JP2016054274A - 光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法 Download PDF

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智弘 清水
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Abstract

【課題】キャリアの再結合損失及び電圧損失を抑えることが可能な光電変換素子、及びこの光電変換素子の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、基部21と該基部21から延びるナノワイヤ状の柱部22とを有し、且つ柱部22の少なくとも表層及び基部21の少なくとも表層が導体又は半導体によって形成されている第一電極2と、n型半導体層33、及び第一電極2を構成する導体又は半導体より抵抗の大きなp型半導体層31を含み、且つ、第一電極2における少なくとも柱部22の表面を覆う半導体層3と、半導体層3の表面を覆う第二電極4とを備え、p型半導体層31は、半導体層3の柱部22と接する面を含み、n型半導体層33は、半導体層3の第二電極4と接する面を含む、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法に関する。
従来から、光エネルギーを電気エネルギーに変換可能な太陽電池等の光電変換素子が知られている。この光電変換素子は、図6に示すように、積層されたp型半導体層101、真性半導体層102、及びn型半導体層103と、p型半導体層101に導通可能に接続される裏面電極104と、n型半導体層103に導通可能に接続される透明電極105と、を備える。
光電変換素子100では、光がn型半導体層103側から真性半導体層102内に入射し、吸収されることによって生成されたキャリア(電子e及びホールh:図6参照)が各電極104,105に到達することで電気エネルギーが得られる。しかし、生成されたキャリアが半導体層101〜103を移動すると、再結合によるキャリアの損失(再結合損失)が生じ、得られる電気エネルギーが減少する(即ち、発電効率が低下する)。
このため、真性半導体層102の厚さ寸法を十分に吸収させ、且つキャリアの移動距離を短くすることで、得られる電気エネルギーを増大させることが考えられる。
そこで、図7に示すような直径がナノオーダーの柱状(いわゆる、ナノワイヤ状)の部位を備えた光電変換素子200が考えられた(例えば、特許文献1参照)。この光電変換素子200は、平板状の半導体基板201と、半導体基板201から延びるナノワイヤ状のp型半導体部202と、p型半導体部202の表面を覆う真性半導体層203と、真性半導体層203の表面を覆うn型半導体層204と、半導体基板201と導通可能に接続される裏面電極205と、n型半導体層204と導通可能に接続される透明電極206と、を備える。
この光電変換素子200では、図8にも示すように、真性半導体層203を薄くしても真性半導体層203における光の入射方向(柱状の部位の略軸方向)の寸法を大きくできるため、入射した光は、真性半導体層203で十分に吸収され、キャリアの生成に十分に寄与する。しかも、柱状の部位では、主に径方向にキャリア(電子e及びホールh)が移動するため(図8参照)、真性半導体層203を薄くすることで、真性半導体層203内で生成されたキャリアのp型半導体部202及びn型半導体層204への移動距離が小さくなり、これにより、再結合によるキャリアの損失を抑えることができる。尚、図8において、真性半導体層203は、光が入射したことにより生成されたキャリアの移動方向を示すために、真性半導体層203の厚さ寸法を誇張して表現している。
特開2010−28092号公報
