JP2016038481A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに適切に転写させて、シートに形成される画像の品質の低下を回避することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、感光体ドラム4を回転駆動する第1駆動モーターM1と、ドラム4の周速度に関連する第1検出速度を検出する第1エンコーダー41及び速度差検出部51と、中間転写ベルト7Aを走行させる駆動ローラー7Bと、ローラー7Bを回転駆動する第2駆動モーターM2と、ベルト7Aの走行速度に関連する第2検出速度を検出する第2エンコーダー43及び速度差検出部51と、前記第1検出速度と前記第2検出速度との速度差を算出する速度差検出部51と、前記速度差に応じてモーターM1、M2の目標速度を決定し、非転写時に、モーターM1、M2の駆動速度を前記目標速度となるように制御するモータードライバー42、43及びデューティ設定部52とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】画像形成装置1は、感光体ドラム4を回転駆動する第1駆動モーターM1と、ドラム4の周速度に関連する第1検出速度を検出する第1エンコーダー41及び速度差検出部51と、中間転写ベルト7Aを走行させる駆動ローラー7Bと、ローラー7Bを回転駆動する第2駆動モーターM2と、ベルト7Aの走行速度に関連する第2検出速度を検出する第2エンコーダー43及び速度差検出部51と、前記第1検出速度と前記第2検出速度との速度差を算出する速度差検出部51と、前記速度差に応じてモーターM1、M2の目標速度を決定し、非転写時に、モーターM1、M2の駆動速度を前記目標速度となるように制御するモータードライバー42、43及びデューティ設定部52とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を転写ベルトに転写し、前記転写ベルトに転写されたトナー像をシートに転写することにより、前記シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
一般に、タンデム方式と称されるカラー対応の複写機やプリンター装置などの画像形成装置は、複数色に対応する複数の感光体ドラムと、感光体ドラム各々に接触する中間転写ベルトとを備えている。そして、感光体ドラム各々に形成された各色のトナー像が前記中間転写ベルトに順次重ね合わせて転写されることにより、前記中間転写ベルト上にカラー像が形成され、前記中間転写ベルトからシートにカラー像が転写される。
感光体ドラム各々は、前記感光体ドラムに連結されたドラム駆動モーターによって回転駆動される。また、中間転写ベルトは、前記中間転写ベルトを張架するローラーの一つであるベルトローラがベルト駆動モーターによって回転駆動されることにより走行する。ここで、中間転写ベルトの熱膨張によりベルト駆動モーターにかかる負荷が増大すると、中間転写ベルトの走行速度が低下し、感光体ドラムと中間転写ベルトとの表面速度の差が大きくなる。この場合、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像が、中間転写ベルトに適切に転写されない。このような問題を回避するため、感光体ドラムと中間転写ベルトとの表面速度差を低減するように前記駆動モーターを制御する場合がある。
なお、シートを搬送するための複数のローラー対のうち専用の駆動制御が必要となる一部のローラー対に、他のローラー対とは別に駆動モーターが設けられ、前記一部のローラー対を、その駆動モーターによって駆動する技術が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトとの表面速度差を低減するような駆動モーターの制御が常時行われると、次のような不具合が生じる。すなわち、前記駆動モーターの制御が常時行われると、その制御に起因して前記感光体ドラムから前記中間転写ベルトへのトナー像の転写中に、前記感光体ドラム及び前記中間転写ベルトの表面速度が変化する場合がある。この場合、前記中間転写ベルトの表面に転写されるトナー像が、部分的に前記中間転写ベルトの走行方向に間延びしたり圧縮されたりしたような形状となる。これにより、シートに形成される画像の品質が低下するおそれがある。
本発明の目的は、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を前記中間転写ベルトに適切に転写させて、シートに形成される画像の品質の低下を回避することができる画像形成装置を提供することである。
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、第1駆動モーターと、第1速度検出部と、ローラーと、第2駆動モーターと、第2速度検出部と、速度差算出部と、モーター制御部とを有する。前記第1駆動モーターは、感光体ドラムを回転駆動する。前記第1速度検出部は、前記感光体ドラムの周速度に関連する速度を検出する。前記ローラーは、前記感光体ドラムに形成されるトナー像が転写される転写ベルトが架け渡され、回転することにより前記転写ベルトを走行させる。前記第2駆動モーターは、前記ローラーを回転駆動する。前記第2速度検出部は、前記ローラーによる前記転写ベルトの走行速度に関連する速度を検出する。前記速度差算出部は、前記第1速度検出部により検出される第1検出速度と前記第2速度検出部により検出される第2検出速度との速度差を算出する。前記モーター制御部は、前記速度差算出部により算出される前記速度差に応じて前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターそれぞれの目標速度を決定し、非転写時に、前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターの駆動速度を前記目標速度となるように制御する。
