JP2016045646A - 集合住宅居住者の安否確認支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】災害発生時における集合住宅居住者の安否確認を正確かつ迅速に行う。
【解決手段】入退出コントローラ4と、パソコン14と、各居室22に設置され、各居室22に居住者が在室しているか否かを確認する在室確認用スイッチ22Dとを備え、パソコン14は在室データ、居住者データ及び優先度データを記憶する記憶装置17並びに居室22毎に安否確認を行なう優先度を設定する制御装置16を含み、災害が発生したとき、制御装置16は入退室コントローラ4に各居室22の居住者の在室確認を依頼し、入退室コントローラ4は、依頼を受けて在室確認用スイッチ22Dの操作状態から居住者の在宅データを取得して制御装置16に出力し、制御装置16は入退室コントローラ4から入力された在宅データに基づいて居住者の在・不在を判定し、居住者データ及び優先度データから居室22単位で安否確認を行なう優先度を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、集合住宅居住者の安否確認支援システムに係り、さらに詳しくは、災害発生時における集合住宅居住者の安否確認を正確かつ迅速に実施できるようにするための安否確認支援システムに関する。
この種の技術として、例えば、特開2006−323719号公報(特許文献1)に開示された技術が公知である。この技術は、とくに災害時等において、会社内等の所定の場所への入退場者の安否を確実に確認できるようにするためのものである。この技術では、認証端末が入退場者のICカードに登録された登録情報を用いて、入退場管理の対象者の入退場記録を更新し、災害時等に第1確認部が入場の記録があって退場の記録がない不明候補対象者を抽出し、抽出された対象者の顔情報を、出口画像から取得した顔情報と照合し、不明候補対象者のうち退場を確認できない対象者を抽出し、第2確認部が抽出された対象者を安否不明者と認定するようになっている。
特開2006−323719号公報
前記特許文献1記載の技術では、IDカードによる個人認証と、監視カメラの画像データとを利用して、安否不明者を高い精度で特定している。この方式は、会社従業員などのように、特定の箇所を特定の人間が利用する場合の安否確認には適しているが、集合住宅における居住者の安否確認では、要所に監視カメラを設置し、顔画像を認証する必要があるため、認証を行うための構成が複雑となり、適したものではない。
また、集合住宅における居住者に対する安否確認は、集合住宅の役員が各居室へ訪問して確認するのが一般的であることと、予め登録された要救護者に対し、集合住宅の自治会へ避難支援を依頼している地方自治体が存在するため、特許文献1記載の技術を集合住宅の各居室の安否確認に活用することはできない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、災害発生時における集合住宅居住者の安否確認を正確かつ迅速に行えるようにすることにある。
前記解決するため、本発明は、集合住宅の入退出を制御する入退出コントローラと、前記入退出コントローラに接続されるパーソナルコンピュータと、各居室に設置され、前記集合住宅の各居室に居住者が在室しているか否かを確認するための在室確認用スイッチと、を備えた集合住宅の居住者の安否確認支援システムであって、前記パーソナルコンピュータは、在室データ、居住者データ及び優先度データを記憶する記憶装置、並びに居室毎に安否確認を行なう優先度を設定する制御装置を含み、災害が発生したとき、前記制御装置は前記入退室コントローラに各居室の居住者の在室確認を依頼し、前記入退室コントローラは、前記依頼を受けて前記在室確認用スイッチの操作状態から居住者の在宅データを取得して前記制御装置に出力し、前記制御装置は、前記入退室コントローラから入力された前記在宅データに基づいて居住者の在・不在を判定し、前記居住者データ及び前記優先度データから予め設定された複数の居室単位で安否確認を行なう優先度を設定することを特徴とする。なお、前記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
本発明によれば、災害発生時において、集合住宅居住者の在宅及び不在の情報を正確に取得することが可能となり、居住者の安否確認を正確かつ迅速に行うことができる。
