JPH08164807A - 衝突回避装置 - Google Patents

衝突回避装置

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JPH08164807A
JPH08164807A JP6308656A JP30865694A JPH08164807A JP H08164807 A JPH08164807 A JP H08164807A JP 6308656 A JP6308656 A JP 6308656A JP 30865694 A JP30865694 A JP 30865694A JP H08164807 A JPH08164807 A JP H08164807A
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JP
Japan
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force
vehicle
collision
impulse
manipulator
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JP6308656A
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English (en)
Inventor
Yuko Okada
祐子 岡田
Koji Kameshima
鉱二 亀島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】移動接近部材間の衝突及び衝突に伴い発生する
衝撃を実時間で計測又は予測し、衝突回避もしくは緩和
を可能にする操作支援装置を与える。 【構成】移動接近する部材に接触力を検出する力検出器
と力積演算装置を設けるか、または、接近速度の検出器
と部材の質量情報記憶装置と力積を予測演算する装置を
設け、力積値により接触時の衝撃の大きさを求める手段
と衝撃の大きさを表示する手段と衝撃を回避させる手段
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一方の部材に対して他方
の部材を移動接近させる際の衝突もしくは衝突を緩和さ
せることができる衝突回避装置に係り、特に、マスタス
レーブ形のマニピュレータ,車両等の衝突回避もしくは
緩和を可能にすることができる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一方の部材に対して他方の部材を移動接
近させるものとして、例えば遠隔地にある対象物を操作
するスレーブマニピュレータをマスタマニピュレータに
よって制御するものがある。このような遠隔操作アーム
における衝突防止及び接触時の操作性向上を目的とした
従来技術として、例えば、特開平3−287394 号公報に記
載されているアームの動作シミュレーションを行ってハ
ンドリング時のアームと対象物との衝突を回避する方法
がある。また、特開平4−146088 号公報に記載されてい
る、力制御手段からの指令値とマスタ運動検出器の検出
値よりマスタマニピュレータの予測運動値を推定し、こ
の推定値よりスレーブマニピュレータを制御してマニピ
ュレータの位相追従遅れを補償する方法や、特開平3−1
61289 号公報に記載されているインピーダンスとして求
めた作業対象物の動特性によりマスタマニピュレータの
操作感覚を変更する手法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マスタスレーブマニピ
ュレータを用いた作業に当たって、操作者は、スレーブ
マニピュレータと対象物との接触状況を監視しながらマ
スタマニピュレータの操作を行う必要がある。この監視
が不十分でスレーブマニピュレータと対象物に過大な衝
撃力を与えるような操作を行った場合、スレーブマニピ
ュレータ先端部のエンドエフェクタや対象物を損傷する
など、安全性,作業性に問題が生じる。
【0004】従来技術において、特開平3−287394 号公
報に記載の方法は、作業環境とマニピュレータモデルの
幾何学的関係を視覚を通じて操作者へ提示して操作支援
を行うものであり、操作中に作業対象物とスレーブマニ
ピュレータの間に発生する力の情報を操作者へ伝達する
ことができない。また、特開平4-146088号公報に記載の
方法は、マスタマニピュレータの予測運動値をスレーブ
