JP2016038059A - フライホイール回生システム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フライホイールのエネルギー効率を向上できるフライホイール回生システムを提供する。【解決手段】車両の減速中にフライホイールに運動エネルギーを回生し、駆動力要求に基づいてフライホイールのエネルギーを車両の発進又は加速に用いるフライホイール回生システムであって、制御部は、運転者からの駆動力要求があったとき、変速機の変速比をアップシフトさせることにより駆動力を発生させ、有段変速機構をアップシフトさせる前に、無段変速機構をアップシフトさせることで、変速機の変速比をアップシフトさせる。【選択図】 図1
Description
本発明は、車両の運動エネルギーをフライホイールで回生するフライホイール回生技術に関する。
車両の燃費・電費を向上させるには、減速時に車両が持つ運動エネルギーを電気的又は機械的に回生し、回生した運動エネルギーを発進時や加速時に利用するのが有効である。
特許文献1は、変速機の入力軸にクラッチによって断続可能なフライホイールを設け、減速時に当該クラッチを締結して駆動輪から入力される回転でフライホイールを回転させ、車両の運動エネルギーをフライホイールの運動エネルギーに変換するフライホイール回生システムを開示している。
このようなフライホイール回生システムにおいては、クラッチを解放すれば回生した運動エネルギーをフライホイールに保存することができ、また、発進時や加速時にクラッチを締結すれば、フライホイールに保存された運動エネルギーを放出させ、車両の発進や加速に利用することで、車両の燃費効率を向上できる。
前述のような構成のフライホイール回生システムにおいて、フライホイールの回転エネルギーを放出する際には変速機をアップシフトさせることで、大きな回転エネルギーを駆動輪へと伝達することができる。
変速機には、無段変速機(バリエータ)、有段変速機及びこれらを組み合わせたものが知られている。バリエータと有段変速機とを組み合わせることで、変速範囲を拡大することができる。
前述のフライホイール回生システムにバリエータと有段変速機とを組み合わせた変速機を適用することができる。この場合は、アップシフトはバリエータでも有段変速機でも行うことが可能である。しかしながら、従来技術ではバリエータ及び有段変速機は考慮されておらず、バリエータ及び有段変速機を適切に制御しない場合は、かえってエネルギー効率を低下させてしまう恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、バリエータ及び有段変速機を組み合わせた変速機において、エネルギー効率を高めることができるフライホイール回生システムを提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、変速比を無段階に変更可能な無段変速機構と、無段変速機構に直列に接続され、複数の摩擦締結要素の締結及び解放により複数の変速段を切換え可能な有段変速機構と、からなり、車両の動力源から入力される回転を変速して駆動輪に出力する変速機と、フライホイールと、変速機の変速比を制御する制御部と、を備え、車両の減速中にフライホイールに運動エネルギーを回生し、駆動力要求に基づいてフライホイールのエネルギーを車両の発進又は加速に用いるフライホイール回生システムであって、制御部は、運転者からの駆動力要求があった場合に、変速機の変速比をアップシフトさせることにより駆動力を発生させ、有段変速機構をアップシフトさせる前に、無段変速機構をアップシフトさせることで、変速機の変速比をアップシフトさせることを特徴とする。
上記態様によれば、フライホイールのエネルギーを発進又は加速に用いる場合に、有段変速機構をアップシフトさせる前に無段変速機構をアップシフトさせるので、摩擦締結要素のスリップ量がなくなり、発熱によるエネルギーの損失が低減される。これにより、フライホイールのエネルギーの損失を抑制できて、フライホイールのエネルギーを効率良く利用することができ、フライホイールのエネルギーにより得られる走行領域を拡大することができるので、燃費を向上することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るフライホイール回生システムを備える車両100の全体構成を示す。
図1は、本発明の第1実施形態に係るフライホイール回生システムを備える車両100の全体構成を示す。
車両100は、動力源としてのエンジン1と、エネルギーを回生するフライホイール2と、エンジン1の出力回転を無段階に変速する無段変速機(以下、CVT)3と、CVT3の出力回転を減速する終減速装置4と、差動装置5と、左右の駆動輪6と、油圧回路7と、コントローラ8とを備える。
CVT3は、無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に対して直列に設けられ、複数の変速段(1速及び2速)を有する有段変速機構である副変速機構30とを備える。CVT3は、副変速機構30の変速段を変更することで、バリエータ20の変速範囲を超えた変速範囲を実現する。
バリエータ20は、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間にベルトを掛け回し、プライマリプーリとセカンダリプーリとの溝幅を変更することにより無段階に変速を行う。
副変速機構30は、前進2段・後進1段の歯車式変速機である。副変速機構30は、遊星歯車機構と、遊星歯車機構の連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(例えばLowブレーキ、Highクラッチ、Revブレーキ)と、を備える。副変速機構30は、Lowブレーキが締結され、Highクラッチ及びRevブレーキが解放されている場合に1速となり、Highクラッチが締結され、Lowブレーキ及びRevブレーキが解放されている場合は2速となる。Revブレーキが締結され、Lowブレーキ及びHighクラッチが解放されている場合は、後進段となる。
