JP2016043196A - 吸収体、及び当該吸収体を含む吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2も同様である。
従って、本発明は、柔らかく且つ型崩れしにくい吸収体を提供することを目的とする。
・「露出」
本明細書では、熱可塑性樹脂繊維に関する「露出」は、熱可塑性樹脂繊維が、吸収コアの第1面又は吸収コアの第2面に存在することを意味する。
本開示では、熱可塑性樹脂繊維、並びにセルロース系吸水性繊維のうち、パルプ以外のもの、例えば、再生セルロース繊維及び半合成繊維の平均繊維長は、JIS L 1015:2010の附属書Aの「A7.1 繊維長の測定」の「A7.1.1 A法(標準法)目盛りが付いたガラス板上で個々の繊維の長さを測定する方法」に従って測定する。
なお、上記方法は、1981年に発行されたISO 6989に相当する試験方法である。
本開示では、パルプの平均繊維長は、重さ加重平均繊維長を意味し、メッツォオートメーション(metso automation)社製のカヤーニファイバーラボファイバープロパティーズ(オフライン)[kajaaniFiberLab fiber properties(off−line)]により測定されるL(w)値を意味する。
[吸収体]
本開示の吸収体は、第1面と、その反対側の第2面とを有する吸収コアを備える。また、上記吸収コアは、熱可塑性樹脂繊維と、セルロース系吸水性繊維と、高吸収性ポリマーとを含む。また、本開示の吸収体では、熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部又は全部が、吸収コアの第1面に露出する第1の部分と、吸収コアの第2面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有する。なお、本明細書では、上述の第1の部分と、第2の部分と、連結部分とを、「特定の繊維配向性」と称する場合がある。
なお、図1に示されるテープ型使い捨てオムツ1は、後述の吸収性物品の箇所において詳細に説明する。
図3において、吸収体3は、吸収コア5と、吸収コア5の第1面9を覆う第1コアラップ11と、吸収コア5の第2面10を覆う第2コアラップ12とを備える。図3において、吸収コア5は、熱可塑性樹脂繊維6と、セルロース系吸水性繊維7と、高吸収性ポリマー8とを含む。
上記接着剤は、例えば、スパイラル塗工、コーター塗工、カーテンコーター塗工、サミットガン塗工等の塗装方法により塗工されうる。
また、本開示の吸収体は、大量の液体を吸収した場合であっても、上記熱可塑性樹脂繊維が吸収体の形状を保持するため、型崩れしにくい、例えば、複数の断片に分断しにくい。
なお、本明細書では、湿潤時の引張強さを、「湿潤時強さ」と称することがあり、そして幅50mm当たりの引張強さ(N)を、「N/50mm」と表記する場合がある。
[工程1]
20℃及び相対湿度65%の恒温恒湿室に、テンシロン型引張試験機(島津製作所,AG−1KNI)を準備する。
上記恒温恒湿室に静置した、評価すべき吸収性物品から、80mm×50mm(長手方向×幅方向)のサイズの吸収コアの試料を含む、80mm×50mm(長手方向×幅方向)のサイズの吸収性物品断片を、鋭利な刃物(例えば、カッターの替え刃)で切り出す。
なお、吸収性物品が、折り畳まれた状態で保管されている場合には、折り畳まれた部分を避けるように、吸収性物品断片を切り出す。また、吸収性物品断片は、その幅方向中心が、吸収性物品の幅方向中心と一致するように切り出す。
なお、上述のサイズの吸収コアの試料を確保できない場合には、矩形の吸収コアの試料を確保できる最大範囲において、吸収性物品断片を切り出す。
上記吸収性物品断片から、吸収コア以外の層、例えば、液透過性層、液不透過性層、第1コアラップ、第2コアラップ等を取り外して、吸収コアの試料を得る。
なお、吸収コアと、第1コアラップ、第2コアラップ等を分離する場合には、コールドスプレーを用いて、吸収体から第1コアラップ、第2コアラップ等をゆっくりと剥離する。
上記試料を水平な台の上に静置し、その液透過性層側の表面の中心(試料の、長手方向中心及び幅方向中心)に、青色色素にて着色した生理食塩水(0.9w/v%の塩化ナトリウム水溶液、以下、単に「生理食塩水」と称する)2.5mLを、5秒間で滴下する。
滴下後、試料を1分間静置する、次いで、上記試料が、上記生理食塩水で湿潤した、試料の幅方向の仮想断面(以下、「湿潤仮想断面」と称する)を有するか否か、下記の手法により判断する。
試料の外観から、試料の幅方向の仮想断面の4つの辺が青色色素で着色されている場合には、当該仮想断面が上記生理食塩水で湿潤している、すなわち、湿潤仮想断面であると判断する。
