JP2016057146A - サンプリング装置、ボックス機構、及びサンプリング方法 - Google Patents

サンプリング装置、ボックス機構、及びサンプリング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有毒ガスや可燃性ガス等の試料ガスに含まれる金属不純物を安全に捕集することの可能なサンプリング装置、ボックス機構、及びサンプリング方法を提供する。【解決手段】内部を気密可能なボックス21と、一部がボックス21内に収容された試料ガス導入ライン22と、ボックス21内に収容され、試料ガス導入ライン22を介して供給される試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する金属不純物捕集部25と、ボックス21内に一部が収容され、金属不純物捕集部25を通過した試料ガスを排出させる試料ガス排出ライン27と、ボックス21内に不活性ガスを導入させる不活性ガス導入ライン48と、不活性ガス導入ライン48に設けられた流量調整弁49と、ボックス21内のガスを導出するガス導出ライン54と、ガス導出ライン54に設けられた開閉弁57と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、試料ガス中に含まれる金属不純物をサンプリングするサンプリング装置、該金属不純物をサンプリングする際に使用するボックス機構、及びサンプリング方法に関する。
半導体デバイス製造工場や化学薬品工場では、製品の製造工程において、半導体材料ガス等の有毒ガスや、水素またはメタン等の可燃性ガスを工場内の装置で使用している。有毒ガスや可燃性ガスの品質が装置に安定して供給されることは、品質の高い商品を製造する上で重要である。
このため、工場内の装置に供給するガス(有毒ガス及び/または可燃性ガス)中の成分を定期的に測定して、所定の品質を満足していることを確認する必要がある。ガスの品質管理の項目の1つとして、該ガス中に含まれる金属不純物の濃度がある。
特許文献1には、空気中のガス・粒子成分を捕集可能な捕集器具と吸引装置及び排気装置を接続して一纏めのセットにし、かつこれらの器具を搬送可能な非金属性の箱(空気を導くための開口部が設けられた箱)に収納して、人力または軽便な車載による容易な搬送を可能にしたサンプリングキットが開示されている。
また、特許文献1には、酸溶液を予め封入したポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂をサンプリング地点に持ち込み、試料ガスを通気させて、試料ガス中に含まれる金属を溶解させて捕集する技術が開示されている。
特許文献2には、液体または気体に含まれる微量成分を捕集体によって捕集し、捕集体を表面分析装置によって測定することにより、微量成分を定量分析する方法において、捕集体を複数枚重ねたものに対して微量成分を含む液体または気体を通過させて、微量成分を捕集体にそれぞれ捕集し、これら捕集体をそれぞれ表面分析装置で測定したときに得られる複数の測定結果に基づいて連立方程式を作成し、この連立方程式を解くことによって微量成分の濃度を求めることが開示されている。
特開平7−151653号公報 特開2004−157014号公報
しかしながら、特許文献1は、空気中のガス・粒子成分を捕集するためのサンプリングキットであり、工場内にあるガス供給管に流れる有毒ガスや可燃性ガスを分析するための装置ではない。このため、特許文献1に開示された技術では、上記ガスに含まれる金属不純物を分析することができないという問題があった。
また、特許文献1に開示されたサンプリングキットでは、箱に閉じられることのない開口部が設けられている。このため、サンプリングを実施する際、箱内における気密性を十分に確保することができないため、有毒ガスや可燃性ガスが漏れた場合には、作業者が危険にさらされてしまう。
仮に、サンプリングキットの吸引口とガス供給管とを接続させたとしても、使用者にとって安全な環境でサンプリングすることができないという問題があった。
一方、特許文献2には、液体または気体に含まれる微量成分を捕集するカートリッジを覆う構成が開示されていないため、工場内にあるガス供給管に流れる有毒ガスや可燃性ガスを安全に分析することについてなんら考慮されていない。
そこで、本発明は、有毒ガスや可燃性ガス等の試料ガスに含まれる金属不純物を安全に捕集することの可能なサンプリング装置、ボックス機構、及びサンプリング方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、ボックス本体、該ボックス本体に対して開閉可能な蓋体、及び該ボックス本体と該蓋体との間に配置されたシール部材を有し、該蓋体が閉じた状態で内部を気密するボックスと、試料ガスが供給される試料ガス供給ラインと接続され、一部が前記ボックス内に収容された試料ガス導入ラインと、前記ボックス内に収容されると共に、前記試料ガス導入ラインの一端と接続され、前記試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する金属不純物捕集部と、前記ボックス内に一部が収容され、かつ一端が前記金属不純物捕集部と接続され、前記金属不純物捕集部を通過した前記試料ガスを排出させる試料ガス排出ラインと、前記ボックス内に不活性ガスを導入させる不活性ガス導入ラインと、前記不活性ガス導入ラインに設けられ、前記不活性ガスの流量を調整する流量調整弁と、前記ボックス内のガスを導出するガス導出ラインと、前記ガス導出ラインに設けられた開閉弁と、を有することを特徴とするサンプリング装置が提供される。
また、請求項2に係る発明によれば、前記ボックス内の圧力を測定する圧力計と、前記ガス導出ラインのうち、前記開閉弁の後段に配置され、前記圧力計の値が所定の閾値以上になった際、前記ボックス内の前記不活性ガスを下流側に放出する安全弁と、を有することを特徴とする請求項1記載のサンプリング装置が提供される。
また、請求項3に係る発明によれば、前記ボックスと接続された真空排気ラインと、前記真空排気ラインに設けられた真空排気弁と、前記真空排気弁の後段に位置する前記真空排気ラインに設けられたポンプと、を有することを特徴とする請求項1または2記載のサンプリング装置が提供される。