エンジン1とCVT3の入力軸3inとの間には、エンジンクラッチCL1が設けられる。エンジンクラッチCL1は、供給される油圧によって締結容量を制御可能な油圧式クラッチである。エンジンクラッチCL1を締結状態としたときに、エンジン1の駆動力がCVT3へと伝達される。
CVT3の入力軸3inには、入力軸3inの回転により駆動され油圧を発生するオイルポンプ10が接続される。オイルポンプ10は、例えばギヤポンプやベーンポンプにより構成される。オイルポンプ10が発生した油圧は後述する油圧回路7を介して、CVT3、エンジンクラッチCL1、後述する発進クラッチCL2等に供給される。
CVT3の入力軸3inには、さらに、一対の減速ギヤ列11、12を介してフライホイール2が接続される。フライホイール2は、回転可能な円筒体又は円盤形状の金属体が容器内に収装されて構成される。容器内は、金属体が回転するときの空気抵抗による影響(風損とも呼ぶ)を低減するために、真空状態又は減圧されている。
減速ギヤ列11と減速ギヤ列12との間にはフライホイールクラッチCLfwが設けられる。フライホイールクラッチCLfwは、供給される油圧によって締結容量を制御可能な油圧式クラッチである。フライホイールクラッチCLfwは、入力軸3inの回転にかかわらず油圧を供給可能な油圧源の油圧が油圧室13に供給されることによって締結容量が制御される。具体的には、オイルポンプ10とは異なり、電動モータにより駆動される油圧ポンプにより発生された油圧がフライホイールクラッチCLfwの油圧室13に供給される。フライホイールクラッチCLfwは、油圧室13に供給される油圧ではなく、電動のアクチュエータによって締結容量が制御されてもよい。
CVT3において、副変速機構30には、発進時に締結され、バリエータ20を介して入力されるエンジン1又はフライホイール2からの回転を終減速装置4に伝達する発進クラッチCL2が設けられる。発進クラッチCL2は、遊星歯車機構の連係状態を変更する複数の摩擦締結要素のうちのいずれか一つに対応する。例えば副変速機構30が1速の場合は、Lowブレーキが発進クラッチCL2に対応し、副変速機構30が2速の場合はHighクラッチが発進クラッチCL2に対応する。
発進クラッチCL2に対応する摩擦締結要素は、供給される油圧によって伝達トルク容量を制御可能な油圧式クラッチである。発進クラッチCL2は、エンジン1とCVT3との間に備えられてもよい。また、入力軸3inにトルクコンバータを備えてもよい。
油圧回路7は、後述するコントローラ8からの信号を受けて動作するソレノイド弁等で構成され、CVT3、エンジンクラッチCL1、発進クラッチCL2及びオイルポンプ10と油路を介して接続される。油圧回路7は、オイルポンプ10で発生した油圧を元圧として、CVT3のプーリ、エンジンクラッチCL1及び発進クラッチCL2で必要とされる油圧を生成し、生成した油圧をCVT3のプーリ、エンジンクラッチCL1及び発進クラッチCL2に供給する。
ブレーキ14は、ブレーキペダル15とマスターシリンダ16とが機構的に独立している電子制御式ブレーキである。運転者がブレーキペダル15を踏み込むと、ブレーキアクチュエータ17がマスターシリンダ16のピストンを変位させ、運転者がブレーキペダル15を踏み込む力、すなわち要求減速度に応じた油圧がブレーキ14に供給され、ブレーキ14によって要求減速度に応じた制動力が発生する。なお、図示は省略するが、ブレーキ14は従動輪にも設けられる。
コントローラ8は、CPU、RAM、入出力インターフェース等で構成される。コントローラ8には、エンジン1のトルクセンサ28、エンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ21、CVT3の入力軸3inの回転速度(入力軸回転速度Nin)を検出する回転速度センサ22、フライホイール2の回転速度Nfwを検出する回転速度センサ23、車速VSPを検出する車速センサ24、アクセルペダル25の開度APOを検出するアクセル開度センサ26、運転者がブレーキペダル15の踏む力を検出するブレーキセンサ27等からの信号が入力される。
コントローラ8は、入力される信号に基づき各種演算を行い、CVT3の変速、エンジンクラッチCL1、発進クラッチCL2及びフライホイールクラッチCLfwの締結・解放、ブレーキアクチュエータ17を制御する。特に、運転者がブレーキペダル15を踏み込み、車両100が減速するときは、コントローラ8は、フライホイールクラッチCLfwを締結し、駆動輪6から入力される回転を減速ギヤ列11、12により増速してフライホイール2を回転させ、車両100が持つ運動エネルギーをフライホイール2の運動エネルギーに変換することで、車両100の運動エネルギーを回生する。
このとき、後述するようにCVT3の変速比をLow側にダウンシフトすることにより、駆動輪6の回転速度を増速してフライホイール2に入力することができ、フライホイール2の回転速度、すなわち、保存される運動エネルギーの大きさを高めることができる。
回生中、コントローラ8は、運転者の減速度要求に応じた制動力(回生ブレーキ)が得られるようフライホイールクラッチCLfwの締結容量を制御する。フライホイールクラッチCLfwを締結する前で回生ブレーキを発生させられない場合や回生ブレーキのみでは運転者の減速度要求を満たせない場合は、コントローラ8は、ブレーキアクチュエータ17を動作させてブレーキ14の制動力を増大させ、運転者の減速度要求に応じた制動力が得られるようにする。
回生された運動エネルギーは、フライホイールクラッチCLfwを解放することによってフライホイール2の回転として保存できる。フライホイール2に運動エネルギーが保存されている状態でフライホイールクラッチCLfwを締結することで、フライホイール2に保存されている運動エネルギーが入力軸3inに伝達され、車両100の発進又は加速のエネルギーとすることができる。
