本実施形態のバックドア1は、車両後端部の上縁に沿って車幅方向に配置されたバックドア上部と、車両後端部の左右の側縁に沿って車両上下方向に配置されたバックドア側部と、左右のバックドア側部の下端部から下方に配置されたバックドア裾部とから構成されている。バックドア1は、その上部を蝶番によって車体に取り付けられており、上部を支点として上方向へ回動することによって開放される。バックドア1の上側はリアガラス2で覆われている。
バックドア1は、内板を構成するインナーパネル1Bと外板を構成するアウターパネル1Cとを組み合わせ、その周縁部を接合して形成される。インナーパネル1B及びアウターパネル1Cは、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)によって成形される。バックドア1は、その中央には開口部1Dを有し、開口部1Dにはリアガラス2が装着される。すなわち、リアガラス2は、アウターパネル1Cのバックドア上部、バックドア側部及びバックドア裾部のアウターパネル1Cに取り付けられ、開口部1Dを覆う。
バックドア1の内部は中空となっており、この中空領域には、バックドア1の剛性を高めるために樹脂製又は金属製のリインフォース9A、9Bが設けられる。具体的には、左のリインフォース9Aは、バックドア上部、左のバックドア側部及びバックドア裾部に設けられる。また、右のリインフォース9Bは、バックドア上部、右のバックドア側部及びバックドア裾部に設けられる。
図2Aに示すように、バックドア1の上側の内部空間内には、アンテナ基板10が配置される。アンテナ基板10は、例えば、非導電性材料(例えば、エポキシ樹脂などの合成樹脂)を用いて板状に形成され、インナーパネル1B又はアウターパネル1Cの内側に、例えば接着剤やビス止め等の公知の方法で取り付けられる。
アンテナ基板10からは、同軸ケーブル5が延伸し、バックドア1と車体3との間に設けられたグロメット4の中空部を経由して車内に導入され、アンテナ基板10上のアンテナが受信した信号を受信機に伝送する。
また、図2Bに示すように、スポイラ6内にアンテナ基板10を取り付けてもよい。すなわち、バックドア1(アウターパネル1C)の上部には、後方に延伸するスポイラ6が設けられる。スポイラ6は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)によって中空に形成されている。スポイラ6の内部(スポイラ6の外装とアウターパネル1Cとで形成される空間)には、アンテナ基板10が配置される。
スポイラ6内にアンテナ基板10を取り付けた場合でも、アンテナ基板10からバックドア1と車体3との間に設けられたグロメット4の中空部を経由して同軸ケーブル5が車内に導入され、アンテナ基板10上のアンテナが受信した信号を受信機に伝送する。
前述したようにバックドア1には、開口部1Dを覆うようにリアガラス2が取り付けられている。バックドア1にはアンテナ基板10が設けられる。アンテナ基板10は、図3から図11に示すように、リアガラス2の縦中心線の左右両側にわたって配置されてもよく、図12から図19に示すように、リアガラス2の縦中心線の一方の領域(例えば、左側)に配置されてもよい。
アンテナ基板10には、AMアンテナ11、AM増幅器12、FMアンテナ21及びFM増幅器22が設けられる。なお、後述する実施例のように、アンテナ基板10に、AMアンテナ11及びAM増幅器12を設け、FMアンテナ21及びFM増幅器22を設けなくてもよい。
AMアンテナ11は、AMラジオ放送帯(526.5〜1606.5kHz)の電波を受信するアンテナである。FMアンテナ21は、FMラジオ放送波(76〜108MHz)の電波を受信するアンテナである。AMアンテナ11及びFMアンテナ21は、アンテナ基板10上に形成された導電パターンによる平面アンテナ又はアンテナ基板10上に取り付けられた金属板によるアンテナによって構成することができる。
AM増幅器12は、AMアンテナ11が受信したAMラジオ放送信号を増幅して、同軸ケーブル5に出力する。FM増幅器22は、FMアンテナ21が受信したFMラジオ放送信号を増幅して、同軸ケーブル5に出力する。なお、AMラジオ放送信号用の同軸ケーブルとFMラジオ放送信号用の同軸ケーブルを別に設けたが、アンテナ基板10上にミキサを設け、一本の同軸ケーブルでAMラジオ放送信号とFMラジオ放送信号とを伝送してもよい。
AMアンテナ11及びFMアンテナ21が受信した信号は、同軸ケーブル5を介してミキサ7に入力される。ミキサ7はAMラジオ放送信号とFMラジオ放送信号とを混合して、受信機8に出力する。受信機8は、AMアンテナ11及びFMアンテナ21が受信した信号を復調し、音声又はデータの信号を出力する。
なお、アンテナ基板10に、AMアンテナ11及びFMアンテナ21が実装された例について説明したがDAB放送波受信用アンテナやTV放送波受信用アンテナを実装してもよい。
このように、本実施形態のバックドア1は、インナーパネル1B及びアウターパネル1Cが合成樹脂で形成されるので、放送波受信用アンテナをバックドア1に内蔵することができる。
リアガラス2には、デフォッガ90が設けられる。デフォッガ90は、リアガラス2の左右に設けられた一対のバスバ93と、二つのバスバ93の間を接続する複数の加熱線条91と、複数の加熱線条91を接続する垂直線条92とを有する。垂直線条92の数は1本でも複数でもよい。
図4から図19は、本発明の実施形態のガラスアンテナを車内側から見た図である。図4から図19では、基本的にバックドア1の部分のみを図示して、必要に応じて配線や周囲の構造を付加して示す。
図4に示すように、本発明の実施形態のガラスアンテナは、自動車のリアガラス2に設けられたデフォッガ90がFMアンテナ21の一部として機能する。すなわち、デフォッガ90を構成する加熱線条91及び垂直線条92は、それぞれ、FMアンテナ21の水平線条及び垂直線条として機能する。
バスバ93には、FMコイル94が設けられる。すなわち、一方のバスバ93はFMコイル94を介して電源に接続し、他方のバスバ93はFMコイル94を介してアースに接続する。FMコイル94によって、電源及びアースからデフォッガ90に流入する受信周波数帯のノイズを抑制する。
また、図6、図7、図8、図9、図10、図11に示すように、デフォッガ90から上方に延伸する補助線条31、32、33、34を設けてもよい。補助線条は、図6に示すように直線状の補助線条31でも、図7に示すようにT字形の補助線条32でも、図8、図9、図10、図11に示すように逆L字形の補助線条33、34でもよい。補助線条は、1本でも、図10、図11に示すように複数本でもよい。補助線条が延伸する起点の位置は、図6、図7に示すようにデフォッガ90の右側でも、図8、図10、図11に示すようにデフォッガ90の中央(すなわち、垂直線条92と同じ位置)でも、デフォッガ90の左側でも、図9、図10、図11に示すようにバスバ93でもよい。
