JP6296236B2 - マスタースレーブ装置用マスター装置及びその制御方法、及び、マスタースレーブ装置 - Google Patents

マスタースレーブ装置用マスター装置及びその制御方法、及び、マスタースレーブ装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えばロボットの動作を生成して出力するためのマスタースレーブロボットのマスタースレーブ装置用マスター装置及びその制御方法、及び、マスタースレーブ装置に関する。
特許文献1は、手術ロボットのアーム部及び手術器具に力センサを配置して、力センサで鉗子先端にかかる力、あるいはロボットアームに加わる力を検出して、術者にフィードバックする技術を開示している。
特表2011−517419号公報
人がピンセットを実際に把持して操作する場合には、ピンセットの把持位置によって、力の感じ方が異なる。例えば、人がピンセットの先端に近い位置を把持した場合には、人は把持力の細かな変化を感じることができる。しかしながら、人がピンセットの先端から離れた位置を把持する場合には、人は、先端で把持するときに比べて、人は細かな力の変化を感じることができない。
特許文献1では、スレーブにかかる力を補正してマスター機にフィードバックしているが、ピンセットの把持の仕方をマスターで切り替えたり、把持位置に応じた、きめ細かなフィードバック力の補正は行っていない。
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたものであり、あたかも人が直接ピンセット又はグリッパの把持位置を変えながら操作した際に人の手に感じる力に近い値をフィードバック可能な、マスタースレーブ装置用マスター装置及びその制御方法、及び、マスタースレーブ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の1つの態様によれば、開閉動作により対象物を把持するハンド機構と、前記ハンド機構を有しかつ前記ハンド機構で前記対象物を把持して被対象物に対して作業を行うスレーブ機構とを備えるマスタースレーブ装置に備えられ、前記ハンド機構を操作するハンド操作機構と、前記ハンド操作機構を有して前記スレーブ機構を人が遠隔により操作するマスター機構とを有し、前記人が遠隔により前記マスター機構の前記ハンド操作機構を操作して、前記スレーブ機構の前記ハンド機構で前記対象物を把持して前記被対象物に対して作業を行わせるマスター装置であって、
前記ハンド操作機構は、前記人が操作する一対の開閉操作部を有するハンド操作部と、前記ハンド操作部が進退するスライド部とを有し、前記一対の開閉操作部が開位置と閉位置との間で開閉操作されて前記一対の開閉操作部の間の角度が変化して、前記ハンド機構の一対の開閉部材を開閉動作させるとともに、
前記スライド部に対する前記ハンド操作部の位置と前記一対の開閉操作部での前記角度とに基づいて、前記ハンド機構を操作するスレーブ機構用動作情報を前記スレーブ機構に出力するマスターハンド制御装置とを備える、
マスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム並びにシステム、方法及びコンピュータプログラムの任意の組み合わせにより実現してもよい。
本発明の前記態様によれば、スレーブ機構に把持したピンセット又はグリッパの把持位置を変更しながら操作した際に人の手に感じる力に近い値を、マスター機構から人の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
本発明の第1実施形態におけるマスタースレーブ装置の構成の概要を示す図 第1実施形態において、マスター側のハンド操作機構を上方向から見た平面図 第1実施形態において、ハンド操作機構を斜め横方向から見た斜視図 第1実施形態において、ハンド操作機構のスライドレールと操作部支持部とが係合している状態を点線で示す拡大平面図 第1実施形態において、スライドラチェット部とスライド軸受ラチェット部とが係合した状態での図2CのD−D線断面図 第1実施形態において、スライドラチェット部とスライド軸受ラチェット部とが係合解除した状態での図2CのD−D線断面図 第1実施形態において、作業者が把持した状態のハンド操作機構の平面図 第1実施形態において、スレーブ側のハンド機構を上方向から見た平面図 第1実施形態において、スレーブ側のハンド機構を斜め横方向から見た斜視図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態のリセットモードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の力モードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の力モードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の力モードにおけるスレーブ機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態のリセットモードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の力モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の力モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の力モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態におけるマスタースレーブ装置の詳細構成を示すブロック図 本発明の第1実施形態におけるマスタースレーブ装置のハンド操作機構の詳細構成を示すブロック図 本発明の第1実施形態における力計測装置の詳細構成を示すブロック図 本発明の第1実施形態における把持力検出部を説明する図 本発明の第1実施形態における判定結果通知部の一例を説明する図 本発明の第1実施形態における判定結果通知部の一例を説明する図 本発明の第1実施形態における動作情報データベースに関する図 本発明の第1実施形態における制御情報データベースに関する図 本発明の第1実施形態におけるハンド操作部の角度を説明する図 本発明の第1実施形態におけるハンドの角度を説明する図 本発明の第1実施形態におけるハンド操作機構の操作を説明する図 本発明の第1実施形態におけるハンド操作機構の操作を説明する図 本発明の第1実施形態におけるハンド操作機構の操作を説明する図 本発明の第1実施形態におけるピンセットの操作を説明する図 本発明の第1実施形態におけるピンセットの操作を説明する図 本発明の第1実施形態におけるピンセットの操作を説明する図 本発明の第1実施形態におけるマスタースレーブ装置のフローチャート 本発明の第2実施形態におけるマスタースレーブ装置の詳細構成を示すブロック図 本発明の第2実施形態における制御情報データベースに関する図 本発明の第2実施形態におけるハンド操作機構の操作を説明する図 本発明の第2実施形態におけるハンド操作機構の操作を説明する図 本発明の第2実施形態におけるマスタースレーブ装置のフローチャート 本発明の第1実施形態の変形例の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例の移動モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例のリセットモードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例の力モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例の力モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例の力モードにおけるマスター機構側での部品挿入の操作を説明する図 本発明の第1実施形態の変形例におけるハンド操作部の構成を説明する図 本発明の第1実施形態の別の変形例に別のおけるハンド操作部の構成を説明する図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、開閉動作により対象物を把持するハンド機構と、前記ハンド機構を有しかつ前記ハンド機構で前記対象物を把持して被対象物に対して作業を行うスレーブ機構とを備えるマスタースレーブ装置に備えられ、前記ハンド機構を操作するハンド操作機構と、前記ハンド操作機構を有して前記スレーブ機構を人が遠隔により操作するマスター機構とを有し、前記人が遠隔により前記マスター機構の前記ハンド操作機構を操作して、前記スレーブ機構の前記ハンド機構で前記対象物を把持して前記被対象物に対して作業を行わせるマスター装置であって、
前記ハンド操作機構は、前記人が操作する一対の開閉操作部を有するハンド操作部と、前記ハンド操作部が進退するスライド部とを有し、前記一対の開閉操作部が開位置と閉位置との間で開閉操作されて前記一対の開閉操作部の間の角度が変化して、前記ハンド機構の一対の開閉部材を開閉動作させるとともに、
前記スライド部に対する前記ハンド操作部の位置と前記一対の開閉操作部での前記角度とに基づいて、前記ハンド機構を操作する動作情報を前記スレーブ機構に出力するマスターハンド制御装置とを備える、
マスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置に応じてマスター機構へフィードバックする力の情報を生成するようにしている。この結果、スレーブ機構に把持したピンセット又はグリッパの把持位置を変更しながら操作した際に人の手に感じる力に近い値を、マスター機構から人の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
本発明の第2態様によれば、前記ハンド機構を操作する前記動作情報は、前記ハンド機構の角度情報と前記スレーブ機構の位置とで構成されている、
第1の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部の位置と開閉操作部の角度に応じて、スレーブ機構に把持したピンセット又はグリッパの把持角度とスレーブ機構の位置を生成するようにしている。この結果、スレーブ機構に把持したピンセット又はグリッパの角度やスレーブ機構の位置を変更しながら、操作した際に人の手に感じる力に近い値を、マスター機構から人の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
本発明の第3態様によれば、開閉動作により対象物を把持するハンド機構と、前記ハンド機構を有しかつ前記ハンド機構で前記対象物を把持して被対象物に対して作業を行うスレーブ機構とを備えるマスタースレーブ装置に備えられ、前記ハンド機構を操作するハンド操作機構と、前記ハンド操作機構を有して前記スレーブ機構を人が遠隔により操作するマスター機構とを有し、前記人が遠隔により前記マスター機構の前記ハンド操作機構を操作して、前記スレーブ機構の前記ハンド機構で前記対象物を把持して前記被対象物に対して作業を行わせるマスター装置であって、
前記ハンド操作機構は、前記人が操作する一対の開閉操作部を有するハンド操作部と、前記ハンド操作部が進退するスライド部とを有し、前記一対の開閉操作部が開位置と閉位置との間で開閉操作されて前記一対の開閉操作部の間の角度が変化して、前記ハンド機構の一対の開閉部材を開閉動作させるとともに、
前記スライド部に対する前記ハンド操作部の位置に基づいて、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向へ前記スライド部が移動するほど前記生成力情報もしくは前記生成把持力情報が大きくなるように生成し、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の前記端縁に近づく方向へ移動するほど前記生成力情報もしくは前記生成把持力情報が小さくなるように生成する動作情報生成部と、
前記動作情報生成部で生成した動作情報を前記スレーブ機構に出力するマスターハンド制御部とを備える、マスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置がスライド部に対して前方(マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向)に移動するほど、マスター機構にフィードバックされる力を強くすることで、あたかもピンセットを直接把持しているような感覚を提供することができる。
本発明の第4態様によれば、前記スライド部は、前記マスター機構の端部に連結されるとともに、
前記マスター機構の前記端部に対する前記ハンド操作部の位置を、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置として、取得するスライド位置取得部と、
前記ハンド操作部の前記一対の開閉操作部での前記角度を取得する開閉角度取得部とをさらに備える、
第1の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置に応じてスレーブ機構による対象物の作業の方向(例えば挿入方向)などのアプローチ方向の位置を微調整をすることができる。
