JP2016049067A - 水田作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水田作業装置に昇降自在に支持されて田面に接地追従する接地体、接地体に備えられて接地体と一体で昇降する検出部材41、水田作業装置に備えられた基準部材42を備える。接地体に連動して昇降する連係ロッド44を基準部材42に対して上下動するように上下方向に備え、基準部材42の下側において連係ロッド44に下部バネ52を外嵌して備える。検出部材41の上昇により下部バネ52が圧縮されることによって、下部バネ52が検出部材41を介して接地体を下降側に付勢する。
【選択図】図4
Description
油圧シリンダを作動させる制御弁(特許文献1の図5の38)(昇降操作手段に相当)が機体に備えられて、フロートと制御弁とに亘ってワイヤ(特許文献1の図5の25)(高さ検出手段に相当)が接続されている。
以上の構造により、苗植付装置に対するフロートの昇降がワイヤを介して制御弁に伝達され、水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように、制御弁によりアクチュエータが作動する。
これにより、位置固定点である基準部材に対してフロート(検出部材)が昇降することによって、フロート(検出部材)の昇降がワイヤを介して制御弁に伝達されて、前述のように制御弁が操作される。
これにより引っ張りバネによってフロートが田面に安定して接地追従するのであり、フロートが田面の泥塊に乗り上げて急上昇し不安定に上下動するような状態が抑えられる。
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業機において次のように構成することにある。
水田作業装置を機体に昇降自在に支持して、
機体に対して前記水田作業装置を昇降させるアクチュエータと、前記水田作業装置に昇降自在に支持されて田面に接地追従する接地体と、前記接地体に備えられて前記接地体と一体で昇降する検出部材と、前記水田作業装置に備えられた基準部材とを備え、
前記基準部材と前記検出部材との間の位置関係を前記水田作業装置の田面からの高さとして検出する高さ検出手段と、
前記高さ検出手段の検出に基づいて、前記水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように、前記アクチュエータを作動させる昇降操作手段とを備えて、
前記接地体に連動して昇降する連係ロッドを、前記基準部材に対して上下動するように上下方向に備え、前記基準部材の下側において前記連係ロッドに下部バネを外嵌して備え、
前記検出部材の上昇により前記下部バネが圧縮されることによって、前記下部バネが前記検出部材を介して前記接地体を下降側に付勢する下降付勢力を発生するように構成している。
接地体に備えられて接地体と一体で昇降する検出部材、及び水田作業装置に備えられた基準部材を備えた場合、特許文献1によると、検出部材の上下中間部に位置する基準部材のピンと、検出部材の上部とに亘って引っ張りバネを接続しているので、基準部材の下側に空間が生じている。
これにより、基準部材の下側に生じていた空間を有効に利用して、接地体を下降側に付勢する下部バネを配置しており、下部バネをコンパクトに配置することができる。
これにより、下部バネが圧縮される際に座屈しようとしても、連係ロッドに外嵌されていることによって、下部バネの座屈が防止されるのであり、下部バネの内部に連係ロッドが備えられることによって、連係ロッドをコンパクトに配置することができる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記基準部材の上側に位置する前記検出部材の部分から、前記連係ロッドを前記基準部材の下側まで延出して、
前記基準部材の下側において前記連係ロッドの下部に、前記下部バネを前記連係ロッドに外嵌して備え、前記基準部材の上側において前記連係ロッドの上部に、上部バネを前記連係ロッドに外嵌して備えて、
前記検出部材の上昇により前記検出部材を介して前記上部バネが圧縮されることによって、前記上部バネが前記下降付勢力を発生するように構成し、前記上部バネを介して前記連係ロッドが上昇して、
前記連係ロッドの上昇により前記連係ロッドを介して前記下部バネが圧縮されることによって、前記下部バネが前記下降付勢力を発生するように構成している。
本発明の第2特徴によると、接地体(検出部材)の上昇により上部バネが圧縮されて、上部バネが圧縮されながら連係ロッドが上昇するのであり、連係ロッドの上昇により下部バネが圧縮される。
これにより、上部バネ及び下部バネを連係ロッドにより直列に接続した比較的長い圧縮バネを得ることができるのであり、比較的長い圧縮バネが比較的長い圧縮のストロークを備えることによって、接地体の昇降範囲に亘って接地体を下降側に付勢する下降付勢力を安定して得ることができる。
前述のように上部バネを備える場合、基準部材の上側において連係ロッドに上部バネを外嵌して備えている。これにより、上部バネが圧縮される際に座屈しようとしても、連係ロッドに外嵌されていることによって、上部バネの座屈が防止されるのであり、上部バネの内部に連係ロッドが備えられることによって、連係ロッドをコンパクトに配置することができる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記検出部材を前記接地体から上側に延出して備え、前記連係ロッドを前記検出部材に沿うように上下方向に備えている。
