JP2016041831A - アルミニウム合金箔の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度と圧延性を同時に満たすアルミニウム合金箔を得る。
【解決手段】アルミニウム合金箔は、JIS A1000系合金、JIS A3000系合金およびJIS A8000系合金のうちのいずれかの合金を用い、前記アルミニウム合金を最終冷延率96%以上で前記最終厚みに圧延する冷間圧延工程途中に、前記アルミニウム合金材料を100〜250℃×2時間以上で加熱する熱処理工程を行い、前記熱処理工程で、前記熱処理工程直前における前記アルミニウム合金材料の0.2%耐力に対し、前記0.2%耐力を4.0〜9.0%低下させ、引張強さ190MPa以上、伸び2.5%以上、最終冷延率96%以上、厚み6〜15μmのアルミニウム合金箔を得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、アルミニウム合金箔の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の電池用の包材に用いられるアルミニウム合金箔は、プレス成型等により大きな変形が加えられる。そのため、従来から伸びが大きい材料が求められており、かつ近年では電池包材分野を初めとして箔の薄肉化が進んでいる。
従来、高強度かつ厚みの薄い電池集電体用箔について、製造工程中に適切な条件と厚みで低温熱処理を行うことで、箔の強度を低下させずに圧延性を改善する技術が提案されている。
例えば、引用文献1では、箔圧延途中で40〜65℃で24〜72時間熱処理を行い、熱処理後ただちに7μmの仕上げ圧延を行うことで、シワや割れの発生を抑制する技術が提案されている。また、引用文献2では、Al−Fe系合金材料に関して、冷間圧延の仕上がり温度を100〜180℃に保つことで圧延性を改善する技術が提案されている。
また、引用文献3では、Al−Fe系合金材料に関して、Si,Cu,Mnを十分に析出させ高導電性を保つことで薄箔のピンホールを抑制し、さらに、箔地で150〜320℃の中間焼鈍を施すことで、よりSiを析出させ圧延性を向上させる技術が提案されている。また、引用文献4では、硬質電極箔の製造に際し、箔圧延後に、箔の歪みを解消するため45〜120℃で1時間以上保持し、圧延後に箔の歪みをとりフラットにすることで活物質塗工時に塗工ムラを抑制する技術が提案されている。
特許第2810249号公報 特開平11−217656号公報 特開平4−41645号公報 特許第4971277号公報
ところで、近年、電池メーカーでは箔コイルを巻出し、箔表面に活物質を塗工、乾燥、圧着の工程を経て電極を作製している。この電極(正極・負極)はセパレータを介して巻回され、電池ケース内に納められる。この際に箔の強度と伸びが低い場合は、電極製造時、または電極巻回の際の破断リスクが増す。集電体箔の厚さは約15μm以下と非常に薄いため、先述の破断を回避できるような、高強度箔は圧延性が非常に悪く、生産性が低い。特に強度190MPa以上の高強度で且つ厚さ15μm以下になると、目標とする厚みや形状(シェープ)を得ることは極めて困難である。
このような問題に対し、引用文献1、3に記載された技術では、圧延途中で熱処理を行うことで圧延性を向上させているものの、高強度を得るには至っていない。また、引用文献2に記載された技術では、仕上がり温度の調整によって圧延性を改善するものではあるが、改善効果は十分ではない。引用文献4に記載された技術では、圧延後に加熱処理を行うことで、強度を低下させることなく、箔の歪みを改善できるものの、圧延性を効果的に改善するものではない。
つまり、引用文献1〜4に開示された技術では、高強度と圧延性を同時に満たすことは困難である。
本発明は、上記事情に基づいてなされたものであり、製造工程中に適切な条件での低温熱処理を行うことで、高強度を維持しつつ圧延性を改善するアルミニウム合金箔の製造方法を提供することを目的とする。
