JP5406124B2 - 放射線測定装置 - Google Patents
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Description
以下、この発明の実施の形態1を図1および図2を用いて説明する。図1は、この実施の
形態1による放射線測定装置の構成図であり、系統の上流側に放射性ダストモニタ部を、
下流側に放射性ガスモニタ部を設けた構成を示している。この発明による放射線測定装置では、放射線ダストモニタ部にて、まず、試料ガスの放射性ダストの放射線を測定し、次に、放射性ガスモニタ部にて、放射性ダストモニタ部から排出された試料ガスを取り込んで、試料ガス中の放射性希ガスの放射線を測定するように構成されている。
質減容処理施設から排出される排気ガスである試料ガスを取り込み、その試料ガスに含まれる酸性ガスの酸露点以上の温度に保持しながら移送する試料ガス取り込み移送部(サンプリング部)1と、試料ガス取り込み移送部1にて移送される試料ガスに、外気を導入して希釈する外気導入部5と、希釈された試料ガスを移動式濾紙に通して試料ガスに含まれるダストを連続捕集するダスト捕集部2と、捕集されたダストから放出される放射線を検出し、検出信号を出力するダスト放射線検出部3と、ダスト放射線検出部3から出力された検出信号を入力し、計数率を求めて工学値変換して出力するダスト放射線測定部4と、ダスト捕集部2から排出される試料ガスの排気処理および流量調節を行う試料ガス排出部7と、ガス流量および圧力、温度を制御する制御部19を備えた構成となっている。ここで、ダスト放射線検出部3とダスト放射線測定部4を総称してダスト放射線検出測定部6とする。
外気導入部5は、配管10aに接続され、導入した外気(試料ガスよりも低温であり、例えば、35℃以下。)からダストを除去する外気フィルタ51、ダストを除去した外気について流量を測定する外気流量計52、導入する外気の流量を調整する外気流量調整弁53、配管10aの試料ガスと外気の境界に設けられた外気電磁弁54から構成され、外気電磁弁54を開状態とすることで、配管10aに外気が導入される。
外気が混合されて希釈された試料ガスは、酸性ガス濃度と水蒸気密度が下がるため酸露点が降下するが、その希釈度合、つまり外気導入量を調節することで、希釈後の試料ガスの酸露点を、移動式濾紙の使用条件を満たす範囲(130℃以下。例えば、100〜130℃。)とすることができ、希釈前よりも処理温度を低温化させることが可能となる。
ここで、濾紙駆動機構部21は、濾紙送り部21aにロール状の濾紙(移動式濾紙)21cが装填され、濾紙巻取り部21bにて移動式濾紙21cを一定の速度でサクションヘッド22に吸引密着させながら移動させて巻き取るように構成されている。このとき、ダスト捕集部2では、サクションヘッド22に設けられた吸入細孔(22b)から吸引が行われている状態であり、サクションヘッド22の上面側に移送されてきた高温の試料ガスを、移動式濾紙21cを通してサクションヘッド22側へ吸引することで移動式濾紙21c上に粒子状放射性物質物質(放射性ダスト)を捕集することができる。なお、サクションヘッド22の上方にダスト放射線検出部3が配置され、移動式濾紙21cに捕集された放射性ダストの放射線濃度検出が、ダスト捕集とともに連続して行われる構成となっている。
NOx、HClを酸として除去する。次に、酸性ガス除去部13から排出される試料ガス
の流量を試料ガス流量計14で測定し、また、試料ガスの圧力を圧力計15で測定する。この酸性ガス除去後の試料ガスについて、ガス放射線検出測定部8にて放射性希ガスから放出される放射線濃度を求めた後、ガス放射線検出部から排出された試料ガスは、試料ガス排出部7の試料ガス流量調整弁11cで流量が調整されてポンプ16に導入される。ポンプ16は、例えば焼却炉煙突(図示せず)から試料ガスを入口弁11aに導入し、出口弁11bから排出して焼却炉煙突等へ戻す。
また、制御部19は、試料ガス流量計14の流量値及び外気流量計52の流量値を入力し、引き算した差を試料ガスの実流量値として自動演算して出力している。
