R13、R14は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
また、R13とR14は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+eを満たす。)
(R15は、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。)
(R16、R17、R18は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
R16、R17、R18のうちいずれか2つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+eを満たす。また、R16、R17、R18の3つが結合して環を形成しても良く、その場合、3つのうち2つの基が2n=a+b+c+d+eを満たし、1つの基が2n−1=a+b+c+d+eを満たす。)
(R19、R20は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFbClcBrdIe、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgClhBriIjのいずれかから選択される。n、a、b、c、d、e、m、f、g、h、i、jはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e、2m=f+g+h+i+jを満たす。)
本発明で用いる電解液を以下のとおり製造した。
有機溶媒である1,2−ジメトキシエタン約5mLを、撹拌子及び温度計を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中の1,2−ジメトキシエタンに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを溶液温度が40℃以下を保つように徐々に加え、溶解させた。約13gの(CF3SO2)2NLiを加えた時点で(CF3SO2)2NLiの溶解が一時停滞したので、上記フラスコを恒温槽に投入し、フラスコ内の溶液温度が50℃となるよう加温し、(CF3SO2)2NLiを溶解させた。約15gの(CF3SO2)2NLiを加えた時点で(CF3SO2)2NLiの溶解が再び停滞したので、1,2−ジメトキシエタンをピペットで1滴加えたところ、(CF3SO2)2NLiは溶解した。さらに(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、所定の(CF3SO2)2NLiを全量加えた。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまで1,2−ジメトキシエタンを加えた。これを電解液E1とした。得られた電解液は容積20mLであり、この電解液に含まれる(CF3SO2)2NLiは18.38gであった。電解液E1における(CF3SO2)2NLiの濃度は3.2mol/Lであった。電解液E1においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン1.6分子が含まれている。
なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
16.08gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E1と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が2.8mol/Lである電解液E2を製造した。電解液E2においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン2.1分子が含まれている。
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(CF3SO2)2NLiを全量で19.52g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。これを電解液E3とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E3における(CF3SO2)2NLiの濃度は3.4mol/Lであった。電解液E3においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル3分子が含まれている。
24.11gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lである電解液E4を製造した。電解液E4においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル1.9分子が含まれている。
リチウム塩として13.47gの(FSO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2−ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が3.6mol/Lである電解液E5を製造した。電解液E5においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン1.9分子が含まれている。
14.97gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E5と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.0mol/Lである電解液E6を製造した。電解液E6においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン1.5分子が含まれている。
リチウム塩として15.72gの(FSO2)2NLiを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lである電解液E7を製造した。電解液E7においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル3分子が含まれている。
16.83gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.5mol/Lである電解液E8を製造した。電解液E8においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2.4分子が含まれている。
18.71gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.0mol/Lである電解液E9を製造した。電解液E9においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2.1分子が含まれている。
20.21gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.4mol/Lである電解液E10を製造した。電解液E10においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2分子が含まれている。