マニピュレータへ伝達して制御するため、操作者の予測
に反してスレーブマニピュレータと作業対象物の間の接
触状態が変化するような場合に対応できない。さらに、
特開平3-161289号公報の手法では、インピーダンスを求
めるために正確なマニピュレータ動特性のモデルが必要
であり、またマニピュレータを制御するために与える目
標インピーダンスの設定基準が明確でない。
【0005】本発明は、このような状況を踏まえて、ス
レーブマニピュレータと作業対象物の間に発生する接触
時の力を計測もしくは予測し、計測した場合と予測した
場合の双方に共通の判断基準によりマニピュレータの移
動制御を行える操作支援装置を与えることを目的とす
る。さらにスレーブマニピュレータと対象物を操作する
場合と類似の状況である車両等の移動接近に対して、移
動接近部材間の衝突及び衝突に伴って発生する衝撃を作
業中に実時間で計測または予測し、その結果に基づいて
移動制御特性を修正し、また、衝突に係る予測状況を操
作者へ提示して、衝突回避もしくは緩和を可能にする操
作支援装置を与えることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、図1に示すように、移動接触する一方の
部材と他方の部材の相対速度を検出する検出器と、両部
材の質量等のデータを記憶しておく記憶装置と、前記速
度検出器から検出した速度と前記記憶装置から抽出した
質量とに基づいて両部材の接触時に発生する力積を予測
演算する演算装置と、予測演算した力積値に基づいて部
材の移動を制御する制御手段を備えてなることを特徴と
する。さらに、前記予測演算した力積値に基づいて接触
時の衝撃の大きさを求める演算手段と、衝撃の大きさを
表示する表示装置を備えてなることを特徴とする。
【0007】また本発明は、図2に示すように、移動接
触する部材の一方に他方の部材との接触力を検出する力
検出器と、力検出器で検出した力に基づいて力積を演算
する演算装置と、演算した力積値に基づいて部材の移動
を制御する制御手段を備えてなることを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成によれば、力検出器で検出した力と、
力を検出している時間との積によって部材の接触時に発
生する力積を計測できる。この力積値を衝突の微小時間
で割ったものが衝突時の衝撃力であり、予め部材の限界
衝撃力から求めた力積値と計測した力積値を比較して、
衝撃の大きさが判定できる。
【0009】また、力積は接触に伴う部材の運動量の変
化と同等である。即ち、部材Aの質量をm1,衝突前の
速度をv1,衝突後の速度をv1′,力積をI、また衝
突前後で質量が変化しないとすれば、
【0010】
【数1】I=m1v1′−m1v1 である。ここで、部材Bの質量をm2,衝突前の速度を
v2,衝突後の速度をv2′,部材Aと部材Bの間のは
ねかえり係数をeとし、衝突前後で両部材の質量が変化
しないとすれば、運動量保存則より次式が成立する。
【0011】
【数2】m1v1+m2v2=m1v1′+m2v2′ また、はねかえり係数は次式のように衝突前後の速度差
の比で表される。
【0012】
【数3】e=−(v1′−v2′)/(v1−v2) したがって、数2と数3より部材Aの衝突後の速度をv
1′は次式のように定まる。
【0013】
【数4】v1′=(m1−em2)v1/(m1+m2) +m2(1+e)v2/(m1+m2) ゆえに、数1と数4より力積Iは、部材Aと部材Bの、
衝突前の相対速度Vsを用いて
【0014】
【数5】 I=m1m2(1+e)(v2−v1)/(m1+m2) =m1m2(1+e)Vs/(m1+m2) として求めることができる。あるいは、0≦e≦1であ
るから最大力積として
【0015】
【数6】Imax=2m1m2Vs/(m1+m2) と見積もることができる。したがって、上記構成によれ
ば、両部材間の相対速度検出器で検出した相対速度と記
憶装置に記憶させた両部材の質量および両部材間のはね
かえり係数によって、衝突時の力積を予測演算できる。
そして、この予測した力積値を判定基準に用いて衝撃の
大きさを求めることができる。
【0016】このようにして得た衝撃の大きさに応じ
て、その結果を表示装置を通じて操作者へ伝達する、あ
るいは、衝撃を回避もしくは緩和するように移動制御の
制御パラメータを変えるなどの手段を取ることで、操作
