JP2016049569A - レールの冷却方法および熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】投資コストやランニングコストを抑制しながらも、レールの頭頂面中央部と頭頂面端部との冷却速度を均一にすること。
【解決手段】熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1の少なくとも頭部11の頭頂面および頭側面11b,11cに冷却媒体を噴射することで、レール1を強制冷却する際に、レール1の頭頂面端部11b,11cへ冷却媒体を一方向からのみ直接噴射する。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールを強制冷却することで高硬度のレールを製造する、レールの冷却方法および熱処理装置に関する。
耐摩耗性および靱性に優れたレールとして、頭部が微細なパーライト組織からなる高硬度レールが知られている。このような高硬度レールは、一般的に以下の製造方法によって製造される。
まず、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールを、正立した状態で熱処理装置に搬入する。正立した状態とは、レールの頭部が上方、足裏部が下方になった状態をいう。このとき、レールは、例えば100m程度の圧延長のままの状態、あるいはレール1本あたりの長さが例えば25m程度の長さに切断(以下では、「鋸断」とも称する。)された状態で熱処理装置へ搬送される。なお、レールが鋸断されてから熱処理装置に搬送される場合、熱処理装置は、鋸断されたレールに応じた長さの複数のゾーンに分割されることもある。
次いで、熱処理装置において、レールの足先部がクランプで拘束され、レールの頭頂部、頭側部、足裏部、さらに必要に応じて腹部が、冷却媒体によって強制冷却される。冷却媒体には、空気、水、ミスト等が用いられる。このようなレールの製造方法では、強制冷却時の温度履歴をコントロールすることにより、レールの内部を含めた頭部全体を微細なパーライト組織とすることができる。ここで、熱処理装置には単一ヘッダまたは複数のヘッダが設けられ、ヘッダから噴射される冷却媒体によってレールが強制冷却される。この際、レール頭部の上面(以下では、「頭頂面」とも称する。)端部は、曲面であり、多方面から冷却媒体が噴射される。このため、頭頂面端部における冷却媒体の流れが複雑になることから、頭頂面端部における冷却の制御が困難となる。また、頭頂面端部は、多方面から冷却されるため、頭頂面中央部や頭側面と比較して冷却速度が一般的に高くなる。
一般的に、熱処理中のレールの冷却速度を上昇させると硬度は上昇するが、鋼種によっては冷却速度を過度に上げることによりマルテンサイトやベイナイトといったパーライト以外の靱性が著しく低い組織(以下では、「異常組織」とも称する。)に相変態してしまう場合がある。レールの品質としては、硬度および靱性に優れる必要があることから、この両方の特性の向上を両立させることが求められる。このため、レールにおける熱処理では、高い冷却速度を精度良く制御する必要がある。しかし、レールの頭部を冷却する場合、頭頂面端部と頭頂面中央部とでは、冷却速度が均一になりにくいことから、頭頂面の幅方向において硬度や靱性にばらつきが生じることがあった。このため、レールの頭頂面を幅方向に均一な冷却速度で冷却する技術が求められている。
例えば、特許文献1には、レールの頭頂面を幅方向に均一に冷却する方法として、頭頂面端部を誘導加熱装置によって加熱させつつ、冷却媒体による熱処理を行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、レールのゲージコーナー部(頭頂面端部)の過冷却を防止することを目的として、頭頂面冷却用ヘッダと頭側面冷却用ヘッダによりレールを冷却するに当たり、ゲージコーナー部に冷却媒体を当てないようにする方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、頭頂面冷却用ヘッダおよび頭側面冷却用ヘッダのレールよりの距離を制御することにより、頭頂部中央とゲージコーナー部を所望の硬度にできる方法が開示されている。
特開昭57−137425号公報 特開平02−007371号公報 特開昭64−087719号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、設備を設けるための多額の設備投資が必要であり、さらにランニングコストも非常に高くなるため、好ましくない。
また、特許文献2に記載の方法では、頭頂面端部の冷却を排気流のみで行うが、直接冷却媒体を噴射する場合と比較し、排気流の冷却効果は小さく、HV395以上の高硬度を得るためには、冷却効果が不十分であった。冷却能力の低い排気流のみで高い冷却速度を出すためには、排気流の噴射量を増加させる必要があり、この場合、排気流が直接噴射される位置の冷却速度が過度に上昇し、ベイナイトやマルテンサイトといった靱性や硬度の低い異常組織へと相変化するために好ましくない。
さらに、特許文献3に記載の方法では、頭頂面の幅方向(中央部、端部)を均一な硬度にすることが可能であるが、硬度を制御するために頭頂ヘッダまたは頭側ヘッダのいずれか一方の距離を離す必要がある。このため、頭部全体の冷却能力が低下することとなる。頭部全体の冷却能力が低くなると、頭頂面中央部および端部以外の部位となる頭部の内部や顎下面などでは、硬度が低下することとなるため、好ましくない。
そこで、本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、投資コストやランニングコストを抑制しながらも、レールの頭頂面中央部と頭頂面端部との冷却速度を均一にすることができる、レールの冷却方法および熱処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るレールの冷却方法は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部に冷却媒体を噴射することで、レールを強制冷却する際に、レールの頭頂面端部へ冷却媒体を一方向からのみ直接噴射することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレールの熱処理装置は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部に冷却媒体を噴射することで、レールを強制冷却する冷却手段を備え、冷却手段は、レールの頭頂面端部へ冷却媒体を一方向からのみ直接噴射することを特徴とするレールの熱処理装置。
本発明に係るレールの冷却方法および熱処理装置によれば、投資コストやランニングコストを抑制しながらも、レールの頭頂面中央部と頭頂面端部との冷却速度を均一にすることができる。
本発明の第1実施形態に係る熱処理装置を示す模式図である。 熱処理装置の一部を示す側面図である。 レールの各部位を示す断面図である。 第1実施形態に係る熱処理装置を示す断面図である。 第2実施形態に係る熱処理装置を示す断面図である。 実施例で用いた熱処理装置を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1実施形態>
[熱処理装置の構成]