本発明の第3特徴によると、接地体から上側に延出された検出部材に対して、連係ロッドが検出部材に沿うように上下方向に備えられ、連係ロッドに外嵌される上部バネ及び下部バネが、検出部材に沿うように上下方向に備えられるので、検出部材、連係ロッド、上部バネ及び下部バネをコンパクトに配置することができる。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第2又は第3特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記水田作業装置を機体に昇降自在に支持するリンク機構を備えて、
前記連係ロッドの上端部が前記リンク機構のトップリンクの下側に位置している。
水田作業機では、昇降自在なリンク機構を機体に備えて、リンク機構に水田作業装置を支持するように構成したものがある。
本発明の第4特徴によると、連係ロッドの上端部がリンク機構のトップリンクの下側に位置しているので、連係ロッドが上側に大きく突出することはなく、上側の部材等に連係ロッドが干渉するようなことがない。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第2,3,4特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記検出部材を前記接地体の右又は左の横外側の部分に備え、前記連係ロッドを前記検出部材の右又は左の横外側で前記接地体から右又は左の横外側に外れた位置に備えている。
本発明の第5特徴によると、検出部材及び連係ロッドが、接地体の横外側に位置して水田作業装置の横外側に近い状態となるので、作業者が水田作業装置の外側から作業を行う場合、検出部材及び連係ロッドの調整等の作業が行い易くなり、作業性を向上させることができる。
検出部材の横外側に連係ロッドが配置されているので、作業者が水田作業装置の外側から作業を行う場合、検出部材よりも連係ロッドの調整等の作業が行い易くなるのであり、連係ロッドに外嵌された上部バネ及び下部バネの調整等の作業が行い易くなる。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第2〜第5特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記連係ロッドの下端部が前記接地体の底面よりも上側に位置している。
本発明の第6特徴によると、連係ロッドの下端部が接地体の底面よりも上側に位置しているので、連係ロッドの下端部が田面に接触しながら機体が進行して、連係ロッドにより田面を荒してしまうようなことがない。
(構成)
本発明の第7特徴は、本発明の第2〜第6特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記アクチュエータが停止する中立位置から第1所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記アクチュエータを上昇側に作動させ、前記中立位置から第2所定量を越えて前記接地体が下降すると、前記アクチュエータを下降側に作動させるように、前記昇降操作手段を構成して、
前記接地体の昇降範囲において、前記中立位置を下側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を敏感側に設定し、前記中立位置を上側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定する感度設定手段を備え、
前記昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに融通が生じて、
前記中立位置から前記融通に相当する第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している。
水田作業機では、アクチュエータが停止する中立位置から第1所定量及び第2所定量の範囲で接地体が昇降してもアクチュエータが停止しており、中立位置から第1所定量(第2所定量)を越えて接地体が上昇(下降)すると、アクチュエータを上昇側(下降側)に作動させるように構成することがある(不感帯の設定)。
これにより、中立位置の付近で接地体が昇降してもアクチュエータが停止し、且つ、接地体が上部バネ及び下部バネの下降付勢力を受けることなく田面の小さな凸部に馴染むように上昇する状態を得ることができるのであり、田面の小さな凸部の影響を受けて水田作業装置が頻繁に昇降する(アクチュエータが頻繁に作動する)というような状態を避けることができて、水田作業装置の安定性を向上させることができる。
(構成)
本発明の第8特徴は、本発明の第7特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに前記融通が生じ、且つ、前記上部バネ及び下部バネが前記下降付勢力を備えない自由長状態となり、
前記中立位置から前記融通に相当する前記第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが前記自由長状態から圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している。
前項[VII]に記載の状態において、本発明の第8特徴によると、中立位置から融通に相当する第3所定量だけ接地体が上昇すると融通が消失し、中立位置から融通に相当する第3所定量を越えて接地体が上昇すると、上部バネ及び下部バネが自由長状態から圧縮されて、上部バネ及び下部バネに下降付勢力が発生する。
