JP2005331309A - 排気ガス測定装置 - Google Patents

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秀俊 吉田
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Abstract

【課題】 誤操作を生じても排気ガスが大気中に放出されたり、排気ガス経路に大気が流入したり、セル窓が破損したりすることを防止できる安全策を講じた排気ガス測定装置を提供する。
【解決手段】 排気ガス経路から排気ガスを抜き出して試料セルに導入する排気ガス導入経路と、試料セルから流出したガスを排気ガス経路に戻す排気ガス導出経路と、試料セルを収納した筐体内にパージガスを流通させるパージガス導入経路及びパージガス導出経路と、パージガス導入経路から分岐して排気ガス導入経路に流路切替弁を介して接続した試料セル側パージガス導入経路とを備え、流路切替弁の流路切替操作で試料セルへの導入ガスを排気ガスとパージガスとに切替可能とした排気ガス測定装置において、試料セル側パージガス導入経路25の分岐位置より下流側のパージガス導入経路23と、試料セル側パージガス導入経路25とに圧力調整器28,31をそれぞれ設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排気ガス測定装置に関し、詳しくは、半導体製造装置から排出されるガスやその後段に設置された除害装置から排出されるガスの成分を測定するための排気ガス測定装置に関する。
エレクトロニクス産業の分野で行われている半導体の製造においては、薄膜形成工程、不純物拡散層の形成、パターン形成、エッチング等の様々な工程に多くの半導体製造装置が使用されている。これらの装置では、装置内のパージや雰囲気用あるいは材料として各種の工業ガスが使用される場合も多く、その流量の正確な制御と共に工業ガス使用時における半導体製造装置側の各種パラメータの最適化が必要となる。
最適化の指標としては、製品であるウエハーを対象とした成膜厚の均一性測定試験、ウエハー上に付着したパーティクル数の測定試験、装置内部のダメージ等の目視試験等も用いられているが、ガス使用時における半導体製造装置からの排気ガス組成の測定も活用されている。その理由は、排気ガス組成は、半導体製造装置内でのガスの消費状況、つまり、装置内でのガスの反応により消費された材料ガス(供給ガス)の量やその反応の結果、生成された副産物の量を正確に反映しているからである。
また、これら半導体製造装置からの排気ガスは、有害物質を含むことがしばしばである。したがって、多くの場合、その有害物質除去を目的に、半導体装置の後段には除害装置が設置されている。この除害装置の設計に当っても、無害化の対象である半導体製造装置からの排気ガスの組成を把握することは重要であり、このためにも、その測定が活用されている。さらに、設計した除害装置の性能確認のためには、除害装置からの排気ガスの測定が活用されている。このような半導体の製造における排気ガスの測定には、FTIR等の赤外分光装置が多用されている(例えば、非特許文献1参照。)。
図5は、測定器として赤外分光装置(FTIR)を使用した従来の排気ガス測定装置の一例を示す系統図である。この従来の排気ガス測定装置は、半導体製造装置や除害装置11から排気ガス経路12に排出された排気ガスの成分分析を、前記排気ガスの一部が導入される試料セル13を備えた赤外分光装置14で行うものであって、排気ガス経路12とは、排気ガス導入弁15を有する排気ガス導入経路16と、排気ガス導入経路16の接続位置より下流側に接続した排気ガス導出弁17を有する排気ガス導出経路18とにより接続されている。
排気ガス導出経路18には、分析用の排気ガスをあらかじめ設定した流量で試料セル13に流通させるため、流量調節弁19,流量計20及び吸引ポンプ21が設けられている。なお、排気ガス経路12内の排気ガスの圧力は、ほとんどの場合が大気圧付近の圧力となっている。
また、赤外分光装置14には、筐体22内にパージガスを流通させて筐体22内から水分や二酸化炭素をパージするためのパージガス導入経路23及びパージガス導出経路24が設けられている。さらに、パージガス導入経路23からは試料セル13にパージガスを導入するための試料セル側パージガス導入経路25が分岐しており、前記排気ガス導入経路16の途中に設けられた三方弁(流路切替弁)26を介して排気ガス導入経路16に接続している。パージガス導入経路23には、一定圧力、一定流量で筐体22内にパージガスを導入するため、パージガス導入弁27,圧力調節器28,流量調節弁29及び流量計30が設けられている。
