以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(方法における処理)、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。
これらの図に示すように、蓄電装置1は、第一外装体11及び第二外装体12からなる外装体10と、外装体10内方に収容される蓄電ユニット30及び電気機器40とを備えている。
外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40の外方に配置される、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40を所定の位置に配置し、蓄電ユニット30及び電気機器40を衝撃などから保護する。また、外装体10は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂などにより構成されており、蓄電ユニット30及び電気機器40が外部の金属部材などに接触することを回避する。
ここで、外装体10は、外装体10の蓋体を構成する第一外装体11と、外装体10の本体を構成する第二外装体12とを有している。第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、正極外部端子21と負極外部端子22とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子21と負極外部端子22とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電ユニット30及び電気機器40を収容する。
なお、第一外装体11と第二外装体12とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子を有しており、第一外装体11に設けられた正極外部端子21と負極外部端子22とに接続される。本実施の形態では、図2に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子が横置きになった状態でZ軸方向に積み重ねられて、第二外装体12内に配置される。そして、蓄電ユニット30は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。なお、蓄電ユニット30の詳細な構成の説明については、後述する。
電気機器40は、内方に回路基板やリレーなどが配置された矩形状の機器であり、蓄電ユニット30の側方(X軸方向プラス側)に配置されている。本実施の形態では、図2に示すように、電気機器40は、回路基板が縦置きになった状態でZ軸方向に立てられて、第二外装体12内に配置される。そして、電気機器40は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。
なお、電気機器40に備えられる回路基板は、配線(リード線)によって蓄電ユニット30内のそれぞれの蓄電素子の正極端子または負極端子に接続され、例えば、当該蓄電素子の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを取得し、監視し、制御する。
次に、蓄電ユニット30の構成について、詳細に説明する。
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット30の構成を示す斜視図である。具体的には、図3は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した場合の構成を示す分解斜視図である。また、図4は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した構成要素をさらに分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図及び以降の図では、説明の便宜のため、Y軸方向を上下方向として示しており、Y軸方向を上下方向として説明している箇所があるが、実際の使用態様において、Y軸方向が上下方向になるとは限らない。
これらの図に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、8つの蓄電素子100)と、複数のスペーサ200(本実施の形態では、7つのスペーサ200)と、一対の挟持部材300と、複数の拘束部材400(本実施の形態では、4つの拘束部材410〜440)と、バスバーフレーム500と、複数のバスバー600(本実施の形態では、5つのバスバー610〜650)とを備えている。
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な矩形状を有しており、スペーサ200に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数のスペーサ200のそれぞれと交互に配置され、Z軸方向に並べられている。
本実施の形態では、蓄電素子100は、外装体10内方に横向きにして配置されている(図2参照)が、同図では、説明の便宜のため、蓄電素子100は、電極端子を上方に向けて配置された状態で図示している。なお、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100の詳細な構成の説明については、後述する。
スペーサ200は、隣り合う2つの蓄電素子100の間に配置され、当該2つの蓄電素子100間を絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。本実施の形態では、8つの蓄電素子100の間に、7枚のスペーサ200が配置されている。なお、スペーサ200は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
また、スペーサ200は、蓄電素子100の正面側または背面側の略半分(Z軸方向に2つに分けた場合の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、スペーサ200の正面側または背面側の両面(Z軸方向の両面)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の略半分が挿入される。このような構成により、蓄電素子100を挟む2つのスペーサ200が、蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、スペーサ200によって、蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。