これにより、接地体が上部バネ及び下部バネの下降付勢力を受けることなく田面の小さな凸部に馴染むように上昇する状態から、上部バネ及び下部バネに下降付勢力が滑らかに発生する状態を得ることができるので、上部バネ及び下部バネに下降付勢力が急激に発生することによる接地体の不安定化を避けることができて、水田作業装置の安定性を向上させることができる。
(構成)
本発明の第9特徴は、本発明の第8特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度から鈍感側に設定するほど、前記融通が小さくなり、
且つ、前記融通が消失してからさらに前記昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定すると、前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記接地体を下降側に付勢する初期下降付勢力を備えるように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している。
前項[VII][VIII]に記載の状態において、本発明の第9特徴によると、昇降操作手段の作動感度を所定感度から鈍感側に設定していくと、中立位置が上側に変更されていき、融通が小さくなる(接地体が上部バネ及び下部バネの下降付勢力を受けることなく上昇する範囲が小さくなる)。
融通が消失してから昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定すると、中立位置が上側に変更されていき、上部バネ及び下部バネが圧縮されて初期下降付勢力を備える状態となるのであり、昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定するのに伴って、上部バネ及び下部バネの初期下降付勢力が大きくなる。
(構成)
本発明の第10特徴は、本発明の第8又は第9特徴の水田作業機において次のように構成することある。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネを、前記自由長状態と、前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記接地体を下降側に付勢する初期下降付勢力を備えた状態とに切換自在な切換手段を備えている。
本発明の第10特徴によると、昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態においても、上部バネ及び下部バネが初期下降付勢力を備えた方が良いような田面の状態の場合、これに対応して上部バネ及び下部バネを初期下降付勢力を備えた状態に切り換えることができるのであり、接地体を田面に安定して接地追従させることができる。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降させる油圧シリンダ4(アクチュエータに相当)が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(水田作業装置に相当)が支持されて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
リンク機構3は、上側のトップリンク3a及び下側のロアリンク3bにより、側面視で四連リンク型式に構成されている。
次に、フロート9について説明する。
図2及び図3に示すように、フロート9は、苗植付装置5の全幅に亘る横幅を備えた中央部9a、中央部9aの前部の左右中央から前方に延出された前上がり状の前部9b、中央部9aの後部の右部及び左部から後方に延出された後部9cを備えて、ブロー成形により一体的に構成されている。
以上の構造により、植付深さレバー18を上下に操作することにより、支点軸17の支持アーム17aの姿勢を上下に変更し、横軸芯P1の位置を上下に変更して、植付アーム8による苗の植付深さを変更することができるのであり、植付深さレバー18をレバーガイド19に係合させて固定することによって、所望の設定植付深さを設定することができる(後述する[3]参照)。
次に、苗植付装置5を他面Gから設定高さに維持して植付アーム8による苗の植付深さを設定植付深さに維持する昇降制御機能について説明する。
図8に示すように、油圧シリンダ4に作動油を給排操作する制御弁20(昇降操作手段に相当)が、機体の前部の右下部に備えられている。油圧シリンダ4は単動型に構成されており、油圧シリンダ4に作動油が供給されると、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇し、油圧シリンダ4から作動油が排出されると、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。
制御弁20の前方の横軸芯P3周りに操作部材24が揺動自在に支持されて、操作部材24の操作部24aが制御弁20のスプール20aに接当しており、操作部材22と操作部材24とに亘って操作ロッド25が接続されている。
苗植付装置5が田面Gから設定高さに維持されることにより、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さに維持される。
次に、昇降レバー27及び植付クラッチ32について説明する。
