JP6321487B2 - 量子ドット太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、量子ドット太陽電池に関する。
従来より使用されている太陽電池の受光層には、主に、バルク結晶と同じエネルギーバンド構造を有する半導体結晶のp−n接合あるいはp−i−n接合構造が適用されている。
このような構造に対して、近年、受光層に量子ドットを用いて、光電変換効率の向上や受光波長帯域の制御など、より高性能化を図るという提案がなされている。
量子ドットは、通常、その周囲を、量子ドット自身のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する障壁層によって囲まれている。このため、理論的には、電子のフォノン放出によるエネルギー緩和が起こりにくく、キャリアが消滅し難いと考えられている。
しかしながら、量子ドットを集積させて量子ドット層を形成した場合には、量子ドット内に生成したキャリアは、障壁層を含む量子ドット層内に存在する欠陥と結合して消滅しやすく、これによりキャリアの密度が低下し、電極まで到達できる電荷量の低下が起こり、光電変換効率を高められないという問題がある。
このような問題に対し、近年、量子ドット層内において、キャリアの集電性を高めるための構造が種々提案されている。例えば、特許文献1には、図9に示すように、量子ドット層101内に、ナノロッドと呼ばれる柱状のキャリア収集部103を配置させた例が示されている。
ところが、特許文献1に開示された発明は、量子ドット層が1層であったため、ほぼ単一のバンドギャップに対応する波長の光だけを吸収する構成となっていることから、この構造においても光電変換効率の向上は厳しく、より高い光電変換効率の得られる量子ドット太陽電池の出現が望まれている。
特表2009−537994号公報
従って本発明は、キャリアの集電性に優れ、光電変換効率を高めることのできる量子ドット太陽電池を提供することを目的とする。
本発明の量子ドット太陽電池は、量子ドット層と接合層とが交互に積層されており、複数の前記量子ドット層は、バンドギャップが異なる量子ドット層を2層以上有し、複数の前記量子ドット層内には、該量子ドット層の厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部が設けられており、複数の前記量子ドット層のうち光の入射面側に位置する前記量子ドット層の厚みが、光の出射面側に位置する前記量子ドット層の厚みよりも薄く、かつ、光の入射面側に位置する前記量子ドット層のバンドギャップが、光の出射面側に位置する前記量子ドット層のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の量子ドット太陽電池は、量子ドット層と接合層とが交互に積層されており、複数の前記量子ドット層は、バンドギャップが異なる量子ドット層を2層以上有し、複数の前記量子ドット層内には、該量子ドット層の厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部が設けられており、複数の前記量子ドット層のうち光の入射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の前記厚み方向における高さが、光の出射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の前記厚み方向における高さよりも低いことを特徴とする。
また、本発明の量子ドット太陽電池は、量子ドット層と接合層とが交互に積層されてお
り、複数の前記量子ドット層は、バンドギャップが異なる量子ドット層を2層以上有し、複数の前記量子ドット層内に、該量子ドット層の厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部が設けられており、前記量子ドット層は、n型の量子ドットとp型の量子ドットとを有しており、前記キャリア収集部に近い側にn型の量子ドットが配置され、該n型の量子ドットの周囲にp型の量子ドットが配置される構成となっていることを特徴とする。
本発明によれば、キャリアの集電性に優れ、光電変換効率を高めることのできる量子ドット太陽電池を得ることできる。