しかし、上述の柱状の部位を備える光電変換素子200では、p型半導体部202内に移動したキャリアの裏面電極205までの距離(即ち、p型半導体部202内におけるキャリアの移動距離)が大きくなるため、p型半導体部202内の抵抗による電圧損失が増大し、これにより、得られる電気エネルギーを十分に増大させることができない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、キャリアの再結合損失、及び電圧損失を抑えることが可能な光電変換素子、及びこの光電変換素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る光電変換素子は、板状の基部と該基部から延びるナノワイヤ状の柱部とを有すると共に、前記柱部の少なくとも表層及び前記基部の少なくとも前記柱部側の表層が導体又は半導体によって形成されている第一電極と、n型半導体によって構成されるn型半導体層、及びp型半導体によって構成され且つ前記第一電極の前記導体又は前記半導体より抵抗の大きなp型半導体層を含む半導体層であって前記第一電極における少なくとも前記柱部の表面を覆う半導体層と、前記半導体層の表面に接続される第二電極と、を備え、前記p型半導体層は、前記半導体層における前記柱部と接する面を含み、前記n型半導体層は、前記半導体層における前記第二電極と接する面を含む。尚、本発明においてナノワイヤ状の柱部とは、直径がナノオーダーの柱状の部位のことをいう。
かかる構成によれば、p型半導体層及びn型半導体層を含む半導体層が柱部の表面を覆うことで、柱部の略軸方向(軸方向を含む)から入射した光の進行方向における半導体層の長さ寸法を十分に確保して該半導体層内でキャリアを十分に生成させつつ、半導体層内のキャリアの移動距離(柱部の径方向における距離)を抑えて半導体層内でのキャリアの再結合損失を抑えることができる。
しかも、柱部の径方向におけるp型半導体層の内側には、p型半導体より抵抗の小さな導体又は半導体を少なくとも表層(表面を含む層)に有する第一電極が配置されているため、p型半導体によって構成される柱部を電流が通過する場合に比べ、第一電極(柱部)を電流が通過する際の電圧損失が抑制される。
前記光電変換素子では、前記第二電極は、前記半導体層を覆う透明電極であることが好ましい。
かかる構成によれば、接触面積を確保するために半導体層全体が電極(透明電極)に覆われていても、n型半導体層側からの半導体層への光の入射量を十分に確保することができる。
また、前記光電変換素子では、前記第一電極が、前記柱部を複数有し、前記半導体層が、少なくとも各柱部の表面をそれぞれ覆うことが好ましい。
かかる構成によれば、複数の柱部のそれぞれが半導体層によって覆われているため、得られる電気エネルギーが増大する。しかも、柱部間に入射した光が該柱部間において乱反射する(即ち、複数回反射する)ため、この柱部間に入射した光の一部も半導体層に入射して光電変換に利用され、これにより、発電効率がより向上する。
複数の柱部が基板上に林立した状態では、柱部同士の間隔(ピッチ)及び各柱部の長さ寸法を調整することによって、柱部間において一部の波長域の光を他の波長域の光よりも乱反射の回数を増やすことができる。このため、前記光電変換素子では、柱部同士の間隔及び各柱部の長さ寸法は、前記半導体層の素材に基づいて設定されることが好ましい。
このようにすることで、柱部同士の間に入射した光のうち、半導体層内でキャリアの生成に用いられる波長域の光を効率よく乱反射させることが可能となり、その結果、光電変換の効率をより向上させることができる。
前記光電変換素子では、前記第一電極は、金属によって形成されてもよい。
かかる構成によれば、第一電極を電子が通過する際の抵抗がより抑えられ、第一電極(柱部)における電圧損失がより抑えられる。
前記光電変換素子では、前記第一電極は、前記柱部の前記表層及び前記基部における前記表層を構成し且つ前記p型半導体より抵抗の小さな前記導体又は前記半導体によって形成される導電膜と、前記p型半導体層より抵抗の大きな残りの部位と、を有してもよい。
このように、第一電極の表層(柱部の前記表層及び基部の前記表層)を抵抗の小さな導電膜によって構成することで、残りの部位(詳しくは、第一電極における前記導電膜を除く部位)を構成する素材として絶縁材料等の高抵抗材料(p型半導体より抵抗の大きな材料)を用いることができ、ナノワイヤ状の柱部を含む第一電極を形成する素材の選択の自由度がより向上する。
また、前記光電変換素子では、前記半導体層は、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に配置される真性半導体層を有してもよい。
かかる構成によれば、半導体層にアモルファス金属又はアモルファス半導体を用いることができる。