なお、存在している場合には「工程7」に進み、存在していない場合には「工程6」に進む。
[工程6]
上記中心に、追加の生理食塩水2.5mLを、5秒間でさらに滴下し、「工程5」に戻る。
滴下後3分で、引張試験を行う。具体的には、上記試料を、一対のチャックに、チャック間隔50mm(つかみ部分の長さ、各15mm)でセットし、上記試料を、その長手方向に引張速度100mm/分で引張り、引張強さの最大値(N)を抽出する。
[工程8]
異なる試料で、上述の測定を計10回繰り返し、上記値の平均値を、引張強さの値として採用する。
なお、試料のサイズが、80mm×50mm(長手方向×幅方向)未満である場合には、上記値の平均値を、幅50mmの値に換算する。
なお、本明細書では、乾燥時の引張強さを、「乾燥時強さ」と称することがある。
乾燥時強さは、工程4〜工程6を省略し、工程7において、滴下後3分の記載を無視した以外は、湿潤時強さと同様に測定する。
(1)安田精機製作所社製のNo.311ガーレー式柔軟度試験機を20℃の65%RHの恒温恒湿室に準備する。
(3)試料を、ガーレー式柔軟度試験機にセットし、剛軟度を測定する(1回目)。次いで、試料の表裏を反対にして、ガーレー式柔軟度試験機にセットし、剛軟度を測定する(2回目)。
上記2回の剛軟度の測定値の平均値を算出する。
(4)異なる試料で、上述の測定を計5回繰り返し、上記平均値の平均を剛軟度として採用する。
(1)評価すべき吸収性物品から、その長手方向の中心及び幅方向の中心を中心として、100mm×100mm(長手方向×幅方向)のサイズの吸収コアの試料を含む、100mm×100mm(長手方向×幅方向)のサイズの吸収性物品断片を、鋭利な刃物で切り出す。
なお、上述のサイズの吸収コアの試料を確保できない場合には、矩形の吸収コアの試料を確保できる最大範囲において、吸収性物品断片を切り出す。
なお、吸収コアと、第1コアラップ、第2コアラップ等を分離する場合には、コールドスプレーを用いて、吸収体から第1コアラップ、第2コアラップ等をゆっくりと剥離する。
高吸収性ポリマー脱落率(%)=100×(m0−m1)/m0
(5)異なる試料で、上述の測定を計5回繰り返し、上記平均値の平均を高吸収性ポリマー脱落率として採用する。
また、本開示の吸収体において、吸収コアの厚さ方向の引張強さの上限は、特に限定されるものではないが、柔らかさの観点からは、3,000Pa以下である。
本開示の吸収体において、吸収体の厚さ方向の引張強さも、上記範囲にあることが好ましい。
(1)アクリル製の一対の治具401(直径68mm,各治具の質量:200g,つかみ部401aの高さ:50mm)を準備する。
(2)吸収体から、直径68mmのサンプル402を準備する。
(3)直径68mmに切り抜いた両面テープ403(3M社製,接着剤転写テープ950)を2枚準備する。
(5)サンプル402を有する一対の治具401を、保持台405の上に載せ、その上からおもり404(10.5kg)を載せ、3分間静置する。
(6)引張試験器(島津製作所,AG−1kNI)に、一対の治具401を、つかみ間隔70mmでセットする。
(8)異なる試料で、上述の測定を計5回繰り返し、最大引張力(N)の平均値を求め、以下の式:
引張強さ(Pa)=最大引張力の平均値(N)/0.003632(m2)
に従って、引張強さ(Pa)を算出する。
なお、測定は、20℃の条件下で実施する。
なお、上記平均繊維長は、本開示の吸収体が、エアレイド方式により、セルロース系吸水性繊維、例えば、パルプと混合される場合に特に好ましい。
株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面44mm(直径),測定圧3g/cm2]を準備し、標準状態(温度23±2℃,相対湿度50±5%)の下、吸収体の異なる5つの部位を加圧し、各部位における加圧10秒後の厚さを測定し、5つの測定値の平均値を吸収体の厚さとする。
上記密度は、吸収体の坪量と、厚さとから算出することができる。
なお、上記坪量は、JIS L 1913:2010の「6.2 単位面積当たりの質量(ISO法)」に従って測定する。
なお、後述するエンボス部に関しては、この限りではない。
なお、「吸収体の面積」及び「エンボス部の面積」は、吸収体を平面視した際の面積を意味する。
上記エンボス部の配置は、特に制限されず、例えば、千鳥状、例えば、角千鳥状、60°千鳥状等の配置が挙げられる。
上記高吸収性ポリマーとしては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系、例えば、アクリル酸系の高吸収性ポリマーが挙げられる。