図1及び図8に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル28の右の横側部に昇降レバー27が備えられている。横軸芯P4周りに揺動自在に支持された支持部材29に昇降レバー27が支持されており、昇降レバー27に対して後側から前側に向って、上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置が備えられている。
図1に示す繰り出し部12に動力を伝動及び遮断する施肥クラッチ(図示せず)が備えられており、施肥クラッチと操作アーム33とに亘って操作ロッド(図示せず)が接続されている。
次に、昇降レバー27を上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作した場合の制御弁20、植付クラッチ32及び施肥クラッチの状態について説明する。
図8に示す状態において、操作ロッド31の先端部31aが操作部材24の長孔24bの下端部に位置して、操作部材24が図8の紙面反時計方向に揺動できない状態で止められており、制御弁20のスプール20aが中立位置に保持された状態である(昇降制御機能の停止状態)。
操作部材35において、操作ロッド31の先端部31aが操作部材35の長孔35aの中間部に位置して、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断位置に操作されている。
これにより、油圧シリンダ4が停止しており、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断状態に操作されて、苗植付装置5及び繰り出し部12が停止している。
昇降レバー27を上昇位置に操作すると、操作ロッド31の先端部31aは少し下方に移動するだけで、操作部材35は操作されず、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断位置に操作されている。
これにより、苗植付装置5及び繰り出し部12が停止した状態で、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇する。
これによって、前述のように苗植付装置5が上昇してリンク機構3が上限位置に達すると、操作部材22を介して操作ロッド25が操作部材22側に引き操作されて、操作部材24が図8の紙面反時計方向に揺動し、昇降レバー27及び制御弁20のスプール20aが中立位置に操作されて、苗植付装置5が上限位置で自動的に停止する。
昇降レバー27を下降位置に操作すると、操作ロッド31の先端部31aは操作部材35の長孔35aの上端部に達するだけで操作部材35を操作せず、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断位置に操作されている。
これにより、苗植付装置5及び繰り出し部12が停止した状態で、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。
これにより、昇降制御機能の作動状態において、苗植付装置5が作動して苗が田面Gに植え付けられるのであり、繰り出し部12が作動して肥料が田面Gに供給される。
次に、フロート9とワイヤ21との接続構造について説明する。
図2及び図3に示すように、フロート9の前部9bにブラケット38が連結され、ブラケット38に連結された支持ロッド39が、フロート9の前部9bの右の横外側まで延出されており、支持ロッド39の先端部にブラケット40が連結されている。
苗植付装置5に対してフロート9が下降すると、基準部材42に対して検出部材41が下降する状態となり、フロート9側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が小さくなって、ワイヤ21のインナー21aが操作部材22側に戻し操作される。
(以上、基準部材42と検出部材41との間の位置関係を水田作業装置5の田面Gからの高さとして検出する状態に相当)
これにより、植付アーム8による苗の植付深さを変更しても、横軸芯P1と基準部材42の先端部42aとの上下方向の位置関係は一定に維持されるのであり、前述のワイヤ21のインナー21aの操作に変化は生じない。
次に、基準部材42及び検出部材41に取り付けられる上部バネ51及び下部バネ52の構造について説明する。
図4及び図5に示すように、板材をL字状に折り曲げて構成された受け部41b(基準部材42の上側に位置する検出部材41の部分に相当)が、検出部材41の上部(基準部材41の上側)で、右の横外側(フロート9の前部9bの反対側)に連結されている。検出部材41の受け部1bに開口が形成されて、検出部材41の受け部1bの開口に連係ロッド44が上下動自在に挿入されており、連係ロッド44の上部が検出部材41の受け部41bから上側に延出されている。
図2に示すように、連係ロッド44が検出部材41の右の横外側(フロート9の前部9bの反対側)に位置して、フロート9の前部9bから右の横外側に外れた位置に位置しており(連係ロッド44の下端部の下方にフロート9の前部9bが存在しない状態)、図4及び図5に示すように、連係ロッド44が検出部材41に沿って上下方向に配置された状態となっている。
次に、上部バネ51及び下部バネ52の機能について説明する。
