JP2016055560A - ガスバリア積層体 - Google Patents

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【課題】レトルト殺菌、ボイル等の処理を行った後の、60℃以上の高温高湿環境下においても、水蒸気に対するハイバリア性を維持できるガスバリア積層体を提供する。【解決手段】プラスチック基材1の、少なくとも一方の面に、アルミアルコキシドとリン化合物とが反応してなる複合皮膜層3を設けたガスバリア積層体6であって、前記複合皮膜層3の、X線光電子分光法によって算出されるアルミニウムとリンの原子数比(Al/P)が1.00〜8.00の範囲である。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックフィルム基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成されたアルミアルコキシドとリン化合物とが反応してなる反応生成物をバリア層としたガスバリア積層体に関する。
アルミニウム等の金属原子とリン原子とを構成成分として含む被膜が、ガスバリア性を持つことが知られている。例えば、アルミニウムを主成分とする金属のオルトリン酸塩からなるガス透過防止被膜を有する有機重合体成形品が知られており、金属オルトリン酸塩の分散液または溶液を有機重合体成形品に塗布することによって、ガス透過防止被膜を形成する方法を開示している(特許文献1)。
また、金属、金属合金、プラスチック等の基材と、特定のリン酸アルミニウム化合物を含むコーティング成分とからなる複合体が知られており、有機溶媒中にアルミニウム塩およびリン酸エステルを含む溶液を用いてコーティングを形成する方法が開示されている(特許文献2)。
さらに、上記発明の課題であったガスバリア性、特にレトルト処理などの熱水処理への耐性を解決するために、基材上にアルミニウム等の金属酸化物とリン化合物を反応させた皮膜層を形成させたバリアフィルムが発明されている(特許文献3)。
しかしながら、従来のようにプラスチック基材にアルミニウム等の金属酸化物とリン化合物を構成に含むバリア膜は、その膜の性質からその膜中に空隙を有し、さらに極性基を有するため、ボイル・レトルト処理など加熱殺菌処理や高温高湿環境試験において水蒸気に対するハイバリアを維持することが困難であるという欠点があった。
特に酸化アルミニウムは60℃以上の高温高湿環境下では組成変化を起こし、かつ物理的にも多孔質化するため水蒸気に対するバリア性が劣化する。その点、アルミアルコシキドとリン化合物の反応生成物は60℃以上の高温高湿環境下でも化学的、物理的にも変化することなく、バリア性を維持することが可能であるものの、その組成上膜内に水酸基を有するため、食品、医療医薬向けに用いるバリアフィルムに用いる場合、レトルト殺菌、ボイル等の処理を行った後の水蒸気に対するハイバリアを維持することができない。
特開昭55−46969号公報 特許第5117857号公報 特許第4961054号公報
本発明は、レトルト殺菌、ボイル等の処理を行った後での、60℃以上の高温高湿環境下においても、水蒸気に対するハイバリア性を維持できるガスバリア積層体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、プラスチック基材
の、少なくとも一方の面に、アルミアルコキシドとリン化合物とが反応してなる複合皮膜層を設けたガスバリア積層体であって、
前記複合皮膜層の、X線光電子分光法によって算出されるアルミニウムとリンの原子数比(Al/P)が1.00〜8.00の範囲であることを特徴とするガスバリア積層体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記複合皮膜層の、X線光電子分光法によって算出される酸素とアルミニウムの原子数比(O/Al)が2.00から4.00の範囲であり、酸素とリンの原子数比(O/P)が5.00から10.00の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体である。
また、請求項3に記載の発明は、前記複合皮膜層の、X線光電子分光法によって測定されるAl2pピークの結合エネルギーが74.0eVから77.0eVの範囲であり、P2pピークの結合エネルギーが134.0eVから137.0eVの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスバリア積層体である。
また、請求項4に記載の発明は、前記複合皮膜層の厚みが50nm〜500nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリア積層体である。
本発明によると、レトルト殺菌、ボイル等の処理を行った後での、長期保存においても、水蒸気に対するハイバリア性を維持、品質を保証できるガスバリア積層体を提供することができる。
実施形態に係るガスバリア積層体5の断面概念図である。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明のガスバリア積層体5の構成を示した断面概念図であり、プラスチック基材1上に、必要に応じて下地層2、複合皮膜層3、オーバーコート層4を積層した構成となっている。
<プラスチック基材1>
