JP2016044734A - 内燃機関のベルト伝動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の始動時に、動力伝達ベルトのばたつきに伴う異音の発生を抑制できる内燃機関のベルト伝動機構を提供する。
【解決手段】内燃機関のベルト伝動機構は、内燃機関1の出力軸11に連結される第一プーリ12と、発電機能を有する回転電機2の回転軸21に連結される第二プーリ22と、両プーリ12,22に巻き掛けられる動力伝達ベルト3と、内燃機関1の初爆直後に出力軸11の回転を動力伝達ベルト3に対して滑りを伴って伝達する滑り伝動機構を備える。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関のベルト伝動機構は、内燃機関1の出力軸11に連結される第一プーリ12と、発電機能を有する回転電機2の回転軸21に連結される第二プーリ22と、両プーリ12,22に巻き掛けられる動力伝達ベルト3と、内燃機関1の初爆直後に出力軸11の回転を動力伝達ベルト3に対して滑りを伴って伝達する滑り伝動機構を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関のベルト伝動機構に関する。特に、内燃機関の始動時に発生する動力伝達ベルトの異音を抑制できる内燃機関のベルト伝動機構に関する。
内燃機関の始動機構や補機の駆動機構において、内燃機関のクランク軸に設けられたクランクプーリと、オルタネータの回転軸に設けられたオルタネータプーリと、これら両プーリに巻き掛けられた動力伝達ベルトと、このベルトに圧接されるテンションプーリとを備えるベルト伝動機構が用いられている。例えば、内燃機関の始動時、スタータモータでクランク軸を回転させ、クランク軸→クランクプーリ→動力伝達ベルト→オルタネータプーリに動力を伝達してオルタネータを回転させる。
その他、スタータモータとオルタネータの機能を兼備したISG(Integrated Starter Generator)を用いたベルト伝動機構もある(類似の技術として特許文献1の図1参照)。この場合、ISGの回転軸に設けられたISGプーリを駆動側として、ISGプーリ→動力伝達ベルト→クランクプーリの順に動力を伝達し、ISGをスタータモータとして機能させることで内燃機関を始動させる。内燃機関が始動したら、クランクプーリ側を駆動側として、クランクプーリ→動力伝達ベルト→ISGプーリの順に動力を伝達して、ISGを発電機として機能させる。
上記のいずれの技術においても、動力伝達ベルトのばたつきに伴う異音の発生を抑制することが求められている。内燃機関の始動時における初爆直後、クランク軸の回転変動の影響でクランクプーリとオルタネータプーリ(ISGプーリ)との回転速度差が生じ、それに伴い上記ベルトの張力変動が発生する。この張力変動により、テンションプーリとベルトとの相対的なばたつきが生じて異音が発生することがあるからである。
上記の特許文献1の技術では、スタータモータとしてのISGから内燃機関に動力を伝達する場合に、テンションプーリの位置を移動させてベルトの張力を増大させ、この動力の伝達を確実にしている。一方で、内燃機関から発電機としてのISGに動力の伝達が切り替わった場合、上記異音の低減対策については、特に提案されていない。
本発明の目的の一つは、内燃機関の始動時に、動力伝達ベルトのばたつきに伴う異音の発生を抑制できる内燃機関のベルト伝動機構を提供することにある。
本発明の一形態に係る内燃機関のベルト伝動機構は、内燃機関の出力軸に連結される第一プーリと、発電機能を有する回転電機の回転軸に連結される第二プーリと、前記両プーリに巻き掛けられる動力伝達ベルトと、前記内燃機関の初爆直後に前記出力軸の回転を前記動力伝達ベルトに対して滑りを伴って伝達する滑り伝動機構とを備える。
上記内燃機関のベルト伝動機構において、前記滑り伝動機構は、前記第一プーリに設けられた形態が挙げられる。その第一プーリは、前記動力伝達ベルトが巻き掛けられる外周回転体と、前記出力軸に同期して回転され、前記出力軸の低回転時、前記外周回転体に対して滑りを伴って摺接し、前記出力軸の高回転時、遠心力により前記外周回転体に圧接されて、前記出力軸の回転を前記外周回転体に伝達する可動シューとを備える。
上記発明によれば、滑り伝動機構により、内燃機関の初爆直後に、内燃機関の出力軸の回転速度の変動が回転電機の回転軸へ入力されることを低減し、動力伝達ベルトのばたつきに伴う異音の発生を抑制できる。
