JP2016049520A - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

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【課題】低温でPMを燃焼させることができ、しかも、1000℃程度に加熱されても失活しない排ガス浄化用触媒が得られる排ガス浄化用触媒の製造方法を提供する。【解決手段】酸化スズ担体粒子を作製し、作製した酸化スズ担体粒子に金属微粒子を担持させて排ガス浄化用触媒を得る本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、酸化スズ担体粒子が、スズ微粒子及び酸化スズ微粒子の少なくとも一方を含む前駆体液に炭素微粒子を混合してスラリーを調製し、調製したスラリーを乾燥し、乾燥したものを焼成して前記炭素微粒子を除去することにより作製される。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒の製造方法に関し、より詳しくは、排ガス中に含まれる煤を主成分とする炭素系の粒子状物質(PM)を浄化するものに関する。
ディーゼルエンジンからの排ガスには、煤を主成分とする炭素系の粒子状物質(以下「PM」という)が含まれており、このPMは大気中に放出されると容易に飛散して人体に悪影響を及ぼす。このため、ディーゼル車にはPMを捕集するフィルター(DPF:Diesel Particulate Filter)が搭載され、大気中に放出される前にPMを捕集しているが、PMの捕集量が増加するとフィルターの目詰まりが生じる。この目詰まりの解消法として、電気ヒータやバーナや排気系に燃料を噴射して燃焼させ、その燃焼熱を利用してフィルターを昇温し、捕集したPMを燃焼させる方法が用いられているが、燃費の悪化や装置構造の複雑化を招来するという問題があった。
このため、フィルターに排ガス浄化用触媒を配置し、300℃程度の低温でPMを燃焼してDPFを再生する方法が、例えば非特許文献1で知られている。この排ガス浄化用触媒は、金属酸化物担体粒子に銀粒子を担持させることによって作製される。
しなしながら、フィルターは、ディーゼル車に搭載して使用されるときに1000℃程度まで昇温することがあり、上記従来例の排ガス浄化用触媒は、1000℃程度に加熱されたときに失活するという問題があった。
K.Shimizu、他5名、「Carbon oxidation with Ag/ceria prepared by self−dispersion of Ag powder into nano−particles」、Catalysis Today 175、2011年、p.93−99
本発明は、以上の点に鑑み、低温でPMを燃焼させることができ、しかも、1000℃程度に加熱されても失活しない排ガス浄化用触媒が得られる排ガス浄化用触媒の製造方法を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、酸化スズ担体粒子を作製し、作製した酸化スズ担体粒子に金属微粒子を担持させて排ガス浄化用触媒を得る本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、酸化スズ担体粒子が、スズ微粒子及び酸化スズ微粒子の少なくとも一方を含む前駆体液に炭素微粒子を混合してスラリーを調製し、調製したスラリーを乾燥し、乾燥したものを焼成して前記炭素微粒子を除去することにより作製されることを特徴とする。
本発明によれば、スズ微粒子を含む前駆体を用いる場合を例に説明すると、酸化スズ担体粒子を作製する際、前駆体液に鋳型としての炭素微粒子を混合するため、この混合により調整されたスラリーを乾燥すると、スズ微粒子の間に炭素微粒子が介在するものが得られる。そして、この乾燥により得られたものを焼成すると、スズ微粒子が酸化されて酸化スズ粒子となると共に、炭素微粒子が燃焼して除去され、この炭素微粒子が除去された部分が空孔となる。このため、焼成後に得られた酸化スズ担体粒子は、多孔質で広い表面積を有するものとなり、しかも、金属微粒子を担持させるための有効なサイトである酸素欠損を有するものとなる。この酸化スズ担体粒子にAg等の金属微粒子を担持すれば、従来例よりも多量の金属微粒子が分散した状態で担持される。このようにして作製された排ガス浄化用触媒は、300℃程度の低温でもPMを燃焼させることができ、1000℃程度に加熱されても失活しないことが確認された。