の安全性,作業性の向上が図れる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0018】(実施例1)本発明をバイラテラル操作を
行うマスタスレーブマニピュレータの制御装置へ適用し
た実施例について説明する。
【0019】図3は本発明によりバイラテラル制御の力
帰還定数を修正する係数演算回路を備えたマスタスレー
ブマニピュレータ装置の構成図である。図3において、
101はマスタマニピュレータ、102はマスタマニピュ
レータ101を駆動するアクチュエータ、103はアク
チュエータ102の駆動回路、104はアクチュエータ
102の位置検出器、105はマスタマニピュレータ1
01の先端に操作者が加えた力Fmを検出する力検出
器、106は操作者が握るグリッパ、107はスレーブ
マニピュレータ、108はスレーブマニピュレータ10
7を駆動するアクチュエータ、109はアクチュエータ
108の駆動回路、110はアクチュエータ108の位
置検出器、111はスレーブマニピュレータの先端に作
業対象物から加わる力Fsを検出する力検出器、112
はエンドエフェクタ、113と114は力帰還比を定める
係数器、115は力積情報によって114の力帰還係数
を修正する係数演算器、116は操作者が加える力Fm
とスレーブマニピュレータに加わる対象物からの力Fs
を係数器113と114で定まる力帰還比で合成した力
Fに基づいてマスタマニピュレータとスレーブマニピュ
レータへの動作指令値を生成する演算部、117は作業
対象物である。また図4は、図3中の係数演算器115
の詳細ブロックを示したものである。
【0020】係数器113の定める力帰還係数をGm,
係数器114の定める力帰還係数をGsとすると、力帰
還比はGs/Gmであって、この力帰還比をある一定値
となるように定めることで一定の力帰還感覚を得る。こ
こで、Gs/Gmが大きければ対象物からの力に鋭敏に
反応するが発振しやすくなり、Gs/Gmが小さければ
対象物からの力に拘束されずにマスタマニピュレータを
動かせるが、スレーブマニピュレータのエンドエフェク
タと対象物との接触感覚がよくわからないという問題が
ある。そこで、作業開始前に作業対象物に応じて安定し
た操作ができるように定めたGs/Gmに対して、作業
対象物との接触後に、係数演算器115で力帰還係数を
修正演算する。係数演算器115は図4のブロック図に
示したように、まず、スレーブマニピュレータの力検出
器111で検出した力Fsを一定時間tの間積算して、
力積値Iを求める。その力積値Iを、あらかじめ定めて
ある力積最大値Imax と比較して、I>Imax のとき
は、スレーブマニピュレータの力帰還係数Gsを次式の
ように修正する。
【0021】
【数7】Gs′=(I/Imax)Gs このように修正すると、力帰還比Gs′/Gmで合成さ
れる力は次式のようになる。
【0022】
【数8】F′=FmGm−FsGs′ これは、次の式で表される元の力帰還比Gs/Gmで合
成された力
【0023】
【数9】F=FmGm−FsGs に対してF′<Fとなり、合成力に基づいて演算される
マスタマニピュレータとスレーブマニピュレータへの動
作指令値が小さくなる。したがって、操作者が、エンド
エフェクタ部に許容最大力積値を超える力積値を発生さ
せる操作を行った場合、同じ操作力に対する作業対象物
からの抗力が大きくなり、エンドエフェクタ部に対する
危険領域に入ったことがわかる。ここで、例えば操作力
を弱める操作を行えば、元の力帰還比Gs/Gmでの操
作領域に戻り、設定した力帰還での作業を続行できる。
【0024】図3では、力積情報よりスレーブマニピュ
レータの力帰還係数を修正する構成を示したが、例え
ば、マスタマニピュレータの力帰還係数を修正する、あ
るいは、動作指令値演算部116内で力帰還感覚を定め
る定数の変更演算を行うことも可能である。
【0025】(実施例2)本発明をユニラテラル操作を
行うマスタスレーブマニピュレータの制御装置へ適用し
た実施例について説明する。
【0026】図5は本発明によりマニピュレータの動作
指令値を修正する制御回路を用いてユニラテラル操作を
行うマスタスレーブマニピュレータ装置のブロック図。
図5において、116aはマスタマニピュレータの先端
に操作者が加えた力Fmからマスタマニピュレータへの
位置指令値を生成する演算部、116bはマスタマニピ
ュレータの位置からスレーブマニピュレータへの位置指
令値を生成する演算部、116cはスレーブマニピュレ
ータへの位置指令値からマスタマニピュレータへの位置