また、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19に示すように、FMアンテナをリアガラス2に設けてもよい。図17、図18、図19に示すように、複数のFMアンテナをリアガラス2に設けてもよい。
FMアンテナは、図12に示すように直線状のFMアンテナ37でもよく、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19に示すように逆L型のFMアンテナでもよい。また、図15に示すように、FMアンテナ44の給電部38を水平部44Bの上側に設けてもよい。
また、図13、図14、図15、図18に示すように、デフォッガ90から上方に延伸する補助線条40、42を設けてもよい。補助線条は、直線状でも、T字形でも、図13、図14、図15、図18に示すように逆L字形の補助線条40、42、57でもよい。補助線条は、1本でも、図18に示すように複数本でもよい。補助線条が延伸する起点の位置は、図14、図18に示すようにデフォッガ90の右側でも、図13、図15、図18に示すようにデフォッガ90の中央(すなわち、垂直線条92と同じ位置)でも、デフォッガ90の左側でも、バスバ93でもよい。
本発明の実施形態のデフォッガ90、各線条及び各アンテナは、そのパターンをリアガラス2の室内面側の所定位置に、導電性のセラミックペーストによって各線条の幅を約0.7mmで印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして形成される。また、デフォッガ90と離隔したアンテナは、光を透過する樹脂フィルム上に形成された導電性のパターンによって形成して、ガラス板に貼り付けてもよい。
本実施形態の樹脂製のバックドア1の内部の開口部1Dより上側には、放送波を受信するための内蔵アンテナ11、21が取り付けられており、バックドアを覆うリアガラス2には、横方向に延伸する複数の加熱線条91と、複数の加熱線条91の端部を接続する一対のバスバ93と、複数の加熱線条91と交わって接続される少なくとも一つの垂直線条92とを有するデフォッガ90が形成される。デフォッガ90は一つ以上の垂直線条92を有するので、内蔵アンテナ11、21の利得(感度)を向上することができる。
本実施形態のアンテナでは、アンテナ基板10上に配置されたアンテナ11、21がデフォッガ90の最上部の加熱線条91と結合する。このため、アンテナ基板10上に配置されたアンテナ11、21の感度に影響し、特に、高周波帯、その中でもFM周波数帯での感度への影響が大きい。
本実施形態では、アンテナ基板10上に配置されたアンテナ11、21はデフォッガ90と結合しており、デフォッガ90が一つ以上の垂直線条92を有する。垂直線条92を設けることによって、デフォッガ90のインピーダンスを調整することができる。これによって、バックドア1に内蔵されるアンテナの感度を良好に調整することができる。また、垂直線条92の長さ及び位置を調整することによって、デフォッガ90のインピーダンスを調整できるので、所望の周波数の信号をアンテナ11、21に流すことができる。
また、3本の垂直線条92を設けるので、垂直線条92が1本の場合より長さ及び取付位置のバリエーションが増え、内蔵アンテナ11、21を良好な感度に容易に調整することができる。
また、リアガラス2において、デフォッガ90の上部の余白部に補助線条31等を形成したので、内蔵アンテナ11、21とデフォッガ90との結合の程度が変化し、受信帯域での感度を向上することができる。また、補助線条31の形状及び長さ、水平線条91との接続位置を調整することができ、内蔵アンテナ11、21を良好な感度に容易に調整することができる。
また、補助線条31、34等の一端はバスバ93の上端又は最上部の加熱線条91に接続するので、補助線条34の長さや配置のバリエーションが増え、内蔵アンテナ11、21を良好な感度に容易に調整することができる。
また、補助線条32は、補助水平線条32Bと、補助水平線条32Bとデフォッガ90とを接続する接続線条32Aとを有するので、接続線条32Aの長さ、補助水平線条32Bの長さ、接続線条32Aと補助水平線条32Bとの接続位置、接続線条32Aの水平線条91への接続位置などを調整することができ、内蔵アンテナ11、21を良好な感度に容易に調整することができる。
また、補助線条33の一端が、垂直線条92の上端と接続されるので、補助線条33と垂直線条92とが一本のエレメントとして機能し、内蔵アンテナ11、21を良好な感度に容易に調整することができる。
また、2本の補助線条34、35をリアガラス2の上で離隔して、各補助線条の一部を略平行に近接して配置したので、補助線条34、35がオーバーラップするように配置され、内蔵アンテナ11、21の感度を調整するポイントが増え、バックドア1に内蔵されるアンテナを良好な感度に容易に調整することができる。
また、リアガラス2におけるデフォッガ90の上部の余白部に、内蔵アンテナ11、21と給電点が異なるガラスアンテナ37を形成したので、バックドア1に内蔵されるFMアンテナ21とリアガラス2に設けられるFMアンテナ37とで、ダイバーシティを構成することができる。
また、ガラスアンテナ39、44は補助線条40とリアガラス2上で離隔して配置され、ガラスアンテナ39、44の水平部39B、44Bと補助線条40の補助水平線条40Bとを略平行に近接して配置したので、ガラスアンテナ39、44と補助線条40とがオーバーラップするように配置され、ガラスアンテナ39の感度を調整するポイントが増え、ガラスアンテナ39を良好な感度に容易に調整することができる。
また、補助線条42(補助水平線条42B)の延伸方向と、ガラスアンテナ39(水平部39B)の延伸方向とを同じにしたので、ガラスアンテナ39と補助線条42とがオーバーラップする部分を増やすことができ、ガラスアンテナ39を良好な感度に容易に調整することができる。
また、ガラスアンテナ37の給電部38と内蔵アンテナ11、21の給電部とは、リアガラス2の縦中心線に対して反対側に配置されるので、効率的にダイバーシティ受信をすることができる。