特に、フライホイール2の質量や減速ギヤ列11、12の減速比を適切に選定することにより、フライホイール2が十分に回転している状態で、重量物である車両100を発進させるのに十分なエネルギーを保存することができる。
このように、車両100が減速する時に、コントローラ8がフライホイールクラッチCLfwを締結し、車両100の運動エネルギーが回生される。
次に、本発明の第1実施形態のフライホイール2による車両100の加速時の動作について説明する。
運転者からの加速要求があったときに、コントローラ8は、フライホイールクラッチCLfwを締結して、入力軸3inに回転エネルギーを与えることができる。これにより、エンジン1が停止、又はエンジン1の駆動力が伝達されていない場合にも、車両100を加速させることができる。
図2は、本実施形態の第1実施形態のフライホイール回生システムにおいて、運転者から加速要求があったときにコントローラ8が実行する制御のフローチャートである。
図2に示す制御は、コントローラ8において、他の制御と並列して周期的に実行される。
コントローラ8は、ステップS11において、運転者から加速が要求されたか否かを判定する。コントローラ8は、運転者がアクセルペダル25を踏み込むことによりアクセル開度APOがゼロから正の値へと変化した場合に、運転者から加速が要求されたと判定する。加速が要求されていない場合は、このフローチャートの処理を一旦終了し、他の処理に戻る。
運転者から加速が要求されたと判定した場合は、コントローラ8は、ステップS12において、フライホイール2の回転速度が、車両100を加速させるために十分であるか否かを判定する。
より具体的には、コントローラ8は、フライホイール2の回転速度Nfwを入力軸3inに換算したフライホイール換算回転速度Nfwinと、CVT3の現在の変速比における入力回転速度Nint0とを比較する。
フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0以下である場合は、フライホイール2の回転が車両100を加速させるのに十分ではない。この場合は、ステップS31に移行し、コントローラ8は、フライホイールクラッチCLfwが締結されている場合は、フライホイールクラッチCLfwを解放してから、このフローチャートの処理を一旦終了し、他の処理に戻る。
フライホイールクラッチCLfwを解放するのは、加速要求時にエンジン1の回転エネルギーが、より低速で回転するフライホイール2を回転させるエネルギーとして消費されることを防ぐためである。
フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0よりも大きい場合は、フライホイール2の回転が車両100を加速させるのに十分である。この場合は、ステップS13に移行し、コントローラ8は、フライホイールクラッチCLfwが締結されているか否かを判定する。
フライホイールクラッチCLfwが締結されていない場合は、ステップS41に移行し、コントローラ8は、フライホイールクラッチCLfwの油圧室13に油圧を供給して、フライホイールクラッチCLfwを締結させる締結制御を開始する。コントローラ8は、締結制御の開始後、フライホイールクラッチCLfwが締結状態であるかを判定し締結が完了するまで待機する。
ステップS13又はステップS42において、フライホイールクラッチCLfwが締結状態となっている場合は、ステップS131に移行し、コントローラ8は、発進クラッチCL2の締結が完了しているか否かを判定する。例えば、車両100が発進を行って間もない場合は、発進クラッチCL2の伝達トルク容量より運転者からの加速要求に対応する加速度及び車速の制御が行われている。発進クラッチCL2が締結完了している場合は、ステップS14に移行する。発進クラッチCL2の締結が完了しておらず、スリップ状態である場合はステップS141に移行する。
ステップS141において、コントローラ8は、運転者からの要求に基づいて発進クラッチCL2の伝達トルク容量を制御する。そして、ステップS151に移行し、コントローラ8は、現在の車速とアクセル開度APOとから、フライホイール2が放出可能な入力回転速度Nint0を設定する。コントローラ8は、変速マップから現在の車速VSPとアクセルペダル25の開度APOとに応じたCVT3の入力軸3inの回転速度Ninを算出し、回転速度Ninと同一回転となるエンジン回転速度Nintを読み取る。読み取ったエンジン回転速度Nintを、入力回転速度Nint0として設定する。
次に、ステップS161に移行し、コントローラ8は、フライホイール換算回転速度Nfwinが、算出された入力回転速度Nint0よりも大きいか否かを判定する。フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0よりも大きい場合は、ステップS131に戻る。コントローラ8は、ステップS17において、バリエータ20の変速比が最Highとなったか否かを判定する。フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0以下となった場合は、フライホイール2では車両100を加速させることができないので、後述するように、ステップS21以降の処理を実行する。
ステップS131において、発進クラッチCL2の締結が完了していると判定した場合は、ステップS14に移行し、コントローラ8は、CVT3のバリエータ20をステップS11で取得したアクセル開度等に基づいて決定された要求出力に基づいてアップシフトさせる。
これにより、フライホイール2の回転によって車両100が加速する。このときのアップシフトの変速速度は、ステップS11で取得したアクセル開度の変化加速度等に基づいて決定された運転者の加速要求に応じて設定する。加速要求が大きいほど、バリエータ20の変速速度は大きく設定される。