挟持部材300は、一対の平板状部材である挟持部材310及び320からなり、複数の蓄電素子100を、当該複数の蓄電素子100の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
つまり、挟持部材310は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向プラス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向プラス側に配置された平板状部材である。また、挟持部材320は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向マイナス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向マイナス側に配置された平板状部材である。そして、挟持部材310と挟持部材320とで、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
また、挟持部材300(挟持部材310、320)は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、隣り合う蓄電素子100との間に、絶縁性の部材が配置されることで、蓄電素子100との絶縁性を確保している。なお、挟持部材300は、金属製(導電性)の部材に限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。また、挟持部材310と挟持部材320とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
拘束部材400は、両端が挟持部材300に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する部材である。つまり、拘束部材400は、当該複数の蓄電素子100を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子100に対して複数の蓄電素子の並び方向(Z軸方向)における拘束力を付与する。なお、拘束部材400は、挟持部材300と同様に、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製の部材で形成されているのが好ましいが、金属以外の部材で形成されていてもかまわない。
具体的には、拘束部材400は、一端が挟持部材310に取り付けられるとともに、他端が挟持部材320に取り付けられる。そして、拘束部材400は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200に対して、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向における拘束力を付与する。
ここで、拘束部材400は、拘束部材410〜440からなる。拘束部材410及び420は、複数の蓄電素子100の上下方向両側(Y軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側から挟み込んで拘束する。また、拘束部材430及び440は、複数の蓄電素子100の両側方(X軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側方から挟み込んで拘束する。
具体的には、拘束部材410及び拘束部材420は、当該複数の蓄電素子100のY軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。また、拘束部材430及び拘束部材440は、当該複数の蓄電素子100のX軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。
バスバーフレーム500は、バスバー600と他の部材との絶縁、蓄電装置1内に配置される各種の配線等の保護、及び、バスバー600の位置規制を行うことができる部材である。特に、バスバーフレーム500は、バスバー600を、複数の蓄電素子100に対して位置決めする。
具体的には、バスバーフレーム500は、複数の蓄電素子100の上方(Y軸方向プラス側)に載置され、複数の蓄電素子100に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム500上には、バスバー600が載置される。この際、バスバーフレーム500の有する突起部が、バスバー600に形成された開口部に挿入されることで、バスバーフレーム500に対してバスバー600が位置決めされる。これにより、バスバー600は、複数の蓄電素子100に対して位置決めされ、そして、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子に接合される。
なお、バスバーフレーム500は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。また、バスバーフレーム500の詳細な構成、及びバスバーフレーム500がバスバー600を位置決めする詳細な構成の説明については、後述する。
バスバー600は、複数の蓄電素子100のそれぞれと電気的に接続されるバスバーである。つまり、バスバー600は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子と電気的に接続される導電性の部材であり、当該複数の蓄電素子100が有するいずれかの電極端子同士を電気的に接続する。
ここで、バスバー600は、バスバー610〜650からなり、いずれも1枚の板状部材を折り曲げた形状を有している。バスバー610〜630は、複数の蓄電素子100のうちの異なる蓄電素子100の正極端子と負極端子とに接続されるバスバーである。また、バスバー640は、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の正極端子と、第一外装体11に設けられた正極外部端子21とに接続されるバスバーである。また、バスバー650は、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の負極端子と、第一外装体11に設けられた負極外部端子22とに接続されるバスバーである。