実施の形態2による放射線測定装置では、図3に示すように、気密ボックス23において、サクションヘッド22と検出器保護筒32の間にバウンダリー(気密)として、材質がフッ素樹脂の薄板である熱遮断板(熱遮蔽板)24を配設している。熱遮断板24は、サクションヘッド22に対向するダスト放射線検出部31の下面部を覆う平板であり、遮蔽体33にシールパッキン留めされて保持されている。熱遮断板24から遮蔽体33経由のダスト放射線検出器31への伝熱を抑制し、試料ガスが130℃、周囲(外気)温度が35℃である場合に、ダスト放射線検出器31の温度を50℃以下に抑制することができる。従って、検出器の起動時の温度変化が小さくなるために指示変動を抑制できるとともに、ダスト放射線検出器31に低価格で汎用のNaI(TI)シンチレーション検出器を使用でき、NaI(TI)シンチレーション検出器を構成する光電子増倍管の経時的なドリフトおよび劣化が抑制されて製品寿命が延びる。そのため、装置コストおよびダスト放射線検出器交換に係わる保守コストを低減した信頼性の高い放射線測定装置(放射性ダストモニタ)を提供できる。
実施の形態3による放射線測定装置では、図4に示すように、サクションヘッド22の
上面を覆うように、上面外縁部に凸状部22cを設け、試料ガス供給口10bより一段高い位置にて、材質がフッ素樹脂の熱封じ板25をネジ止め等の方法で固定保持し、サクションヘッド22に導入された高温の試料ガスを拡散させないように封じ込める。そのため、ダスト放射線検出器31への伝熱をさらに抑制することができ、ダスト放射線検出器31の温度上昇を抑制できるという効果がある。
上述の実施の形態1では、ヒータ12により酸露点以上に保持された配管10aのサク
ションヘッド接続管(噴出ノズル)部分が、サクションヘッド22に直接接続され、ヒータ12の熱がサクションヘッド22側へ伝わる構造であったが、この実施の形態4の放射線測定装置では、図5に示すように、サクションヘッド22に切り欠き部22dを設け、この切り欠き部22dに、試料ガスの噴出ノズルとなる試料ガス供給口10bおよび配管10aを、サクションヘッド22に非接触となるように配置している。そのため、試料ガス供給口10bから非接触でサクションヘッド22に試料ガスが供給でき、噴出ノズルとなる配管10aからサクションヘッド22への直接的な伝熱がなくなり、ダスト放射線検出器31への伝熱をさらに抑制することができ、ダスト放射線検出器31の温度上昇を抑制できるという効果がある。
この実施の形態5では、図6の断面構成図に示すように、検出器保護筒32を二重筒にして内部を真空にした真空容器としている。この検出器保護筒32は、内筒32aと外筒32bとの間に真空層32cが構成された構造である。この検出器保護筒32によって、サクションヘッド22側からのダスト放射線検出器31側への伝熱をさらに抑制でき、結果としてダスト放射線検出器31の温度上昇を大幅に抑制できるという効果がある。
上述の実施の形態1では、外気電磁弁54で外気を導入して試料ガスを希釈し、希釈後
試料ガスをサクションヘッド22上面に噴出させて導入したが、この実施の形態6では、外気と試料ガスとを別々にサクションヘッド22上に導入して、サクションヘッド22の直上にて混合する場合について説明する。
図7に示すように、外気電磁弁54で導入した外気を、検出器保護筒32の上側に外気供給口を持つ配管56にて移送し、検出器保護筒32と遮蔽体33で囲まれた空間の上部から下部へ、検出器保護筒32の周囲に周り込む状態に通過させ、熱遮断板26の中心に開けた通気孔を経由してサクションヘッド22直上に導き、熱遮断板26と移動式濾紙31cとの間において試料ガスに混合させるように構成している。外気はダスト放射線検出器31を空冷後、サクションヘッド22上にて試料ガス供給口10bから吹き出した試料ガスと混合されて同ガスを希釈し、試料ガスの温度および酸露点を下げるため、結果としてダスト放射線検出器31の温度上昇を大幅に抑制でき、ダスト放射線検出器31の交換周期が延びて保守コストを低減させることができるとともに、信頼性の高い放射性ダストモニタを提供することができる。
なお、実施の形態1では、酸性ガス除去部13を冷却装置で構成し、試料ガスを冷却す
ることで酸性ガスを酸性水として除却することを示したが、この実施の形態7では、酸性
