JP2019093811A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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圭祐 太田
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Abstract

【課題】エンジン及び電動機と、前記エンジンと前記電動機との間の動力伝達経路を断接するクラッチとを備えるハイブリッド車両において、アクセルペダルのキックダウン操作が行われた際に、エンジンの始動が必要もしくは不要のいずれにおいても適切な中間段を選択する制御装置を提供する。【解決手段】アクセルペダル78のアクセル開度Accの時間変化が大きい場合は、小さい場合に比べて変速遅延時間tdを長くするとともに低速側の変速段を中間段とし、エンジン14の始動が必要な場合は、エンジン14の始動が不要な場合と比べて変速遅延時間tdを長くするとともに低速側の変速段を中間段に設定する。これにより、エンジン14の始動、非始動のいずれにおいてもアクセルペダル78の踏込み速度に対応して加速の開始時間および応答性が良好に調整される。【選択図】図7

Description

本発明は、エンジンと電動機との間の動力伝達経路に設けられたクラッチを備える車両の制御装置に関するものである。
エンジンを駆動力源とする車両において、運転者によってアクセルペダルが大きく踏込まれる操作例えばキックダウン操作が行われ、変速段が2段以上離れたギヤ段への変速が必要とされた場合、運転者による加速操作量の大きさと運転者が感じる加速停滞感の許容量とに基づいて中間ギヤ段を設定することによって、運転者の期待する加速応答性への要求すなわち変速の遅れが少なく、均一で連続的な加速度を選択する技術が、特許文献1に開示されている。また、エンジンと電動機とを駆動源とするハイブリッド車両において、モータ走行からハイブリッド走行への移行における前記エンジンの始動と変速機のダウンシフトとの2つの要求が重なって生じた場合、変速機のダウンシフト、すなわち変速を遅延させる技術が、特許文献2に開示されている。
特開2017−48916号公報 特開2012−25228号公報
特許文献1においては、エンジンと電動機とを駆動力源とするハイブリッド車両における中間ギヤ段の選択方法については言及されていない。また、特許文献2における場合、すなわちハイブリッド車両においてモータ走行からエンジンの駆動をともなうハイブリッド走行への移行において、変速を単に遅延させる場合には、駆動力の応答性が低下する虞が生じる。したがって、ハイブリッド車両において、モータ走行中に運転者によってアクセルペダルが大きく踏込まれる操作例えばキックダウン操作が行われた場合に生じることがある、エンジンの起動要求と変速段が離れたダウンシフトへの変速要求とが同時に生じた場合に、運転者に与える加速応答性を改善する中間段の選択方法については十分に検討されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ハイブリッド車両のエンジンの始動をともなわないダウンシフトにおいて運転者に違和感を与えにくい適切な中間ギヤ段を設定するとともに、エンジン始動をともなうダウンシフトにおいても適切な中間ギヤ段を設定することのできるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)走行用駆動力源としてのエンジン及び電動機と、前記エンジンと前記電動機との間の動力伝達経路を断接するクラッチと、前記電動機に動力伝達可能に連結されて前記走行用駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する4段以上の変速段を有する自動変速機とを備え、前記電動機のみを駆動力源とするモータ走行と前記エンジンおよび前記電動機を駆動力源とするハイブリッド走行との切替えが可能であり、前記クラッチを係合して前記電動機の動力による前記エンジンの始動を行うエンジン始動制御が可能なハイブリッド車両の制御装置であって、(b)前記車両への加速度要求量の時間当りの変化量が大きい場合は、前記加速度要求量の時間当りの変化量が小さい場合に比べて、変速遅延時間を長くする又はダウンシフトにおける変速段数を大きくするとともに低速側の変速段を中間段とし、前記エンジンの始動要求と前記自動変速機のダウンシフト要求とが重なる場合は、重ならない場合に比べて、変速遅延時間を長くするとともに低速側の変速段を中間段とすることを特徴とする。
第1発明によれば、走行用駆動力源としてのエンジン及び電動機と、前記エンジンと前記電動機との間の動力伝達経路を断接するクラッチと、前記電動機に動力伝達可能に連結されて前記走行用駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する4段以上の変速段を有する自動変速機とを備え、前記電動機のみを駆動力源とするモータ走行と前記エンジンおよび前記電動機を駆動力源とするハイブリッド走行との切替えが可能であり、前記クラッチを係合して前記電動機の動力による前記エンジンの始動を行うエンジン始動制御が可能なハイブリッド車両の制御装置であって、前記車両への加速度要求量の時間当りの変化量が大きい場合は、前記加速度要求量の時間当りの変化量が小さい場合に比べて、変速遅延時間を長くする又はダウンシフトにおける変速段数を大きくするとともに低速側の変速段を中間段とし、前記エンジンの始動要求と前記自動変速機のダウンシフト要求とが重なる場合は、重ならない場合に比べて、変速遅延時間を長くするとともに低速側の変速段を中間段とする。