有機溶媒であるジメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で14.64g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジメチルカーボネートを加えた。これを電解液E11とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E11における(FSO2)2NLiの濃度は3.9mol/Lであった。電解液E11においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート2分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が3.4mol/Lの電解液E12とした。電解液E12においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lの電解液E13とした。電解液E13においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート3分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.6mol/Lの電解液E14とした。電解液E14においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート3.5分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.0mol/Lの電解液E15とした。電解液E15においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート5分子が含まれている。
有機溶媒であるエチルメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のエチルメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で12.81g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでエチルメチルカーボネートを加えた。これを電解液E16とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E16における(FSO2)2NLiの濃度は3.4mol/Lであった。電解液E16においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート2分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lの電解液E17とした。電解液E17においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.2mol/Lの電解液E18とした。電解液E18においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート3.5分子が含まれている。
有機溶媒であるジエチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジエチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で11.37g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジエチルカーボネートを加えた。これを電解液E19とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E19における(FSO2)2NLiの濃度は3.0mol/Lであった。電解液E19においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート2分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.6mol/Lの電解液E20とした。電解液E20においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.0mol/Lの電解液E21とした。電解液E21においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート3.5分子が含まれている。
5.74gの(CF3SO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2−ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C1を製造した。電解液C1においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン8.3分子が含まれている。
5.74gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C2を製造した。電解液C2においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル16分子が含まれている。
3.74gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E5と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C3を製造した。電解液C3においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン8.8分子が含まれている。
3.74gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C4を製造した。電解液C4においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル17分子が含まれている。
有機溶媒としてエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比3:7、以下、「EC/DEC」ということがある。)を用い、リチウム塩として3.04gのLiPF6を用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、LiPF6の濃度が1.0mol/Lである電解液C5を製造した。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C6とした。電解液C6においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート10分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C7とした。電解液C7においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート8分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C8とした。電解液C8においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート7分子が含まれている。
電解液E3、電解液E4、電解液E7、電解液E8、電解液E10、電解液C2、電解液C4、並びに、アセトニトリル、(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLiにつき、以下の条件でIR測定を行った。2100cm−1〜2400cm−1の範囲のIRスペクトルをそれぞれ図1〜図10に示す。さらに、電解液E11〜E15、C6、ジメチルカーボネート、E16−E18、C7、エチルメチルカーボネート、E19−E21、C8、ジエチルカーボネートにつき、以下の条件でIR測定を行った。1900〜1600cm−1の範囲のIRスペクトルをそれぞれ図11〜図27に示す。また、(FSO2)2NLiにつき、1900〜1600cm−1の範囲のIRスペクトルを図28に示す。図の横軸は波数(cm−1)であり、縦軸は吸光度(反射吸光度)である。
装置:FT−IR(ブルカーオプティクス社製)
測定条件:ATR法(ダイヤモンド使用)
測定雰囲気:不活性ガス雰囲気下
電解液E1、E2、電解液E4〜E6、電解液E8、電解液E9、電解液E11、電解液E13、電解液E16、電解液E19のイオン伝導度を以下の条件で測定した。結果を表4に示す。
Ar雰囲気下、白金極を備えたセル定数既知のガラス製セルに、電解液を封入し、30℃、1kHzでのインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