本発明の第5態様によれば、前記スライド部は、前記マスター機構の端部に連結されるとともに、
前記マスター機構の前記端部に対する前記ハンド操作部の位置を、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置として、取得するスライド位置取得部と、
前記ハンド操作部の前記一対の開閉操作部での前記角度を取得する開閉角度取得部と、
前記スレーブ機構に外部から加えられた力情報を取得する力情報取得部と、
前記ハンド機構により前記対象物を把持したときの把持力情報を取得する把持力情報取得部とをさらに備えるとともに、
前記マスターハンド制御装置は、
前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置と前記力情報取得部で取得した前記力情報もしくは前記把持力情報取得部で取得した前記把持力情報とに応じて、動作情報のための生成力情報もしくは生成把持力情報を生成する動作情報生成部と、
前記動作情報生成部で生成した生成力情報と生成把持力情報とを前記マスター機構に動作情報として伝達するマスターハンド制御部とを備える一方、
さらに、前記スレーブ機構と前記マスターハンド制御部とに接続され、前記マスターハンド制御部から送られる前記マスター機構の前記動作情報を、前記スレーブ機構に伝達する動作情報として出力するスレーブハンド制御部を備える、
第1の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によれば、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置と前記力情報取得部で取得した前記力情報もしくは前記把持力情報取得部で取得した前記把持力情報に応じて、マスター機構から人の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
本発明の第6態様によれば、前記動作情報生成部は、前記スレーブ機構と前記マスターハンド制御部とに接続されて、前記スライド位置検出部で検出した、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置に基づいて、前記マスターハンド制御装置から送られる前記マスター機構の動作情報を生成する、
第5の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によれば、前記スライド位置検出部で検出した、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置に応じて、マスター機構から人の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
本発明の第7態様によれば、前記ハンド機構を移動させる移動モードと、前記ハンド機構で前記作業を行う力モードとの間で制御モードを切り替える制御情報設定部をさらに備え、
前記マスターハンド制御装置は、前記制御情報設定部で設定された前記制御モードに基づいて、前記スレーブ機構を制御する動作情報を出力する、
第1〜6のいずれか1つの態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によれば、前記ハンド機構を移動させる移動モードと、前記ハンド機構で前記作業を行う力モードとの間で制御モードを切り替える制御情報設定部により、前記ハンド機構の位置を微調整するモードとあたかもピンセットの把持位置を変えかのような力覚をフィードバックするモードを切り替えることが可能となる。
本発明の第8態様によれば、前記制御情報設定部で、前記移動モードと前記力モードとの間で前記制御モードを切り替えるとき、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置をリセットするために制御動作を一時的に停止させるリセットモードを設定するリセットモード設定部をさらに備える、
第7の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によれば、前記リセットモードにより、制御動作を一時的に停止させることができるため、作業者はハンド操作部を使いやすい位置(例えば、スライド部の後方側の初期位置)に移動させることが可能となる。
本発明の第9態様によれば、前記動作情報生成部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向へ前記スライド部が移動するほど前記生成力情報もしくは前記生成把持力情報が大きくなるように生成し、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の前記端縁に近づく方向へ移動するほど前記生成力情報もしくは前記生成把持力情報が小さくなるように生成する、
第5の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置がスライド部に対して前方(マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向)に移動するほど、マスター機構にフィードバックされる力を強くすることで、あたかもピンセットを直接把持しているような感覚を提供することができる。
本発明の第10態様によれば、前記人が前記ハンド操作部を把持したときの前記人が前記加える力を取得する人力取得部をさらに備え、
前記制御情報設定部は、前記人力取得部で取得した前記人の力と前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置とに応じて、前記ハンド操作部の機械インピーダンス値を設定するとともに、
前記マスターハンド制御装置は、前記制御情報設定部で設定された前記機械インピーダンス値に基づいて、前記ハンド操作部を制御する、第1〜9のいずれか1つの態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部の機械インピーダンス値を設定することで、ピンセットの操作性をきめ細かく制御することができる。
本発明の第11態様によれば、前記制御情報設定部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記スライド部が、前記マスター機構の前記端部の端縁から遠ざかる方向へ移動するほど、前記機械インピーダンス値の慣性の値が小さくなるように設定する、第10の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置がスライド部の前方(マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向)へ移動するほど、機械インピーダンス値の慣性の値が小さくなるように設定することで、あたかもピンセットの先端を直接把持しているような慣性を提供することができる。
本発明の第12態様によれば、前記制御情報設定部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が前記マスター機構の前記端部の端縁から遠ざかる方向へ移動するほど、前記機械インピーダンス値の剛性の値が小さくなるように設定する、第10の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置がスライド部の前方(マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向)へ移動するほど、機械インピーダンス値の剛性の値が小さくなるように設定することで、あたかもピンセットの先端を直接把持しているような剛性を提供することができる。
本発明の第13態様によれば、前記制御情報設定部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が前記マスター機構の前記端部の端縁から遠ざかる方向へ移動するほど、前記機械インピーダンス値の粘性の値が小さくなるように設定する、第10の態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置がスライド部の前方(マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向)へ移動するほど、機械インピーダンス値の粘性の値が小さくなるように設定することで、あたかもピンセットの先端を直接把持しているような粘性を提供することができる。
本発明の第14態様によれば、第1〜13のいずれか1つの態様に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置と、
前記ハンド機構と、
前記スレーブ機構とを備える、マスタースレーブ装置を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置に応じてマスター機構へフィードバックする力の情報を生成するようにしている。この結果、スレーブ機構に把持したピンセット又はグリッパの把持位置を変更しながら操作した際に人の手に感じる力に近い値を、マスター機構から人の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
本発明の第15態様によれば、開閉動作により対象物を把持するハンド機構と、前記ハンド機構を有しかつ前記ハンド機構で前記対象物を把持して被対象物に対して作業を行うスレーブ機構とを備えるマスタースレーブ装置に備えられ、前記ハンド機構を操作するハンド操作機構と、前記ハンド操作機構を有して前記スレーブ機構を人が遠隔により操作するマスター機構とを有し、前記人が遠隔により前記マスター機構の前記ハンド操作機構を操作して、前記スレーブ機構の前記ハンド機構で前記対象物を把持して前記被対象物に対して作業を行わせるマスター装置の制御方法であって、
前記ハンド操作機構は、前記人が操作する一対の開閉操作部を有するハンド操作部と、前記ハンド操作部が進退するスライド部とを有し、前記一対の開閉操作部が開位置と閉位置との間で開閉操作されて前記一対の開閉操作部の間の角度が変化して、前記ハンド機構の一対の開閉部材を開閉動作させる、マスタースレーブ装置用マスター装置の制御方法であって、
前記マスター機構の前記端部に対する前記ハンド操作部の位置を、前記マスター機構の端部に連結された前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置として、スライド位置取得部で取得し、
前記ハンド操作部の前記一対の開閉操作部での前記角度を開閉角度取得部で取得し、
前記スライド部に対する前記ハンド操作部の位置又は前記一対の開閉操作部での前記角度に基づいて、前記ハンド機構を操作する動作情報を前記スレーブ機構にマスターハンド制御装置から出力する、マスタースレーブ装置用マスター装置の制御方法を提供する。
本構成によって、ハンド操作部のスライド位置に応じてマスター機構へフィードバックする力の情報を生成するようにしている。この結果、スレーブ機構に把持したピンセット又はグリッパの把持位置を変更しながら操作した際に人の手に感じる力に近い値を、マスター機構から人の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態におけるマスタースレーブ装置用マスター装置80を有するマスタースレーブ装置100の概要について説明する。
図1は、マスタースレーブ装置100を使った部品の挿入作業の様子を示す。
図1に示すように、例えば、工場内のセル生産で、テレビ、DVDレコーダ、又は、携帯電話のなどの機器7用のプリント基板の挿入口(被対象物の一例)6に、部品(対象物の一例)5を取り付ける作業を例にとって説明する。
《マスタースレーブ装置100、マスター装置80、スレーブ装置81》
マスタースレーブ装置100は、スレーブ機構41とスレーブ機構41に備えたハンド機構4とを備えるスレーブ装置81と、マスター機構29とマスター機構29に備えたハンド操作機構30とを備えるマスター装置80とを備える。マスタースレーブ装置100によれば、マスター装置80において、人、例えば、作業者11が遠隔によりマスター機構29のハンド操作機構30を操作する。その結果、マスター装置80からスレーブ装置81に動作情報(後述する生成情報)が出力されて、スレーブ機構41のハンド機構4を動作させて、対象物5をハンド機構4で把持して被対象物6に対して作業を行わせる。
より詳しくは、マスタースレーブ装置100は、少なくとも、マスターロボット3と、スレーブロボット2と、データベース入出力部45と、力計測装置1とを備えて、データベース入出力部45からの入力などを基にマスターロボット3を作業者11が操作することにより、マスターロボット3を動作させることができる。マスターロボット3とデータベース入出力部45とで、マスター装置80の一例を構成する。スレーブロボット2はスレーブ装置81の一例を構成している。さらに、マスタースレーブ装置100は、必要に応じて、データベース入出力部45とそれぞれ接続された制御情報データベース42と動作情報データベース44とを備える。