また、ガラスアンテナ44の給電部38が、開口部1D(リアガラス2)の上辺の近傍に形成されるので、ガラスアンテナ44をリアガラス2の左上部に配置した場合でも、ガラスアンテナ44の水平部44Bの上側に補助水平線条40Bを設けることによって、内蔵アンテナ11、21を良好な感度に容易に調整することができる。
また、各々が異なる周波数帯の信号を受信するための、2本以上のガラスアンテナ46、47をリアガラス2に設けたので、異なる周波数帯を受信するアンテナをリアガラス2に設けることができる。さらに、複数のアンテナ46、47をリアガラス2に設ける場合でも、アンテナ46、47及び内蔵アンテナ11、21を良好な感度に容易に調整することができる。
また、同じ周波数帯の信号を受信するための2本以上のガラスアンテナ49、50をリアガラス2に設けたので、リアガラス2に設けたガラスアンテナ49、50だけでダイバーシティを構成することができる。
また、ガラスアンテナ52、53のアース側給電部56が、デフォッガ90の少なくとも2辺の外側に形成されたアースパターン55に接続されるので、バックドア1が合成樹脂製であり、バックドアにアースを設けられない(バックドア1が合成樹脂製である)場合でも、リアガラス2にアンテナを配置することができ、リアガラスに配置したアンテナを良好な感度に調整することができる。また、バックドア1が金属製であるが、アンテナの近くにアースを設けられない場合でも、リアガラス2に配置したアンテナを良好な感度に調整することができる。
また、ガラスアンテナ52、53の各アース側給電部56は、アースパターン55に接続されるので、ガラスアンテナ52、53のアース電位を安定化することができる。また、ケーブルの這いまわしによってアンテナ感度が不安定になることを防ぐことができる。
また、ガラスアンテナ46はFMラジオ放送を受信するためのアンテナであり、ガラスアンテナ47はDAB放送波を受信するためのアンテナである。このため、複数の周波数帯の信号を好適に受信するためのアンテナシステムを構成することができる。
また、内蔵アンテナは、FMアンテナ21及びAMアンテナ11を含む。このため、複数の周波数帯の信号を好適に受信するためのアンテナシステムを構成することができる。
また、バックドア1上部に設けられた非導電性材料で形成されたスポイラ6内に内蔵アンテナ11、21を設けることによって、複数の周波数帯の信号を好適に受信するためのアンテナシステムを構成することができる。
以下、本発明の種々の実施例について説明する。
<実施例1>
図4は、本発明の第1実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
リアガラス2には、デフォッガ90が設けられる。デフォッガ90は、リアガラス2の左右に設けられた一対のバスバ93と、二つのバスバ93の間を接続する複数の加熱線条91と、複数の加熱線条91を接続する1本の垂直線条92とを有する。垂直線条92は、最上部の水平線条91と最下から2番目の水平線条91との間を接続するように配置するが、最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間を接続するように配置してもよく、これ以外の水平線条91の間を接続するように配置してもよい。
バスバ93には、FMコイル94が設けられる。例えば、右のバスバ93はFMコイル94を介して電源に接続し、左のバスバ93はFMコイル94を介してアースに接続する。FMコイル94によって、デフォッガ90をFMラジオ放送帯域で電源及びアースから電気的に浮かせることができ、FMラジオ放送帯域におけるアンテナ感度を向上することができる。
第1実施例のガラスアンテナでは、デフォッガ90の最上部の加熱線条91とFMアンテナ21とが容量結合している。このため、デフォッガ90がFMアンテナ21の一部として機能する。すなわち、デフォッガ90を構成する加熱線条91及び垂直線条92は、それぞれ、FMアンテナ21の水平線条及び垂直線条として機能する。
アンテナ基板10には、AMアンテナ11、AM増幅器12、FMアンテナ21及びFM増幅器22が設けられる。アンテナ基板10内の各構成の詳細は、前述した実施形態と同じなので、説明を省略する。
第1実施例では、デフォッガ90に垂直線条92を設けることによって、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)の感度を向上することができる。また、垂直線条92の長さ及び位置を調整することによって、バックドア1に内蔵されるアンテナの感度を容易に調整することができる。
<実施例2>
図5は、本発明の第2実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第2実施例のガラスアンテナは、複数の垂直線条92を設けている点が第1実施例と異なる。具体的には、第2実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有する。具体的には、左右の2本の垂直線条92は最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置されており、中央の1本の垂直線条92は最上部の水平線条91と下から2本目の水平線条91との間に配置されている。なお、複数の垂直線条92は、異なる水平線条91を端部としても、同じ水平線条91を端部としてもよい。
第2実施例の前述以外の構成は、第1実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第2実施例では、前述した実施例の効果の他、垂直線条92を複数本にすることによって、垂直線条92が1本の場合より長さ及び取付位置のバリエーションが増え、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例3>
図6は、本発明の第3実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第3実施例のガラスアンテナは、デフォッガ90から上方に延伸する補助線条31を設けている点が第2実施例と異なる。補助線条31は、デフォッガ90の最上部の水平線条91からアンテナ基板10の方向に延伸する。補助線条31は、最上部の水平線条91の右側から延伸したが、中央や、左側から延伸してもよい。補助線条31は、最上部の水平線条91とバスバ93(又は、最上部の水平線条91)とを結ぶループ形状でもよい。
第3実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置されている。なお、複数の垂直線条92は、異なる水平線条91を端部としてもよい。