電解液E1、電解液E2、電解液E4〜E6、電解液E8、電解液E9、電解液E11、電解液E13、電解液E16、電解液E19並びに電解液C1〜C4、電解液C6〜C8の粘度を以下の条件で測定した。結果を表5に示す。
落球式粘度計(AntonPaar GmbH(アントンパール社)製 Lovis 2000 M)を用い、Ar雰囲気下、試験セルに電解液を封入し、30℃の条件下で粘度を測定した。
電解液E2、E4、E8、E11、E13、電解液C1、C2、C4、C6の揮発性を以下の方法で測定した。
電解液E4、電解液C2の燃焼性を以下の方法で試験した。
電解液E2、E8及び電解液C4、C5のLi輸率を以下の条件で測定した。結果を表7に示す。
電解液E2、E8又は電解液C4、C5を入れたNMR管をPFG−NMR装置(ECA−500、日本電子)に供し、7Li、19Fを対象として、スピンエコー法を用い、磁場パルス幅を変化させながら、各電解液中のLiイオン及びアニオンの拡散係数を測定した。Li輸率は以下の式で算出した。
Li輸率=(Liイオン拡散係数)/(Liイオン拡散係数+アニオン拡散係数)
電解液E11、電解液E13、電解液E16、電解液E19をそれぞれ容器に入れ、不活性ガスを充填して密閉した。これらを−30℃の冷凍庫に2日間保管した。保管後に各電解液を観察した。いずれの電解液も固化せず液体状態を維持しており、塩の析出も観察されなかった。
実施例1のリチウムイオン二次電池は、正極と負極と電解液とセパレータとを有する。
実施例2のリチウムイオン二次電池は、電解液として上記の電解液E4を用いた点を除いて、実施例1と同様である。
実施例3のリチウムイオン二次電池は、電解液として電解液E1を用いた点を除いて、実施例1と同様である。
実施例4のリチウムイオン二次電池は、以下のとおり製造した。
正極は、実施例1のリチウムイオン二次電池の正極と同様に製造した。
負極活物質である天然黒鉛90質量部、及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部を混合した。この混合物を適量のイオン交換水に分散させて、スラリーを作製した。負極集電体として厚み20μmの銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布された銅箔を乾燥して水を除去し、その後、銅箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で120℃、6時間加熱乾燥して、負極活物質層が形成された銅箔を得た。これを負極とした。
セパレータとして、厚さ20μmのセルロース製不織布を準備した。
正極と負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに実施例1で用いた電解液E8を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたリチウムイオン二次電池を得た。この電池を実施例4のリチウムイオン二次電池とした。
比較例1のリチウムイオン二次電池は、電解液として上記の電解液C5を用いた点を除いて、実施例1と同様である。
比較例2のリチウムイオン二次電池は、比較例1で用いた電解液C5を用いた以外は、実施例4と同様である。
(1)0℃、SOC20%での出力特性評価
上記の実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池の出力特性を評価した。評価に供した実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池の正極の目付は11mg/cm2であり、負極の目付は8mg/cm2である。評価条件は、充電状態(SOC)20%、0℃、使用電圧範囲3V―4.2V、容量13.5mAhである。SOC20%、0℃は、例えば、冷蔵室などで使用する場合のように出力特性が出にくい領域である。実施例1及び比較例1の出力特性の評価は、それぞれ2秒出力と5秒出力についてそれぞれ3回行った。出力特性の評価結果を表10に示した。表10の中の「2秒出力」は、放電開始から2秒後での出力を意味し、「5秒出力」は放電開始から5秒後での出力を意味している。
表10に示すように、実施例1の電池の0℃、SOC20%の出力は、比較例1の電池の出力に比べて、1.2〜1.3倍高かった。
上記の実施例1及び比較例1の電池の出力特性を、充電状態(SOC)20%、25℃、使用電圧範囲3V―4.2V、容量13.5mAhの条件で評価した。実施例1及び比較例1の出力特性の評価は、それぞれ2秒出力と5秒出力についてそれぞれ3回行った。評価結果を表10に示した。
表10に示すように、実施例1の電池の25℃、SOC20%の出力は、比較例1の電池の出力に比べて、1.2〜1.3倍高かった。
上記の実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池の出力特性に対する、測定時の温度の影響を調べた。0℃と25℃で測定し、いずれの温度下での測定においても、評価条件は、充電状態(SOC)20%、使用電圧範囲3V―4.2V、容量13.5mAhとした。25℃での出力に対する0℃での出力の比率(0℃出力/25℃出力)をもとめた。その結果を表10に示した。
表10に示すように、実施例1の電解液は、比較例1の電解液と同程度に低温での出力低下を抑制できることがわかった。
リチウムイオン二次電池の入力特性を評価した。本評価で用いた電池は、セパレータとして厚み20μmのセルロース不織布を用いた点を除いて、実施例1、4、比較例1,2のリチウムイオン二次電池と同様である。実施例1,4、比較例1,2に対応する電池を、順に実施電池1、4、比較電池1,2とした。評価条件は、充電状態(SOC)80%、0℃又は25℃、使用電圧範囲3V―4.2V、容量13.5mAhとした。入力特性の評価は、2秒入力と5秒入力について電池毎にそれぞれ3回行った。
表11に示すように、温度の違いに関わらず、実施電池1の電池の入力は、比較電池1の電池の入力に比べて、著しく高かった。同様に、実施電池4の電池の入力は、比較電池2の電池の入力に比べて、著しく高かった。
実施電池1、4、比較電池1、2の出力特性を以下の条件で評価した。評価条件は、充電状態(SOC)20%、0℃又は25℃、使用電圧範囲3V―4.2V、容量13.5mAhとした。SOC20%、0℃は、例えば、冷蔵室などで使用する場合のように出力特性が出にくい領域である。出力特性の評価は、2秒出力と5秒出力について電池毎にそれぞれ3回行った。
表11に示すように、温度の違いに関わらず、実施電池1の出力は、比較電池1の出力に比べて、著しく高かった。同様に、実施電池4の出力は、比較電池2の出力に比べて、著しく高かった。
実施例1、2及び比較例1の電池の中の正極と電解液の熱物性試験を行った。
各電池に対し、充電終始電圧4.2V、定電流定電圧条件で満充電した。満充電後のリチウムイオン二次電池を解体し、正極を取り出した。当該正極3mg及び電解液1.8μLをステンレス製のパンに入れ、該パンを密閉した。密閉パンを用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/min.の条件で示差走査熱量分析を行い、DSC曲線を観察した。示差走査熱量測定装置としてRigaku DSC8230を使用した。実施例1と比較例1の測定結果を図29に示し、実施例2と比較例1の測定結果を図30に示した。
図29、図30に示すように、実施例1では300℃付近での発熱が生じなかったが、比較例1では、300℃付近で発熱が生じた。実施例1の電池では、充電中での電解液と正極活物質との反応性が低く、熱物性に優れていることがわかった。
実施例1及び比較例1のレート容量特性を評価した。各電池の容量は、160mAh/gとなるように調整した。評価条件は、0.1C、0.2C、0.5C、1C、2Cの速度で充電を行った後に放電を行い、それぞれの速度における正極の容量(放電容量)を測定した。1Cは、一定電流において1時間で電池を完全充電、又は放電させるために要する電流値を示す。0.1C放電後及び1C放電後の放電容量を表12に示した。表12に示した放電容量は、正極重量当たりの容量の算出値である。