吸収性物品用の吸収体であって、上記吸収体が、吸収コアを備え、上記吸収コアが、熱可塑性樹脂繊維と、セルロース系吸水性繊維と、高吸収性ポリマーとを含み、上記熱可塑性樹脂繊維が、6〜70mmの平均繊維長を有し、そして上記吸収コアが、湿潤時に、幅50mm当たり、1.6N以上の引張強さを有することを特徴とする吸収体。
各構成については、上述の通りである。
本開示の吸収性物品は、液透過性層と、液不透過性層と、上記液透過性層及び液不透過性層の間に設けられた吸収体とを備える。
本開示の吸収性物品において、吸収体は、上述の通りである。
なお、本開示の吸収性物品において、吸収体に含有されるセルロース系吸水性繊維は、吸収体の吸収性及び液体保持性に関連する、また、吸収体に含有される熱可塑性樹脂繊維は、液透過性層及び/又は液不透過性との連結、特に、液不透過性層との連結に関連し、吸収性物品の型崩れを防止し、そして吸収体、ひいては吸収性物品に柔軟性を付与する。
本開示の吸収体は、熱可塑性樹脂繊維と、セルロース系吸水性繊維とを含み、そして上記熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部が、吸収コアの第1面に露出する第1の部分と、吸収コアの第2面に露出する第2の部分とを有するものが製造できる方法であれば、特に制限されず、当技術分野で公知の方法を利用することができる。また、本開示の吸収性物品は、上述の吸収体を含む以外は、当技術分野で公知の方法により製造することができる。
以下、本開示の吸収性物品の製造例を説明する。
なお、図7では、熱可塑性樹脂繊維と、セルロース系吸水性繊維とは、区別して表現されていない。
機械方向MDへ回転するサクションドラム151の周面151aには、吸収体材料を詰める型として、周面151aからサクションドラムの中心に向かって延びる、複数の凹部153が、所定のピッチで形成されている。サクションドラム151が回転して凹部153が材料供給部152へ進入すると、サクション部156の吸引により、材料供給部152から供給された吸収体材料が、凹部153に堆積する。
吸収体原料及び凹部153に着目すると、吸収体原料は、凹部のサクションドラムの回転の下流側の凹部部分153aから、回転の上流側の凹部部分153bに向かって順に堆積する傾向があるため、熱可塑性樹脂繊維が、上述の特定の繊維配向性を有する傾向がある。
さらに、サクションドラムの回転速度を、吸収体原料の流れ速度よりも遅くする等により、熱可塑性樹脂繊維が上述の特定の繊維配向性を有しやすくなる。
なお、高吸収性ポリマーと、セルロース系吸水性繊維とが、厚さ方向に偏在する吸収コアを製造するためには、例えば、高吸収性ポリマー粒子22を供給する粒子供給部158の位置を、サクションドラム151の回転の上流側又は下流側に移動させることが挙げられる。そうすることにより、例えば、粒子供給部158の位置を、サクションドラム151の回転の下流側に移動した場合には、凹部153の上方、すなわち、周面151aよりに高吸収性ポリマー粒子22が堆積しやすくなる。
次いで、ロール227から第1コアラップシート229を供給し、塗工機229から塗工された接着剤を第1コアラップシート229に塗工した後、吸収体226の上に積み重ね,積み重ね物230を形成する。
第2工程(II)では、エンボス工程において、積み重ね物230を、一対のエンボスロール301,302を用いてエンボスし、積み重ね物230にエンボス部を形成する。続くカット工程では、一対のロール303,304を用いて、積み重ね物230を所定の形状に切り抜き、吸収体305を製造する。それ以外の工程は、公知の方法により実施可能であることから説明を省略する。
[製造例1]
図7に示される装置により、パルプ:190g/m2、熱可塑性樹脂繊維:10g/m2、及びポリアクリル酸ナトリウム系高吸収性ポリマー(SAP,Super Absorbent polymer):170g/m2の坪量で含み、長さ340mm×幅110mmのサイズを有する、厚さ未調整の吸収コアを得た。上記熱可塑性樹脂繊維は、芯がポリエチレンテレフタラートであり、鞘がポリエチレンである芯鞘繊維であり、平均繊維長は30mm、繊度は2.2dtexであった。
次いで、上記厚さ未調整の吸収コアを、一対のフラットロールに通し、その厚さを調整し、吸収コアNo.1を製造した。
熱可塑性樹脂繊維及びパルプの比率を表1に示されるとおりに変更した以外は製造例1の手順に従って、吸収コアNo.2〜6を製造した。
吸収コアNo.1〜No.6の、乾燥時強さ、湿潤時強さ、剛軟度及び高吸収性ポリマー脱落率を評価した。結果を併せて表1に示す。