はじめに、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態における熱処理装置2について説明する。熱処理装置2は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、またはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1を強制冷却する装置であり、熱間圧延ラインの下流側、またはレールを加熱する加熱装置の下流側に連続して設けられる。図2に示すように、レール1は、長手方向がx−y平面に垂直なz軸方向に平行になるように配される。
熱処理装置2は、図1および図2に示すように、頭頂ヘッダ20と、頭側ヘッダ21a,21bと、足裏ヘッダ22と、支持拘束部23a,23bと、第1温度計24aと、第2温度計24bと、制御部25とを有する。ここで、図2および図3に示すように、レール1は、頭部11と、腹部12と、足部13とからなり、頭部11がy軸正方向側である上方および足部13がy軸負方向側である下方に配された状態で熱処理装置2に搬入される。また、図3に示すように、頭部11の表面は、頭頂面中央部11a、頭頂面端部11b,11c、頭側面11d,11e、および顎下面11f,11gからなる。足部13は、y軸負方向側の端部に足裏面13aを有する。なお、以下の説明では、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cで示される領域を頭頂面という。
熱処理装置2は、z軸方向に延在して設けられ、レール1の長さに応じて、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bが少なくとも一つずつ設けられる。なお、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bが複数設けられる場合、複数の頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bは、それぞれz軸方向に並んで設けられる。
頭頂ヘッダ20は、頭頂多孔板ノズル201を有し、頭頂多孔板ノズル201からレール1の頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cのx軸方向全長に冷却媒体を噴射することで頭部11を強制冷却する冷却手段である。冷却媒体には、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。また、頭頂ヘッダ20は、頭頂多孔板ノズル201がレール1の頭頂面中央部11aに対向して配される。
頭頂多孔板ノズル201は、x軸方向およびz軸方向にそれぞれ並んで設けられる複数のノズル孔202を有する。ノズル孔202は、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cに冷却媒体を直接噴射できるように形成される。図4に示す断面視の一例では、ノズル孔202は、x軸方向に並んで複数孔(例えば、6孔)設けられる。このうち、x軸方向中央側の孔(例えば、x軸方向中央側の4孔)は頭頂面中央部11aと対向して形成され、またx軸方向両端側の孔(例えば、x軸方向両端側の2孔)は頭頂面端部11b,11cと対向して形成される。ノズル孔202は、x軸方向中央側の孔が対向した頭頂面中央部11a、およびx軸方向両端側の孔が対向した頭頂面端部11b,11cに冷却媒体を直接噴射する。
頭側ヘッダ21a,21bは、頭側多孔板ノズル211a,211bをそれぞれ有し、頭側多孔板ノズル211a,211bからレール1の頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gのy軸方向全長に冷却媒体を噴射することで頭部11を冷却する冷却手段である。冷却媒体には、頭頂ヘッダ20と同様に、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。頭側ヘッダ21a,21bは、頭側多孔板ノズル211a,211bがレール1の頭側面11d,11eにそれぞれ対向して配される。
頭側多孔板ノズル211a,211bは、y軸方向およびz軸方向にそれぞれ並んで設けられる複数のノズル孔212を有する。ノズル孔212は、頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gに冷却媒体を直接噴射できるように形成される。図4に示す断面視の一例では、ノズル孔212は、頭側多孔板ノズル211a,211bにy軸方向に並んで4孔ずつ設けられる。また、ノズル孔212は、頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gと対向して形成され、頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gに冷却媒体を直接噴射する。なお、第1実施形態において、頭側多孔板ノズル211a,211bは、冷却媒体を頭頂面端部11b,11cに冷却媒体を直接噴射しない。具体的には、y軸正方向端の最上部のノズル孔212は、噴射される冷却媒体が、頭頂面の上端から下方へ少なくとも5mmの範囲には直接あたらない位置に配される。
上記のように、第1実施形態では、頭部11を冷却する冷却手段である頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bは、頭頂面端部11b,11cに対して、頭頂ヘッダ20のみから冷却媒体を噴射させる。
足裏ヘッダ22は、足裏多孔板ノズル221を有し、足裏多孔板ノズル221からレール1の足裏面13aの全長に冷却媒体を噴射することで足部13を冷却する冷却手段である。冷却媒体には、頭頂ヘッダ20と同様に、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。足裏ヘッダ22は、足裏多孔板ノズル221がレール1の足裏面13aに対向して配される。足裏多孔板ノズル221は、冷却媒体を噴射する複数のノズル孔が設けられた部材であり、複数のノズル孔がx軸方向およびz軸方向にそれぞれ並んで設けられる。
また、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22は、流調弁が設けられた不図示の搬送管を介して冷却媒体供給装置に接続される。冷却媒体は、後述する制御部26の指示に基づいて流調弁が調整されることで、噴射量が調整される。
支持拘束部23a,23bは、足部13のx軸方向の両端部をそれぞれ挟持することでレール1を支持および拘束する装置である。支持拘束部23a,23bは、例えばレール1の長手方向の全長に渡って数mずつ離隔して複数設けられる。
第1温度計24aは、放射温度計等の非接触型の温度計であり、頭頂面中央部11aの少なくとも一か所の表面温度を測定する。第1温度計24aは、頭頂面中央部11aの表面温度の測定結果を制御部25へ送信する。
第2温度計24bは、第1温度計24aと同様に非接触型の温度計であり、いずれか一方の頭頂面端部11b,11cの少なくとも一か所の表面温度を測定する。第2温度計24bは、頭頂面端部11b,11cの表面温度の測定結果を制御部25へ送信する。
制御部25は、第1温度計24aおよび第2温度計24bの測定結果に基づいて、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、および足裏ヘッダ22にそれぞれ接続された搬送管の流調弁を制御し、冷却媒体の噴射量を調整することで、レール1の冷却速度を調整する。