本発明によれば、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像が前記中間転写ベルトに適切に転写され、シートに形成される画像の品質の低下を回避することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態である画像形成装置1の構成を示す図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、プリンターである。画像形成装置1は、入力された画像をトナーなどの印刷材料を用いて印刷シートに印刷する。なお、画像形成装置1はプリンターに限られず、ファクシミリー、複写機、或いはこれらの機能を有する複合機なども本発明に係る画像形成装置の一例である。画像形成装置1は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づき印刷シートに画像を印刷する。
画像形成装置1は、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置であり、画像形成部3〜6と、中間転写ユニット7と、二次転写装置8と、定着装置9と、露光装置22と、制御部50と、給紙部11と、排紙部12とを有する。
画像形成部3〜6は、前後方向701に並設されている。画像形成部3〜6は、互いに色の異なるトナー像を形成する。画像形成部3はブラックトナーでトナー像を形成し、画像形成部4はイエロートナーでトナー像を形成し、画像形成部5はシアントナーでトナー像を形成し、画像形成部6はマゼンタトナーでトナー像を形成する。
画像形成部3〜6のそれぞれは、感光体ドラム13〜16、帯電装置18〜21、現像装置26〜29、一次転写装置30〜33、クリーニングユニット34〜37を備えている。中間転写ユニット7は、中間転写ベルト7Aと、駆動ローラー7Bと、従動ローラー7Cとを有する。中間転写ベルト7Aは、駆動ローラー7B及び従動ローラー7Cによって回転駆動可能に支持されることにより、その表面が各感光体ドラム13〜16の表面に接しながら移動(走行)可能となる。中間転写ベルト7Aは、その表面が感光体ドラム13〜16と一次転写装置30〜33との間を通過する際に、感光体ドラム13〜16からトナー像が順に重ね合わせて転写される。
二次転写装置8は、中間転写ベルト7Aに転写されたトナー像を給紙部11から搬送されてきた印刷シートに転写する。トナー像が転写された印刷シートは、定着装置9に搬送される。定着装置9は、加熱ローラー9Aと加圧ローラー9Bとを有する。
感光体ドラム13〜16は、駆動モーターM1(図2参照)によって駆動される。駆動ローラー7Bは、駆動モーターM1とは異なる駆動モーターM2(図2参照)によって駆動される。以下、感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの駆動制御について説明する。駆動ローラー7Bは、本発明に係るローラーに相当する。
図2に示されるように、画像形成装置1は、感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの駆動制御に関連する構成として、第1駆動モーターM1と、第1エンコーダー41と、第1モータードライバー42と、第2駆動モーターM2と、第2エンコーダー43と、第2モータードライバー44と、テーブル記憶部45と、制御部50とを有する。なお、図2においては、感光体ドラム13〜16のうち感光体ドラム13のみ図示されている。
第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2は、例えば直流ブラシレスモーターである。第1駆動モーターM1は、感光体ドラム13〜16を回転させることで感光体ドラム13〜16を回転駆動する。第2駆動モーターM2は、駆動ローラー7Bを回転駆動する。第1モータードライバー42は、例えばPWM方式(パルス幅変調方式)により第1駆動モーターM1の回転速度を制御する駆動回路である。第2モータードライバー44は、例えばPWM方式(パルス幅変調方式)により第2駆動モーターM2の回転速度を制御する駆動回路である。