また、請求項4に係る発明によれば、前記試料ガス排出ラインのうち、前記ボックスの外側に位置する部分に設けられ、前記試料ガス排出ラインを流れる前記試料ガスの流量を計測する流量計と、前記試料ガス導入ラインのうち、前記ボックスの外側に位置する部分に設けられ、前記流量計が計測する前記試料ガスの流量に基づいて、前記試料ガス導入ラインを流れる前記試料ガスの圧力を調整する圧力調整弁と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載のサンプリング装置が提供される。
また、請求項5に係る発明によれば、前記試料ガス導入ラインのうち、前記ボックスの内部に位置する部分に設けられた第1の弁と、前記試料ガス排出ラインのうち、前記ボックスの内部に位置する部分に設けられた第2の弁と、前記ボックス内に配置され、かつ前記第1及び第2の弁をバイパスするように、前記試料ガス導入ライン及び前記試料ガス排出ラインと接続されたバイパスラインと、前記バイパスラインに設けられた第3の弁と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のうち、いずれか1項記載のサンプリング装置が提供される。
また、請求項6に係る発明によれば、試料ガス中に含まれる金属不純物を捕集する金属不純物捕集部、該金属不純物捕集部に前記試料ガスを供給する試料ガス導入ライン、及び前記金属不純物捕集部を通過した試料ガス排出ラインを含む金属不純物捕集部に適用可能なボックス機構であって、ボックス本体、該ボックス本体に対して開閉可能な蓋体、及び該ボックス本体と該蓋体との間に配置されたシール部材を有し、前記金属不純物捕集部、前記試料ガス導入ラインの一部、及び前記試料ガス排出ラインの一部を気密した状態で収容可能なボックスと、前記不活性ガス導入ラインに設けられ、前記不活性ガスの流量を調整する流量調整弁と、前記ボックス内のガスを導出するガス導出ラインと、前記ガス導出ラインに設けられた開閉弁と、を有することを特徴とするボックス機構が提供される。
また、請求項7に係る発明によれば、前記ボックス内の圧力を測定する圧力計と、前記ガス導出ラインのうち、前記開閉弁の後段に配置され、前記圧力計の値が所定の閾値以上となった際、前記ガスを下流側に流すことで、前記ボックス内の圧力を一定に保持する安全弁と、を有することを特徴とする請求項6記載のボックス機構が提供される。
また、請求項8に係る発明によれば、気密されたボックス内に一部が収容された試料ガス導入ラインを介して、前記ボックス内に配置された金属不純物捕集部に試料ガスを供給することで、前記金属不純物捕集部により、前記試料ガスに含まれる金属不純物を捕集すると共に、前記ボックス内に一部が収容された試料ガス排出ラインを介して、前記金属不純物捕集部を通過した前記試料ガスを排出する捕集工程を含み、前記捕集工程では、前記ボックス内に不活性ガスを導入することで、前記ボックス内の圧力を、前記試料ガス導入ライン、及び前記試料ガス排出ラインを流れる前記試料ガスの圧力よりも高くすることを特徴とするサンプリング方法が提供される。
また、請求項9に係る発明によれば、前記捕集工程後、前記金属不純物捕集部への前記試料ガスの供給を停止させ、前記試料ガス導入ライン及び前記試料ガス排出ラインに不活性ガスを供給して、前記試料ガスを排出させる試料ガス排出工程と、前記試料ガス排出工程後、前記ボックス内への前記不活性ガスの導入を停止させ、該ボックス内から前記不活性ガスを排気させて、該ボックス内の圧力を大気圧にした後、該ボックスを開けて、前記金属不純物捕集部を回収する捕集部回収工程と、を含むことを特徴とする請求項8記載のサンプリング方法が提供される。
また、請求項10に係る発明によれば、前記捕集工程を行う前に、前記ボックス内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程と、前記ボックス内に導入した該不活性ガスを排気する不活性ガス排気工程と、を繰り返し行うことを特徴とする請求項8または9記載のサンプリング方法が提供される。
本発明によれば、有毒ガスや可燃性ガス等の試料ガスに含まれる金属不純物を安全に捕集することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るサンプリング装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示すサンプリング装置を構成するボックスの蓋体が開いた状態を模式的に示す斜視図ある。 図1に示すサンプリング装置を構成する蓋体を除去した状態で、サンプリング装置を平面視した平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るボックス機構の概略構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際のサンプリング装置及びボックス機構の寸法関係とは異なる場合がある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るサンプリング装置の概略構成を示す斜視図である。図1では、サンプリング装置10を構成するボックス21の蓋体78が閉じた状態を模式的に示している。
図2は、図1に示すサンプリング装置を構成するボックスの蓋体が開いた状態を模式的に示す斜視図ある。図2では、サンプリング装置10を構成するボックス21のみ図示する。また、図2では、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図3は、図1に示すサンプリング装置を構成する蓋体を除去した状態で、サンプリング装置を平面視した平面図である。図3では、工場側の設備と接続されたサンプリング装置10を模式的に図示している。図3では、サンプリング装置10の構成要素ではない工場側の設備(具体的には、試料ガス供給ライン11、接続部12,14,17,19、排気ライン13,16、及び不活性ガス供給ライン18)を点線で図示する。
また、図3において、図1及び図2に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図1〜図3を参照して、第1の実施の形態のサンプリング装置10について説明する。
第1の実施の形態のサンプリング装置10は、半導体デバイス製造工場内、或いは化学薬品工場内(以下、これらの工場を単に「工場」という)において、有毒ガス(例えば、モノシラン、ホスフィン等の半導体材料ガス)や可燃性ガス(例えば、水素、メタン等)等のガス(以下、「試料ガス」という)を使用先である装置(製品を生産する装置)に供給する前の段階で、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集するための装置である。