マスターロボット3は、一例としてロボットアームで構成されかつ作業者11が直接触ってマスター操作を入力するマスター機構29と、マスター機構29の先端部に備えてハンド機構4を操作するハンド操作機構30と、マスターハンド制御装置23とを備える。マスターハンド制御装置23は、詳細は後述するが、ハンド操作機構30で取得した操作情報(スライド部13に対するハンド操作部12の位置又はハンド操作部12の一対の開閉操作部12a,12bでの角度)に基づいて、ハンド機構4を操作する動作情報(後述する生成情報)をスレーブハンド制御部32を介してスレーブ機構41に出力する。
スレーブロボット2は、マスターロボット3とは別に配置され、一例としてロボットアームで構成されかつスレーブ動作を行うスレーブ機構41と、スレーブ機構41の先端部に備えて開閉動作により対象物5を把持するハンド機構4とを少なくとも備えて、実際に所定の作業を行うロボットシステムである。スレーブロボット2は、さらにスレーブハンド制御装置31を備えている。スレーブハンド制御装置31は、マスターハンド制御装置23から、ハンド機構4を操作する動作情報(後述する生成情報)を受け取って、スレーブ機構41とハンド機構4とを動作制御する。
一例として、マスタースレーブ装置100のスレーブロボット2は、機器7が設置された作業台9の上部もしくは壁面に設置され、機器7の挿入口6に部品5を挿入する作業を行うロボットである。
作業台9の側面には、ボタンなどが配置された操作盤などの入力IF8を配置する。入力IF8は、ユーザ入出力部83の一例として機能し、後述するリセットボタン82も、そのユーザ入出力部83の一例として機能し、入力された情報は、制御情報データベース42などへ記憶する。
《ハンド機構4》
スレーブロボット2の先端部には、部品5を把持するハンド機構4が取り付けられる。
ハンド機構4は、ハンド、例えばピンセットで構成され、ピンセットは、後端の回動支点周りに開閉可能な一対の開閉部材4a,4bで構成され、一対の開閉部材4a,4bの先端に対象物を把持可能とする。すなわち、一対の開閉部材4a,4bの先端を閉じることにより対象物を把持し、一対の開閉部材4a,4bの先端を開けることにより対象物を解放することができる。
《ハンド操作機構30》
ハンド操作機構30は、ハンド機構4を操作する機構であって、作業者11が開閉操作する一対の開閉操作部12a,12bを有するハンド操作部12と、一対の開閉操作部12a,12bが進退するスライド部(ハンド支持部)13とを有して、ハンド機構4のハンド例えばピンセットを開閉操作する。作業者11は、手でハンド操作部12を把持し、ハンド操作部12の開閉操作と、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド操作とをそれぞれ独立して行うことができる。
スライド部13は、マスター機構29の一例としてのロボットアームの先端部に一端が連結され、直線的なスライドレール13aと、スライドレール13aに係合されてスライドレール13aを手動でスライドする操作部支持部13bとで構成される。操作部支持部13bには、一対の開閉操作部12a,12bが回動支点を中心にV字状に配置される。
一対の開閉操作部12a,12bは可動操作部12aと固定操作部12bで構成され、可動操作部12aは、作業者11の指で固定操作部12bに対して所定角度範囲内で開閉回動可能となっている。例えば、作業者11の親指を可動操作部12aに接触させ、人差し指を固定操作部12bに接触させた状態で、親指を人差し指に近づけるように可動操作部12aを固定操作部12bに向けて回動支点周りに回動させたり、逆方向に回転させることにより、ピンセットの一対の開閉部材4a,4bの閉じ動作と開き動作を行わせることができる。可動操作部12aと固定操作部12bとが開いた状態でも閉じた状態でも、操作部支持部13bをスライドレール13a沿いに進退させることができ、これにより、ピンセットの一対の開閉部材4a,4bにおいて、後述するようにモードを切り換えで、ピンセットに加圧する把持位置をピンセットの先端側と後端側との間で移動させたり(力モード)、ピンセット自体を微小量だけ移動させたりする(移動モード)ことができる。
以下に、ハンド操作機構30とハンド機構4との具体的な例を説明する。
図2Aは、マスター側のハンド操作機構30を上方向から見た平面図であり、図2Bは、ハンド操作機構30を斜め横方向から見た斜視図であり、図2Cは、ハンド操作機構30のスライドレール13aと操作部支持部13bとが係合している状態を点線で示す拡大平面図である。図2Dは、スライドラチェット部68とスライド軸受ラチェット部69とが係合した状態での図2CのD−D線断面図である。図2Eは、スライドラチェット部68とスライド軸受ラチェット部69とが係合解除した状態での図2CのD−D線断面図である。図3は、作業者11が把持した状態のハンド操作機構30の平面図である。図4Aは、スレーブ側のハンド機構4を上方向から見た平面図であり、図4Bは、スレーブ側のハンド機構4を斜め横方向から見た斜視図である。
この例では、ハンド操作部12は、一対の開閉操作部12a,12b、例えば、棒状ハンド可動操作部12aと、棒状ハンド固定操作部12bとで構成される。ハンド可動操作部12aは、一端が後述するモータ軸受部64と連結し、作業者11が指で操作することで回転する部材である。ハンド固定操作部12bは、モータ上部固定部66に連結し、作業者11が指で操作する際の指を固定する部材である。
スライドレール13aは、筒状の操作部支持部13bの中をスライドする部材であり、一側面に、山形の歯部で形成されたスライドラチェット部68を有する。なお、この第1実施形態のハンド操作部12のスライド部13に対する位置を、前方方向は段階的に設定可能であり、且つ、後方方向にはスムーズに移動可能に設定可能なラチェット構造としても良い。
操作部支持部13bは、内部の一側面に、山形の歯部で形成されたスライド軸受ラチェット部69を有する筒状部材で構成され、スライド軸受部として機能し、モータ上部固定部66の一側面に固定されている。操作部支持部13b内をスライドレール13aがスライド可能とするとともに、スライドラチェット部68がスライド軸受ラチェット部69と係合させることで、スライドレール13aを操作部支持部13bにスライド軸方向に対して移動不可に固定する。スライドラチェット部68がスライド軸受ラチェット部69と係合解除されれば、スライドレール13aを操作部支持部13bに対してスライド軸方向に対して自在に移動可能となる。スライドラチェット部68がスライド軸受ラチェット部69と係合及び係合解除は、例えば、図2Dに示すように、スライドレール13aに対して操作部支持部13bを上方向に移動させてスライド軸受ラチェット部69をスライドラチェット部68に対向さするように移動させることにより、両者が係合する一方、図2Eに示すように、図2Dの状態からスライドレール13aに対して操作部支持部13bを下方向に移動させてスライド軸受ラチェット部69をスライドラチェット部68に対して移動させて両者が対向しないようにすることにより、両者の係合が解除されるようにしてもよい。
スライドレール13aの両端部にはストッパ部15が固定され、スライドレール13a沿いの操作部支持部13bのスライドをストッパ部15で停止させることにより、操作部支持部13bの移動範囲を規制する。
スライド位置取得センサ70は、スライド位置取得部の一例として機能し、スライドレール13a近くの操作部支持部13bに固定され、スライドレール13aに対する操作部支持部13bのスライド位置(マスター機構29の端部に対するハンド操作部12の位置、言い換えれば、ハンド操作部12のスライド部13のスライドレール13a(のマスター機構連結端部)に対するスライド位置)を取得するセンサであり、磁気センサなどが例示される。作業者11がハンド操作部12とスライド部13とを動かす際のタイマー43Bからのサンプル時間毎のハンド操作部12のスライド部13に対するハンド操作部12の位置(スライド位置)をスライド位置取得センサ70で取得し、スライド位置取得センサ70からマスターハンド制御部22に出力する。
ハンド可動操作部12aには、モータ軸受部64を介してマスターモータ部16と連結されている。このマスターモータ部16は、ハンド可動操作部12aを正逆回転又は回転動作に対する抵抗を負荷させるためのモータ18と、モータ18の回転軸に連結されたギヤ17と、モータ18の回転角度を計測するエンコーダ19とで構成される。エンコーダ19は、開閉角度取得部の一例として機能する。モータ18の回転軸に固定されたギヤとギヤ17とのギヤ比を大きくなるように調整すれば、モータ18が駆動されていなくても、ハンド可動操作部12aを回動させることにより、モータ18の回転軸を回転させることが可能となる。なお、モータ上部固定部66は、モータ18の上部を固定する部材であり、モータ中部固定部67は、モータ18の中部を固定する部材である。
このような構成によれば、例えば、ハンド可動操作部12aを作業者11が回動させるために指で接触しているときは、ハンド可動操作部12aを介してモータ18に負荷が作用するため、作業者11が回動させるために指で接触していることを検出することができる。ハンド可動操作部12aを作業者11が回動させるときは、その力と回転角度とを計測することができる。ハンド可動操作部12aから作業者11が指を離したときは、ハンド可動操作部12aを介してモータ18に負荷が作用しなくなるため、ハンド可動操作部12aの初期位置まで開くようにモータ18を回転制御することができる。よって、作業者11がハンド操作部12とスライド部13とを動かす際のタイマー43Bからのサンプル時間毎のハンド操作部12の一対の開閉操作部12a,12b間の開き角度(角度情報)をエンコーダ19で取得し、エンコーダ19からマスターハンド制御部22に出力する。なお、ハンド可動操作部12aをバネなどで開き側の初期位置まで常時付勢することも可能である。
一方、ハンド機構4は、以下のように構成する。
ハンド機構4は、スレーブ機構41の一例としてのロボットアームの端部に連結し、ハンド操作部12のハンド可動操作部12aとハンド固定操作部12bの開閉に追従してハンド機構4の一対の開閉部材4a,4bを開閉させることで、部品5などを把持する。
ハンド機構4の一対の開閉部材4a,4bは、スレーブモータ部71により開閉動作される。スレーブモータ部71は、一方の開閉部材4aを回転させるためのモータ71aと、モータ71aの回転軸に連結されたギヤ71bと、モータ71aの回転角度を計測するエンコーダ71cとで構成される。ピンセットを構成する一対の開閉部材4a,4bの基端部にはそれぞれ歯車部72aと歯車部72bとが固定されており、ギヤ71bの回転軸には歯車部72a及び開閉部材4aが固定され、歯車部72aは歯車部72bと噛み合うように配置される。よって、モータ71aの正逆回転駆動により、ギヤ71bを介して歯車部72a及び開閉部材4aが正逆回転し、歯車部72aと噛み合った歯車部72b及び開閉部材4bが正逆回転する。この結果、モータ71aの正逆回転駆動により、一対の開閉部材4a,4bが開閉動作することになる。
ハンド機構4は、力計測装置1を有する。力計測装置1は、スレーブロボット2に関する力を計測する装置であって、力検出部50と、把持力検出部55と、を備えて構成する。
力計測装置1の力検出部50は、スレーブ機構41に外部から加えられた力情報を取得する力情報取得部の一例として機能し、ハンド機構4の手首部に設置され、部品5から基板7又は挿入口6に作用する力を測定する。力検出部50の詳細については後述する。
力計測装置1の把持力検出部55は、ハンド機構4により対象物5を把持したときの把持力情報を取得する把持力情報取得部の一例として機能し、ハンド機構4に設置され、ハンド機構4により部品5を把持したときの把持力を測定する。把持力検出部55の詳細については後述する。
作業台9の側面には、カメラなどの撮像装置14が配置され、部品5あるいは挿入口6を撮像し、モニタ10aに撮像した映像を映す。
作業者11は、撮像装置14で撮像された映像をモニタ10aで確認しながらマスターロボット3を操作すると、スレーブロボット2が動作する。さらに、マスターロボット3の先端に配置されたハンド操作部12の開閉を操作することで、スレーブロボット2の先端に配置されたハンド機構4の開閉を動作させる。
さらに、力計測装置1の力検出部50で計測した力を、力検出部50からデータベース入出力部45を介して、マスターハンド制御装置23により、スレーブロボット2からマスターロボット3へフィードバックすることで、作業者11は、直接、部品5を操作している感覚で、スレーブハンド制御装置31によりスレーブロボット2を動作させることができる。また、ハンド機構4を開閉させて部品5を把持したときの把持力を、スレーブハンド制御装置31とマスターハンド制御装置23とを介して、マスターロボット3のハンド操作部12へフィードバックすることで、把持したときの力を感じながら作業をすることができる。
マスタースレーブ装置100の操作手順の概要を図5A〜図5G及び図6A〜図6Gを用いて説明する。