第1エンコーダー41及び第2エンコーダー43は、それぞれ同様の構成を有し、例えばロータリーエンコーダである。図3に示されるように、第1エンコーダー41及び第2エンコーダー43は、円板形状を有するパルス板46とフォトインタラプター47とを備える。パルス板46は、その外周に沿って多数のスリット(不図示)が形成されている。パルス板46は、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の出力軸48に固定されている。フォトインタラプター47は、一定の間隔を隔てて対向する発光部47A及び受光部47Bを備える。パルス板46は、発光部47Aと受光部47Bとの間の間隙を通過する。発光部47Aから出力される光が前記スリットを通過して受光部47Bに受光される場合と、発光部47Aから出力される光がパルス板46の前記スリット以外の部分によって遮蔽される場合とで、受光部47Bから出力される信号の信号レベルが異なる。第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の回転に伴いパルス板46が回転することにより、受光部47Bからその回転数に応じたパルス信号が制御部50に出力される。制御部50によって、パルス信号に含まれる単位時間当たりのパルス数(つまりパルス信号の周波数)に基づいて第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度が算出される。
図2に示されるように、テーブル記憶部45は、本実施形態ではハードディスクドライブ(HDD)等の記憶部(不図示)に設けられている。テーブル記憶部45は、本発明の記憶部に相当する。テーブル記憶部45には、制御テーブルT1(図4参照)が予め記憶されている。制御テーブルT1は、感光体ドラム13〜16の回転速度V1と駆動ローラー7Bの回転速度V2とのとり得る速度差ΔVに応じた感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの駆動条件を規定するものである。図4に示されるように、本実施形態における制御テーブルT1には、感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの駆動条件として、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティD、Gの補正量ΔD、ΔGが定められている。すなわち、速度差ΔVと、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティの補正量ΔD、ΔGとの対応関係がテーブルT1に規定されている。例えば、図4に示されるように、テーブルT1は、感光体ドラム13〜16の回転速度V1と駆動ローラー7Bの回転速度V2との速度差ΔV1に対し、第1駆動モーターM1に出力するPWM信号のデューティDの補正値ΔDとしてΔD1が対応付けられている。また、第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティGの補正値ΔGとしてΔG1が対応付けられている。すなわち、感光体ドラム13〜16の回転速度V1と駆動ローラー7Bの回転速度V2との速度差ΔVがΔV1となった場合には、第1駆動モーターM1に出力するPWM信号のデューティDの補正量ΔDをΔD1とすべきであることが規定されている。また、前記速度差ΔVがΔV1となった場合に、第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティGの補正量ΔGをΔG1とすべきであることが規定されている。また、感光体ドラム13〜16の回転速度V1と駆動ローラー7Bの回転速度V2との速度差ΔV2に対し、第1駆動モーターM1に出力するPWM信号のデューティDの補正量ΔDとしてΔD2が対応付けられている。また、前記速度差ΔV2に対し、第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティGの補正量ΔGとしてΔG2が対応付けられている。すなわち、感光体ドラム13〜16の回転速度V1と駆動ローラー7Bの回転速度V2との速度差ΔVがΔV2となった場合には、第1駆動モーターM1に出力するPWM信号のデューティDの補正量ΔDをΔD2とすべきであることが規定されている。また、第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティGの補正量ΔGをΔG2とすべきであることが規定されている。このように、テーブル記憶部45には、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2それぞれの目標速度に対応するデューティD,Gの補正量ΔD、ΔGが速度差ΔVに応じて設定されている。このテーブルT1は、前記速度差ΔVに応じてPWM信号のデューティD、Gが制御部50によって変更される際に用いられる。補正量ΔD、ΔGは、画像形成装置1の試験機を用い、事前に種々の環境条件下で行われた実験の実験結果に基づいて、感光体ドラム13〜16の周速度と中間転写ベルト7Aの走行速度とが一致又は一定の誤差範囲内となるような値として算出されたものである。
制御部50は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一次記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶部である。制御部50は、前記CPUが前記ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置1の動作を制御する。なお、画像形成部2、給紙部3、テーブル記憶部45、第1エンコーダー41及び第2エンコーダー43は、制御部50に電気的に接続されている。制御部50は、CPUを用いてプログラムを実行することにより、速度差検出部51と、デューティ設定部52とを実現する。