また、本発明に係る光電変換素子の製造方法は、板状の基部と該基部から延びるナノワイヤ状の柱部とを有すると共に、前記柱部の少なくとも表層及び前記基部の少なくとも前記柱部側の表層が導体又は半導体によって形成されている第一電極を形成する第一電極形成工程と、前記第一電極に対し、少なくとも前記柱部の表面を覆い且つ前記第一電極の前記導体又は前記半導体より抵抗の大きなp型半導体層を形成する第一の半導体層形成工程と、前記p型半導体層を覆うn型半導体層を形成する第二の半導体層形成工程と、前記n型半導体層の表面に接続される第二電極を形成する第二電極形成工程と、を備える。
かかる構成によれば、p型半導体層及びn型半導体層を含む半導体層が柱部の表面を覆うことで、柱部の略軸方向(軸方向を含む)から入射した光の進行方向における半導体層の長さ寸法を十分に確保して該半導体層内でキャリアを十分に生成させつつ、半導体層内のキャリアの移動距離(柱部の径方向における距離)を抑えて半導体層内でのキャリアの再結合損失を抑えることができる光電変換素子が得られる。また、この光電変換素子では、柱部の径方向におけるp型半導体層の内側に、p型半導体より抵抗の小さな導体又は半導体を少なくとも表層に有する第一電極(詳しくは柱部及び基部)が配置されているため、p型半導体によって形成された柱部を電流が通過する場合に比べ、第一電極の柱部を電流が通過する際の電圧損失が効果的に抑制される。
しかも、ナノワイヤ状に一方向に成長させることが可能なp型半導体の種類が少ないため、上記構成のように、他の素材(導体又はp型半導体より抵抗の小さな半導体)によって柱部を含む第一電極を形成とすることで、第一電極を構成する素材の選択の自由度及び柱部の形成方法の種類が増大する。また、例えば、CVD法、ALD法、メッキ法のような従来からある成膜方法(薄膜堆積技術)によって半導体層(p型半導体層及びn型半導体層)を形成することができる。よって、柱部がp型半導体によって構成される光電変換素子に比べ、製造が容易になる。
また、
前記第一電極形成工程において、前記第一電極は、金属によって形成されてもよい。
かかる構成によれば、複数の素材によって第一電極が形成される場合に比べ、第一電極の形成が容易になる。しかも、第一電極全体が金属によって形成されることで、第一電極を電子が通過する際の抵抗がより抑えられるため、第一電極における電圧損失がより抑えられた光電変換素子が得られる。
以上より、本発明によれば、キャリアの再結合損失及び電圧損失を抑えることが可能な光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る光電変換素子の断面図である。 図2は、前記光電変換素子の第一電極の平面図である。 図3は、前記光電変換素子の製造方法のフローを示す図である。 図4は、光電変換素子で反射された光の波長と反射率との関係を示す図である。 図5は、他実施形態に係る光電変換素子の断面図である。 図6は、従来の平板型光電変換素子の断面において光が入射したときのキャリアの動きを説明するための図である。 図7は、従来のナノワイヤ型の光電変換素子の断面図である。 図8は、前記ナノワイヤ型の光電変換素子において、光が入射したときのキャリアの動きを説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。本実施形態に係る光電変換素子は、太陽光を用いて発電する太陽電池である。
光電変換素子は、図1に示すように、板状の基部21及び該基部21から延びる柱部22を有する第一電極2と、第一電極2における少なくとも柱部22の表面を覆う半導体層3と、半導体層3の表面に接続される第二電極4と、を備える。
第一電極2では、基部21と柱部22とが一体に形成されている。第一電極2は、例えば、Ni、Fe、Au、Ag、Cu、Mo、Si、Ge、GaAs等の導体又は半導体によって構成される。第一電極2を構成する導体又は半導体の抵抗は、半導体層3に含まれるp型半導体層31の抵抗より小さい。本実施形態の第一電極2は、金属製である。第一電極2の素材としては、半導体層3に拡散し難い高融点金属材料が好ましい。この第一電極2は、複数の柱部22を有する。
各柱部22は、基部21の一方の面21A(図1における上側の面)から、該一方の面21Aの略法線方向に延びる。各柱部22は、図2に示すように、略円形の断面形状を有し、基部21(一方の面21A)上において三角格子状に配置されている。ここで、「三角格子」とは、図2において仮想線で示す正三角形Tの各辺に平行な複数の直線の交点を格子点Pとする格子を意味し、各柱部22は、その中心軸が格子点Pを通るように一方の面21Aからそれぞれ延びる。