プラスチック基材1としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートやこれらの共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12等のポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの水酸基含有ポリマーなどの樹脂からなるフィルムが挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムは、延伸フィルムであってもよいし無延伸フィルムであってもよい。得られる複合構造体の加工適性(印刷やラミネートなど)が優れることから、延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムが好ましい。二軸延伸フィルムは、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、およびチューブラ延伸法のいずれかの方法で製造された二軸延伸フィルムであってもよい。
プラスチック基材1の厚さは特に制限を受けるものではなく、単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。プラズマ前処理、複合皮膜層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜100μmとすることが好ましい。
<下地層2>
下地層2としては、例えばアンカーコート剤を挙げることができる。アンカーコート剤は、プラスチック基材1の表面にアンカーコートからなる塗液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
アンカーコート塗液からなる下地層2は、プラスチック基材1と複合皮膜層3との密着性をさらに向上させる作用を有する。
アンカーコート塗液は、例えば溶剤溶解性または水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン期含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂またはアルキルチタネート等から選択され、これらは単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
アンカーコート塗液は、通常、5nm〜5μm程度の厚さにすることができる。このような厚さを有するアンカーコート剤は、内部応力が抑制された均一な膜厚で基材表面に形成することができる。より好ましいアンカーコート層の厚さは、10nm〜1μmである。
アンカーコート塗液の塗工性、接着性を改良するために、塗工に先立って、基材表面にコロナ処理などの放電処理を施してもよい。
これにより基材表面に官能基を付与する化学効果が得られる。また、表面不純物を除去すると共に、表面粗さを大きくする、物理的効果も得られる。その結果、基材1と生成反応物バリアになる下地層2との密着性をさらに向上させ、60℃以上の高温高湿試験においても両者は密着性に優れた構造となる。
<複合皮膜層3>
複合皮膜層3は、アルミニウムアルコキシドとリン化合物とが反応してなる生成反応物バリア層であり、複合皮膜層3を積層することにより、レトルト殺菌、ボイル等の処理を行った後の60℃以上の高温高湿環境下でも水蒸気に対するバリア性を維持できることを究明した。このような究明結果に基づいて、本発明者はアルミアルコキシドとリン化合物とが反応してなる複合皮膜層3を所望の組成比にすることにより、高耐久性があり酸素、水蒸気バリア性に優れたガスバリア積層体が生成できる。
アルミアルコキシドとしては、例えばアルミニウムイソプロポキシドを挙げることがでる。
リン化合物としては、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体が挙げられる。ポリリン酸の具体例としては、ピロリン酸、三リン酸、4つ以上のリン酸が縮合したポリリン酸などが挙げられる。上記の誘導体の例としては、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸の、塩、(部分)エステル化合物、ハロゲン化物(塩化物等)、脱水物(五酸化二リン等)などを挙げることができる。
すなわち、この複合皮膜層3の組成はX線光電子分光法(XPS)によって算出されたアルミとリンの原子数比(Al/P)が1.00から8.00の範囲であること、酸素とアルミの原子数比(O/Al)が2.00から4.00の範囲であり、酸素とリンの原子数比(O/P)が5.00から10.00の範囲にすることによって、複合皮膜層3内の空隙および極性基を少なくし、水蒸気の透過経路をより少なくすること、および60℃以上の高温高湿環境下でも、この空隙および極性基を少なくすることによって水蒸気透過を
遮断し水蒸気に対するハイバリア性を維持することができる。
さらに複合皮膜層3のXPSで測定されるAl2pピークの結合エネルギーが74.0eVから77.0eVの範囲であり、P2pピークの結合エネルギーが134.0eVから137.0eVの範囲に規定されるバリア層はその空隙の拡張を抑制し水蒸気バリア性に対する高耐久なバリア膜となる。
複合皮膜層3は適切な厚さを有することが好ましい。厚さが薄過ぎると、均一な膜を形成することができず、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことが困難になる。一方、厚さが厚過ぎると、残留応力により柔軟性を保持できず、成膜後の外的要因によってクラックが生じるおそれがある。50nmから500nmの厚さに規定した複合皮膜層3は膜厚の均一化とガスバリア材として適切な柔軟性を示す。