本発明において、前記スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量をスズの重量の30%以上に設定することが好ましい。炭素微粒子の重量がこれより少ないと、酸化スズ担体粒子が多孔質で酸素欠損を有するものとならない場合がある。
本発明において、前記前駆体液として、金属スズ微粒子を溶媒に分散させた金属スズ微粒子分散液を用いることが好ましい。
本発明の実施形態排ガス浄化用触媒の製造方法を説明する模式図。 本発明の実施例1で得た排ガス浄化用触媒の性能を示すグラフ。 本発明の実施例2で得た排ガス浄化用触媒の性能を示すグラフ。 本発明の実施例3で得た排ガス浄化用触媒の性能を示すグラフ。 本発明の実施例4で得た排ガス浄化用触媒の性能を示すグラフ。 本発明の比較例1で得た排ガス浄化用触媒の性能を示すグラフ。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の排ガス浄化用触媒の製造方法について説明する。
先ず、図1を参照して、スズ微粒子又は酸化スズ微粒子を含む前駆体液に炭素微粒子を混合し、攪拌してスラリーを調整する。前駆体液としては、分散剤で被覆されたスズ微粒子や酸化スズ微粒子を溶媒に分散させてなる金属スズ微粒子分散液や酸化スズ微粒子分散液(コロイド溶液)を用いることができる。ここで、スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量をスズの重量の30%以上に設定することが好ましい。炭素微粒子の重量がこれより少ないと、後述する酸化スズ担体粒子が多孔質で酸素欠損を有するものとならない場合がある。炭素微粒子としては、そのBET比表面積が100m/g以上のものを用いることが好ましく、300m/g以上のものを用いることがより好ましい。BET比表面積が100m/g未満であると、鋳型としての効果が不十分となる場合がある。また、攪拌する際、超音波処理を施すことが好ましい。
スズ微粒子としては、その平均粒子径が1nm〜50nmの範囲内であるものを用いることができる。平均粒子径が1nm未満になると、比表面積が増大してスズ微粒子表面を被覆する分散剤の量が増大し、焼成時に分散剤の脱離が不十分になるという不具合が生じる。一方、平均粒子径が50nmを超えると、スズ微粒子の分散性が低下するという不具合が生じる。
金属スズ微粒子分散液は、スズ微粒子の分散性を高めるための分散剤を含むことが好ましく、分散剤としては、炭素数6〜18の脂肪酸および炭素数6〜18の脂肪族アミンの少なくともいずれか一方を用いることが好ましい。炭素数6未満の脂肪酸や脂肪族アミンでは、スズ微粒子の分散性が低下するという不具合が生じる。一方、炭素数19以上の脂肪酸や脂肪族アミンでは、焼成時にスズ微粒子表面からの脂肪酸や脂肪族アミンの脱離が不十分となるという不具合が生じる。脂肪酸としては、例えば、カルボン酸を用いることができる。具体的には、炭素数6のヘキサン酸、2−エチル酪酸、ネオヘキサン酸(2,2−ジメチル酪酸);炭素数7のヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸;炭素数8のオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオオクタン酸(2,2−ジメチルヘキサン酸);炭素数9のノナン酸;炭素数10のデカン酸、ネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸);炭素数11のウンデカン酸;炭素数12のドデカン酸;炭素数14のテトラデカン酸;及び炭素数16のパルミチン酸;及び炭素数18のステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸から選択された少なくとも1種を用いることが好ましい。脂肪族アミンとしては、炭素数6のヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン;炭素数7のヘプチルアミン;炭素数8のオクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン;炭素数9のノニルアミン;炭素数10のデシルアミン;炭素数12のドデシルアミン;炭素数14のテトラドデシルアミン:炭素数16のパルミチルアミン;及び炭素数18のステアリルアミン、オレイルアミンから選択された少なくとも1種を好ましく用いることができる。