前記パージガスとして、試料セル13に導入するパージガスは、排気ガス中の成分との反応を回避するため、窒素ガス等の不活性ガスを使用する必要があるが、筐体22内に導入するパージガスは、赤外光の光路上から水分や二酸化炭素を排除できればよく、これらを除去した精製空気を使用することも可能である。しかし、多くの半導体工場では、精製空気よりも高純度窒素ガスの方が入手が容易であるから、本例に示すように、一つの供給源からパージガス導入経路23に高純度窒素ガスを供給し、圧力調節器28であらかじめ設定された圧力に調節してから経路を分岐し、試料セル13及び筐体22の両方にパージガスをそれぞれ導入するようにしている。
なお、試料セル13におけるパージガスの流量は、排気ガス導出経路18の流量調節弁19によって調節され、筐体22におけるパージガスの流量は、パージガス導入経路23の流量調節弁29によって調節される。また、筐体22に導入されたパージガスは、パージガス導出経路24から放出される。
このように形成した排気ガス測定装置による排気ガスの測定は、まず、測定に先立ってパージガス導入弁27を開き、圧力調節器28によって設定圧力(通常は大気圧より若干陽圧)に調節し、流量調節弁29で設定流量に調節して筐体22にパージガスを流通させてパージガス導出経路24から導出する状態にしておく。次に、排気ガス導出弁17を開き、三方弁26を試料セル側パージガス導入経路25側の待機位置に切り替えた状態とし、試料セル13にもパージガスを流通させる。このパージガスは、流量調節弁19で流量調節され、流量計20、吸引ポンプ21、排気ガス導出弁17を通って排気ガス経路12に排出される。
なお、通常は、吸引ポンプ21を作動させなくても、吸引ポンプ21の前後の圧力差(試料セル13側が大気圧より若干陽圧、排気ガス経路12側が略大気圧)により、パージガスは、自身の圧力で試料セル13から排気ガス導出経路18を通って排気ガス経路12に流れる。なお、吸引ポンプ21の構造上、圧力差でパージガスを流すことができない場合には、吸引ポンプ21を作動させてもよい。
排気ガスの測定を行うときには、排気ガス導入弁15を開くとともに、三方弁26を排気ガス導入経路16側の測定位置に切り替え、さらに、吸引ポンプ21を作動させる。これにより、排気ガス経路12を流れる測定対象の排気ガスの一部が、吸引ポンプ21の吸引作用により排気ガス導入経路16に抜き出され、三方弁26を通って試料セル13に導入され、赤外分光装置14での所定の測定操作が行われる。排気ガス経路12を流れるガスが測定対象以外のガスのときには、排気ガス導入弁15を閉じて吸引ポンプ21を停止し、三方弁26を待機位置に切り替えてパージガスを試料セル13に流通させ、赤外分光装置14を待機状態とする。
このように、排気ガス導入弁15、吸引ポンプ21、三方弁26を操作することにより、測定対象となる排気ガスの測定操作と、待機状態とを繰り返して排気ガスの測定を行う。
新田 哲士、"Perfluorocompounds(PFCs)計測技術(半導体業界のPFCs削減活動における評価方法)"、真空、日本真空協会、Vol.46,No.9,2003、(図3)
上述のように、排気ガスの測定を行っている場合、供給源からのパージガスの供給圧力及び圧力調節器28の設定圧力がそれぞれ適切であり、かつ、弁の開閉操作が正しく行われている限りは何ら問題はないが、誤操作に対する配慮は十分なものとはいえなかった。
例えば、誤操作によって圧力調節器28の押ネジが完全に緩んでしまってパージガスが圧力調節器28から下流側に供給されなくなってしまった場合で、かつ、待機状態(吸引ポンプ21停止、三方弁26待機位置)になっていたときに、排気ガス経路12の圧力が大気圧以上だと、排気ガス経路12内の排気ガスが、排気ガス導出経路18の排気ガス導出弁17、吸引ポンプ21、流量計20、流量調節弁19を逆流し、試料セル13を通過して三方弁26を通り、試料セル側パージガス導入経路25からパージガス導入経路23に流れ、さらに、流量調節弁29、流量計30、筐体22を通ってパージガス導出経路24から大気中に放出されるおそれがある。一般的に、排気ガスは有害成分を含むことが多いので、排気ガスがそのまま大気中に放出されることは好ましくない。