作業者11がマスターロボット3及びハンド操作部12を操作すると、作業者11が加えた力に基づいてスレーブロボット2が移動し、部品5を挿入口6に挿入する。なお、制御情報設定部20により、ハンド操作部12のモードは初期設定で移動モードとなっていると仮定する。この移動モードの状態では、ハンド操作部12をスライド部13に対して操作すると、スレーブ機構41の先端の位置(言い換えれば、ハンド機構4、すなわち、ピンセット自体)を微小量だけ移動させるモードである。
具体的には、図6Aのように、作業者11はマスターロボット3とハンド操作部12とを把持し、マスターロボット3を大きく移動させると、図5Aのようにスレーブロボット2が動作し、部品5に向かってスレーブロボット2が大きく移動する。このとき、ハンド操作部12では、一対の開閉操作部12a,12bに作業者11が指をかけているだけで開閉操作及びスライド部13に対するスライド動作はしていない。
次に、図6B及び図6Cのように、作業者11が指でハンド可動操作部12aをハンド固定操作部12bに向けて閉じ動作してハンド操作部12を閉じると、図5B及び図5Cのようにスレーブロボット2のハンド機構4が閉じて一対の開閉部材4a,4bで部品5を把持する。把持した際に部品5にかかる把持力を把持力検出部55で計測してマスターハンド制御装置23を介してハンド操作部12にフィードバックする。マスターハンド制御装置23での制御の下に、作業者11は、ハンド操作部12で把持力を感じながら、ハンド操作部12に対する把持する力加減を調整できる。
次に、スレーブロボット2で把持した部品5を挿入口6に向かって大きく移動するように、作業者11はマスターロボット3を大きく移動させるよう操作する。さらに、挿入口6と部品5の位置又は方向などを微調整するために、図6Dに示すように、ハンド操作部12をスライド部13上でスライド部13に対して前方(先端側)(マスター機構29の端部の端縁から離れる方向)にスライドさせる。すると、移動モードであるため、マスターハンド制御装置23及びスレーブハンド制御装置31の制御の下に、ハンド操作部12でのスライド量のみ、スレーブロボット2を移動させて(図5F)、スレーブロボット2の微調整を可能とする。
次に、後述するハンド操作部12のモードを移動モードから力モードに制御情報設定部20で切り替える。ここで、力モードは、ピンセットの把持位置を変えるモードである。ピンセットの先端側の位置で把持する場合には細かい操作を作業者11が行いたいときである。ピンセットの後端側の位置で把持する場合には大雑把な操作を作業者11が行いたいときである。移動モードは、ハンド操作部12とスライド部13とは一体的に移動させるときの移動量よりも小さい移動量でスレーブロボット2の先端のハンド機構4を移動させることができる。例えば、ハンド操作部12とスライド部13とを一体的にマスターロボット3と共に移動させるときは、例えば、マスターロボット3を10mm移動させたときに、通常はスレーブロボット2の先端のハンド機構4を1mmで移動させることが可能であるのに対して、ハンド操作部12をスライド部13に対して相対的に移動させるときは、スレーブロボット2の先端のハンド機構4を0.5mmで微調整のために移動させることが可能となる。なお、一例としては、マスターロボット3を10mm移動させるとスレーブロボット2が1mm移動するように、マスターロボット3とスレーブロボット2との間に移動スケールを設定する。
移動モードと力モードとの間で制御モードを切り替えるとき、スライド位置をリセットする必要がある。このため、作業者11は、マスターロボット3のロボットアームに付いているリセットボタン82を押すことにより、例えば、図6Dの状態から図6Eの状態(一例として図6Cと同じ状態)まで、スライド部13上の先端位置に位置していたハンド操作部12を、スライド部13上で後端側の初期位置まで手動で戻す。この戻す動作は制御対象の動作とみなされず、制御動作を一時的に停止させるリセットモードを設定する必要がある。よって、このリセットモードを設定するために、リセットボタン82が配置され、リセットボタン82は、リセットモード設定部の一例として機能する。
ここで、初期位置とは、ハンド操作部12をスライド部13に対して先端側の位置から後端側に向けて、ある程度の寸法だけ戻して、先端側へ移動する移動量が確保できる位置ならば、任意の位置でもよい。
リセットボタン82が押されてオンになった状態の情報がデータベース入出力部45を介して制御情報設定部20に入ると、移動モードと力モードとの間で制御モードを切り替えるときにスライド位置をリセットするため制御動作を一時的に停止させるリセットモードを設定する。すなわち、例えば、リセットボタン82を押したのちのある一定時間の間でのハンド操作部12をスライド部13に対して初期位置まで戻る動作については、何も動作制御しないようにしている。よって、図5Dと図5Eは、全く同じ状態である。
力モードでは、図5Fから図5G及び図6Fから図6Gに示すように、部品5を挿入口6に押し込む際に、あたかもピンセットの先端又は後方などを持った感覚で操作することができる。具体的には、マスターハンド制御装置23の制御の下に、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置によって、部品5にかかる力のフィードバック力を変更してフィードバックする。挿入が終われば、図6Hに示すように、ハンド操作部12を開いて、図5Hに示すように、ハンド機構4を開き、部品5を解放するように動作する。
次に、第1実施形態にかかるマスタースレーブ装置100のマスターロボット3、スレーブロボット2及び力計測装置1の詳細を説明する。図7Aは、マスターロボット3と、スレーブロボット2と、力計測装置1と、動作情報データベース44と、制御情報データベース42と、タイマー43Aと、データベース入出力部45との構成図である。図8は、力計測装置1の詳細な構成図を示す。図7Bは、ハンド操作機構30の詳細構成を示すブロック図である。
《力計測装置1》
第1実施形態の力計測装置1は、スレーブロボット2とハンド機構4とに関する力の情報を取得する装置であって、力検出部50と、把持力検出部55とを備える。力計測装置1とは別に、マスター装置80は、力判定部51と、判定結果通知部52とを備える。ただし、力計測装置1が、力判定部51と、判定結果通知部52とを備えるようにしてもよい。
《力検出部50》
図1に示すように、力検出部50は、スレーブロボット2とハンド機構4の間のハンド機構4の手首部に相当する位置に配置し、スレーブロボット2が外部に接触したときの力(例えば、前記作業では、部品5から基板7又は挿入口6に作用する力)(力情報)を計測する。具体的には、力検出部50は、6軸計測可能な力センサなどであるが、位置方向のみ計測可能な3軸力センサでも良い。力検出部50で計測した力は、力検出部50からデータベース入出力部45を介して、動作情報データベース44へ出力する。
《把持力検出部55》
把持力検出部55は、図9に示すように、ハンド機構4の一方の開閉部材(例えば4a)に配置し、ハンド機構4が対象物例えば部品5を把持したときの把持力(例えば、前記作業では、ハンド機構4が一対の開閉部材4a,4bで部品5を把持したときの把持力)(把持力情報)を計測する。具体的には、把持力検出部55は、1軸のひずみセンサなどである。把持力検出部55で計測した把持力は、把持力検出部55からデータベース入出力部45を介して、動作情報データベース44へ出力する。
《タイマー43A》
タイマー43Aは、ある一定時間(例えば、1msec毎)の経過後に、データベース入出力部45及びスレーブハンド制御部32及びマスターハンド制御部22を実行させるための指令をデータベース入出力部45に出力する。
《力判定部51》
力判定部51は、力検出部50又は把持力検出部55により検出した力が所定の閾値(例えば、5N)以上の場合、部品5などに負荷がかかっていると判断する。判定結果は、判定に使用した力の情報と共に、力判定部51から判定結果通知部52に出力される。また、データベース入出力部45を介して、力判定部51から動作情報データベース44へ出力する。
《判定結果通知部52》
判定結果通知部52は、力判定部51により判定された結果を作業者11に通知する装置であり、モニタ又はスピーカーなどで構成される。具体的には、図10Aのモニタ10aに示すように、検出された力P[N]をスレーブロボット2付近の映像と共に判定結果通知部52で表示する。その際に、力判定部51で負荷がかかっていると判定された場合は、図10Bに示すように、「ALERT」などのように警告を判定結果通知部52で表示する。
また、力判定部51により負荷がかかっていると判定された場合、図1のスピーカー10bにより警告音を鳴らして、作業者11に警告を判定結果通知部52で行う。
《マスター機構29、スレーブ機構41》
マスター機構29は、作業者11が直接触って操作するロボットであり、作業者11が動かす際のサンプル時間毎の位置情報を取得してマスターハンド制御部22に出力する。さらに、力計測装置1で計測した力情報と把持力情報とに追従するようにマスターハンド制御部22でマスター機構29を動作制御する。
スレーブ機構41は、部品5を挿入口6へ挿入する作業を行うロボットであり、スレーブ機構41の時間毎の位置情報を取得してマスターハンド制御部22に出力する。さらに、マスター機構29で取得した位置情報に基づいて動作情報生成部53で生成される生成位置情報に追従するようにマスターハンド制御部22でスレーブ機構41を動作制御する。
《制御情報設定部20》
制御情報設定部20は、ハンド操作部12をスライド部13に対してスライド操作した際のスレーブロボット2とマスターロボット3との動作を切り替える。ハンド操作部12をスライド部13に対してスライド操作した際に、スレーブロボット2の挿入方向などのアプローチ方向の位置を制御する移動モードの場合は、ハンド操作部12の制御モードとして「0」を制御情報設定部20で設定する。ハンド操作部12をスライド部13に対してスライド操作した際に、マスターロボット3へのフィードバック力などを変更する力モードの場合は、ハンド操作部12の制御モードとして「1」を制御情報設定部20で設定する。そして、制御情報設定部20でそれぞれ設定した情報は、データベース入出力部45を介して、制御情報データベース42に出力する。
さらに、マスターロボット3の位置及び姿勢に基づいてスレーブロボット2を制御する場合の移動ゲインを制御情報設定部20で設定し、データベース入出力部45を介して、制御情報データベース42に出力する。スレーブロボット2が6軸アームの場合に、位置3軸及び姿勢3軸の合計6軸分の移動ゲインを制御情報設定部20で設定する。
また、「ハンド角度ゲイン」は、ハンド操作部12の一対の開閉操作部12a,12bを開閉させたときの角度に基づいて、ハンド機構4の開閉部材4a,4bを開閉させるときのゲインであり、この「ハンド角度ゲイン」を制御情報設定部20で設定する。
また、力検出部501で検出した力をマスター機構29に伝達する場合の力ゲインを制御情報設定部20で設定する。力検出部50が6軸力センサの場合は、位置方向3軸と姿勢方向3軸との合計6軸分の力ゲインを制御情報設定部20で設定する。なお、第1実施形態では、力ゲインを制御情報設定部20で設定するようにしたが、移動ゲインから制御情報設定部20で算出しても良い。具体的には、各軸の力ゲイン=J×1/(各軸の移動ゲイン)として制御情報設定部20で算出して設定する。ただし、Jは定数であり、例えば、スレーブ機構41とマスター機構29との重量をそれぞれMs、Mmとすると、J=Mm/Msのように、それぞれの重量に基づいて制御情報設定部20で決定しても良いし、又は、スレーブ機構41の慣性の影響を受けないように制御情報設定部20で適宜決定しても良い。
また、制御情報データベース42の「把持力ゲイン」は、ハンド操作部12を開閉させたときの把持力をハンド操作部13へフィードバックする際の把持力ゲインであり、この「把持力ゲイン」を制御情報設定部20により制御情報データベース42に記憶する。
なお、第1実施形態では、把持力ゲインを制御情報設定部20で設定するようにしたが、ハンド角度ゲインから制御情報設定部20で算出しても良い。具体的には、各軸の把持力ゲイン=l×1/(ハンド角度ゲイン)として制御情報設定部20で算出して設定する。ただし、lは定数である。
さらに、制御情報データベース42の「ハンド操作部の制御モード」が移動モードの際のスレーブロボット2の挿入方向などのアプローチ方向の移動ゲインを制御情報設定部20で設定する。「力モード」の場合は使用しない。
なお、各種設定は、制御情報データベース42に予め記憶させておくか、作業台9の側面に配置されている入力IF8により制御情報データベース42に入力しても良い。
《データベース入出力部45》
データベース入出力部45は、動作情報データベース44と、制御情報データベース42と、力検出部50と、把持力検出部55と、力判定部51と、制御情報設定部20と、マスターハンド制御部22と、スレーブハンド制御部32と、動作情報生成部53との間で、データ(情報)の入出力を行う。
−動作情報データベース44−