(a)は、本発明の量子ドット太陽電池の一実施形態を部分的に示す断面模式図であり、(b)は、(a)のA−A線に沿った断面図である。 本実施形態の他の態様を示すものであり、キャリア収集部が接合層の上下両面に設けられている形態を示す断面模式図である。 本実施形態の他の態様を示すものであり、複数積層された量子ドット層の厚みおよび量子ドット層の厚み方向のキャリア収集部の高さが異なっている形態を示す断面模式図である。 本実施形態の他の態様を示すものであり、複数積層された量子ドット層のキャリア収集部の径が異なっている形態を示す断面模式図である。 本実施形態の他の態様を示すものであり、光の出射面側から光の入射面側に向けて、キャリア収集部の径が小さくなっている形態を示す断面模式図である。 (a)は、本実施形態の量子ドット型太陽電池の他の態様を部分的に示す断面模式図であり、側面に凹凸を有するキャリア収集部を示すものである。(b)は、(a)を部分的に拡大した模式図である。 本実施形態の他の態様を示すものであり、量子ドットがn型の量子ドットとp型の量子ドットとから構成されており、キャリア収集部側にn型の量子ドットが配置され、n型の量子ドットの周囲にp型の量子ドットが配置される形態を示す断面模式図である。 本実施形態の量子ドット太陽電池の製造方法を示す工程図である。 従来の量子ドット太陽電池を示す断面模式図である。
図1は、本発明の量子ドット太陽電池の一実施形態を部分的に示す断面模式図である。ここでは量子ドット層1、3が2層構造のものを一例として示しているが、本発明はこれに限られるものではなく、量子ドット層1、3が3層以上となったものにも適用される。
図1に示す量子ドット太陽電池は、量子ドット層1、3と接合層5とが交互に積層された構成となっている。ここで、2層の量子ドット層1、3は、バンドギャップが互いに異なっている。なお、バンドギャップが異なるというのは、2層の量子ドット層1、3間で0.2ev以上の差を有している場合をいう。また、これらの量子ドット層1、3内には、接合層5から量子ドット層1、3の厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部7を有している。図1では、量子ドット層1の上層側に透明導電膜に相当する導体層9およびガラス基板10を設け、一方、量子ドット層3の下層側には接合層5、支持体11を設けた構成を示している。この場合、ガラス基板10の上面側が光の入射面13a側となり、支持体11の下面側が光の出射面13b側となる。図1(a)では、キャリア収集部7と接合層5とは一体化した構造を示しているが、キャリア収集部7と接合層5とは、異なる材料によって形成されていても良い。なお、光の入射面13a側であるガラス基板10の表面や光の出射面13b側である支持体11の下面には、保護層や反射防止材などが設けられる場合がある。
本実施形態の量子ドット太陽電池によれば、量子ドット層1、3が2層以上に積層された構造であることから、量子ドット層1、3によって異なるバンドギャップを有する光吸収層を形成することができる。これにより、吸収できる光の波長の範囲を広げることが可能となる。
本実施形態の量子ドット太陽電池では、これに加えて、積層された量子ドット層1、3の各層に厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部7を有していることから、量子ドット層1、3内に生成したキャリアは、量子ドット層1、3内において消滅する前に、キ
ャリア収集部7によって効率良く捕獲される。
本実施形態の量子ドット太陽電池は、これにより吸収できる光の波長の範囲が広く、かつ、キャリアの収集効率を高められるために、高い光電変換効率を得ることが可能となる。
ここで、量子ドット層1、3を構成する量子ドット15およびキャリア収集部7は、いずれも半導体材料によって形成されており、量子ドット15の一部はキャリア収集部7に接触した状態で緻密に充填された状態となっている。また、キャリア収集部7を光の入射面13a側から見たときの形状、すなわち、図1(a)のA−A線における断面形状は、図1(b)に示すような円形状だけではなく、多角形状であっても良い。
また、キャリア収集部7は、量子ドット層1、3の面内にほぼ等間隔に立接して配置されていることが望ましい。キャリア収集部7が量子ドット層1、3の面内にほぼ等間隔に配置されていると、量子ドット層1、3内に充填されている量子ドット15からキャリア収集部7までの距離のばらつきを小さくできることから、各量子ドット15からキャリア収集部7までのキャリアの移動距離をほぼ均等にできる。これによりキャリアが局部的に消滅する領域を減少させることができ、均質に発電する素子にすることができる。
図2は、本実施形態の他の態様を示すものであり、キャリア収集部が接合層の上下両面に設けられている形態を示す断面模式図である。
図1(a)に示す量子ドット太陽電池は、キャリア収集部7が、量子ドット層1、3の層間および量子ドット層3と支持体11との層間に設けた接合層5のそれぞれから量子ドット層1、3の厚み方向に延伸するように設けられた構成であるが、本発明はこれに限らず、図2に示すように、キャリア収集部7が接合層5の上下両面に対向するように配置された構成となっている場合にも同様の効果を発揮できる。