次に、コントローラ8は、ステップS15において、現在の車速とアクセル開度APOとから、フライホイール2が放出可能な入力回転速度Nint0を設定する。このときもステップS151と同様に、コントローラ8は、変速マップから現在の車速VSPとアクセルペダル25の開度APOとに応じたCVT3の入力軸3inの回転速度Ninを算出し、回転速度Ninと同一回転となるエンジン回転速度Nintを読み取る。読み取ったエンジン回転速度Nintを、入力回転速度Nint0として設定する。
次に、コントローラ8は、ステップS16において、フライホイール換算回転速度Nfwinが、算出された入力回転速度Nint0よりも大きいか否かを判定する。
フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0よりも大きい場合は、コントローラ8は、ステップS17において、バリエータ20の変速比が最Highとなったか否かを判定する。
これらステップS16及びS17の判定により、フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0以下となるまで、又は、CVT3のバリエータ20の変速比が最Highとなるまで、バリエータ20のアップシフト(ステップS14)が実行され、車両100の加速が行われる。
ステップS17の判定により、バリエータ20の変速比が最Highとなったと判定した場合は、コントローラ8は、ステップS18において、副変速機構フラグFLGに1がセットされているか否かを判定する。副変速フラグFLGは、CVT3の副変速機構30の変速段が2速であるか否かを判別するためのフラグである。
副変速フラグFLGに1がセットされている場合は、副変速機構30の現在の変速段は2速であり、0がセットされている場合は、副変速機構30の現在の変速段は1速である。
ステップS18の判定により、副変速機構30の現在の変速段は1速であると判定した場合は、コントローラ8は、ステップS19において、副変速機構30の変速段を、1速から2速へとアップシフトさせる。このとき、バリエータ20の変速比を、副変速機構30が1速から2速に変化した変速比分だけLow側に戻し、現在の変速比が大きく変わらないように制御する。
ステップS19の処理の後、コントローラ8は、ステップS20において副変速フラグFLGに1をセットして、ステップS14の処理に戻り、処理を繰り返す。
一方、ステップS16の判定により、フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0以下となった場合は、フライホイール2では車両100を加速させることができない。
この場合は、コントローラ8は、ステップS21において、エンジン1が始動していない場合はエンジン1を始動させ、エンジンクラッチCL1を締結させる。さらに、入力軸回転速度Ninが、ステップS15で算出された入力回転速度Nint0となるように、CVT3のバリエータ20を変速させる。
ステップS21の処理後、コントローラ8は、ステップS22においてフライホイールクラッチCLfwの解放制御を行う。そして、ステップS23において、副変速機フラグFLGを0にリセットする。
これらステップS21からS23の制御により、フライホイール2による加速が終了され、エンジン1の駆動力による加速へと切り換えられる。その後、本フローチャートによる制御を一旦終了する。
ステップS18の判定により、副変速フラグFLGに1がセットされており、副変速機構30の現在の変速段は2速であると判定した場合は、副変速機構30及びバリエータ20のいずれもが最もHigh側の変速比となっているので、副変速機構30及びバリエータ20のアップシフトでは、これ以上フライホイール2のエネルギーを放出させることができない。
この場合も、コントローラ8は、ステップS21に移行して、フライホイール2による加速が終了され、エンジン1の駆動力による加速へと切り換えられる。
以上のような制御によって、フライホイール2に回生されたエネルギーを車両の加速に用いることができる。
図3は、本発明の第1実施形態の車両100が走行するときの動作を示すタイムチャートである。
図3に示すタイムチャートは、車速VSP、ブレーキペダル15の踏み込み状態、アクセル開度APO、バリエータ20の変速比、副変速機構30の変速段、エンジン回転速度Neng、入力軸回転速度Nin、入力軸換算フライホイール回転速度Nfinの関係、エンジンクラッチCL1の状態及びフライホイールクラッチCLfwの状態を示す。
車両100が走行中にブレーキペダル15が踏み込まれることで減速要求がなされた場合は、減速エネルギーをフライホイールに回生する制御を行う。コントローラ8は、タイミングt1においてブレーキペダル15が踏み込まれたことを検出した場合は、エンジンクラッチCL1を解放するとともにフライホイールクラッチCLfwを締結して、車輪からの回転をフライホイール2に回生する。
コントローラ8は、エンジンクラッチCL1を解放したときに、同時に燃料噴射を停止してエンジン1を停止させる。
入力軸回転速度Ninと入力軸換算フライホイール回転速度Nfwinとに差がある場合は、コントローラ8は、両者の回転速度が一致するようにフライホイールクラッチCLfwの伝達トルクを徐々に上昇させて、徐々に締結状態へと制御する。
入力軸回転速度Ninと入力軸換算フライホイール回転速度Nfwinとが同期(タイミングt2)した後は、コントローラ8は、CVT3のバリエータ20の変速比をLow側へと変速させる。これにより、フライホイール2の回転が上昇されて、車両の減速エネルギーがフライホイール2へと回生される。このとき、コントローラ8は、ブレーキペダル15の踏み込み力から算出した減速要求に基づいて、バリエータ20の変速速度を制御する。
副変速機構30の変速段が2速であるときにバリエータ20の変速比が最Lowに達した場合は(タイミングt3)、コントローラ8は、副変速機構30の変速段を1速にダウンシフトさせる(タイミングt4)。このとき、副変速機構30の変速比が変化した変速比分だけ、バリエータ20の変速比をアップシフト側に変更する。副変速機構30の変速段を1速に変速した後にも減速要求が行われている場合は、コントローラ8は、引き続きバリエータ20の変速比をLow側へと変速させて、フライホイール2の回転を上昇させる(タイミングt6)。