本発明の実施形態に係る集合住宅居住者の安否確認支援システムのシステム構成を示すブロック図である。 図1に示す記憶部の居住者データ格納部に格納される世帯情報テーブルを示す図である。 図1に示す記憶部の優先度データテーブルに格納される優先度データを示す図である。 本発明の実施形態に係る集合住宅居住者の安否確認支援システムにおける支援処理の処理手順を示すフローチャートである。 図4のフローチャートのステップS9及びS10で作成される要救護者リストの一例を示す図である。 図4のフローチャートのステップS11で作成される安否確認リストの一例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る集合住宅居住者の安否確認支援システムのシステム構成を示すブロック図である。同図において、安否確認支援システムは、集合住宅1、この集合住宅1の入退出を制御する入退出コントローラ4、及びパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と称す。)14から基本的に構成されている。
集合住宅1は、共用部玄関2、エントランスホール6、エレベータELの昇降路6A、階段6B、各階床の居室22を備えている。共用部玄関2は、集合住宅1の共用部の入口であり、この共用部玄関2には読取装置3Aを備えるカードリーグ3が設けられている。この読取装置3Aが図示しないIDカードに記憶されている識別コードを読み取り、この識別コードが入退出コントローラ4の記憶部5に記憶されていると、共用部玄関2とエントランスホール6の間に設けた自動ドア7を開放させる。これにより、集合住宅1へ居住者以外の入館を制限し、セキュリティが確保されことになる。
自動ドア7からエントランスホール6に入ると、エレベータ昇降路6Aを昇降する図示しないエレベータELあるいは階段室6Bを利用して、所望の階床へ移動することができる。入退出コントローラ4は、集合住宅1の図示しない管理人室等に設置され、CPU8、記憶部5、ドア制御装置9、入力装置10、及び入出力装置11を少なくとも備えている。記憶部5、ドア制御装置9、入力装置10、及び入出力装置11は、それぞれCPU8に接続されている。
記憶部5は、識別データ格納部5A、入館履歴データ格納部5B及び在室データ格納部5Cを含む。識別データ格納部5Aは、集合住宅1の居住者が個々に保有する図示しないIDカードの識別コードを記憶する。入館履歴データ格納部5Bは、集合住宅1の居住者が保有する図示しないIDカードをカードリーグ3に翳し、読取装置3Aが読み取った図示しないIDカードの識別コード、及び読取装置3Aが読み取った時刻を記憶する。在室データ格納部5Cは、集合住宅1の居住者が後述する在室確認用スイッチ22Dを操作した時刻と居室番号を記憶する。
入力装置10は、読取装置3Aが読み取った図示しないIDカードの識別コードをCPU8へ出力し、CPU8では予め格納したプログラムに基づき、入館履歴データ格納部5Bへの記憶処理を行う。CPU8は、入力装置10から送信された認識コードが識別データ格納部5Aに予め格納されているかどうかを判定し、予め格納されている認識コードと判定したとき、ドア制御装置9に開許可信号を与える。この開許可信号を受けたドア制御装置9からドア駆動装置12に開指令信号が与えられ、またエントランスホール6の天井部設けたセンサ13が人を検出したときの出力信号がドア駆動装置12に与えられたとき、ドア駆動装置12が作動して自動ドア7を開放する。ドア制御装置9は、自動ドア7の開放から所定時間が経過すると、ドア駆動装置12ヘドア閉信号を出力する。
入出力装置11は、入退出コントローラ4とパーソナルコンピュータ14(以下パソコン14と記す)を接続し、入退出コントローラ4とパソコンTL 4との間で情報の送受信を行う。パソコン14は、入出力ポート15、制御装置16、記憶装置17、入力部18、表示部19及び出力ボート21を備えている。入出力ポート15は、入退出コントローラ4の入出力装置11に接続され、制御装置16は、この入出力ポート15に接続されている。記憶装置17は、在室データ格納部17A、居住者データ格納部17B、優先度データテーブル17Cから構成されている。入力部18は、図示しないキーボードあるいはマウス等で構成される。表示部19はいわゆるディスプレイであり、キーボードあるいはマウスなどとともにユーザインターフェイスとして機能する。出力ポート21は、印字出力するためのプリンタ20と着脱自在に接続するためのものである。記憶装置17、入力部18、表示部19及び出力ボート21は、それぞれ制御装置16に接続されている。
