以下、本発明に係る入退室管理システムを実施するための形態を図に基づいて説明する。
本発明に係る入退室管理システムの一実施形態は、建物として例えば不審者の入場を阻止する防犯の観点からセキュリティが必要とされる共有部及び専有部を有する集合住宅に適用される。この集合住宅の専有部は共有部の室内側に設けられおり、共有部は、例えばエントランスホール1から成り、このエントランスホール1には出入口が配設されている。また、専有部は、例えば集合住宅に居住する各世帯A〜Nのうち世帯Aが居住する101号室2から成り、この101号室2には出入口が配設されている。
そして、本実施形態は、図1に示すようにエントランスホール1及び101号室2への入退室を特定の者に制限する出入口制御装置を備えている。なお、専有部は、101号室2の他にも世帯A以外の世帯が居住する居室等が設けられているが、これらの居室等への入退室も101号室2への入退室と同様であるので、以下の説明において省略している。
上述の出入口制御装置は、例えばエントランスホール1の出入口に設けられた自動ドア1Aと、この自動ドア1Aを駆動する自動ドア駆動装置1Bとを有している。また、出入口制御装置は、例えばエントランスホール1の室内側、かつ101号室2の室外側に配設され、101号室2の出入口に設けられたドア2Aと、このドア2Aを解錠・施錠する電気錠2Bとを有している。
さらに、出入口制御装置は、例えば自動ドア駆動装置1Bへ制御信号を出力して自動ドア1Aの動作を制御すると共に、電気錠2Bへ制御信号を出力して電気錠2Bの動作を制御するドア制御装置3を有している。自動ドア駆動装置1B及びドア制御装置3は、例えばエントランスホール1内に設けられている。また、エントランスホール1と別の場所には、通信回線である広域ネットワーク網8を介して遠隔的に接続され、ドア制御装置3と種々のデータを送受信するデータセンター9が設けられている。
本実施形態は、集合住宅に不審者の入場を阻止する防犯の観点から、集合住宅に居住する各世帯A〜Nがそれぞれグループ6,・・・,7として管理されると共に、グループ6,・・・,7毎に複数個与えられ、それぞれ識別コードが記憶された複数の認証媒体を備えており、これらの複数の認証媒体は、例えば非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cから成っている。なお、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードは、例えばそれぞれ異なる番号が割り当てられた識別データから成っている。
また、本実施形態は、集合住宅のエントランスホール1の室外側に設けられ、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別データを読み取る共有部読取装置、すなわちエントランスホールリーダ4を備え、このエントランスホールリーダ4は、例えば非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別データを読み取るとともに、エントランスホール1の出入口の開放の可否を表示する読取り・表示部4aと、ドア制御装置3へ信号を出力する通信回路4bとから構成されている。なお、エントランスホールリーダ4は、例えばエントランスホール1の室外側のうち自動ドア1Aの近傍に配置されている。
さらに、本実施形態は、集合住宅の101号室2の室外側に設けられ、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別データを読み取る専有部読取装置、すなわち101号室リーダ5を備え、この101号室リーダ5は、例えば非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別データを読み取るとともに、101号室リーダ5の出入口の開放の可否を表示する読取り・表示部5aと、ドア制御装置3へ信号を出力する通信回路5bとから構成されている。なお、101号室リーダ5は、例えば101号室2の室外側のうちドア2Aの近傍に配置されている。
データセンター9は、広域ネットワーク網8に接続され、情報の通信を行う回線制御回路9Cと、この回線制御回路9Cに接続され、機器の制御を少なくとも行う管理サーバ9Aと、この管理サーバ9Aに接続され、種々の情報を格納する記憶部9Bとを少なくとも有している。この記憶部9Bは、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードに対して、エントランスホール1及び101号室2への入室の可否をグループ毎に分類して記憶するようになっている。なお、データセンター9は、例えば管理サーバ9Aに接続され、機器に対して各種の入力を行う入力装置(図示せず)を有している。
また、管理サーバ9Aは、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cのいずれかが紛失したとき、入力装置の入力を受けて複数の非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cのうち紛失した非接触キーが与えられたグループに属する全ての非接触キーを一括に無効にする処理(以下、便宜的に無効処理と呼ぶ)を行い、ドア制御装置3に対してこれらの非接触キーによるエントランスホール1の出入口の開放を不可能とさせるようにしている。
一方、ドア制御装置3は、例えば後述する内部の装置や回路の動作処理を行うCPU3aと、このCPU3a及び自動ドア駆動装置1Bに接続され、この自動ドア駆動装置1Bへ制御信号を出力して自動ドア1Aの開閉動作を制御する自動ドア制御装置3cと、エントランスホールリーダ4の通信回路4b及び101号室リーダ5の通信回路5bに接続され、エントランスホールリーダ4及び101号室リーダ5と情報の通信を行う通信回路3bと、CPU3a及び電気錠2Bに接続され、この電気錠2Bへ制御信号を出力して電気錠2Bの解錠施錠動作を制御する電気錠制御装置3dと、広域ネットワーク網8及びCPU3aに接続され、データセンター9と情報の通信を行う回線制御回路3eとから少なくとも構成されている。
