JP2016054262A - 多端子巻線コイル部品およびその製造方法 - Google Patents

多端子巻線コイル部品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016054262A
JP2016054262A JP2014180357A JP2014180357A JP2016054262A JP 2016054262 A JP2016054262 A JP 2016054262A JP 2014180357 A JP2014180357 A JP 2014180357A JP 2014180357 A JP2014180357 A JP 2014180357A JP 2016054262 A JP2016054262 A JP 2016054262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
terminal
paste
wall surface
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014180357A
Other languages
English (en)
Inventor
康次 堀内
Koji Horiuchi
康次 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2014180357A priority Critical patent/JP2016054262A/ja
Publication of JP2016054262A publication Critical patent/JP2016054262A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】端子電極に接続されるワイヤが、隣に配設された端子電極に接触して短絡することを防ぐ多端子巻線コイル部品を提供する。
【解決手段】多端子巻線コイル部品の底面電極40d、40e、40fが、基端部60a、60b、60cの幅である基端部電極幅w1、w2、w3よりも、先端部65a、65b、65cの幅である先端部電極幅w4、w5、w6のほうが小さくなるように形成されている。かつ、先端部65a、65b、65cに向かうにつれて隣り合う端子電極を構成する他の底面電極との距離が大きくなるように形成されている。他の底面電極との距離が大きくなっている領域においては、他の底面電極に対向する部分の外形線69が凸状の曲線を描くように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、多端子巻線コイル部品およびその製造方法に関する。
多端子巻線コイル部品の一つに、巻芯部及び巻芯部の両端側に配設された一対の鍔部を有するコアと、鍔部に配設された複数の端子電極と、コアの巻芯部に巻回されてコイルを構成するとともに、ペアとなる端子電極のそれぞれに始端および終端が接続された複数のワイヤと、を備えた多端子巻線コイル部品がある。この多端子巻線コイル部品には、コアの鍔部に4つの端子電極が設けられたものがある。
この従来の多端子巻線コイル部品においては、図7に示すように、巻芯部111に2本のワイヤ121、123が巻回され、その始端側及び終端側の端末が端子電極131、133に電気的に接続されている(特許文献1図8参照)。
特開平11−204346号公報
ワイヤ121、123を端子電極131、133のそれぞれに接続するにあたっては、図7に示しているように、一方のワイヤ123が、接続しようとする端子電極133の隣に配設された端子電極131の角Eなどに接触して短絡するという問題がある。また、接触しないにしても、ワイヤと端子電極との間に、ある程度の距離を確保できない場合には、耐圧の劣化や絶縁不良を生じるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、端子電極に接続されるワイヤが隣に配設された端子電極に接触して短絡することを防ぐことが可能で、耐圧の劣化や絶縁不良を抑制することが可能な多端子巻線コイル部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の多端子巻線コイル部品は、
巻芯部及び前記巻芯部の両端側に配設された一対の鍔部を有するコアと、前記鍔部に配設された複数の端子電極と、前記コアの前記巻芯部に巻回されてコイルを構成するとともに、ペアとなる前記端子電極のそれぞれに始端および終端が接続された複数のワイヤと、を備えた多端子巻線コイル部品であって、
複数の前記端子電極のそれぞれは、前記鍔部の実装対象と対向する面である底面の一部の領域に形成された底面電極と、一対の前記鍔部の互いに対向する面である内壁面とは逆側の面である外壁面の一部の領域に形成された外壁面電極とを有しており、