タイミングt7において、ブレーキペダル15が離されると共にアクセルペダル25が踏み込まれ、加速要求がなされた場合は、コントローラ8は、フライホイール2の回転を放出させて車両の加速を行う制御を行う。
コントローラ8は、CVT4のバリエータ20を制御して、変速比をHigh側に変速させる。これにより、フライホイール2の回転が、入力軸3inからCVT3を介して駆動輪へと伝達され、車両100が加速される(タイミングt8)。
副変速機構30の変速段がLowモード、すなわち1速であるときに、バリエータ20の変速比が最Highに達した場合は(タイミングt9)、コントローラ8は、副変速機構30の変速段を2速にアップシフトさせ、同時にバリエータ20の変速比をダウンシフト側に変更する(タイミングt10)。副変速機構30の変速段を1速に変速した後、引き続きバリエータ20の変速比をHigh側へと変速させて、フライホイール2の回転により車両100を加速する。
フライホイール2の回転を車両の加速のために放出することにより、フライホイールの2の回転は徐々に低下する。そして、フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0以下となった場合は、フライホイール2のエネルギーでは車両100を加速させることができなくなる。
フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0以下となった場合は、コントローラ8は、エンジン1を始動させて、エンジン1による加速を開始する(タイミングt11)。エンジン1を始動するとき、エンジンクラッチCL1の伝達トルクを一端低下させてエンジンクラッチCL1をスリップさせた後、エンジンクラッチCL1を徐々に締結させ、エンジン回転速度Nengと入力軸回転速度Ninとを同期させる(タイミングt12)。エンジン回転速度Nengと入力軸回転速度Ninとが同期し、エンジンクラッチCL1を完全に締結状態とした後に、フライホイールクラッチCLfwを解放する(タイミングt13)。
以降は、車両100が減速を行う場合には、フライホイールクラッチCLfwを締結すると共にCVT3をダウンシフトさせて車両の減速エネルギーをフライホイール2に回生する。車両100が加速する場合には、フライホイールクラッチCLfwを締結すると共にCVT3をアップシフトさせてフライホイール2の回転エネルギーを放出する。
図4は、本発明の実施形態における変速マップとフライホイール2の回転エネルギー放出マップとの関係を示す説明図である。
副変速機構30が1速におけるCVT3の変速比は、バリエータ20の変速により図4に一点鎖線で示す1速最Lowから1速最Highの間の領域を取ることができる。副変速機構30が2速におけるCVT3の変速比は、バリエータ20の変速により図4に点線で示す2速最Lowから2速最Highの間の領域を取ることができる。
ここで、図3で説明したように、フライホイールクラッチCLfwを締結してフライホイール2の回転をCVT3の変速により所定の加速度で出力させた場合は、入力軸回転速度(rpm)と車速VSPとの関係は、図4の(1)に示す矢印のように推移する。
この制御において、図4の(1)で示す矢印が1速最High線を跨いでHigh側推移する場合は、副変速機構30が1速のままではそれ以上High側に変速比を変速することができなくなるので、副変速機構30を2速に変速させる。
このような制御において、フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0以下となった場合は、フライホイール2のエネルギーでは車両100を加速させることができない。この場合は、エンジン1を始動させると共にエンジンクラッチCL1を締結して、エンジン1の駆動力による加速を行う。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前述のように、運転者による加速要求があったときに、コントローラ8は、フライホイールクラッチCLfwを締結して、入力軸3inに回転エネルギーを与えると共に、CVT3をアップシフトさせて車両を加速させる。
このとき、入力軸回転速度(rpm)と車速VSPとの関係が、図4の(2)で示す矢印のように推移した場合、CVT3は、細実線で示すコースト線よりもHigh側に推移することができない。この場合は、エンジン1を始動して、エンジン1の駆動力により車両を加速させる。
運転者の加速要求に対応してエンジン1を駆動させる場合は、車速に対応するエンジン1の回転速度、すなわち入力軸回転速度Ninは、コースト線よりも離れた位置となる(図4の点A)。従って、エンジン1を始動する前に、フライホイール2により放出される回転を、この点Aに同期するように制御する必要がある(図4の点線矢印)。
しかしながら、このようにフライホイール2の回転を放出した場合は、フライホイール2のフライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0よりも大きく、フライホイールの回転エネルギーが未だ残っている場合であっても、フライホイールクラッチCLfwを解放してエンジン1の駆動に切り替えられる。これにより、フライホイール2のエネルギーを十分に利用することができない。
そこで、このような場合には、次に説明するように、コントローラ8は、CVT3のバリエータ20の変速により、さらに回転エネルギーを放出するように制御する。
図5は、本発明の第2の実施形態のフライホイール回生システムにおいて、運転者から加速要求があったときにコントローラ8が実行する制御のフローチャートである。