速度差検出部51は、第1エンコーダー41からの出力に基づき、第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度を検出する。具体的には、速度差検出部51は、第1エンコーダー41から出力されるパルスの単位時間当たりの数に基づき、第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度を検出する。すなわち、1パルス当たりのパルス板46の回転角度が既知であるため、単位時間当たりのパルスのカウント数からパルス板46の回転速度、ひいては第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度が検出される。そして、速度差検出部51は、この回転速度から予め定められた演算式に基づいて感光体ドラム13〜16の回転速度V1を算出する。感光体ドラム13〜16の回転速度V1の増大に伴って、感光体ドラム13〜16の周速度も増大し、前記回転速度V1の減少に伴って、前記周速度も減少する。よって、感光体ドラム13〜16の回転速度V1は、感光体ドラム13〜16の周速度に関連する速度である。さらに、第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度の増大に伴って、感光体ドラム13〜16の回転速度V1も増大し、前記回転速度の減少に伴って、前記回転速度V1も減少する。よって、前記回転速度V1を求めるための第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度は、感光体ドラム13〜16の周速度に関連する速度である。また、速度差検出部51は、第2エンコーダー43からの出力に基づき、第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度を検出する。具体的には、速度差検出部51は、第2エンコーダー43から出力されるパルスの単位時間当たりの数に基づき、第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度を検出する。すなわち、1パルス当たりのパルス板46の回転角度が既知であるため、単位時間当たりのパルスのカウント数からパルス板46の回転速度、ひいては第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度が検出される。速度差検出部51は、この回転速度から予め定められた演算式に基づいて駆動ローラー7Bの回転速度V2を算出する。駆動ローラー7Bの回転速度V2の増大に伴って、中間転写ベルト7Aの走行速度も増大し、前記回転速度V2の減少に伴って、前記走行速度も減少する。よって、駆動ローラー7Bの回転速度V2は、中間転写ベルト7Aの走行速度に関連する速度である。さらに、第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度の増大に伴って、駆動ローラー7Bの回転速度V2も増大し、前記出力軸48の回転速度の減少に伴って、前記回転速度V2も減少する。よって、回転速度V2を求めるための第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度も、中間転写ベルト7Aの走行速度に関連する速度である。速度差検出部51及び第1エンコーダー41は、感光体ドラム13〜16の周速度に関連する速度を検出する第1速度検出部の一例である。第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度は、本発明における第1検出速度の一例である。速度差検出部51及び第2エンコーダー43は、駆動ローラー7Bによる中間転写ベルト7Aの走行速度に関連する速度を検出する第2速度検出部の一例である。第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度は、本発明における第2検出速度の一例である。
速度差検出部51は、感光体ドラム13〜16の回転速度V1と駆動ローラー7Bの回転速度V2との速度差ΔVを検出する。速度差検出部51は、速度差算出部に相当する。
デューティ設定部52は、速度差検出部51により速度差ΔVが検出されると、テーブル記憶部45に記憶されている制御テーブルT1を参照する。そして、デューティ設定部52は、この制御テーブルT1に基づいて、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティの補正量ΔD、ΔGを設定する。例えば、回転速度V1と回転速度V2との速度差ΔVがΔV1であるとき、デューティ設定部52は、第1駆動モーターM1に出力するPWM信号のデューティの補正量ΔDをΔD1、第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティの補正量ΔGをΔG1に設定する。そして、デューティ設定部52は、これらの補正量ΔD1、ΔG1により補正したデューティD、Gの指令信号を第1モータードライバー42及び第2モータードライバー44に出力する。