具体的には、バスバー610〜630は、一端が、2つの蓄電素子100の正極端子に接続されるとともに、他端が、当該2つの蓄電素子100とは異なる他の2つの蓄電素子100の負極端子に接続される。また、バスバー640は、一端が2つの蓄電素子100の正極端子に電気的に接続されるとともに、他端が正極外部端子21に接続される。また、バスバー650は、一端が2つの蓄電素子100の負極端子に接続されるとともに、他端が負極外部端子22に電気的に接続される。このような構成により、複数の蓄電素子100は、バスバー610〜650によって、並列に接続された2つずつの蓄電素子100が直列に接続された構成となっている(図9参照)。
なお、バスバー600(バスバー610〜650)は、導電性の部材として、例えばアルミニウムで形成されているが、バスバー600の材質は特に限定されない。また、バスバー610〜650は、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのバスバーが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電素子100の容器110を透視して蓄電素子100の内部を示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電素子100は、容器110、正極端子120及び負極端子130を備えている。また、容器110内方には、電極体140、正極集電体150及び負極集電体160が配置されている。なお、容器110の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器110は、金属からなる矩形筒状で底を備える本体と、当該本体の開口を閉塞する金属製の蓋部とで構成されている。容器110は、電極体140等を内部に収容後、蓋部と本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
電極体140は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体140は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体140は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子100に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子100の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器110に封入される電解液(非水電解質)としても、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
正極端子120は、正極集電体150を介して、電極体140の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電体160を介して、電極体140の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体140に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体140に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
正極集電体150は、電極体140の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体150は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体160は、電極体140の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体140の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体160は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
次に、バスバーフレーム500の構成について、詳細に説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係るバスバーフレーム500の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、バスバーフレーム500は、矩形状かつ平板状のバスバーフレーム本体部510を有している。バスバーフレーム本体部510は、バスバーフレーム500の本体を構成する部位である。また、バスバーフレーム本体部510は、バスバー600が載置され、バスバー600を支持する8つの支持部511〜518を有している。
支持部511〜518は、長尺状(棒状)の部位であり、バスバー610〜650を載置して支持する。具体的には、支持部511〜514は、バスバーフレーム本体部510のX軸方向プラス側の部分に、Z軸方向に並んで、Z軸方向マイナス側から順に配置されている。また、支持部515〜518は、バスバーフレーム本体部510のX軸方向マイナス側の部分に、Z軸方向に並んで、Z軸方向マイナス側から順に配置されている。
これにより、支持部511は、バスバー640を支持し、支持部512及び513は、バスバー610を支持し、支持部514は、バスバー650を支持する。また、支持部515及び516は、バスバー620を支持し、支持部517及び518は、バスバー630を支持する。
ここで、支持部511〜518のそれぞれは、バスバー610〜650を複数の蓄電素子100に対して位置決めするための2つの突起部を有している。つまり、支持部511〜518は、突起部521〜528を有しており、突起部521〜528は、バスバー610〜650に形成された開口部内に配置されることで、バスバー610〜650を複数の蓄電素子100に対して位置決めする。
具体的には、支持部511は、Y軸方向プラス側に突起した、X軸方向に並ぶ2つの突起部521を有している。そして、バスバー640には、この2つの突起部521に対応した2つの開口部が形成されており、この2つの突起部521が、バスバー640に形成された当該2つの開口部にそれぞれ挿入されて、バスバー640が位置決めされる。