第3実施例の前述以外の構成は、第2実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第3実施例では、前述した各実施例の効果の他、デフォッガ90からアンテナ基板10の方向に延伸する補助線条31を設けることによって、FMアンテナ21とデフォッガ90との結合の程度が変化し、FMラジオ放送帯での感度を向上することができる。また、補助線条31の形状、長さ、水平線条91との接続位置を調整することができ、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例4>
図7は、本発明の第4実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第4実施例のガラスアンテナは、デフォッガ90から上方に延伸するT字形の補助線条32を設けている点が第2実施例と異なる。補助線条32は、デフォッガ90の最上部の水平線条91からアンテナ基板10の方向に延伸する接続線条32Aと、接続線条32Aの上端に接続し、右方向及び左方向に略水平に延伸する補助水平線条32BとによってT字形の線条を形成する。接続線条32Aは、最上部の水平線条91の右側から延伸したが、中央や、左側から延伸してもよい。
第4実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有する。具体的には、中央の1本の垂直線条92は最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置されており、右の1本の垂直線条92は最上部の水平線条91と下から2本目の水平線条91との間に配置されており、左の1本の垂直線条92は最上部の水平線条91と下から3本目の水平線条91との間に配置されている。なお、複数の垂直線条92は、異なる水平線条92を端部としても、同じ水平線条91を端部としてもよい。
第4実施例の前述以外の構成は、第2実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第4実施例では、前述した各実施例の効果の他、補助線条32を接続線条32A及び補助水平線条32Bで構成することによって、接続線条32Aの長さ、補助水平線条32Bの長さ、接続線条32Aと補助水平線条32Bとの接続位置、接続線条32Aの水平線条91への接続位置などを調整することができ、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例5>
図8は、本発明の第5実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第5実施例のガラスアンテナは、デフォッガ90から上方に延伸する逆L字形の補助線条33を設けている点が第2実施例と異なる。補助線条33は、デフォッガ90の最上部の水平線条91の略中央(すなわち、垂直線条92と最上部の加熱線条91との交点)からアンテナ基板10の方向に延伸する接続線条33Aと、接続線条33Aの上端に接続し、左方向に略水平に延伸する補助水平線条33Bとによって逆L字形の線条を形成する。補助線条33は、水平線条91の中央から延伸したが、右側や、左側から延伸してもよい。また補助水平線条33Bの延伸方向は左又は右のどちらでもよいが、好ましくは、アンテナ基板10のFMアンテナ21に近い方向がよい。
第5実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置されている。なお、複数の垂直線条92は、異なる水平線条91を端部としてもよい。
第5実施例の前述以外の構成は、第2実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第5実施例では、前述した各実施例の効果の他、補助線条33の一端を垂直線条92と接続することによって、補助線条33と垂直線条92とが一本のエレメントとして機能し、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例6>
図9は、本発明の第6実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第6実施例のガラスアンテナは、バスバ93から上方に延伸する逆L字形の補助線条34を設けている点が第2実施例と異なる。補助線条34は、デフォッガ90のバスバ93からアンテナ基板10の方向に延伸する接続線条34Aと、接続線条34Aの上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する補助水平線条34Bとによって逆L字形の線条を形成する。
第6実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置されている。なお、複数の垂直線条92は、異なる水平線条91を端部としてもよい。
第6実施例の前述以外の構成は、第2実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第6実施例では、前述した各実施例の効果の他、補助線条34をバスバ93に取り付けることによって、デフォッガ90のインピーダンスを調整することができる。
<実施例7>
図10は、本発明の第7実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第7実施例のガラスアンテナは、デフォッガ90から上方に延伸する2本の補助線条33、34を設けている点が第2実施例と異なる。
補助線条33は、前述したように、デフォッガ90の最上部の水平線条91の略中央(すなわち、垂直線条92と最上部の加熱線条91との交点)からアンテナ基板10の方向に延伸する接続線条33Aと、接続線条33Aの上端に接続し、左方向に略水平に延伸する補助水平線条33Bとによって逆L字形の線条を形成する。
補助線条34は、前述したように、デフォッガ90のバスバ93からアンテナ基板10の方向に延伸する接続線条34Aと、接続線条34Aの上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する補助水平線条34Bとによって逆L字形の線条を形成する。
なお、補助水平線条33Bと補助水平線条34Bとを平行に配置することによって、補助線条33の一部と補助線条34の一部とがオーバーラップするように配置してもよい。
第7実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置されている。なお、複数の垂直線条92は、異なる水平線条91を端部としてもよい。