指令値を生成する演算部、118はスレーブマニピュレ
ータ先端で検出した力Fsより力積を演算してマスタマ
ニピュレータとスレーブマニピュレータへの位置指令値
を修正する演算器である。また、sw1は演算器118
の結果に応じてスレーブマニピュレータへの位置指令値
を切り替えるスイッチ回路部、sw2はスイッチ回路部
sw1と連動してマスタマニピュレータへの位置指令値
を切り替えるスイッチ回路部である。また図6は、図5
中の演算器118の詳細ブロックを示したものである。
【0027】スレーブマニピュレータは、マスタマニピ
ュレータの位置から生成された位置指令値Xsrefと位置
検出器110で検出した現在値Xsの位置サーボで駆動
される。修正演算器118は、図6に示したブロック図
に従ってスレーブマニピュレータの力検出器111で検
出した力Fsから位置指令値XsrefをXsref′へ修正す
る。まず、力Fsを一定時間tの間積算して、力積値I
を求める。その力積値Iを、あらかじめ定めてある力積
最大値Imax と比較する。IとImax の偏差をΔIとし
て、ΔI>0、即ち、IがImax を超えたときは,ΔI
を補償するようにエンドエフェクタ部を動作させるため
に次の補償演算を行う。エンドエフェクタ部の集中質量
をMs、エンドエフェクタ部の速度をVsとして、運動
量と力積の関係から次式を満たすようなVs′を求め
る。
【0028】
【数10】ΔI=MsVs−MsVs′
【0029】
【数11】∴Vs′=ΔI/Ms+Vs そして、このVs′を積分して求めた位置
【0030】
【数12】Xsref′=∫Vs′dt をXsrefに代わる新たな位置指令値として位置サーボを
かける。それと同時に、マスタマニピュレータへの位置
指令値XmrefをXsref′から位置指令値生成演算部11
6cを経て生成される位置指令値Xmref′へ切り替え、
マスタマニピュレータの位置を、マスタマニピュレータ
の操作によるエンドエフェクタの位置が許容力積値の範
囲になるところまで、自動的に補正する。補正後は、再
び操作者が加えた力Fmから生成される位置指令値に基
づく制御に戻る。このようにすることで、ユニラテラル
操作であってもエンドエフェクタ部に対する危険領域を
回避することができ、またマスタマニピュレータの自動
補正の動作によって操作者へ視覚によらずに危険領域回
避を伝達でき、回避後には自動補正前に矛盾なく操作を
続行できる。
【0031】前述では単にエンドエフェクタ部に対して
危険領域回避を行ったのみであったが、例えば作業対象
物の各部位ごとに単位時間当たりの許容最大力積パター
ンを作成しておくこともできる。このとき、作業対象物
の位置計測手段を設け、作業対象物の計測位置からその
部位における許容最大力積パターンを参照することで、
ユニラテラルであっても、作業遂行に必要な力を作業対
象物へ与える制御も可能である。
【0032】(実施例3)ついで、上記実施例における
力積を、スレーブマニピュレータと作業対象物との接触
後に検出器で検出した力より求める代わりに、速度検出
器より検出した接触前の速度より予測する場合の実施例
を説明する。図7は予測力積を利用してマニピュレータ
の動作指令値を修正してユニラテラル操作を行うマスタ
スレーブマニピュレータ装置のブロック図である。図7
において、110aはスレーブマニピュレータのアクチ
ュエータ108の位置検出器、110bはスレーブマニ
ピュレータのアクチュエータ108の速度検出器、11
9は速度検出器110bで検出した速度Vsから、作業
対象物との接触後に発生する力積を予測し、実施例2で
述べた危険領域回避の位置指令値を生成する演算部であ
る。また図8は、図7中の演算部119のブロックを示
したものである。
【0033】本制御装置は、操作者がマスタマニピュレ
ータへ加えた力に基づいて求めたスレーブマニピュレー
タとマスタマニピュレータへの位置指令値を、スイッチ
回路部sw1とsw1に連動して切り替わるスイッチ回
路部sw2の切り替えに応じて、力積予測から求めた位
置指令値へ切り替えて制御する。エンドエフェクタ部の
集中質量をMs,速度検出器110bで検出した時刻t
の速度をd(Xs)/dt,d(Xs)/dtをエンドエフ
ェクタ部の速度へ換算した速度をVs、また時刻t+Δ
tのエンドエフェクタ部の速度をVs+ΔVs,時刻t
+Δtのエンドエフェクタ部の力積をIと仮定すれば、
運動量と力積の関係から次式が成立する。
【0034】