第1モータードライバー42及び第2モータードライバー44は、デューティ設定部52からの指令を受けて、デューティ設定部52により設定されたデューティのPWM信号を生成し、前記PWM信号を第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2に出力する。これにより、デューティ設定部52により、第1駆動モーターM1に出力するPWM信号のデューティの補正量ΔDがΔD1に設定された場合、第1駆動モーターM1は、補正量ΔD1により補正されたデューティDのPWM信号により駆動される。また、デューティ設定部52により、第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティの補正量ΔGがΔG1に設定された場合、第2駆動モーターM2は、補正量ΔG1により補正されたデューティGのPWM信号により駆動される。
第1モータードライバー42及びデューティ設定部52によりモーター制御部53が構成される。このモーター制御部53により第1駆動モーターM1、ひいては感光体ドラム13〜16の回転速度が後述するようにフィードバック制御される。また、第2モータードライバー44及びデューティ設定部52によりモーター制御部54が構成され、このモーター制御部54により第2駆動モーターM2、ひいては駆動ローラー7Bの回転速度が後述するようにフィードバック制御される。モーター制御部53、54は、速度差算出部51により前記速度差が算出されると、その速度差に対応する第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の駆動条件をテーブル記憶部45から読み出す。モーター制御部53、54は、これらのモーターM1、M2を記憶部52から読み出した前記駆動条件に従って動作させる。モーター制御部53、54は、速度差算出部51により算出される前記速度差に応じて第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2それぞれの目標速度を決定する。モーター制御部53、54は、非転写時に、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の駆動速度を前記目標速度となるように制御する。
ところで、画像形成中も含め常に前述のようなフィードバック制御を行うと、その制御に起因して感光体ドラム13〜16から中間転写ベルト7Aへのトナー像の転写中に、感光体ドラム13〜16及び中間転写ベルト7Aの表面速度が変化する場合がある。この場合、中間転写ベルト7Aの表面に転写されるトナー像が、部分的に中間転写ベルト7Aの走行方向に間延びしたり圧縮されたりしたような形状となる。このように、シートPに形成される画像の品質が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態においては、デューティ設定部52は、制御テーブルT1に基づいて設定したデューティの補正量ΔD、ΔGにより補正したデューティD、Gの指令信号を、非転写時に、第1モータードライバー42及び第2モータードライバー44に出力する。
具体的には、デューティ設定部52は、感光体ドラム4の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト7Aに転写する転写処理が行われていない非転写時に前記指令信号を第1モータードライバー42及び第2モータードライバー44に出力する。非転写時であるか否かは、例えば、画像形成部3〜6のうち最初に中間転写ベルト7Aにトナー像の転写を行う画像形成部6の感光体ドラム16に静電潜像形成用のレーザー光の出力を開始してから所定時間経過後までの期間であるか否かに基づいて制御部50により判定される。前記所定時間は、最後に中間転写ベルト7Aにトナー像の転写を行う画像形成部3の感光体ドラム13から中間転写ベルト7Aへのトナー像の転写が完了するまでの時間である。これにより、転写時においては第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の駆動速度が現状の駆動速度に維持される。そして、非転写時に、前記指令信号に基づいて第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の駆動速度が目標速度(デューティ設定部52により設定されたデューティの補正値に基づいて補正された駆動速度)となるように制御される。このような制御により、転写中の前記フィードバック制御に起因して感光体ドラム13〜16の回転速度及び中間転写ベルト7の走行速度が変化することによりシートPに形成される画像の品質が低下するのを回避することができる。このように、モーター制御部53、54は、速度差算出部51により算出される前記速度差に応じて第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2それぞれの目標速度を決定する。また、モーター制御部53、54は、非転写時に、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の駆動速度を前記目標速度となるように制御する本発明のモーター制御部に相当する。