ここで、アルミニウム合金箔は圧延率が高く、例えば図1に示すように加工硬化曲線を描く。薄箔における高圧下率領域では材料中に極めて高い密度で転位が導入されており、加工での転位導入と相互作用による硬化と、転位同士の合体消滅や材料表面から抜けることでの軟化が平行し、強度の上昇が極めて鈍くなる。この平衡状態の領域の圧延に際して、例え強度がそれほど高くなくとも厚み不良や割れ、シワ等が発生しやすいことが知見で得られている。この圧延性の低下は強度上昇の停滞が要因ではなく、単純に箔の強度(硬さ)による影響だと考えていたが、低温熱処理を行うことでBのような曲線となり、強度の停滞が生じる前に圧延が終了する場合、圧延時の不良が大きく改善するという結果が得られている。つまり、低温熱処理により材料の転位が再配列し、転位密度が低下することで、高圧下率領域においても加工硬化が停滞しない。従来から行われている中間焼鈍のように、300℃を超えるような再結晶温度以上の高温熱処理でもBのような曲線を描けるが、強度の低下と箔の結晶粒粗大化による伸びの低下が生じ、強度と伸びを両立させた材料を得ることは困難である。
なお、低温熱処理のメリットをまとめると、(1)最終冷延率を十分確保することで強度の低下は殆どない、(2)再結晶を生じないため最終製品の結晶粒サイズが粗大にならず伸びの低下を生じない、(3)圧延性が改善する、といえる。よって、低温熱処理を行うことによって強度を維持しつつ圧延性が改善することがわかり、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルミニウム合金箔の製造方法のうち、第1の本発明は、引張強さ190MPa以上、伸び2.5%以上、最終厚み6〜15μmのアルミニウム合金箔を製造する方法において、アルミニウム合金材料を最終冷延率96%以上で前記最終厚みに圧延する冷間圧延工程と、前記冷間圧延工程途中に、前記アルミニウム合金材料を100〜250℃×2時間以上で加熱する熱処理工程とを行い、前記熱処理工程で、前記熱処理工程直前における前記アルミニウム合金材料の0.2%耐力に対し、前記0.2%耐力を4.0〜9.0%低下させることを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウム合金箔の製造方法は、前記第1の本発明において、前記最終冷延率は、冷間圧延途中に中間焼鈍を有する場合は、中間焼鈍後、前記最終厚みに至る圧延率であり、冷間圧延途中に中間焼鈍を有しない場合、冷間圧延の開始厚みから最終厚みに至る冷延率であることを特徴とする。
第3の本発明のアルミニウム合金箔の製造方法は、前記第1または第2の本発明において、前記アルミニウム合金材料が、JIS A1000番系、JIS A3000番系、JIS A8000番系のいずれか一つであることを特徴とする。
第4の本発明のアルミニウム合金箔の製造方法は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記熱処理工程において、前記アルミニウム合金材料が最終厚みに対し圧延率99.6%以下の板厚であることを特徴とする。
第5の本発明のアルミニウム合金箔の製造方法は、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、前記熱処理工程において前記アルミニウム合金材料がコイル巻されており、前記加熱温度は、前記コイル巻きされた前記アルミニウム合金材料の最内周部の温度に基づくことを特徴とする。
以下に、本発明で規定する製造条件等について説明する。
本発明のアルミニウム合金材料は、特定のものに限定されるものではないが、JIS A1000番系、JIS A3000番系、JIS A8000番系のいずれか一つを好適なものとして挙げることができる。
冷間圧延工程
冷間圧延工程では、アルミニウム合金材料を最終冷延率96%以上で最終厚みに圧延する。