前記底面電極は、前記鍔部の前記底面と前記外壁面とにより形成される稜線部に位置する基端部の幅である基端部電極幅よりも、前記基端部から前記内壁面側に向かってみた場合における先端部の幅である先端部電極幅が小さく、かつ、前記先端部に向かうにつれて隣り合う前記端子電極を構成する他の底面電極との距離が大きくなるように形成されているとともに、前記他の底面電極との距離が大きくなっている領域においては、前記他の底面電極に対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くように形成されていること
を特徴としている。
本発明の多端子巻線コイル部品において、前記内壁面には、前記端子電極が形成されていないことが好ましい。
鍔部の内壁面には端子電極が形成されていないので、端子電極がコイルにより形成される磁界をさえぎるという状態を極力招かないようにすることができ、コイルの特性劣化を抑制することができる。
あるいは、前記端子電極は、前記内壁面の一部の領域に内壁面電極を有し、前記内壁面電極が前記外壁面電極よりも高さが低くなるように形成されていることが好ましい。
鍔部の内壁面が外壁面電極よりも高さが低くなるように形成されているので、内壁面電極がコイルにより形成される磁界をさえぎるという状態を極力招かないようにすることができ、コイルの特性劣化を抑制することができる。
また、上記課題を解決するため、本発明の多端子巻線コイル部品の製造方法は、
巻芯部及び巻芯部の両端側に配設された一対の鍔部を有するコアと、前記鍔部に配設された複数の端子電極と、前記コアの前記巻芯部に巻回されてコイルを構成するとともに、ペアとなる前記端子電極のそれぞれに始端および終端が接続された複数のワイヤと、を備え、複数の前記端子電極のそれぞれは、前記鍔部の実装対象と対向する面である底面の一部の領域に形成された底面電極と、一対の前記鍔部の互いに対向する面である内壁面とは逆側の面である外壁面の一部の領域に形成された外壁面電極とを備えている多端子巻線コイル部品の製造方法であって、
前記端子電極の材料となる電極ペーストを保持するためのペースト保持面を上面に有する複数の凸条部を備え、前記凸条部が前記鍔部に配設される前記端子電極それぞれの位置に対応するように所定の間隔をおいて配設されている転写用基材を準備する転写用基材準備工程と、
前記凸条部の前記ペースト保持面上に、前記凸条部の長手方向からみた場合に、表面張力により丸みを帯びた形状となるように前記電極ペーストを塗布する電極ペースト塗布工程と、
前記ペースト保持面に垂直な軸線と前記凸条部の長手方向の軸線とで規定される面内において、前記凸条部の長手方向の軸線に対して前記コアの軸心が所定の角度をもつように前記コアを傾けた状態で、前記鍔部のいずれか一方を前記ペースト保持面上に塗布された前記電極ペーストに接触させることにより、前記鍔部の前記底面と前記外壁面とにより形成される稜線部に位置する基端部の幅である基端部ペーストパターン幅よりも、前記基端部から前記内壁面側に向かってみた場合における先端部の幅である先端部ペーストパターン幅が小さく、かつ、前記先端部に向かうにつれて隣り合う前記端子電極形成用の電極ペーストパターンを構成する他の底面電極形成用の底面ペーストパターンとの距離が大きくなり、前記他の底面ペーストパターンとの距離が大きくなっている領域においては、前記他の底面ペーストパターンに対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くような底面ペーストパターンを形成するパターン形成工程と
を備えることを特徴としている。
本発明にかかる多端子巻線コイル部品においては、底面電極の基端部電極幅よりも先端部電極幅が小さく、かつ、隣り合う端子電極を構成する他の底面電極との距離が大きくなるように形成されているとともに、他の底面電極との距離が大きくなっている領域においては、他の底面電極に対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くように形成されている。このように底面電極の外形線が曲線を描きながら徐々に退避するように形成されているので、隣の端子電極に接続されるワイヤを回避することができ、ワイヤが隣の端子電極に接触して短絡することを防ぐことができる。また、ワイヤと端子電極の距離が大きくなるので、コイルの耐圧の劣化や絶縁不良を抑制することができる。
また、底面電極の先端部電極幅よりも基端部電極幅がそれぞれ大きくなるように形成されているので、先端部で他のワイヤを回避する一方で底面電極の面積を大きくすることができ、多端子巻線コイル部品を電気回路基板に実装する際の接続の信頼性を高めることができる。