図6に示す状態において、基準部材42に対してフロート9(検出部材41)が上昇すると、検出部材41の受け部41bと連係ロッド44の止めピン45とにより上部バネ51が圧縮されるのであり、上部バネ51が圧縮されるのに伴って連係ロッド44が上昇する。連係ロッド44が上昇すると、基準部材42の受け部42eと連係ロッド44の止めピン48とにより、下部バネ52が圧縮される。
次に、前項[3]に記載の昇降制御機能の作動感度を敏感側及び鈍感側に変更する構造について説明する。
図8に示すように、運転座席11の右の横外側の横軸芯P8周りに、感度調節レバー50(感度設定手段に相当)が揺動自在に支持されて、感度調節レバー50に対してレバーガイド53が備えられており、感度調節レバー50をレバーガイド53に係合させることにより、感度調節レバー50を任意に位置で保持することができる。
図6及び図8に示す状態から感度調節レバー50を鈍感側に操作すると、操作部材22側におけるワイヤ21のアウター21bの端部が操作部材22に接近する。
これにより、操作部材22側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が小さくなり、フロート9側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が大きくなって、フロート9の中立位置(フロート9(検出部材41)の昇降範囲における油圧シリンダ4が停止する中立位置(制御弁20のスプール20aが中立位置となるフロート9の位置))が上昇する。
これにより、操作部材22側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が大きくなり、フロート9側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が小さくなって、フロート9の中立位置(フロート9(検出部材41)の昇降範囲における油圧シリンダ4が停止する中立位置(制御弁20のスプール20aが中立位置となるフロート9の位置))が下降する。
次に、前項[9]に記載の昇降制御機能の作動感度(フロート9(検出部材41)の中立位置)、前項[8]に記載の上部バネ51及び下部バネ52の機能、前項[3]に記載の制御弁20の関係について説明する(その1)。
次に、前項[9]に記載の昇降制御機能の作動感度(フロート9(検出部材41)の中立位置)、前項[8]に記載の上部バネ51及び下部バネ52の機能、前項[3]に記載の制御弁20の関係について説明する(その2)。
これにより、上部バネ51及び下部バネ52に初期下降付勢力を備えることができるのであり、連係ロッド44において下の開口部44aに止めピン45を取り付けるほど、上部バネ51及び下部バネ52の初期下降付勢力が大きくなる。
前述の[発明を実施するための形態]において、上部バネ51を備えない場合、以下に示すように構成する。
(1)
図4及び図5において、上部バネ51、座金46及び止めピン45を廃止して、連係ロッド44を検出部材41の受け部41bに対して上下動しないように検出部材41の受け部41bに連結する。
図4及び図5において、上部バネ51、座金46、連係ロッド44、止めピン45,47及び検出部材41の受け部41bを廃止する。
新たな連係ロッド44をフロート9又はブラケット40に連結し、連係ロッド44を正面視L字状に折り曲げて上側に延出して、基準部材42の受け部42eの開口部に上下動自在に挿入する。基準部材42の受け部42eと連係ロッド44の下部との間に、下部バネ52を連係ロッド44に外嵌して備える。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、以下に示すように構成してもよい。
(1)
検出部材41をフロート9の前部9bの左の横外側の部分に備え、連係ロッド44を検出部材41の左の横外側(フロート9の前部9bの反対側)に備えて、フロート9の前部9bから左の横外側に外れた位置に備えるように構成する。
フロート9に代えて、ソリ状の接地板により接地体を構成する。
検出部材41と基準部材42とに亘ってワイヤ21を接続するのではなく、検出部材41と基準部材42との間の高さの差(位置関係)を、ポテンショメータ(高さ検出手段に相当)(図示せず)により検出して、苗植付装置5の田面Gからの高さとする。
この場合、油圧シリンダ4に代えて電動シリンダ(図示せず)をアクチュエータとして使用し、制御弁20に代えて電動シリンダを作動させる制御装置(図示せず)を昇降操作手段とする。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、検出部材の上部と基準部材とに亘って引っ張りバネを接続して、フロート(検出部材)の上昇により引っ張りバネが上側に引き伸ばされることによって、引っ張りバネが検出部材を介してフロートを下降側に付勢する下降付勢力を発生するように構成(特許文献1参照)に対して、前項[3]〜[10]に記載の構成を適用してもよい。
3a リンク機構のトップリンク
4 アクチュエ−タ
5 水田作業装置
9 接地体
20 昇降操作手段
21 高さ検出手段
41 検出部材
42 基準部材
44 連係ロッド
45 切換手段
50 感度設定手段
51 上部バネ
52 下部バネ
L1 第1所定量
L2 第2所定量
L3 融通
G 田面
Claims (10)
- 水田作業装置を機体に昇降自在に支持して、
機体に対して前記水田作業装置を昇降させるアクチュエータと、前記水田作業装置に昇降自在に支持されて田面に接地追従する接地体と、前記接地体に備えられて前記接地体と一体で昇降する検出部材と、前記水田作業装置に備えられた基準部材とを備え、