コントローラ8は、ステップS51において、運転者から加速が要求されたか否かを判定する。コントローラ8は、前述の図2のステップS11と同様に、運転者がアクセルペダル25を踏み込むことによりアクセル開度APOがゼロから正の値へと変化した場合に、運転者から加速が要求されたと判定する。加速が要求されていない場合は、本フローチャートの処理を一旦終了し、他の処理に戻る。
運転者から加速が要求されたと判定した場合は、コントローラ8は、ステップS52において、フライホイール2の放出によって車両100を加速させた場合にステップS51で要求された加速度を満たせるか否かを判定する。この処理は、前述の図2にステップS12と同様に、フライホイール換算回転速度Nfwinが入力回転速度Nint0よりも大きいかを判定してもよい。
フライホイール2の放出によってステップS51で要求された加速度を満たせないと判定した場合は、本フローチャートの処理を一旦終了し、他の処理に戻る。この場合は、エンジン1を始動させると共にエンジンクラッチCL1を締結して、エンジン1による加速を行う。
フライホイール2の放出によってステップS51で要求された加速度を満たせる場合は、コントローラ8は、ステップS53において、CVT3のバリエータ20を、要求加速度に基づいてアップシフトさせる。この場合、要求加速度が大きいほど、バリエータ20の変速速度を大きく設定する。
ステップS53の処理の後、コントローラ8は、ステップS54においてフライホイール換算回転速度Nfwinが、最低回転速度Nint1(t)よりも大きいか否かを判定する。
最低回転速度Nint1(t)は、図4において太線で示されており、車速に対してコースト線及び1速最High線のいずれか大きい方の入力軸回転速度に基づいて決定される。最低回転速度Nint1(t)は、入力軸3inの回転により駆動されるオイルポンプ10が発生する油圧が、エンジンクラッチCL1やCVT3におけるトルク伝達を十分に行える油圧を達成するための最低限の回転速度でもある。
フライホイール換算回転速度Nfwinが、最低回転速度Nint1(t)以下である場合は、フライホイール2のエネルギー放出によって車両100の要求加速度を満たすように加速させたとしても、オイルポンプ10が発生させる油圧により得られるトルク伝達力が十分得られず、要求加速度を得られないことになる。
そこで、このような場合には、エンジン1を始動させてエンジン1の駆動力により走行させるため、ステップS56以降の処理に移行する。
フライホイール換算回転速度Nfwinが最低回転速度Nint1(t)よりも大きい場合は、ステップS55に移行し、コントローラ8は、バリエータ20の変速比が最Highであるか否かを判定する。ステップS55の判定により、CVT3のバリエータ20の変速比が最Highとなるまで、バリエータ20のアップシフト(ステップS53)が実行される。
バリエータ20が最Highとなった場合はステップS56に移行する。
ステップS56では、コントローラ8は、エンジン1を始動すると共にエンジンクラッチCL1の締結を開始する。そして、ステップS57において、コントローラ8は、フライホイールクラッチCLfwを解放する。
次に、ステップS58において、コントローラ8は、CVT3の変速比をLow側へと変速する。具体的には、図4の(3)で示す矢印のように、現在の変速比に対応する変速点(Nint1(t)付近)から、点Aまでダウンシフトさせる。点Aは、現時点での運転者の加速要求を満足するためのエンジン1の回転速度に対応する変速点である。点Aに変速比を設定することにより、エンジン1の動作点と変速マップ上の動作点とが同期し、以降はエンジン1の駆動力によって車両100を加速させる。
このような制御により、加速要求に基づいてフライホイール2のエネルギーを十分に放出させることで、エネルギー効率を高めることができる。
図6は、本発明の第2実施形態の車両100が走行するときの動作を示すタイムチャートである。
図6に示すタイムチャートは、図3と同様に、車速VSP、ブレーキペダル15の踏み込み状態、アクセル開度APO、バリエータ20の変速比、副変速機構30の変速段、エンジン回転速度Neng、入力軸回転速度Nin、入力軸換算フライホイール回転速度Nfinの関係、エンジンクラッチCL1の状態及びフライホイールクラッチCLfwの状態を示す。
タイミングt21においては、車両100が減速しており、エンジン1が停止され、フライホイールクラッチCLfwが締結され、減速エネルギーがフライホイール2に回生される。このとき、減速要求に基づいて、バリエータ20の変速速度が制御される。
タイミングt22において、運転者から加速要求があったときは、コントローラ8は、バリエータ20の変速比をアップシフトさせて、フライホイール2の回転エネルギーを放出する。回転エネルギーの放出に伴ってフライホイール換算回転速度Nfwinが低下する。
フライホイール換算回転速度NfwinがNint1(t)以下となる場合には、コントローラ8はエンジン1を始動させてエンジン1による加速を開始する(タイミングt23〜t24)。このとき、フライホイールクラッチCLfwを解放するとともにエンジンクラッチCL1を完全締結させる(タイミングt24)。
次に、コントローラ8は、CVT3の変速比をLow側へと変速し、図4に示す点Aまでダウンシフトさせる(タイミングt24〜t25)。点Aは、現時点での運転者の加速要求を満足するためのエンジン1の回転速度に対応する変速点である。これによりエンジン1の動作点と変速マップ上の動作点とが同期し(タイミングt25)、以降はエンジン1の駆動力によって車両100を加速させる。
このように、第2実施形態では、フライホイール2の回転により加速させた後、エンジン1の加速に切り替える場合に、エンジン1の回転速度に対応するCVT3の変速点よりも変速比をHigh側まで変速させてフライホイール2の回転エネルギーを放出した後に、エンジン1を始動し、エンジン1の回転速度対応する変速点Aまで変速比をダウンシフトさせる。このような制御により、フライホイール2の回転を効率よく放出させることができる。