本発明にかかる多端子巻線コイル部品の製造方法では、丸みを帯びた形状をした電極ペーストにコアを傾けた状態で接触させることで電極ペーストパターンを形成するようにしているので、底面ペーストパターンが、基端部の幅である基端部ペーストパターン幅よりも、先端部の幅である先端部ペーストパターン幅が小さく、かつ、先端部に向かうにつれて、隣り合う電極ペーストパターンを構成する他の底面ペーストパターンとの距離が大きくなるように形成されるとともに、他の底面ペーストパターンとの距離が大きくなっている領域においては、他の底面ペーストパターンに対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くように形成される。この底面ペーストパターンを焼き付けることにより、先端部が丸みを帯びた形状の底面電極が形成される。このように底面電極の外形線が曲線を描きながら徐々に退避するように形成されるので、隣の端子電極に接続されるワイヤを回避して、ワイヤが隣の端子電極に接触して短絡することを確実に防ぐことができる。また、ワイヤと端子電極の距離が大きくなるので、コイルの耐圧の劣化や絶縁不良を抑制することができる。
また、多端子巻線コイル部品の品種変更をする際に、例えば、転写用基材の凸条部の数、幅寸法、位置等を変えることで、コア13の形状を変更するまでもなく、容易に品種変更に対応できる。
本発明の実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品のコアおよび端子電極を示した図であって、(a)はコアを鍔部の底面側から見た図、(b)はコアを鍔部の側面側から見た図である。 本発明の実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品の鍔部に形成された底面電極を拡大して示した図である。 本発明の実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品の製造方法を説明するための図であって、(a)は転写基材準備工程、(b)〜(c)は電極ペースト塗布工程を説明するための図である。 本発明の実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品を製造するためのパターン形成工程を説明する図であって、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。 本発明の実施形態2にかかる多端子巻線コイル部品を模式的に示した斜視図である。 背景技術にかかる多端子巻線コイル部品を底面側から見たときの略右半分を示した図である。
(実施形態1)
例えば、多端子巻線コイル部品の1つであるコモンモードチョークコイルは、各種の電子回路基板に表面実装され、電源ラインから伝わる同相成分のノイズを除去するために用いられる。実施形態1では、6端子3回路型の多端子巻線コイル部品を例に挙げて説明する。
実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品10は、図1に示すとおり、巻芯部11及び巻芯部11の両端側に配設された一対の鍔部12(12a、12b)を有するコア13と、鍔部12に配設された複数の端子電極30(30a、30b、30c、30d、30e、30f)と、コア13の巻芯部11に巻回されてコイルを構成するとともに、ペアとなる端子電極30のそれぞれに始端および終端が接続された複数のワイヤ20(20a、20b、20c)と、を備えている。なお、図1では、各電極の厚みの記載を省略している。
コア13は、角柱状の巻芯部11と、巻芯部11の両端に形成された直方体状の鍔部12とにより構成され、断面が略H字状に形成されている。コア13の材料としては、例えば、アルミナやフェライトなどのセラミックス系材料、金属磁性体材料などが挙げられる。
ワイヤ20は、外周に樹脂が被覆された導線であり、コア13の巻芯部11に巻回されてコイルを構成している。ワイヤ20の始端および終端は、ペアとなる端子電極30に熱圧着などにより接合されている。
コア13の鍔部12は、実装対象(電気回路基板など)と対向する面である底面14と、一対の鍔部12の互いに対向する面である内壁面15と、内壁面15とは逆側の面である外壁面16と、鍔部12の底面14と外壁面16とに直交する面である側面17と、底面14とは逆側の面である天面18を有している。また、鍔部12は、底面14と外壁面16とにより、それらの境界に形成される稜線部19を有している。
端子電極30のそれぞれは、図2に示すとおり、鍔部12の底面14の一部の領域に形成された底面電極40(40a、40b、40c、40d、40e、40f)と、外壁面16の一部の領域に形成された外壁面電極45を有している。なお、端子電極30a、30c、30d、30fは、鍔部12の側面17の一部の領域に形成された側面電極50を有している。端子電極30の材料としては、例えば、銀、銅、導電性樹脂などが挙げられる。なお、実施形態1では、鍔部12の内壁面15には端子電極が形成されていない。
底面電極40は、内壁面15側に向かうにつれて丸みを帯びた形状に形成されている。この丸みを帯びた底面電極40の形状は、後述する多端子巻線コイル部品の製造方法により形成される形状である。