また、サンプリング装置10は、使用者が携帯可能な大きさ及び重量とされた装置であり、工場内に設けられた試料ガス供給ライン11、及び除害装置(例えば、燃焼式排ガス処理装置)と接続された排気ライン13,16と接続された状態で使用される。
なお、試料ガス供給ライン11は、試料ガス供給源及び不活性ガス供給源(共に図示せず)と接続されており、図示していないバルブ等を切り替えることで、接続部23と接続部12とが接続された状態で、試料ガス供給ライン11に試料ガスを供給するか、或いは不活性ガスを供給するかの選択を行うことができる。
サンプリング装置10は、ボックス21と、試料ガス導入ライン22と、接続部23,28,52,55と、金属不純物捕集部25と、試料ガス排出ライン27と、圧力調整弁31と、第1の弁32と、作動ガス供給ライン33,36,44と、第2の弁35と、流量計38と、バイパスライン41と、第3の弁43と、圧力計46と、圧力測定用ライン47と、不活性ガス導入ライン48と、流量調整弁49と、ガス導出ライン54と、開閉弁57と、安全弁58と、真空排気ライン61と、真空排気弁63と、ポンプ64と、排気ライン66と、排気弁68と、を有する。
ボックス21は、耐圧性を有する構造体(例えば、0.30MPa以上の圧力に耐え得る構造体)であり、ボックス本体71と、複数のパッキン72と、支持部材73と、係止部材74と、シール部材76,84と、蓋体78と、蝶番81と、受け部材83と、を有する。
ボックス本体71は、高さの等しい側壁板71−1〜71−4と、矩形とされた底板71−5と、で構成されている。
側壁板71−1は、側壁板73−1と対向するように配置されている。側壁板71−1には、貫通孔71A〜71Cが設けられている。貫通孔71Aには、パッキン72を介して、試料ガス導入ライン22が挿入されている。パッキン72としては、例えば、樹脂製パッキン(例えば、シリコーン樹脂製パッキン)やOリング等を用いることができる。
このようなパッキン72を介して、貫通孔71Aに試料ガス導入ライン22を挿入することで、ボックス21の気密性を高めることができる。
貫通孔71Bには、パッキン72を介して、試料ガス排出ライン27が挿入されている。貫通孔71Cには、パッキン72を介して、作動ガス供給ライン44が挿入されている。
側壁板71−2は、側壁板71−4と対向するように配置されている。側壁板71−2には、貫通孔71E,71Fが設けられている。貫通孔71Eには、パッキン72を介して、作動ガス供給ライン33が挿入されている。貫通孔71Fには、パッキン72を介して、不活性ガス導入ライン48が挿入されている。
側壁板71−3には、貫通孔71Gが設けられている。貫通孔71Gには、パッキン72を介して、圧力測定用ライン47が挿入されている。
側壁板71−4には、貫通孔71H〜71Jが設けられている。貫通孔71Hには、パッキン72を介して、作動ガス供給ライン36が挿入されている。貫通孔71Iには、パッキン72を介して、真空排気ライン61が挿入されている。貫通孔71Jには、パッキン72を介して、ガス導出ライン54が挿入されている。
支持部材73は、側壁板71−4の上端部の外側に複数(図1及び図2では、一例として2つ)設けられている。支持部材73は、係止部材74を回動可能に支持している。
係止部材74は、図2に示す状態から図1に示すように蓋体78が閉じられた際、受け部材83に係止される部材である。係止部材74を受け部材83に係止させることで、ボックス21の内部(ボックス21内の空間)が気密される。
シール部材76は、ボックス本体71の上端面71aに配置されている。このようなシール部材76を設けることで、ボックス21内の気密性を向上させることができる。
蓋体78は、ボックス本体71の上端面71aと対向可能な下端面78aと、対向配置された側壁板78−1,78−2と、を有する。蓋体78が閉じた状態において、側壁板78−1は、側壁板71−2の上方に配置され、側壁板78−2は、側壁板71−4の上方に配置される。
蝶番81は、側壁板71−2の上端部の外側と側壁板78−1の下端部の外側とを連結するように複数(図2では、一例として2つ)設けられている。このような蝶番81を有することで、蓋体78の開閉を容易に行うことができる。
受け部材83は、係止部材74を係止可能な形状とされており、側壁板78−2の下端部の外側に複数(図2では、一例として2つ)設けられている。
ボックス本体71及び蓋体78の材料としては、例えば、ステンレスやアクリル樹脂等を用いることができる。
試料ガス導入ライン22は、その一端が金属不純物捕集部25と接続されており、他端が、接続部23を介して、試料ガスを工場内の製品製造装置に供給する試料ガス供給ライン11と接続されている。試料ガス導入ライン22は、その一部がボックス21内に収容されている。試料ガス導入ライン22は、試料ガスを金属不純物捕集部25に導入させるためのラインである。
接続部23は、試料ガス導入ライン22の他端に設けられている。接続部23は、試料ガス供給ライン11の端に設けられた接続部12と接続されている。接続部23は、接続部12に対して着脱可能な構成とされている。
金属不純物捕集部25は、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集するための部分であり、ボックス21内に収容されている。金属不純物捕集部25は、試料ガス排出ライン27の一端と接続されている。金属不純物捕集部25は、試料ガス導入ライン22及び試料ガス排出ライン27に対して着脱可能な構成とされている。
金属不純物捕集部25は、試料ガス導入ライン22から供給され、かつ金属不純物が捕集された試料ガスを試料ガス排出ライン27に排出する。
金属不純物捕集部25は、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集可能なものであればよいが、例えば、耐酸化性を有するメンブレンフィルター(例えば、メッシュサイズが0.05〜0.50μm、試料ガスの流れ方向の厚さが30〜100μm)と、メンブレンフィルターを収容するステンレス製カートリッジと、を含む捕集部を用いることができる。