また、熱処理装置2は、不図示のオシレーション機構を有する。オシレーション機構は、支持拘束部23a,23bに設けられ、支持拘束部23a,23bをレール1の長手方向にオシレーション(往復動作)させる。このため、支持拘束部23a,23bにレール1が拘束された状態で、オシレーション機構が作動することで、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22に対してレール1が往復移動する。
[レールの冷却方法]
次に、本発明の第1実施形態に係るレールの冷却方法を用いたレール1の製造方法について説明する。第1実施形態に係るレールの製造方法では、まず、熱間圧延されたレール1、または加熱されたレール1が熱処理装置2に搬送される。熱間圧延されたレール1を用いる際には、予め鋼素材が加熱炉等で所定の温度まで加熱された後に、熱間圧延されることでレール1の形状に圧延加工される。一方、加熱されたレール1を用いる際には、予め、加熱炉や加熱装置等を用いてレール1が所定の温度まで加熱される。なお、所定の温度は、上記いずれの場合においても、頭部11の表面温度が、熱処理装置2による強制冷却の開始時において、オーステナイト域温度以上となる温度である。
レール1を熱処理装置2に搬送した後、レール1は、足部13が支持拘束部23a,23bに挟持されることで、熱処理装置2に支持・拘束される。
次いで、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22から冷却媒体が噴射されることで、強制冷却が開始される。強制冷却の開始時点におけるレール1の頭部11の表面温度は、オーステナイト域温度以上である。
また、レール1は、少なくとも頭頂面の表層組織がパーライト組織となる温度履歴で強制冷却される。この際、制御部25は、少なくとも頭部11の表層組織がパーライト組織となるように、流調弁を制御し、レール1の冷却速度および強制冷却時間を調整することで温度履歴を調整する。具体的には、制御部25は、頭側ヘッダ21a,21bから予め設定された噴射量で冷却媒体を噴射させ、さらに第1温度計24aおよび第2温度計24bの測定結果から、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cの冷却速度を算出する。次いで、頭頂面端部11b,11cの冷却速度が目標とする冷却速度となるように頭頂ヘッダ20から噴射される冷却媒体の噴射量を調整する。なお、頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体の噴射量は、頭部11内部の硬度が必要とする硬度となる冷却速度に基づいて設定される。なお、パーライト組織となる温度履歴の一例として、例えば、レール1の頭頂面端部11b,11cは、強制冷却を開始時の頭頂面の表面温度が900℃である場合、3℃/秒の平均冷却速度で、180秒間強制冷却される。
また、制御部25は、足裏ヘッダ22における冷却媒体の噴射量、噴射圧等の噴射条件が、頭側ヘッダ21a,21bの噴射条件と同じになるように、足裏ヘッダ22に接続された流調弁を制御する。また、足裏ヘッダ22の噴射距離は、頭側ヘッダ21a,21bの噴射距離と同じである。
レール1を強制冷却した後、レール1は、支持拘束部23a,23bによる足部13の拘束が解除され、次工程となる冷却床へと搬送される。
次いで、レール1は、冷却床にて自然放冷またはファンによる冷却によって、正立状態または倒立状態で200℃以下程度まで冷却される。
ここで、頭頂面端部11b,11cには、頭頂ヘッダ20から噴射される冷却媒体のみが直接あたり、頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体は直接あたらない。つまり、頭頂面端部11b,11cへの冷却媒体は、一方向からのみ直接噴射される。このため、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bの両方から頭頂面端部11b,11cへ冷却媒体を噴射する場合に比べ、頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cとの冷却速度を均一にすることができる。
<第2実施形態>
[熱処理装置の構成]
次に、図1〜図3、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るレール1の熱処理装置2について説明する。第2実施形態に係る熱処理装置2は、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bの構成が第1実施形態と異なるが、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、第2実施形態に係る熱処理装置2は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、またはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1を強制冷却する装置であり、熱間圧延ラインの下流側、またはレールを加熱する加熱装置の下流側に連続して設けられる。
図1および図2に示すように、熱処理装置2は、頭頂ヘッダ20と、頭側ヘッダ21a,21bと、足裏ヘッダ22と、支持拘束部23a,23bと、第1温度計24aと、第2温度計24bと、制御部25とを有する。また、熱処理装置2は、z軸方向に延在して設けられ、レール1の長さに応じて、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bが少なくとも一つずつ設けられる。なお、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bが複数設けられる場合、複数の頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bは、それぞれz軸方向に並んで設けられる。
頭頂ヘッダ20は、頭頂多孔板ノズル201を有し、頭頂多孔板ノズル201からレール1の頭頂面中央部11aのx軸方向全長に冷却媒体を噴射することで頭部11を強制冷却する冷却手段である。冷却媒体には、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。頭頂ヘッダ20は、頭頂多孔板ノズル201がレール1の頭頂面中央部11aに対向して配される。
頭頂多孔板ノズル201は、x軸方向およびz軸方向にそれぞれ並んで設けられる複数のノズル孔202を有する。ノズル孔202は、頭頂面中央部11aに冷却媒体を直接噴射できるように形成される。図5に示す断面視の一例では、ノズル孔202は、x軸方向に並んで複数孔(例えば、5孔)設けられ、頭頂面中央部11aと対向して形成される。ノズル孔202は、対向した頭頂面中央部11aに冷却媒体を直接噴射する。なお、第2実施形態において、頭頂多孔板ノズル201は、冷却媒体を頭頂面端部11b,11cに直接噴射しない。具体的には、x軸方向両端のノズル孔202は、噴射される冷却媒体が、頭頂面の幅方向の両端から内側へ少なくとも5mmの範囲に直接あたらない位置に配される。
頭側ヘッダ21a,21bは、頭側多孔板ノズル211a,211bをそれぞれ有し、頭側多孔板ノズル211からレール1の頭頂面端部11b,11c、頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gのy軸方向全長に冷却媒体を噴射することで頭部11を冷却する冷却手段である。冷却媒体には、頭頂ヘッダ20と同様に、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。頭側ヘッダ21a,21bは、頭側多孔板ノズル211a,211bがレール1の頭側面11d,11eにそれぞれ対向して配される。