一般的に電極集電体用の箔は高い冷間加工率で製品化されている。合金によって異なるが圧延時の加工硬化の停滞は少なくとも冷延率が96%以上の高圧下率領域で表れてくる。本発明による圧延性改善は、そのような高圧下率領域で高強度の薄箔を作製する場合に適応意義が大きいと考えられる。なお、ここで示す最終冷延率とは低温熱処理から最終厚みまでの圧下率ではなく、中間焼鈍を行わない場合は熱延後、最終厚みに至る冷間圧延全般の圧延率を示し、中間焼鈍を行う場合は、中間焼鈍後から最終厚みまでの圧延率を示す。
低温熱処理
冷間圧延工程の途中でアルミニウム合金材料を100〜250℃×2時間以上で加熱する。
この加熱によって熱処理工程直前におけるアルミニウム合金材料の0.2%耐力に対し、0.2%耐力を4.0〜9.0%低下させる。
合金や均質化処理等の熱処理の違いで、最適な熱処理条件は異なるため、温度と時間で最適な熱処理条件を規定することは出来ない。
なお、熱処理温度は、コイル状のアルミニウム合金材料を加熱する場合、昇温が最も遅れる、コイル巻きされたアルミニウム合金材料の最内周部の温度に基づくのが望ましい。これによりアルミニウム合金材料全般に対し、所望の効果が確実に得られる。
熱処理時の0.2%耐力の低下が4.0%未満の場合、高圧下率領域での加工硬化の停滞が十分に緩和できず圧延性向上の効果が低くなる。一方0.2%耐力の低下が9.0%超の領域の熱処理では、合金によっては目標強度に達しない。加えて9.0%を超えて0.2%耐力が変化するような高温熱処理の場合は、温度と熱処理時間の僅かな振れで材料の機械的性質が大きく変化するため、コイルの内外周での物性バラつきが生じる危険性が高くなる。
熱処理時間は、2時間未満であると材料の回復が十分に進まず、コイル長手で物性のバラつきが生じる危険がある。よって、最低保持時間を2時間とする。さらに、温度範囲を守れば処理時間に上限はないが、長時間行っても圧延性改善の効果は特に向上しない。生産性を考慮すると上限は20時間が望ましい。なお、各材料ごとに最適な熱処理条件を得るには、予め材料の焼鈍軟化曲線を測定することが望ましい。
低温熱処理は製造の下工程、つまり板厚が最終厚みに対し圧延率99.6%以下の板厚で負荷するのが望ましい。上工程の板厚が厚いときに負荷しても十分効果はあるが、特にJIS A 3003合金のような高強度箔の場合は、下工程で負荷することで圧延性の改善がより高まる。圧延率の下限については特に指定はないが、製造においては1パス当たりの圧延率をある程度確保する必要がある為、実際は20%程度が下限になる。しかし8000系合金の内、特に8021や8079のようなAl−Fe系合金の場合は、低温熱処理後の圧延において加工軟化が発生し強度が低下、または十分に向上しない場合がある。その為最終厚みに対し圧延率30%以上確保することが望ましい。
引張強度190MPa以上、伸び2.5%以上
電極集電体であるアルミニウム合金箔の強度が190MPa、伸びが2.5%を下回ると、箔をコイルから巻き出し、表面に活物質を塗工、プレス、乾燥する電極製造工程の途中で箔が破断してしまう危険性がある。さらに引張強度190MPa未満であれば圧延時に問題が生じることは少なく、本発明の適応意義が小さい。
厚み6〜15μm
電極集電体を仮定した場合、厚み6μ未満では強度が不足する。15μmを超えると電池内部の体積に占める正極集電体の割合が増加し、電池容量が低下する。さらに15μmを超える場合、圧延性に問題を生じることは少なく、本発明の適応意義は薄い。
以上説明したように、本発明によれば、高強度と圧延性を同時に満たすアルミニウム合金箔を得ることができる。
低温熱処理での圧延と通常圧延における、アルミニウム合金材料の材料厚みと引張強度との関係を示すグラフである。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
アルミニウム合金箔の材料となるアルミニウム合金は、JIS A1000系合金、JIS A3000系合金およびJIS A8000系合金のうちのいずれかの合金を好適に用いることができる。