ドア制御装置3のCPU3aは、例えばエントランスホールリーダ4で読み込んだ非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードに対して、エントランスホール1への入室の許可が記憶部9Bに格納されているとき、エントランスホール1の出入口の開放を可能にする処理を行うと共に、101号室リーダ5で読み込んだ非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードに対して、101号室2への入室の許可が記憶部9Bに格納されているとき、101号室2の出入口を可能にする処理を行うようにしている。
一方、ドア制御装置3のCPU3aは、例えばエントランスホールリーダ4で読み込んだ非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードに対して、エントランスホール1への入室の不許可が記憶部9Bに格納されているとき、エントランスホール1の出入口を不可能にする処理を行うと共に、101号室リーダ5で読み込んだ非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードに対して、101号室2への入室の不許可が記憶部9Bに格納されているとき、101号室2の出入口を不可能にする処理を行うようにしている。
本実施形態は、無効処理によって無効にされたグループに属する非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードのうち、101号室2への入室が予め許可されている非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードを101号室リーダ5が読み取ったとき、当該非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cを無効から有効にする処理(以下、便宜的に有効処理)を行う認証媒体有効装置(図示せず)を備えており、この認証媒体有効装置は、例えばデータセンター9の管理サーバ9A内に組み込まれている。
ここで、データセンター9の記憶部9Bは、世帯A〜Nであるグループ6,・・・,7に属する非接触キー6a〜6c,・・・7a〜7cが有効又は無効であるかを示す有効無効識別テーブル9Baを少なくとも有している。本実施形態では、無効処理及び有効処理を含む上述の処理は、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baを参照及び更新して行われる。
有効無効識別テーブル9Baは、例えば図2に示すように縦列として、世帯A〜Nであるグループ6,・・・,7を上から順に示すグループ列10aと、このグループ列10aに示されたグループ6,・・・,7に対応して非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの認識番号を上から順に示す認識番号列10bと、この認識番号列10bに示された非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cに対応して集合住宅のエントランスホール1及び101号室2等に対する入室の可否を示す許可列10cと、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの使用の可否、すなわちエントランスホールリーダ4に対する非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの失効が無しになっているか(非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cが有効である)、又は非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの失効が有りになっているか(非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cが無効である)を示す失効有無列10dとを有している。
従って、有効無効識別テーブル9Baでは、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cに対するエントランスホール1や101号室2等への入室の可否が許可列10cに基づいて判定され、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの使用の可否が失効有無列10dに基づいて判定される。
すなわち、有効無効識別テーブル9Baの許可列10cにおいて非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cに対応するエントランスホール1への入室の可否が許可となっていても、失効有無列10dにおいて当該非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの失効が有り(当該非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cが無効である)になっていれば、当該非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cがエントランスホールリーダ1の読取り・表示部4aで読み取られても、管理サーバ9Aは、ドア制御装置3に対して自動ドア1Aを開扉させず、エントランスホール1の出入口を開放しないようにしている。
次に、本実施形態の動作を図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図3は本実施形態の動作を説明するフローチャートである。