頭側多孔板ノズル211a,211bは、y軸方向およびz軸方向にそれぞれ並んで設けられる複数のノズル孔212を有する。ノズル孔212は、頭頂面端部11b,11c、頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gに冷却媒体を直接噴射可能に形成される。図5に示す断面視の一例では、ノズル孔212は、頭側多孔板ノズル211a,211bにy軸方向に並んで複数孔(例えば、6孔)ずつ設けられる。また、ノズル孔212は、頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gと対向して形成され、頭頂面端部11b,11c、頭側面11d,11eおよび顎下面11f,11gに冷却媒体を直接噴射する。
上記のように、第2実施形態では、頭部11を冷却する冷却手段である頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bは、頭頂面端部11b,11cに対して、頭側ヘッダ21a,21bのみから冷却媒体を噴射させる。
足裏ヘッダ22は、足裏多孔板ノズル221を有し、足裏多孔板ノズル221からレール1の足裏面13aの全長に冷却媒体を噴射することで足部13を冷却する冷却手段である。冷却媒体には、頭頂ヘッダ20と同様に、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。足裏ヘッダ22は、足裏多孔板ノズル221がレール1の足裏面13aに対向して配される。足裏多孔板ノズル221は、冷却媒体を噴射する複数のノズル孔が設けられた部材であり、複数のノズル孔がx軸方向およびz軸方向にそれぞれ並んで設けられる。
また、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22は、流調弁が設けられた不図示の搬送管を介して冷却媒体供給装置に接続される。冷却媒体は、後述する制御部26の指示に基づいて流調弁が調整されることで、噴射量が調整される。
支持拘束部23a,23bは、足部13のx軸方向の両端部をそれぞれ挟持することでレール1を支持および拘束する装置である。支持拘束部23a,23bは、例えばレール1の長手方向の全長に渡って数mずつ離隔して複数設けられる。
第1温度計24aは、放射温度計等の非接触型の温度計であり、頭頂面中央部11aの少なくとも一か所の表面温度を測定する。第1温度計24aは、頭頂面中央部11aの表面温度の測定結果を制御部25へ送信する。
第2温度計24bは、第1温度計24aと同様に非接触型の温度計であり、いずれか一方の頭頂面端部11b,11cの少なくとも一か所の表面温度を測定する。第2温度計24bは、頭頂面端部11b,11cの表面温度の測定結果を制御部25へ送信する。
制御部25は、第1温度計24aおよび第2温度計24bの測定結果に基づいて、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、および足裏ヘッダ22にそれぞれ接続された搬送管の流調弁を制御し、冷却媒体の噴射量を調整することで、レール1の冷却速度を調整する。
また、熱処理装置2は、不図示のオシレーション機構を有する。オシレーション機構は、支持拘束部23a,23bに設けられ、支持拘束部23a,23bをレール1の長手方向にオシレーション(往復動作)させる。このため、支持拘束部23a,23bにレール1が拘束された状態で、オシレーション機構が作動することで、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22に対してレール1が往復移動する。
[レールの冷却方法]
次に、本発明の第2実施形態に係るレール1の冷却方法を用いたレール1の製造方法について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様な工程を経ることで、レール1が製造される。
つまり、第2実施形態に係るレール1の製造方法では、まず、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、またはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1が熱処理装置2に搬送される。
次いで、レール1は、足部13が支持拘束部23a,23bに挟持されることで、熱処理装置2に支持・拘束される。
さらに、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22から冷却媒体が噴射されることで、強制冷却が開始される。この際、制御部25は、少なくとも頭部11の表層組織がパーライト組織となるように、流調弁を制御し、レール1の冷却速度および強制冷却時間を調整することで温度履歴を調整する。
また、制御部25は、足裏ヘッダ22における冷却媒体の噴射量、噴射圧等の噴射条件が、頭側ヘッダ21a,21bの噴射条件と同じになるように、足裏ヘッダ22に接続された流調弁を制御する。足裏ヘッダ22の噴射距離は、頭側ヘッダ21a,21bの噴射距離と同じである。
レール1を強制冷却した後、レール1は、支持拘束部23a,23bによる足部13の拘束が解除され、次工程となる冷却床へと搬送される。
その後、レール1は、冷却床にて、自然放冷されることで、200℃以下程度の常温まで冷却される。
ここで、頭頂面端部11b,11cには、頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体のみが直接あたり、頭頂ヘッダ20から噴射される冷却媒体は直接あたらない。つまり、頭頂面端部11b,11cへの冷却媒体は、一方向からのみ直接噴射される。このため、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bの両方から頭頂面端部11b,11cへ冷却媒体を噴射する場合に比べ、頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cとの冷却速度を均一にすることができる。
また、第1実施形態に係る熱処理装置2と、第2実施形態に係る熱処理装置2とを比較した場合、いずれの熱処理装置2を用いても頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cとの冷却速度を均一にすることができる。しかし、頭部11の幅が異なる複数種のレール1を製造する設備においては、第2実施形態に係る熱処理装置2を用いる場合に、熱処理するレール1の頭部11の幅に応じて頭頂多孔板ノズル201を交換する必要が生じる。このため、このように複数種のレール1を製造する場合には、第1実施形態に係る熱処理装置2を適用した方が生産性を向上させることができる。
<変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、熱処理装置2は、熱間圧延ラインの下流側、またはレールを加熱する加熱装置の下流側に連続して設けられるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。熱処理装置2は、熱間圧延ラインまたは加熱装置から独立して設けられてもよい。