第7実施例の前述以外の構成は、第2実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第7実施例では、前述した各実施例の効果の他、2本の補助線条33、34を設けることによって、補助線条の長さや配置のバリエーションが増え、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例8>
図11は、本発明の第8実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第8実施例のガラスアンテナは、デフォッガ90から上方に延伸する2本の補助線条34、35を、その先端がオーバーラップするように配置している点が第2実施例と異なる。
補助線条34は、前述したように、デフォッガ90のバスバ93からアンテナ基板10の方向に延伸する接続線条34Aと、接続線条34Aの上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する補助水平線条34Bとによって逆L字形の線条を形成する。
補助線条35は、前述したように、デフォッガ90の最上部の水平線条91の略中央(すなわち、垂直線条92と最上部の加熱線条91との交点)からアンテナ基板10の方向に延伸する接続線条35Aと、接続線条35Aの上端に接続し、右方向に略水平に延伸する補助水平線条35Bとによって逆L字形の線条を形成する。
補助水平線条34Bと補助水平線条35Bとは近接するように平行に配置される。これによって、補助水平線条34Bと補助水平線条35Bとはオーバーラップしている部分36で容量結合する。
第8実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置されている。なお、複数の垂直線条92は、異なる水平線条91を端部としてもよい。
第8実施例の前述以外の構成は、第2実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第8実施例では、前述した各実施例の効果の他、2本の補助線条34、35の水平部がオーバーラップするように平行に配置することによって、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)の感度を調整するポイントが増え、バックドア1に内蔵されるアンテナを良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例9>
図12は、本発明の第9実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第9実施例のガラスアンテナは、FMアンテナ37をリアガラス2に設けている点を特徴とする。
FMラジオ放送波などの高周波数帯の電波を受信する場合、2本のアンテナでダイバーシティ受信をすることがある。このため、2本のFMアンテナをリアガラスのデフォッガ上部の余白部に取り付けることがある。しかし、FMアンテナ及びAMアンテナがバックドアに内蔵され、リアガラスがバックドアに取り付けられる場合、リアガラスのデフォッガの上部の余白部の縦方向の大きさが狭くなり、2本のアンテナを設けるだけの充分なスペースを確保できないことがある。このため、1本のアンテナをバックドアに内蔵し、他方のアンテナを窓ガラスに取り付けるということがある。このような構成において、バックドア内蔵アンテナと窓ガラスに取り付けるアンテナの両方のアンテナ感度が良好になるように調整することが困難なことがあった。そこで、第9から第16実施例では、バックドア内蔵アンテナと窓ガラスに取り付けられるアンテナの両方の感度を良好に調整できる構成を提供する。
具体的には、第9実施例では、アンテナ基板10を、リアガラス2の中心から片側(例えば、縦中心線から左側)に配置する。なお、図2Bに示すように、スポイラ6内にアンテナ基板10を取り付ける場合、リアガラス2の中心から片側にアンテナ基板10を配置するとよい。アンテナ基板10には、AMアンテナ11、AM増幅器12、FMアンテナ21及びFM増幅器22が設けられる。アンテナ基板10内の各構成の詳細は、前述した実施形態と同じなので、説明を省略する。
リアガラス2には、デフォッガ90およびFMアンテナ37が設けられる。
デフォッガ90は、リアガラス2の左右に設けられた一対のバスバ93と、二つのバスバ93の間を接続する複数の加熱線条91と、複数の加熱線条91を接続する1本の垂直線条92とを有する。垂直線条92は、最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間を接続するように配置するが、両方又は一方の端部が最上部及び最下部以外の水平線条に接続するように配置してもよい。垂直線条92は複数本設けてもよい。
バスバ93には、FMコイル94が設けられる。例えば、右のバスバ93はFMコイル94を介して電源に接続し、左のバスバ93はFMコイル94を介してアースに接続する。FMコイル94によって、電源及びアースからデフォッガ90に流入する受信周波数帯のノイズを抑制する。例えば、FMコイル94によって、FMラジオ放送帯域で電源及びアースからデフォッガ90を浮かせることができ、FMラジオ放送帯域でのノイズレベルを低減し、感度を向上することができる。
FMアンテナ37は、デフォッガ90の上部のリアガラス2の余白部に設けられ、この余白部で水平に延伸する水平線条によって構成される。水平線条の外側端(右端)はFM給電部38に接続される。この場合、FMアンテナ21とFMアンテナ37とはダイバーシティを構成する。このため、FMアンテナ21とFMアンテナ37とは離れた位置に配置するとよい。望ましくは、FMアンテナ21の給電部とFMアンテナ37の給電部38とを離れた位置に配置するとよい。
FMアンテナ37をデフォッガ90に近づけて配置することによって、デフォッガ90が受信したFMラジオ放送帯の電波をFMアンテナ37に導くことができる。このため、デフォッガ90は、加熱線条91及び垂直線条92は、それぞれ、FMアンテナ21の水平線条及び垂直線条として機能する。
第9実施例では、前述した各実施例の効果の他、デフォッガ90に垂直線条92を設けることによって、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)の感度を向上することができる。また、垂直線条92の長さ及び位置を調整することによって、バックドア1に内蔵されるアンテナの感度を容易に調整することができる。また、リアガラス2に形成したFMアンテナ37の形状及び長さを調整することによって、FMアンテナ37の感度を向上することができる。さらに、デフォッガ90の上部の余白部にFMアンテナ37を設けたので、バックドア1に内蔵されるFMアンテナ21とリアガラス2に設けられるFMアンテナ37とで、ダイバーシティを構成することができる。