また、同様に、支持部514は、Y軸方向プラス側に突起した、X軸方向に並ぶ2つの突起部524を有している。そして、バスバー650には、この2つの突起部524に対応した2つの開口部が形成されており、この2つの突起部524が、バスバー650に形成された当該2つの開口部にそれぞれ挿入されて、バスバー650が位置決めされる。
また、支持部512は、Y軸方向プラス側に突起したX軸方向に並ぶ2つの突起部522を有し、支持部513は、Y軸方向プラス側に突起したX軸方向に並ぶ2つの突起部523を有している。また、バスバー610には、この2つの突起部522及び2つの突起部523に対応した4つの開口部(後述の開口部615a、615b、616a及び616b)が形成されている。そして、この2つの突起部522及び2つの突起部523が、バスバー610に形成された当該4つの開口部にそれぞれ挿入されて、バスバー610が位置決めされる。
また、同様に、支持部515及び支持部516は、Y軸方向プラス側に突起したX軸方向に並ぶ2つの突起部525及び2つの突起部526を有している。そして、この2つの突起部525及び2つの突起部526が、バスバー620に形成された4つの開口部にそれぞれ挿入されて、バスバー620が位置決めされる。また、支持部517及び支持部518は、Y軸方向プラス側に突起したX軸方向に並ぶ2つの突起部527及び2つの突起部528を有している。そして、この2つの突起部527及び2つの突起部528が、バスバー630に形成された4つの開口部にそれぞれ挿入されて、バスバー630が位置決めされる。
なお、突起部521〜528は、バスバー610〜650の開口部の形状に対応した形状であるのが好ましく、同図では円柱形状の突起部として図示しているが、角柱形状の突起部であってもよいし、形状は特に限定されない。
次に、バスバー600(バスバー610〜650)の構成について、詳細に説明する。なお、バスバー610〜630は、同様の構成を有するため、以下では、バスバー610の構成について詳細に説明することとし、バスバー620及び630の構成の説明は、簡略化または省略する。また、バスバー640及び650についても、バスバー610の一部と同様の構成を有するため、説明は簡略化または省略する。
図7は、本発明の実施の形態に係るバスバー610の構成を示す斜視図である。また、図8は、本発明の実施の形態に係るバスバーフレーム500上にバスバー600(バスバー610、640及び650)が配置された状態での構成を示す斜視図である。
まず、図7に示すように、バスバー610は、複数の端子接続部(本実施の形態では、4つの端子接続部611〜614)と、複数の並列接続部(本実施の形態では、2つの並列接続部615及び616)と、直列接続部617とを有している。
端子接続部611〜614は、複数の蓄電素子100それぞれが有する電極端子(正極端子120または負極端子130)と接続される接続部分であり、矩形状かつ平板状の部位である。具体的には、端子接続部611〜614は、XZ平面上に広がる板状の部位であり、Z軸方向に配列して配置されている。
並列接続部615及び616は、端子接続部611〜614の間に配置され、Y軸方向プラス側に突出して湾曲することで形成された曲板形状の部位である。具体的には、並列接続部615は、端子接続部611と612との間に配置される部分であり、並列接続部616は、端子接続部613と614との間に配置される部分である。
直列接続部617は、端子接続部612と613との間に配置される部分であり、Y軸方向プラス側に突出して湾曲することで形成された曲板形状の部位である。直列接続部617は、端子接続部613及び614と同様の外形を有している。そして、端子接続部611〜614と、並列接続部615及び616と、直列接続部617とは、Z軸方向に直線状に並ぶように配置されている。
また、並列接続部615及び616のそれぞれには、複数の開口部が形成されている。具体的には、並列接続部615には、X軸方向に並ぶ2つの開口部615a及び615bが形成されている。また、並列接続部616にも、X軸方向に並ぶ2つの開口部616a及び616bが形成されている。なお、開口部615a及び615bは、並列接続部615をY軸方向に貫通する円形状の貫通孔であり、開口部616a及び616bは、並列接続部616をY軸方向に貫通する円形状の貫通孔である。
このような構成において、図8に示すように、バスバーフレーム500の突起部522及び523が、並列接続部615及び616に形成された開口部615a、615b、616a及び616b内に配置されて、バスバーフレーム500上にバスバー610が配置される。
具体的には、並列接続部615及び616の湾曲した凹部内にバスバーフレーム500の支持部512及び513が配置されることで、バスバーフレーム500の支持部512及び513上に、並列接続部615及び616が配置される。この際、バスバーフレーム500の突起部522及び523が、バスバー610の開口部615a、615b、616a及び616b内に挿入される。これにより、バスバー610は、バスバーフレーム500上で位置決めされるため、複数の蓄電素子100に対して位置決めされる。他のバスバーについても、同様である。
このようにして、バスバー600が複数の蓄電素子100に対して位置決めされた状態を、図9及び図10に示す。
図9は、本発明の実施の形態に係る複数の蓄電素子100(蓄電素子101〜108)上にバスバー600(バスバー610〜650)が配置された状態での構成を示す斜視図である。また、図10は、本発明の実施の形態に係る複数の蓄電素子100(蓄電素子103〜106)上にバスバー610が配置された状態での構成を示す平面図である。
なお、これらの図では、説明の便宜のために、バスバーフレーム500を省略して、蓄電素子100上にバスバー600が配置された状態での構成を示している。また、これらの図では、Z軸方向に並ぶ8つの蓄電素子100を、Z軸方向のマイナス側から順に、蓄電素子101〜108として示している。
これらの図に示すように、端子接続部611は、蓄電素子103の負極端子130と接続され、端子接続部612は、蓄電素子104の負極端子130と接続される。また、端子接続部613は、蓄電素子105の正極端子120と接続され、端子接続部614は、蓄電素子106の正極端子120と接続される。なお、端子接続部611〜614は、レーザ溶接などにより、それぞれの電極端子と接合される。