メンブレンフィルターの材料としては、例えば、フッ素系樹脂を用いることができる。試料ガスが半導体材料ガスの場合、フッ素系樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を用いるとよい。
試料ガス排出ライン27は、接続部14,28を介して、排気ライン13(図示していない除害装置と接続されたライン)と接続されている。試料ガス排出ライン27は、その一部がボックス21内に配置されている。試料ガス排出ライン27は、金属不純物捕集部25を通過した試料ガスを排気ライン13に排気する。
このような構成とすることで、金属不純物の捕集に利用した試料ガスを除害装置内で無害化させることができる。
接続部28は、試料ガス排出ライン27の他端に設けられている。試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する際、接続部28は、排気ライン13の端に設けられた接続部14と接続される。接続部28は、接続部14に対して着脱可能な構成とされている。
圧力調整弁31は、接続部23とボックス21との間に位置する試料ガス導入ライン22に設けられている。圧力調整弁31は、試料ガスに対して耐性を有する材料で構成されている。
圧力調整弁31は、流量計38が測定する試料ガス排出ライン27を流れる試料ガスの流量に基づいて、金属不純物捕集部25に供給する試料ガスの圧力を調整する。
第1の弁32は、試料ガス導入ライン22のうち、ボックス21の内部に位置する部分に設けられ、かつ第1の弁32を作動させるガス(例えば、空気または不活性ガス等の作動ガス)を供給する作動ガス供給源(図示せず)と接続された作動ガス供給ライン33と接続されている。
第1の弁32は、ガス作動式弁であり、作動ガス供給ライン33を介して供給される作動ガスにより作動する。第1の弁32が開くと、第1の弁32の下流側に試料ガスが供給され、第1の弁32が閉じると試料ガスの供給が停止される。
このように、第1の弁32としてガス作動式弁を用いることで、第1の弁32の開閉をボックス21の外側から制御することができる。
第2の弁35は、試料ガス排出ライン27のうち、ボックス21の内部に位置する部分に設けられている。第2の弁35は、作動ガス供給源(図示せず)と接続された作動ガス供給ライン36と接続されている。第2の弁35は、第1の弁32と同様な構成とされており、第1の弁32と同様な効果を得ることができる。
流量計38は、試料ガス排出ライン27のうち、ボックス21の外側に位置する部分に設けられている。流量計38は、試料ガス排出ライン27を流れる試料ガスの流量を計測する。
バイパスライン41は、ボックス21内に収容されている。バイパスライン41は、第1及び第2の弁32,35をバイパスするように、試料ガス導入ライン22及び試料ガス排出ライン27と接続されている。
第3の弁43は、バイパスライン41に設けられている。第3の弁43は、作動ガス供給源(図示せず)と接続された作動ガス供給ライン44と接続されている。第3の弁43は、第1の弁32と同様な構成とされており、第1の弁32と同様な効果を得ることができる。
上記説明したようなバイパスライン41、及び第1乃至第3の弁32,35,43を設け、第1乃至第3の弁32,35,43を適宜開閉させることで、試料ガス導入ライン22及び試料ガス排出ライン27のうち、バイパスライン41の接続位置と接続部23,28との間に位置する部分のパージ処理を行うことが可能になると共に、パージ処理後、第1乃至第3の弁32,35,43を切り替えることで、試料ガス導入ライン22への試料ガスの供給を停止させることなく、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集することができる。
圧力計46は、ボックス21と接続された圧力測定用ライン47を介して、ボックス21内の圧力を測定可能な状態でボックス21の外側に配置されている。圧力計46としては、例えば、ブルドン管式圧力計を用いることが好ましい。
不活性ガス導入ライン48は、その一端がボックス21と接続されており、接続部19,52を介して、他端が不活性ガス供給ライン18(不活性ガス供給源(図示せず)と接続されたライン)と接続されている。
試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する際、不活性ガス導入ライン48は、ボックス21内に不活性ガス(例えば、アルゴンまたは窒素等)を導入することで、ボックス21内の圧力を、試料ガス導入ライン22内の圧力、及び試料ガス排出ライン27内の圧力よりも高くする。
ボックス21内の圧力が0.10〜0.20MPaの範囲内の場合、試料ガス導入ライン22及び試料ガス排出ライン27を流れる試料ガスの圧力は、例えば、0.05〜0.08MPaの範囲内で設定することができる。
このように、ボックス21内の圧力を、試料ガス導入ライン22内の圧力、及び試料ガス排出ライン27内の圧力よりも高くすることで、試料ガス導入ライン22及び試料ガス排出ライン27から試料ガスが漏れた場合でも、試料ガスの漏えい量が増加することを抑制できる。
流量調整弁49は、ボックス21の外側に位置する不活性ガス導入ライン48に設けられている。流量調整弁49は、ボックス21内に導入させる不活性ガスの流量を調整するための弁である。流量調整弁49としては、例えば、ニードルバルブを用いることができる。
このように、不活性ガスの流量を調整する流量調整弁49として、ニードルバルブを用いることにより、不活性ガスの導入により、ボックス21内の圧力が急激に上昇することを抑制可能となるので、ボックス21の破損を抑制することができる。
ガス導出ライン54は、その一端がボックス21と接続され、他端が接続部17,55を介して、排気ライン16と接続されている。ガス導出ライン54は、ボックス21内のガス(主に、不活性ガス)をボックス21の外に導出するためのラインである。
開閉弁57は、ボックス21の外側に位置するガス導出ライン54に設けられている。開閉弁57を閉じると、開閉弁57の下流側へのガスの導出が停止される。
安全弁58は、開閉弁57の後段(下流側)に位置するガス導出ライン54に設けられている。安全弁58は、圧力計46が測定する圧力の値が予め設定された所定の閾値以上となった際、ボックス21内のガス(主に、不活性ガス)を下流側に流す。
このような安全弁58を設けることにより、不活性ガスが導入されたボックス21内の圧力を一定に保持することが可能になると共に、ボックス21内の圧力上昇に起因するボックス21の破損を抑制することができる。