アルミニウム合金の鋳塊に対しては、例えば、温度450〜600℃、保持時間3〜7時間の条件で均質化処理を実施することができる。
均質化処理後または均質化処理未実施のアルミニウム合金の鋳塊に対し熱間圧延を実施してアルミニウム合金圧延材を得る。
熱間圧延されたアルミニウム合金材料に対し、最終厚み6〜15μmのアルミニウム合金箔を得る冷間圧延を実施する。
なお、上記冷間圧延の途中には、アルミニウム合金材料に対して、中間焼鈍を実施することができる。中間焼鈍の方式はコイルを炉に投入し一定時間保持するバッチ焼鈍(Bach Annealing、BACH)と、連続焼鈍ライン(Continuous Annealing Line、CAL)により材料を急加熱・急冷する焼鈍との2種類の方式が知られている。中間焼鈍の条件は、例えばバッチ焼鈍では300〜400℃で3〜10時間、CAL焼鈍では、昇温速度:50〜250℃/秒、加熱温度:400〜520℃、保持時間:なしまたは5秒以下、冷却速度:50〜200℃/秒とする。中間焼鈍は、2回以上行うことも可能である。
中間焼鈍を行わない場合は熱延後、冷間圧延で最終厚みにするまでの冷延率、中間焼鈍を行う場合は中間焼鈍後から最終厚みに至るまでの冷延率を、最終冷延率として96%以上とする。
最終厚みと最終冷延率とから熱間圧延における仕上げ厚さを定める。
冷間圧延途中には、アルミニウム合金材料に対し、100〜250℃で2時間以上保持する低温熱処理を行う。低温熱処理は、アルミニウム合金材料をコイル状にしてバッチ式の炉で行うことができる。なお、コイルを炉内に投入し、コイルの最外周部と最内周部のうち、少なくとも最内周部に熱電対などの温度測定器をセットし、加熱中に最も温度の上昇が遅れる最内周部の温度に基づいて低温熱処理を行うのが望ましい。
なお、低温熱処理は、冷間圧延途中であれば、実施時期は特に限定されるものではないが、アルミニウム合金材料について最終厚みに対し圧延率99.6%以内の板厚で、低温熱処理を実施するのが望ましい。
低温熱処理によって、低温熱処理直前におけるアルミニウム合金材料の0.2%耐力に対し、前記0.2%耐力を4.0〜9.0%低下させることができる。
得られたアルミニウム合金箔は、引張強さ190MPa以上、伸び2.5%以上を有している。
表1に示すアルミニウム合金(残部がAlと不可避不純物)を、温度560℃、保持時間6時間の均質化処理を実施した。その後、熱間圧延にて、7mmのアルミニウム合金熱延板を製造し、アルミニウム合金熱延板を冷間圧延後、1085合金は中間焼鈍を実施せず、3003合金は0.7mm、8021合金は2.5mmでそれぞれ後述する条件で中間焼鈍を実施した。板厚が表2に示す値に到達したとき、低温熱処理を行い、アルミニウム合金箔を作製した。
なお、中間焼鈍については、すべて連続焼鈍ライン(CAL)において、昇温速度:120℃/秒、加熱温度:500℃、保持時間:0秒、冷却速度:100℃/秒の条件で実施した。
100〜250℃×2時間以上の低温熱処理は、比較例No.8、9、11、14を除き、実施例No.1〜7、比較例No.10、12、13に対して行った。また、比較例9は、80度×4時間の熱処理を行った。実施例No.1〜7の低温熱処理では、熱処理の前後で材料の0.2%耐力が4.1〜7.6%低下した。比較例9、10、12〜14では、それぞれ熱処理の前後で材料の0.2%耐力が2.4%、12.1%、2.2%、4.2%、27.8%低下した。
最終製品を幅1200mm幅で最終厚さ12μmのアルミニウム合金箔の供試材とした。
実施例No.1〜7、比較例No.8〜14の供試材に対し、引張試験を実施して伸びの評価を行った。引張試験は、JIS Z2241に準拠し、JIS5号試験片を試料から採取し、万能引張試験機(島津製作所製)で引張り速度2mm/sにて試験を行った。
の条件で行った。