底面電極40について、より詳細に述べれば、図3に示すとおり、底面電極40は、稜線部19に位置する基端部60(60a、60b、60c)と、基端部60から内壁面15側に向かってみた場合における先端に位置する先端部65(65a、65b、65c)を有する。ここで、先端部65の幅方向の寸法である先端部電極幅w4、w5、w6は、基端部60の幅方向の寸法である基端部電極幅w1、w2、w3よりもそれぞれ小さく形成されている(w4<w1、w5<w2、w3<w6)。なお、底面電極40の先端部65が鍔部12の内壁面15側に到達しないような構成とすることもできる。その場合も、先端部電極幅w4、w5、w6のほうが小さくなるように形成される。
さらに、先端部65に向かうにつれて、例えば、底面電極40eは、端子電極30eと隣り合う端子電極30dを構成する他の底面電極40dとの距離が大きくなるように形成されている。この底面電極40eと他の底面電極40dとの距離が大きくなっている領域においては、他の底面電極40dに対向する部分の底面電極40eの外形線69が凸状の曲線を描くように形成されている。
上記で例を挙げて述べた構成は、端子電極30fと隣り合う端子電極30eとの関係、端子電極30aと隣り合う端子電極30bとの関係、および端子電極30bと隣り合う端子電極30cとの関係についても同様である。
外壁面電極45は、稜線部19において底面電極40とそれぞれ繋がっており、天面18側に向かうにつれて丸みを帯びた形状に形成されている。外壁面電極45は、稜線部19から天面18側に向かってみた場合における外壁面電極45の上端において、隣り合う端子電極30を構成する他の外壁面電極45との距離が大きくなるように形成されている。
側面電極50は、鍔部12の側面17上において外壁面電極45と底面電極40を繋いでおり、天面18側に形成されている外形線がコア13の軸心C1に対して斜めに形成されている。具体的には、側面電極50は、鍔部12の外壁面16側から内壁面15側に向かうにつれて、側面電極50の高さが徐々に低くなるように形成されている。
実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品10は、底面電極40の基端部電極幅w1、w2、w3よりも先端部電極幅w4、w5、w6のほうがそれぞれ小さく、かつ、隣り合う端子電極30を構成する他の底面電極40との距離が大きくなるように形成されているとともに、他の底面電極40との距離が大きくなっている領域においては、他の底面電極40に対向する部分の外形線69が凸状の曲線を描くように形成されている。このように底面電極の外形線が曲線を描きながら徐々に退避するように形成されているので、隣の端子電極に接続されるワイヤを回避することができ、ワイヤが隣の端子電極に接触して短絡することを防ぐことができる。また、ワイヤと端子電極の距離が大きくなるので、コイルの耐圧の劣化や絶縁不良を抑制することができる。
また、底面電極40の先端部電極幅w4、w5、w6よりも基端部電極幅w1、w2、w3がそれぞれ大きくなるように形成されているので、先端部65で他のワイヤを回避する一方で底面電極40の面積を大きくすることができ、多端子巻線コイル部品10を電気回路基板に実装する際の接続の信頼性を高めることができる。
また、鍔部12の内壁面15には、端子電極30が形成されていないので、端子電極がコイルにより形成される磁界をさえぎるという状態を極力招かないようにすることができ、コイルの特性劣化を抑制することができる。
次に、図4、5を参照しつつ、実施形態1にかかる多端子巻線コイル部品の製造方法について説明する。
多端子巻線コイル部品の製造方法は、転写用基材75を準備する転写用基材準備工程と、転写用基材75に電極ペーストPを塗布する電極ペースト塗布工程と、コア13の鍔部12に電極ペーストパターンPPを形成するパターン形成工程とを備える。
図4(a)は、転写用基材準備工程で用いる転写用基材75を説明するための図である。転写用基材75は、端子電極30の材料となる電極ペーストPを保持するためのペースト保持面71(71a、71b、71c)を上面に有する複数の凸条部70(70a、70b、70c)を備えている。実施形態1では、3本の凸条部70が互いに平行となるように形成されている。転写用基材75の材質としては、例えば、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられる。ペースト保持面71は平坦であることが好ましい。
この凸条部70は、鍔部12に配設される端子電極30のそれぞれの位置に対応するように、所定の間隔をおいて筋状に配設されている。具体的には、端子電極30a、30dを形成するために凸条部70aが配設され、端子電極30b、30eを形成するために凸条部70bが配設され、端子電極30c、30fを形成するために凸条部70cが配設されている。凸条部70の配設のしかたは、筋状に限られず、島状であってもよい。