以上のように、本発明の実施形態では、変速比を無段階に変更可能な無段変速機構であるバリエータ20と、バリエータ20に直列に接続され、複数の摩擦締結要素の締結及び解放により複数の変速段を切換え可能な有段変速機構である副変速機構30と、からなり、車両100の動力源としてのエンジン1から入力される回転を変速して駆動輪に出力する変速機としてのCVT3と、フライホイール2と、フライホイール2とCVT3の入力軸3inとの間に設けられるフライホイールクラッチCLfwと、CVT3の変速比及びフライホイールクラッチCLfwの断続を制御する制御部としてのコントローラ8と、を備え、車両100の減速中に、フライホイールクラッチCLfwを動力伝達状態としてフライホイール2に運動エネルギーを回生し、駆動力要求に基づいてフライホイールクラッチCLfwを動力伝達状態とし、フライホイール2のエネルギーを車両100の発進又は加速に用いるフライホイール回生システムである。
このような構成において、コントローラ8は、運転者からの駆動力要求があったとき、フライホイールクラッチCLfwを動力伝達状態とすると共にCVT3の変速比をアップシフトさせることにより駆動力を発生させ、副変速機構30の変速段をアップシフトさせる前に、バリエータ20をアップシフトさせることで、CVT3の変速比をアップシフトさせる。
本発明の実施形態では、フライホイール2の回転エネルギーを放出して走行する際にCVT3の変速比をアップシフトさせるときに、副変速機構30をアップシフトさせる前にバリエータ20をアップシフトさせる。このように制御することによって、副変速機構30をアップシフトさせる場合と比較して摩擦締結要素のスリップ量がなくなり、発熱によるエネルギーの損失が低減される。
有段の副変速機構30の変速を行う場合は摩擦締結要素の締結及び解放が必要となり、その過程で摩擦締結要素のスリップが発生する。摩擦締結要素がスリップ状態では、駆動力が熱に変換されて損失するため、フライホイール2の回転エネルギーのロスが発生する。そのため、フラホイール2の回転エネルギーを効率よく利用できないので、フライホイール2の回転による加速及び走行領域が減少し、駆動力源であるエンジン1の走行領域が拡大するため、エンジン1の燃費が悪化する。
これに対して、本発明の実施形態では、フライホイール2の回転エネルギーの損失を抑制できて、フライホイール2の回転エネルギーを効率良く利用することができ、フライホイール2の回転エネルギーにより得られる走行領域を拡大することができるので、燃費を向上することができる。この効果は請求項1に対応する。
また、本発明の実施形態では、フライホイール2の回生時にCVT3をダウンシフトする場合に、バリエータ20が最もHigh側の変速比のときに、副変速機構30を第2の変速段から第1の変速段へと変速させる。このように構成することによって、フライホイール2の回転エネルギーを効率よく利用することができる。
車両100が減速中にフライホイール2に回転エネルギーを回生するときは、CVT3の変速比が最Low、すなわち、バリエータ20の変速比が最Lowかつ副変速機構30の変速比が1速段にとしたときが最も効率がよい。CVT3の変速比が最もダウンシフト側である場合は、駆動輪からの回転が最も増大されてフライホイール2に伝達されるためである。ここで、フライホイール2への回生は、例えばブレーキペダル15が踏み込まれる等の車両100の減速時に限られる。この減速中にCVT3の変速比を速やかに最Lowへと変速させないと、フライホイール2のへの回生効率が低下する。
このような変速を行う場合、例えば、副変速機構30が2速である場合は、バリエータ20の変速比が最Lowとなるまで変速した後に副変速機構を2速から1速にダウンシフトさせようとした場合は、副変速機構30を構成する摩擦締結要素の油圧の応答により、速やかに変速が行われない場合がある。この間は、最Lowであるバリエータ20の変速比も変化できないことから、Low側へ変速中のCVT3の変速比が一時的に停滞することになる。CVT3の変速比が停滞した場合は、減速エネルギーをフライホイール2に回生させることができず、回生効率が低下する。特に、急減速では減速時間が短いため、効率よく回生ができない。
そこで、本実施形態では、副変速機構30が1速におけるバリエータ20の変速比が最Highの状態で副変速機構30を2速から1速にダウンシフトさせる。これにより、以降のダウンシフトはバリエータ20の変速比の制御のみで副変速機構30が1速、かつバリエータ20の変速比が最Lowとすることができ、Low側へ変速中のCVT3の変速比が一時的に停滞することなく、以降の減速エネルギーを効率よくフライホイール2に回生することができる。この効果は請求項2に対応する。
また、本実施形態では、コントローラ8は、フライホイール2の回転エネルギーを車両100の発進又は加速に用いるときに、エンジン1を再始動する場合は、副変速機構30において締結中の摩擦締結要素をスリップ状態とする。このような構成により、エンジン1の始動時の回転速度の吹け上がりによる駆動力の急変を緩衝することができる。この効果は請求項3に対応する。
また、本発明の実施形態では、運転者の加速要求に基づいてフライホイール2のエネルギーを車両100の発進又は加速に用いるときに、副変速機構30が1速において、バリエータ20を最もHigh側の変速比まで変速させた後に、エンジン1を再始動し、エンジン1の回転速度とCVT3の変速比との関係が、運転者の加速要求に対応するように、CVT3をダウンシフトさせる。このように構成することによって、変速マップから定まるエンジン1の回転速度に対応する変速比よりもLow側に変速させてフライホイール2の回転エネルギーを十分に放出させることができる。この効果は請求項4に対応する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、車両100は動力源としてエンジン1のみを備えているが、動力源としてエンジン1とモータとを備えていてもよいし、エンジン1に代えてモータのみを備えていてもよい。動力源をモータとした場合は、エンジン1の燃料消費率の代わりにモータの消費電力に基づいて、フライホイールクラッチCLfwの締結及び解放を制御してもよい。
