JP2016047591A - ロボット教示装置、方法、およびロボットシステム - Google Patents
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Abstract
Description
ロボットの動作を教示するためのロボット教示装置であって、
対象物体に作用するための機構と、
前記機構が前記対象物体へ作用している間の前記機構の状態を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した前記状態に基づいて、ロボットのための動作指示を生成する生成手段と、
前記動作指示を記録する記録手段と、を備える。
図1に、第1実施形態による、ロボットの動作を教示するためのロボット教示装置の全体的な構成を示す。本実施形態のロボット教示装置は、教示者が教示ハンド101を用いて対象物体を把持するためのロボット動作教示を行う。ロボット教示装置は、教示者が直接扱う教示ハンド101と、教示ハンド101から得られた教示情報からロボット用の動作指示を生成するデータ処理装置120とを有している。
次に、第1実施形態とは異なる形態の教示ハンドを用いたロボット教示装置の具体的な実施の一形態について説明する。
第3実施形態では、教示動作にしたがって動作指示を計算するとともに、教示を行った環境と教示動作から、計算された動作指示を評価するロボット教示装置を説明する。第3実施形態では、第1実施形態の構成に動作評価値を求める構成を加える。動作評価値は、例えば、対象物体の把持力、教示ハンドの手首部分に加わる回転モーメントの大きさ、対象物体の把持時に生じた教示ハンドと対象物体間の相対的な把持位置姿勢変化、に基づいて教示動作の評価を行うことにより求められる。これにより、実際のロボットの把持動作時に、類似した複数の動作指示から一つを選択して動作を行う場合においても、動作評価値がより良好な動作指示を選択することで、より確実な把持動作が可能となる。
1.最大把持力は電力消費やモータへの要求回転トルクの点から、小さいほど望ましい.
2.教示ハンド101と対象物体103を横から観察した様子を図8(a)、図8(b)に示す。これらの図に示されるように、回転モーメントは、対象物体103の重心位置801から近い位置802で把持する場合(図8(a))より、離れた位置803で把持する(図8(b))場合の方が大きくなる。このような回転モーメントによる把持のずれを生じる可能性を最小限とするため、最大回転モーメントは小さいほど望ましい.
3.把持位置姿勢変化は、把持のずれを意味しており、対象物体が落下する可能性を最小限とするため、小さいほど望ましい.
以上から、動作評価値Ecの値は、小さいほど好ましい(良好な評価値である)。
以下では、上述した各実施形態に適用可能な主な変形例を説明する。
(同等のフィンガや対象物体を用いる例)
第1実施形態〜第3実施形態における教示ハンド101のフィンガ105と対象物体103は、教示対象のロボットの動作に用いられているハンド部(たとえばフィンガ)、対象物体と同一の物を使用しているが、これに限るものではない。形状、重量、硬さ、表面の摩擦などの各機能が同等と扱ってよいものであれば、これに代替して模擬的なフィンガ、模擬的な対象物体を用いてもよい。例えばこれらを3Dプリンタによって作成することで、実ロボットで用いる実物のフィンガ、対象物体を不要とすることもできる。
また、第1〜第3実施形態における教示ハンドは、教示者の操作によって操作力を入力する操作入力部がフィンガと隣接して配置されているが、この形態に限るものではない。操作者が教示ハンドを保持可能で、かつ操作力を入力できる機能を有していれば、どのようなものでもよい。
第1実施形態〜第3実施形態における把持力センサ106は抵抗で構成されていたが、これに限るものではない。例えば、弾性体とみなせるフィンガ105の基部に対して直角になる形で、平行に二枚の電極を配置し、交流電流を流して、微小な歪みで発生した電極間の静電容量の変化を計測することで、把持力を計測してもよい。これにより、直接変形する部分を最小限として、把持力センサを長寿命とすることができる。
また、第1実施形態〜第3実施形態における動作計算部111は、ステップS303に示すように、ロボットの動作指示として、対象物体103を基準とした座標系における指示位置姿勢Pcを計算しているが、これに限るものではない。たとえば、対象物体が毎回同一位置に置かれていることが保障されている場合は、教示ハンド位置姿勢Phをそのまま用いてもよい。この場合は、教示ハンド位置姿勢Phを計測した座標系と、教示対象のロボットの座標系を同一とするか、同一に扱えるよう適切に座標変換を行えばよい。
また、ロボットが把持動作を行う際には、対象物体が置かれている姿勢も把持動作の成否に大きく影響してくるため、対象物体の回転行列Roを動作指示として合わせて出力してもよい。実際のロボットの動作時に、この対象物体の姿勢である回転行列Roを参照し、計測した対象物体の姿勢と最も近い動作指示を選択することで、把持動作の失敗をより削減することができる。
また、第1実施形態、第3実施形態における教示ハンド101は、トリガ104とフィンガ105が機械的に連動して開閉する機構を備えていたが、これに限るものではない。たとえば、ボタン等での解除動作をおこなうまでトリガ104に生じた最大の操作力を維持する位置で留まるようなラチェット機構を加えてもよい。これにより、教示者は一旦握り込んだ力を維持することなく、容易に把持動作を継続することができる。この時、ユーザによるトリガ解除動作(ステップS354)は、先述のボタン等での解除動作で代替されることになる。