また、上記実施形態では、熱処理装置2は、レール1の腹部12を冷却するための腹部ヘッダを有してもよい。腹部ヘッダは、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22と同様に、多孔板ノズルが一端に設けられ、多孔板ノズルから冷却媒体を噴射することで腹部12を冷却する。腹部ヘッダは、多孔板ノズルがレール1の腹部12に対向して配される。
さらに、上記実施形態では、熱処理装置2は、レール1の頭部11を冷却する冷却手段として、頭頂ヘッダ20と、頭側ヘッダ21a,21bとを有するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、熱処理装置2は、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bに替わる冷却手段として、レール1の長手方向に垂直なx−y平面視において、頭部11を覆って形成された頭部ヘッダを有してもよい。頭部ヘッダは、x−y平面視において頭部11を覆う略アーチ状の多孔板ノズルを有し、この多孔板ノズルから冷却媒体を噴射することで頭部11を冷却する。頭部ヘッダの多孔板ノズルは、頭頂面および頭側面に対して冷却媒体が噴射される複数のノズル孔を有する。この複数のノズル孔は、ノズル孔から噴射される冷却媒体が、頭頂面端部11b,11cにそれぞれ一方向からのみ直接あたるように設けられる。
さらに、上記実施形態では、ノズル孔202,212は、円形の形状を有するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ノズル孔202,212は、楕円や多角形等の形状を有してもよい。なお、ノズル孔202,212の形状を円形とすることで、他の形状よりも加工が容易となる。
さらに、上記実施形態では、制御部25は、第1温度計24aおよび第2温度計24bの測温結果に基づいて冷却速度を制御するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、制御部25は、予め得られた冷却媒体の噴射量と冷却速度との実績に基づいて、目標とする冷却速度となるように冷却媒体の噴射量を調整してもよい。この際、熱処理装置2には、第1温度計24aおよび第2温度計24bが設けられなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、制御部25は搬送管の流調弁を調整することで冷却速度を調整するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、制御部25は、冷却媒体供給装置を制御し、冷却媒体の噴射圧力や冷却媒体の水分量等を調整することで、冷却速度を調整してもよい。
さらに、上記実施形態では、オシレーション機構が支持拘束部23a,23bに設けられるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。オシレーション機構は、レール1に対する冷却媒体の噴射位置が相対的に移動すればよく、例えば、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22からなる冷却手段にオシレーション機構が設けられてもよい。このように、熱処理装置2にオシレーション機構を設けることで、レール1を長手方向に均一に冷却することができる。しかし、ノズル孔202,212の配置から、レール1を長手方向に十分に均一に冷却できるようであれば、オシレーション機構が設けられなくてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の実施形態に係るレールの冷却方法は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1の少なくとも頭部11の頭頂面および頭側面11d,11eに冷却媒体を噴射することで、レール1を強制冷却する際に、レール1の頭頂面端部11b,11cへ冷却媒体を一方向からのみ直接噴射する。
ここで、レール1の硬度を向上させる場合には、レール1の表層組織を100%パーライト変態させることが好ましい。しかし、レール1に含有される成分によっては、パーライト変態の開始および進行が遅くなる効果を及ぼす元素がある。また、成分によっては、ベイナイト変態の開始および進行が遅くなる効果を及ぼす元素がある。このため、同じ冷却条件においても成分系によっては、ベイナイト変態しやすくなり、レール1の硬度が低下してしまう場合がある。例えば、Mn(マンガン)含有量が多いレール1の場合、ベイナイト変態開始温度が高くなるため、ベイナイト変態がしやすくなる。さらに、例えば、圧下率や圧延温度等の製造条件によっても、成分の影響によらず変態後組織が変化する場合が存在する。このため、成分系や製造条件によっては、冷却速度が過度に速い場合、変態開始前を含むパーライト変態が完了する前にベイナイト変態又はマルテンサイト変態開始温度まで低下することがある。ベイナイト組織やマルテンサイト組織は、パーライト組織に比べて硬度または靱性に劣る。
本発明の上記構成によれば、頭頂面の幅方向において頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cとの冷却速度を均一にすることができる。このため、成分系や製造条件によらず、頭頂面の表層組織を均一な100%パーライト組織とすることができ、頭頂面の幅方向の硬度および靱性を均一にすることができる。また、上記構成によれば、冷却媒体の噴射領域を制限するだけで冷却速度を均一にすることができるため、例えば特許文献1に比べ、加熱装置等の設備を設ける必要がないため、熱処理装置2に掛かる投資コストやランニングコストを抑制することができる。さらに、上記構成によれば、冷却媒体をレール1へ直接噴射するため、特許文献2のように排気流で冷却をするような方法に比べ、高い冷却効果を得ることができる。さらに、上記構成によれば、頭頂面の幅方向を均一に冷却するために、頭部11の冷却能力を低下させる必要がない。このため、特許文献3のように頭部11全体の冷却能力を低くすることで均一冷却を行う方法に比べ、頭頂面以外の部位についても硬度を高めることができる。
(2)レール1を強制冷却する際に、レール1の頭頂面に対向して設けられた頭頂ヘッダ20およびレール1の頭側面11d,11eに対向して設けられた頭側ヘッダ21a,21bから、頭頂面および頭側面11d,11eに冷却媒体を噴射することで頭部11を強制冷却し、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bの一方からは、頭頂面端部11b,11cへ冷却媒体を直接噴射しない。
上記構成によれば、例えば頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bを有する既設の熱処理装置に対しても、ノズル孔202,212の配置を変えるだけで適用することができる。このため、レール1の頭頂面の冷却速度を均一するための投資コストを抑制することできる。
(3)レール1を強制冷却する際に、頭部11の幅方向両端部から内側へ少なくとも5mmの範囲、且つ頭頂面の上端から下方に少なくとも5mmの範囲には、冷却媒体を一方向からのみ直接噴射する。
(4)本発明の実施形態に係るレールの熱処理装置は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1の少なくとも頭部11の頭頂面および頭側面11d,11eに冷却媒体を噴射することで、レール1を強制冷却する冷却手段20,21a,21bを備え、冷却手段20,21a,21bは、レール1の頭頂面端部11b,11cへ冷却媒体を一方向からのみ直接噴射する。