さらには、このキャリア収集部7は、図1、図2に示したような接合層5と一体化された構造に限らず、例えば、導体層9など、量子ドット15に接している部材上に設けられていても同様の効果を得ることが可能である。
図3は、本実施形態の他の態様を示すものであり、複数積層された量子ドット層1、3は、光の入射面13a側から光の出射面13b側に向けて、厚みt、tが厚くなっているとともに、キャリア収集部7の量子ドット層1、3の厚み方向における高さH、Hが高くなっている形態を示す断面模式図である。
本実施形態の量子ドット太陽電池では、複数の量子ドット層1、3は、光の入射面13a側に配置されたものの方が、光の出射面13b側に配置されたものよりも厚みが薄く、かつバンドギャップが大きいことが望ましい。
複数の量子ドット層1、3が積層されている構成において、光の入射面13a側に厚み(図1ではtと表記)が薄く、かつバンドギャップの大きい量子ドット層1を配置し、光の出射面13b側に量子ドット層1に比べて、厚み(図1ではtと表記)が厚く、かつバンドギャップの小さい量子ドット層3を配置した構成にすると、光が量子ドット層1、3に入ってから到達距離の短い短波長光は厚みの薄い量子ドット層1において吸収されやすくなり、一方、到達距離の長い長波長光は厚みの厚い量子ドット層3において吸収されやすくなる。これにより量子ドット層1、3を多層化した際にも、量子ドット層1、3の各量子ドット層において吸収されなかった光をいずれかの量子ドット層1、3において吸収することができる。その結果、短波長光における電子−電子散乱によるフォノン放出
による熱エネルギー損失や長波長光における透過損失をそれぞれ低減でき、光電変換効率をさらに高めることができる。
この場合、キャリア収集部7は、光の出射面13b側に配置された量子ドット層3内に形成されたものの方を、光の入射面13a側に配置された量子ドット層1内に形成されたものよりも高さを高くしておくのが良い(図1では、H<H)。キャリア収集部7の高さを量子ドット層1、3のそれぞれの厚みt、tに対応する高さ(H、H)の関係にすると、量子ドット層1、3内において、接合層5から離れた領域に生成したキャリアについてもキャリアを効率良くキャリア収集部7に捕獲させることができる。ここで、キャリア収集部7の高さH、Hとは、図3に従うと、量子ドット層1、3内の厚み方向の長さとなる。
図4は、本実施形態の他の態様を示すものであり、2層積層された量子ドット層1、3の、キャリア収集部7の径D、Dが異なっている形態を示す断面模式図である。また、本実施形態の量子ドット太陽電池では、キャリア収集部7は、光の出射面13b側に配置された量子ドット層3内に形成されたものの方を、光の入射面13a側に配置された量子ドット層1内に形成されたものよりも、径Dを大きくしてあるのが良い(図1では、D<D)。キャリア収集部7の径Dについて、光の出射面13b側に配置された量子ドット層3内に形成されたキャリア収集部7の径Dを、光の入射面13a側に配置された量子ドット層1内に形成されたキャリア収集部7の径Dよりも大きくした構成にすると、量子ドット層3内の量子ドット15をより多くキャリア収集部7に接触させることができるとともに、量子ドット層1内のキャリア収集部7に比較して、キャリア収集部7の導体抵抗も低くなることから、量子ドット層1側に比べて、バンドギャップが小さく、これが原因でキャリアの持つエネルギーが低く、消滅しやすくなっている場合でも、キャリアの収集効率の高い量子ドット層3とすることができる。この場合、径とは、キャリア収集部7を、図1(a)のように切断したときのキャリア収集部7の断面の最大径であり、キャリア収集部7の1/2の高さ(H/2、H/2)における径とする。
図5は、本実施形態の他の態様を示すものであり、光の出射面13b側から光の入射面13a側に向けて、キャリア収集部の径が小さくなっている形態を示す断面模式図である。また、本実施形態の量子ドット太陽電池では、キャリア収集部7は、接合層5側とは反対側に位置する他方端7apが放端となっているのが良い。この場合、他方端7ap側の径D3が一方端7as側の径D4よりも小さくなっていることが望ましい。ここで、他方端7ap側の径D3は、他方端7apの先端から一方端7as側に量子ドット15で例えば3個ほど入った箇所であり、一方端7as側の径D4は接合層5の表面から他方端7ap側に量子ドット15で3個ほど入った箇所である。キャリア収集部7がこのような断面形状であると、キャリア収集部7の他方端7apから一方端7asを経る接合層5までの経路において、キャリアが移動するときのコンダクタンスを高くすることができる。これによりキャリア収集部7内でのキャリアの移動度を高めることができ、量子ドット層1、3における光電変換効率をさらに高めることができる。また、キャリア収集部7の径が一方端7as側で大きいことから、キャリア収集部7が接合層5上において強固に接続されたものとなり、耐久性の高い量子ドット層1、3を得ることができる。ここで、他方端7apが放端になっているというのは、近接する接合層5と接しておらず、図5に示すように、キャリア収集部7の先端部(他方端7ap)と接合層5との間に量子ドット15が存在し得るような領域を形成できる状態を言う。