また、第2実施形態における教示ハンド101は、トリガ104を操作力入力部としているが、これに限るものではない。操作力を値として入力できる構成であれば、教示者が力を入れて握り込む必要のないボリューム状の操作力入力部などを用いてもよい。これにより、教示者が握り込む力で疲労することなく、持続的に操作力を入力することができる。
また、第2実施形態における教示ハンド101は、フィンガ105を開閉して対象物体を把持しているが、これに限るものではない。たとえば、教示者の操作力に応じて、吸着力を変化させる吸着ハンドにより、対象物体を吸着することで保持する等、把持以外の機能を有する保持機構を用いてもよい。これにより、把持以外の保持力(たとえば吸着力)を含めた各種保持動作の教示を行うことができる。
上記実施形態では、教示ハンド101における対象物体へ作用する機構として、フィンガ105を開閉して対象物体を把持する構成を説明したが、対象物体への作用としてはこのような把持などの保持動作に限るものではない。例えば、図11(b)に示すように、教示者の操作力に応じて、回転力を発生し、締め付けトルクを変化させるレンチ1111や、ドライバーを上記機構として採用してもよい。レンチ1111の基部には、トルクセンサ1112が付加され、これにより、トルクレンチのように所定のトルクでボルトなどのネジ締結を行う動作の教示を行うことができる。このような教示ハンドにおいても、上記実施形態と同様に、作用状態として、計測マーカ108に基づく教示ハンドの位置姿勢と、対象物体に与えている回転力をトルクセンサ1112から取得することにより、ロボットの動作指示を得ることができる。
また、第2実施形態における教示ハンド101は、対象物体が人の標準的な把持力で破損するような壊れやすい物を想定しており、ステップS502におけるαを1よりも小さくしているが、これに限られるものではなく、αを1より大きくしてもよい。αを1よりも大きくすることにより、教示者の通常の把持力では滑ってしまうような対象物体に対して、より強力な把持力によってずれを生じることなく対象物体の把持を行い、動作教示を行うことができる。なお、このような場合はモータ413もより強力な回転トルクを出力可能なものに交換するのが望ましい。
第3実施形態における手首力センサ613は、手首の回転軸方向に発生する3軸の回転モーメントを計測し、動作評価値の計算に用いているが、これに限られるものではない。回転モーメントの計測以外にも、たとえば3軸の並進力を計測してもよい。このように、手首の並進軸方向に発生する3軸の力を計測することで、把持動作以外の操作についての動作教示を行うことができる。たとえば、対象部品を把持して、特定の部位に力加減をしながらはめ込みを行うような作業の教示を行うことができる。この場合、ステップS7012で最大回転モーメントMmaxを記録する手順と同様に最大並進力Smaxを記録し、ステップS7013の動作評価値Ecの計算に反映させればよい。
また、第3実施形態における動作評価部614は、最大把持力、最大回転モーメント、把持位置姿勢変化に基づいて動作評価値を求めているが、これに限るものではない。ロボットとその周辺環境を計算機で模擬的に再現し、ロボットの動作を教示するオフライン教示と組み合わせてもよい。例えば、オフライン教示において計算によって再現された模擬教示動作による最大把持力、最大回転モーメント、把持位置姿勢変化と、第3実施形態の環境での教示動作で発生したそれらの差異を比較することで、動作教示の評価を行うことができる。両者の数値が極端に異なるような場合には、シミュレーション環境もしくは教示環境のいずれかに問題が存在すると推測し、低評価とする。これにより、シミュレーション環境との整合性も含めた動作評価値の計算を行い、より確実で失敗の少ないロボットの動作教示が可能になる。
また、第1実施形態〜第3実施形態における構成は、計算した動作指示を動作記録部に記録しておき、教示対象のロボットが動作する際には動作記録部から動作指令を読み出して使用する形式としていたが、これに限るものではない。例えば、図9に示すように第1実施形態における構成の部分をロボット教示部901として、これに教示対象のロボット部902を加えた、一つのロボットシステムとしてもよい。この構成の場合、第1実施形態と同様の手順によって動作指令が動作記録部112に記録された後、下記のようにロボット部902が動作する。
また、第1実施形態〜第3実施形態におけるデータ処理装置120(たとえば教示計測部110、動作計算部111、動作記録部112、動作評価部614)は、それらの機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給する形式としてもよい。本発明の目的は、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
第1実施形態では、ロボットハンドと同等の把持機能を有する教示ハンドを用いて、教示者が実際の対象物体を把持する動作でロボット動作教示を行うことができる。これにより、シミュレーションによる模擬環境の差異を問題とすることなく、実際のロボット環境と整合性のとれた教示が可能になる。