外周回転体と可動シューとを備える上記発明によれば、いわゆる遠心クラッチと同様の動作により、内燃機関の初爆直後の低回転時には出力軸の回転を外周回転体に対して滑りを伴いながら伝達することができる。そのため、簡易な構成により、滑り伝動機構を構成できる。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図において同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
(概要)
図1、図2を参照して、実施形態1に係る内燃機関のベルト伝動機構を説明する。この伝動機構は、内燃機関1の出力軸11に連結される第一プーリ12と、発電機能を有する回転電機2の回転軸21に連結される第二プーリ22と、両プーリ12,22に巻き掛けられる動力伝達ベルト3とを備える。このベルト伝動機構の特徴の一つは、内燃機関の初爆直後に上記出力軸11の回転を上記ベルト3に対して滑りを伴って伝達する滑り伝動機構を備える点にある。以下、各部の構成の詳細を説明する。
(概要)
図1、図2を参照して、実施形態1に係る内燃機関のベルト伝動機構を説明する。この伝動機構は、内燃機関1の出力軸11に連結される第一プーリ12と、発電機能を有する回転電機2の回転軸21に連結される第二プーリ22と、両プーリ12,22に巻き掛けられる動力伝達ベルト3とを備える。このベルト伝動機構の特徴の一つは、内燃機関の初爆直後に上記出力軸11の回転を上記ベルト3に対して滑りを伴って伝達する滑り伝動機構を備える点にある。以下、各部の構成の詳細を説明する。
(第一プーリ)
第一プーリ12は、内燃機関の出力軸11に固定されたプーリである。内燃機関1には、レシプロエンジンが挙げられ、その出力軸11にはピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク軸が挙げられる。この第一プーリ12は、内燃機関1の始動時、後述する回転電機2で駆動される第二プーリ22に連動して回転され、内燃機関1の初爆後、内燃機関1で駆動される第一プーリ12の回転を第二プーリ22に伝達する。本例では、第一プーリ12をクランク軸に固定されるクランクプーリとしている。この第一プーリ12には、後述する滑り伝動機構が設けられている。
第一プーリ12は、内燃機関の出力軸11に固定されたプーリである。内燃機関1には、レシプロエンジンが挙げられ、その出力軸11にはピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク軸が挙げられる。この第一プーリ12は、内燃機関1の始動時、後述する回転電機2で駆動される第二プーリ22に連動して回転され、内燃機関1の初爆後、内燃機関1で駆動される第一プーリ12の回転を第二プーリ22に伝達する。本例では、第一プーリ12をクランク軸に固定されるクランクプーリとしている。この第一プーリ12には、後述する滑り伝動機構が設けられている。
(第二プーリ)
第二プーリ22は、発電機構を有する回転電機2の回転軸に固定されたプーリである。この回転電機2としては、オルタネータの他、発電機能と内燃機関を始動させるスタータモータの機能とを兼備したISGが挙げられる。回転電機2は、インバータ(図示略)を介してバッテリ(図示略)に接続されている。ISGの場合、内燃機関1の始動時(アイドリングストップ後の再始動時も含む)やモータアシスト時には動力伝達ベルト3を介してISG側から内燃機関側に駆動力が伝達され、発電時には動力伝達ベルト3を介して内燃機関側からISG側に駆動力が伝達される。本例ではISGの回転軸21に固定されたISGプーリを第二プーリ22としている。
第二プーリ22は、発電機構を有する回転電機2の回転軸に固定されたプーリである。この回転電機2としては、オルタネータの他、発電機能と内燃機関を始動させるスタータモータの機能とを兼備したISGが挙げられる。回転電機2は、インバータ(図示略)を介してバッテリ(図示略)に接続されている。ISGの場合、内燃機関1の始動時(アイドリングストップ後の再始動時も含む)やモータアシスト時には動力伝達ベルト3を介してISG側から内燃機関側に駆動力が伝達され、発電時には動力伝達ベルト3を介して内燃機関側からISG側に駆動力が伝達される。本例ではISGの回転軸21に固定されたISGプーリを第二プーリ22としている。
(動力伝達ベルト)
動力伝達ベルト3は、第一プーリ12と第二プーリ22に巻き掛けられ、両プーリ12,22の回転を伝動する無端ベルトである。代表的には、リブドベルトやVベルトが用いられる。