なお、第9実施例では、アンテナ37はFMラジオ放送波を受信するためのアンテナであるが、他の周波数帯の信号(例えば、DAB)を受信するためのアンテナでもよい。
<実施例10>
図13は、本発明の第10実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第10実施例のガラスアンテナは、FMアンテナ39をリアガラス2に設け、さらに、デフォッガ90から上方に延伸する補助線条40を設けている点が第9実施例と異なる。
FMアンテナ39は、デフォッガ90のバスバ93付近に設けられたFM給電部38から上方に延伸する垂直部39Aと、垂直部39Aの上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する水平部39Bとによって逆L字形のアンテナを形成する。
補助線条40は、デフォッガ90の最上部の水平線条91の略中央から上方に延伸する接続線条40Aと、接続線条40Aの上端に接続し、右方向に略水平に延伸する補助水平線条40Bとによって逆L字形の線条を形成する。
FMアンテナ39の水平部39Bと補助水平線条40Bとは近接するように平行に配置される。これによって、水平部39Bと補助水平線条40Bとはオーバーラップしている部分41で容量結合する。
第10実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下部から2本目の水平線条91との間に配置されている。なお、垂直線条92を最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置しても、複数の垂直線条92が異なる水平線条91を端部としてもよい。
第10実施例の前述以外の構成は、第9実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第10実施例では、前述した各実施例の効果の他、FMアンテナ39とオーバーラップするように補助線条40を設けたので、FMアンテナ39の感度を調整するポイントが増え、FMアンテナ39を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例11>
図14は、本発明の第11実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第11実施例のガラスアンテナは、FMアンテナ39をリアガラス2に設け、さらに、デフォッガ90から上方に延伸する補助線条42を設けている点が第9実施例と異なる。
FMアンテナ39は、デフォッガ90のバスバ93付近に設けられたFM給電部38から上方に延伸する垂直部39Aと、垂直部39Aの上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する水平部39Bとによって逆L字形のアンテナを形成する。
補助線条42は、デフォッガ90の最上部の水平線条91の右部分から上方に延伸する接続線条42Aと、接続線条42Aの上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する補助水平線条42Bとによって逆L字形の線条を形成する。
FMアンテナ39の水平部39Bと補助水平線条42Bとは、同じ方向に略平行に延伸し、近接するように平行に配置される。これによって、水平部39Bと補助水平線条42Bとはオーバーラップしている部分43で容量結合する。
第11実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下から2番目の水平線条91との間に配置されている。なお、垂直線条92を最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置しても、複数の垂直線条92が異なる水平線条91を端部としてもよい。
第11実施例の前述以外の構成は、第9実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第11実施例では、前述した各実施例の効果の他、FMアンテナ39とオーバーラップするように補助線条42を設けたので、FMアンテナ39の感度を調整するポイントが増え、FMアンテナ39を良好な感度に容易に調整することができる。また、補助線条42をFMアンテナ39と同じ方向に延伸したので、FMアンテナ39と補助線条42とがオーバーラップする部分を増やすことができ、FMアンテナ39を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例12>
図15は、本発明の第12実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第12実施例のガラスアンテナは、FMアンテナ44の給電部38を水平部44Bの上側に設け、さらに、デフォッガ90から上方に延伸する補助線条40を設けている点が第9実施例と異なる。
FMアンテナ44は、開口部1Dの左上付近に設けられたFM給電部38から下方に延伸する垂直部44Aと、垂直部44Aの下端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する水平部44Bとによって逆L字形の線条を形成する。
補助線条40は、デフォッガ90の最上部の水平線条91の略中央から上方に延伸する接続線条40Aと、接続線条40Aの上端に接続し、右方向に略水平に延伸する補助水平線条40Bとによって逆L字形の線条を形成する。
FMアンテナ44の水平部44Bと補助水平線条40Bとは近接するように平行に配置される。これによって、水平部44Bと補助水平線条40Bとはオーバーラップしている部分45で容量結合する。
第12実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下から2番目の水平線条91との間に配置されている。なお、垂直線条92を最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置しても、複数の垂直線条92が異なる水平線条91を端部としてもよい。