前記基準部材と前記検出部材との間の位置関係を前記水田作業装置の田面からの高さとして検出する高さ検出手段と、
前記高さ検出手段の検出に基づいて、前記水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように、前記アクチュエータを作動させる昇降操作手段とを備えて、
前記接地体に連動して昇降する連係ロッドを、前記基準部材に対して上下動するように上下方向に備え、前記基準部材の下側において前記連係ロッドに下部バネを外嵌して備え、
前記検出部材の上昇により前記下部バネが圧縮されることによって、前記下部バネが前記検出部材を介して前記接地体を下降側に付勢する下降付勢力を発生するように構成している水田作業機。 - 前記基準部材の上側に位置する前記検出部材の部分から、前記連係ロッドを前記基準部材の下側まで延出して、
前記基準部材の下側において前記連係ロッドの下部に、前記下部バネを前記連係ロッドに外嵌して備え、前記基準部材の上側において前記連係ロッドの上部に、上部バネを前記連係ロッドに外嵌して備えて、
前記検出部材の上昇により前記検出部材を介して前記上部バネが圧縮されることによって、前記上部バネが前記下降付勢力を発生するように構成し、前記上部バネを介して前記連係ロッドが上昇して、
前記連係ロッドの上昇により前記連係ロッドを介して前記下部バネが圧縮されることによって、前記下部バネが前記下降付勢力を発生するように構成している請求項1に記載の水田作業機。 - 前記検出部材を前記接地体から上側に延出して備え、前記連係ロッドを前記検出部材に沿うように上下方向に備えている請求項2に記載の水田作業機。
- 前記水田作業装置を機体に昇降自在に支持するリンク機構を備えて、
前記連係ロッドの上端部が前記リンク機構のトップリンクの下側に位置している請求項2又は3に記載の水田作業機。 - 前記検出部材を前記接地体の右又は左の横外側の部分に備え、前記連係ロッドを前記検出部材の右又は左の横外側で前記接地体から右又は左の横外側に外れた位置に備えている請求項2,3,4のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
- 前記連係ロッドの下端部が前記接地体の底面よりも上側に位置している請求項2〜5のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
- 前記アクチュエータが停止する中立位置から第1所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記アクチュエータを上昇側に作動させ、前記中立位置から第2所定量を越えて前記接地体が下降すると、前記アクチュエータを下降側に作動させるように、前記昇降操作手段を構成して、
前記接地体の昇降範囲において、前記中立位置を下側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を敏感側に設定し、前記中立位置を上側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定する感度設定手段を備え、
前記昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに融通が生じて、
前記中立位置から前記融通に相当する第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している請求項2〜6のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。 - 前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに前記融通が生じ、且つ、前記上部バネ及び下部バネが前記下降付勢力を備えない自由長状態となり、
前記中立位置から前記融通に相当する前記第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが前記自由長状態から圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している請求項7に記載の水田作業機。 - 前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度から鈍感側に設定するほど、前記融通が小さくなり、
且つ、前記融通が消失してからさらに前記昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定すると、前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記接地体を下降側に付勢する初期下降付勢力を備えるように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している請求項8に記載の水田作業機。 - 前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネを、前記自由長状態と、前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記接地体を下降側に付勢する初期下降付勢力を備えた状態とに切換自在な切換手段を備えている請求項8又は9に記載の水田作業機。
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