なお、凸条部70bの幅は、凸条部70bにより形成される電極ペーストP2のパターン幅が底面電極40b、40eの基端部電極幅w2とほぼ同じとなるように形成されている。また、端子電極30a、30dにはそれぞれの側面電極50を形成する必要があるため、凸条部70aの幅は、凸条部70aにより形成される電極ペーストP1のパターン幅が底面電極40a、40dの基端部電極幅w1よりも大きくなるように形成されている。また、端子電極30c、30fにも側面電極50を形成する必要があるため、凸条部70cの幅は、凸条部70cにより形成される電極ペーストP3のパターン幅が底面電極40c、40fの基端部電極幅w3よりも大きくなるように形成されている。なお、側面電極50を形成しない場合には、例えば、電極ペーストP1のパターン幅を底面電極40a、40dの基端部電極幅w1とほぼ同じとなるように形成すればよい。
次に、図4(b)〜(d)を参照しながら電極ペースト塗布工程について説明する。まず、図4(b)に示すように、転写用基材75の凸条部70上を覆うように電極ペーストPを塗布する。電極ペーストPの材料としては、例えば、銀ペースト、銀パラジウムペースト、導電性樹脂ペーストなどが挙げられる。電極ペーストPの粘度は、例えば、10Pa・s〜100Pa・sの範囲のものが用いられる。
そして、図4(c)に示すように、凹凸を有するスキージ76を紙面奥行方向に動かして、転写用基材75上の余分な電極ペーストPを掻き落とす。スキージ76の凹部76aと凸条部70のペースト保持面71との間には、ペースト保持面71上に電極ペーストPが残るような適切な距離が設定されている。このスキージ76の掻き落とし動作により、電極ペーストPが所定の厚みで形成される。
スキージ76を動かした直後には、図4(d)に示すように、凸条部70の長手方向(紙面奥行方向)からみた場合に、電極ペーストP1〜P3の表面が表面張力により丸みを帯びた形状となる。この表面の丸みを帯びた形状は、凸条部70の幅、電極ペーストPの塗布量(掻き取り量)、凸条部70に対する電極ペーストPの濡れ性などにより適宜調整することが可能である。
図5は、パターン形成工程を説明するための図であって、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。まず、図5には示していないが、コア13を弾性および粘着性を有する保持基板などに取り付ける。そして、図5(b)に示すように、コア13を傾けた状態で、コア13の一方の鍔部(例えば12b)を電極ペーストPに接触させる。その際、コア13の鍔部12は凸条部70に軽く押さえ付けられている。
コア13を傾ける際の角度は、ペースト保持面71に垂直な軸線V1と凸条部70の長手方向の軸線L1とで規定される面内において、凸条部70の長手方向の軸線L1に対してコア13の軸心C1が所定の角度θをもつように設定される。具体的には、所定の角度θは、sinθ=h1/f1(ただし、h1は凸条部70上に形成される電極ペーストP1〜P3の厚みであり、f1はコアの軸心方向の鍔部12の長さである)となるように設定される。
コア13の鍔部12が凸条部70に当接することにより、鍔部12に端子電極形成用の電極ペーストパターンPPが形成される。具体的には、図5(a)に示すように、鍔部12の外壁面16には、電極ペーストパターンPPの天面18側に位置する上端が丸みを帯びた形状に形成され、図5(b)に示すように、鍔部12の側面17には、電極ペーストパターンPPが斜めに形成され、図5(c)に示すように、鍔部12の底面14には、電極ペーストパターンPPの内壁面14側に位置する先端が丸みを帯びた形状に形成される。なお、鍔部12の内壁面15には電極ペーストパターンPPが形成されていない。
電極ペーストパターンPPは、底面電極40形成用の底面ペーストパターンBPと、外壁面16に形成される外壁面ペーストパターンを有している。底面ペーストパターンBPの形状は、電極ペーストP1〜P3が内壁面15側に向かって引き伸ばされたような形状となっている。より詳しく説明すれば、底面ペーストパターンBPは、基端部60の幅である基端部ペーストパターン幅wp1、wp2、wp3よりも、先端部65の幅である先端部ペーストパターン幅wp4、wp5、wp6のほうがそれぞれ小さくなるように形成されている。さらに、先端部65に向かうにつれて、隣り合う端子電極形成用の電極ペーストパターンPPを構成する他の底面ペーストパターンBPとの距離が大きくなるように形成されている。ここで、他の底面ペーストパターンBPとの距離が大きくなっている領域においては、他の底面ペーストパターンBPに対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くように形成されている。