上記構成によれば、上記(1)の構成と同様な効果を得ることができる。
(5)冷却手段20,21a,21bとして、レールの頭頂面に対向して設けられた頭頂ヘッダ20と、レールの頭側面11d,11eに対向して設けられた頭側ヘッダ21a,21bとを少なくとも有し、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bは、頭頂面および頭側面11d,11eに冷却媒体を噴射することで頭部11を強制冷却し、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bの一方は、頭頂面端部11b,11cへ冷却媒体を直接噴射しない。
上記構成によれば、上記(2)の構成と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明者らが行った実施例1について説明する。
実施例1では、まず、900℃で熱間圧延終了した長さ50mのレール1を、図1および図2に示す熱処理装置2に搬入した。実施例1では、レール1の成分を、表1に示す成分Aとした。また、レール1の形状は、AREMA(American Railway Engineering and Maintenance-of-Way Association)規格のR136−8とした。
Figure 2016049569
次いで、支持拘束部23a,23bでレール1の足部13を拘束した。
その後、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21、足裏ヘッダ22から冷却媒体を噴射し、レール1を強制冷却した。実施例1では、図6に示す頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211a,211bを用いた。
図6に示すように、実施例1で用いた頭頂多孔板ノズル201には、x軸方向に同一距離ずつ離隔して並ぶ5孔のノズル孔202a〜202eが形成される。x軸方向の両端側に設けられたノズル孔202a,202eは、x軸方向に距離d1だけ離隔して形成される。また、ノズル孔202a,202eは、レール1の頭側面11d,11eから、x軸方向に距離d2だけ離隔してそれぞれ形成される。
実施例1で用いた頭側多孔板ノズル211aには、y軸方向に同一距離ずつ離隔して並ぶ4孔のノズル孔212a〜212dが形成される。同様に、頭側多孔板ノズル211bには、y軸方向に同一距離ずつ離隔して並ぶ4孔のノズル孔212e〜212hが形成される。また、y軸正方向端側に設けられたノズル孔212a,212eは、頭頂面のy軸正方向端となる上端から、y軸方向に距離d3だけ離隔してそれぞれ形成される。
なお、実施例1では、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211a,211bについて、距離d2または距離d3の一方が0mm超となる条件とした。
強制冷却をする際、冷却媒体には、空気、ミストおよびスプレー水のいずれかを用いた。さらに、制御部25は、頭頂面端部11cの冷却速度が3.0℃/秒となるように、頭頂ヘッダ20から噴射される冷却媒体の噴射量を調整した。このとき、足裏ヘッダ22から噴射される冷却媒体の噴射条件は、頭側ヘッダと同じとした。なお、実施例1では、冷却媒体の噴射によるレール1の強制冷却を180秒間行った。
強制冷却をした後、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22からの冷却媒体の噴射を停止し、支持拘束部23a,23bによるレール1の拘束を解除した。その後、レール1を冷却床まで搬送し、常温となるまでレール1を冷却床にて自然放冷させた。
さらに、長手方向の長さで2m毎にレール1から硬度試験サンプルを切断・採取し、サンプルを研磨し、ビッカーズ硬さ試験にて硬度を測定した。実施例1では、頭頂面中央部位置、頭頂面端部位置および頭部25mm深さ位置の計3か所についてそれぞれ硬度を測定した。頭頂面中央部位置は、頭頂面の幅方向中央の頭頂面から1mmの深さとなる位置である。頭頂面端部位置は、頭頂面の幅方向中央から端部へ32.5mm離れ、頭頂面から1mmの深さとなる位置である。頭部25mm深さは、頭頂面の幅方向中央の頭頂面から25mmの深さとなる位置である。
また、実施例1に対する比較(比較例1)として、距離d2および距離d3が0mmとなる、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211a,211bを用いて強制冷却を行い(比較例1−1〜1−4)、距離d2および距離d3が両方とも0mm超となる頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211a,211bを用いて強制冷却を行った(比較例1−5,1−6)。比較例1についても、実施例1と同様にサンプルを採取し、硬度を測定した。
表2に、実施例1におけるレール形状、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211の形状、冷却媒体の種類、オシレーションの有無、冷却速度の実績、および硬度の測定結果についてそれぞれ示す。実施例1では、本発明に係る冷却方法を適用した条件として実施例1−1〜1−12に示す12条件、本発明に係る冷却方法を適用しない条件として比較例1−1〜1−6に示す6条件について確認した。また、実施例1では各条件について、レール1の製造および硬度の測定の一連の工程による試験を20回ずつ行った。表2において、冷却速度の実績は20回での平均値を示す。さらに、表2において、硬度の値は、1回の測定で得られる2m毎に採取したサンプルの平均値をさらに20回の測定結果で平均した値である。
Figure 2016049569
比較例1−1,1−2では、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cの冷却速度が3.0℃/秒となるように、頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体の噴射量を実施例1−1〜1−12および比較例1−3〜1−6に比べ低減させた。
比較例1−1〜1−6における、上記以外の条件については、実施例と同じとした。
表2に示すように、頭頂面の幅方向の冷却速度を均一にした比較例1−1,1−2では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度の差がHV1と均一にすることができた。しかし、頭部25mm深さ位置における硬度がHV361と最も低くなり、頭部11全体として十分な硬度が得られなかった。一方、実施例1−1〜1−12では、比較例1−1,1−2に比べ、頭部11の内部の硬度が向上することを確認した。
比較例1−3〜1−6では、頭部25mm深さ位置における硬度が、比較例1−1,1−2よりも高くなり、実施例1−1〜1−12と同程度となることを確認した。しかし、比較例1−3,1−4では、頭頂面端部11cの冷却速度が3.0℃/秒であるのに対して、頭頂面中央部11aの冷却速度が1.8℃/秒以下となり、頭頂面において1.2℃/秒以上の冷却速度の差が生じた。また、比較例1−5,1−6では、頭頂面端部11cの冷却速度が3.0℃/秒であるのに対して、頭頂面中央部11aの冷却速度が5.5℃/秒以上となり、頭頂面において2.5℃/秒以上の冷却速度の差が生じた。一方、実施例1−1〜1−14では、頭頂面端部11cに対する頭頂面中央部11aの冷却速度の差が1.1℃/秒以下となり、比較例1−2〜1−11に比べ頭頂面を幅方向に均一に冷却できることを確認した。