柱部22の直径は、ナノオーダーである。例えば、本実施形態の柱部22の直径は、10〜500nmであり、長さは、100〜30000nmである。また、柱部22のピッチ(隣り合う柱部22の中心軸間の距離:図2における正三角形Tの一辺の長さ)は、例えば、50〜5000nmである。この柱部22の長さ及びピッチは、半導体層3を構成する素材(半導体)の種類に応じて設定される。詳しくは、以下の通りである。
複数の柱部22が板状の基部21上に林立した(整列した)状態では、柱部22のピッチ(柱部22同士の間隔)と長さ寸法とを調整することによって、柱部22間に入射した光における一部の波長域の光の反射率を低下させることができる、換言すると、柱部22間に入射した光における一部の波長域の光を他の波長域の光に比べてより吸収させることができる。これは、前記一部の波長域の光が他の波長域の光に比べて柱部22間において乱反射の回数が増大するからである。このように吸収される(柱部22間でより乱反射する)一部の波長域は、柱部22のピッチと長さとに依存するため、本実施形態の光電変換素子1では、半導体層3でのキャリアの生成に寄与する波長域の光が吸収される(より乱反射する)ように設定されている。
図1に戻り、半導体層3は、少なくとも柱部22の表面を覆う。本実施形態の半導体層3は、各柱部22の表面及び基部21の一方の面21Aを覆う。この半導体層3は、n型半導体層33と、第一電極2を構成する金属より抵抗の大きなp型半導体層31と、を有する。また、本実施形態の半導体層3は、p型半導体層31とn型半導体層33との間に真性半導体層32を有する。
この半導体層3において、p型半導体層31が柱部22と接する面を含む位置に配置され、n型半導体層33が第二電極4と接する面を含む位置に配置され、真性半導体層32がp型半導体層31とn型半導体層33との間に配置される。即ち、本実施形態の半導体層3では、柱部22側からp型半導体層31、真性半導体層32、n型半導体層33が順に積層されている。
p型半導体層31は、Si、CIS、CIGS、CZTS等の半導体によって形成されている。p型半導体層31の素材としては、大気中で安定し且つ可視光領域の吸収が大きい半導体材料が好ましい。本実施形態のp型半導体層31の厚さは、例えば、5〜2000nmである。尚、p型半導体層31の各位置における厚さは、略一定でなくてもよい。例えば、柱部22の先端面に積層された部位と、柱部22の周面に積層された部位との厚さが異なっていてもよい。
真性半導体層32は、Si、CIS、CIGS、CZTS等の半導体によって形成されている。真性半導体層32の素材としては、大気中で安定かつ可視光領域の吸収が大きい半導体材料が好ましい。本実施形態の真性半導体層32の厚さは、例えば、5〜2000nmである。尚、真性半導体層32の各位置における厚さは、p型半導体層31と同様に、略一定でなくてもよい。例えば、柱部22の先端面に積層された部位と、柱部22の周面に積層された部位との厚さが異なっていてもよい。
n型半導体層33は、Si、CdS、CdSe等の半導体によって形成されている。n型半導体層33の素材としては、出来るだけ可視光を吸収しない半導体が好ましい。本実施形態のn型半導体層33の厚さは、例えば、10〜500nmである。尚、n型半導体層33の各位置における厚さは、p型半導体層31及び真性半導体層32と同様に、略一定でなくてもよい。例えば、柱部22の先端面に積層された部位と、柱部22の周面に積層された部位との厚さが異なっていてもよい。
以上のように構成される半導体層3が柱部22を覆った状態の柱状の部位(以下、「ナノワイヤ状の部位」とも称する。)の外径は、例えば、40〜5500nmであり、長さは、例えば、10〜30000nmである。
本実施形態の第二電極4は、いわゆる透明電極である。この第二電極4は、基部21の一方の面21A側において、半導体層3が設けられた各柱部22(即ち、ナノワイヤ状の部位)が埋没するように設けられている。この第二電極4は、例えば、ITO、ZnO、TiO等によって形成されている。
次に、光電変換素子1の製造方法について、図3も参照しつつ説明する。
先ず、第一電極2を形成する(ステップS1)。具体的には、VLS法、異方性エッチング、電解メッキ法等によって、板状の基部21の一方の面21Aから複数の柱部22が延びる第一電極2を形成する。