なお、所定の角度θを大きくすれば、外壁面16における電極ペーストパターンPPの高さをさらに高くすることができる。また、所定の角度θを小さくすれば、鍔部12の内壁面15にも電極ペーストパターンPPを形成することができる。
その後、電極ペーストパターンPPを焼付け処理して端子電極30を形成し、他方の鍔部(例えば12a)にも同様な方法で端子電極を形成する。次に、端子電極30が形成されたコア13にワイヤ20を巻回するとともに、端子電極30にワイヤ20の始端および終端を接合する。これらにより、例えば図1に示すような構造を備えた多端子巻線コイル部品10が得られる。
上述のような構成によれば、隣の端子電極に接続されるワイヤを回避し、ワイヤが隣の端子電極に接触して短絡することを防ぐことが可能で、コイルの耐圧の劣化や絶縁不良を抑制することが可能な多端子巻線コイル部品を効率よく製造することができる。
また、多端子巻線コイル部品10の品種変更をする際に、例えば、転写用基材75の凸条部70の数、幅寸法、位置等を変えることで、コア13の形状を変更することは必要とせずに、容易に品種変更に対応できる。
(実施形態2)
実施形態2では、4端子2回路型の多端子巻線コイル部品を例に挙げて説明する。なお、実施形態1にて説明した多端子巻線コイル部品10と共通する構成については、実施形態2の多端子巻線コイル部品10Aを説明する図において同じ符号を記し、その説明を省略する。
本発明の実施形態2にかかる多端子巻線コイル部品10Aでは、コア13は、角柱状の巻芯部11と、巻芯部11の両端に形成された溝付きの鍔部12とにより構成され、断面が略U字状に形成されている。また、鍔部12の内壁面15には、内壁面電極80が形成されている。
内壁面電極80を形成するためには、前述したパターン形成工程において所定の角度θを小さく設定して、電極ペーストパターンPPを形成すればよい。具体的には、所定の角度θは、0<sinθ<h1/f1となるように設定する。なお、電極ペーストP1〜P3の厚みh1を厚くすれば、内壁面15に電極ペーストパターンPPを形成でき、外壁面16の電極ペーストパターンPPの高さを高くすることもできる。
この多端子巻線コイル部品10Aでは、底面電極40は、内壁面15側に向かうにつれて丸みを帯びた形状に形成されている。具体的には、底面電極40は、先端部電極幅が基端部電極幅よりも小さく形成されている。さらに、先端部に向かうにつれて、端子電極30に隣り合う底面電極を構成する他の底面電極40との距離が大きくなるように形成されている。他の底面電極40との距離が大きくなっている領域においては、他の底面電極40に対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くように形成されている。
外壁面電極45は、天面18側に向かうにつれて丸みを帯びた形状に形成されている。側面電極50は、鍔部12の外壁面16側から内壁面15側に向かうにつれて、側面電極50の高さが徐々に低くなるように形成されている。
この実施形態2にかかる上述のように構成される多端子巻線コイル部品10Aの場合にも、ワイヤが隣の端子電極に接触して短絡することを防ぐことができる。また、ワイヤと端子電極の距離が大きくなるので、コイルの耐圧の劣化や絶縁不良を抑制することができる。
また、先端部で他のワイヤを回避する一方で底面電極40の面積を大きくすることができ、多端子巻線コイル部品10を電気回路基板に実装する際の接続の信頼性を高めることができる。
また、内壁面電極80が外壁面電極45よりも高さが低くなるように形成されているので、内壁面電極がコイルにより形成される磁界をさえぎるという状態を極力招かないようにすることができ、コイルの特性劣化を抑制することができる。
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
10、10A 多端子巻線コイル部品
11 巻芯部
12、12a、12b 鍔部
13 コア
14 底面
15 内壁面
16 外壁面
17 側面
18 天面
19 稜線部
20、20a、20b、20c ワイヤ
30、30a、30b、30c、30d、30e、30f 端子電極
40、40a、40b、40c、40d、40e、40f 底面電極
45 外壁面電極
50 側面電極
60、60a、60b、60c 基端部
65、65a、65b、65c 先端部
69 外形線
70、70a、70b、70c 凸条部
71、71a、71b、71c ペースト保持面
75 転写用基材
76 スキージ
80 内壁面電極
θ 所定の角度
C1 コアの軸心
L1 凸条部の長手方向の軸線
V1 ペースト保持面に垂直な軸線
P、P1、P2、P3 電極ペースト
PP 電極ペーストパターン
BP 底面ペーストパターン
w1、w2、w3 基端部電極幅
w4、w5、w6 先端部電極幅
wp1、wp2、wp3 基端部ペーストパターン幅
wp4、wp5、wp6 先端部ペーストパターン幅