制御装置16は、安否確認要否設定部16Aと優先情報設定部16Bを備えている。安否確認要否設定部16Aは、入力部18から予め定められたIDとパスワードを入力すると起動可能となり、集合住宅1の居室22毎に安否確認の要否を設定する。優先情報設定部16Bは、集合住宅1の居室22毎に安否確認を行なう優先度を設定する。在室データ格納部17Aは、入力部18の所定の操作によって制御装置16から出力する指令信号を受けて、入退出コントローラ4の在室データ格納部5Cから集合住宅1の居住者が後述する在室確認用スイッチ22Dを操作した時刻と居室番号から、居室22の在室情報を取得し、それらを在室情報として格納する。また、居住者データ格納部17Bは、集合住宅1の居住者に対する居室22毎の情報を記憶し、優先度データテーブル17Cは集合住宅1の居室22毎に安否確認を行なう優先度を設定するためのものである。
集合住宅1の共用部玄関2およびエントランスホール6とは別に、集合住宅1の専有部である2階には、201号室を含めて複数の居室22が設けられている。201号の居室22は、扉22A、電気錠22B、カードリーグ22C及び電気錠制御部23が設置されている。扉22Aは玄関に設けられた扉であり、電気錠22Bは扉22Aの施解錠を行う。カードリーダ22Cは、扉22Aの近傍に設けられ、電気錠制御部23は、カードリーグ22Cで読み込んだIDカードの認識コードが、201号の居室22の扉22Aの電気錠22Bにおける解錠許可条件に合致するとき電気錠22Bへ施解錠信号を出力する。
居室201号室(22)には、在室確認用スイッチ22D及びランプ22Eが設けられている。在室確認用スイッチ22Dは、操作時刻と居室番号で構成される居室22の在室情報を、電気錠制御部23を介して入退室コントローラ4へ出力する。ランプ22Eは、入退室コントローラ4に接続したパソコン14の制御装置16あるいは入退室コントローラ4のCPU8の指令信号によって点灯制御される。ここで、在室確認用スイッチ22Dとランプ22Eは集合住宅1の全居室22に設けられる。
図2は、記憶装置17の居住者データ格納部17Bに格納される世帯情報テーブル24を示す図である。世帯情報テーブル24は居住者の居室22毎の情報をテーブル化したものである。
世帯情報テーブル24は、居室番号24A、認識コード24B、居室者氏名24C、生年月日24D及び要救護者24Fの各情報を示す列を有し、居室番号24A毎に前記各情報24B,24C,24D,24Fが記録されている。このうち、居室番号24Aは、各階の居室22の番号である。認識コード24Bは、居室22毎に配布されて自動ドア7を開放するために使用されるIDカードに付された全ての認識コードである。居室者氏名24Cは、居室22毎に居住する居室者の氏名であり、世帯主が上位に記載される。生年月日24Dは、居住者氏名に対応する当該居住者の生年月日であり、性別24Eはその居住者氏名に対応する男性、女性の別である。要救護者24Fは、居住者氏名に対応して市役所等の自治体へ災害時の要救護者として登録した者か、要介護者か、障害者かを特定するために記入される。
例えば、居室番号24Aが207の207号室では、IDカードが4枚配布され、それらの認識コード24Bは「aag001」、「aag002」、「aag003」、「aag004」で、居住者氏名24Cは「×X○○」の居室者は独り暮らしで、生年月日24Dは1940年03月15日の73歳で、性別24Eは女性であることを示している。また、居室番号24Aが201の201号室では、居室者氏名24Cが「○○△○」である居室者は、生年月日24Dは2005年01月08日の8歳で小学生の女の子であることを示している。居室番号24Aが203の203号室では、居室氏名24Cが「△○△○」である居室者は、生年月目24Dが1940年08月12日の73歳の女性で、要救護者24Fが「要」となっており、避難時に介添えを必要としていることを示している。居室番号24Aが204の204号室では、居室氏名24Cが「×○△○」の居室者は、生年月日24Dが2010年11月14日の3歳の女の子で未就学の幼児であることを示している。居室番号24Aが202と207の居室22には、単身者が居住していることがわかる。この世帯情報テーブル24は、集合住宅1の自治会の役員あるいは管理人が、居住者の入居や退居の都度に、パソコン14を起動して更新される。また、認識コード24Bは居室番号24Aを特定するためのもので、防犯上重要なる情報であり、表記しないのが通常である。