本発明における教示機構部は、対象物体を保持し、動作教示できるものであればどのようなものであってもよい。一例が第1実施形態の教示ハンドである。第1実施形態における教示ハンドはフィンガによる対象物体を把持することで保持を行っているが、吸着ハンドを用いて保持を行ってもよい。
Claims (19)
- ロボットの動作を教示するためのロボット教示装置であって、
対象物体に作用するための機構と、
前記機構が前記対象物体へ作用している間の前記機構の状態を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した前記状態に基づいて、ロボットのための動作指示を生成する生成手段と、
前記動作指示を記録する記録手段と、を備えることを特徴とするロボット教示装置。 - 前記機構は、教示対象となるロボットのハンド部に対応した形状、もしくは機能を有することを特徴とする請求項1に記載のロボット教示装置。
- 前記機構は、教示者が操作力を入力するための操作力入力部と機械的に連動することにより、前記操作力入力部に加わった力によって駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載のロボット教示装置。
- 前記機構は、教示者が入力した操作力に応じた電気的な信号により駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載のロボット教示装置。
- 前記機構は、対象物体を把持あるいは吸着することにより保持する保持手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロボット教示装置。
- 前記保持手段は、教示者が入力した最大の操作力に基づいた保持力を維持することを特徴とする請求項5に記載のロボット教示装置。
- 前記計測手段は、前記保持手段が前記対象物体を保持した状態の前記保持手段と前記対象物体の位置姿勢を計測することを特徴とする請求項5または6に記載のロボット教示装置。
- 前記生成手段は、前記対象物体の位置を基準とした前記保持手段の位置姿勢に基づいて、前記動作指示を生成することを特徴とする請求項7に記載のロボット教示装置。
- 前記計測手段は、前記保持手段が前記対象物体を保持している状態で発生する保持力を計測することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のロボット教示装置。
- 前記生成手段は、前記保持力のうち最大の保持力を、前記動作指示として用いることを特徴とする請求項9に記載のロボット教示装置。
- 前記生成手段で生成した前記動作指示に対する動作評価値を計算する評価手段をさらに備えることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載のロボット教示装置。
- 前記計測手段は、前記保持手段が前記対象物体を保持している間における、前記保持手段と前記対象物体の間の相対的な位置姿勢の変化を計測し、
前記評価手段は、前記相対的な位置姿勢の変化に基づいて前記動作評価値を計算することを特徴とする請求項11に記載のロボット教示装置。 - 前記評価手段は、前記保持手段に発生する保持力、回転モーメント、または並進力に基づいて動作評価値を求めることを特徴とする、請求項12に記載のロボット教示装置。
- 前記評価手段は、前記計測手段で計測された保持動作と、計算によって模擬的に再現された保持動作との差異に基づいて動作評価値を求めることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれか1項に記載のロボット教示装置。
- 前記機構は、対象物体を回転する回転手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロボット教示装置。
- ロボットの動作を教示するためのロボット教示装置であって、
前記ロボットのハンド部に対応した形状または機能を有する機構が対象物体に作用している間の、前記機構による前記対象物体への作用の状態を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した前記作用の状態に基づいて、前記ロボットのための動作指示を生成する生成手段と、
前記動作指示を記録する記録手段と、を備えることを特徴とするロボット教示装置。 - ロボットの動作を教示するためのロボット教示装置の制御方法であって、
前記ロボットのハンド部に対応した形状または機能を有する機構が対象物体に作用している間の、前記機構の状態を計測する計測工程と、
前記計測工程で計測した前記状態に基づいて、前記ロボットのための動作指示を生成する生成工程と、
前記動作指示を記録する記録工程と、を有することを特徴とするロボット教示装置の制御方法。 - 教示された動作に従って動作するロボットシステムであって、
請求項1乃至16のいずれか1項に記載されたロボット教示装置と、
前記記録手段に蓄積された前記動作指示に基づいて動作するロボット部と、を備えることを特徴とするロボットシステム。 - 請求項17に記載された制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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