表12に示すように、0.1C放電容量は実施例1と比較例1とで大差がなかったが、1C放電容量は実施例1の方が比較例1よりも大きかった。
実施例5のリチウムイオン二次電池の電解液は、電解液E11を用いた。実施例5のリチウムイオン二次電池の正極、負極、及びセパレータは、実施電池1(セパレータ厚み20μm)と同様のものを用いた。
比較例3のリチウムイオン二次電池の正極、負極、セパレータ及び電解液は、比較電池1のそれらと同様である。
実施例5、比較例3のリチウム二次電池を用い、それぞれ温度25℃、1CのCC充電の条件下において4.1Vまで充電し、1分間休止した後、1CのCC放電で3.0Vまで放電し、1分間休止するサイクルを500サイクル繰り返すサイクル試験を行った。各サイクルにおける放電容量維持率を測定し、結果を図31に示した。500サイクル目における放電容量維持率を表13に示した。放電容量維持率は、各サイクルの放電容量を初回の放電容量で除した値の百分率((各サイクルの放電容量)/(初回の放電容量)×100)で求められる値である。
表13及び図31に示すように、実施例5のように電解液の溶媒としてDMCを用いると、サイクル寿命が向上した。
実施例5及び比較例3のリチウムイオン二次電池を、使用電圧範囲3V〜4.1Vとし、レート1Cで充放電を500回繰り返した。充放電500回後に各電池を解体し、負極を取り出した。正極から電解液に溶出し、負極の表面へ沈着したNi、Mn、Coの量をICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析装置で測定した。測定結果を表15に示す。表15のNi、Mn、Co量(質量%)は負極活物質層1gあたりのNi、Mn、Coの質量を%で示したものであり、Ni、Mn、Co量(μg/枚)は、負極活物質層1枚当たりのNi、Mn、Coの質量(μg)を表し、Ni、Mn、Co量(質量%)÷100×各負極活物質層1枚の質量=Ni、Mn、Co量(μg/枚)の計算式により表出した。
この評価例の評価対象である実施例6,比較例4は、それぞれ実施例1及び比較例1の電池と正極の目付が相違する。実施例6、比較例4については、いずれも正極の目付を5.5mg/cm2とし、負極の目付を4mg/cm2とした。この電極の目付は、評価例18の(1)〜(5)の入力特性及び出力特性の評価で用いた電池の電極の目付の半分、即ち電池容量の半分である。この各電池について以下の3条件で入出力特性を測定した。測定結果を表16に示す。
・充電状態(SOC)30%、−30℃、使用電圧範囲3V―4.2V、2秒出力
・充電状態(SOC)30%、−10℃、使用電圧範囲3V―4.2V、2秒出力
・充電状態(SOC)80%、25℃、使用電圧範囲3V―4.2V、5秒入力
電解液E8、E9、C4、E11、E13,E15、C6につき、以下の条件でラマンスペクトル測定を行った。各電解液の金属塩のアニオン部分に由来するピークが観察されたラマンスペクトルをそれぞれ図32〜図38に示す。図の横軸は波数(cm−1)であり、縦軸は散乱強度である。
装置:レーザーラマン分光光度計(日本分光株式会社NRSシリーズ)
レーザー波長:532nm
不活性ガス雰囲気下で電解液を石英セルに密閉し、測定に供した。
電池1のリチウムイオン二次電池は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同様の構成である。
即ち、電池1で用いられる電解液は電解液E8である。正極の構成は、正極活物質であるLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(NCM253)90質量部、導電助剤であるアセチレンブラック(AB)8質量部、および結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)2質量部からなる正極活物質層と、正極集電体からなる厚み20μmのアルミニウム箔(JIS A1000番系)とからなる。
電池1で用いられる負極は、負極活物質である天然黒鉛98質量部、ならびに結着剤であるSBR1質量部およびCMC1質量部からなる負極活物質層と、負極集電体として厚み20μmの銅箔とからなる。
電池1で用いられるセパレータは、厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池2のリチウムイオン二次電池は電解液E11を用いたものである。
電池2のリチウムイオン二次電池は、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は電池1のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池3のリチウムイオン二次電池は電解液E13を用いたものである。電池3のリチウムイオン二次電池は、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は電池1のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池C1のリチウムイオン二次電池は、電解液C5を用いたものである。電池C1のリチウムイオン二次電池は、電解液の種類、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は電池1のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池1〜電池3および電池C1のリチウムイオン二次電池を準備し、電池の内部抵抗を評価した。
電池1〜電池3および電池C1の各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電(つまり定電流充放電)を繰り返した。そして、初回充放電後の交流インピーダンス、および、100サイクル経過後の交流インピーダンスを測定した。得られた複素インピーダンス平面プロットを基に、電解液、負極および正極の反応抵抗を各々解析した。図39に示すように、複素インピーダンス平面プロットには、二つの円弧がみられた。図中左側(つまり複素インピーダンスの実部が小さい側)の円弧を第1円弧と呼ぶ。図中右側の円弧を第2円弧と呼ぶ。第1円弧の大きさを基に負極の反応抵抗を解析し、第2円弧の大きさを基に正極の反応抵抗を解析した。第1円弧に連続する図39中最左側のプロットを基に電解液の抵抗を解析した。解析結果を表17および表18に示す。なお、表17は、初回充放電後の電解液の抵抗(所謂溶液抵抗)、負極の反応抵抗、正極の反応抵抗、及び拡散抵抗を示し、表18は100サイクル経過後の各抵抗を示す。
電池1〜電池3、電池C1の各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電を繰り返し、初回充放電時の放電容量、100サイクル時の放電容量、および500サイクル時の放電容量を測定した。そして、初回充放電時の各リチウムイオン二次電池の容量を100%とし、100サイクル時および500サイクル時の各リチウムイオン二次電池の容量維持率(%)を算出した。結果を表19に示す。
電解液E8を用いたハーフセルを以下のとおり製造した。
活物質である平均粒径10μmの黒鉛90質量部、及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部を混合した。この混合物を適量のN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、スラリーを作製した。集電体として厚み20μmの銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布された銅箔を乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除去し、その後、銅箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で120℃、6時間加熱乾燥して、活物質層が形成された銅箔を得た。これを作用極とした。なお、銅箔1cm2あたりの活物質の質量は1.48mgであった。また、プレス前の黒鉛及びポリフッ化ビニリデンの密度は0.68g/cm3であり、プレス後の活物質層の密度は1.025g/cm3であった。