図3は記憶部17の優先度データテーブル17Cに格納される優先度データを示す図である。優先度は、地震等の災害発生後に実施され、集合住宅1の各居室22の安否確認に対する優先順位を示すものである。優先度データテーブル17Cは、世帯条件25A、優先度25B及び安否確認行動25Cの列を有し、世帯条件25Aである居住者の年齢や要救護の有無により安否確認の優先度が決められている。世帯条件25Aは、要救護者が居住する要救護者世帯25a、65歳以上の単身世帯25b、65歳以下の単身世帯25c、就学前の乳幼児が居住する同居世帯25d、小学生が居住する同居世帯25e、65歳以上が居住する同居世帯25f、及びそれ以外の65歳以下の同居世帯25gに区別されている。
要救護者世帯25aは優先度25Bが一番目の「1」に設定され、65歳以上の単身世帯25bと就学前の乳幼児が居住する同居世帯25dは優先度25Bが二番目の「2」に設定されている。65歳以上が居住する同居世帯25fは優先度25Bが三番目の「3」に設定されている。また小学生が居住する同居世帯25eは小学生が在宅している休日と平目の17:00〜8:00の時間帯に関して優先度25Bが三番目の「3」に設定され、それ以外の時間帯に関しては小学生が登校して不在であるので、優先度25Bが四番目の「4」に設定されている。65歳以下の単身世帯25cとそれ以外の同居世帯25gは優先度25Bが四番目の「4」に設定されている。
安否確認行動25Cは、居住者の在・不在の判定による安否確認行動の初動確認を示すもので、優先度25Bが一番目の「1」では、居住者の在・不在にかかわらず図示しないマスターキー等で入室し、要救護者の避難支援が実施される「入室し避難支援」の文言が設定されている。また、優先度25Bが二番目の「2」においては、居住者が在宅と判定した場合、安全を再確認する意味で安否確認行動25Cは「インターフォンで確認」の文言が設定されると共に、居住者が不在と判定した場合、図示しないマスターキー等で入室して居住者を目視にて確認される「入室し確認」の文言が設定されている。
優先度25Bが三番目の「3」では、居住者が在宅と判定した場合、安全であろうと判断し、安否確認行動25Cは「確認済」の文言が設定され、居住者が不在と判定した場合、在宅を再確認する意味で安否確認行動25Cは「インターフォンで確認」の文言が設定されている。さらに、優先度25Bが四番目の「4」では、居住者が在宅と判定した場合、安全であろうと判断し、安否確認行動25Cは「確認済」の文言が設定され、居住者が不在と判定した場合、集合住宅1以外の場所に外出しており安否確認不要と判断し、安否確認行動25Cは「不要」の文言が設定されている。この優先度データテーブル17Cに示すように、本実施形態における居住者安否の初動確認は、優先度25Bの「1」〜「4」に応じた行動を指示するものである。
図4は、このように構成される集合住宅居住者の安否確認支援システムにおける支援処理の処理手順を示すフローチャートである。
例えば災害である地震が発生し、集合住宅1の居住者に対する安否確認を実施するとき、集合住宅1の防災担当役員は、図示しない管理人室へ入室し、設置されている入退出コントローラ4の入出力装置11にパソコン14を接続し、パソコン14の電源を投入してパソコン14を立ち上げる。そして、パソコン14の図示しないメニュー画面から安否確認を選択する(ステップS1)。
この選択によりIDとパスワードの入力画面が表示部19に表示される。そこで、予め定めたIDとパスワードを入力部18から入力すると(ステップS2)、パソコン14に格納されている安否確認支援システムが起動する(ステップS3)。本実施形態における安否確認支援システムは、個人情報を取り扱うことからIDとパスワードが合致しないと起動できないように設定されている。
安否確認支援システムが起動した後、防災担当役員は、この安否確認支援システムの起動に伴ってパソコン14の表示部19に表示される災害発生日時画面へ発生日時を入力部18から入力する(ステップS4)。発生日時は、例えば、地震発生日時である2013年09月30日、月曜日、19:30である。この日時の入力により制御装置16は、入退出コントローラ4の入出力装置11を介し、CPU8に対して在室確認依頼処理を出力する。この出力により、入出力装置11と電気錠制御部23を介して、201号室の在室確認用スイッチ22Dを有効にし、また、ランプ22Eを点滅させ201号室の居住者に対して、在室確認の情報提供である在室確認用スイッチ22Dの操作を促す(ステップS5)。ランプ22Eの点滅に気付いた201号室22の居住者は、在室確認用スイッチ22Dを操作する。ここで、集合住宅1の2階の居室番号201〜207で、在室確認用スイッチ22Dを操作した居室22は、201号室、204号室、206号室とする。