第12実施例の前述以外の構成は、第9実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第12実施例では、前述した各実施例の効果の他、FMアンテナ44をリアガラス2の左上部に配置した場合でも、FMアンテナ44の水平部44Bの上側に補助水平線条40Bを設けることによって、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例13>
図16は、本発明の第13実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第13実施例のガラスアンテナは、FMアンテナ46及びDABアンテナ47をリアガラス2に設けている点が第9実施例と異なる。
FMアンテナ46は、開口部1Dの上辺付近に設けられたFM給電部38から下方に延伸する垂直部46Aと、垂直部46Aの下端に接続し、右方向に略水平に延伸する水平部46Bとによって逆L字形の線条を形成する。
DABアンテナ47は、一対のDAB給電部48A、48Bを開口部1Dの左部分に設け、芯線側給電部48Aから右方向に延伸する水平線条を有する。なお、給電部48Bはアース側給電部であり、増幅器(又は、受信機)のアースに接続される。DABアンテナ47は、DAB放送波の信号を受信するために好適な長さにエレメントが調整される。DABアンテナ47は、バンド3(174〜240MHz)及びLバンド(1452〜1492MHz)のいずれかの周波数帯の電波を受信するものでも、両方の周波数帯を受信する共用アンテナでもよい。
第13実施例では、FMアンテナ46の他に、DABアンテナ47を設けたが、他の周波数の電波を受信するアンテナを設けてもよい。
第13実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下から2番目の水平線条91との間に配置されている。なお、垂直線条92を最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置しても、複数の垂直線条92が異なる水平線条91を端部としてもよい。
第13実施例の前述以外の構成は、第9実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第13実施例の構成によれば、前述した各実施例の効果の他、異なる周波数帯を受信するアンテナ(例えば、FMアンテナ46、DABアンテナ47)をリアガラス2に設けることができる。さらに、複数のアンテナ46、47をリアガラス2に設ける場合でも、アンテナ46、47及びバックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、FMアンテナ21)を良好な感度に容易に調整することができる。
<実施例14>
図17は、本発明の第14実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第14実施例では、アンテナ基板10にはAMアンテナ11のみを設け、リアガラス2に2本のFMアンテナ49、50を設けている点が第9実施例と異なる。
アンテナ基板10にAMアンテナ11及びAM増幅器12のみを設けることによって、アンテナ基板10を小型化することができる。このため、車両のデザインを損ねないバックドアを設計することができ、小型車に取り付けることができるアンテナ基板10として有用である。また、このような構成において、FMアンテナでダイバーシティを構成する場合、FMアンテナをリアガラスのデフォッガ上部余白部に配置する必要があり、デフォッガ上部余白部の面積が狭くなるため、FMアンテナのアンテナ感度の向上が困難である。そこで、第14及び第15実施例では、窓ガラスに取り付けられるFMアンテナの感度を良好に調整できる構成を提供する。
また、アンテナ基板10に設けられたAMアンテナ11も、周囲のボディやデフォッガの影響によって、アンテナ感度が低下することがある。そこで、第14及び第15実施例では、バックドア内蔵アンテナと窓ガラスに取り付けられるアンテナの両方の感度を良好に調整できる構成を提供する。
アンテナ基板10には、AMアンテナ11及びAM増幅器12が設けられ、FMアンテナ21及びFM増幅器22は設けられない。AMアンテナ11、AM増幅器12の詳細は、前述した実施例と同じなので、説明を省略する。
FMアンテナ49は、開口部1Dの上辺付近に設けられたFM給電部38から右方向に延伸する水平部49Aと、水平部49Aの左端に接続し、下方に延伸する垂直部49Bと、垂直部49Bの下端に接続し、右方向に略水平に延伸する水平部49Cとによって線条を形成する。
FMアンテナ50は、開口部1Dの上辺中央付近に設けられたFM給電部51から下方に延伸する垂直部50Aと、垂直部50Aの下端に接続し、左方向に略水平に延伸する水平部50Bとによって逆L字形の線条を形成する。
第14実施例では、2本のアンテナ49、50はFMラジオ放送波を受信するアンテナであるが、他の周波数の電波(例えば、地上デジタルテレビ放送波)を受信するものでもよい。
第14実施例のガラスアンテナは、1本の垂直線条92が最上部の水平線条91と最下から2番目の水平線条91との間に配置されている。なお、垂直線条92を最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置しても、複数の垂直線条92が異なる水平線条91を端部としてもよい。
第14実施例の前述以外の構成は、第9実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第14実施例の構成によれば、前述した各実施例の効果の他、アンテナ基板10にAMアンテナ11のみを設ける場合でも、デフォッガ90に垂直線条92を設けることによって、バックドア1に内蔵されるアンテナ(例えば、AMアンテナ11)の感度を向上することができる。また、垂直線条92によって、FMアンテナ21の感度を向上することができる。さらに、リアガラス2に設けた複数のFMアンテナでダイバーシティを構成することができる。このため、バックドア1に内蔵されるアンテナは異なる周波数帯の電波を受信するもののみでよい。
<実施例15>
図18は、本発明の第15実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第15実施例では、アンテナ基板10にはAMアンテナ11のみを設け、リアガラス2に2本のFMアンテナ52、53を設けている点が第9実施例と異なる。また、第15実施例では、デフォッガ90及びFMアンテナ52、53の周囲を囲うアースパターン55を設けている点がバックドア1上にアースを設けている前述した実施例と異なる。さらに、第15実施例では、デフォッガ90から延伸する補助線条57、58を設けている点が第9実施例と異なる。