実施形態に係るガスバリア積層体5は、下地層2を形成しない構造にしてもよく、さらに別の層を設けてもよく、プラスチック基材1の両面に複合皮膜層3を形成してもよい。
プラスチック基材1の片面のみに、複合皮膜層3が設けられる場合、他方の面には公知の添加剤、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを含む層を設けてもよい。
<オーバーコート層4>
オーバーコート層の材料の主成分としては、溶剤溶解性または水溶性のポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、およびアルキルチタネート等から選択することができる。オーバーコート層は、これらの材料を用いた単独層、または2種類以上の積層によって構成することができる。
オーバーコート層フィラーを添加してバリア性、摩耗性、滑り性等を向上させることもできる。フィラーとしては、例えばシリカゾル、アルミナゾル、粒子状無機フィラー、および層状無機フィラーなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。オーバーコート層は、前述の樹脂にフィラーを添加し、重合または縮合させることにより形成することが好ましい。
実施形態に係るガスバリア積層体5は、包装材料としての適性を考慮して、別のフィルムを積層することができる。このフィルムは、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロン、ポリフッ化ビニルフィルムやポリフッ化ジビニルなどのフッ素系樹脂フィルムなどを用いることができる。さらに、これら以外の樹脂フィルムを積層することもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、プラスチック基材1して、厚さ100μmのPETフィルムにグラビアコーティング法によって、下地層2としてウレタン樹脂を50nmの厚みで製膜した後、その上にさらにグラビアコーティング法で調整したアルミアルコキシドとリン化合物の生成反応物を塗布し複合皮膜層3を形成した。
<分散液>
蒸留水を撹拌しながら70℃に昇温した。その蒸留水に、アルミニウムイソプロポキシド
を1時間かけて滴下し、液温を徐々に95℃まで上昇させ、発生するイソプロパノールを留出させることによって加水分解縮合を行った。次いで、60質量%の硝酸水溶液を添加し、95℃で3時間撹拌することによって加水分解縮合物の粒子の凝集体を解膠させた。こうして得られた分散液を、固形分濃度がアルミナ換算で10質量%になるように濃縮して分散液を得た。
蒸留水 230質量部アルミニウムイソプロポキシド 88質量部60質量%の硝酸水溶液 4.0質量部固形分濃度がアルミナ換算で10質量%になるように濃縮する。
<複合皮膜層用塗液>
85質量%のリン酸水溶液 1.76質量部蒸留水 42.85質量部メタノール 19.00質量部トリフルオロ酢酸 1.39質量部を均一になるように攪拌し、
分散液 35.00質量部を滴下し、滴下完了後から更に30分間攪拌を続けることによって、複合皮膜層用塗液を得た。
次に、PET基材のプラズマ前処理面上に、乾燥後の厚さが300nmとなるようにバーコータによって複合皮膜層用塗液を塗布し、100℃で5分間乾燥することによって複合皮膜層3を形成した。
この時、複合皮膜層3は、Al/Pが4.09、O/Alが2.45、O/Pが9.80、Al2pピークの結合エネルギーが76.1eV、P2pピークの結合エネルギーが135.8eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した。
Al/P、O/Al、O/P比およびAl2pピークの結合エネルギーとP2pピークの結合エネルギーをX線光電子分光法(XPS)により求めた。測定装置は、X線光電子分光分析装置(XPS:日本電子株式会社製、JPS−90MXV)である。X線源として、非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、100W(10kV−10mA)のX線出力で測定した。
Al/P、O/Al、O/P比を求めるための定量分析には、それぞれO1sで2.28、Al2pで0.60、P2pで1.29の相対感度因子を用いた。
さらにその上にオーバーコート層4としてテトラエトキシシラン加水分解溶液とポリビニルアルコール/水/イソプロピルアルコール混合溶液を混合して溶液としグラビアコーティング法で500nmの厚みで塗工し、実施例1のガスバリア積層体を得た。
アンカーコート付きPET基材上にAl/Pが3.85、O/Alが3.82、O/Pが7.98、Al2pピークの結合エネルギーが76.5eV、P2pピークの結合エネルギーが136.7eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した生成反応物バリア層を成膜し、その上オーバーコートを塗工し、実施例2のガスバリア積層体を得た。
アンカーコート付きPET基材上にAl/Pが2.51、O/Alが2.60、O/P
が6.75、Al2pピークの結合エネルギーが76.3eV、P2pピークの結合エネルギーが136.1eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した生成反応物バリア層を成膜し、その上オーバーコートを塗工し、実施例3のガスバリア積層体を得た。