電気錠制御部23は、在室確認用スイッチ22が操作された時刻及びその居室番号で構成される居室22の在室情報を、入退出コントローラ4の入出力装置11へ送信する。入退出コントローラ4のCPU8は、電気錠制御部23から送信された居室22の在室情報を在室データ格納部5Cへ一旦格納する(ステップS6)。ここで、在室情報として在室データ格納部5Cへ格納された在室確認用スイッチ22Dを操作した居室(例えば201号室、204号室、206号室)22に対し、CPU8は、入出力装置11を介して電気錠制御部23ヘランプ22Eの点灯信号を送信し、ランプ22Eを点滅から点灯状態に切り替える。
制御装置16は、ステップS4にて災害発生日時入力からの時間が30分経過したかを計測し(ステップS7)、30分未満の場合はステップS6の居室22の在室情報が入退出コントローラ4の在室データ格納部5Cへ格納され、30分が経過すると、パソコン14の表示部19に「在室情報格納完了」と表示する。
次に、防災担当役員は、表示部19の「在室情報格納完了」を確認すると、入力部18からの入力によって安否確認要否設定部16Aが起動される。安否確認要否設定部16Aは、在室データ格納部5Cに格納された居室22の在室情報を在室データ格納部17Aへ格納するとともに、在室データ格納部17Aに在室情報が格納されている居室22を在室(2階の居室22では201号室、204号室、206号室)と判断し、在室情報が格納されていない居室22を不在(2階の居室22では202号室、203号室、205号室、207号室)と判断する(ステップS8)。すなわち、在・不在処理を実行する。そのため、安否確認要否設定部16Aが、在・不在設定手段を構成する。
在・不在処理が終了すると、制御装置16は安否確認要否設定部16Aの処理が終了したと判断し、優先情報設定部16Bを起動する。優先情報設定部16Bでは、地震発生時刻である2013年09月301日、月曜日、19:30と、安否確認要否設定部16AがステップS8で処理した集合住宅1の各居室22における在・不在の情報と、図2に示す世帯情報テーブル24の生年月日24D及び要救護者24Fと、図3に示す優先度データテーブル17Cの世帯条件25A及び優先度25Bと、をそれぞれ突き合わせ、集合住宅1の居室22毎に安否確認の優先度を設定する処理を実行する(ステップS9)。ここで、居室番号24Aが204で示される居室22は要救護者が存在するので優先度が「1」であり、居室番号24Aが201で示される居室22には小学生が居住し、地震発生時刻が19:30のため優先度が「3」となる。
ステップS9で居室22毎の安否確認に関する優先度設定処理が完了すると、防災担当役員はパソコン14の表示部19に表示される安否確認印字を確認し、入力部18からパソコン14の出力ポート21に接続されたプリンタ20に要救護者リストの印字処理を指示する。これにより、制御装置16は、優先情報設定部16Bが処理した優先度が「1」の要救護者リスト27(図5)の印字データをプリンタ20へ出力する(ステップS10)。ここで、制御装置16、安否確認要否設定部16A及び優先情報設定部16Bが、優先確認設定手段を構成している。
図5に示す要救護者リスト27は、居室番号27A1、世帯主27A2、要救護者27A3、年齢27A4、性別27A5及び救出結果27A6列で構成される要救護一覧表27Aと、この要救護一覧表27Aの下方に、「避難時に介添えが必要な方です。」と記載される注記27Bとで構成されている。この要救護一覧表27Aは、図2に示す世帯情報テーブル24の要救護者24Fを参照して抽出される。要救護一覧表27Aは、要救護者である居室番号27A1が203で示される居室22の「△○△○」73歳の女性と、居室番号27A1が405で示される居室22の「××X○」78歳の男性について、世帯主名を含む介添えに必要なる最小の情報が記載されている。救出結果27A6は、救出状況を実際に確認して手書きする欄である。
また、防災担当役員が階床別安否確認の印字処理を入力部18から行なうと、制御装置16は、図6に示す階床別安否確認状況管理リストである安否確認リスト28を出力する(ステップS11)。
安否確認リスト28は、安否確認の印字処理を実施した時刻を表示し、例えば「第1回安否確認リスト 作成時刻:20:00」と記載されるリスト作成時刻表示欄28A、災害発生時刻を表示し、例えば「災害発生時刻 2013年9月30日(月)19:30」と記載される災害発生時刻表示欄28B及び安否確認一覧表28Cから構成されている。なお、安否確認リスト28は、安否確認の効率を考慮し、本実施形態では階床毎に印字しているが、全階床、あるいは階床を指定して印字させるようにしてもよい。