【数13】I=Ms(Vs+ΔVs)−MsVs ここで、時間Δtの間にエンドエフェクタ部へ加わる力
が一定値Fsであったとすれば、
【0035】
【数14】I=FsΔt であるから数13と数14から次式が成立する。
【0036】
【数15】FsΔt=MsΔVs したがって、作業対象物に対してΔtの間にかける力を
Fsrefにしたい場合には、時刻tの速度Vsに対して速
度の増分ΔVsを
【0037】
【数16】ΔVs=FsrefΔt/Ms として制御すれば良い。即ち、時刻t+Δtのエンドエ
フェクタの目標速度Vsref′を
【0038】
【数17】Vsref′=Vs+FsrefΔt/Ms として求め、目標速度Vsref′の積分値を時刻t+Δt
の目標位置として各サンプリング時間における位置指令
値Xsref′を定めて位置サーボをかける。このようにす
ることで、スレーブマニピュレータに力検出器を設けな
くとも、実施例2で述べたのと同様な効果が得られる。
【0039】以上の実施例では、力と運動量の関係を示
す力積を操作性評価と制御特性修正基準として用いると
して説明したが、本発明は力と運動量の関係を用いるこ
とに限定するものではなく、トルクと角運動量に対する
同等の関係を用いることによっても実現できる。
【0040】(実施例4)次に本発明を自動車車両の衝
突回避装置へ適用した実施例について説明する。
【0041】図9に本実施例のブロック図を示す。この
図において、201は本衝突回避装置を搭載した自動車
車両、202はTVカメラ、203は自車の車体セン
サ、204はTVカメラと車体センサの情報より自車車
両と他車車両の相対速度等の相対運動情報を検出する運
動検出装置、205はTVカメラの情報より他車車両の
車両情報を認識する車両認識装置、206は車両の質
量,限界衝撃力などに関する情報を記憶してある車両情
報記憶装置、207は運動検出装置で検出した情報と車
両情報記憶装置から抽出した記憶情報より自車車両と他
車車両の衝突時に発生する力積等を予測演算する衝突予
測演算装置、208は予測演算した結果に基づいて衝突
回避を誘導する誘導装置、209は誘導情報を操作者へ
提示する表示装置、210はブレーキ,サスペンション
等の車体制動装置、211はエアバック等の安全装置で
ある。
【0042】まず自車車両の周囲に位置する他車車両を
TVカメラ202で監視し、その映像情報を車両認識装
置205へ入力する。車両認識装置205は、入力され
た映像情報を基に対象他車車両の車種及び荷物の積載状
況などを識別する。そして、識別した車種に応じて車両
記憶装置206から力積予測演算に必要な質量等のデー
タを抽出して衝突予測演算装置207へ入力する。他
方、運動検出装置204は、入力されたTVカメラ20
2の映像の時間変化や自車の速度等の車体センサ203
の情報に基づいて自車車両と他車車両との車間距離L,
相対速度Vcを検出して衝突予測演算装置207へ入力
する。
【0043】衝突予測演算装置207は、図10に示す
ブロック図に従って衝突時に発生する力積を予測演算す
る。運動検出装置204へ入力された相対速度Vcの微
小時間変化より相対加速度αを求め、αと車間距離Lか
ら対象他車との接触時の相対速度Vsを予測する。
【0044】
【数18】Vs=√(2αL) ついで、車両記憶装置206から抽出した自車車両の質
量をm1,他車車両の質量をm2,衝突のはねかえり係
数をeとすれば、衝突時に発生する力積の大きさは数5
より
【0045】
【数19】I=m1m2(1+e)Vs/(m1+m2) または数6より最大力積として
【0046】
【数20】Imax =2m1m2Vs/(m1+m2) と見積もることができる。また衝突前の自車車両の速度
がV1であったとすれば、力積値を用いて衝突後の自車
車両の速度V1′は次式のように予測できる。
【0047】
【数21】V1′=I/m1+V1 この予測結果を誘導装置へ入力して、予測力積,予測速
度に応じて回避処理を誘導する。誘導装置は、衝突回避
のための処理選択を表示装置を介して操作者へ提示する
と共に、停車時に自車車両のブレーキ力が弱く玉突き衝
突を起こしてしまうような場合には、直接車体制動装置
へ指令を出しブレーキの制動力を変化させて衝突を回避
するなどの処理を行う。あるいは、安全装置を駆動させ
て衝撃緩和を行う。表示装置は衝突予測演算装置で予測
した衝突状況の情報や誘導装置により誘導された回避処
理情報などをディスプレイ,警報等を通じて操作者へ伝