次に、第一電極2の一方の面21A側に半導体層3を形成する。即ち、基部21及び柱部22が一体に形成されている第一電極2を芯(テンプレート)にして、その表面に半導体層3を形成する。詳しくは、基部21の一方の面21A及び柱部22の表面に、CVD法、ALD法、メッキ法、ゾルゲル法等の成膜方法(薄膜堆積技術)によって、p型半導体層31を形成(成膜)する(ステップS2)。続いて、p型半導体層31の上に、前記いずれかの成膜方法によって、真性半導体層32を形成(成膜)する(ステップS3)。さらに、真性半導体層32の上に、前記いずれかの成膜方法によって、n型半導体層33を形成(成膜)する(ステップS4)。これにより、p型半導体層31、真性半導体層32、及びn型半導体層33が順に積層されている半導体層3が第一電極2上に形成される。
半導体層3が形成されると、その上に、第二電極4が形成され(ステップS5)、これにより、複数のナノワイヤ状の部位(半導体層3が柱部22を覆った状態の柱状の部位)を有する光電変換素子1が完成する。
以上の光電変換素子1によれば、p型半導体層31及びn型半導体層33を含む半導体層3が柱部22の表面を覆うことで、柱部22の略軸方向(図1における上方側)から入射した光の進行方向における半導体層3の長さ寸法を十分に確保して該半導体層3内でキャリアを十分に生成させつつ、半導体層3内のキャリアの移動距離(柱部22の径方向における距離)を抑えて半導体層3内でのキャリアの再結合損失を抑えることができる。
しかも、本実施形態の光電変換素子1では、柱部22の径方向におけるp型半導体層31の内側には、p型半導体層31より抵抗の小さな金属製の第一電極2が配置されている。このため、p型半導体によって構成される柱部を電流が通過する場合に比べ、第一電極2(柱部22)を電流が通過する際の電圧損失が抑制される。
また、本実施形態の光電変換素子1では、第二電極4が半導体層3を覆う透明電極であるため、n型半導体層33との接触面積を確保するために半導体層3全体が第二電極(透明電極)4に覆われていても、n型半導体層33側からの半導体層3への光の入射量を十分に確保することができる。
また、本実施形態の光電変換素子1では、複数のナノワイヤ状の部位、即ち、複数の柱部22のそれぞれが半導体層3によって覆われている。このため、本実施形態の光電変換素子1では、ナノワイヤ状の部位が一つの光電変換素子に比べて、得られる電気エネルギーが増大する。しかも、柱部22間(詳しくは、ナノワイヤ状の部位間)に入射した光が該柱部22間で乱反射する(即ち、複数回反射する)ため、この柱部22間に入射した光の一部も半導体層3に入射して光電変換に利用される。これにより、発電効率がより向上する。
複数の柱部22が基板(板状の基部21)上に林立した状態では、柱部22同士の間隔(ピッチ)及び各柱部22の長さ寸法を調整することによって、柱部22間において一部の波長域の光を他の波長域の光より乱反射する回数を増大させることができる。このため、本実施形態の光電変換素子1では、柱部22同士の間隔及び各柱部22の長さ寸法が、半導体層3の素材に基づいて設定されている。
このようにすることで、柱部22間に入射した光のうち、半導体層3内でキャリアの生成に用いられる波長域の光を効率よく乱反射させることが可能となり、その結果、光電変換の効率をより向上させることができる。
例えば、光電変換素子1において、ナノワイヤ状の部位(半導体層3が形成された柱部22)の直径が400nm、ナノワイヤ状の部位(柱部22)のピッチが500nmのときに、基部21の法線方向に対して入射角5°で光が照射されたときの光の波長毎の反射率を図4に示す。図4において、一点鎖線は、ナノワイヤ状の部位の長さ寸法が400nmの場合を示し、破線は、ナノワイヤ状の部位の長さ寸法が1200nmの場合を示し、実線は、ナノワイヤ状の部位のない平板型の光電変換素子の場合を示す。この図4から、平板型の光電変換素子での反射率に対し、複数のナノワイヤ状の部位が形成された光電変換素子1での反射率において、一部の波長域での反射率の低下が大きくなっていることが確認できる。
本実施形態の光電変換素子1では、第一電極2全体が金属によって形成されているため、p型半導体より抵抗の低い半導体によって形成された第一電極や、表層のみが導体等で構成された第一電極等より、第一電極2を電流が通過する際の抵抗が抑えられる。これにより、第一電極2(柱部22)での電圧損失がより抑えられる。