動力伝達ベルト3は、第一プーリ12と第二プーリ22に巻き掛けられ、両プーリ12,22の回転を伝動する無端ベルトである。代表的には、リブドベルトやVベルトが用いられる。
(滑り伝動機構)
滑り伝動機構は、内燃機関1の初爆直後に出力軸11の回転を動力伝達ベルト3に対して滑りを伴って伝達する。「内燃機関の初爆直後」とは、例えば、初爆からクランク軸11の回転数が300rpm以下程度の状態にある間をいう。この間は、ピストンの往復運動に伴う動力伝達ベルト3の張力変動が生じ易いためである。
滑り伝動機構は、内燃機関1の初爆直後に出力軸11の回転を動力伝達ベルト3に対して滑りを伴って伝達する。「内燃機関の初爆直後」とは、例えば、初爆からクランク軸11の回転数が300rpm以下程度の状態にある間をいう。この間は、ピストンの往復運動に伴う動力伝達ベルト3の張力変動が生じ易いためである。
滑り伝動機構の具体的構成としては、図2に示すように、第一プーリ12にいわゆる遠心クラッチを応用したものが挙げられる。この滑り伝動機構は、内燃機関の出力軸11に固定された内周回転体12iと、動力伝達ベルト3が巻き掛けられる外周回転体12oとを備える。
内周回転体12iは、例えばクランク軸11に固定される円盤状のものである。この内周回転体12iの表面には、複数の可動シュー12sと、各可動シュー12sを外周回転体12oに対して離れる方向に付勢する弾性体12eとが設けられている。可動シュー12sは、出力軸11の低回転時、外周回転体12oに対して滑りを伴って摺接し、出力軸11の高回転時、遠心力により弾性体12eの付勢力に抗して外周回転体12oに圧接されて、出力軸11の回転を外周回転体12oにより確実に伝達する。本例では、一対の略台形状の可動シュー12sが出力軸11を中心に対称位置に配置され、各可動シュー12sの一端を内周回転体12iに対して回動自在に支持している。必要に応じて、可動シュー12sの他端側にはウェイト(図示略)を設けてもよい。ウェイトを設けることで、可動シュー12sの他端側を遠心力で外周回転体12oに圧接させ易くできる。弾性体12eの種類には、ばねの構成、例えば、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね等が挙げられる。本例では、両可動シュー12s同士を引張ばねでつないでいる。可動シュー12sの形状、数や弾性体12eの種類は適宜選択できる。
一方、外周回転体12oは、内周回転体12iと同軸上に対面される円盤状の本体部と、本体部の外周縁に形成された周壁部とを備える。周壁部の外周面に動力伝達ベルト3が巻き掛けられ、周壁部の内周面に可動シュー12sが摺接される。
内周回転体12iと外周回転体12oとは、クランク軸11の停止時においても可動シュー12sが適度に外周回転体12oに摺接され、常時回転の伝達が可能なように構成されている。ISGをスタータモータとして機能させる場合、動力伝達ベルト3で第二プーリ22から第一プーリ12の外周回転体12oに伝達された回転を内周回転体12iに伝達させる必要があるからである。この可動シュー12sと外周回転体12oとの摺接は、クランク軸11の回転数が300rpm以下程度の低速回転時に維持できる一方で、クランク軸11の回転数が300rpmを超える高速回転時には、可動シュー12sが外周回転体12oに圧接されて内周回転体12iと外周回転体12oを一体化できるように、上記弾性体12eの付勢力や可動シュー12sの形状・数などを選択しておく。
(その他の構成)
<テンショナー>
図1のベルト伝動機構には、テンショナー4Aが設けられている。テンショナー4Aは、動力伝達ベルトに圧接されるテンションプーリ41Aと、テンションプーリ41Aを動力伝達ベルトに対して追従させるダンパ42Aとを有する。ダンパ42Aには、油圧シリンダやばね、又はこれらの組合せ等が利用できる。ダンパ42Aにより、動力伝達ベルト3に生じる張りや緩みに対してテンションプーリ41Aを追従させ、このベルト3の張力をほぼ一定に保つことができる。
<テンショナー>
図1のベルト伝動機構には、テンショナー4Aが設けられている。テンショナー4Aは、動力伝達ベルトに圧接されるテンションプーリ41Aと、テンションプーリ41Aを動力伝達ベルトに対して追従させるダンパ42Aとを有する。ダンパ42Aには、油圧シリンダやばね、又はこれらの組合せ等が利用できる。ダンパ42Aにより、動力伝達ベルト3に生じる張りや緩みに対してテンションプーリ41Aを追従させ、このベルト3の張力をほぼ一定に保つことができる。