また、比較例1−3,1−4では、頭頂面での冷却速度が不均一であることから、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度にHV19〜HV22の差が生じ、頭頂面の表層位置における幅方向の硬度が不均一になった。さらに、比較例1−5,1−6では、頭頂面中央部11aと頭頂面端部11cとにおける硬度にHV207〜HV238の差が生じ、頭頂面の表層位置における幅方向の硬度がより不均一になることを確認した。比較例1−5,1−6では、頭頂面中央11aの硬度がHV600以上と非常に高硬度となったため、光学顕微鏡にて表層組織を確認したところ、マルテンサイトが生成していた。なお、比較例1−1〜1−4の表層組織についても同様に表層組織を確認したところ、フルパーライト組織であった。一方、実施例1−1〜1−12では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度の差がHV18以下となり、比較例1−3〜1−6に比べ表層位置における硬度が均一になることを確認した。なお、実施例1−1〜1−12は、冷却媒体の種類、オシレーションの有無、距離d2,d3の大きさによらず、すべての条件において上記の効果が得られた。また、実施例1−1〜1−12の表層組織を確認したところ、フルパーライト組織であった。
次に、本発明者らが行った実施例2について説明する。
実施例2では、レール1の形状による影響を確認するため、AREMA規格の136−8およびJIS規格の50Nの2種類の形状のレール1について、実施例1と同様の条件で圧延および冷却を行った。AREMA規格の136−8では、頭部11の幅となるx軸方向の長さが74.61mm、JIS規格の50Nでは、頭部11の幅となるx軸方向の長さが65mmである。また、実施例2では、実施例1と同様に、各条件で製造したレール1からサンプルを切断・採取し、硬度を測定した。サンプルの採取方法および硬度の測定位置・測定方法は、実施例1と同様である。なお、実施例2において、頭頂面端部位置は、AREMA規格の136−8では頭頂面の幅方向中央から端部へ32.5mm離れ、頭頂面から1mmの深さとなる位置であり、JIS規格の50Nでは頭頂面の幅方向中央から端部へ27.5mm離れ、頭頂面から1mmの深さとなる位置である。また、実施例2において、レール1の成分は表1に示す成分条件Aを用いた。さらに、実施例2では、冷却媒体に空気を用い、レール1をオシレーションさせた状態で強制冷却を行った。
また、実施例2に対する比較として、距離d2および距離d3が0mm以下となる、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211a,211bを用いて強制冷却を行った(比較例2)。比較例2についても、実施例2と同様にサンプルを採取し、硬度を測定した。
表3に、実施例2におけるレール形状、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211の形状、冷却速度の実績、および硬度の測定結果についてそれぞれ示す。実施例2では、本発明に係る冷却方法を適用した条件として実施例2−1〜2−5に示す5条件、本発明に係る冷却方法を適用しない条件として比較例2−1〜2−6に示す6条件について確認した。また、実施例2では各条件について、レール1の製造および硬度の測定の一連の工程による試験を20回ずつ行った。表3において、冷却速度の実績は20回での平均値を示す。さらに、表3において、硬度の値は、1回の測定で得られる2m毎に採取したサンプルの平均値をさらに20回の測定結果で平均した値である。
Figure 2016049569
実施例2のうち、実施例2―1,2−2はAREMA規格の136−8のレール形状、実施例2−3,2−4,2−5はJIS規格の50Nのレール形状の条件となる。なお、表2の距離d2において値がマイナスとなる条件は、距離d1がレール1の頭部11のx軸方向の長さよりも大きくなり、x軸方向に頭頂面を超えて冷却媒体が噴射された状態を示す。
また、比較例2のうち、比較例2−1,2−4はAREMA規格の136−8のレール形状、比較例2−2,2−3,2−5,2−6はJIS規格の50Nのレール形状の条件となる。さらに、比較例2−1〜2−3では、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cの冷却速度が3.0℃/秒となるように、頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体の噴射量を比較例2−4〜2−6および実施例1−1〜1−4に比べ低減させた。比較例1−1〜1−6における、上記以外の条件については、実施例と同じとした。
表3に示すように、頭頂面の幅方向の冷却速度を均一にした比較例2−1〜2−3では、いずれのレール形状においても、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度の差がHV0と均一にすることができた。しかし、頭部25mm深さ位置における硬度が、いずれのレール形状においても、HV361と最も低くなり、頭部11全体として十分な硬度が得られなかった。一方、実施例2−1〜2−5では、いずれのレール形状においても、比較例2−1〜2−3に比べ、頭部11の内部の硬度が向上することを確認した。
比較例2−4〜2−6では、いずれのレール形状においても、頭部25mm深さ位置における硬度が、比較例2−1〜2−3よりも高くなり、実施例2−1〜2−5と同程度となることを確認した。しかし、比較例2−4〜2−6では、頭頂面端部11cの冷却速度が3.0℃/秒であるのに対して、頭頂面中央部11aの冷却速度が1.8℃/秒となり、頭頂面において1.2℃/秒の冷却速度の差が生じた。一方、実施例2−1〜2−5では、いずれのレール形状においても、頭頂面端部11cに対する頭頂面中央部11aの冷却速度の差がなく、比較例2−4〜2−6に比べ頭頂面を幅方向に均一に冷却できることを確認した。
また、比較例2−4〜2−6では、いずれのレール形状においても、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度にHV19の差が生じ、頭頂面の表層位置における幅方向の硬度が不均一になった。一方、実施例2−1〜2−5では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度の差が0となり、表層位置における硬度が均一になることを確認した。さらに、実施例2−2および実施例2−5では、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211a,211bの形状が同一となり、頭側多孔板ノズル211a,211bから噴射される冷却媒体が頭頂面端部11b,11cに直接噴射されない。このように、頭側多孔板ノズル211a,211bから噴射される冷却媒体を制限することで、頭部11の幅が異なる場合においても、頭頂多孔板ノズル201を変更しなくとも頭頂面の幅方向の冷却速度を均一できることを確認した。
次に、本発明者らが行った実施例3について説明する。
実施例3では、レール1の成分による影響を調査するため、成分を変更した複数のレール1について、実施例1と同様の条件で圧延および冷却を行った。また、実施例3では、実施例1と同様に、各条件で製造したレール1からサンプルを切断・採取し、硬度を測定した。サンプルの採取方法および硬度の測定位置・測定方法は、実施例1と同様である。さらに、実施例3では、頭頂面端部11cの角部となる頭角の表面組織を観察した。