対極は金属Liとした。
作用極、対極、及び電解液E8を、径13.82mmの電池ケース(宝泉株式会社製 CR2032型コインセルケース)に収容しハーフセルを構成した。これを電池4のハーフセルとした。
電解液E11を用いた以外は、電池4と同様の方法で、電池5のハーフセルを製造した。
電解液E16を用いた以外は、電池4と同様の方法で、電池6のハーフセルを製造した。
電解液E19の電解液を用いた以外は、電池4と同様の方法で、電池7のハーフセルを製造した。
電解液C5を用いた以外は、電池4と同様の方法で、電池C2のハーフセルを製造した。
電池4〜電池7、電池C2のハーフセルのレート特性を以下の方法で試験した。
ハーフセルに対し、0.1C、0.2C、0.5C、1C、2Cレート(1Cとは一定電流において1時間で電池を完全充電または放電させるために要する電流値を意味する。)で充電を行った後に放電を行い、それぞれの速度における作用極の容量(放電容量)を測定した。なお、ここでの記述は、対極を負極、作用極を正極とみなしている。0.1Cレートでの作用極の容量に対する他のレートにおける容量の割合(レート特性)を算出した。結果を表20に示す。
電池4〜電池7、電池C2のハーフセルの容量維持率を以下の方法で試験した。
各ハーフセルに対し、25℃、電圧2.0VまでCC充電(定電流充電)し、電圧0.01VまでCC放電(定電流放電)を行う2.0V−0.01Vの充放電サイクルを、充放電レート0.1Cで3サイクル行い、その後、0.2C、0.5C、1C、2C、5C、10Cの順で各充放電レートにつき3サイクルずつ充放電を行い、最後に0.1Cで3サイクル充放電を行った。各ハーフセルの容量維持率(%)は以下の式で求めた。
容量維持率(%)=B/A×100
A:最初の0.1C充放電サイクルにおける2回目の作用極の放電容量
B:最後の0.1Cの充放電サイクルにおける2回目の作用極の放電容量
結果を表21に示す。なお、ここでの記述は、対極を負極、作用極を正極とみなしている。
電解液E8を用いた電池8のリチウムイオン二次電池は、上記の実施例1のリチウムイオン二次電池と同様である。正極活物質層中の成分配合比については、NCM523:AB:PVDF=94:3:3であり、セパレータとしては実験用濾紙(東洋濾紙株式会社、セルロース製、厚み260μm)を用いた。電池8のリチウムイオン二次電池における電解液E8は、(FSO2)2NLiの濃度が4.5mol/Lである。電解液E8においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2.4分子が含まれている。
電池9のリチウムイオン二次電池は、電解液として電解液E4を用いたこと以外は電池8のリチウムイオン二次電池と同じものである。電池9のリチウムイオン二次電池における電解液は、溶媒としてのアセトニトリルに、支持塩としての(SO2CF3)2NLi(LiTFSA)を溶解してなる。電解液1リットルに含まれるリチウム塩の濃度は、4.2mol/Lである。電解液は、リチウム塩1分子に対して、2分子のアセトニトリルを含む。
電池10のリチウムイオン二次電池は、電解液として電解液E11を用いたこと以外は電池8のリチウムイオン二次電池と同じものである。電池10のリチウムイオン二次電池における電解液は、溶媒としてのDMCに、支持塩としてのLiFSAを溶解してなる。電解液1リットルに含まれるリチウム塩の濃度は、3.9mol/Lである。電解液は、リチウム塩1分子に対して、2分子のDMCを含む。
電池11のリチウムイオン二次電池は電解液E11を用いたものである。電池11のリチウムイオン二次電池は、電解液の種類、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は電池8のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、正極活物質としてNCM523を用い、正極用の導電助剤としてABを用い、結着剤としてはPVdFを用いた。これは電池8と同様である。これらの配合比は、NCM523:AB:PVdF=90:8:2であった。正極における活物質層の目付量は5.5mg/cm2であり、密度は2.5g/cm3であった。これは以下の電池12〜電池15および電池C3〜電池C5についても同様である。
負極については、負極活物質として天然黒鉛を用い、負極用の結着材としてSBRおよびCMCを用いた。これもまた電池8と同様である。これらの配合比は、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1であった。負極における活物質層の目付量は3.8mg/cm2であり、密度は1.1g/cm3であった。これは以下の電池12〜電池15および電池C3〜電池C5についても同様である。
セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池11のリチウムイオン二次電池における電解液は、溶媒としてのDMCに、支持塩としてのLiFSAを溶解してなる。電解液1リットルに含まれるリチウム塩の濃度は、3.9mol/Lである。電解液は、リチウム塩1分子に対して、2分子のDMCを含む。
電池12のリチウムイオン二次電池は電解液E8を用いたものである。電池12のリチウムイオン二次電池は、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は電池8のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池13のリチウムイオン二次電池は電解液E11を用いたものである。電池13のリチウムイオン二次電池は、電解液の種類、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極用の結着材の種類、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は電池8のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、負極活物質として天然黒鉛を用い、負極用の結着材としてポリアクリル酸(PAA)を用いた。これらの配合比は、天然黒鉛:PAA=90:10であった。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池14のリチウムイオン二次電池は電解液E8を用いたものである。電池14のリチウムイオン二次電池は、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極用の結着材の種類、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は電池8のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:PAA=90:10とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池15のリチウムイオン二次電池は電解液E13を用いたものである。電池15のリチウムイオン二次電池は、正極活物質と導電助剤との混合比、負極用の結着材の種類、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池C3のリチウムイオン二次電池は、電解液C5を用いた以外は、実施例1と同様である。
電池C4のリチウムイオン二次電池は、電解液C5を用いたものである。電池C4のリチウムイオン二次電池は、電解液の種類、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