まず、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cが紛失していないときの通常状態において、例えばグループ6に分類された世帯Aの住人(図示せず)が非接触キー6aをエントランスホールリーダ4の読取り・表示部4aに翳すと(ステップ(以下、Sと記す)1)、読取り・表示部4aは、非接触キー6aの識別データを読取り(S2)、通信回路4bを介してドア制御装置3の通信回路3bへ送信する。
次に、非接触キー6aの識別データを取得したCPU3aは、回線制御回路3eを起動し、広域ネットワーク網8を介してデータセンター9の回線制御回路9Cへ非接触キー6aの識別データ、及びエントランスホール1への入室に関する情報を送信する(S3)。そして、管理サーバ9Aは、ドア制御装置3から情報を受信すると、受信した情報がエントランスホール1への入室に関する情報か否かを判断する(S4)。
手順S4において管理サーバ9Aは、回線制御回路9Cから非接触キー6aの識別データ、及びエントランスホール1への入室に関する情報を取得するので、受信した情報がエントランスホール1への入室に関する情報であると判断し、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baのうち通常状態のもの(図2上段参照)を参照して照合を行うことにより、非接触キー6aに対するエントランスホール1への入室の可否を判断する。
ここで、有効無効識別テーブル9Baのうち通常状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、許可列10cにおいてエントランスホール1への入室の許可を確認し(S5)、許可列10cにおいてエントランスホール1への入室の許可が示されているので、管理サーバ9Aは、非接触キー6aに対するエントランスホール1への入室が許可されていると判断し、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用の可否を判断する。
また、有効無効識別テーブル9Baのうち通常状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、失効有無列10dにおいて失効の有無を確認し(S6)、失効有無列10dにおいて失効が無しになっている(非接触キー6aが有効)ので、管理サーバ9Aは、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用が可能であると判断し、エントランスホール1の出入口の開放指令信号を回線制御回路9C及び広域ネットワーク網8を介してドア制御装置3の回線制御回路3eへ返信する。
そして、回線制御回路3eから開放指令信号を受信したCPU3aは、自動ドア制御装置3cを起動し、自動ドア駆動装置1Bを作動して自動ドア1Aを開扉し、エントランスホール1の出入口を開放する(S7)。
一方、手順S5において仮に有効無効識別テーブル9Baのうち通常状態のものに、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、許可列10cにおいてエントランスホール1への入室の不許可が示されていれば、管理サーバ9Aは、非接触キー6aに対するエントランスホール1への入室が許可されていないと判断し、エントランスホール1の出入口の開放不可信号を回線制御回路9C及び広域ネットワーク網8を介してドア制御装置3の回線制御回路3eへ返信する(S8)。
そして、回線制御回路3eから開放不可信号を受信したCPU3aは、通信回路3bを介して開放不可信号をエントランスホールリーダ4の通信回路4bへ送信すると、読取り・表示部4aは、自動ドア1Aが開かない旨の表示やブザー等によって非接触キー6aが利用不可であることを報知する(S9)。
次に、非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cのうち例えば非接触キー6bが紛失し、この非接触キー6bが属するグループの全ての非接触キー6a〜6cが無効にされたグループ一括失効状態になるまでの動作の説明を行う。
グループ6に分類された世帯Aの住人(図示せず)が非接触キー6bを紛失した場合には、この住人は非接触キー6bを紛失した旨を集合住宅の管理人(図示せず)へ知らせると、集合住宅の管理人は非接触キー6bを紛失した旨をデータセンター9へ連絡する。
次に、非接触キー6bを紛失した旨を受けたデータセンター9の担当者(図示せず)は、データセンター9の管理サーバ9Aに接続される入力装置を介して、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baに対し、グループ6の非接触キー6a〜6cの失効有無列10dを無(非接触キー6a〜6cが有効である)から有(非接触キー6a〜6cが無効である)に書き換える。これにより、有効無効識別テーブル9Baのうちグループ一括失効状態のもの(図2中段参照)を参照して非接触キー6a〜6cの照合が行われる。
次に、グループ一括失効状態において非接触キー6aがエントランスホールリーダ4の読取り・表示部4aに翳された場合の説明を行うが、手順S1〜S5までは前述した通常状態の説明と同様であるので、重複する説明を省略している。
手順S6において、有効無効識別テーブル9Baのうちグループ一括失効状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、失効有無列10dにおいて失効が有り(非接触キー6aが無効である)になっているので、管理サーバ9Aは、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用が可能でないと判断し、回線制御回路9C及び広域ネットワーク網8を介してドア制御装置3の回線制御回路3eへ非接触キー6aの失効有の情報、及びエントランスホール1の出入口の開放不可信号を送信する(S8)。