力検出部50により検出した力に関する情報と、把持力検出部55により検出した把持力に関する情報と、マスター機構29の位置情報とハンド操作部12の角度情報とハンド操作部12のスライド位置と、動作情報生成部53により生成したスレーブロボット2の生成位置情報とハンド機構4の生成角度情報と、動作情報生成部53により生成した力に関する力情報(生成力情報)と、動作情報生成部53で生成した把持力に関する把持力情報(生成把持力情報)と、力判定部51の判定結果とが、タイマー43Aを利用してある一定時間毎(例えば、1msec毎)にそれぞれ生成され、これらの生成された情報(生成情報)が、時刻と共に、データベース入出力部45を介して動作情報データベース44に出力されて動作情報として記憶される。
図11Aは、動作情報データベース44の情報内容の一例を示す。
(1)「時刻」の欄は、マスタースレーブシステム100が動作している際の時刻に関する情報を示す。第1実施形態では、ミリ秒(msec)単位系で示す。
(2)「力」の欄は、力検出部50により検出した力の情報を示す。なお、第1実施形態では、挿入及び並進方向の力はニュートン(N)単位系で示し、回転方向の力はニュートンメートル(Nm)単位系で示す。
(3)「把持力」の欄は、把持力検出部55により検出した力の情報を示す。なお、第1実施形態ではニュートン(N)単位系で示す。
(4)「マスター位置」の欄は、マスター機構29の図示しないエンコーダなどで検出されるマスター機構29の位置及び姿勢を示す。なお、第1実施形態では、位置についてはメートル(m)単位系で示し、姿勢についてはラジアン(rad)単位系で示す。
(5)「ハンド操作部の角度」の欄は、ハンド操作部12の角度を示す。具体的には、図12に示すハンド操作部12の一対の開閉操作部12a,12b間の開き角度Rである。なお、第1実施形態では、角度についてはラジアン(rad)単位系で示す。
(6)「ハンド操作部の位置」の欄は、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド軸方向のスライド位置を示す。なお、第1実施形態では、位置についてはメートル(m)単位系で示す。
(7)「スレーブ位置」の欄は、スレーブ機構41の図示しないエンコーダなどで検出されるスレーブ機構41の位置及び姿勢を示す。なお、第1実施形態では、位置についてはメートル(m)単位系で示し、姿勢についてはラジアン(rad)単位系で示す。
(8)「ハンドの角度」の欄は、ハンド機構4の一対の開閉部材4a,4bの開き角度を示す。具体的には、図13の一対の開閉部材4a,4bの開き角度Rである。なお、第1実施形態では、角度についてはラジアン(rad)単位系で示す。
(9)「生成後の力」の欄は、動作情報生成部53で生成した力の情報(生成力情報)を示す。なお、第1実施形態では、挿入及び並進方向の力はニュートン(N)単位系で示し、回転方向の力はニュートンメートル(Nm)単位系で示す。
(10)「生成後の把持力」の欄は、動作情報生成部53で生成した把持力の情報(生成把持力情報)を示す。なお、第1実施形態ではニュートン(N)単位系で示す。
(11)「判定結果」の欄は、力判定部51の判定結果を示す。「0」は負荷がかかってないことを示し、「1」は負荷がかかっていることを示す。
−制御情報データベース42−
制御情報データベース42は、制御情報設定部20により設定するとともに移動モードと力モードとの間で切り替えたモードに関する情報を、制御情報設定部20により、データベース入出力部45を介して記憶する。
また、制御情報データベース42には、マスターロボット3を操作したときのスレーブロボット2での「移動ゲイン」と、ハンド操作部12を操作したときのハンド機構4の「ハンド角度ゲイン」と、力検出部50で検出した力に基づく生成力情報を生成する際の「力ゲイン」と、把持力検出部55で検出した把持力に基づく生成把持力情報を生成する際の「把持力ゲイン」と、ハンド操作部12をスライド部13に対してスライドさせるときのスレーブロボット2の挿入方向などのアプローチ方向の位置移動のゲインの「スライド位置ゲイン」を、それぞれ、記憶する。
図11Bは、制御情報データベース42の情報内容の一例を示す。
(1)「ハンド操作部の制御モード」の欄は、ハンド操作部12のスライド部13に対してスライド操作した際に、移動モードの場合は「0」を記憶し、力モードの場合は「1」を記憶する。
(2)「移動ゲイン」の欄は、マスターロボット3のマスター機構29の位置及び姿勢に基づいてスレーブロボット2のスレーブ機構41を制御する場合の移動ゲインを記憶する。スレーブロボット2のスレーブ機構41が6軸アームの場合は、位置3軸と姿勢3軸との合計6軸分の移動ゲインを記憶する。
(3)「ハンド角度ゲイン」の欄は、ハンド操作部12の一対の開閉操作部12a,12bを開閉させたときの角度に基づいて、ハンド機構4の一対の開閉部材4a,4bを開閉させるときのゲインを記憶する。
(4)「力ゲイン」の欄は、力計測装置1で測定した力をマスター機構29に伝達する場合の力ゲインを記憶する。力計測装置1が6軸力センサの場合は、位置方向3軸と姿勢方向3軸との合計6軸分の力ゲインを記憶する。
(5)「把持力ゲイン」の欄は、ハンド操作部12の一対の開閉操作部12a,12bを開閉させたときの把持力をハンド操作部12へフィードバックする際の把持力ゲインを記憶する。
(6)「スライド位置ゲイン」の欄は、「ハンド操作部の制御モード」が移動モードの際のスレーブロボット2の挿入方向などのアプローチ方向の移動ゲインを記憶する。「力モード」の場合は使用しない。
《マスターハンド制御装置23》
マスターハンド制御装置23は、マスター機構29とハンド操作機構30とを制御するマスターハンド制御部22と、制御情報を設定する制御情報設定部20と、時間情報をマスターハンド制御部22に入力するタイマー43Bと、スレーブロボット2の動作情報(生成位置情報及び生成角度情報)を生成する動作情報生成部53とを備えて、スライド部13に対する一対の開閉操作部12a,12bのスライド位置又は一対の開閉操作部12a,12bでの角度に基づいて、ハンド機構4を操作する動作情報(生成位置情報及び生成角度情報)をスレーブ機構側のスレーブハンド制御装置31に出力する。
マスター機構29とマスターハンド制御装置23との間で情報を伝達する。具体的には、マスター機構29からの位置情報を、マスター機構29からマスターハンド制御部22に出力する。また、マスターハンド制御部22からの位置情報を、タイマー43Bを利用して、ある一定時間毎(例えば、1msec毎)に、マスターハンド制御部22からマスター機構29に出力して、マスター機構29を動作制御する。マスターハンド制御部22では、マスターハンド制御部22からの位置情報に追従するようにマスター機構29内の図示しないモータを動かす。マスター機構29内の図示しないモータの回転角度は、図示しないエンコーダなどで検出してマスターハンド制御部22でフィードバック制御している。
また、ハンド操作機構30とマスターハンド制御装置23との間でも情報を伝達する。具体的には、ハンド操作機構30のハンド操作部12の一対の開閉操作部12a,12bの角度の情報とハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置の情報とを、ハンド操作機構30からマスターハンド制御部22に出力する。また、マスターハンド制御部22からの角度情報及び把持力情報を、タイマー43Bを利用して、ある一定時間毎(例えば、1msec毎)に、ハンド操作機構30に出力して、ハンド操作機構30を動作制御する。マスターハンド制御部22は、マスターハンド制御部22からの角度情報及び把持力情報に追従するように、ハンド操作機構30のモータ18(図2B参照)を動かす。
すなわち、マスターハンド制御装置23は、(i)マスター機構29の位置情報、(ii)ハンド操作部12の角度情報、(iii)ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置を、所定時間毎(例えば、1msec毎)に、スレーブハンド制御装置31に出力する。
また、スレーブハンド制御装置31から、入力される力情報あるいは把持力の情報と制御情報データベース42のモードとに基づいて、作業者11に力を伝達する。作業者11に力を伝達する例としては、例えば、
ハンド操作機構30のモータ18を駆動してハンド可動操作部12aを正逆回転させて、作業者11の指に対する負荷を増減させることなどにより行うことができる。
タイマー43Bは、ある一定時間(例えば、1msec毎)の経過後に、マスターハンド制御部22を実行させるための指令をマスターハンド制御部22に出力する。
《スレーブハンド制御装置31》
スレーブハンド制御装置31は、ハンド機構4とスレーブ機構41との動作を制御するスレーブハンド制御部32と、時間情報をスレーブハンド制御部32に入力するタイマー43Cとを備える。スレーブハンド制御部32は、マスターハンド制御部22から、ハンド機構4を操作する動作情報(生成情報)を受け取って、動作情報(生成情報)に基づきスレーブ機構41とハンド機構4とを動作制御する。
スレーブ機構41とスレーブハンド制御装置31との間で情報を伝達する。具体的には、スレーブハンド制御部32からの位置情報を、スレーブハンド制御部32からスレーブ機構41に出力する。また、スレーブ機構41からの位置情報を、タイマー43Cを利用して、ある一定時間毎(例えば、1msec毎)に、スレーブ機構41からスレーブハンド制御部32に、スレーブ機構41を制御する動作情報として出力して、スレーブ機構41を動作制御する。スレーブハンド制御部32は、スレーブハンド制御部32から入力された位置情報に追従するようにスレーブ機構41の図示しないモータを動かす。スレーブ機構41内の図示しないモータの回転角度は、図示しないエンコーダなどで検出してスレーブハンド制御部32でフィードバック制御している。
ハンド機構4とスレーブハンド制御装置31との間でも情報を伝達する。具体的には、スレーブハンド制御部32からの角度情報を、スレーブハンド制御部32からハンド機構4に出力する。また、ハンド機構4からの角度情報を、タイマー43Cを利用して、ある一定時間毎(例えば、1msec毎)に、ハンド機構4からスレーブハンド制御部32に、ハンド機構4を制御する動作情報として出力して、ハンド機構4を動作制御する。スレーブハンド制御装置31は、スレーブハンド制御部32からの角度情報に追従するように、ハンド機構4のモータ71a(図4B参照)を動作制御する。
すなわち、スレーブハンド制御装置31は、動作情報データベース44に記憶したマスター機構29の位置情報及びハンド操作部12の角度情報及びハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置と制御情報データベース42の情報に基づいて、動作情報生成部53により、スレーブ機構41及びハンド機構4の位置の生成位置情報及び角度の生成角度情報を生成する。さらに、動作情報生成部53で生成した生成位置情報及び生成角度情報に基づき、スレーブ機構41及びハンド機構4を追従させる。加えて力計測装置1で取得した力情報と把持力情報と制御情報データベース42の情報に基づいて、動作情報生成部53で生成力情報と生成把持力情報を生成し、スレーブハンド制御部32を介して、生成した生成力情報と生成把持力情報とをマスターハンド制御装置23に出力する。
タイマー43Cは、ある一定時間(例えば、1msec毎)の経過後に、スレーブハンド制御装置31を実行させるための指令をスレーブハンド制御装置31に出力する。
《動作情報生成部53》
動作情報生成部53は、動作情報データベース44に記憶したマスター機構29の位置情報と、ハンド操作部12の角度情報と、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置の情報と、制御情報データベース42の情報とに基づいて、スレーブ機構41及びハンド機構4の位置及び角度に関する情報(生成位置情報と生成角度情報)を生成する。加えて、力計測装置1で測定した力及び把持力に関する生成力情報と生成把持力情報とを、動作情報データベース44の情報と制御情報データベース42の情報とに基づき、生成する。
動作情報生成部53で生成した生成位置情報及び生成角度情報及び生成力情報及び生成把持力情報は、データベース入出力部45を介して、動作情報生成部53により動作情報データベース44に記憶する。
制御情報データベース42の制御モードが「移動モード」の場合には、マスター機構29の位置情報に制御情報データベース42の移動ゲインを乗じた値を、スレーブ機構41の位置に関する生成位置情報として動作情報生成部53で生成する。具体的には、t時刻のマスター機構29の位置が(pmx1,pmy1,pmz1,pmφ1,pmθ1,pmψ1)であり、移動ゲインが(gmx,gmy,gmz,gmφ,gmθ,gmψ)である場合に、スレーブロボット2の目標位置(生成位置情報)は、(gmx×pmx1,gmy×pmy1,gmz×pmz1,gmφ×pmφ1,gmθ×pmθ1,gmψ×pmψ1)として動作情報生成部53で生成する。
ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド操作については、まず、t、t時刻のハンド操作部12の各スライド位置をlm0、lm1とすると、t時刻からt時刻までのハンド操作部12の移動量Δl=lm1−lm0を動作情報生成部53で算出する。次に、移動量Δlにスライド位置ゲインsを乗じたs×Δlを動作情報生成部53で算出する。次に、算出したs×Δlを現在のスレーブロボット2の挿入方向などのアプローチ方向に加算した値を、スレーブロボット2の挿入位置の目標位置(生成位置情報)として動作情報生成部53で生成する。
ハンド機構4の生成角度情報は、マスター機構29のハンド操作部12の角度情報に制御情報データベース42のハンド角度ゲインを乗じた値として、動作情報生成部53で生成する。具体的には、t時刻のハンド操作部12の角度がrm1であり、ハンド角度ゲインがgmrである場合に、ハンド機構4の目標角度は(rm1×gmr)として動作情報生成部53で生成する。
力検出部50で検出した生成力情報は、制御情報データベース42の力ゲインを乗じた値を、生成後の力情報として動作情報生成部53で生成する。具体的には、t時刻の力がfs1=(fsx1,fsy1,fsz1,fsφ1,fsθ1,fsψ1)であり、力ゲインが(gfsx,gfsy,gfsz,gfsφ,gfsθ,gfsψ)である場合に、生成後の力情報はgfs×fs1であるので、(gfsx×fsx1,gfsy×fsy1,gfsz×fsz1,gfsφ×fsφ1,gfsθ×fsθ1,gfsψ×fsψ1)として動作情報生成部53で生成する。
把持力検出部55で検出した把持力に制御情報データベース42の把持力ゲインを乗じた値を、生成把持力情報として動作情報生成部53で生成する。具体的には、t時刻の把持力がfh1であり、把持力ゲインがgfhである場合、生成後の把持力をgfh×fh1として動作情報生成部53で生成把持力情報として生成する。
第1実施形態のスタースレーブ装置用マスター装置80においては、以下のような操作感を作業者11に与えることができる。すなわち、制御情報データベース42の制御モードが「力モード」の場合、スレーブ13の動作としては、ピンセットの把持位置を変更したような操作感を作業者11に提供する。具体的には、図14Aのように、ハンド操作部12をスライド部13に対して後方(マスター機構29の端部の端縁に近づく方向)の位置までスライドさせた状態でハンド操作部12を把持した場合には、図15Aのように、作業者11には、ピンセット54の後方を指で把持したような操作感を提供する。同様に、図14Bのように、ハンド操作部12をスライド部13に対して図14Aよりは前方の位置までスライドさせた状態でハンド操作部12を把持した場合には、図15Bのように、作業者11には、図15Aよりピンセット54の前方を指で把持したような操作感を提供する。ハンド操作部12をスライド部13に対して図14Cのようにさらに前方の位置までスライドさせた状態でハンド操作部12を把持した場合には、図15Cに示すように、ピンセット54の先端を指で把持したような操作感を提供する。
上述したような操作感を提供するために、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置に応じて、制御情報データベース42の移動ゲインとハンド角度ゲインと力ゲインと把持力ゲインとのゲインのうちのいずれか1つ以上のゲインを、動作情報生成部53で修正する。
具体的には、図14Aのスライド位置から、図14B又は図14Cのようにスライド位置を前方へ移動させた場合(スライド位置をそのときの位置から前方へ移動させた場合)には、制御情報データベース42の移動ゲインとハンド角度ゲインとが小さくなるように動作情報生成部53で設定する。すなわち、スライド位置をスライドレール13aの前方へ移動させた際には、ピンセット54の先端を把持して操作していることになるため、動作情報生成部53で移動ゲインとハンド角度ゲインとを小さく設定することで、より細かな作業がしやすくなる。一例として、デフォルトの移動ゲインを予め決められておき、前方へ移動した場合には、動作情報生成部53でデフォルトの移動ゲインより小さく設定し、後方へ移動させる場合は、動作情報生成部53でデフォルトの移動ゲインより大きく設定する。別の例としては、動作情報生成部53で設定するときに既に使用している移動ゲインと比較して、動作情報生成部53で設定する移動ゲインを小さく設定する場合もある。なお、ハンド操作部12のスライド位置がスライド部13上の前端まで移動しているときには、リセットモードにして制御動作を一時的に停止させた状態で、ハンド操作部12のスライド位置をスライド部13上で後方へ移動させ、その後、力モードに設定してハンド操作部12のスライド位置をスライド部13上で前方へ移動させる必要がある。逆に、力ゲインと把持力ゲインとについては、スライド位置を前方へ移動させた際には、より力を伝えやすくするため、動作情報生成部53で力ゲインと把持力ゲインとを大きく設定する。一例として、デフォルトの移動ゲインを予め決められておき、前方へ移動した場合には、動作情報生成部53でデフォルトの移動ゲインより大きく設定し、後方へ移動させる場合は、動作情報生成部53でデフォルトの移動ゲインより小さく設定する。別の例としては、動作情報生成部53で設定するときに既に使用している移動ゲインと比較して、動作情報生成部53で設定する移動ゲインを大きく設定する場合もある。具体的には、図14Aのスライド位置を0とし、前方へ移動したときの図14Aからのスライド位置の変化量をΔlとすると、修正後の移動ゲインgmnewは、修正後の移動ゲインgmnew=修正前の移動ゲインgmold−αΔlとして動作情報生成部53で算出する。ただし、αは定数で、α×Δlが修正前の移動ゲインgmoldを超えないように動作情報生成部53で設定する。修正後のハンド角度ゲインgrmnewは、修正後のハンド角度ゲインgrmnew=修正前のハンド角度ゲインgrmold−β×Δlとして動作情報生成部53で算出する。ただし、βは定数で、β×Δlがgrmoldを超えないように動作情報生成部53で設定する。修正後の力ゲインgfsnewは、修正後の力ゲインgfsnew=修正前の力ゲインgfsold+γ×Δlとして動作情報生成部53で算出する。ただし、γは定数で、γ×Δlが修正後の力ゲインgfsnewを超えないように動作情報生成部53で設定する。修正後の把持力ゲインgfhnewは、修正後の把持力ゲインgfhnew=修正前の把持力ゲインgfhold+ω×Δlとして動作情報生成部53で算出する。ただし、ωは定数で、ω×Δlが修正後の力ゲインgfhnewを超えないように動作情報生成部53で設定する。このようにして算出した移動ゲインとハンド角度ゲインと力ゲインと把持力ゲインとにより、制御情報データベース42の制御モードが移動モードの場合と同様の方法で、スレーブ機構41の生成位置情報と、ハンド機構4の生成角度情報と、生成力情報と、生成把持力情報とを動作情報生成部53で生成し、データベース入出力部45を介して、動作情報データベース44に記憶する。
以下、第1実施形態におけるマスタースレーブ装置100の操作手順を図16のフローチャートを用いて説明する。図16において、作業者11がマスターロボット3を操作してスレーブロボット2を動作させて、ハンド機構4で把持した部品5を挿入口6に挿入する際に、部品5にかかる力及び部品5を把持するときの把持力をマスターロボット3へ伝達する手順を説明する。
まず、ステップS101では、データベース入出力部45により、マスターハンド制御装置23により、マスター機構29が動いた際のマスター機構29の位置情報及びハンド操作機構30のハンド操作部12の角度情報及びハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置の情報を取得して動作情報データベース44に記憶する。
次いで、ステップS102では、動作情報データベース44に記憶したマスター機構29の位置情報と、ハンド操作部12の角度情報と、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置の情報と、制御情報データベース42の情報とに基づき、動作情報生成部53により、スレーブ機構41及びハンド機構4の位置及び角度に関する生成位置情報及び生成角度情報を生成する。
次いで、ステップS103では、動作情報生成部53で生成された前記生成位置情報及び生成角度情報に基づき、スレーブハンド制御装置31のスレーブハンド制御部32により、スレーブ機構41及びハンド機構4を追従させるように制御する。
次いで、ステップS104では、力計測装置1により、スレーブロボット2が外部に接触したときの力情報とハンド機構4が部品5を把持したときの把持力の情報とをそれぞれ取得する。
次いで、ステップS105では、動作情報生成部53により制御情報データベース42を参照して、制御情報データベース42の制御モードが力モードの場合には、ステップS106へ進み、制御モードが移動モードの場合にはステップS107へ進む。
ステップS106では、動作情報生成部53により、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置に応じて、制御情報データベース42の移動ゲインとハンド角度ゲインと力ゲインと把持力ゲインとのうちのいずれか1つ以上のゲインを修正する。修正したゲインに基づき、スレーブ機構41の生成位置情報と、ハンド機構29の生成角度情報と、生成力情報と、生成把持力情報とを動作情報生成部53で生成する。その後、ステップS108に進む。なお、このステップS106で生成されたスレーブ機構41の生成位置情報と、ハンド機構29の生成角度情報とは、図16のフローを一旦終了したのち、再度、ステップS101とS102を行い、ステップS103に戻り、ステップS103で、スレーブハンド制御装置31のスレーブハンド制御部32により、スレーブ機構41及びハンド機構4を追従させるように制御するときに使用される。
一方、ステップS107では、動作情報生成部53により、ハンド操作部12のスライド位置に応じて、マスター機構29の位置情報に、制御情報データベース42の移動ゲインをスライド位置の変位に乗じた値を乗じて、スレーブ機構41の生成位置情報として生成する。その後、このフローを終了する。なお、生成されたスレーブ機構41の生成位置情報は、図16のフローを一旦終了したのち、再度、ステップS101とS102を行い、ステップS103に戻り、ステップS103で、スレーブハンド制御装置31のスレーブハンド制御部32により、スレーブ機構41及びハンド機構4を追従させるように制御するときに使用される。
次いで、ステップS108では、マスターハンド制御部22によるハンド操作機構30の動作制御により、動作情報生成部53からマスターハンド制御部22を介してハンド操作機構30に入力された生成力情報及び生成把持力情報を作業者11の手に伝達する。すなわち、生成力情報に基づきマスターハンド制御部22によりマスター機構29を制御して、生成力情報を人の手に伝達する一方、生成把持力情報に基づきマスターハンド制御部22によりハンド操作機構30を制御して、生成把持力情報を人の手に伝達する。
その後、作業が終了している場合には、そのままステップを終了する。作業が終了していない場合には、ステップS101に戻る。
《第1実施形態の効果》
以上のように、マスターロボット3にハンド操作機構30としてハンド操作部12とスライド部13とを備えて、移動モードと力モードとの間で制御モードを切り換えつつハンド操作部12のスライド部13に対するスライド操作を行うことで、スレーブロボット2の挿入方向などのアプローチ方向の微調整と、ピンセット54の把持位置を変更したような操作感とを作業者11に提供することができる。すなわち、スレーブ機構41に把持したピンセット又はグリッパなどのハンド機構4の把持位置を変更しながら操作した際に作業者11の手に感じる力に近い値を、マスター機構29から作業者11の手にフィードバック可能として、あたかもピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態では、ハンド機構4、例えば、ピンセットの前方を指で把持しているときには、慣性Mを小さくして、軽く操作(弱い力で操作)できる一方、ピンセットの後方を指で把持しているときには、慣性Mを大きくして、重く操作(強い力で操作)することができるようにするものである。すなわち、ピンセットのバネ感を出すため、ハンド操作部12のスライド位置により、バネ感を変えるように構成するものである。具体的には、ピンセットの前方を指で把持しているときには、粘性Dを小さくして、バネ感をあまり感じないように操作できる一方、ピンセットの後方を指で把持しているときには、粘性Dを大きくして、バネ感を大きく感じるように操作できるように構成する。
以下、詳細に説明する。
図17は、第2実施形態にかかるマスタースレーブ装置用マスター装置のマスターロボット3と、スレーブロボット2と、力計測装置1と、人力取得部の一例として機能する人力検出部56と、動作情報データベース44と、制御情報データベース42と、タイマー43Aと、データベース入出力部45との構成図である。以下の第2実施形態では、第1実施形態との共通部分の説明は省略し、異なる部分のみ以下で説明する。