上記の分散剤を含んでなる金属スズ微粒子分散液の溶媒としては、低極性溶媒を用いることができ、具体的には、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シクロドデカン、シクロドデセン、オクチルベンゼン、ドデシルベンゼンから選ばれる少なくとも1種の液状炭化水素を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
また、酸化スズ微粒子を含む前駆体液としては、市販の酸化スズゾル溶液を好ましく使用することができる。市販の酸化スズゾル溶液の溶媒としては、アルコールや水などが用いられる。
次に、上記スラリーを乾燥し、乾燥して得たものを焼成し、焼成して得られたものを粉砕する。乾燥は、減圧下で65〜110℃の温度で加熱することが好ましい。焼成は、大気中などの酸素含有雰囲気中で、上記炭素微粒子が完全に脱離する温度、例えば、600〜800℃の温度で行うことが好ましい。このように焼成することにより、金属スズが酸化されて酸化スズとなり、酸化スズで構成される担体粒子が得られる。しかも、鋳型としての炭素微粒子が燃焼して脱離するため、その脱離した部分が空孔となる。このため、得られた担体粒子は、多孔質で広い表面積を有するものとなり、しかも、後述する触媒金属微粒子を担持するための有効なサイトである酸素欠損を有するものとなる。
次に、酸化スズ担体粒子に触媒金属微粒子を担持させることにより、排ガス浄化用触媒が得られる。得られた排ガス浄化用触媒は、従来例のものに比べて多量の触媒金属微粒子が分散した状態で担持されたものとなる。触媒金属微粒子としては銀微粒子を用いることができ、その担持方法は公知の方法を用いることができる。例えば、酸化スズ担体粒子に銀微粒子分散液を混合、攪拌してスラリーを得て、そのスラリーを蒸発、乾燥し、その蒸発乾固物を焼成し、粉砕する。
次に、本実施形態をより具体化した実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例1では、前駆体液としてスズ微粒子分散液(株式会社アルバック製のスズナノメタルインク)「Sn1T」、スズ濃度:30.6重量%、溶媒:トルエン)を用い、フラスコ内でこのスズ微粒子分散液3.27gに炭素微粒子(オリオン・エンジニアドカーボンズ製のカーボンブラック「Printex 90」、BET比表面積:300m/g)0.3gを混合し、超音波処理を施して均一に攪拌してスラリーを調製した(このとき、スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量は、スズの重量の30%である)。このスラリーをロータリーエバポレータで減圧しながら80℃まで昇温し、スズ微粒子分散液の溶媒(トルエン)を留去して蒸発乾固物を得た。この蒸発乾固物を回収し、110℃で8時間乾燥させた後、マッフル炉にて、大気雰囲気中、700℃で3時間焼成し、焼成したものを粉砕して酸化スズ担体粒子を得た。この酸化スズ担体粒子1.0gをフラスコに入れ、銀ナノ粒子分散液(株式会社アルバック製の銀ナノメタルインク「Ag1T」、銀濃度:4.5重量%、溶媒:トルエン)1.17gを混合し、超音波処理を施して均一に攪拌してスラリーを調製した。このスラリーをロータリーエバポレータで減圧しながら80℃まで昇温し、銀ナノ粒子分散液の溶媒(トルエン)を留去して蒸発乾固物を得た。この蒸発乾固物を回収し、110℃で8時間乾燥させた後、マッフル炉にて、大気雰囲気中、600℃で3時間焼成した。この焼成したものを粉砕することにより、酸化スズ担体粒子に銀微粒子が担持した排ガス浄化用触媒を得た(銀の担持量は排ガス浄化用触媒の総重量の5重量%である)。このようにして得た排ガス浄化用触媒を試料1aとし、この排ガス浄化用触媒の一部を分取して1000℃で10時間の加熱処理を行ったものを試料1bとした。これらの試料1a,1bの性能を「タイトコンタクト条件」により評価した。「タイトコンタクト条件」とは、浄化すべきPMと触媒とを十分に混合して両者の接触性を高めた状態で性能評価法である。