そして、回線制御回路3eから接触キー6aの失効有の情報及び開放不可信号を受信したCPU3aは、通信回路3bを介して開放不可信号をエントランスホールリーダ4の通信回路4bへ送信すると、読取り・表示部4aは、自動ドア1Aが開かない旨の表示やブザー等によって非接触キー6aが利用不可であることを報知する(S9)。
次に、グループ一括失効状態においてエントランスホール1内にいる世帯Aの住人が非接触キー6aを用いて101号室2へ入室する際に、非接触キー6aが101号室リーダ5の読取り・表示部5aに翳され、非接触キー6aが有効にされた失効解除状態になるまでの動作の説明を行うが、手順S1〜S3までは前述した通常状態の説明と同様であるので、重複する説明を省略している。
手順S4において管理サーバ9Aは、回線制御回路9Cから非接触キー6aの識別データ、及び101号室2への入室に関する情報を取得するので、受信した情報がエントランスホール1への入室に関する情報でないと判断し、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baのうちグループ一括失効状態のもの(図2中段参照)を参照して照合を行うことにより、非接触キー6aに対する101号室2への入室の可否を判断する。
ここで、有効無効識別テーブル9Baのうちグループ一括失効状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、許可列10cにおいて101号室2への入室の許可を確認し(S10)、許可列10cにおいて101号室2への入室の許可が示されているので、管理サーバ9Aは、非接触キー6aに対する101号室2への入室が許可されていると判断し、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用の可否を判断する。
また、有効無効識別テーブル9Baのうちグループ一括失効状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、失効有無列10dにおいて失効の有無を確認し(S11)、失効有無列10dにおいて失効が有りになっている(非接触キー6aが無効)ので、管理サーバ9Aは、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用が可能でないと判断し、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baにおける非接触キー6aの失効有無列10dを有(非接触キー6aが無効である)から無(非接触キー6aが有効である)に書き換える(S13)。これにより、有効無効識別テーブル9Baのうち失効解除状態のもの(図2下段参照)を参照して非接触キー6aの照合が行われる。
そして、管理サーバ9Aは、電気錠2Bの解錠指令信号を回線制御回路9C及び広域ネットワーク網8を介してドア制御装置3の回線制御回路3eへ返信する。そして、回線制御回路3eから解錠指令信号を受信したCPU3aは、電気錠制御装置3dを起動し、電気錠制御装置3dを作動して電気錠2Bを解錠し、101号室2の出入口を開放可能にする(S12)。
一方、手順S10において仮に有効無効識別テーブル9Baのうちグループ一括失効状態のものに、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、許可列10cにおいて101号室2への入室の不許可が示されていれば、管理サーバ9Aは、非接触キー6aに対する101号室2への入室が許可されていないと判断し、電気錠2Bの解錠不可信号を回線制御回路9C及び広域ネットワーク網8を介してドア制御装置3の回線制御回路3eへ返信する(S14)。
そして、回線制御回路3eから解錠不可信号を受信したCPU3aは、通信回路3bを介して解錠不可信号を101号室リーダ5の通信回路5bへ送信すると、読取り・表示部5aは、ドア2Aが開かない旨の表示やブザー等によって非接触キー6aが利用不可であることを報知する(S15)。
次に、失効解除状態において非接触キー6aがエントランスホールリーダ4の読取り・表示部4aに翳された場合の説明を行うが、手順S1〜S6までは前述した通常状態の説明と同様であるので、重複する説明を省略している。
手順S6において、有効無効識別テーブル9Baのうち失効解除状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、失効有無列10dにおいて失効が無しになっている(非接触キー6aが有効である)ので、管理サーバ9Aは、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用が可能であると判断し、エントランスホール1の出入口の開放指令信号を回線制御回路9C及び広域ネットワーク網8を介してドア制御装置3の回線制御回路3eへ返信する。
そして、回線制御回路3eから開放指令信号を受信したCPU3aは、自動ドア制御装置3cを起動し、自動ドア駆動装置1Bを作動して自動ドア1Aを開扉し、エントランスホール1の出入口を開放する(S7)。
次に、失効解除状態において非接触キー6aが101号室リーダ5の読取り・表示部5aに翳された場合の説明を行うが、手順S1〜S3までは前述した通常状態の説明と同様であるので、重複する説明を省略している。
手順S4において管理サーバ9Aは、回線制御回路9Cから非接触キー6aの識別データ、及び101号室2への入室に関する情報を取得するので、受信した情報がエントランスホール1への入室に関する情報でないと判断し、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baのうち失効解除状態のもの(図2下段参照)を参照して照合を行うことにより、非接触キー6aに対する101号室2への入室の可否を判断する。