このように、蓄電素子103と蓄電素子104とは、並列接続されており、また、蓄電素子105と蓄電素子106とも、並列接続されている。そして、蓄電素子103及び蓄電素子104と、蓄電素子105及び蓄電素子106とは、直列接続されている。
ここで、複数の蓄電素子100のうちの並列接続する2以上の蓄電素子100を蓄電素子群と定義する。具体的には、並列接続されている蓄電素子103及び蓄電素子104を第一蓄電素子群とし、並列接続されている蓄電素子105及び蓄電素子106を第二蓄電素子群とする。つまり、第一蓄電素子群と第二蓄電素子群とは、直列接続されている。
並列接続部615は、第一蓄電素子群に含まれる並列接続されている蓄電素子103及び蓄電素子104との接続部分である端子接続部611と612との間に配置されている。また、並列接続部616は、第二蓄電素子群に含まれる並列接続されている蓄電素子105及び蓄電素子106との接続部分である端子接続部613と614との間に配置されている。このように、並列接続部615及び616は、複数の蓄電素子100のうちの並列接続する2以上の蓄電素子100を蓄電素子群とし、当該蓄電素子群に含まれるそれぞれの蓄電素子100との接続部分の間に配置される。
直列接続部617は、端子接続部612と613との間に配置されている。言い換えれば、直列接続部617は、第一蓄電素子群(蓄電素子103及び蓄電素子104)との接続部分である端子接続部611及び612と、第二蓄電素子群(蓄電素子105及び蓄電素子106)との接続部分である端子接続部613及び614との間に配置されている。つまり、直列接続部617は、直列接続されている第一蓄電素子群及び第二蓄電素子群との接続部分の間に配置されている。このように、直列接続部617は、2以上の蓄電素子群を直列接続する際のそれぞれの蓄電素子群との接続部分の間に配置される。
ここで、並列接続部615及び616は、直列接続部617よりも抵抗が高い部分である高抵抗部615c及び616cを有している。具体的には、高抵抗部615c及び616cは、直列接続部617が有するいずれの部分における抵抗よりも高い抵抗を有する部分である。
なお、本実施の形態では、直列接続部617を厚み方向に切断(XY平面に平行な面で切断、または電流が流れる方向と垂直な面で切断)した場合の断面積はほぼ同じである。このため、直列接続部617を当該厚み方向に切断した場合の各断面部分における抵抗はほぼ同じであるが、当該抵抗が異なる場合には、高抵抗部615c及び616cは、直列接続部617の各部の抵抗のうちの最高の抵抗よりも高い抵抗を有している。
また、高抵抗部615c及び616cは、蓄電素子群に含まれる少なくとも2つの蓄電素子100間に流れる電流が通過する経路に配置されている。つまり、高抵抗部615cは、第一蓄電素子群に含まれる蓄電素子103及び蓄電素子104の間に流れる電流が通過する経路である並列接続部615に配置されている。また、高抵抗部616cは、第二蓄電素子群に含まれる蓄電素子105及び蓄電素子106の間に流れる電流が通過する経路である並列接続部616に配置されている。
さらに言い換えると、蓄電素子群に含まれる複数の蓄電素子100とバスバー610とが複数の接続部分で接続されている。本実施の形態では、1枚のバスバー610の延伸方向(Z軸方向)に沿って、複数の接続部分が設けられている。そして、当該複数の接続部分の間に、高抵抗部を有する並列接続部が配置されている。
つまり、第一蓄電素子群に含まれる蓄電素子103及び104とバスバー610とが、Z軸方向に並ぶ2つの端子接続部611及び612で接続され、当該2つの端子接続部611及び612の間に、高抵抗部615cを有する並列接続部615が配置されている。また、第二蓄電素子群に含まれる蓄電素子105及び106とバスバー610とが、Z軸方向に並ぶ2つの端子接続部613及び614で接続され、当該2つの端子接続部613及び614の間に、高抵抗部616cを有する並列接続部616が配置されている。
さらに具体的には、高抵抗部615c及び616cは、直列接続部617よりも断面積が小さい部分である。つまり、高抵抗部615cは、並列接続部615に開口部615a及び615bが形成されることにより、直列接続部617よりも、上述の厚み方向に切断した場合の断面積が小さくなっている部分である。また、高抵抗部616cは、並列接続部616に開口部616a及び616bが形成されることにより、直列接続部617よりも、上述の厚み方向に切断した場合の断面積が小さくなっている部分である。
なお、高抵抗部615c及び616cは、直列接続部617が有するいずれの部分における断面積よりも小さい断面積を有する部分である。本実施の形態では、上述の通り、直列接続部617を厚み方向に切断した場合の断面積はほぼ同じであるが、当該断面積が異なる場合には、高抵抗部615c及び616cは、直列接続部617の断面積のうちの最小の断面積よりも小さい断面積である。
また、高抵抗部615c及び616cは、蓄電素子100の電極端子と対向する位置とは異なる位置に配置されている。つまり、高抵抗部615c及び616cは、蓄電素子100の電極端子とは対向しない位置に配置されている。具体的には、高抵抗部615c及び616cは、Y軸方向から見た場合に、蓄電素子100の電極端子(正極端子120及び負極端子130)と重ならない位置に配置されている。言い換えれば、高抵抗部615c及び616cは、蓄電素子100の電極端子と当接しない位置に配置されている。
ここで、並列接続部615及び616が、直列接続部617よりも抵抗が高い高抵抗部615c及び616cを有していることは、以下の測定を行うことによって判断することができる。つまり、各接続部(並列接続部、直列接続部)の両側にある端子接続部の、電極端子略中央と対向している部分間の抵抗を測定する。そして、並列接続部の両側の端子接続部間の抵抗が、直列接続部の両側の端子接続部間の抵抗よりも高ければ、並列接続部が、直列接続部よりも抵抗が高い高抵抗部を有していると判断することができる。なお、電極端子略中央とは、蓄電素子100の並び方向(Z軸方向)において、蓄電素子100の電極端子の中央に位置する部分をいう。