また、本実施形態の光電変換素子1では、半導体層3が、p型半導体層31とn型半導体層33との間に配置される真性半導体層32を有している。このため、半導体層3にアモルファス金属又はアモルファス半導体を用いることができる。
ナノワイヤ状に一方向に成長させることが可能なp型半導体の種類は、少ない。このため、本実施形態の光電変換素子1の製造方法のように、他の素材(導体又はp型半導体より抵抗の小さな半導体)によって柱部22を含む第一電極2を形成とすることで、第一電極2を構成する素材の選択の自由度及び柱部22の形成方法の種類が増大する。また、複数の柱部22を含む第一電極2をテンプレートとすることで、例えば、CVD法、ALD法、メッキ法のような従来からある成膜方法(薄膜堆積技術)によって半導体層3(p型半導体層31及びn型半導体層33)を容易に形成することができる。よって、本実施形態の光電変換素子1の製造方法によれば、柱部がp型半導体によって構成される光電変換素子に比べ、製造が容易になる。
また、本実施形態の光電変換素子1の製造方法では、第一電極2が金属によって形成されているため、複数の素材によって第一電極2が形成される場合に比べ、第一電極2の形成が容易になる。しかも、第一電極2全体が金属によって形成されることで、第一電極2を電子が通過する際の抵抗がより抑えられるため、第一電極2における電圧損失がより抑えられた光電変換素子1が得られる。
尚、本発明の光電変換素子及び光電変換素子の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態の光電変換素子1は、太陽電池であるが、これに限定されない。
上記実施形態の第一電極2は、金属製であるが、この構成に限定されない。第一電極2は、半導体層3におけるp型半導体層31より抵抗の小さな半導体によって構成されてもよい。
また、図5に示すように、柱部22の表層22Bと、基部21における少なくとも一方の面21Aを含む表層(少なくとも柱部22側の表層)21Bのみが導体、又はp型半導体より抵抗の小さな半導体によって構成されてもよい。この場合、第一電極2の残りの部位(第一電極2において、柱部22の表層22B及び基部21の一方の面21A側の表層21Bを除いた部位)23は、絶縁材料等のp型半導体より抵抗の大きな絶縁材料等の高抵抗材料によって構成されてもよい。即ち、残りの部位23が高抵抗材料によって構成され、その表面に、導体、又はp型半導体より抵抗の小さな半導体によって構成される導電膜21B,22Bが形成されてもよい。
このように、第一電極2の表層(柱部22の表層22B及び基部21の一方の面21A側の表層21B)を抵抗の小さな膜(導電膜)によって構成することで、残りの部位23を構成する素材として高抵抗材料(p型半導体より抵抗の大きな材料)を用いることができる。このため、ナノワイヤ状の柱部22を含む第一電極2を形成する素材の選択の自由度がより向上する。
上記実施形態の半導体層3は、柱部22の表面及び基部21の一方の面21Aを覆っているが、この構成に限定されない。半導体層3は、各柱部22の表面のみを覆っていてもよい。かかる構成によっても、柱部22の略軸方向から入射した光が半導体層3においてキャリアの生成される領域を通過(透過)しないように該半導体層3の光の進行方向における長さ寸法を十分に確保してキャリアを十分に生成させつつ、半導体層3内のキャリアの移動距離(柱部22の径方向における距離)を抑えて半導体層3内でのキャリアの再結合損失を抑えることができる。また、半導体層3が柱部22の表面のみを覆っている構成でも、柱部22の径方向におけるp型半導体層31の内側には、p型半導体層31より抵抗の小さな金属製の第一電極2が配置されているため、p型半導体によって構成される柱部を電流が通過する場合に比べ、第一電極2(柱部22)を電流が通過する際の電圧損失が抑制される。
また、上記実施形態の光電変換素子1では、複数のナノワイヤ状の部位が形成されているが、この構成に限定されない。光電変換素子1は、一つのナノワイヤ状の部位、即ち、一つの柱部22を備える構成であってもよい。かかる構成によっても、ナノワイヤ状の部位において、キャリアの再結合損失及び電圧損失を抑えることができる。