逆に、排気ガス経路12に排気ポンプが設けられていて排気ガス経路12内の圧力が大気圧以下だったり、吸引ポンプ21が作動していたりしたときには、パージガス導出経路24、筐体22、流量計30、流量調節弁29、試料セル側パージガス導入経路25、三方弁26、試料セル13、流量調節弁19、流量計20、吸引ポンプ21、排気ガス導出弁17を通って排気ガス導出経路18から排気ガス経路12に大気が流入するおそれがある。このとき、排気ガス中に大気成分と反応する物質が含まれていると、設計時に予測していなかった反応が排気ガス経路12内で発生することがあり、配管系統を損傷するおそれがある。
また、試料セル13のセル窓として、耐圧が0.1〜0.2MPa(ゲージ圧)程度といった耐圧の低い材料が使用されている場合、通常時には、供給源から0.5〜0.8MPaで供給される高純度窒素ガスの圧力を、圧力調節器28によってパージガス導入圧力をセル窓の耐圧以下になるように設定しているが、誤操作によって圧力調節器28の設定圧力がセル窓の耐圧を上回り、しかも、排気ガス導出弁17を閉じてしまったときに、三方弁26が待機位置になっていると、試料セル13に耐圧以上の圧力が作用し、セル窓が破損してしまうことになる。
さらに、三方弁26が待機位置で、吸引ポンプ21が作動している状態で排気ガス導出弁17を誤操作で閉じてしまうと、吸引ポンプ21の吐出側が閉塞された状態になるので、圧力調節器28の設定圧力がセル窓の耐圧以下になっていたとしても、圧力調節器28より下流側の経路、三方弁26、試料セル13、流量調節弁19、流量計20、吸引ポンプ21、排気ガス導出弁17の経路がセル窓の耐圧以上となり、セル窓が破損してしまうことになる。
そこで本発明は、誤操作を生じても排気ガスが大気中に放出されたり、排気ガス経路に大気が流入したり、セル窓が破損したりすることを防止できる安全策を講じた排気ガス測定装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の排気ガス測定装置における第1の構成は、測定対象となる排気ガスが流れる排気ガス経路から排気ガスの一部を抜き出して赤外分光装置の試料セルに導入する排気ガス導入経路と、前記試料セルから流出した測定後の排気ガスを前記排気ガス経路における前記排気ガス導入経路の接続位置より下流側に戻す排気ガス導出経路と、前記試料セルを収納した赤外分光装置の筐体内にパージガスを導入するパージガス導入経路と、筐体内からパージガスを導出するパージガス導出経路と、前記パージガス導入経路から分岐して前記排気ガス導入経路に流路切替弁を介して接続した試料セル側パージガス導入経路とを備え、前記流路切替弁の流路切替操作によって前記試料セルに導入するガスを前記排気ガスと前記パージガスとに切替可能に形成した排気ガス測定装置において、前記試料セル側パージガス導入経路の分岐位置より下流側の前記パージガス導入経路と、前記試料セル側パージガス導入経路とに圧力調整器をそれぞれ設けたことを特徴としている。
また、本発明の排気ガス測定装置における第2の構成は、測定対象となる排気ガスが流れる排気ガス経路から排気ガスの一部を抜き出して赤外分光装置の試料セルに導入する排気ガス導入経路と、前記試料セルから流出した測定後の排気ガスを前記排気ガス経路における前記排気ガス導入経路の接続位置より下流側に戻す排気ガス導出経路と、前記試料セルを収納した赤外分光装置の筐体内にパージガスを導入するパージガス導入経路と、筐体内からパージガスを導出するパージガス導出経路と、前記パージガス導入経路から分岐して前記排気ガス導入経路に流路切替弁を介して接続した試料セル側パージガス導入経路とを備え、前記流路切替弁の流路切替操作によって前記試料セルに導入するガスを前記排気ガスと前記パージガスとに切替可能に形成した排気ガス測定装置において、前記流路切替弁と前記試料セルとの間の排気ガス導入経路に遮断弁を設けるとともに、前記排気ガス導出経路の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された設定圧力値以上になったときに前記遮断弁の遮断操作を行う圧力検出器を設けたことを特徴としている。
さらに、本発明の排気ガス測定装置における第3の構成は、測定対象となる排気ガスが流れる排気ガス経路から排気ガスの一部を抜き出して赤外分光装置の試料セルに導入する排気ガス導入経路と、前記試料セルから流出した測定後の排気ガスを前記排気ガス経路における前記排気ガス導入経路の接続位置より下流側に戻す排気ガス導出経路と、前記試料セルを収納した赤外分光装置の筐体内にパージガスを導入するパージガス導入経路と、筐体内からパージガスを導出するパージガス導出経路と、前記パージガス導入経路から分岐して前記排気ガス導入経路に流路切替弁を介して接続した試料セル側パージガス導入経路とを備え、前記流路切替弁の流路切替操作によって前記試料セルに導入するガスを前記排気ガスと前記パージガスとに切替可能に形成した排気ガス測定装置において、前記排気ガス導出経路に、測定後の排気ガスを吸引して排気ガス経路に戻すための吸引ポンプを備えるとともに、前記排気ガス導出経路における前記吸引ポンプの吐出側の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された設定圧力値以上になったときに前記吸引ポンプの停止操作を行う圧力検出器を設けたことを特徴としている。