具体的には、並列接続部615の両側にある端子接続部611及び612の電極端子略中央と対向している部分間の抵抗が、直列接続部617の両側にある端子接続部612及び613の電極端子略中央と対向している部分間の抵抗よりも高い場合に、並列接続部615に高抵抗部615cが配置されていると判断することができる。また、並列接続部616の両側にある端子接続部613及び614の電極端子略中央と対向している部分間の抵抗が、直列接続部617の両側にある端子接続部612及び613の電極端子略中央と対向している部分間の抵抗よりも高い場合に、並列接続部616に高抵抗部616cが配置されていると判断することができる。
なお、開口部615a、615b、616a及び616bは、円形状の貫通孔であることとしたが、当該開口部の形状は円形状でなくても矩形状などでもよい。また、開口部615a、615b、616a及び616bは、貫通孔でなくともよく、並列接続部615または616の外縁に形成された凹部(切り欠き)などであってもかまわない。
また、バスバー610以外のバスバーについても、バスバー610と同様に、並列接続部を有しており、並列接続部は、開口部が形成されることにより断面積が小さくなる高抵抗部を有している。特に、バスバー620及び630は、バスバー610と同様に、当該並列接続部と直列接続部とを有しており、バスバー640及び650は、直列接続部は有していないが、バスバー610と同様の並列接続部を有している。
次に、蓄電装置1が備える、蓄電装置1の異常検知装置41について、説明する。
図11は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の異常検知装置41の機能的な構成を示すブロック図である。
異常検知装置41は、蓄電装置1に含まれる蓄電素子100の異常を検知する装置であり、電気機器40が備える制御基板に搭載された回路によって構成されている。また、同図に示すように、異常検知装置41は、取得部42と検知部43とを備えている。
ここで、異常検知装置41は、異常を検知したい蓄電素子100に接続されたバスバー600の端子接続部に接続されている。ここでは、異常検知装置41は、バスバー610の端子接続部611〜614に接続されており、蓄電素子103〜106の異常を検知することとする。なお、異常検知装置41は、バスバー600が有する端子接続部のうち、全ての端子接続部に接続されていてもよいし、一部の端子接続部に接続されているのみでもよいが、並列接続された複数の蓄電素子100に接続されたそれぞれの端子接続部に接続されているものとする。
取得部42は、並列接続された複数の蓄電素子100とバスバー600との接続部分の間の電圧を取得する。具体的には、取得部42は、並列接続された第一蓄電素子群(蓄電素子103及び蓄電素子104)とバスバー610との接続部分である端子接続部611と端子接続部612との間の電圧を取得する。
つまり、取得部42は、並列接続部615を挟む2つの接続部分である端子接続部611と端子接続部612との間の電圧を取得する。具体的には、取得部42は、並列接続部615を介して2つの接続部分である端子接続部611と端子接続部612との間に電流を流した場合の電圧を取得する。
また、同様に、取得部42は、並列接続された第二蓄電素子群(蓄電素子105及び蓄電素子106)とバスバー610との接続部分である端子接続部613と端子接続部614との間の電圧を取得する。
つまり、取得部42は、並列接続部616を挟む2つの接続部分である端子接続部613と端子接続部614との間の電圧を取得する。具体的には、取得部42は、並列接続部616を介して2つの接続部分である端子接続部613と端子接続部614との間に電流を流した場合の電圧を取得する。
このように、取得部42は、蓄電素子群に含まれる蓄電素子100とバスバー600との接続部分であって、並列接続部を挟む2つの接続部分の間の電圧を取得する。具体的には、取得部42は、並列接続部を介して2つの接続部分の間に電流を流した場合の電圧を取得する。
検知部43は、取得部42が取得した電圧の変化から、蓄電素子群に含まれる蓄電素子100の異常を検知する。具体的には、検知部43は、取得部42が取得した電圧または当該電圧から算出される抵抗が所定の値を超えた場合に、2つの接続部分に接続されている蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100が異常であると検知する。
つまり、検知部43は、例えば、端子接続部611と端子接続部612との間の電圧、または当該電圧から算出した抵抗が、所定の値を超えるか否かを判断する。そして、検知部43は、当該電圧または抵抗が所定の値を超えると判断した場合に、蓄電素子103または104が異常であると検知する。なお、蓄電素子103または104のいずれが異常であるかは、当該電圧の高低などから判断することができる。
なお、異常検知装置41は、蓄電素子100の異常を検知するために必要な各種データを記憶するメモリを備えていることにしてもよい。例えば、当該メモリには、取得部42が取得した電圧が書き込まれ、検知部43により当該電圧が読み出されることにしてもよいし、検知部43が算出した抵抗が記憶されることにしてもよい。また、当該メモリには、当該電圧または抵抗の判断の閾値(上記の所定の値)が予め記憶されており、検知部43が当該閾値を読み出して、上記の判断を行うことにしてもよい。
次に、蓄電装置1の異常検知装置41が蓄電素子100の異常を検知する処理について、説明する。
図12は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の異常検知装置41が蓄電素子100の異常を検知する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、取得部42は、蓄電素子群に含まれる蓄電素子100とバスバー600との接続部分であって、並列接続部を挟む2つの接続部分の間の電圧を取得する(S102)。具体的には、取得部42は、並列接続部を介して2つの接続部分の間に電流を流した場合の電圧を取得する。
そして、検知部43は、取得部42が取得した電圧の変化から、蓄電素子群に含まれる蓄電素子100の異常を検知する(S104)。具体的には、検知部43は、取得部42が取得した電圧または当該電圧から算出される抵抗が所定の値を超えた場合に、2つの接続部分に接続されている蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100が異常であると検知する。