達する。また、車体制動装置はブレーキの制動力を変化
させる、サスペンションの振動緩衝効果を変化させる、
などの車体制御を行う。
【0048】このように、力積を利用することで、衝突
状況を予測でき運転の安全性を高めることができる。
【0049】(実施例5)次に本発明を鉄道車両の踏切
内衝突回避装置へ適用した実施例について説明する。
【0050】図9は鉄道車両の踏切内衝突回避装置のブ
ロック図である。図において、301は踏切に設置した監
視カメラ、302は踏切への侵入物を認識する侵入物認
識装置、303は侵入物の種別に応じた衝撃に係る情報
を記憶する侵入物情報記憶装置、304は侵入物の運動
を検出する侵入物運動検出装置、305は踏切識別信号
発生器、306aは侵入物情報記憶装置の出力と侵入物
運動検出装置踏切の出力と踏切位置識別信号を鉄道車両
へ伝達する発信機、306bは鉄道車両からの警告情報
の受信機、307は踏切内の侵入物に警告する警報装
置、308aは踏切側へ警告情報を発信する鉄道車両側
の発信機、308bは踏切側の発信機306bから発信され
た情報を受信する鉄道車両側の受信機、309は鉄道車
両の速度等の運動を検出する車体センサ、310は車両
の質量等の情報を記憶してある車両情報記憶装置、31
1は路線内の踏切の位置等を記憶してある踏切情報記憶
装置、312は踏切側から受信した侵入物に関する情報
及び車体センサと車両情報記憶装置と踏切情報記憶装置
から抽出した情報より衝突時に発生する力積等を予測演
算する衝突予測演算装置、313は予測した結果に基づ
いて衝突回避を誘導する誘導装置、314は誘導情報を
操作者へ提示する表示装置、315は鉄道車両の安全装
置である。
【0051】本衝突回避装置は、まず踏切に設置した監
視カメラで踏切内への侵入物を撮像する。そしてその映
像情報に基づいて、侵入物認識装置で侵入物が歩行者か
二輪車か小型自動車か大型自動車か等の識別を行う。さ
らに識別結果に応じて侵入物情報記憶装置から衝突予測
演算に必要な質量等の情報を抽出する。また、侵入物運
動検出装置で侵入物が停止しているか移動しているか等
の運動状態を検出し、侵入物情報記憶装置から抽出した
情報並びに踏切識別信号と合わせて、発信機から鉄道車
両側へ伝達する。鉄道車両側は、受信した侵入物に関す
る情報と、受信した踏切識別信号に基づいて踏切情報記
憶装置から抽出した踏切情報と、車体センサで検出した
鉄道車両の速度等の運動情報と、車両情報記憶装置内の
情報を衝突予測演算装置へ入力する。
【0052】衝突予測演算装置は、入力された情報よ
り、侵入物のある踏切へ到達するまでの時間,踏切通過
予定速度等を求め、鉄道車両情報と踏切側で識別した侵
入物に対する侵入物情報から衝突に係る力積値を予測演
算する。その予測演算ブロック図の例を図10と図11
に示す。図11は図10中の演算ブロック316の詳細
を示したものである。いま、鉄道の速度が一定値Vt,
踏切までの距離がLであるとすれば、踏切到達までの時
間tcは
【0053】
【数22】tc=L/Vt であり、また踏切内侵入物の移動速度がVd,対象とす
る踏切の幅がWであるとすれば、侵入物が踏切を横断す
るのに要する時間tdは
【0054】
【数23】td=W/Vd である。そこで、tcとtdを比較して、td≧tcの
ときは鉄道と踏切侵入物とが衝突する可能性があると判
断して、図11に示した予測演算を行う。まず、踏切通
過時の鉄道車両の速度がVt,鉄道車両の質量がmt,
踏切内侵入物の質量がmdであるとすれば、数6より衝
突時の最大力積Imax は
【0055】
【数24】Imax =2mdmtVt/(md+mt) と求まる。この予測力積値から前述の自動車車両の衝突
と同様に衝突時の衝撃の大きさを予測する。また、衝突
回避のために緊急減速を行った場合の力積値を求め、緊
急減速に伴う衝撃の大きさを予測する。減速後の速度を
Vt′,VtからVt′への変化に要する時間をtとす
れば、減速に伴う力積It′は
【0056】
【数25】It′=mtVt′−mtVt であり、減速中にIt′/tの力が鉄道車両内に発生す
ることが予測できる。これらの予測結果を誘導装置へ入
力して回避処理を誘導する。誘導装置は、衝突予測演算
装置で得た予測結果を表示装置を介して運転者へ伝達
し、また鉄道車両の安全装置へ駆動指令を伝達する。さ
らに、踏切側へ警告信号を送り、例えば脱輪した自動車
を動かそうとしている運転者へ踏切外への脱出を促すな
どの警告処理を行う。