電池C5のリチウムイオン二次電池は電解液C5を用いたものである。電池C5のリチウムイオン二次電池は、電解液の種類、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、負極用の結着材の種類、負極活物質と結着剤との混合比、およびセパレータ以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。負極については、天然黒鉛:PAA=90:10とした。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
実施例および比較例の電池構成を表22に示す。
以下、必要に応じて、各実施例のリチウムイオン二次電池における負極の表面に形成されているS,O含有皮膜を各実施例の負極S,O含有皮膜と略し、各比較例のリチウムイオン二次電池における負極の表面に形成されている皮膜を各比較例の負極皮膜と略する。
また、必要に応じて、各実施例のリチウムイオン二次電池における正極の表面に形成されている皮膜を各実施例の正極S,O含有皮膜と略し、各比較例のリチウムイオン二次電池における正極の表面に形成されている皮膜を各比較例の正極皮膜と略する。
電池8、電池9および電池C3のリチウムイオン二次電池について、100サイクル充放電を繰り返した後に、電圧3.0Vの放電状態でX線光電子分光分析(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)によりS,O含有皮膜または皮膜表面の分析を行った。前処理としては以下の処理を行った。先ず、リチウムイオン二次電池を解体して負極を取出し、この負極を洗浄および乾燥して、分析対象となる負極を得た。洗浄は、DMC(ジメチルカーボネート)を用いて3回行った。また、セルの解体から分析対象としての負極を分析装置に搬送するまでの全ての工程を、Arガス雰囲気下で、負極を大気に触れさせることなく行った。以下の前処理を電池8、電池9および電池C3の各リチウムイオン二次電池ついて行い、得られた負極検体をXPS分析した。装置としては、アルバックファイ社 PHI5000 VersaProbeIIを用いた。X線源は単色AlKα線(15kV、10mA)であった。XPSにより測定された電池8、電池9の負極S,O含有皮膜および電池C3の負極皮膜の分析結果を図40〜図44に示す。具体的には、図40は炭素元素についての分析結果であり、図41はフッ素元素についての分析結果であり、図42は窒素元素についての分析結果であり、図43は酸素元素についての分析結果であり、図44は硫黄元素についての分析結果である。
上記した負極S,O含有皮膜のXPS分析結果を基に、電池8および電池9の負極S,O含有皮膜および電池C3の負極皮膜における放電時のS元素の比率を算出した。具体的には、各々の負極S,O含有皮膜および負極皮膜につき、S、N、F、C、Oのピーク強度の総和を100%としたときのSの元素比を算出した。結果を表23に示す。
電池8のリチウムイオン二次電池について、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧3.0Vの放電状態にしたもの、および、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧4.1Vの充電状態にしたものを準備し、上記のXPS分析の前処理と同様の方法で分析対象となる負極検体を得た。得られた負極検体をFIB(集束イオンビーム:Focused Ion Beam)加工することにより、厚み100nm程度のSTEM分析用検体を得た。なお、FIB加工の前処理として、負極にはPtを蒸着した。以上の工程は負極を大気に触れさせることなくおこなった。
電池8のリチウムイオン二次電池について、3サイクル充放電を繰り返した後に電圧3.0Vの放電状態にしたもの、3サイクル充放電を繰り返した後に電圧4.1Vの充電状態にしたもの、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧3.0Vの放電状態にしたもの、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧4.1Vの充電状態にしたもの、の4つを準備した。4つの電池8のリチウムイオン二次電池について、それぞれ上述したのと同様の方法を用いて、分析対象となる正極を得た。そして得られた各正極をXPS分析した。結果を図51および図52に示す。なお、図51は酸素元素についての分析結果であり、図52は硫黄元素についての分析結果である。
電池11、電池12、電池15および電池C4の各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電を繰り返し、初回充放電時の放電容量、100サイクル時の放電容量、および500サイクル時の放電容量を測定した。そして、初回充放電時の各リチウムイオン二次電池の容量を100%とし、100サイクル時および500サイクル時の各リチウムイオン二次電池の容量維持率(%)を算出した。結果を表27に示す。
残存容量=100×(貯蔵後のCC−CV放電容量)/(貯蔵前のSOC80容量)
電池8および電池9のリチウムイオン二次電池を、使用電圧範囲3V〜4.2Vとし、レート1Cで充放電を100回繰り返し、充放電100回後に解体し、正極用集電体であるアルミニウム箔を各々取り出し、アルミニウム箔の表面をジメチルカーボネートで洗浄した。
TOF−SIMS(Time−of−Flight Secondary Ion Mass Spectrometry:飛行時間型二次イオン質量分析法)を用いて、電池11の正極S,O含有皮膜に含まれる各分子の構造情報を分析した。
電解液E8を用いたハーフセルを以下のとおり製造した。
径13.82mm、面積1.5cm2、厚み20μmのアルミニウム箔(JIS A1000番系)を作用極とし、対極は金属Liとした。セパレータは、厚み400μmのWhatmanガラスフィルター不織布:品番1825−055を用いた。
作用極、対極、セパレータおよび実施例6の電解液を電池ケース(宝泉株式会社製 CR2032型コインセルケース)に収容しハーフセルを構成した。これを電池A1のハーフセルとした。
電解液E11を用いた以外は、電池A1のハーフセルと同様にして、電池A2のハーフセルを作製した。
電解液E16を用いた以外は、電池A1のハーフセルと同様にして、電池A3のハーフセルを作製した。
電解液E19を用いた以外は、電池A1のハーフセルと同様にして、電池A4のハーフセルを作製した。
電解液E13を用いた以外は、電池A1のハーフセルと同様にして、電池A5のハーフセルを作製した。
電解液C5を用いた以外は、電池A1のハーフセルと同様にして、電池AC1のハーフセルを作製した。
電池C6を用いた以外は、電池A1のハーフセルと同様にして、電池AC2のハーフセルを作製した。
電池A1〜電池A4及び電池AC1のハーフセルに対して、3.1V〜4.6V、1mV/sの条件で5サイクルのサイクリックボルタンメトリー評価を行い、その後、3.1V〜5.1V、1mV/sの条件で5サイクルのサイクリックボルタンメトリー評価を行った。電池A1〜電池A4及び電池AC1のハーフセルに対する電位と応答電流との関係を示すグラフを図65〜図73に示す。
本発明の電解液を以下のとおり製造した。