表4は、実施例3における成分条件、冷却速度、硬度の測定結果、表面組織の観察結果を示す。実施例3−1〜3−3では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、実施例1における実施例1−9と同じ条件でレール1を製造した。表1に示すように、条件Bでは、条件Aに対してMnの含有量を増加させた。また、条件Cでは、条件Bに対してC(炭素)の含有量を増加させた。また、実施例3では各条件について、レール1の製造および硬度の測定の一連の工程による確認を20回ずつ行った。表4において、冷却速度の実績は20回での平均値を示す。さらに、表4において、硬度の値は、1回の測定で得られる2m毎に採取したサンプルの平均値をさらに20回の測定結果で平均した値である。
Figure 2016049569
また、実施例3では、実施例3−1〜3−3に対する比較条件として、比較例3−1〜3−9の条件でレール1を製造し、硬度を測定し、表面組織を観察した(比較例3)。比較例3−1〜3−3では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、実施例1における比較例1−1と同じ条件でレール1を製造した。比較例3−4,3−6,3−8では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、実施例1における比較例1−3と同じ条件でレール1を製造した。比較例3−5,3−7,3−9では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、冷却速度を制御する際に、頭頂面中央部11aの冷却速度が3.0℃/秒となるように頭頂ヘッダ20から噴出される冷却媒体の噴射量を制御した。なお、比較例3−5,3−7,3−9におけるその他の条件は、比較例1−3と同じとした。
実施例3−1〜3−3では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV0〜HV2となり、いずれの成分条件においても頭頂面の幅方向の硬度が均一となることを確認した。また、実施例3−1〜3−3では、いずれの成分条件においても、頭頂面端部11cの表面組織が100%パーライト組織となることを確認した。さらに、実施例3−1〜3−3では、CおよびMnの含有量を増加させるに伴い、頭頂面中央部位置、頭頂面端部位置および頭部25mm深さ位置における硬度が徐々に増加した。
頭頂面の幅方向の冷却速度を均一にした比較例3−1〜3−3では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV0〜HV3となり、いずれの成分条件においても頭頂面の幅方向の硬度が均一となった。また、比較例3−1〜3−3では、いずれの成分条件においても、表面組織が100%パーライトとなった。しかし、比較例3−1〜3−3では、実施例3−1〜3−3の同じ成分条件と比較した場合、いずれの条件において頭部25mm深さ位置での硬度が低くなり、実施例3−1〜3−3の同じ成分条件との差がHV19〜HV22となった。
比較例3−4,3−6,3−8では、頭頂面中央部11aと頭頂面端部11cとの冷却速度の差が1.2℃/秒の差が生じ、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV19〜HV36となった。また、比較例2−4,2−6,2−8では、いずれの成分条件においても、表面組織が100%パーライトとなったが、実施例3−1〜3−3に比べ、頭頂面の幅方向の硬度が不均一となった。
比較例3−5,3−7,3−9では、頭頂面中央部11aの冷却速度が3.0℃/秒となるように冷却媒体の噴射量を制御したことで、頭頂面端部11cの冷却速度が5.0℃/秒となった。また、比較例3−5では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV31となり、頭頂面の幅方向の硬度が不均一となった。比較例3−7,3−9では、他の比較例や実施例と異なり、頭頂面端部位置の硬度が頭頂面中央部位置の硬度よりも低くなり、硬度の差がHV28〜HV86となることを確認した。また、比較例3−5の頭頂面端部11cの表面組織は100%パーライトとなり、比較例3−7,3−9の頭頂面端部11cの表面組織はベイナイトとパーライトとの複合組織となった。
以上の結果から、本発明に係るレールの冷却方法および熱処理装置によれば、投資コストやランニングコストを抑制しながらも、レール1の頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cとの冷却速度を均一にすることができることを確認できた。
1 :レール
11 :頭部
11a :頭頂面中央部
11b,11c :頭頂面端部
11d,11e :頭側面
11f,11g :顎下面
12 :ウェブ部
13 :足部
13a :足裏部
2 :熱処理装置
20 :頭頂ヘッダ
201 :頭頂多孔板ノズル
202,202a〜202e :ノズル孔
21a,21b :頭側ヘッダ
211a,211b :頭側多孔板ノズル
212,212a〜212h :ノズル孔
22 :足裏ヘッダ
221 :足裏多孔板ノズル
23a,23b :支持拘束装置
24a :頭頂面中央部温度計
24b :頭頂面端部温度計
25 :制御部

Claims (5)

  1. 熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部の頭頂面および頭側面に冷却媒体を噴射することで、前記レールを強制冷却する際に、
    前記レールの頭頂面端部へ前記冷却媒体を一方向からのみ直接噴射することを特徴とするレールの冷却方法。
  2. 前記レールを強制冷却する際に、
    前記レールの頭頂面に対向して設けられた頭頂ヘッダおよび前記レールの頭側面に対向して設けられた頭側ヘッダから、前記頭頂面および前記頭側面に前記冷却媒体を噴射することで前記頭部を強制冷却し、
    前記頭頂ヘッダおよび前記頭側ヘッダの一方からは、前記頭頂面端部へ冷却媒体を直接噴射しないことを特徴とする請求項1に記載のレールの冷却方法。
  3. 前記レールを強制冷却する際に、
    前記頭部の幅方向両端部から内側へ少なくとも5mmの範囲、且つ前記頭頂面の上端から下方に少なくとも5mmの範囲には、前記冷却媒体を一方向からのみ直接噴射することを特徴とする請求項1または2に記載のレールの冷却方法。
  4. 熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部の頭頂面および頭側面に冷却媒体を噴射することで、前記レールを強制冷却する冷却手段を備え、
    前記冷却手段は、前記レールの頭頂面端部へ前記冷却媒体を一方向からのみ直接噴射することを特徴とするレールの熱処理装置。
  5. 前記冷却手段として、前記レールの頭頂面に対向して設けられた頭頂ヘッダと、前記レールの頭側面に対向して設けられた頭側ヘッダとを少なくとも有し、
    前記頭頂ヘッダおよび前記頭側ヘッダは、前記頭頂面および前記頭側面に冷却媒体を噴射することで前記頭部を強制冷却し、
    前記頭頂ヘッダおよび前記頭側ヘッダの一方は、前記頭頂面端部へ冷却媒体を直接噴射しないことを特徴とする請求項4に記載のレールの熱処理装置。
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