<他のプーリ>
回転電機2の回転軸21に設けた第二プーリ22の他、さらに他の補機プーリ51やアイドラプーリ52を備えていてもよい。これら補機プーリ51やアイドラプーリ52も動力伝達ベルト3を介して内燃機関の出力軸11に連動して回転される。他の補機プーリ51の具体例としては、パワーステアリングポンププーリ、ウォータポンププーリ、エアコンコンプレッサプーリ等が挙げられる。図1では説明の便宜上、一つの補機プーリ51しか示していないが、複数の補機プーリがあってもよいことはいうまでもない。
回転電機2の回転軸21に設けた第二プーリ22の他、さらに他の補機プーリ51やアイドラプーリ52を備えていてもよい。これら補機プーリ51やアイドラプーリ52も動力伝達ベルト3を介して内燃機関の出力軸11に連動して回転される。他の補機プーリ51の具体例としては、パワーステアリングポンププーリ、ウォータポンププーリ、エアコンコンプレッサプーリ等が挙げられる。図1では説明の便宜上、一つの補機プーリ51しか示していないが、複数の補機プーリがあってもよいことはいうまでもない。
(動作)
上記滑り伝動機構の動作は次の通りである。
上記滑り伝動機構の動作は次の通りである。
内燃機関1の始動時、まずISGをスタータモータとして機能させ、ISGの回転軸21→第二プーリ22→動力伝達ベルト3→第一プーリ12→内燃機関の出力軸11の順に回転を伝達させる。このとき、第一プーリの外周回転体12oは内周回転体の可動シュー12sと摺接されているため、外周回転体12oから内周回転体への回転の伝達が行われ、出力軸11を回転させることができる。
次に、この出力軸11の回転に合わせて内燃機関1を初爆させ、内燃機関1を駆動させる。この初爆直後、出力軸11の急峻な回転変動が生じるが、出力軸11と一体に回転している内周回転体12iは外周回転体12oに対して可動シュー12sで摺接しているため、外周回転体12oとの間で滑りが生じる。これにより、出力軸11の回転変動が外周回転体12oに入力され難く、外周回転体12oに巻き掛けられた動力伝達ベルト3にも張力変動が生じ難い。
その後、出力軸11の回転数が上がって回転が安定すると、第一プーリ12に生じる遠心力の作用により、可動シュー12sが強く外周回転体12oに圧接される。この圧接により内周回転体12iと外周回転体12oとは一体となって回転し、第一プーリ12→動力伝達ベルト3→第二プーリ22の順に回転が伝達されてISGを発電機として機能させることができる。つまり、滑り伝動機構による出力軸11から動力伝達ベルト3への滑りを伴う伝動は、内燃機関1の初爆直後には作用するが、出力軸11が高回転時には不作用となる。
(作用効果)
上記の滑り伝動機構を備えるベルト伝動機構は次の効果を奏する。
上記の滑り伝動機構を備えるベルト伝動機構は次の効果を奏する。
第一プーリ12に遠心クラッチを応用した滑り伝動機構を備えることで、内燃機関1の初爆直後、出力軸11の急峻な回転変動が生じても、その変動を外周回転体12oに入力し難くでき、動力伝達ベルト3の張力変動も生じ難くできる。そのため、動力伝達ベルト3の張力変動に伴うばたつきを抑制し、そのばたつきに伴う異音の発生も抑制することができる。
出力軸11の回転数が上がると、内周回転体12iと外周回転体12oとが実質的に滑りを伴うことなく一体化されるため、効率的に内燃機関1により回転電機2を駆動することができる。
なお、ISGではなく、回転電機2をオルタネータとし、その回転軸21に固定されるオルタネータプーリを第二プーリ22とする場合も上記作用効果は同様である。出力軸11の回転始動をスタータモータで行うだけで、内燃機関1の初爆直後の第一プーリ12、動力伝達ベルト3、及び第二プーリ22の挙動はISGの場合と実質的に変わらないからである。
[実施形態2]
図3を参照して、実施形態2に係る内燃機関のベルト伝動機構を説明する。この伝動機構も実施形態1と同様の第二プーリ22、動力伝達ベルト3、及びテンショナー4Aを備えるが、第一プーリ12が遠心クラッチを応用した滑り伝動機構を備えず、代わりの滑り伝動機構として、追加したテンショナー4Bを備える点で実施形態1とは構成が異なる。以下、主に実施形態1との相違点を説明する。
図3を参照して、実施形態2に係る内燃機関のベルト伝動機構を説明する。この伝動機構も実施形態1と同様の第二プーリ22、動力伝達ベルト3、及びテンショナー4Aを備えるが、第一プーリ12が遠心クラッチを応用した滑り伝動機構を備えず、代わりの滑り伝動機構として、追加したテンショナー4Bを備える点で実施形態1とは構成が異なる。以下、主に実施形態1との相違点を説明する。