本発明の排気ガス測定装置の第1の構成によれば、試料セル側パージガス導入経路に設けた圧力調整器から下流側にパージガスが供給されなくなってしまった場合でも、この圧力調整器によって排気ガス経路側とパージガス導出経路側とが遮断された状態になるため、排気ガスが筐体を通ってパージガス導出経路から大気中に放出されることはない。同様に、大気が逆流して排気ガス経路に流入することもない。
また、本発明の第2の構成によれば、排気ガス導出経路の圧力が設定圧力値以上になったときに遮断弁を遮断して試料セルにパージガスが導入されるのを中断するので、試料セルの圧力が上昇してセル窓が破損することを防止できる。さらに、本発明の第3の構成によれば、排気ガス導出経路の圧力が設定圧力値以上になったときに吸引ポンプを停止して排気ガス導出経路の圧力が過度に上昇することを防止するので、試料セルの圧力が上昇してセル窓が破損することを防止できる。
図1は本発明の排気ガス測定装置の第1形態例を示す系統図である。なお、以下の説明において、前記図5に示した従来の排気ガス測定装置における構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して説明する。
本形態例に示す排気ガス測定装置は、パージガス導入経路23における圧力調節器(以下、本形態例では第1圧力調節器という)28を、試料セル側パージガス導入経路25の分岐位置よりも下流の筐体22側に設けるとともに、試料セル側パージガス導入経路25における三方弁(流路切替弁)26の上流側にも、圧力調節器(以下、第2圧力調節器という)31を設けている。
パージガス導入経路23から導入されるパージガスは、パージガス導入弁27を通った後に筐体22に向かう流れと、試料セル側パージガス導入経路25に分岐して試料セル13に向かう流れとに分岐する。パージガス導入経路23を流れるパージガスは、第1圧力調節器28で圧力調節され、流量調節弁29で流量調節された後、流量計30を経て筐体22に導入される。また、パージガス導入経路23から試料セル側パージガス導入経路25に分岐したパージガスは、第2圧力調節器31で圧力調節された後、三方弁26を経て試料セル13に導入される。
この排気ガス測定装置は、排気ガスの測定に先立ち、パージガス導入弁27を開いて装置内にパージガスを導入し、第1圧力調節器28で設定圧力に、流量調節弁29で設定流量にそれぞれ調節して筐体22にパージガスを流通させ、パージガス導出経路24から導出するとともに、第2圧力調節器31で設定圧力に調節したパージガスを、待機位置に切り替えられている状態の三方弁26を通して試料セル13にも導入し、流量調節弁19で流量調節し、流量計20、吸引ポンプ21、排気ガス導出弁17を通して排気ガス経路12に排出させておく。このとき、排気ガス導入弁15は閉じ状態であり、赤外分光装置14は待機状態となっている。
排気ガスの測定は、排気ガス導入弁15を開き、三方弁26を測定位置に切り替えるとともに、吸引ポンプ21を作動させることにより行う。これにより、排気ガス経路12を流れる測定対象の排気ガスの一部が、吸引ポンプ21の吸引作用により排気ガス導入経路16に抜き出され、三方弁26を通って試料セル13に導入され、赤外分光装置14での所定の測定操作が行われる。
排気ガス経路12を流れるガスが測定対象以外のガスのときには、排気ガス導入弁15を閉じて吸引ポンプ21を停止し、三方弁26を待機位置に切り替え、第2圧力調節器31で設定圧力に調節したパージガスを試料セル13に流通させて赤外分光装置14を待機状態とする。
この待機状態において、前述のように第1圧力調節器28の押ネジが完全に緩んでしまってパージガスが第1圧力調節器28から下流側に供給されなくなってしまった場合は、筐体22内へのパージガスの導入が中断されるだけであり、排気ガスがパージガス導出経路24から大気中に放出されることはない。この場合、流量計30の測定値がゼロになることから、異常発生を容易に確認することができ、第1圧力調節器28等を点検することによって容易に修復することができる。