キャリア収集部7の一方側が放端になっていると、キャリア収集部7の放端となっている端面にまで量子ドット15を接触させることが可能となり、量子ドット15とキャリア収集部7との接触面積が大きくなることから、キャリア収集部7に集めることのできるキャリア数を増やすことができる。この場合、図5に示すように、キャリア収集部7の他方端7apの先端が凸状の曲面を成していることが望ましい。
図6(a)は、本実施形態の量子ドット型太陽電池の他の態様を部分的に示す断面模式図であり、図6(b)に示すように、表面7aに凹凸Oを有するキャリア収集部7を示すものである。(b)は、(a)の一部分を拡大した模式図である。
本実施形態の量子ドット太陽電池において、キャリア収集部7の表面7aが凹凸Oを有する形状であるときには、キャリア収集部7の径Dが大きく変化する分だけ、柱状のキャリア収集部7における側面7aの表面積を増やすことができる。これにより量子ドット15との接触面積をさらに大きくすることができ、量子ドット層1、3における光電変換効率をさらに高めることができる。この場合、キャリア収集部7の表面7aとは、キャリア収集部7が延伸している方向に沿った面のことを言い、いわゆる、キャリア収集部7の側面となる面のことである。凹凸Oの部分の山折れ部Yおよび谷折れ部Tはいずれもなだらかに変化しており、断面視したときに円弧状になっていることが望ましい。さらには、キャリア収集部7が接続された接合層5の表面も量子ドット15の形状に沿うように凹凸Oを有する表面形状であることが望ましく、この場合、接合層5の表面もキャリア収集部7の側面7aと同様、断面視したときの凹凸O部分の形状は円弧状であることが好ましい。
図7は、本実施形態の他の態様を示すものであり、量子ドット15がn型の量子ドット15nとp型の量子ドット15pとから構成されており、キャリア収集部7に近い側にn型の量子ドット15nが配置され、n型の量子ドット15nの周囲にp型の量子ドット15pが配置される構成となっていることを示す断面模式図である。
通常、量子ドット15は、光のエネルギーを受けることによって、量子ドット15内に存在していた電子が伝導性を有するレベルまで励起されると同時に、正孔が形成されて、これらがキャリアとなって光電変換が起こる。このとき、図7に示すように、量子ドット層1、3内を、キャリア収集部7側からn型の量子ドット15nにより構成される層とp型の量子ドット15pにより構成される層とを積層した構成にすると、n型の量子ドット15nおよびp型の量子ドット15pのそれぞれに移動できる電子および正孔が生成したときに、電子および正孔はそれぞれn型の量子ドット15nおよびp型の量子ドット15pの方により移動しやすくなり、これによりキャリアの集電性をさらに高めることができる。
図7では、キャリア収集部7側にn型の量子ドット15nを配置した構成を示しているが、これとは反対に、キャリア収集部7側にp型の量子ドット15pを配置した構成でも同様の光電変換特性を得ることができる。
上記した量子ドット層1、3を構成する量子ドット15の材料としては、種々の半導体材料が適用されるが、そのエネルギーギャップ(Eg)としては、0.15〜2.50evを有するものが好適である。具体的な半導体材料としては、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、鉄(Fe)、硫黄(S)、鉛(Pb)、テルル(Te)およびセレン(Se)から選ばれるいずれか1種またはこれらの化合物半導体を用いることが望ましい。
また、上記した量子ドット15においては、電子の閉じ込め効果を高められるという理由から量子ドット15の表面に障壁層(バリア層)を有していてもよい。障壁層は量子ドット15となる半導体材料に比較して2〜15倍のエネルギーギャップを有している材料が好ましく、エネルギーギャップ(Eg)が1.0〜10.0evを有するものが好まし
い。なお、量子ドット15が表面に障壁層を有する場合には、障壁層の材料としては、Si、C、Ti、Cu、Ga、S、InおよびSeから選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物(半導体、炭化物、酸化物、窒化物)が好ましい。