ここで、有効無効識別テーブル9Baのうち失効解除状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、許可列10cにおいて101号室2への入室の許可を確認し(S10)、許可列10cにおいて101号室2への入室の許可が示されているので、管理サーバ9Aは、非接触キー6aに対する101号室2への入室が許可されていると判断し、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用の可否を判断する。
また、有効無効識別テーブル9Baのうち失効解除状態のものでは、世帯Aが属するグループ6の認識番号列10bの非接触キー6aに対し、失効有無列10dにおいて失効の有無を確認し(S11)、失効有無列10dにおいて失効が無しになっている(非接触キー6aが有効)ので、管理サーバ9Aは、エントランスホールリーダ4に対する非接触キー6aの使用が可能であると判断し、電気錠2Bの解錠指令信号を回線制御回路9C及び広域ネットワーク網8を介してドア制御装置3の回線制御回路3eへ返信する。
そして、回線制御回路3eから解錠指令信号を受信したCPU3aは、電気錠制御装置3dを起動し、電気錠制御装置3dを作動して電気錠2Bを解錠し、101号室2の出入口を開放可能にする(S12)。
このように構成した本実施形態によれば、グループ6に分類された世帯Aの住人が非接触キー6bを紛失した場合、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baの失効有無列10dにおいて非接触キー6a〜6cの失効が有り(非接触キー6aが無効である)とされ、これらの非接触キー6a〜6cを用いてもエントランスホール1の出入口が開放されないが、上述したように失効の対象となるエントランスホール1以外の101号室2への入室が許可されている非接触キー6aを101号室リーダ5の読取り・表示部5に翳すことにより、管理サーバ9Aによって記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baの失効有無列10dにおいて非接触キー6a〜6cの失効が無し(非接触キー6aが有効である)とされ、自動ドア1Aが開扉可能になるので、紛失していない非接触キー6aを用いてエントランスホール1の出入口を開放させることができる。これにより、紛失した非接触キー6bに属するグループ6の非接触キー6a〜6cのうち紛失していない非接触キー6aの利用者に対して、非接触キー6aの再発行や有効無効識別テーブル9Baの失効有無列10dの書き換えを、データセンター9の担当者へ依頼する必要はない。
特に、紛失した非接触キー6bを取得した第三者が、例えばこの非接触キー6bを建物への進入等の悪意で使用する場合には、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baの失効有無列10dにおいて非接触キー6bの失効が有り(非接触キー6bが無効である)になっているので、自動ドア1Aが開扉せず、第三者はエントランスホール1へ入室することができず、しかも仮に共連れ(自動ドア1Aを開扉した人と一緒に入室すること)によってエントランスホール1へ入室しても、第三者は非接触キー6bが専有部である101号室2に有効であることを容易に判断できないので、このように非接触キー6bを落としても、ある程度のセキュリティを確保することができる。
また、管理サーバ9Aは、記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baにおいて、紛失していない非接触キー6aの失効有無列10dを有(非接触キー6aが無効である)から無(非接触キー6aが有効である)に書き換えるのにパスワードを使わないようにしたので、非接触キー6aの利用者である世帯Aの住人が余分なパスワードを覚えたり、あるいはデータセンター9においてパスワードを管理しなくて済み、世帯Aの住人やデータセンター9の管理者が受ける煩わしさを軽減することができる。このように、非接触キー6bが紛失した場合でも、セキュリティを保ちながら手間をかけることなく、他の非接触キー6aを容易に使用することができる。
なお、上述した本実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
また、本実施形態では、ドア制御装置3に広域ネットワーク網8を介して接続されたデータセンター9は、有効無効識別テーブル9Baが格納された記憶部9Bと管理サーバ9Aを有し、この管理サーバ9Aに認証媒体有効装置が組み込まれた場合について説明したが、この場合に限らず、例えばドア制御装置3が記憶部9Bを有し、ドア制御装置3のCPU3aに認証媒体有効装置が組み込まれていても同様の効果が得られる。
さらに、本実施形態では、専有部は、集合住宅に居住する各世帯A〜Nのうち世帯Aが居住する101号室2から成り、管理サーバ9Aは、無効処理によって無効にされたグループに属する非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードのうち、101号室2への入室が予め許可されている非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cの識別コードを101号室リーダ5が読み取ったとき、当該非接触キー6a〜6c,・・・,7a〜7cを無効から有効にする有効処理を行った場合について主に説明し、101号室2以外の専有部に対する管理サーバ9Aの有効処理の説明を省略したが、この場合に限らず、専有部は記憶部9Bの有効無効識別テーブル9Baの許可列10cにおいて予め許可されている場所であれば、例えば図示しない集会所やエレベータ等の共有部であっても、管理サーバ9Aは、上述の101号室2に対する有効処理と同様の処理を行うことができる。