具体的には、疑似PMとしてのカーボンブラック(オリオン・エンジニアドカーボンズ製のカーボンブラック「Printex 55」、BET比表面積:110m/g)と上記試料1a,1bとを1:10の重量比で乳鉢を用いて30分間夫々混合し、各混合粉体を窒素:酸素=79:21組成の混合ガスを流下させた雰囲気にて熱重量−示唆熱分析(TG−DTA)を行い、疑似PMの燃焼に伴う発熱反応が起こる温度をDTAプロファイルにて測定すると共に、疑似PMの燃焼に伴う重量減少をTGプロファイルにて測定することにより、試料1a,1bの性能を評価した。図2はDTAプロファイルを示す。図中実線で示す試料1aの発熱ピーク温度は408℃であり、破線で示す試料1bの発熱ピーク温度は381℃であり、両者の差は27℃であることが確認された。また、TGプロファイルにより、燃焼によって疑似PMの重量が半分に減少する温度T50を求めたところ、表1に示すように、試料1aは446℃であり、試料1bは456℃であることが確認された。これらの結果より、実施例1で得られた排ガス浄化用触媒は、低温でPMを燃焼させることができ、しかも、1000℃程度に加熱されても失活しない優れた耐熱性を有するものであることが判った。
Figure 2016049520
(実施例2)
炭素微粒子の混合量を0.5gとした点(このとき、スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量は、スズの重量の50%である)以外は、上記実施例1と同様の方法で排ガス浄化用触媒を得て、得られた触媒を試料2aとした。そして、上記実施例1と同様に、試料2aをさらに1000℃で10時間の加熱処理したものを試料2bとし、これらの試料2a,2bの性能を評価した。図3のDTAプロファイルを参照して、図中実線で示す試料2aの発熱ピーク温度は390℃であり、破線で示す試料2bの発熱ピーク温度は382℃であり、両者の差は僅か8℃であることが確認された。また、表1に示すように、試料2aの温度T50は439℃であり、試料2bの温度T50は464℃であり、両者の差は25℃であることが確認された。これらの結果より、実施例2で得られた排ガス浄化用触媒は、低温でPMを燃焼させることができ、しかも、1000℃程度に加熱されても失活しない優れた耐熱性を有するものであることが判った。
(実施例3)
炭素微粒子の混合量を0.7gとした点(このとき、スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量は、スズの重量の70%である)以外は、上記実施例1と同様の方法で排ガス浄化用触媒を得て、得られた触媒を試料3aとした。そして、上記実施例1と同様に、試料3aをさらに1000℃で10時間の加熱処理したものを試料3bとし、これらの試料3a,3bの性能を評価した。図4のDTAプロファイルを参照して、図中実線で示す試料2aの発熱ピーク温度は396℃であり、破線で示す試料2bの発熱ピーク温度は398℃であり、両者の差は僅か2℃であることが確認された。また、表1に示すように、試料3aの温度T50は433℃であり、試料3bの温度T50は460℃であり、両者の差は27℃であることが確認された。これらの結果より、実施例3で得られた排ガス浄化用触媒は、低温でPMを燃焼させることができ、しかも、1000℃程度に加熱されても失活しない優れた耐熱性を有するものであることが判った。
(実施例4)
炭素微粒子の混合量を0.9gとした点(このとき、スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量は、スズの重量の90%である)以外は、上記実施例1と同様の方法で排ガス浄化用触媒を得て、得られた触媒を試料4aとした。そして、上記実施例1と同様に、試料4aをさらに1000℃で10時間の加熱処理したものを試料4bとし、これらの試料4a,4bの性能を評価した。図5のDTAプロファイルを参照して、図中実線で示す試料4aの発熱ピーク温度は402℃であり、破線で示す試料4bの発熱ピーク温度は382℃であり、両者の差は僅か20℃であることが確認された。また、表1に示すように、試料4aの温度T50は437℃であり、試料4bの温度T50は488℃であり、両者の差は51℃であることが確認された。これらの結果より、実施例4で得られた排ガス浄化用触媒は、低温でPMを燃焼させることができ、しかも、1000℃程度に加熱されても失活しない優れた耐熱性を有するものであることが判った。