次に、図5を参照しつつ、制御部50による感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの回転制御について説明する。この回転制御は、印刷ジョブの発生により制御部50が感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの回転を開始させた場合に実行される。なお、図5のフローチャートにおいてステップS1、S2、・・・は処理手順(ステップ)番号を表している。また、前記回転開始時における第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の駆動速度V1、V2の速度差ΔV0は、画像形成装置1の製造時に設定された基準値に設定されているものとする。ここで、前記基準値は0とする。
図5に示されるように、制御部50が感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの回転を開始させる。そして、速度差検出部51は、第1エンコーダー41により検出される回転速度V1と第2エンコーダー43により検出される回転速度V2との速度差ΔVを検出する処理を開始する(ステップS1)。速度差検出部51は、第2エンコーダー43により検出される回転速度V2が低下し、前記速度差ΔVが前記基準値から変化したか否かを判定する(ステップS2)。第2エンコーダー43により検出される回転速度V2が低下する要因の一例としては、中間転写ベルト7Aの熱膨張がある。中間転写ベルト7Aは熱膨張しやすい材質で構成されており、中間転写ベルト7Aが熱膨張すると中間転写ベルト7Aの厚みが増大する。しかし、中間転写ベルト7Aと駆動ローラー7Bとの接触部分については、駆動ローラー7Bによってその厚みの増大が抑制される。このとき、駆動ローラー7B及び従動ローラー7Cは、中間転写ベルト7Aから押し付けられる力が増大し、駆動ローラー7B及び従動ローラー7Cの回転の抵抗となる。その結果、第2駆動モーターM2の負荷が増大する。なお、感光体ドラム13〜16は熱膨張しにくい材質で構成されている。速度差検出部51は、速度差ΔVが前記基準値から変化していないと判定すると(ステップS2でNO)、ステップS1に戻る。
速度差ΔVが変化したと速度差検出部51が判定すると(ステップS2でYES)、デューティ設定部52は、テーブル記憶部45の制御テーブルT1から、速度差ΔVに対応するデューティD、Gの補正量ΔD、ΔGを読み出す。そして、デューティ設定部52は、補正後のデューティD、Gを設定する(ステップS3)。
デューティ設定部52は、画像形成部3〜6のうち最初に中間転写ベルト7Aにトナー像の転写を行う感光体ドラム16に静電潜像形成用のレーザー光の出力を開始してから所定時間経過後までの期間であるか否かに基づいて、現在転写時か否かを判定する(ステップS4)。デューティ設定部52は、現在転写時ではないと判定すると(ステップS4でNO)、ステップS3で設定したデューティD、Gの指令信号を第1モータードライバー42及び第2モータードライバー44に出力する。これにより、第1モータードライバー42及び第2モータードライバー44は、前記指令信号が示すデューティD、Gの設定値をもつPWM信号を生成して第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2に出力し(ステップS5)、ステップS7に進む。
一方、デューティ設定部52は、現在転写時であると判定すると(ステップS4でYES)、ステップS3で設定したデューティD、Gの情報を前記RAMに一時的に記憶させ(ステップS6)、ステップS4に戻る。なお、ステップS6の処理において、以前に設定されたデューティD、Gの情報が前記RAMに記憶されている場合には、デューティ設定部52は、ステップS3で設定したデューティD、Gの情報を前記RAMに更新的に記憶させる。
ステップS6の処理後、制御部50は、感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの回転を停止させるタイミングになったか否かを判定する(ステップS7)。前記タイミングか否かは、前記印刷ジョブに対応する枚数のシートPの搬送が給紙部3から行われ、排出ローラー対13のシートPの搬送方向下流側に配置された排出センサ(不図示)の出力信号から排出センサの検知領域に所定時間以上シートPが存在しないことに基づいて判定される。制御部50は、感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの回転を停止させるタイミングになっていないと判定すると(ステップS7でNO)、ステップS1に戻る。ステップS1に戻った場合、補正後のデューティD、Gで感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bが回転駆動される状態での速度差ΔVが速度差検出部51により検出され、この回転速度ΔVに基づいてステップS2以降の処理が行われる。一方、制御部50は、感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの回転を停止させるタイミングになったと判定すると(ステップS7でYES)、一連の処理を終了する。なお、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の回転速度の速度差ΔVのみに基づいてフィードバック制御すると、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の回転速度がシートPの搬送速度として適切な範囲を逸脱することが考えられる。したがって、例えばステップS5の処理の後に、制御部50は、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の回転速度が前記適切な範囲内にあるか否かを判定する。そして、制御部50は、前記適切な範囲を逸脱していると判定した場合には、第1駆動モーターM1の回転速度V1と第2駆動モーターM2の回転速度V2とが前記適切な範囲内の値になるように、回転速度V1、V2をフィードバック制御する。