(構成)
実施形態2で用いる滑り伝動機構は、テンショナー4Bでテンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3に対する圧接状態を調整することで、第一プーリ12と動力伝達ベルト3との間で滑りを生じさせる構成である。具体的には、動力伝達ベルト3へ圧接されるテンションプーリ41Bと、テンションプーリ41Bへの圧接状態を可変とすることで動力伝達ベルト3の張力を調整するダンパ42Bとを備える。ダンパ42Bは、内燃機関1の初爆直後で出力軸11が低回転の場合、テンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3への圧接力を低減して第一プーリ12の回転に対して動力伝達ベルト3を滑らせる。逆に、出力軸11が高回転の場合は、テンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3への圧接力を増加して第一プーリ12の回転を動力伝達ベルト3に伝達させる。本例では、テンションプーリ41Bを出力軸11の回転変動時に動力伝達ベルト3が張り側となる位置に設け、そのテンションプーリ41Bの移動は、ダンパ42Bとなる油圧シリンダの駆動により行う。
実施形態2で用いる滑り伝動機構は、テンショナー4Bでテンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3に対する圧接状態を調整することで、第一プーリ12と動力伝達ベルト3との間で滑りを生じさせる構成である。具体的には、動力伝達ベルト3へ圧接されるテンションプーリ41Bと、テンションプーリ41Bへの圧接状態を可変とすることで動力伝達ベルト3の張力を調整するダンパ42Bとを備える。ダンパ42Bは、内燃機関1の初爆直後で出力軸11が低回転の場合、テンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3への圧接力を低減して第一プーリ12の回転に対して動力伝達ベルト3を滑らせる。逆に、出力軸11が高回転の場合は、テンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3への圧接力を増加して第一プーリ12の回転を動力伝達ベルト3に伝達させる。本例では、テンションプーリ41Bを出力軸11の回転変動時に動力伝達ベルト3が張り側となる位置に設け、そのテンションプーリ41Bの移動は、ダンパ42Bとなる油圧シリンダの駆動により行う。
(動作と作用効果)
例えば、テンショナー4Bのダンパ42Bとして油圧シリンダを用いている場合、内燃機関の始動時、油圧シリンダを駆動してテンションプーリ41Bを通常の位置より動力伝達ベルト3から後退させ、テンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3に対する圧接力を弱めるようにしておく。これにより、動力伝達ベルト3の張力を低減しておく。但し、第一プーリ12と第二プーリ22間の回転の伝達が可能な程度に動力伝達ベルト3の張力は確保しておく。
例えば、テンショナー4Bのダンパ42Bとして油圧シリンダを用いている場合、内燃機関の始動時、油圧シリンダを駆動してテンションプーリ41Bを通常の位置より動力伝達ベルト3から後退させ、テンションプーリ41Bの動力伝達ベルト3に対する圧接力を弱めるようにしておく。これにより、動力伝達ベルト3の張力を低減しておく。但し、第一プーリ12と第二プーリ22間の回転の伝達が可能な程度に動力伝達ベルト3の張力は確保しておく。
この状態でISGをスタータモータとして機能させ、ISGの回転軸21→第二プーリ22→動力伝達ベルト3→第一プーリ12→内燃機関の出力軸11の順に回転を伝達させる。このとき、動力伝達ベルト3の張力が低いが、両プーリ12,22間の回転の伝達は可能なため、出力軸11を回転させることができる。
次に、この出力軸11の回転に合わせて内燃機関1を初爆させ、内燃機関1を駆動させる。この初爆直後、出力軸11の急峻な回転変動が生じるが、動力伝達ベルト3の張力が低いため、第一プーリ12と動力伝達ベルト3との間には滑りが生じる。これにより、出力軸11(第一プーリ12)の回転変動が動力伝達ベルト3に入力され難く、そのベルト3の張力変動も生じ難い。