接合層5およびキャリア収集部7の材料としては、量子ドット15よりも電気抵抗の低い材料であれば、上記した半導体材料を適用することが可能であるが、アスペクト比の大きいキャリア収集部7を形成できるという点で酸化亜鉛を主成分とするものが好ましい。この場合、接合層5およびキャリア収集部7は、同じ組成を有する半導体材料が好適であるが、異なる組成の半導体材料であっても良い。
次に、本実施形態の量子ドット太陽電池の製造方法について説明する。図8は、本実施形態の量子ドット太陽電池の製造方法を示す工程図である。まず、支持体11となる平板状の基材21(ここではガラス基板、セラミック基板、有機樹脂基板のいずれでも良い)を準備する。次に、図8(a)に示すように、基材21の一方の主面に、接合層5となる半導体膜23を形成する。次に、図8(b)に示すように、この上面にキャリア収集部7となる部分を覆うマスクパターン25を置き、他の部分をエッチング法により除去することによって、キャリア収集部7を備えた接合層5を形成する。接合層5の両面にキャリア収集部7を形成する場合には、片面側にキャリア収集部7を形成した後に、基材21を取り除き、基材21を取り除いた側の半導体膜23の表面に同様にエッチング法を適用して作製する。接合層5およびキャリア収集部7の成分を溶解するには液体を用いるエッチング法やガス照射によるエッチング法を用いる。半導体膜23の形成は、蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor deposition)法およびMBE(Molecular Beam Epitaxy)
法などの物理的成膜法の他に、半導体膜23の成分を含む溶液を基材21の表面に塗布した後に加熱を行う方法などを用いることによって形成することができる。
次に、図8(c)に示すように、形成したキャリア収集部7の周囲に量子ドット15となる半導体粒子27を充填し、緻密化処理を行うことによって量子ドット層1、3を形成する。半導体粒子を充填する方法としては、半導体粒子27を含む溶液をスピンコート法や沈降法などが好適なものとして選ばれる。緻密化処理には、キャリア収集部7の周囲に半導体粒子27を充填した後に、加熱もしくは加圧、あるいはこれらを同時に行う方法が採られる。量子ドット層1、3の厚みは堆積させる半導体粒子27の量によって調整する。量子ドット層1、3を多層化する場合には、図8(a)における半導体膜を形成する工程から図8(b)および図8(c)に至る工程を繰り返す。
最後に、量子ドット層1の上面側に透明導電膜となる導体層9を形成し、必要に応じてガラス基板10を当接させ接着させることによって、図1に示すような本実施形態の量子ドット太陽電池を得る。以上、図1に示した量子ドット型太陽電池を例として述べたが、図2〜7に示す量子ドット型太陽電池も同様の製法によって得ることができる。キャリア収集部7を図3〜6に示す形状にする場合には、半導体膜23をエッチングする際の条件やキャリア収集部7に対応するマスクパターン25のサイズを段階的に変化させる方法などを適宜組み合わせる。図7に示す量子ドット層1、3を形成する場合には、n型およびp型の半導体粒子27を用意しておき、順に充填する方法を採る。
以上より得られる量子ドット太陽電池は、多層化されたそれぞれの量子ドット層1、3内に、キャリア収集部7を備えているために、キャリアの伝導性が高まり、光電変換効率を高めることができる。
以上、本発明について、図1〜図7を基に説明したが、本発明は、量子ドット層を3層以上有する形態にも同様に適用される。この場合、3層以上の量子ドット層のバンドギャップはそれぞれ異なっている必要はなく、バンドギャップの異なる量子ドット層が少なく
とも2層含まれていれば同様の効果を得ることができる。
1、3・・・・・・・・・量子ドット層
5・・・・・・・・・・・接合層
7・・・・・・・・・・・キャリア収集部
7as・・・・・・・・・(キャリア収集部の)一方端
7ap・・・・・・・・・(キャリア収集部の)他方端
9・・・・・・・・・・・導体層
11・・・・・・・・・・支持体
13a・・・・・・・・・光の入射面
13b・・・・・・・・・光の出射面
15・・・・・・・・・・量子ドット
15n・・・・・・・・・n型の量子ドット
15p・・・・・・・・・p型の量子ドット
21・・・・・・・・・・基材
23・・・・・・・・・・半導体膜
25・・・・・・・・・・マスクパターン
27・・・・・・・・・・半導体粒子

Claims (13)