以上のように、本実施形態では、感光体ドラム13〜16の回転速度V1と駆動ローラー7Bの回転速度V2とのとり得る速度差ΔVに応じて駆動ローラー7Bを駆動する第2駆動モーターM2の回転速度が前記目標速度となるように制御される。また、その制御が非転写時に行われる。これにより、転写時にその制御を行うことに起因して感光体ドラム13〜16と駆動ローラー7Bの回転速度が変化することによりシートに形成される画像の品質が低下するのを回避することができる。
また、本実施形態では、速度差ΔVに応じたPWM信号のデューティD、Gの補正量ΔD、ΔGがテーブルT1から導き出される。これにより、制御部50に大きな処理負担をかけることなく、補正後のデューティD、Gが導き出される。
また、本実施形態では、第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度が感光体ドラム13〜16の回転速度として検出され、第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度が駆動ローラー7Bの回転速度として検出される。これにより、第1エンコーダー41及び第2エンコーダー43を、感光体ドラム13〜16に設置される場合に比べて第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2の制御基板(不図示)の近くに配置することができ、配線を短くすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した内容のものに限られず、種々の変形例が適用可能である。
前記実施形態では、速度差ΔVが検出されると、速度差ΔVに対応する第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2に出力すべきPWM信号のデューティD,Gの補正量ΔD,ΔGが制御テーブルT1から読み出される。そして、この補正量ΔD,ΔGによって補正されたデューティのPWM信号がこれらのモーターM1、M2に出力される。ただし、本発明におけるデューティの設定方法は、この制御テーブルT1を用いて設定する方法に限定されるものではない。
例えば、デューティ設定部52は、第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2に出力すべきPWM信号のデューティを、速度差ΔVをパラメーターとする予め定められた算出式によって算出する形態でもよい。算出式は、例えば、速度差ΔVから前記実施形態におけるテーブルT1の第2駆動モーターM2に出力するPWM信号のデューティGが算出されるものでもよい。前記デューティを、速度差ΔVをパラメーターとする予め定められた算出式によって算出する形態は、前記実施形態のようにテーブル記憶部45を備える必要が無い分、画像形成装置1に備える前記記憶部の記憶容量を低減することができる。
前記実施形態では、第1駆動モーターM1の出力軸48の回転速度が感光体ドラム13〜16の回転速度として検出され、第2駆動モーターM2の出力軸48の回転速度が駆動ローラー7Bの回転速度として検出される。しかし、本発明は、第1エンコーダー41、第2エンコーダー43が、感光体ドラム13〜16及び駆動ローラー7Bの回転軸(不図示)に取り付けられる形態も含む。この場合、感光体ドラム13〜16の回転速度は、本発明における第1検出速度の一例である。駆動ローラー7Bの回転速度は、本発明における第2検出速度の一例である。
前記実施形態では、常時図5に示すフローチャートの処理が行われるが、前記実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば次のような変形形態が考えられる。例えば基準パルス出力部(不図示)が制御部50に接続されており、前記基準パルス出力部から制御部50に基準パルスが出力される。前記基準パルスは、第2駆動モーターM2の出力軸48が画像形成装置1の製造時に設定された回転速度で回転する場合に第2エンコーダー43から出力されるパルスである。そして、中間転写ベルト7Aの熱膨張による第2駆動モーターM2の負荷の増大に起因して、第2エンコーダー43から出力されるパルスが前記基準パルスに対して遅延した場合、その遅延量が予め定められた量を超えたときに、図5に示すフローチャートの処理が行われる。
1:画像形成装置
2:画像形成部
4:感光体ドラム
7A:中間転写ベルト
7B:駆動ローラー
M1、M2:第1駆動モーター、第2駆動モーター
41、43:第1エンコーダー、第2エンコーダー