真空排気ライン61は、一端がボックス21と接続されている。真空排気弁63は、ボックス21の外側に配置された真空排気ライン61に設けられている。
ポンプ64は、真空排気弁63の後段(下流側)に位置する真空排気ライン61に設けられている。ポンプ64は、ボックス21が気密された状態で、流量調整弁49及び排気弁68が閉じ、真空排気弁63が開いた状態の時に、ボックス21内を真空引きする。
上記真空排気ライン61、真空排気弁63、及びポンプ64を有することで、ボックス21内を真空排気することが可能となる。これにより、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する前の段階において、ボックス21内への不活性ガスの導入(不活性ガス導入工程)と、ボックス21内の不活性ガスの排気(不活性ガス排気工程)と、を繰り返し行うことが可能となるため、ボックス21内の酸素ガス濃度を速やかに低下することができる。すなわち、有毒ガスや可燃性ガス等の試料ガスと酸素ガスとの反応による爆発等の危険性を低下させることができる。
排気ライン66は、真空排気ライン61から分岐されたラインであり、図示していない除害装置(例えば、燃焼式排ガス処理装置)と接続されている。
排気弁68は、排気ライン66に設けられている。排気弁68が開くと、ボックス21内のガスが排気される。
第1の実施の形態のサンプリング装置によれば、金属不純物捕集部を収容するボックス21と、ボックス21内に不活性ガスを導入させる不活性ガス導入ライン48と、不活性ガス導入ライン48に設けられた流量調整弁49と、ボックス21内のガスを導出するガス導出ライン54と、を有することで、気密されたボックス21内で、試料ガス導入ライン22内及び試料ガス排出ライン27内の圧力よりもボックス21内の圧力を高くさせた状態で試料ガスに含まれる金属不純物を捕集することが可能となる。
これにより、気密された空間内において、有毒ガス(例えば、半導体材料ガス等)や可燃性ガス(例えば、水素またはメタン等)等の試料ガスを安全に捕集することができる。
なお、上記構成とされたサンプリング装置10は、例えば、重さが10kg、ボックス21のサイズが縦20cm×横25cm×高さ15cm程度で構成することの可能な装置であるため、作業者が1人で容易に工場内を運搬して使用することができる。
つまり、1台のサンプリング装置10を有することで、工場内の様々な場所の様々な種類の試料ガスに含まれる金属不純物を捕集することができる。
また、図3では、一例として、試料ガス排出ライン27及びガス導出ライン54を異なる排気ライン13,16と接続させた場合を例に挙げて説明したが、試料ガス排出ライン27及びガス導出ライン54は、同じ排気ラインに接続させてもよい。
次に、主に、図1〜図3を参照して、サンプリング装置10を用いた第1の実施の形態のサンプリング方法について説明する。
<金属不純物捕集部の作製、及びサンプリング装置の設置>
始めに、工場内のクリーンルーム等の清浄度が確保された環境下において、金属不純物捕集部25を組み立てる。
次いで、ボックス21の蓋体78を開け、金属不純物捕集部25を所定の位置に設置する。その後、係止部材74を受け部材83に係合させることで、ボックス21内の空間を気密する。
次いで、工場内の目的の場所(試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する場所)にサンプリング装置10を運搬し、図3に示すように、サンプリング装置10の接続部23,28,52,55と工場側の設備である接続部12,14,17,19とを接続させる。
このとき、作動ガス供給ライン33,36,44は、例えば、工場内のエア供給用ライン(図示せず)と接続させる。また、排気ライン66は、排気ライン13,16(除害装置と接続されたライン)のうち、どちらか一方のラインと接続させる。
そして、試料ガス供給ライン11から不活性ガスが供給可能なように、バルブ(図示せず)を切り替える。
<試料ガス導入ライン、及び試料ガス排出ラインの不活性ガスパージ処理>
次いで、第1及び第2のバルブ32,35を開け、第3の弁43を閉じた後、試料ガス導入ライン22に、圧力調整弁31により所定の圧力とされた不活性ガスを一定時間供給することで、試料ガス導入ライン22内及び試料ガス排出ライン27内に残存する不純物成分(例えば、酸素、金属成分、パーティクル等)を除去する。その後、第1及び第2のバルブ32,35を閉じる。
<ボックス内への不活性ガスの導入処理>
次いで、流量調整弁49及び排気弁68を開け、開閉弁57及び真空排気弁63を閉じた後、不活性ガス導入ライン48を介して、ボックス21内に所定の圧力とされた不活性ガスを導入し、排気ライン66を介して、ボックス22内に存在する酸素を排気させる(不活性ガス導入工程)。
酸素を排気させることにより、漏洩した試料ガスと酸素ガスとの反応による爆発あるいは燃焼を防止することができる。また、モノシラン等の半導体材料ガスの場合は、生成物として二酸化ケイ素が発生し、ボックス21内や排気後の周囲の環境が汚染されるのを防止することができる。
このとき、流量調整弁49の開度を調節して、ボックス21内の急激な圧力上昇を抑制することで、ボックス21の破損を抑制できる。
次いで、流量調整弁49及び排気弁68を閉じ、真空排気弁63を開けた後、ポンプ64を用いて、ボックス21内に導入させた不活性ガスを排気する(不活性ガス排気工程)。
不活性ガス排気工程は、圧力計46の値が所定の真空値に到達した時点で終了する。その後、上記説明した不活性ガス導入工程と、不活性ガス排気工程と、を繰り返し行う。
不活性ガス導入工程及び不活性ガス排気工程よりなる処理を繰り返す回数は、例えば、5回以上とすることができる。
このように、捕集工程(試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する工程)を行う前に、ボックス21内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程と、ボックス21内に導入した該不活性ガスを排気する不活性ガス排気工程と、を繰り返し行うことで、ボックス21内に酸素が残存しなくなるため、有毒ガスや可燃性ガス等の試料ガスと酸素ガスとの反応による爆発等の危険性を低下させることができる。
そして、最後の不活性ガス排気工程が終了後、安全弁58が機能するように、開閉弁57を開けた後、不活性ガス導入ライン48を介して、ボックス21内に不活性ガスを導入する。