また、第2圧力調節器31の押ネジが完全に緩んでしまってパージガスが第2圧力調節器31から下流側に供給されなくなってしまった場合でも、排気ガス導出経路18から試料セル13、三方弁26を通って試料セル側パージガス導入経路25に排気ガスが流入してきても、第2圧力調節器31で遮断されることになるので、第2圧力調節器31の上流側に排気ガスが逆流することはない。したがって、この場合も、排気ガスが試料セル側パージガス導入経路25からパージガス導入経路23等を通って大気中に放出されることはない。
さらに、吸引ポンプ21が作動していても、第2圧力調節器31が遮断状態となっているので、パージガス導出経路24から大気を吸引することもなく、大気が排気ガス経路12に流入することもない。この場合も、流量計20の測定値によって異常発生を確認することができる。
前述のように、従来装置では、圧力調節器28の不具合によって排気ガスが大気中に放出されたり、大気が排気ガス経路12に流入したりするおそれがあったが、試料セル側パージガス導入経路25の分岐位置より下流側のパージガス導入経路23と、試料セル側パージガス導入経路25とに圧力調整器28,31をそれぞれ配置することにより、圧力調整器28,31の一方又は双方に不具合が生じても、排気ガスが大気中に放出されたり、大気が排気ガス経路12に流入したりすることを確実に防止でき、安全性を高めることができる。
図2は本発明の排気ガス測定装置の第2形態例を示す系統図であって、流路切替弁である前記三方弁26と前記試料セル13との間の排気ガス導入経路16に遮断弁32を設けるとともに、排気ガス導出経路18の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された設定圧力値以上になったときに前記遮断弁32の遮断操作を行う圧力検出器33を設けた例を示している。
赤外分光装置14の待機状態において、誤操作によって圧力調節器28の設定圧力がセル窓の耐圧を上回り、しかも、排気ガス導出弁17を閉じてしまったときでも、排気ガス導出経路18の圧力が試料セル13の耐圧以上の圧力に上昇する前に、圧力検出器33が作動して遮断弁32を遮断するので、遮断弁32より下流側にパージガスが流入して試料セル13内の圧力が過度に上昇することを防止する。これにより、誤操作等によって試料セル13のセル窓を破損させる事故を未然に防止することができる。
なお、圧力検出器33に設定する圧力値は、試料セル13の耐圧と、通常時における排気ガスやパージガスの圧力とを考慮し、両者の中間の圧力範囲で、試料セル13の耐圧より十分に低い適当な圧力値に設定すればよい。
図3は本発明の排気ガス測定装置の第3形態例を示す系統図であって、排気ガス導出経路16における吸引ポンプ21の吐出側の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された設定圧力値以上になったときに吸引ポンプ21の停止操作を行う圧力検出器34を設けた例を示している。
赤外分光装置14が待機状態で、かつ、吸引ポンプ21が作動している状態で、排気ガス導出弁17を誤操作で閉じてしまっても、排気ガス導出経路18の圧力が試料セル13の耐圧以上の圧力に上昇する前に、圧力検出器34が作動して吸引ポンプ21を停止させるので、排気ガス導出経路18にパージガスが吸引蓄積されて試料セル13内の圧力が過度に上昇し、セル窓が破損することを防止できる。さらに、吸引ポンプ21も過負荷状態での運転を継続することがないので、吸引ポンプ21への悪影響も低減することができる。なお、この場合の圧力検出器34に設定する圧力値も、前記同様に、試料セル13の耐圧と、通常時における排気ガスやパージガスの圧力とを考慮して設定すればよい。
図4は本発明の排気ガス測定装置の第4形態例を示す系統図であって、前記各形態例に示した第1圧力調節器28、第2圧力調節器31、遮断弁32、圧力検出器33(圧力検出器34を兼ねる)の全てを設置した例を示している。
このように、前述の安全対策を全て施すことにより、誤操作等によって第1圧力調節器28、第2圧力調節器31から下流側にパージガスが導入されなくなっても、前述のようにして排気ガスが筐体22を通ってパージガス導出経路24から大気中に放出されることを防止できるとともに、大気が逆流して排気ガス経路12に流入することも防止できる。また、排気ガス導出弁17を誤操作で閉じてしまっても、排気ガス導出経路16の圧力上昇によって圧力検出器33が作動し、遮断弁32を閉じたり、吸引ポンプ21を停止させたりするので、試料セル13のセル窓が破損することを防止できる。これにより、赤外分光装置14における安全性や安定性を更に向上させることができる。