ガス除去部を、図8に示すような、筒状部材18aの内部に金属繊維(例えば、鉄繊維)18bを装填し、筒状部材18aの外側をファン18cで冷却する構造のスチールウール充填タイプの酸性ガス除去部18で置き換えた例を示す。
程度で済むため保守が容易になるという効果が得られる。
制御部19では、試料ガス流量計14で計測する、放射性ダスト捕集後かつ酸性ガス除去後の試料ガスの流量値から、外気流量計52で計測する、外気導入部5で試料ガスに導入した外気の流量値を引き算した差を、試料ガスの実流量値として求めている。この実施の形態8の放射線測定装置では、制御部19で自動演算によって算出し、算出した試料ガス実流量値を、システム管理者が目視可能なように、モニター上に表示する試料ガス実流量表示部(図示せず。)を付加的に設けている。試料ガス実流量値をモニター上に表示するこことで、システム管理者による目視確認が容易となり、安定的な放射線測定装置の運転を実現できる。
上述した実施の形態1では、外気導入部5において試料ガスと外気の境界に外気電磁弁54を設け、制御部19によりサンプリング中は外気電磁弁54が開状態になるように、サンプリング停止で外気電磁弁54が閉状態となるように制御したが、この実施の形態9では、図9に示すように、外気流量調整弁53と外気電磁弁54の代わりに、外気電動弁55を設け、制御部19は、外気流量計52の流量信号を入力し、サンプリング中は外気電動弁55が開状態に、かつ一定の流量になるように、サンプリング停止で外気電動弁55が閉状態になるように自動制御するので、外気フィルタ51の目詰まりによる外気の流量低下を補償し、確実に酸露点管理ができる、信頼性の高い放射性測定装置を得ることが可能となる。
この実施の形態10による放射線測定装置では、図10に示すように、入口弁11aと試料ガス流量調整弁11cの代わりに、試料ガス電動弁17を備えている。制御部19は、サンプリング中は試料ガスの実流量が所定の値になるように弁の開度を自動調整し、パージ時(バックグラウンド測定のために系統を清浄空気で置き換える場合。)は試料ガス電動弁17のみ閉状態として、パージ流量が所定の値になるように弁の開度を自動調整する。また、サンプリング停止時は、外気電動弁55をヒータの余熱を除去するように遅れを持たせて閉状態とするように、制御部19にて自動制御することで、試料ガスの実流量が一定かつ外気流量が一定となるように運転することができ、信頼性が高く、かつ流量調整およびパージ操作に係わる保守が容易な放射線測定装置を得ることができる。
3 ダスト放射線検出部 4 ダスト放射線測定部
5 外気導入部 6 ダスト放射線検出測定部
7 試料ガス排出部(サンプリング部) 8 ガス放射線除去測定部
10a、56 配管 10b 試料ガス供給口(噴出口)
11a 入口弁 11b 出口弁
11c 試料ガス流量調整弁 12 ヒータ
13 酸性ガス除去部 14 試料ガス流量計
15 圧力計 16 ポンプ
17 試料ガス電動弁 18a 筒状部材
18b 金属繊維 18c ファン
19 制御部 21 濾紙駆動機構部
21a 濾紙送り部 21b 濾紙巻き取り部
21c ロール状の濾紙(移動式濾紙) 22 サクションヘッド
22a 溝部 22b 吸入細孔
22c 凸状部 22d 切り欠き部
23 気密ボックス 24、26 熱遮断板
25 熱封じ板 31 ダスト放射線検出器
32 検出器保護筒 32a 内筒
32b 外筒 32c 真空層
33 遮蔽体 51 外気フィルタ
52 外気流量計 53 外気流量調整弁
54 外気電磁弁 55 外気電動弁
81 ガス放射線検出部 82 ガス放射線測定部。
Claims (13)