つまり、検知部43は、当該電圧または抵抗が所定の値を超えるか否かを判断する。そして、検知部43は、当該電圧または抵抗が所定の値を超えると判断した場合に、2つの接続部分に接続されている蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100が異常であると検知する。
なお、上記の蓄電素子100が異常であるとは、劣化などに起因して蓄電素子100の電圧がばらついたり、バスバー600が断線(高抵抗部が溶断)したりすることをいう。
例えば、並列接続している蓄電素子群のうちの一部の蓄電素子100が劣化した場合には、蓄電素子群内の他の蓄電素子100から、当該一部の蓄電素子100へ電流が流れる。取得部42は、この電流を計測して電圧を算出し、検知部43は、当該電圧または当該電圧から算出した抵抗が所定の値を超えると判断した場合に、当該一部の蓄電素子100が異常であると検知する。
また、バスバー600の断線(高抵抗部の溶断)の場合には、取得部42は、高抵抗部を挟む2つの蓄電素子100の間の電圧を取得する。そして、検知部43は、当該電圧の変化から、当該高抵抗部が溶断したと判断して、当該2つの蓄電素子100のいずれかが異常であると検知する。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、バスバー600を備え、バスバー600は、並列接続する蓄電素子100間に配置される並列接続部と、直列接続する蓄電素子群間に配置される直列接続部とを有しており、並列接続部は、直列接続部よりも抵抗が高い高抵抗部を有する。つまり、並列接続部は、並列接続する蓄電素子100間に配置されており、直列接続部は、直列接続する蓄電素子群間に配置されているため、並列接続部よりも直列接続部の方に大きな電流が流れる。ここで、バスバー600に抵抗が高い部分を形成する場合には、直列接続部ではなく並列接続部に形成することで、直列接続部が過熱されるのを抑制し、バスバー600が溶断してしまうのを抑制することができる。このため、蓄電装置1によれば、バスバー600の並列接続部が直列接続部よりも抵抗が高い高抵抗部を有しているため、バスバー600に抵抗が高い部分が形成されている場合でも、バスバー600が溶断してしまうのを抑制することができる。
また、バスバー600が有する高抵抗部には、蓄電素子群内の蓄電素子100間に流れる電流が通過するため、蓄電素子群間に流れる電流が通過する直列接続部よりも、小さな電流が流れる。このように、高抵抗部に小さな電流が流れるように構成しているため、高抵抗部でバスバー600が溶断してしまうのを抑制することができる。
また、バスバー600が有する高抵抗部は、抵抗が、直列接続部のいずれの部分よりも高くなるように構成されている。つまり、直列接続部は、高抵抗部に比べて抵抗が小さくなるように構成されているため、直列接続部に大きな電流が流れても、直列接続部でバスバー600が溶断してしまうのを抑制することができる。
また、バスバー600が有する高抵抗部は、直列接続部よりも断面積が小さい部分である。つまり、並列接続部に断面積が小さい部分が形成されることで、高抵抗部が形成されている。これにより、バスバー600に断面積が小さい部分が形成されている場合でも、バスバー600が溶断してしまうのを抑制することができる。
また、バスバー600が有する高抵抗部は、並列接続部の開口部が形成された部分である。このため、バスバー600に形成された当該開口部を利用して、バスバー600の位置決めや、電流計、電圧計、温度センサ等のセンサ類の取り付けなどを行うことができる。
また、蓄電装置1は、バスバーフレーム500に設けられた突起部を備えており、当該突起部がバスバー600の開口部内に挿入されることで、バスバー600を蓄電素子100に対して位置決めすることができる。このため、バスバー600を容易に位置決めすることができる。
また、バスバー600が有する高抵抗部には、複数の開口部が形成されている。このため、バスバー600に形成された当該複数の開口部に、バスバーフレーム500に設けられた突起部が挿入されることで、バスバー600が蓄電素子100に対して回転するのを抑制することができ、バスバー600を容易に位置決めすることができる。
また、バスバー600が有する高抵抗部は、蓄電素子100の電極端子と対向する位置以外に配置されている。このため、バスバー600と当該電極端子との接続部分の面積を減らすことなく高抵抗部を形成することができるため、当該電極端子にバスバー600を安定して接続することができる。
また、蓄電装置1は、並列接続部を挟む2つの蓄電素子100間の電圧を取得し、取得した電圧の変化から、蓄電素子100の異常を検知する。つまり、並列接続部は高抵抗部を有しており、当該高抵抗部において抵抗値が高くなっているため、並列接続部に微小電流が流れた場合でも、検出される電圧の値は大きくなる。このため、蓄電装置1によれば、蓄電素子100の異常時に生じる電流の変化を、大きな電圧の変化として検出することができるため、当該電圧の変化を検出することで、蓄電素子100の異常を容易に検知することができる。また、蓄電装置1全体ではなく、蓄電素子100個別の電圧を検出しているため、蓄電素子100個別の異常を検知することができる。
また、蓄電装置1は、並列接続部を介して2つの蓄電素子100間に電流を流した場合の電圧を取得し、当該電圧または当該電圧から算出される抵抗が所定の値を超えた場合に、蓄電素子100が異常であると検知する。つまり、当該蓄電装置1によれば、電圧または抵抗の値を所定の値と比較することで、蓄電素子100が異常であることを検知することができるため、蓄電素子100の異常を容易に検知することができる。
また、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の異常検知方法によれば、高抵抗部を有する並列接続部を挟む2つの並列接続された蓄電素子100間の電圧を取得し、当該電圧の変化から、蓄電素子100の異常を検知する。つまり、並列接続部は高抵抗部において抵抗値が高くなっているため、並列接続部に微小電流が流れた場合でも、検出される電圧の値は大きくなる。このため、蓄電装置1の異常検知方法によれば、蓄電素子100の異常時に生じる電流の変化を、大きな電圧の変化として検出することができるため、当該電圧の変化を検出することで、蓄電素子100の異常を容易に検知することができる。また、蓄電装置1全体ではなく、蓄電素子100個別の電圧を検出しているため、蓄電素子100個別の異常を検知することができる。これにより、異常のある蓄電素子100に対して適切な処置を行えば、異常電流の発生を抑制し、当該異常電流によりバスバー600が溶断してしまうのを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、バスバー610(及びバスバー620、630)は、2つの並列接続部しか有していないこととしたが、バスバー610は、3つ以上の並列接続部を有していることにしてもよい。図13は、本発明の実施の形態の変形例に係る複数の蓄電素子100上にバスバー610aが配置された状態での構成を示す平面図である。