−制御情報データベース42−
制御情報データベース42は、第1実施形態の制御情報に加えて、ハンド操作部12の機械インピーダンス設定値の設定パラメータとしての、慣性Mと、粘性Dと、剛性Kとを記憶する。制御情報データベース42の情報を、一例として、図18に示す。
《人力検出部56》
人力検出部56は、ハンド操作部12を操作する際の作業者11が加えた力を検出する。具体的には、図19Aに示すように、ハンド操作部12を、可動操作部12aと固定操作部12bで構成される一対の開閉操作部12a,12bに代えて、一対の可動操作部12a,12aで構成されるようにしてもよい。すなわち、スライドレール13aの中心軸に対して一対の可動操作部12a,12aが対称に開閉するようにしてもよい。そのような一対の可動操作部12a,12aの少なくとも一方の可動操作部12aに、人力検出部56の一例としてのひずみセンサを備える。なお、ハンド操作部12の可動操作部12aを開く操作をする際に、作業者11の指がハンド操作部12の可動操作部12aから離れると操作ができないことから、図19Bに示すように、ハンド操作部12の可動に作業者11の指をテープなどの固定部57で固定して、指と可動操作部12aとが一体的に移動するようにする。
《制御情報設定部20》
制御情報設定部20は、第1実施形態の制御情報に加えて、ハンド操作部12のスライド位置に応じて、ハンド操作部12の機械インピーダンス設定値の設定を行う。機械インピーダンス設定値の設定パラメータとしては、慣性Mと、粘性Dと、剛性Kとがある。ここでは、制御情報設定部20で、どういう感性を持たせたいかを設定できるようにしている。
スライドレール13aの前方の位置でハンド操作部12を把持した場合には、ピンセットの先端を把持している操作感を作業者11に提供するために、制御情報設定部20で慣性Mが小さくなるように設定する。これにより、作業者11は、弱い力でハンド操作部12を容易に操作することができ、実際のピンセットと同じような力加減を実現できる。逆に、ピンセットの後方を把持している操作感を作業者11に提供するために、制御情報設定部20で慣性Mが大きくなるように設定する。これにより、作業者11は、ピンセットが動かしにくくなる。
スライドレール13aの前方の位置でハンド操作部12を把持した場合には、ピンセットの先端を把持している操作感を作業者11に提供するために、制御情報設定部20で粘性を小さく設定することで、粘りにくくなる。逆に、レール13aの後方の位置でハンド操作部12を把持した場合には、制御情報設定部20で粘性を大きく設定することで、粘りやすくなる。
さらに、ピンセットの先端の位置でピンセットを把持すればする場合には、制御情報設定部20で剛性を小さくすることで、柔らかめのバネ感覚を作業者11に提示することができる。逆に、ピンセットの後方の位置でピンセットを把持する場合には、制御情報設定部20で剛性を大きく設定することで、硬めのバネ感覚を作業者11に提供することが可能となる。
《マスターハンド制御装置23、スレーブハンド制御装置31》
第1実施形態の動作に加えて、マスターハンド制御装置23は、作業者11が加えた力を人力検出部56で検出し、作業者11が加えた方向に、インピーダンス制御によりハンド操作部12を制御する。
ハンド操作部12の機械インピーダンスの値のインピーダンス制御をマスターハンド制御装置23で実現するために、ハンド操作部12の角度の目標生成出力rdΔを、以下の式(1)により、マスターハンド制御装置23で計算する。目標生成出力rdΔは、現在のハンド操作部12の角度rに加算されて、生成後の目標角度rdmが生成角度情報としてマスターハンド制御装置23で生成される。
Figure 0006296236
ただし、sはラプラス演算子であり、Fは人力検出部56で検出した力(作業者11の力)である。
マスターハンド制御装置23は、ハンド操作部12の目標角度rdmに追従するようにハンド操作部12のハンド可動操作部12aとハンド固定操作部12bとを開閉動作制御する。
マスターハンド制御装置23は、マスター機構29が動いた際のマスター機構29の位置情報及びハンド操作機構30のハンド操作部12の角度情報及びハンド操作部12のスライド位置を、タイマー43Bを利用して、ある一定時間毎(例えば、1msec毎)に、スレーブハンド制御装置31に出力する。さらに、スレーブハンド制御装置31からデータベース入出力部45を介して、入力される力情報又は把持力の情報と制御情報データベース42のモードとに基づいて、作業者11に力を伝達する。なお、マスターハンド制御装置23においては、インピーダンス制御と力フィードバックとの両方の効果を出すために、先ほど求めた目標角度rdmにフィードバックする力に相当する位置Δpを足した値を目標座標として制御する。
スレーブハンド制御装置31は、第1実施形態と同様なので、説明は省略する。
第2実施形態におけるマスタースレーブ装置100の操作手順を図20のフローチャートを用いて説明する。図18において、作業者11のハンド操作部12のスライド位置に応じて、マスターロボット3のハンド操作部12の操作感をインピーダンス制御で制御して操作し、スレーブロボット2を動作させて、ハンド機構4で把持した部品5を挿入口6に挿入する際に、部品5にかかる力又は部品5を把持するときの把持力をマスターロボット3へ伝達する手順を説明する。
ステップS201では、ハンド操作部12のスライド位置に応じて、制御情報設定部20により、ハンド操作部12の機械インピーダンス値を設定する。
次いで、ステップS202では、マスターハンド制御装置23で、制御情報設定部20で設定した機械インピーダンス値に基づいて、ハンド操作部12を制御する。
次いで、ステップS203では、マスターハンド制御装置23の動作情報生成部53により、マスター機構29が動いた際の位置情報及びハンド操作機構30のハンド操作部12の角度情報及びハンド操作部12のスライド位置の情報を取得する。
次いで、ステップS204では、動作情報生成部53により、ステップS203で取得したマスター機構29が動いた際の位置情報及びハンド操作機構30のハンド操作部12の角度情報及びハンド操作部12のスライド位置の情報に基づき、スレーブ機構41及びハンド機構4の位置及び角度に関する生成位置情報及び生成角度情報を生成する。
次いで、ステップS205では、動作情報生成部53からの生成位置情報及び生成角度情報に基づき、マスターハンド制御装置23を介して、スレーブハンド制御装置31により、スレーブ機構41及びハンド機構4を追従させるように制御する。
次いで、ステップS206では、力計測装置1により、スレーブロボット2が外部に接触したときの力情報とハンド機構4が部品5を把持したときの把持力の情報とを取得する。
次いで、ステップS207では、動作情報生成部53により、制御情報データベース42の制御モードが力モードの場合には、ステップS208へ進み、制御モードが移動モードの場合にはステップS209へ進む。
ステップS208では、動作情報生成部53により、ハンド操作部12のスライド位置に応じて、制御情報データベース42の移動ゲイン又はハンド角度ゲイン又は力ゲイン又は把持力ゲイン又はいずれか1つ以上のゲインを修正する。修正したゲインに基づき、スレーブ機構41の生成位置情報と、ハンド機構4の生成角度情報と、生成力情報と、生成把持力情報とをそれぞれ生成する。その後、ステップS210に進む。
ステップS209では、動作情報生成部53により、ハンド操作部12のスライド部13に対するスライド位置に応じて、マスター機構29の位置情報に、制御情報データベース42の移動ゲインをスライド位置の変位に乗じた値を乗じて、スレーブ機構41の生成位置情報として生成する。その後、ステップS210に進む。
次いで、ステップS210では、マスターハンド制御部22によるハンド操作機構30の動作制御により、動作情報生成部53からマスターハンド制御部22を介してハンド操作機構30に入力された生成力情報及び生成把持力情報に基づき、ハンド操作機構30を動作させて生成力情報及び生成把持力情報を作業者11の手に伝達する。
その後、作業が終了している場合には、そのままステップを終了する。作業が終了していない場合には、ステップS201に戻る。
《第2実施形態の効果》
以上のように、マスターロボット3のスライド部13に対するハンド操作部12の位置に応じて、ハンド操作部12の機械インピーダンス値を制御情報設定部20で変更することで、ピンセットの把持位置を変更したような操作感を作業者11に提供することができる。
なお、第1実施形態にて、力モードと移動モードとを切り替えた際に、マスターロボット3のロボット座標を固定するのではなく、移動モードでハンド操作部12をスライドさせるときは、スライドさせた分だけロボット座標を変更するようにしても良い。この事により、移動モードの際にスライド位置を変えても、変えていないときと同じ操作感を得ることができる。
また、第1実施形態の力フィードバックは、スレーブ機構41に力検出部50と把持力検出部55をと備えた構成としているが、力検出部50又は把持力検出部55を備えない構成として、スレーブ機構41の位置又はハンド機構4の角度に基づいて、マスター機構29及びハンド操作部12に位置をフィードバックするようにしても良い。
さらに、第1実施形態では動作情報生成部をスレーブロボット2に、制御情報設定部20をマスターロボット3に搭載するようにしたが、これらの機能は、いずれのロボット2又は3に搭載しても良い。
また、第2実施形態で、人力検出部56の力が所定の閾値以下である場合は、ハンド操作部12を開くようにマスターハンド制御部22で制御するようにしても良い。これにより、ピンセットを把持していないときはピンセットを開いている状態を再現することができる。また、バネを制御で実現するのではなく、ハンド操作部12にバネ機構を備える方式としても良い。
また、図21A〜図21Hに示すように、ハンド操作部12は、可動操作部12aと固定操作部12bで構成される一対の開閉操作部12a,12bに代えて、一対の可動操作部12a,12aで構成されるようにしてもよい。すなわち、スライドレール13aの中心軸に対して一対の可動操作部12a,12aが対称に開閉するようにしてもよい。図21A〜図21Hは、それぞれ、図6A〜図6Hに対応する。
さらに、第1実施形態におけるハンド操作部12は、図22Aに示すように、操作するハンド操作部12を、スライド部13aの軸方向に対して逆に備える構成でも良い。また、図22Bに示すように、ボタン式の構成でも良い。
また、第1実施形態における制御情報設定部20にて、「移動モード」と「力モード」とを設けたが、さらに「把持力モード」を備える構成でも良い。具体的には、「把持力モード」では、スライド部13に対してハンド操作部12が前方の位置にスライドした際に、ハンド機構4が強めに把持するように制御を行なう。
また、第2実施形態における制御情報設定部20にて、慣性Mと、粘性Dと、剛性Kとの3つのインピーダンス値を設定するようにしたが、ハンド機構4がピンセットの場合には、最も効果的なパラメータである剛性のみを備える構成でも良い。
さらに、第2実施形態で、スライド位置に応じて、機械インピーダンス値を設定したが、スライド位置に加えて、ピンセットの形状又は材質などに合わせて決定しても良い。
また、マスター機構及びスレーブ機構はそれぞれ6軸としたが、これに限定しない。
なお、本発明を第1〜第2実施形態及び変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、前記の第1〜第2実施形態及び変形例に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
前記各制御装置の一部又は全部は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスク、磁気ディスク、又は、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかるマスタースレーブ装置用マスター装置及びその制御方法、及び、マスタースレーブ装置は、対象物を把持し、非対象物に対して接触しながら作業を行うとき、スレーブに把持したピンセット又はグリッパの把持位置を変更したかのような力覚を感じることが可能で、例えば、工場内のセル生産で、テレビ、DVDレコーダ、又は、携帯電話のなどの機器用のプリント基板の挿入口(被対象物の一例)に、部品(対象物の一例)を取り付ける作業を行うときに有用である。

1 力計測装置
2 マスターロボット
3 スレーブロボット
4 ハンド(ピンセット)、ハンド機構
4a,4b 開閉部材
5 部品(部品)
6 挿入口(コネクタ)
7 機器
8 入力IF
9 作業台
10 判定結果通知部
10a モニタ
10b スピーカー
11 作業者
12 ハンド操作部
12a 開閉操作部(ハンド可動操作部)
12b 開閉操作部(ハンド固定操作部)
13 ハンド支持部、スライド部
13a スライドレール
13b 操作部支持部
14 撮像装置
15 ストッパ部
16 マスターモータ部
17 ギヤ
18 モータ
19 エンコーダ
20 制御情報設定部