これにより、不活性ガスの導入後、圧力計46の値が所定の閾値以上となった際、ボックス21内の不活性ガスを安全弁58の下流側に放出することが可能となるので、ボックス21が破損することを抑制できる。
<サンプリング装置への試料ガスの供給の準備>
次いで、試料ガス供給ライン11から試料ガスが供給可能なように、図示していないバルブを切り替える。これにより、サンプリング装置10に試料ガスが供給可能な状態となる。
<試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する捕集工程>
次いで、ボックス21内に、不活性ガスを供給させた状態で、試料ガス導入ライン22に試料ガスを供給し、金属不純物捕集部25により、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する。具体的には、下記手順により、金属不純物の捕集処理を行う。
始めに、第3の弁43を開け、第1及び第2の弁32,35を閉じる。次いで、試料ガス導入ライン22に試料ガスを一定時間供給することで、試料ガス導入ライン22の一部、試料ガス排出ライン27の一部、及びバイパスライン41に付着した金属不純物を除去する。
このとき、試料ガスは、圧力調整弁31及び流量計38により、所定の圧力及び流量となるように調整される。
次いで、速やかに、第1及び第2の弁32,35を開け、第3の弁43を閉じることで、所定の流量とされた試料ガスが金属不純物捕集部25を通過し、金属不純物捕集部25により、試料ガスに含まれる金属不純物が捕集される(捕集工程)。
このとき、既定の体積分の流量の試料ガスが金属不純物捕集部25を通過するように、所定時間、試料ガスを供給する。
このように、第1〜第3の弁32,35,43を切り替えることで、試料ガスの圧力の変動を抑制した上で、バイパスライン41に流れる試料ガスの供給を停止させることなく、試料ガスに含まれる金属不純物を精度良く捕集することができる。
上記捕集工程では、ボックス21内に不活性ガスを導入することで、ボックス21内の圧力を、試料ガス導入ライン22、及び試料ガス排出ライン27を流れる試料ガスの圧力よりも高くするとよい。
これにより、気密された空間内において、有毒ガス(例えば、半導体材料ガス等)や可燃性ガス(例えば、水素またはメタン等)等の試料ガスを安全に捕集することができる。
また、捕集工程では、ボックス21内の圧力が一定の圧力となるように調節するとよい。このように、捕集工程において、ボックス21内の圧力を一定にすることで、試料ガスが漏えいした際の試料ガス導入ライン22、及び試料ガス排出ライン27の圧力変動を抑えることができ、試料ガス導入ライン22、及び試料ガス排出ライン27に付着した金属パーティクルの発生を抑制することができる。
また、上記捕集工程の期間中において、流量計38を経由して流れる試料ガスは、例えば、工場内にある除害装置により無害化される。
<試料ガス排出工程>
次いで、第1及び第2の弁32,35が開いた状態で、第3の弁43を開ける。次いで、試料ガス供給ライン11から不活性ガスを供給可能なように、図示していないバルブを切り替える。
次いで、試料ガス供給ライン11を介して、試料ガス導入ライン22に不活性ガスを供給することで、不活性ガスと共に、試料ガス導入ライン22、試料ガス排出ライン27、及びバイパスライン41に残存する試料ガスを排気ライン13に排出させる。その後、試料ガス導入ライン22への不活性ガスの供給を停止させる。
このような試料ガス排出工程を有することで、金属不純物捕集部25を取り出す前の段階で、半導体材料ガス等の有毒なガスや、水素またはメタン等の可燃性ガス等の試料ガスをサンプリング装置10の外に排出させることが可能となるため、蓋体78を開けて、安全に金属不純物捕集部25を取り出すことができる。
なお、排気ライン13に排出された試料ガス及び不活性ガスよりなる混合ガスは、例えば、排気ライン13と接続された除害装置(図示せず)により無害化される。
<捕集部回収工程>
次いで、第1〜第3の弁32,35,43を閉じる。次いで、不活性ガス導入ライン48によるボックス21内への不活性ガスの導入を停止させ、排気弁68を開けることで、ボックス21内の圧力を大気圧にする。これにより、安全な状態で蓋体78を開けることが可能となる。次いで、蓋体78を開けて、金属不純物捕集部25を回収する。
第1の実施の形態のサンプリング方法によれば、気密されたボックス21内に配置された金属不純物捕集部25に試料ガスを供給することで、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集すると共に、気密されたボックス21内に一部が収容された試料ガス排出ライン27を介して、金属不純物捕集部25を通過した試料ガスを排出する捕集工程において、ボックス21内に不活性ガスを導入することで、ボックス21内の圧力を、試料ガス導入ライン22、及び試料ガス排出ライン27を流れる前記試料ガスの圧力よりも高くすることにより、気密されたボックス21内において、試料ガス(例えば、半導体材料ガス等の有毒ガスや、水素またはメタン等の可燃性ガス等)を安全に捕集することができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るボックス機構の概略構成を示す斜視図である。図2において、図1〜図3に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図4を参照するに、第2の実施の形態に係るボックス機構90は、工場側の設備が排気ライン16、接続部17,19,52,55、不活性ガス供給ライン18、試料ガス導入ライン22、金属不純物捕集部25、試料ガス排出ライン27、圧力調整弁31、第1〜第3の弁32,35,43、作動ガス供給ライン33,36,44、流量計38、及びバイパスライン41で構成されている場合において、気密された空間内で試料ガスに含まれる金属不純物を捕集可能な機構である。
ボックス機構90は、ボックス91と、圧力計46と、圧力測定用ライン47と、不活性ガス導入ライン48と、流量調整弁49と、接続部52,55と、ガス導出ライン54と、開閉弁57と、安全弁58と、真空排気ライン61と、真空排気弁63と、ポンプ64と、排気ライン66と、排気弁68と、を有する。