Claims (4)

  1. 巻芯部及び前記巻芯部の両端側に配設された一対の鍔部を有するコアと、前記鍔部に配設された複数の端子電極と、前記コアの前記巻芯部に巻回されてコイルを構成するとともに、ペアとなる前記端子電極のそれぞれに始端および終端が接続された複数のワイヤと、を備えた多端子巻線コイル部品であって、
    複数の前記端子電極のそれぞれは、前記鍔部の実装対象と対向する面である底面の一部の領域に形成された底面電極と、一対の前記鍔部の互いに対向する面である内壁面とは逆側の面である外壁面の一部の領域に形成された外壁面電極とを有しており、
    前記底面電極は、前記鍔部の前記底面と前記外壁面とにより形成される稜線部に位置する基端部の幅である基端部電極幅よりも、前記基端部から前記内壁面側に向かってみた場合における先端部の幅である先端部電極幅が小さく、かつ、前記先端部に向かうにつれて隣り合う前記端子電極を構成する他の底面電極との距離が大きくなるように形成されているとともに、前記他の底面電極との距離が大きくなっている領域においては、前記他の底面電極に対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くように形成されていること
    を特徴とする多端子巻線コイル部品。
  2. 前記内壁面には、前記端子電極が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の多端子巻線コイル部品。
  3. 前記端子電極は、前記内壁面の一部の領域に内壁面電極を有し、
    前記内壁面電極が前記外壁面電極よりも高さが低くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多端子巻線コイル部品。
  4. 巻芯部及び前記巻芯部の両端側に配設された一対の鍔部を有するコアと、前記鍔部に配設された複数の端子電極と、前記コアの前記巻芯部に巻回されてコイルを構成するとともに、ペアとなる前記端子電極のそれぞれに始端および終端が接続された複数のワイヤと、を備え、複数の前記端子電極のそれぞれは、前記鍔部の実装対象と対向する面である底面の一部の領域に形成された底面電極と、一対の前記鍔部の互いに対向する面である内壁面とは逆側の面である外壁面の一部の領域に形成された外壁面電極とを備えている多端子巻線コイル部品の製造方法であって、
    前記端子電極の材料となる電極ペーストを保持するためのペースト保持面を上面に有する複数の凸条部を備え、前記凸条部が前記鍔部に配設される前記端子電極それぞれの位置に対応するように所定の間隔をおいて配設されている転写用基材を準備する転写用基材準備工程と、
    前記凸条部の前記ペースト保持面上に、前記凸条部の長手方向からみた場合に、表面張力により丸みを帯びた形状となるように前記電極ペーストを塗布する電極ペースト塗布工程と、
    前記ペースト保持面に垂直な軸線と前記凸条部の長手方向の軸線とで規定される面内において、前記凸条部の長手方向の軸線に対して前記コアの軸心が所定の角度をもつように前記コアを傾けた状態で、前記鍔部のいずれか一方を前記ペースト保持面上に塗布された前記電極ペーストに接触させることにより、前記鍔部の前記底面と前記外壁面とにより形成される稜線部に位置する基端部の幅である基端部ペーストパターン幅よりも、前記基端部から前記内壁面側に向かってみた場合における先端部の幅である先端部ペーストパターン幅が小さく、かつ、前記先端部に向かうにつれて隣り合う前記端子電極形成用の電極ペーストパターンを構成する他の底面電極形成用の底面ペーストパターンとの距離が大きくなり、前記他の底面ペーストパターンとの距離が大きくなっている領域においては、前記他の底面ペーストパターンに対向する部分の外形線が凸状の曲線を描くような底面ペーストパターンを形成するパターン形成工程と
    を備えることを特徴とする多端子巻線コイル部品の製造方法。
JP2014180357A 2014-09-04 2014-09-04 多端子巻線コイル部品およびその製造方法 Pending JP2016054262A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014180357A JP2016054262A (ja) 2014-09-04 2014-09-04 多端子巻線コイル部品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014180357A JP2016054262A (ja) 2014-09-04 2014-09-04 多端子巻線コイル部品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016054262A true JP2016054262A (ja) 2016-04-14

Family