アンテナ基板10には、AMアンテナ11及びAM増幅器12が設けられ、FMアンテナ21及びFM増幅器22は設けられない。AMアンテナ11、AM増幅器12の詳細は、前述した実施例と同じなので、説明を省略する。
FMアンテナ52は、デフォッガ90のバスバ93付近に設けられたFM給電部38から上方に延伸する垂直部と、垂直部の上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する水平部とによって逆L字形の線条を形成する。
FMアンテナ53は、開口部1Dの左側に設けられたFM給電部54から下方に延伸する垂直部、垂直部の下端に接続し、右方向に略水平に延伸する水平部とによってL字形の線条を形成する。
アースパターン55は、デフォッガ90及びFMアンテナ52、53の周囲(例えば、左側、上側、右側、下側の一部)を囲うように、開口部1Dの内側に沿う位置に設けられる。アースパターン55は、一つまたは複数のアース側給電部56に接続されている。例えば、一つのアース側給電部56はFM給電部38に隣接する位置に設けられ、他のアース側給電部56はFM給電部54に隣接する位置に設けられる。FMアンテナ52のアース側給電部56とFMアンテナ53のアース側給電部56とをアースパターン55によって接続したので、バックドア1上にアースが設けられない場合(例えば、バックドアが樹脂で構成されている場合、又は、金属製バックドアにおいてガラスアンテナの近くのバックドアにアースを取れない場合)に、FMアンテナ52、53のアース電位を安定化することができる。また、アースパターン55の長さや形状を調整することによって、ガラスアンテナの入力インピーダンスを同軸線のインピーダンスに合わせることができる。
また、アースパターン55は、左側端部が折り返されており、また、右側下部が屈曲して左方向に延伸しており、アースパターン55が電源側バスバ93を囲んでいる。このため、電源側バスバ93から漏れるノイズを低減することができる。さらに、アースパターン55の形状は、アンテナの入力インピーダンスに影響するので、折り返し部を設けたり、屈曲してバスバを囲むようにすることによって、アースパターン55を長くしたり、形状を変化させることによって、アンテナの入力インピーダンスを最適となるように調整することができる。
補助線条58は、デフォッガ90の最上部の水平線条91の右部分から上方に延伸する第1補助垂直線条と、第1補助垂直線条の上端に接続し、左方向(デフォッガ90の縦中心線方向)に略水平に延伸する第1補助水平線条によって逆L字形の線条を形成する。FMアンテナ52の水平部と第2補助水平線条とは近接するように平行に配置される。これによって、FMアンテナ52と補助線条58の補助線条58とはオーバーラップしている部分で容量結合する。
補助線条57は、デフォッガ90の最上部の水平線条91の略中央から上方に延伸する第2補助垂直線条と、第2補助垂直線条の上端に接続し、左方向に略水平に延伸する第2補助水平線条とによって逆L字形の線条を形成する。FMアンテナ53の水平部と補助線条57の第2補助水平線条とは近接するように平行に配置される。これによって、FMアンテナ53と補助線条57とはオーバーラップしている部分で容量結合する。
第15実施例のガラスアンテナは、3本の垂直線条92を有し、全ての垂直線条92が最上部の水平線条91と最下から2番目の水平線条91との間に配置されている。なお、垂直線条92を最上部の水平線条91と最下部の水平線条91との間に配置しても、複数の垂直線条92が異なる水平線条91を端部としてもよい。
第15実施例の前述以外の構成は、第9実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第15実施例の構成によれば、前述した各実施例の効果の他、バックドア1が合成樹脂製であり、バックドアにアースを設けられない場合でも、リアガラス2にアンテナを配置することができ、リアガラスに配置したアンテナを良好な感度に調整することができる。また、バックドア1が金属製であるが、アンテナの近くにアースを設けられない場合でも、リアガラス2に配置したアンテナを良好な感度に調整することができる。
<実施例16>
図19は、本発明の第16実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリアガラス2に設けられるガラスアンテナの正面図(車内視)である。
第16実施例のガラスアンテナは、リアガラス2に2本のFMアンテナ49、50を設けている点で第14実施例と同じであるが、AMアンテナ11、AM増幅器12、FMアンテナ21及びFM増幅器22がアンテナ基板10に設けられる点で第14実施例と異なる。
第16実施例において、FM給電部38は開口部1Dの上辺から10mm離れた位置に設けられる。
FMアンテナ49は、FM給電部38から右方向に150mm延伸する水平部49Aと、水平部49Aの左端に接続し、下方に15mm延伸する垂直部49Bと、垂直部49Bの下端に接続し、右方向に250mm略水平に延伸する水平部49Cとによって線条を形成する。
FMアンテナ50は、開口部1Dの上辺中央付近に設けられたFM給電部51から下方に15mm延伸する垂直部50Aと、垂直部50Aの下端に接続し、左方向に300mm略水平に延伸する水平部50Bとによって逆L字形の線条を形成する。
第16実施例の前述以外の構成は、第14実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
図20は、第16実施例において、デフォッガ90の垂直線条92の有無による、FMアンテナ21の利得(感度)を示す。
図中、垂直線条92を設けた場合のFMアンテナ21の利得を実線で表し、垂直線条92を設けない場合のFMアンテナ21の利得を破線で表す。
図20では、日本国内のFMラジオ放送帯(76〜90MHz)において、垂直線条92を設けることによって、FMアンテナ21の利得が向上した。外国のFMラジオ放送帯(88〜108MHz)においても、垂直線条92を設けることによって、FMアンテナ21の利得が向上した。同様のことは、DAB放送帯(174〜240MHz)やAMラジオ放送帯(526.5〜1710kHz)においてもいえ、垂直線条92を設けることによって、FMアンテナ21やAMアンテナ11の利得が向上する。
以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。