また、上記実施形態では、副変速機構30は、Low側の第1速とHigh側の第2速の二つの変速段を備えるとしたが、これに限られず、更に多くの変速段を有して、Low側からHigh側へと多段の変速を行うように構成してもよい。
1 エンジン(動力源)
2 フライホイール
3 CVT(変速機)
3in 入力軸
4 終減速装置
5 差動装置
6 駆動輪
7 油圧回路
8 コントローラ(制御装置)
10 オイルポンプ
15 ブレーキペダル
20 バリエータ(無段変速機構)
24 車速センサ
25 アクセルペダル
26 アクセル開度センサ
27 ブレーキセンサ
28 トルクセンサ
30 副変速機構(有段変速機構)
100 車両
CL1 エンジンクラッチ
CL2 発進クラッチ
CLfw フライホイールクラッチ
2 フライホイール
3 CVT(変速機)
3in 入力軸
4 終減速装置
5 差動装置
6 駆動輪
7 油圧回路
8 コントローラ(制御装置)
10 オイルポンプ
15 ブレーキペダル
20 バリエータ(無段変速機構)
24 車速センサ
25 アクセルペダル
26 アクセル開度センサ
27 ブレーキセンサ
28 トルクセンサ
30 副変速機構(有段変速機構)
100 車両
CL1 エンジンクラッチ
CL2 発進クラッチ
CLfw フライホイールクラッチ
Claims (5)
- 変速比を無段階に変更可能な無段変速機構と、前記無段変速機構に直列に接続され、複数の摩擦締結要素の締結及び解放により複数の変速段を切換え可能な有段変速機構と、からなり、車両の動力源から入力される回転を変速して駆動輪に出力する変速機と、
フライホイールと、
前記変速機の変速比を制御する制御部と、を備え、
前記車両の減速中に前記フライホイールに運動エネルギーを回生し、駆動力要求に基づいて前記フライホイールのエネルギーを前記車両の発進又は加速に用いるフライホイール回生システムであって、
前記制御部は、
運転者からの駆動力要求があった場合に、
前記変速機の変速比をアップシフトさせることにより駆動力を発生させ、
前記有段変速機構をアップシフトさせる前に、前記無段変速機構をアップシフトさせることで、前記変速機の変速比をアップシフトさせる
ことを特徴とするフライホイール回生システム。 - 請求項1に記載のフライホイール回生システムであって、
前記有段変速機構は、第1の変速段と、第1の変速段よりもHigh側の第2の変速段とを備え、
前記制御部は、
前記車両の減速中に、前記変速機の変速比をダウンシフトさせることで前記フライホイールに運動エネルギーを回生し、
前記有段変速機構が前記第2の変速段において、前記変速機をダウンシフトさせる場合に、前記無段変速機構が前記第1の変速段における最もHigh側の変速比のときに、前記有段変速機構を前記第2の変速段から前記第1の変速段へと変速させる
ことを特徴とするフライホイール回生システム。 - 請求項1又は2に記載のフライホイール回生システムであって、
前記駆動力源はエンジンであり、
前記制御部は、前記フライホイールのエネルギーを前記車両の発進又は加速に用いるときに、前記エンジンを再始動する場合は、前記有段変速機構において締結中の前記摩擦締結要素をスリップ状態とする
ことを特徴とするフライホイール回生システム。 - 請求項3に記載のフライホイール回生システムであって、
前記制御部は、
運転者の加速要求に基づいて、前記フライホイールのエネルギーを前記車両の発進又は加速に用いるときに、
前記有段変速機構が前記第1の変速段において、前記無段変速機を最もHigh側の変速比まで変速させた後に、前記エンジンを再始動し、
前記エンジンの回転速度と前記変速機の変速比との関係が、前記運転者の加速要求に対応するように、前記無段変速機構をダウンシフトさせる
ことを特徴とするフライホイール回生システム。 - 変速比を無段階に変更可能な無段変速機構と、無段変速機構に直列に接続され、複数の摩擦締結要素の締結及び解放により複数の変速段を切換え可能な有段変速機構と、からなり、車両の動力源から入力される回転を変速して駆動輪に出力する変速機と、
フライホイールと、
前記変速機の変速比を制御する制御部と、を備え、
前記車両の減速中に前記フライホイールに運動エネルギーを回生し、駆動力要求に基づいて前記フライホイールのエネルギーを前記車両の発進又は加速に用いるフライホイール回生システムの制御方法であって、
運転者からの駆動力要求があった場合に、前記変速機の変速比をアップシフトさせることにより駆動力を発生させ、
前記有段変速機構をアップシフトさせる前に、前記無段変速機構をアップシフトさせることで、前記変速機の変速比をアップシフトさせる
ことを特徴とするフライホイール回生システムの制御方法。
Priority Applications (2)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014162840A JP2016038059A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | フライホイール回生システム及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016038059A true JP2016038059A (ja) | 2016-03-22 |
Family
ID=55263697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014162840A Pending JP2016038059A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | フライホイール回生システム及びその制御方法 |
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