本発明の排気ガス測定装置の第1形態例を示す系統図である。 本発明の排気ガス測定装置の第2形態例を示す系統図である。 本発明の排気ガス測定装置の第3形態例を示す系統図である。 本発明の排気ガス測定装置の第4形態例を示す系統図である。 従来の排気ガス測定装置の一例を示す系統図である。
符号の説明
11…半導体製造装置や除害装置、12…排気ガス経路、13…試料セル、14…赤外分光装置、15…排気ガス導入弁、16…排気ガス導入経路、17…排気ガス導出弁、18…排気ガス導出経路、19…流量調節弁、20…流量計、21…吸引ポンプ、22…筐体、23…パージガス導入経路、24…パージガス導出経路、25…試料セル側パージガス導入経路、26…三方弁(流路切替弁)、27…パージガス導入弁、28…圧力調節器、29…流量調節弁、30…流量計、31…第2圧力調節器、32…遮断弁、33…圧力検出器、34…圧力検出器

Claims (3)

  1. 測定対象となる排気ガスが流れる排気ガス経路から排気ガスの一部を抜き出して赤外分光装置の試料セルに導入する排気ガス導入経路と、前記試料セルから流出した測定後の排気ガスを前記排気ガス経路における前記排気ガス導入経路の接続位置より下流側に戻す排気ガス導出経路と、前記試料セルを収納した赤外分光装置の筐体内にパージガスを導入するパージガス導入経路と、筐体内からパージガスを導出するパージガス導出経路と、前記パージガス導入経路から分岐して前記排気ガス導入経路に流路切替弁を介して接続した試料セル側パージガス導入経路とを備え、前記流路切替弁の流路切替操作によって前記試料セルに導入するガスを前記排気ガスと前記パージガスとに切替可能に形成した排気ガス測定装置において、前記試料セル側パージガス導入経路の分岐位置より下流側の前記パージガス導入経路と、前記試料セル側パージガス導入経路とに圧力調整器をそれぞれ設けたことを特徴とする排気ガス測定装置。
  2. 測定対象となる排気ガスが流れる排気ガス経路から排気ガスの一部を抜き出して赤外分光装置の試料セルに導入する排気ガス導入経路と、前記試料セルから流出した測定後の排気ガスを前記排気ガス経路における前記排気ガス導入経路の接続位置より下流側に戻す排気ガス導出経路と、前記試料セルを収納した赤外分光装置の筐体内にパージガスを導入するパージガス導入経路と、筐体内からパージガスを導出するパージガス導出経路と、前記パージガス導入経路から分岐して前記排気ガス導入経路に流路切替弁を介して接続した試料セル側パージガス導入経路とを備え、前記流路切替弁の流路切替操作によって前記試料セルに導入するガスを前記排気ガスと前記パージガスとに切替可能に形成した排気ガス測定装置において、前記流路切替弁と前記試料セルとの間の排気ガス導入経路に遮断弁を設けるとともに、前記排気ガス導出経路の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された設定圧力値以上になったときに前記遮断弁の遮断操作を行う圧力検出器を設けたことを特徴とする排気ガス測定装置。
  3. 測定対象となる排気ガスが流れる排気ガス経路から排気ガスの一部を抜き出して赤外分光装置の試料セルに導入する排気ガス導入経路と、前記試料セルから流出した測定後の排気ガスを前記排気ガス経路における前記排気ガス導入経路の接続位置より下流側に戻す排気ガス導出経路と、前記試料セルを収納した赤外分光装置の筐体内にパージガスを導入するパージガス導入経路と、筐体内からパージガスを導出するパージガス導出経路と、前記パージガス導入経路から分岐して前記排気ガス導入経路に流路切替弁を介して接続した試料セル側パージガス導入経路とを備え、前記流路切替弁の流路切替操作によって前記試料セルに導入するガスを前記排気ガスと前記パージガスとに切替可能に形成した排気ガス測定装置において、前記排気ガス導出経路に、測定後の排気ガスを吸引して排気ガス経路に戻すための吸引ポンプを備えるとともに、前記排気ガス導出経路における前記吸引ポンプの吐出側の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された設定圧力値以上になったときに前記吸引ポンプの停止操作を行う圧力検出器を設けたことを特徴とする排気ガス測定装置。
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