安否確認一覧表28Cは、居室番号28C1、世帯主28C2、在・不在28C3、優先度28C4、確認方法28C5及び確認結果28Cの各欄から構成されている。世帯主28C2欄には、世帯情報テーブル24の居室者氏名24Cの上位者が選択され、表示される。在・不在28C3欄には、ステップS8で安否確認要否設定部16Aが処理した居室22毎の在・不在データが記載される。優先度28C4欄には、ステップS9で優先情報設定部16Bが処理した各居室22に対する安否確認の優先度データが記載される。確認方法28C5欄には、居室22毎の在・不在データと、各居室22に対する安否確認の優先度データに基づいて、優先度データテーブル17Cの安否確認行動25Cから文言を抽出し、記載される。確認結果28C6欄は、安否確認結果を手書きする欄であり、印字出力時には空欄である。
安否確認一覧表28Cの各欄には、例えば図6に示すような各情報が記載される。すなわち、居室番号28C1が201で示される居室22欄には世帯主「○○△△」、在・不在28C3欄には「在」、優先度28C4欄には「3」、確認方法28C5欄には「不要」と記載される。居室番号28C1が202で示される居室22欄には世帯主「××○○」、在・不在28C3欄には「不在」、優先度28C4欄には「4」、確認方法28C5欄には「不要」と記載される。居室番号28C1が203で示される居室22欄には世帯主「△○△△」、在・不在28C3欄には「不在」、優先度28C4欄には「1」、確認方法28C5欄には「入室し避難支援」と記載される。
居室番号28C1が204で示される居室22欄には世帯主「X○△△」、在・不在28C3欄には「在」、優先度28C4欄には「2」、確認方法28C5欄には「インターフォンで確認」と記載される。居室番号28C1が205で示される居室22欄には世帯主「○△△△」、在・不在28C3欄には「不在」、優先度28C4欄には「3」、確認方法28C5欄には「インターフォンで確認」と記載される。居室番号28C1が206で示される居室22欄には世帯主「○X△△」、在・不在28C3欄には「在」、優先度28C4欄には「3」、確認方法28C5欄には「不要」と記載される。さらに居室番号28C1が207で示される居室22欄には世帯主「△×△△」、在・不在28C3欄には「不在」、優先度28C4欄には「2」、確認方法28C5欄には「インターフォンで確認応答無き場合入室」と記載される。
このように、防災担当役員によって印字された要救護者リスト27は、救護担当役員に渡され、また同様に印字された安否確認リスト28は、各階の役員に渡されて、それぞれ救護活動や、安否確認活動が実施される。要救護者に関しては、集合住宅1のエントランスホール6、あるいは図示しない管理人室に一旦避難させてから、避難する居住者と一緒に避難場所へ向かうのが望ましい。また、各階の役員は、安否確認リスト28の優先度28C4と確認方法28C5を参照すれば、無駄が少なく効率良い安否確認を実施することができ、確認結果28C6へ状況や結果を手書きで記載し、安否確認終了後に防災担当役員に渡す。これを受けた防災担当役員は、確認結果28C6の記載項目をパソコン14へ入力すれば、二回目の安否確認に反映させることができる。
ここで、二回目の安否確認を実施する際、防災担当役員は、ステップS1〜ステップS11のパソコン14への操作を行って、安否確認リスト28を作成し、各階の役員は、安否確認リスト28における確認方法28C5欄が「不要」、及び在・不在28C3欄が「不在」と記載されている居室番号28C1が202で示される居室22と205で示される居室22に対する安否確認を、重点的に行えば良い。三回目の安否確詔が行われるとき、防災担当役員は、安否確認リスト28における確認方法28C5欄が「不要」、及び在・不在28C3欄が「不在」と記載されている居室番号28C1が202と205の2つの居室22に対し、図示しないマスターキー等で入室し、安否状況の目視確認を実施すれば、居住者の安否を確実に確認することができる。また、パソコン14を入退室コントローラ4から取り外すと、入退室コントローラ4のCPU8は、電気錠制御部23ヘランプ22Eの消灯信号を送信し、全居室のランプ22Eを消灯させる。
本実施形態によれば、地震発生時刻以降に居住者が在室確認用スイッチ22Dを操作したか否かにより、在宅或いは不在を判断するので、居室毎の在・不在情報を正確に把握することができる。また、単身世帯あるいは同居世帯、及び居住者に就学前の小学生あるいは65歳以上の男女の存在等、世帯条件に応じた安否確認の優先順位と、前述した居室22毎の在・不在情報を組み合わせた安否確認行動を設定するようにしたので、正確且つ迅速なる安否確認が実施できる。