(実施例5)
前駆体溶液として、酸化スズゾル(日産化学製セルナックスCX−S204IP、酸化スズ濃度20重量%、イソプロピルアルコール溶媒)を用いて、その混合量を6.35gとした点(このとき、スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量は、スズの重量の30%である)以外は、上記実施例1と同様の方法で排ガス浄化用触媒を得て、得られた触媒を試料5aとした。そして、上記実施例1と同様に、試料5aをさらに1000℃で10時間の加熱処理したものを試料5bとし、これらの試料5a,5bの性能を評価した。試料5aのDTAの発熱ピーク温度は396℃であり、試料5bのDTAの発熱ピーク温度は415℃であり、両者の差は19℃であることが確認された。また、TGプロファイルにより、燃焼によって疑似PMの重量が半分に減少する温度T50を求めたところ、試料5aは440℃であり、試料5bは462℃であり、両者の差は22℃であることが確認された。これらの結果より、実施例5で得られた排ガス浄化用触媒は、低温でPMを燃焼させることができ、しかも、1000℃程度に加熱されても失活しない優れた耐熱性を有するものであることが判った。
(比較例1)
次に、上記実施例に対する比較例について説明する。比較例では、炭素微粒子の混合量を0gとした点、つまり、炭素微粒子を混合しない点以外は、上記実施例1と同様の方法で排ガス浄化用触媒を得て、得られた触媒を試料6aとした。そして、上記実施例1と同様に、試料6aをさらに1000℃で10時間の加熱処理したものを試料6bとし、これらの試料6a,6bの性能を評価した。図6のDTAプロファイルを参照して、図中実線で示す試料6aについては386℃に発熱ピークが見られるものの、破線で示す試料6bについては発熱ピークが小さいことが確認された。また、表1に示すように、試料6aの温度T50は442℃であり、試料6bの温度T50は539℃であり、両者の差は97℃と非常に大きいことが確認された。これらの結果より、比較例1で得られた排ガス浄化用触媒は1000℃程度に加熱されると失活することが判った。
以上説明したように、本実施形態及び実施例によれば、酸化スズ担体粒子を作製する際、前駆体液に鋳型としての炭素微粒子を混合するため、この混合により調整されたスラリーを乾燥すると、スズ微粒子の間に炭素微粒子が介在するものが得られる。そして、この乾燥により得られたものを焼成すると、スズ微粒子が酸化されて酸化スズ粒子となると共に、炭素微粒子が燃焼して除去され、この炭素微粒子が除去された部分が空孔となる。このため、焼成後に得られた酸化スズ担体粒子は、多孔質で広い表面積を有するものとなり、しかも、金属微粒子を担持させるための有効なサイトである酸素欠損を有するものとなる。この酸化スズ担体粒子にAg等の金属微粒子を担持すれば、従来例よりも多量の金属微粒子が分散した状態で担持される。このようにして作製された排ガス浄化用触媒は、300℃程度の低温でもPMを燃焼させることができ、1000℃程度に加熱されても失活しないことが確認された。

Claims (3)

  1. 酸化スズ担体粒子を作製し、作製した酸化スズ担体粒子に金属微粒子を担持させて排ガス浄化用触媒を得る排ガス浄化用触媒の製造方法において、
    酸化スズ担体粒子は、スズ微粒子及び酸化スズ微粒子の少なくとも一方を含む前駆体液に炭素微粒子を混合してスラリーを調製し、調製したスラリーを乾燥し、乾燥したものを焼成して炭素微粒子を除去することにより作製することを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 前記スラリー中に含まれる炭素微粒子の重量をスズの重量の30%以上に設定したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  3. 前記前駆体液として、金属スズ微粒子を溶媒に分散させた金属スズ微粒子分散液を用いることを特徴とする請求項1または2記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
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