アンカーコート付きPET基材上にAl/Pが2.45、O/Alが2.91、O/Pが6.77、Al2pピークの結合エネルギーが75.9eV、P2pピークの結合エネルギーが135.8eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した生成反応物バリア層を成膜し、その上オーバーコートを塗工し、実施例4のガスバリア積層体を得た。
アンカーコート付きPET基材上にAl/Pが1.15、O/Alが2.05、O/Pが5.52、Al2pピークの結合エネルギーが74.3eV、P2pピークの結合エネルギーが134.3eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した生成反応物バリア層を成膜し、その上オーバーコートを塗工し、実施例5のガスバリア積層体を得た。
<比較例1>
アンカーコート付きPET基材上にAl/Pが0.93、O/Alが1.89、O/Pが4.87、Al2pピークの結合エネルギーが73.8eV、P2pピークの結合エネルギーが133.6eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した生成反応物バリア層を成膜し、その上オーバーコートを塗工し、比較例1のガスバリア積層体を得た。
<比較例2>
アンカーコート付きPET基材上にAl/Pが8.57、O/Alが4.68、O/Pが12.34、Al2pピークの結合エネルギーが77.6eV、P2pピークの結合エネルギーが137.8eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した生成反応物バリア層を成膜し、その上オーバーコートを塗工し、比較例2のガスバリア積層体を得た。
<比較例3>
アンカーコート付きPET基材上にAl/Pが9.61、O/Alが12.9、O/Pが19.36、Al2pピークの結合エネルギーが78.1eV、P2pピークの結合エネルギーが138.9eVになるようにアルミアルコキシドとリン化合物の割合を調整した生成反応物バリア層を成膜し、その上オーバーコートを塗工し、比較例3のガスバリア積層体を得た。
<評価>
水蒸気バリア性の評価として各サンプル対して、121℃30分のレトルト処理を行い、その後各サンプルの水蒸気透過度(WVTR)を測定した。装置はTechnolox社のDELTAPERMを用い、測定条件は60℃90%で測定した。
評価基準として
○ :50mg/m・day未満を合格
× :50mg/m・day以上を不合格
とした。
表1に評価結果を示す。
表1のように生成反応部バリア層のAl/Pが1.0から8.0、O/Alが2.0から4.0、O/Pが5.0から10.0、Al2pピークの結合エネルギーが74.0から77.0eV、P2pピークの結合エネルギーが134.0から137.0eVに調整された実施例1〜5のガスバリア積層体は水蒸気透過度(WVTR)が50mg/m・day未満となり合格となった。
一方、生成反応物バリア層のAl/Pが1.0から8.0、O/Alが2.0から4.0、O/Pが5.0から10.0、Al2pピークの結合エネルギーが74.0から77.0eV、P2pピークの結合エネルギーが134.0から137.0eVの範囲から外れた比較例1〜3は水蒸気透過度が50mg/m・day以上となり不合格となった。
複合皮膜層3を積層したことにより、60℃以上の高温高湿環境下でも水蒸気に対するバリア性を維持できることを究明した。このような究明結果に基づいて、本発明者はアルミアルコキシドとリン化合物とが反応してなる反応生成物バリア層を所望の組成比にすることにより、高耐久性があり酸素、水蒸気バリア性に優れたガスバリア積層体が生成できる。
以上のようにアルミアルコキシドとリン化合物が規定の範囲に入れば、高温高湿環境下でも優れた水蒸気に対するハイバリア性を示すガスバリア積層体が提供できる。
本発明は、食品包材、医療医薬包材および電子メディアなどのガスバリアフィルムとして用いられるガスバリア積層体を提供できる。
1・・・プラスチック基材
2・・・下地層
3・・・複合皮膜層
4・・・オーバーコート層
5・・・ガスバリア積層体

Claims (4)

  1. プラスチック基材の、少なくとも一方の面に、アルミアルコキシドとリン化合物とが反応してなる複合皮膜層を設けたガスバリア積層体であって、
    前記複合皮膜層の、X線光電子分光法によって算出されるアルミニウムとリンの原子数比(Al/P)が1.00〜8.00の範囲であることを特徴とするガスバリア積層体。
  2. 前記複合皮膜層の、X線光電子分光法によって算出される酸素とアルミニウムの原子数比(O/Al)が2.00から4.00の範囲であり、酸素とリンの原子数比(O/P)が5.00から10.00の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体。
  3. 前記複合皮膜層の、X線光電子分光法によって測定されるAl2pピークの結合エネルギーが74.0eVから77.0eVの範囲であり、P2pピークの結合エネルギーが134.0eVから137.0eVの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスバリア積層体。
  4. 前記複合皮膜層の厚みが50nm〜500nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
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