なお、実施例1〜5の吸収コアNo.1〜No.5の厚さ方向の引張強さは、100Pa以上であった。
2 トップシート
3 吸収体
4 バックシート
5 吸収コア
6 熱可塑性樹脂繊維
6a 第1の部分
6b 第2の部分
6c 連結部分
7 セルロース系吸水性繊維
8 高吸収性ポリマー
9 第1面
10 第2面
11 第1コアラップ
12 第2コアラップ
21 エンボス部
41 立体ギャザー
41a,43 伸縮部材
42 ファスナー
401 治具
402 サンプル
403 両面テープ
404 おもり
405 保持台
Claims (14)
- 吸収性物品用の吸収体であって、
前記吸収体が、第1面と、その反対側の第2面とを有する吸収コアを備え、
前記吸収コアが、熱可塑性樹脂繊維と、セルロース系吸水性繊維と、高吸収性ポリマーとを含み、
前記熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部が、前記吸収コアの第1面に露出する第1の部分と、前記吸収コアの第2面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有し、そして
前記吸収コアが、湿潤時に、幅50mm当たり、1.6N以上の引張強さを有する、
ことを特徴とする、前記吸収体。 - 前記吸収体が、前記吸収コアの第1面を覆う第1コアラップと、前記吸収コアの第1面及び第1コアラップの間の接着部とをさらに備え、前記熱可塑性樹脂繊維の第1の部分が、前記接着部を介して、第1コアラップに連結されている、請求項1に記載の吸収体。
- 前記吸収体が、前記吸収コアの第2面を覆う第2コアラップと、前記吸収コアの第2面及び第2コアラップの間の接着部とをさらに備え、前記熱可塑性樹脂繊維の第2の部分が、前記接着部を介して、第2コアラップに連結されている、請求項1又は2に記載の吸収体。
- 前記吸収コアを、前記吸収コアの厚さ方向の中心より一方側の一方の層と、他方側の他方の層とに区画した場合に、前記一方の層が、前記他方の層と比較して、前記高吸収性ポリマーを多く含み且つ前記セルロース系吸水性繊維を少なく含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収体。
- 前記熱可塑性樹脂繊維が、前記吸収コアの厚さの2倍以上の平均繊維長を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収体。
- 前記熱可塑性樹脂繊維が、6〜70mmの平均繊維長を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収体。
- 前記吸収体が、少なくとも前記吸収コアをエンボスすることにより形成され且つ間隔をあけて配置された、複数のエンボス部を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収体。
- 前記間隔が、前記熱可塑性樹脂繊維の平均繊維長の2.0倍以下である、請求項7に記載の吸収体。
- 前記複数のエンボス部の、前記吸収コアの面積に対する面積率が、1〜20%である、請求項7又は8に記載の吸収体。
- 前記熱可塑性樹脂繊維が、エンボス部を有しない非エンボス部において、前記セルロース系吸水性繊維及び/又は他の熱可塑性樹脂繊維と融着されていない、請求項7〜9のいずれか一項に記載の吸収体。
- 前記吸収コアが、前記熱可塑性樹脂繊維と、前記セルロース系吸水性繊維とを、それらの合計100質量部に基づいて、それぞれ、5〜50質量部及び50〜95質量部の比率で含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸収体。
- 前記吸収コアの厚さ方向の引張強さが、100Pa以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収体。
- 液透過性層と、液不透過性層と、前記液透過性層及び前記液不透過性層の間に設けられた、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸収体とを備える吸収性物品。
- 吸収性物品用の吸収体であって、
前記吸収体が、吸収コアを備え、
前記吸収コアが、熱可塑性樹脂繊維と、セルロース系吸水性繊維と、高吸収性ポリマーとを含み、
前記熱可塑性樹脂繊維が、6〜70mmの平均繊維長を有し、そして
前記吸収コアが、湿潤時に、幅50mm当たり、1.6N以上の引張強さを有する、
ことを特徴とする、前記吸収体。
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