22 マスターハンド制御部
23 マスターハンド制御装置
29 マスター機構
30 ハンド操作機構
31 スレーブハンド制御装置
32 スレーブハンド制御部
41 スレーブ機構
42 制御情報データベース
43A,43B,43C タイマー
44 動作情報データベース
45 データベース入出力部
50 力検出部
51 力判定部
52 判定結果通知部
53 動作情報生成部
54 ピンセット
55 把持力検出部
56 人力検出部
57 固定部
64 モータ軸受部
66 モータ上部固定部
67 モータ中部固定部
68 スライドラチェット部
69 スライド軸受ラチェット部
70 スライド位置取得センサ
71 スレーブモータ部
72a 歯車部
72b 歯車部
80 マスタースレーブ装置用マスター装置
81 マスタースレーブ装置用スレーブ装置
82 リセットボタン
83 ユーザ入出力部
100 マスタースレーブ装置

Claims (15)

  1. 開閉動作により対象物を把持するハンド機構と、前記ハンド機構を有しかつ前記ハンド機構で前記対象物を把持して被対象物に対して作業を行うスレーブ機構とを備えるマスタースレーブ装置に備えられ、前記ハンド機構を操作するハンド操作機構と、前記ハンド操作機構を有して前記スレーブ機構を人が遠隔により操作するマスター機構とを有し、前記人が遠隔により前記マスター機構の前記ハンド操作機構を操作して、前記スレーブ機構の前記ハンド機構で前記対象物を把持して前記被対象物に対して作業を行わせるマスター装置であって、
    前記ハンド操作機構は、前記人が操作する一対の開閉操作部を有するハンド操作部と、前記ハンド操作部が進退するスライド部とを有し、前記一対の開閉操作部が開位置と閉位置との間で開閉操作されて前記一対の開閉操作部の間の角度が変化して、前記ハンド機構の一対の開閉部材を開閉動作させるとともに、
    前記スライド部に対する前記ハンド操作部の位置と前記一対の開閉操作部での前記角度とに基づいて、前記ハンド機構を操作するスレーブ機構用動作情報を前記スレーブ機構に出力するマスターハンド制御装置とを備える、
    マスタースレーブ装置用マスター装置。
  2. 前記ハンド機構を操作する前記スレーブ機構用動作情報は、前記ハンド機構の角度情報と前記スレーブ機構の位置とで構成されている、
    請求項1に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  3. 開閉動作により対象物を把持するハンド機構と、前記ハンド機構を有しかつ前記ハンド機構で前記対象物を把持して被対象物に対して作業を行うスレーブ機構とを備えるマスタースレーブ装置に備えられ、前記ハンド機構を操作するハンド操作機構と、前記ハンド操作機構を有して前記スレーブ機構を人が遠隔により操作するマスター機構とを有し、前記人が遠隔により前記マスター機構の前記ハンド操作機構を操作して、前記スレーブ機構の前記ハンド機構で前記対象物を把持して前記被対象物に対して作業を行わせるマスター装置であって、
    前記ハンド操作機構は、前記人が操作する一対の開閉操作部を有するハンド操作部と、前記ハンド操作部が進退するスライド部とを有し、前記スライド部は、前記マスター機構の端部に連結され、
    前記一対の開閉操作部が開位置と閉位置との間で開閉操作されて前記一対の開閉操作部の間の角度が変化して、前記ハンド機構の一対の開閉部材を開閉動作させており、
    前記スライド部に対する前記ハンド操作部の位置に基づいて、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向へ前記スライド部が移動するほど、前記スレーブ機構に外部から加えられた力情報を基に生成する力情報である生成力情報もしくは前記ハンド機構により前記対象物を把持したときの把持力を基に生成する把持力情報である生成把持力情報が大きくなるようにマスター機構用動作情報を生成し、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の前記端縁に近づく方向へ移動するほど前記生成力情報もしくは前記生成把持力情報が小さくなるように前記マスター機構用動作情報を生成する動作情報生成部と、
    前記動作情報生成部で生成した前記マスター機構用動作情報を前記マスター機構に出力するマスターハンド制御部とを備える、マスタースレーブ装置用マスター装置。
  4. 前記スライド部は、前記マスター機構の端部に連結されるとともに、
    前記スライド部に備えられ、前記マスター機構の前記端部に対する前記ハンド操作部の位置を、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置として、取得するスライド位置取得部と、
    前記ハンド操作部に備えられ、前記ハンド操作部の前記一対の開閉操作部での前記角度を取得する開閉角度取得部とをさらに備える、
    請求項1に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  5. 前記スライド部は、前記マスター機構の端部に連結されるとともに、
    前記スライド部に備えられ、前記マスター機構の前記端部に対する前記ハンド操作部の位置を、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置として、取得するスライド位置取得部と、
    前記ハンド操作部に備えられ、前記ハンド操作部の前記一対の開閉操作部での前記角度を取得する開閉角度取得部と、
    前記ハンド機構に備えられ、前記スレーブ機構に外部から加えられた力情報を取得する力情報取得部と、
    前記ハンド機構に備えられ、前記ハンド機構により前記対象物を把持したときの把持力情報を取得する把持力情報取得部とをさらに備えるとともに、
    前記マスターハンド制御装置は、
    前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置と前記力情報取得部で取得した前記力情報もしくは前記把持力情報取得部で取得した前記把持力情報とに応じて、マスター機構用動作情報のための生成力情報もしくは生成把持力情報を生成する動作情報生成部と、
    前記動作情報生成部で生成した生成力情報と生成把持力情報とを前記マスター機構に前記マスター機構用動作情報として伝達するマスターハンド制御部とを備える一方、
    さらに、前記スレーブ機構と前記マスターハンド制御部とに接続され、前記マスターハンド制御部から送られる前記マスター機構の前記スレーブ機構用動作情報を、前記スレーブ機構に伝達する前記スレーブ機構用動作情報として出力するスレーブハンド制御部を備える、
    請求項1に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  6. 前記動作情報生成部は、データベース入出力部及び前記スレーブハンド制御部を介して前記スレーブ機構と接続されるとともに、前記動作情報生成部は、データベース入出力部を介して前記マスターハンド制御部と接続されて、前記スライド位置取得部で取得した、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置に基づいて、前記マスターハンド制御装置から前記スレーブハンド制御部に送られる前記スレーブ機構用動作情報を生成する、
    請求項5に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  7. 前記ハンド機構を移動させる移動モードと、前記ハンド機構で前記作業を行う力モードとの間で制御モードを切り替える制御情報設定部をさらに備え、
    前記マスターハンド制御装置は、前記制御情報設定部で設定された前記制御モードに基づいて、前記スレーブ機構を制御する前記スレーブ機構用動作情報を前記スレーブハンド制御部に出力する、
    請求項〜6のいずれか1つに記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  8. 前記制御情報設定部で、前記移動モードと前記力モードとの間で前記制御モードを切り替えるとき、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置をリセットするために制御動作を一時的に停止させるリセットモードを設定するリセットモード設定部をさらに備える、
    請求項7に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  9. 前記動作情報生成部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の端縁から離れる方向へ前記スライド部が移動するほど前記生成力情報もしくは前記生成把持力情報が大きくなるように生成し、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記マスター機構の前記端部の前記端縁に近づく方向へ移動するほど前記生成力情報もしくは前記生成把持力情報が小さくなるように生成する、
    請求項5記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  10. 前記人が前記ハンド操作部を把持したときの前記人が加える力を取得する人力取得部をさらに備え、
    前記制御情報設定部は、前記人力取得部で取得した前記人の力と前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置とに応じて、前記ハンド操作部の機械インピーダンス値を設定するとともに、
    前記マスターハンド制御装置は、前記制御情報設定部で設定された前記機械インピーダンス値に基づいて、前記ハンド操作部を制御する、請求項7〜8のいずれか1つに記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  11. 前記制御情報設定部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が、前記スライド部が、前記マスター機構の前記端部の端縁から遠ざかる方向へ移動するほど、前記機械インピーダンス値の慣性の値が小さくなるように設定する、請求項10に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  12. 前記制御情報設定部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が前記マスター機構の前記端部の端縁から遠ざかる方向へ移動するほど、前記機械インピーダンス値の剛性の値が小さくなるように設定する、請求項10に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  13. 前記制御情報設定部は、前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置が前記マスター機構の前記端部の端縁から遠ざかる方向へ移動するほど、前記機械インピーダンス値の粘性の値が小さくなるように設定する、請求項10に記載のマスタースレーブ装置用マスター装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載のマスタースレーブ装置用マスター装置と、
    前記ハンド機構と、
    前記スレーブ機構とを備える、マスタースレーブ装置。
  15. 開閉動作により対象物を把持するハンド機構と、前記ハンド機構を有しかつ前記ハンド機構で前記対象物を把持して被対象物に対して作業を行うスレーブ機構とを備えるマスタースレーブ装置に備えられ、前記ハンド機構を操作するハンド操作機構と、前記ハンド操作機構を有して前記スレーブ機構を人が遠隔により操作するマスター機構とを有し、前記人が遠隔により前記マスター機構の前記ハンド操作機構を操作して、前記スレーブ機構の前記ハンド機構で前記対象物を把持して前記被対象物に対して作業を行わせるマスター装置の制御方法であって、
    前記ハンド操作機構は、前記人が操作する一対の開閉操作部を有するハンド操作部と、前記ハンド操作部が進退するスライド部とを有し、前記一対の開閉操作部が開位置と閉位置との間で開閉操作されて前記一対の開閉操作部の間の角度が変化して、前記ハンド機構の一対の開閉部材を開閉動作させる、マスタースレーブ装置用マスター装置の制御方法であって、
    前記スライド部が連結される前記マスター機構の端部に対する前記ハンド操作部の位置を、前記マスター機構の前記端部に連結された前記スライド部に対する前記ハンド操作部の前記位置として、スライド位置取得部で取得し、
    前記ハンド操作部の前記一対の開閉操作部での前記角度を開閉角度取得部で取得し、
    前記スライド部に対する前記ハンド操作部の位置又は前記一対の開閉操作部での前記角度に基づいて、前記ハンド機構を操作するスレーブ機構用動作情報を前記スレーブ機構にマスターハンド制御装置から出力する、マスタースレーブ装置用マスター装置の制御方法。
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