42、44:第1モータードライバー、第2モータードライバー
45:テーブル記憶部
48:出力軸
50:制御部
51:速度差検出部
52:デューティ設定部
2:画像形成部
4:感光体ドラム
7A:中間転写ベルト
7B:駆動ローラー
M1、M2:第1駆動モーター、第2駆動モーター
41、43:第1エンコーダー、第2エンコーダー
42、44:第1モータードライバー、第2モータードライバー
45:テーブル記憶部
48:出力軸
50:制御部
51:速度差検出部
52:デューティ設定部
Claims (5)
- 感光体ドラムを回転駆動する第1駆動モーターと、
前記感光体ドラムの周速度に関連する速度を検出する第1速度検出部と、
前記感光体ドラムに形成されるトナー像が転写される転写ベルトが架け渡され、回転することにより前記転写ベルトを走行させるローラーと、
前記ローラーを回転駆動する第2駆動モーターと、
前記ローラーによる前記転写ベルトの走行速度に関連する速度を検出する第2速度検出部と、
前記第1速度検出部により検出される第1検出速度と前記第2速度検出部により検出される第2検出速度との速度差を算出する速度差算出部と、
前記速度差算出部により算出される前記速度差に応じて前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターそれぞれの目標速度を決定し、非転写時に、前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターの駆動速度を前記目標速度となるように制御するモーター制御部と、
を備える画像形成装置。 - 前記速度差算出部により算出され得る前記速度差と、前記第1駆動モーター及び第2駆動モーターの駆動条件との対応関係を予め記憶する記憶部を更に備え、
前記モーター制御部は、前記速度差算出部により前記速度差が算出されると、その速度差に対応する前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターの前記駆動条件を前記記憶部から読み出し、前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターを、前記記憶部から読み出した前記駆動条件に従って動作させる請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記モーター制御部は、前記速度差算出部により前記速度差が算出されると、その速度差に応じた前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターの駆動速度を予め定められた算出式により算出し、前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターを前記駆動速度で動作させる請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1速度検出部は、前記第1駆動モーターの出力軸の回転速度を前記感光体ドラムの周速度に関連する速度として検出し、前記第2速度検出部は、前記第2駆動モーターの出力軸の回転速度を前記ローラーによる前記転写ベルトの走行速度に関連する速度として検出する請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第1駆動モーター及び前記第2駆動モーターは直流ブラシレスモーターである請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014162043A JP2016038481A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014162043A JP2016038481A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | 画像形成装置 |
Publications (1)
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JP2016038481A true JP2016038481A (ja) | 2016-03-22 |
Family
ID=55529594
Family Applications (1)
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JP2014162043A Pending JP2016038481A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2016038481A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019135509A (ja) * | 2018-02-05 | 2019-08-15 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置および画像形成プログラム |
-
2014
- 2014-08-08 JP JP2014162043A patent/JP2016038481A/ja active Pending
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