ID=55744322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014180357A Pending JP2016054262A (ja) 2014-09-04 2014-09-04 多端子巻線コイル部品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016054262A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180247754A1 (en) * 2017-02-28 2018-08-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor
CN108511149A (zh) * 2017-02-28 2018-09-07 株式会社村田制作所 电感器
CN110098032A (zh) * 2018-01-30 2019-08-06 株式会社村田制作所 电感部件

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180247754A1 (en) * 2017-02-28 2018-08-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor
CN108511149A (zh) * 2017-02-28 2018-09-07 株式会社村田制作所 电感器
JP2018142644A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 株式会社村田製作所 インダクタ
JP2018142671A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 株式会社村田製作所 インダクタ
US10867738B2 (en) 2017-02-28 2020-12-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor
US10878993B2 (en) 2017-02-28 2020-12-29 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor
CN108511149B (zh) * 2017-02-28 2021-06-15 株式会社村田制作所 电感器
CN110098032A (zh) * 2018-01-30 2019-08-06 株式会社村田制作所 电感部件
JP2019134040A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社村田製作所 インダクタ部品
US11587713B2 (en) 2018-01-30 2023-02-21 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor component

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9704651B2 (en) Electronic component
JP6686991B2 (ja) コイル部品
JP6167294B2 (ja) コイル部品
TW201218523A (en) Connector and socket used in same
JP6937176B2 (ja) 電子部品、電子装置、及び電子部品の製造方法
JP2016054262A (ja) 多端子巻線コイル部品およびその製造方法
JP2009076610A (ja) 磁性部品
JP5465281B2 (ja) チップ部品の実装構造
JP2016058471A (ja) 巻線型コイルおよびその製造方法
US9401238B2 (en) Coil terminal and electromagnetic relay
JP4905807B2 (ja) コイル部品
WO2015135325A1 (zh) 一种锥形电感、印刷电路板以及光模块
JP6955376B2 (ja) コイル部品及びコイル部品の製造方法
JP3946207B2 (ja) コイル部品
CN102593626A (zh) 柔性扁平线缆组件及其组装方法
JP6175870B2 (ja) 面実装バルントランス
JP2012221995A (ja) 積層型電子部品
JP6354220B2 (ja) 積層型電子部品
JP2016219482A (ja) 電子部品
CN113261394A (zh) 电子部件接合用材料的涂布方法以及安装有电子部件的电路基板
JP5343017B2 (ja) 積層チップ部品
JP6565167B2 (ja) 実装構造体
JP5693387B2 (ja) コネクタ
US20230134880A1 (en) Laminated varistor
JP2016219481A (ja) 電子部品