本実施形態では、安否確認リスト25の作成にあたり、図3に示す優先度データテーブル17Cを活用したが、世帯条件23Aや優先度23B及び安否確認行動23Cに関し、集合住宅1の管理組合や自治会等で任意に決めても良い。また、集合住宅1の管理組合又は自治会において、災害発生時や防災訓練時に、居住者の在宅を知らしめるために、各居室22に設けたランプ22Eが点滅してから在室確認用スイッチ22Dを操作することを予め決めておけば、各階の役員が安否確認に要する時間を短縮できることは明らかである。
本実施形態では、居室の在室情報を入退出コントローラ4の在室データ格納部5Cに一旦格納し、パソコン14の在室データ格納部17Aへ格納するようにしているが、直接パソコン14の在室データ格納部17Aへ格納しても同様に処理することが可能である。
さらに、本実施形態では、入退室コントローラ4にパソコン14を接続させて、居室における在・不在の確認、あるいは要救護者リスト27及び安否確認リスト28の作成を行うようにしているが、入退室コントローラ4と通信回線を介して遠隔的に接続され、建物1の設備機器の異常発生を監視する監視センタで前記材・不在の確認、あるいは要救護者リスト27及び安否確認リスト28を作成しても通信回線が確立されていれば、同様に処理することが可能で、同様の効果を得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。なお、実施形態における効果の説明では、本実施形態の各部について、特許請求の範囲における各構成要素をかっこ書きで示し、若しくは参照符号を付し、両者の対応関係を明確にした。
(1)集合住宅1の入退出を制御する入退出コントローラ4と、入退出コントローラ4に接続されるパーソナルコンピュータ14と、各居室22に設置され、集合住宅1の各居室22に居住者が在室しているか否かを確認するための在室確認用スイッチ22Dと、を備えた集合住宅居住者の安否確認支援システムであって、パーソナルコンピュータ14は、在室データ、居住者データ及び優先度データを記憶する記憶装置17、並びに居室22毎に安否確認を行なう優先度を設定する制御装置16を含み、災害が発生したとき、制御装置16は入退室コントローラ4に各居室22の居住者の在室確認を依頼し、入退室コントローラ4は、前記依頼を受けて在室確認用スイッチ22Dの操作状態から居住者の在宅データを取得して制御装置16に出力し、制御装置16は、入退室コントローラ4から入力された在宅データに基づいて居住者の在・不在を判定し、居住者データ及び優先度データから予め設定された居室22単位で安否確認を行なう優先度を設定するので、居室22毎の在・不在情報を正確に把握することができる。また、単身世帯あるいは同居世帯(居住者データ)、及び居住者に就学前の小学生あるいは65歳以上の男女の存在(優先度データ)等、世帯条件に応じた安否確認の優先順位と、前述した居室22毎の在・不在情報を組み合わせた安否確認行動を設定するようにしたので、正確かつ迅速な安否確認を行うことができる。
(2)集合住宅1の共有部玄関2及び各居室22の自動ドア7及び扉22A(出入口扉)の近傍に設けられてIDカードに記憶されている認識コードを読み込むカードリーダ3,22C、及び自動ドア7及び出入口扉の開閉を制御する入退室コントローラ4及び電気錠制御部23(制御部)と、をさらに備え、カードリーグ3,22Cが読み込んだ認識コードは入退出コントローラ4及び電気錠制御部23(制御部)に送信され、カードリーダ3,22Cが読み込んだ認識コードが入退出コントローラ4及び電気錠制御部23に予め記憶されている集合住宅居住者に付与される詔識コードと合致したとき、共用部玄関2に設けた自動ドア7および出入口扉22Aを開放し、カードリーダ3,22Cが読み込んだIDカードの認識コードと読み込み時刻は入退室コントローラ4及び電気錠制御部23(制御部)に格納されるので、居住者の入退室動作に伴って入退室情報が入退室コントローラ4及び電気錠制御部23(制御部)に格納され、そのときの最新の居住者情報が常に更新される。これにより、災害発生時に在室確認情報と参照すれば、精度の高い在・不在情報を得ることができる。
(3)在室確認用スイッチ22Dは、パーソナルコンピュータ14の指令信号によって操作による信号出力が有効となるので、災害発生時以降のみ使用され、通常は作動しない。これにより、居住者のプライバシーを確保した上で、安否確認の優先度を設定することができる。