低温熱処理の熱処理の前後で、0.2%耐力値を測定し、熱処理の前後の0.2%耐力値の低下率を算出し、表2に示した。
圧延性の評価は、供試材を得る際に、最終圧延パスにて厚み不良、破断、シェープ不良、巻きずれ、穴開き等の有無を評価した。いずれも発生しない場合は○とした。
破断の評価は、最終パスで破断することなく圧延できたものを○、1コイル(約10000m)につき3回以下の破断が生じた場合は△、3回を超える破断もしくは硬過ぎる等の理由で圧延継続が難しいと判断されたものについては×とした。○が好ましいが、△以上(約10000mの最終パスで破断が3回以内)であれば製造上は問題ない。
Figure 2016041831
Figure 2016041831
表2から明らかなように、熱処理の前後で材料の0.2%耐力が4.0〜9.0%低下するように低温熱処理を行った実施例No.1〜7は、比較例No.8〜14と比較して、引張強度190MPa以上の高強度で伸びが2.5%以上であった。
また、低温熱処理の前後で材料の0.2%耐力が2.4%低下した比較例No.9は、最終圧延工程途中でシェープ不良が生じた。低温熱処理を行わなかった比較例No.8、11は、最終圧延工程途中で破断や穴あきが生じた。低温熱処理の前後で材料の0.2%耐力が12.1%低下した比較例No.10は、最終圧延後の引張強度が190MPa以下、伸びも2.5%以下となった。低温熱処理の前後で材料の0.2%耐力が2.2%低下した比較例No.12は、最終圧延工程途中で巻きずれが生じた。
よって、熱処理の前後で材料の0.2%耐力が4.0〜9.0%低下するように低温熱処理を行った供試材において破断を生じることなく、高強度と圧延性を同時に満たすアルミニウム合金箔が得られた。
なお、本実施例では最終製品厚み12μmの場合のみ示したが、最終厚みは本願で規定する6〜15μmの範囲で任意に選択することができ、その範囲において最終厚みが異なる場合においても、上述のような低温熱処理により同様の強度特性、圧延性に対する効果を得ることができる。

Claims (5)

  1. 引張強さ190MPa以上、伸び2.5%以上、最終厚み6〜15μmのアルミニウム合金箔を製造する方法において、
    アルミニウム合金材料を最終冷延率96%以上で前記最終厚みに圧延する冷間圧延工程と、前記冷間圧延工程途中に、前記アルミニウム合金材料を100〜250℃×2時間以上で加熱する熱処理工程とを行い、前記熱処理工程で、前記熱処理工程直前における前記アルミニウム合金材料の0.2%耐力に対し、前記0.2%耐力を4.0〜9.0%低下させることを特徴とするアルミニウム合金箔の製造方法。
  2. 前記最終冷延率は、冷間圧延途中に中間焼鈍を有する場合は、中間焼鈍後、前記最終厚みに至る圧延率であり、冷間圧延途中に中間焼鈍を有しない場合、冷間圧延の開始厚みから最終厚みに至る冷延率であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金箔の製造方法。
  3. 前記アルミニウム合金材料が、JIS A1000番系、JIS A3000番系、JIS A8000番系のいずれか一つであることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金箔の製造方法。
  4. 前記熱処理工程において、前記アルミニウム合金材料が最終厚みに対し圧延率99.6%以下の板厚であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金箔の製造方法。
  5. 前記熱処理工程において前記アルミニウム合金材料がコイル巻されており、前記加熱温度は、前記コイル巻きされた前記アルミニウム合金材料の最内周部の温度に基づくことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金箔の製造方法。
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