有機溶媒である1,2−ジメトキシエタン約5mLを、撹拌子及び温度計を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中の1,2−ジメトキシエタンに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを溶液温度が40℃以下を保つように徐々に加え、溶解させた。約13gの(CF3SO2)2NLiを加えた時点で(CF3SO2)2NLiの溶解が一時停滞したので、上記フラスコを恒温槽に投入し、フラスコ内の溶液温度が50℃となるよう加温し、(CF3SO2)2NLiを溶解させた。約15gの(CF3SO2)2NLiを加えた時点で(CF3SO2)2NLiの溶解が再び停滞したので、1,2−ジメトキシエタンをピペットで1滴加えたところ、(CF3SO2)2NLiは溶解した。さらに(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、所定の(CF3SO2)2NLiを全量加えた。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまで1,2−ジメトキシエタンを加えた。得られた電解液は容積20mLであり、この電解液に含まれる(CF3SO2)2NLiは18.38gであった。これを電解液Aとした。電解液Aにおける(CF3SO2)2NLiの濃度は3.2mol/
Lであり、密度は1.39g/cm3であった。密度は20℃で測定した。
なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Aと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が2.8mol/Lであり、密度が1.36g/cm3である、電解液Bを製造した。
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。所定の(CF3SO2)2NLiを加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。これを電解液Cとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.0mol/Lであり、密度が1.31g/cm3である、電解液Dを製造した。
有機溶媒としてスルホランを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.0mol/Lであり、密度が1.57g/cm3である、電解液Eを製造した。
有機溶媒としてジメチルスルホキシドを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.2mol/Lであり、密度が1.49g/cm3である、電解液Fを製造した。
リチウム塩として(FSO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2−ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.0mol/Lであり、密度が1.33g/cm3である、電解液Gを製造した。
電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が3.6mol/Lであり、密度が1.29g/cm3である、電解液Hを製造した。
電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が2.4mol/Lであり、密度が1.18g/cm3である、電解液Iを製造した。
有機溶媒としてアセトニトリルを用いた以外は、電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.0mol/Lであり、密度が1.40g/cm3である、電解液Jを製造した。
電解液Jと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.5mol/Lであり、密度が1.34g/cm3である、電解液Kを製造した。
有機溶媒であるジメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で14.64g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジメチルカーボネートを加えた。これを電解液Lとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Lにおける(FSO2)2NLiの濃度は3.9mol/Lであり、電解液Lの密度は1.44g/cm3であった。
電解液Lと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lであり、密度が1.36g/cm3である、電解液Mを製造した。
有機溶媒であるエチルメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のエチルメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で12.81g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでエチルメチルカーボネートを加えた。これを電解液Nとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Nにおける(FSO2)2NLiの濃度は3.4mol/Lであり、電解液Nの密度は1.35g/cm3であった。
有機溶媒であるジエチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジエチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で11.37g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジエチルカーボネートを加えた。これを電解液Oとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Oにおける(FSO2)2NLiの濃度は3.0mol/Lであり、電解液Oの密度は1.29g/cm3であった。
Claims (14)
- 正極と負極と電解液とを有する非水系二次電池であって、
前記正極は、層状岩塩構造をもつリチウム金属複合酸化物を有する正極活物質をもち、
前記電解液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする金属塩と、ヘテロ元素を有する有機溶媒とを含み、
前記電解液の振動分光スペクトルにおける前記有機溶媒由来のピーク強度につき、前記有機溶媒本来のピークの強度をIoとし、前記ピークがシフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioであることを特徴とする非水系二次電池。 - 前記金属塩のカチオンがリチウムである請求項1に記載の非水系二次電池。
- 前記金属塩のアニオンの化学構造が、ハロゲン、ホウ素、窒素、酸素、硫黄又は炭素から選択される少なくとも1つの元素を含む請求項1又は2に記載の非水系二次電池。
- 前記金属塩のアニオンの化学構造が下記一般式(1)、一般式(2)又は一般式(3)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
(R1X1)(R2X2)N 一般式(1)
(R1は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R2は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X2は、SO2、C=O、C=S、RcP=O、RdP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rb、Rc、Rdは、R1又はR2と結合して環を形成しても良い。)
R3X3Y 一般式(2)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
X3は、SO2、C=O、C=S、ReP=O、RfP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Re、Rfは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Re、Rfは、R3と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R4X4)(R5X5)(R6X6)C 一般式(3)