【0057】以上は、本発明を鉄道車両の踏切内衝突回
避へ適用した実施例であるが、監視カメラを鉄道車両あ
るいは路線上などへ設置することで、踏切以外の路線上
での異物との衝突回避も行える。また、鉄道車両の認識
と鉄道車両情報を記憶しておくことで、前述した自動車
車両間の衝突回避と同様に鉄道車両間の衝突回避にも適
用できる。
【0058】(実施例6)次に本発明を車両の連結作業
支援装置へ適用した実施例について説明する。
【0059】図12は、鉄道車両の連結作業支援装置の
ブロック図である。この図において、401は本連結作
業支援装置を搭載した連結車両、402は車両の連結
器、403は連結器にかかる力を検出する力検出器、4
04は車両の速度検出器、405は車両連結に関する情
報を記憶しておく車両情報記憶装置、406は連結時の
衝撃に基づいて車両速度を修正する速度修正演算器、4
07は連結車両の制動装置である。また、図13は図1
2の速度修正演算器のブロック図である。
【0060】以下に連結作業支援装置の詳細を説明す
る。連結作業時に微小時間tの間連結器にかかる力Fを
力検出器403で計測する。ついで、この力Fと微小時
間tの積で定まる力積Iと、予め車両情報記憶装置に記
憶させた連結時の最適力積値Imem との偏差ΔIを求め
る。そして、数1によりΔIを保証する連結車両の移動
速度を求める。すなわち、速度検出器404で検出した
現在の速度をV,車両情報記憶装置から得た連結車両に
質量をmとして、
【0061】
【数26】ΔI=mV′−mV
【0062】
【数27】∴V′=ΔI/m+V を満たすV′を求める。そして、このV′を速度指令値
として連結車両の速度を制御する。このようにすること
で、連結作業時に、連結器どうしの結合に必要な最小限
の力で連結を行ない、連結を待つ客車へ与える衝撃を抑
える効果が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、移動接近する部材に対
して実時間で接触に伴う衝撃の大きさを計測もしくは予
測して、部材の衝突を回避もしくは緩和することがで
き、移動接近作業の安全性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】予測力積による制御装置のブロック図。
【図2】計測した衝撃力より力積を求める制御装置のブ
ロック図。
【図3】実施例1のバイラテラル制御マスタスレーブマ
ニピュレータ装置のブロック図。
【図4】バイラテラル制御の力帰還定数修正用の係数演
算回路のブロック図。
【図5】実施例2のユニラテラル制御マスタスレーブマ
ニピュレータ装置のブロック図。
【図6】計測力積によるマニピュレータ動作指令値修正
回路のブロック図。
【図7】実施例2のユニラテラル制御マスタスレーブマ
ニピュレータ装置のブロック図。
【図8】予測力積によるマニピュレータ動作指令値修正
回路ブロック図。
【図9】自動車車両衝突回避装置のブロック図。
【図10】図7の自動車車両衝突回避装置の衝突予測演
算ブロック図。
【図11】鉄道車両衝突回避装置のブロック図。
【図12】図9の鉄道車両衝突回避装置の衝突予測演算
のブロック図。
【図13】図10の衝突予測演算のブロック図。
【図14】鉄道車両連結作業支援装置のブロック図。
【図15】鉄道車両連結作業支援装置の車両速度修正演
算のブロック図。
【符号の説明】
201…自動車車両、202…TVカメラ、203…車
体センサ、204…運動検出装置、205…車両認識装
置、206…車両情報記憶装置、207…衝突予測演算
装置、208…誘導装置、209…表示装置、210…
車体制動装置、211…安全装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の部材に対して他方の部材を移動接近
    させるものにおいて、前記他方の部材に設けられ、前記
    他方の部材の前記一方の部材に対する接触力を検出する
    力検出器と、前記力検出器で検出した力の値に基づいて
    力積値を演算する演算手段と、前記演算手段で求めた力
    積値により、前記他方の部材の移動を制御する制御手段
    とを備えたことを特徴とする衝突回避装置。
JP6308656A 1994-12-13 1994-12-13 衝突回避装置 Pending JPH08164807A (ja)

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