上記実施形態の光電変換素子1の半導体層3では、pin接合が構成されているが、この構成に限定されない。半導体層3は、図5に示すように、pn接合を構成してもよい。換言すると、半導体層3は、真性半導体層32がなく、p型半導体層31とn型半導体層33とが積層されることで形成されてもよい。
上記実施形態の第一電極2では、複数の柱部22が基部21上において三角格子状に配置(配列)されているが、この配置に限定されない。複数の柱部22は、例えば、正方格子、六角格子状等に配置されてもよく、互いに間隔を空けてランダムに林立した状態で配置されてもよい。
上記実施形態の第二電極4は、透明又は略透明であるが、この構成に限定されない。
1…光電変換素子、2…第一電極、21…基部、21A…一方の面、21B…基部の表層(導電膜)、22…柱部、22B…柱部の表層(導電膜)、23…残りの部位、3…半導体層、31…p型半導体層、32…真性半導体層、33…n型半導体層、4…透明電極、100…光電変換素子、101…p型半導体層、102…真性半導体層、103…n型半導体層、104…裏面電極、105…透明電極、200…光電変換素子、201…半導体基板、202…p型半導体部、203…真性半導体層、204…n型半導体層、205…裏面電極、206…透明電極、e…電子(キャリア)、h…ホール(キャリア)、P…格子点、T…正三角形

Claims (9)

  1. 板状の基部と該基部から延びるナノワイヤ状の柱部とを有すると共に、前記柱部の少なくとも表層及び前記基部の少なくとも前記柱部側の表層が導体又は半導体によって形成されている第一電極と、
    n型半導体によって構成されるn型半導体層、及びp型半導体によって構成され且つ前記第一電極の前記導体又は前記半導体より抵抗の大きなp型半導体層を含む半導体層であって前記第一電極における少なくとも前記柱部の表面を覆う半導体層と、
    前記半導体層の表面に接続される第二電極と、を備え、
    前記p型半導体層は、前記半導体層における前記柱部と接する面を含み、
    前記n型半導体層は、前記半導体層における前記第二電極と接する面を含む、光電変換素子。
  2. 前記第二電極は、前記半導体層を覆う透明電極である、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第一電極は、前記柱部を複数有し、
    前記半導体層は、少なくとも各柱部の表面をそれぞれ覆う、請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 柱部同士の間隔及び各柱部の長さ寸法は、前記半導体層の素材に基づいて設定される、請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 前記第一電極は、金属によって形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記第一電極は、前記柱部の前記表層及び前記基部における前記表層を構成し且つ前記p型半導体より抵抗の小さな前記導体又は前記半導体によって形成される導電膜と、前記p型半導体層より抵抗の大きな残りの部位と、を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記半導体層は、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に配置される真性半導体層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 板状の基部と該基部から延びるナノワイヤ状の柱部とを有すると共に、前記柱部の少なくとも表層及び前記基部の少なくとも前記柱部側の表層が導体又は半導体によって形成されている第一電極を形成する第一電極形成工程と、
    前記第一電極に対し、少なくとも前記柱部の表面を覆い且つ前記第一電極の前記導体又は前記半導体より抵抗の大きなp型半導体層を形成する第一の半導体層形成工程と、
    前記p型半導体層を覆うn型半導体層を形成する第二の半導体層形成工程と、
    前記n型半導体層の表面に接続される第二電極を形成する第二電極形成工程と、を備える、光電変換素子の製造方法。
  9. 前記第一電極形成工程において、前記第一電極は、金属によって形成されている、請求項8に記載の光電変換素子の製造方法。
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