ボックス91は、図1に示す蓋体78とボックス本体71との境界が71A〜71C,71E,71Hを通過可能な位置に配置されていること以外は、図1に示すボックス21と同様な構成とされている。
このような構成とすることで、金属不純物捕集部25、圧力調整弁31、第1〜第3の弁32,35,43、及びバイパスライン41を気密されたボックス91内に収容させた状態で、試料ガスに含まれる金属不純物を安全に捕集することができる。
上記構成とされたボックス機構90を用いた場合、第1の実施の形態で説明したサンプリング方法と同様な手法により、試料ガスに含まれる金属不純物を捕集することができる。
以下、実施例について説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
(実施例)
実施例では、図1及び図3に示すサンプリング装置10を用いて、試料ガスであるモノシランガスに含まれる金属不純物を安全に捕集可能かどうかの実験を行った。このとき、安全弁58の所定の閾値として0.2MPaを用いた。つまり、ボックス21内の圧力が0.2MPa以上になると、ボックス21内のガスが放出される構成とした。
以下、図1及び図3を参照して、具体的な実施例のサンプリング方法について説明する。
始めに、工場内のクリーンドラフト内(クラス100)において、金属不純物捕集部25を組み立てた。
具体的には、ステンレス製のカートリッジ用カバーにメンブレンフィルター(メッシュサイズ0.10μm)を装着することで金属不純物捕集部25を作製した。
次いで、ボックス21の蓋体78を開け、金属不純物捕集部25を所定の位置に設置後、係止部材74を受け部材83に係合させることで、ボックス21内を気密した。
次いで、上述したように(第1の実施の形態の説明を参照)、工場の設備とサンプリング装置10とを接続させた。次いで、上述した手法により、試料ガス導入ライン22、及び試料ガス排出ライン27の不活性ガスパージ処理を行った。
このとき、圧力調整弁31で圧力が0.05MPaに調整された超高純度窒素ガス(純度99.999%)を試料ガス導入ライン22に供給させた。不活性ガスパージ処理は、10分間行った。その後、第1及び第2の弁32,35を閉じた。
次いで、上述した手法により、ボックス21内への不活性ガスの導入処理を行った。このとき、ボックス21内に導入する超高純度窒素ガスの圧力を0.2MPaとし、流量調整弁49の開度を調整することで、ボックス21内における急激な圧力上昇を抑制しながら、超高純度窒素ガスを導入した(不活性ガス導入工程)。
不活性ガス導入工程は、10分間行った。その後、流量調整弁49及び排気弁68を閉じ、真空排気弁63を開けた。
次いで、ポンプ64を起動させ、ボックス21内に残存する超高純度窒素ガスを排気した(不活性ガス排気工程)。このとき、圧力計46の値が、−0.08MPaの圧力に到達したことを確認した。
実施例では、不活性ガス導入工程と、不活性ガス排気工程と、を5回繰り返し行った。その後、流量調整弁49、及び開閉弁57を開けた。
次いで、ボックス21内に1L/minの超高純度窒素ガスを供給させた状態で、試料ガス導入ライン22に、モノシランガスを供給することで、試料ガス導入ライン22及び試料ガス排出ライン27内に付着した金属不純物を除去した。
このとき、試料ガス導入ライン22には、圧力が0.05MPaで、かつ流量が1L/minとされたモノシランガスを10分間供給した。
その後、速やかに第1及び第2の弁32,35を開け、第3の弁43を閉じ、試料ガス導入ライン22に、上述の圧力及び流量とされたモノシランガスを60分間供給することで、金属不純物捕集部25により、合計0.06mのモノシランガスに含まれる金属不純物を捕集した(捕集工程)。
捕集工程では、流量計38を介して、排出されたモノシランガスをサーンエンジニアリング株式会社製の燃焼式除害装置である空冷燃焼式排ガス処理装置(SBRN−5201−21PXOGN)を用いて、無害化させた。
次いで、上述した試料ガス排出工程を行うことで、試料ガス導入ライン22及び試料ガス排出ライン27内に残存するモノシランガスを排出させ(試料ガス排出工程)、排出したモノシランガスを上記燃焼式除害装置で無害化させた。このとき、不活性ガスとして、超高純度窒素ガスを用いた。
その後、上述した捕集部回収工程を行うことで、ボックス21内に収容された金属不純物捕集部25を回収した。
また、実施例では、表1に示すように、各工程時に、ガス検知器を用いて、ボックス21の外側にモノシランガスが漏れていないかのどうかの測定(モノシランの濃度測定)を行った。この測定結果を表1に示す。
このとき、ガス検知器として、理研計器製のポータブルガスモニターであるSC−8000を用いた。SC−8000のモノシランの検出下限は、0.5ppmであった。モノシランの濃度が0.5ppm未満の場合、人体に悪影響を及ぼすことはない。
なお、捕集部回収工程の場合のみ、ボックス21を開けた状態で、ボックス本体71内におけるモノシランの濃度を測定した。
Figure 2016057146
表1を参照するに、試料ガス導入ライン22、及び試料ガス排出ライン27へのパージ処理工程、不活性ガス導入工程、不活性ガス排気工程、捕集工程、及び試料ガス排気工程において、貫通孔71A〜71C,71D〜71J付近のボックスの外側におけるモノシラン(試料ガス)の検出結果は、検出下限未満であった。
このことから、上記複数の工程において、貫通孔71A〜71C,71D〜71Jが形成され、かつ閉じた状態のボックス21の気密性が十分に保たれていることが確認できた。
つまり、上記複数の工程時において、作業者がサンプリング装置10の近くにいても安全に作業できることが確認できた。
また、捕集回収部工程において、ボックス本体71内におけるモノシランの検出結果は、検出下限未満であった。このことから、作業者が安全に金属不純物捕集部25を回収できることが確認できた。
本発明は、有毒ガス(例えば、半導体材料ガス等)や可燃性ガス(水素またはメタン等)等の試料ガスに含まれる金属不純物を安全に捕集することの可能なサンプリング装置、ボックス機構、及びサンプリング方法に適用可能である。