(4)各居室22に設置され、入退室コントローラ4のCPU8又は前記パーソナルコンピュータ14の指令信号によって点滅制御され、安否確認用スイッチ22Dの操作により、点灯制御されるランプ22Eを備えたので、ランプ22Eを点滅させ、居住者に対して在室確認用スイッチ22Dの操作を促し、ランプ22Eの点滅に気付いた居住者は、在室確認用スイッチ22Dを操作することにより、役員が安否確認に要する時間を短縮することができ、効率的な安否確認が可能となる。
(5)予め設定された居室単位が、予め設定された複数の居室22を1つの単位であり、あるいは、1つの単位が階床毎の複数の居室22としたので、予め設定された複数の居室22、あるいは階床単位で安否確認を行うことが可能となり、単位毎の役員、あるいは各階の役員が担当の居室22毎あるいは階床毎に効率的に安否確認を行うことができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1 集合住宅
2 共用部玄関
3 カードリーダ
4 入退出コントローラ
5 記憶部
7 自動ドア
8 CPU
14 パーソナルコンピュータ
16 制御装置
17 記憶装置
17A 在室データ格納部
17B 居住者データ格納部
17C 優先度データテーブル
22 居室
22A 扉
22B 電気錠
22C カードリーダ
22D 在室確認用スイッチ
22E ランプ
23 電気錠制御部(制御部)

Claims (6)

  1. 集合住宅の入退出を制御する入退出コントローラと、
    前記入退出コントローラに接続されるパーソナルコンピュータと、
    各居室に設置され、前記集合住宅の各居室に居住者が在室しているか否かを確認するための在室確認用スイッチと、
    を備えた集合住宅の居住者の安否確認支援システムであって、
    前記パーソナルコンピュータは、在室データ、居住者データ及び優先度データを記憶する記憶装置、並びに居室毎に安否確認を行なう優先度を設定する制御装置を含み、
    災害が発生したとき、前記制御装置は前記入退室コントローラに各居室の居住者の在室確認を依頼し、
    前記入退室コントローラは、前記依頼を受けて前記在室確認用スイッチの操作状態から居住者の在宅データを取得して前記制御装置に出力し、
    前記制御装置は、前記入退室コントローラから入力された前記在宅データに基づいて居住者の在・不在を判定し、前記居住者データ及び前記優先度データから予め設定された居室単位で安否確認を行なう優先度を設定することを特徴とする集合住宅居住者の安否確認支援システム。
  2. 請求項1に記載の集合住宅居住者の安否確認支援システムであって、
    前記集合住宅の共用部玄関の自動ドア及び各居室の出入口扉の近傍に設けられてIDカードに記憶されている認識コードを読み込むカードリーダと、
    前記自動ドア及び出入口扉の開閉をそれぞれ制御する前記入退室コントローラ及び制御部と、
    をさらに備え、
    前記カードリーグが読み込んだ前記認識コードは前記入退出コントローラ及び前記制御部に送信され、
    前記カードリーグが読み込んだ前記認識コードが前記入退出コントローラ及び前記制御部に予め記憶されている前記集合住宅居住者に付与される詔識コードと合致したとき、前記自動ドアおよび前記出入口扉を開放し、
    前記カードリーダが読み込んだ前記IDカードの前記認識コードと読み込み時刻は前記入退室コントローラ及び前記制御部に格納されることを特徴とする集合住宅居住者の安否確認支援システム。
  3. 請求項1又は2に記載の集合住宅居住者の安否確認支援システムであって、
    前記在室確認用スイッチは、前記入退室コントローラ又は前記パーソナルコンピュータの指令信号によって操作による信号出力が有効となることを特徴とする集合住宅居住者の安否確認支援システム。
  4. 請求項3に記載の集合住宅居住者の安否確認支援システムであって、
    前記各居室に設置され、前記入退室コントローラ又は前記パーソナルコンピュータの指令信号によって点滅制御され、前記安否確認用スイッチの操作により、点灯制御されるランプを備えたことを特徴とする集合住宅居住者の安否確認支援システム。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の集合住宅居住者の安否確認支援システムであって、
    前記予め設定された居室単位が、予め設定された複数の居室を1つの単位とすることを特徴とする集合住宅居住者の安否確認支援システム。
  6. 請求項5記載の集合住宅居住者の安否確認支援システムであって、
    前記1つの単位が階床毎の複数の居室であることを特徴とする集合住宅居住者の安否確認支援システム。
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