- 放射性物質減容処理施設から排出される試料ガスを取り込み、上記試料ガスに含まれる酸性ガスの酸露点以上の温度に保持しながら移送する試料ガス取り込み移送部、上記試料ガス取り込み移送部にて移送される上記試料ガスに、上記試料ガスよりも低温の外気を導入して希釈する外気導入部、希釈された上記試料ガスを移動式濾紙に通して上記試料ガスに含まれるダストを連続捕集するダスト捕集部、捕集された上記ダストから放出される放射線を検出し、検出信号を出力するダスト放射線検出部、上記ダスト放射線検出部から出力された上記検出信号を入力し、計数率を求めて工学値変換して出力するダスト放射線測定部、上記ダスト捕集部から排出される上記試料ガスの排気処理および流量調節を行う試料ガス排出部を備え、上記ダスト放射線検出部は、上記ダスト捕集部に対向する面部を覆うように配置された熱遮断板を具備し、上記熱遮断板は、中央部に通気孔を有し、上記外気導入部によって導入される上記外気は、上記ダスト放射線検出部の周囲を通過して、上記通気孔に吸入され、上記移動式濾紙上で上記試料ガスに混合されることを特徴とする放射線測定装置。
- 上記試料ガス排出部は、上記ダスト捕集部から排出された上記試料ガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去部を備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
- 上記酸性ガス除去部から排出された上記試料ガス中の放射性希ガスの放射線を検出し、検出信号を出力するガス放射線検出部、上記ガス放射線検出部から出力された上記検出信号を入力し、計数率を求めて工学値変換して出力するガス放射線測定部を備えたことを特徴とする請求項2記載の放射線測定装置。
- 上記試料ガス取り込み移送部にて移送される上記試料ガスの流量および温度を制御するとともに、上記外気導入部から導入する上記外気の流量を制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項2記載の放射線測定装置。
- 上記外気導入部は、上記試料ガス取り込み移送部との境界部に設けられた外気電磁弁を具備し、上記制御部は、上記試料ガスのサンプリング時は上記外気電磁弁を開状態に、非サンプリング時は上記外気電磁弁を閉状態に制御することを特徴とする請求項4記載の放射線測定装置。
- 上記熱遮断板は、フッ素樹脂の薄板によって構成されたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
- 上記試料ガス取り込み移送部は、上記試料ガスを上記移動式濾紙上に供給する噴出ノズルを具備し、上記噴出ノズルは、上記移動式濾紙を通過した上記試料ガスを吸入する上記ダスト捕集部を構成するサクションヘッドに非接触となるように配置されたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
- 上記ダスト放射線検出部は、上記ダストから放出される放射線を検出する検出器と、上記検出器の周囲を取り囲む検出器保護筒を具備し、上記検出器保護筒は、内部が真空に保たれた真空容器によって構成されたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
- 上記酸性ガス除去部は、金属繊維が充填され、外側面を冷却可能な筒状部材により構成されたことを特徴とする請求項2記載の放射線測定装置。
- 上記外気が導入されて希釈された上記試料ガスの流量から、導入された上記外気の流量を差し引いた値を上記試料ガスの実流量値として表示する試料ガス実流量表示部を備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
- 上記外気導入部は、上記試料ガス取り込み移送部との境界部に設けられた外気電動弁を具備し、上記制御部は、上記試料ガスのサンプリング時は上記外気電動弁を開状態に、かつ、上記外気の流量値が所定値となるように、上記外気電動弁の開度を調節し、非サンプリング時は上記外気電動弁を閉状態に制御することを特徴とする請求項4記載の放射線測定装置。
- 上記試料ガス取り込み移送部は、上記試料ガスを導入する導入口に試料ガス電動弁を具備し、上記制御部は、上記試料ガスのサンプリング時は上記試料ガス電動弁を開状態に、上記試料ガス取り込み移送部のパージ時は、上記試料ガス電動弁を閉状態に制御することを特徴とする請求項4記載の放射線測定装置。
- 上記試料ガス取り込み移送部のパージ時は、上記外気電動弁を開状態とすることを特徴とする請求項11記載の放射線測定装置。
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