  1. 量子ドット層と接合層とが交互に積層されており、複数の前記量子ドット層は、バンドギャップが異なる量子ドット層を2層以上有し、複数の前記量子ドット層内に、該量子ドット層の厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部が設けられており、複数の前記量子ドット層のうち光の入射面側に位置する前記量子ドット層の厚みが、光の出射面側に位置する前記量子ドット層の厚みよりも薄く、かつ、光の入射面側に位置する前記量子ドット層のバンドギャップが、光の出射面側に位置する前記量子ドット層のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする量子ドット太陽電池。
  2. 複数の前記量子ドット層のうち光の入射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の前記厚み方向における高さが、光の出射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の前記厚み方向における高さよりも低いことを特徴とする請求項1に記載の量子ドット太陽電池。
  3. 量子ドット層と接合層とが交互に積層されており、複数の前記量子ドット層は、バンドギャップが異なる量子ドット層を2層以上有し、複数の前記量子ドット層内に、該量子ドット層の厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部が設けられており、複数の前記量子ドット層のうち光の入射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の前記厚み方向における高さが、光の出射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の前記厚み方向における高さよりも低いことを特徴とする量子ドット太陽電池。
  4. 前記量子ドット層は、n型の量子ドットとp型の量子ドットとを有しており、前記キャリア収集部に近い側にn型の量子ドットが配置され、該n型の量子ドットの周囲にp型の量子ドットが配置される構成となっていることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載の量子ドット太陽電池。
  5. 量子ドット層と接合層とが交互に積層されており、複数の前記量子ドット層は、バンドギャップが異なる量子ドット層を2層以上有し、複数の前記量子ドット層内に、該量子ドット層の厚み方向に延伸してなる柱状のキャリア収集部が設けられており、前記量子ドット層は、n型の量子ドットとp型の量子ドットとを有しており、前記キャリア収集部に近い側にn型の量子ドットが配置され、該n型の量子ドットの周囲にp型の量子ドットが配置される構成となっていることを特徴とする量子ドット太陽電池。
  6. 前記キャリア収集部は、前記接合層に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載の量子ドット太陽電池。
  7. 前記キャリア収集部は、複数の前記接合層にそれぞれ設けられていていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれかに記載の量子ドット太陽電池。
  8. 複数の前記量子ドット層のうち光の入射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の径が、光の出射面側に位置する前記量子ドット層内の前記キャリア収集部の径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載の量子ドット太陽電池。
  9. 前記キャリア収集部は、前記接合層側を一方端部とし、前記接合層とは反対側に位置し、放端となっている側を他方端部としたときに、前記キャリア収集部は、前記他方端部側の径が前記一方端部側の径よりも小さいことを特徴とする請求項乃至のうちいずれかに記載の量子ドット太陽電池。
  10. 前記キャリア収集部の径は、前記一方端部から前記他方端部に向かうに従って小さくなっていることを特徴とする請求項に記載の量子ドット太陽電池。
  11. 前記キャリア収集部は、前記開放端が凸状の曲面をなしていることを特徴とする請求項または10に記載の量子ドット太陽電池。
  12. 前記キャリア収集部は、表面に凹凸を有していることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれかに記載の量子ドット型太陽電池。
  13. 前記量子ドット層の入射面側に透明導電膜とガラス基板とを、この順に備えていることを特徴とする請求項1乃至1のうちいずれかに記載の量子ドット太陽電池。
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