その後、出力軸11の回転数が上がって回転が安定すると、油圧シリンダを駆動してテンションプーリ41Bを通常の位置に進出させ、テンションプーリ41Bで動力伝達ベルト3をより強く圧接する。これにより、動力伝達ベルト3の張力を高め、第一プーリ12→動力伝達ベルト3→第二プーリ22の順になされる回転の伝達を、実質的に滑りを伴うことなく行うことができる。この滑り伝動機構による出力軸11から動力伝達ベルト3への滑りを伴う伝動も、内燃機関1の初爆直後には作用するが、出力軸11が高回転時には不作用となる。
実施形態2においても、内燃機関1の初爆直後、出力軸11の急峻な回転変動が生じても、その変動を動力伝達ベルト3に伝達し難くでき、同ベルト3の張力変動も生じ難くできる。そのため、動力伝達ベルト3の張力変動に伴うばたつきを抑制し、そのばたつきに伴う異音の発生も抑制することができる。
特に、出力軸11の高回転時における動力伝達ベルト3の張力を、内燃機関1が回転電機2や他の補機を駆動させる際に設定される一般的な張力としておけば、過度の張力が動力伝達ベルト3に作用することもない。そのため、過度の張力に伴うベルト3の劣化・損傷や、回転電機2や他の補機プーリ51の回転軸や軸受けに対する過大な応力の作用も回避できる。
これら一連のテンションプーリ41Bの移動を行うダンパ42Bの動作は、初爆時の点火プラグへの電圧の印加や、初爆直前のISG(スタータモータ)の始動やそれに伴う出力軸11の回転などを検知し、その検知信号に基づいてダンパ42Bを駆動させるダンパ制御手段(図示略)を用いることが好ましい。ECUにダンパ制御手段を具備することで、このダンパの一連の動作を自動制御することができる。
本発明の内燃機関のベルト伝動機構は、内燃機関の出力軸の回転を動力伝達ベルトを介してオルタネータなどの補機に伝達する内燃機関の分野において有用に利用できる。
1 内燃機関(レシプロエンジン)
11 出力軸(クランク軸)
12 第一プーリ(クランクプーリ)
12i 内周回転体 12s 可動シュー 12e 弾性体 12o 外周回転体
2 回転電機(ISG)
21 回転軸
22 第二プーリ(ISGプーリ)
3 動力伝達ベルト
4A,4B テンショナー
41A,41B テンションプーリ 42A,42B ダンパ
51 補機プーリ 52 アイドラプーリ
11 出力軸(クランク軸)
12 第一プーリ(クランクプーリ)
12i 内周回転体 12s 可動シュー 12e 弾性体 12o 外周回転体
2 回転電機(ISG)
21 回転軸
22 第二プーリ(ISGプーリ)
3 動力伝達ベルト
4A,4B テンショナー
41A,41B テンションプーリ 42A,42B ダンパ
51 補機プーリ 52 アイドラプーリ
Claims (2)
- 内燃機関の出力軸に連結される第一プーリと、
発電機能を有する回転電機の回転軸に連結される第二プーリと、
前記両プーリに巻き掛けられる動力伝達ベルトと、
前記内燃機関の初爆直後に前記出力軸の回転を前記動力伝達ベルトに対して滑りを伴って伝達する滑り伝動機構とを備える内燃機関のベルト伝動機構。 - 前記滑り伝動機構は、前記第一プーリに設けられ、
当該第一プーリは、
前記動力伝達ベルトが巻き掛けられる外周回転体と、
前記出力軸に同期して回転され、前記出力軸の低回転時、前記外周回転体に対して滑りを伴って摺接し、前記出力軸の高回転時、遠心力により前記外周回転体に圧接されて、前記出力軸の回転を前記外周回転体に伝達する可動シューとを備える請求項1に記載の内燃機関のベルト伝動機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014168869A JP2016044734A (ja) | 2014-08-21 | 2014-08-21 | 内燃機関のベルト伝動機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014168869A JP2016044734A (ja) | 2014-08-21 | 2014-08-21 | 内燃機関のベルト伝動機構 |
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Family Applications (1)
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2014
- 2014-08-21 JP JP2014168869A patent/JP2016044734A/ja active Pending
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