同図に示すように、バスバー610aは、3つの蓄電素子103、104及び104aの負極端子130のそれぞれに接続される3つの端子接続部611、612及び612aと、3つの蓄電素子105、105a及び106の正極端子120のそれぞれに接続される3つの端子接続部613、613a及び614とを有している。つまり、複数の蓄電素子100は、バスバー610aによって、並列に接続された3つずつの蓄電素子100が直列に接続された構成となっている。
そして、バスバー610aは、4つの並列接続部615、616、618及び619を有している。そして、複数の並列接続部のうちの最も外側の並列接続部615と並列接続部616とに、開口部615a及び615bと、開口部616a及び616bとが形成されている。つまり、並列接続部615と並列接続部616とに、高抵抗部615cと高抵抗部616cとが配置されている。
このように、高抵抗部615c及び616cは、複数の並列接続部のうちの最も外側の並列接続部615及び616に配置される。
ここで、複数の並列接続部のうち、最も外側の並列接続部615及び616には、最も小さな電流が流れる。このため、最も小さな電流が流れる位置に高抵抗部615c及び616cを配置することで、バスバー610aが溶断してしまうのを抑制することができる。
また、上記の構成により、高抵抗部615c及び616cを利用してバスバー610aを位置決めする場合に、バスバー610aを蓄電素子100に対して位置決めし易くなるため、バスバー610aを容易に位置決めすることができる。つまり、複数箇所で位置決めする場合には、位置決めする箇所が離れている方が位置決めし易いため、最も外側に配置された高抵抗部を利用してバスバー610aを位置決めすることで、容易に位置決めを行うことができる。
なお、少なくとも1つの高抵抗部が最も外側の並列接続部に配置されていれば、当該位置決めは容易になるが、最も外側の両サイドの並列接続部615及び616に配置された高抵抗部615c及び616cを利用してバスバー610aを位置決めすることで、最も容易に位置決めを行うことができる。
また、上記実施の形態では、バスバー600に含まれる全てのバスバーに、高抵抗部を有する並列接続部が設けられていることとした。しかし、バスバー600に含まれる全てのバスバーに当該並列接続部が設けられていることには限定されず、バスバー600に含まれる少なくとも1つのバスバーに当該並列接続部が設けられている構成でかまわない。
また、上記実施の形態では、高抵抗部は、直列接続部よりも断面積が小さいことで、直列接続部よりも抵抗が高くなっていることとした。しかし、高抵抗部は、例えば直列接続部よりも抵抗の高い材質を使用することにより、直列接続部よりも抵抗が高くなっていることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、バスバー600の高抵抗部には、複数の開口部が形成されていることとした。しかし、バスバー600の高抵抗部には、1つの開口部しか形成されていない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態では、バスバー600の高抵抗部は、開口部が形成されることにより断面積が小さくなっていることとした。しかし、バスバー600の高抵抗部に形成されているのは開口部には限定されず、例えば、バスバー600の表面に凹部が形成されていることで、断面積が小さくなっていることにしてもよい。なお、当該凹部は、例えば図7におけるY軸方向に凹んだ形状(Y軸方向プラス側またはマイナス側の表面に凹部が形成)であってもよいし、X軸方向に凹んだ形状(X軸方向プラス側またはマイナス側の表面に凹部が形成)であってもかまわない。
また、上記実施の形態では、高抵抗部は、直列接続部が有するいずれの部分における抵抗よりも高い抵抗を有する部分であり、直列接続部が有するいずれの部分における断面積よりも小さい断面積を有する部分であることとした。しかし、高抵抗部は、直列接続部が有する最低の抵抗よりも高い抵抗を有する部分であり、直列接続部が有する最大の断面積よりも小さい断面積を有する部分であることにしてもよい。なお、この場合、高抵抗部は、それほど抵抗が高くない(断面積が小さくない)ため、高抵抗部でバスバーが溶断されにくいと言える。
また、上記実施の形態では、バスバー600の並列接続部は湾曲した形状を有していることとしたが、当該並列接続部は平板状の部位であってもかまわない。
また、本発明に係る蓄電装置1の異常検知装置41が備える処理部は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。つまり、例えば、本発明は、取得部42と検知部43とを備える集積回路として実現されてもよい。
なお、当該集積回路が備える各処理部は、個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
また、本発明は、このような蓄電装置1の異常検知装置41として実現することができるだけでなく、蓄電装置1の異常検知装置41が行う特徴的な処理をステップとする蓄電装置1の異常検知方法としても実現することができる。
また、本発明は、蓄電装置1の異常検知方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、当該プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、本発明は、このような蓄電装置1として実現することができるだけでなく、蓄電装置1が備えるバスバー600としても実現することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。