10…サンプリング装置、11…試料ガス供給ライン、12,14,17,19,23,28,52,55…接続部、13,16…排気ライン、18…不活性ガス供給ライン、21,91…ボックス、22…試料ガス導入ライン、25…金属不純物捕集部、27…試料ガス排出ライン、31…圧力調整弁、32…第1の弁、33,36,44…作動ガス供給ライン、35…第2の弁、38…流量計、41…バイパスライン、43…第3の弁、46…圧力計、47…圧力測定用ライン、48…不活性ガス導入ライン、49…流量調整弁、54…ガス導出ライン、57…開閉弁、58…安全弁、61…真空排気ライン、63…真空排気弁、64…ポンプ、66…排気ライン、68…排気弁、71…ボックス本体、71a…上端面、71A〜71C,71E〜71J…貫通孔、71−1〜71−4,78−1,78−2…側壁板、71−5…底板、72…パッキン、73…支持部材、74…係止部材、76,84…シール部材、78…蓋体、78a…下端面、81…蝶番、83…受け部材、90…ボックス機構

Claims (10)

  1. ボックス本体、該ボックス本体に対して開閉可能な蓋体、及び該ボックス本体と該蓋体との間に配置されたシール部材を有し、該蓋体が閉じた状態で内部を気密するボックスと、
    試料ガスが供給される試料ガス供給ラインと接続され、一部が前記ボックス内に収容された試料ガス導入ラインと、
    前記ボックス内に収容されると共に、前記試料ガス導入ラインの一端と接続され、前記試料ガスに含まれる金属不純物を捕集する金属不純物捕集部と、
    前記ボックス内に一部が収容され、かつ一端が前記金属不純物捕集部と接続され、前記金属不純物捕集部を通過した前記試料ガスを排出させる試料ガス排出ラインと、
    前記ボックス内に不活性ガスを導入させる不活性ガス導入ラインと、
    前記不活性ガス導入ラインに設けられ、前記不活性ガスの流量を調整する流量調整弁と、
    前記ボックス内のガスを導出するガス導出ラインと、
    前記ガス導出ラインに設けられた開閉弁と、
    を有することを特徴とするサンプリング装置。
  2. 前記ボックス内の圧力を測定する圧力計と、
    前記ガス導出ラインのうち、前記開閉弁の後段に配置され、前記圧力計の値が所定の閾値以上になった際、前記ボックス内の前記不活性ガスを下流側に放出する安全弁と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のサンプリング装置。
  3. 前記ボックスと接続された真空排気ラインと、
    前記真空排気ラインに設けられた真空排気弁と、
    前記真空排気弁の後段に位置する前記真空排気ラインに設けられたポンプと、
    を有することを特徴とする請求項1または2記載のサンプリング装置。
  4. 前記試料ガス排出ラインのうち、前記ボックスの外側に位置する部分に設けられ、前記試料ガス排出ラインを流れる前記試料ガスの流量を計測する流量計と、
    前記試料ガス導入ラインのうち、前記ボックスの外側に位置する部分に設けられ、前記流量計が計測する前記試料ガスの流量に基づいて、前記試料ガス導入ラインを流れる前記試料ガスの圧力を調整する圧力調整弁と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載のサンプリング装置。
  5. 前記試料ガス導入ラインのうち、前記ボックスの内部に位置する部分に設けられた第1の弁と、
    前記試料ガス排出ラインのうち、前記ボックスの内部に位置する部分に設けられた第2の弁と、
    前記ボックス内に配置され、かつ前記第1及び第2の弁をバイパスするように、前記試料ガス導入ライン及び前記試料ガス排出ラインと接続されたバイパスラインと、
    前記バイパスラインに設けられた第3の弁と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至4のうち、いずれか1項記載のサンプリング装置。
  6. 試料ガス中に含まれる金属不純物を捕集する金属不純物捕集部、該金属不純物捕集部に前記試料ガスを供給する試料ガス導入ライン、及び前記金属不純物捕集部を通過した試料ガス排出ラインを含む金属不純物捕集部に適用可能なボックス機構であって、
    ボックス本体、該ボックス本体に対して開閉可能な蓋体、及び該ボックス本体と該蓋体との間に配置されたシール部材を有し、前記金属不純物捕集部、前記試料ガス導入ラインの一部、及び前記試料ガス排出ラインの一部を気密した状態で収容可能なボックスと、
    前記不活性ガス導入ラインに設けられ、前記不活性ガスの流量を調整する流量調整弁と、
    前記ボックス内のガスを導出するガス導出ラインと、
    前記ガス導出ラインに設けられた開閉弁と、
    を有することを特徴とするボックス機構。
  7. 前記ボックス内の圧力を測定する圧力計と、
    前記ガス導出ラインのうち、前記開閉弁の後段に配置され、前記圧力計の値が所定の閾値以上となった際、前記ガスを下流側に流すことで、前記ボックス内の圧力を一定に保持する安全弁と、
    を有することを特徴とする請求項6記載のボックス機構。
  8. 気密されたボックス内に一部が収容された試料ガス導入ラインを介して、前記ボックス内に配置された金属不純物捕集部に試料ガスを供給することで、前記金属不純物捕集部により、前記試料ガスに含まれる金属不純物を捕集すると共に、前記ボックス内に一部が収容された試料ガス排出ラインを介して、前記金属不純物捕集部を通過した前記試料ガスを排出する捕集工程を含み、
    前記捕集工程では、前記ボックス内に不活性ガスを導入することで、前記ボックス内の圧力を、前記試料ガス導入ライン、及び前記試料ガス排出ラインを流れる前記試料ガスの圧力よりも高くすることを特徴とするサンプリング方法。
  9. 前記捕集工程後、前記金属不純物捕集部への前記試料ガスの供給を停止させ、前記試料ガス導入ライン及び前記試料ガス排出ラインに不活性ガスを供給して、前記試料ガスを排出させる試料ガス排出工程と、
    前記試料ガス排出工程後、前記ボックス内への前記不活性ガスの導入を停止させ、該ボックス内から前記不活性ガスを排気させて、該ボックス内の圧力を大気圧にした後、該ボックスを開けて、前記金属不純物捕集部を回収する捕集部回収工程と、
    を含むことを特徴とする請求項8記載のサンプリング方法。
  10. 前記捕集工程を行う前に、前記ボックス内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程と、前記ボックス内に導入した該不活性ガスを排気する不活性ガス排気工程と、
    を繰り返し行うことを特徴とする請求項8または9記載のサンプリング方法。
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