(R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R5は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R6は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R4、R5、R6のうち、いずれか2つ又は3つが結合して環を形成しても良い。
X4は、SO2、C=O、C=S、RgP=O、RhP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X5は、SO2、C=O、C=S、RiP=O、RjP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X6は、SO2、C=O、C=S、RkP=O、RlP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、R4、R5又はR6と結合して環を形成しても良い。) - 前記金属塩のアニオンの化学構造が下記一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)で表される請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池。
(R7X7)(R8X8)N 一般式(4)
(R7、R8は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
また、R7とR8は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X7は、SO2、C=O、C=S、RmP=O、RnP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X8は、SO2、C=O、C=S、RoP=O、RpP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rm、Rn、Ro、Rpは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rm、Rn、Ro、Rpは、R7又はR8と結合して環を形成しても良い。)
R9X9Y 一般式(5)
(R9は、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X9は、SO2、C=O、C=S、RqP=O、RrP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rq、Rrは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rq、Rrは、R9と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R10X10)(R11X11)(R12X12)C 一般式(6)
(R10、R11、R12は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
R10、R11、R12のうちいずれか2つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。また、R10、R11、R12の3つが結合して環を形成しても良く、その場合、3つのうち2つの基が2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たし、1つの基が2n−1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X10は、SO2、C=O、C=S、RsP=O、RtP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X11は、SO2、C=O、C=S、RuP=O、RvP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X12は、SO2、C=O、C=S、RwP=O、RxP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、R10、R11又はR12と結合して環を形成しても良い。) - 前記金属塩のアニオンの化学構造が下記一般式(7)、一般式(8)又は一般式(9)で表される請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池。
(R13SO2)(R14SO2)N 一般式(7)
(R13、R14は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
また、R13とR14は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+eを満たす。)
R15SO3 一般式(8)
(R15は、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。)
(R16SO2)(R17SO2)(R18SO2)C 一般式(9)
(R16、R17、R18は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
R16、R17、R18のうちいずれか2つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+eを満たす。また、R16、R17、R18の3つが結合して環を形成しても良く、その場合、3つのうち2つの基が2n=a+b+c+d+eを満たし、1つの基が2n−1=a+b+c+d+eを満たす。) - 前記金属塩が(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi、FSO2(CF3SO2)NLi、(SO2CF2CF2SO2)NLi、又は(SO2CF2CF2CF2SO2)NLiである請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記有機溶媒のヘテロ元素が窒素、酸素、硫黄、ハロゲンから選択される少なくとも1つである請求項1〜7のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記有機溶媒が非プロトン性溶媒である請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記有機溶媒がアセトニトリル又は1,2−ジメトキシエタンから選択される請求項1〜9のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記有機溶媒が下記一般式(10)で示される鎖状カーボネートから選択される請求項1〜9のいずれか一項に記載の非水系二次電池。
R19OCOOR20 一般式(10) - 前記有機溶媒がジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート又はジエチルカーボネートから選択される請求項1〜9、11のいずれか一項に記載の非水系二次電池。
- 前記リチウム金属複合酸化物は、一般式:LiaNibCocMndDeOf(0.2≦a≦1.2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)、及びLi2MnO3の群から選ばれる1種からなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
- 前記一般式の中のb:c:dの比率は、0.5:0.2:0.3、1/3:1/3:1/3、0.75:0.10:0.15、0:0:1、1:0:0、及び0:1:0から選ばれる少なくとも1種類である請求項13記載の非水系二次電池。
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