これによって、前記エンジンの始動をともなわないダウンシフトにおいては、変速段の切替を素早く実行することによって変速にともなうショックが低減された直線性の良い加速変化が実現される。また、前記エンジンの始動をともなうダウンシフトにおいては、前記エンジンの始動中は前記電動機のトルクの一部は前記エンジンの回転速度の上昇に用いられ、前記エンジンの回転速度の上昇に用いられたトルクは前記自動変速機の駆動力として伝達されないため、前記自動変速機への駆動力が減少する。このため、変速遅延時間を長くして前記エンジンから前記自動変速機にトルクの供給が可能となった時点で変速を実施し、より大きな駆動力を短時間に出力する。これによって加速応答性が改善され、運転者に与えるドライバビリティを向上させることが可能となる。
本発明が好適に適用されるハイブリッド車両の構成の一例を模式的に説明する概略図であるとともに、アクセルペダルが大きく踏込まれるキックダウン操作が行われた場合に変速制御を適切に実行するために設けられた電気的な制御系統を説明するブロック線図である。 図1の車両用動力伝達装置における自動変速機の一例を具体的に説明する骨子図である。 図2の自動変速機の複数の前進ギヤ段と摩擦係合要素の係合解放状態との関係を説明する作動表を示す図である。 図1の車両のモータ走行からハイブリッド走行に移行する場合の、電動機およびエンジンの回転速度と出力トルクとを示す図である。 図1の車両の制御装置に備えられた、遅延時間の設定方法を説明する図である。 アクセルペダルの踏込み速度と変速要求の開始に基づいて、変速開始時間と変速段とが設定された一例を示した図である。 アクセルペダルの踏込み速度と変速要求の開始に基づいて、変速開始時間と変速段とを設定するフローチャートである。 図1の車両の制御装置に備えられた、他の変速段の設定方法を説明する図である。 図8の変速段の設定方法を用い、変速要求ギヤ段の変化からの経過時間に基づいて、変速開始時間と変速段とを設定する一例を示したフローチャートである。 図8の変速段の設定方法を用い、エンジン始動の遅延時間の経過後に変速段を決定する一例を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両10(以下、車両10という)を構成するエンジン14から駆動輪34までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、走行用駆動力源として機能するエンジン14の出力制御、自動変速機18の変速制御、電動機MGの駆動制御などの為に車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。
図1において、車両用動力伝達装置12(以下、動力伝達装置12という)は、車体にボルト止め等によって取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース20(以下、ケース20という)内において、エンジン14側から順番に、エンジン断接用クラッチK0(動力伝達経路を断接するクラッチに対応し、以降エンジン断接用クラッチK0という)、電動機MG、トルクコンバータ16、オイルポンプ22、及び自動変速機18等を備えている。また、動力伝達装置12は、自動変速機18の出力回転部材である出力軸24に連結されたプロペラシャフト26、そのプロペラシャフト26に連結された差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)28、その差動歯車装置28に連結された1対の車軸30等を備えている。このように構成された動力伝達装置12は、例えばFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型の車両10に好適に用いられるものである。動力伝達装置12において、エンジン14の動力は、エンジン断接用クラッチK0が係合された場合に、エンジン14とエンジン断接用クラッチK0とを連結するエンジン連結軸32から、エンジン断接用クラッチK0、トルクコンバータ16、変速機入力軸36(タービン軸)、自動変速機18、プロペラシャフト26、差動歯車装置28、及び1対の車軸30等を順次介して1対の駆動輪34へ伝達される。
トルクコンバータ16は、ポンプ翼車16aに入力された駆動力を自動変速機18側へ流体を介して伝達する流体式伝動装置である。このポンプ翼車16aは、エンジン断接用クラッチK0とエンジン連結軸32とを順次介してエンジン14に連結されており、エンジン14からの駆動力が入力され且つ軸心回りに回転可能な入力側回転要素である。トルクコンバータ16のタービン翼車16bは、トルクコンバータ16の出力側回転要素であり、自動変速機18の入力回転部材である変速機入力軸36にスプライン嵌合等によって相対回転不能に連結されている。また、トルクコンバータ16は、ロックアップクラッチ38を備えている。このロックアップクラッチ38は、ポンプ翼車16aとタービン翼車16bとの間に設けられた直結クラッチであり、油圧制御等により係合状態、スリップ状態、或いは解放状態とされる。
電動機MGは、電気エネルギから機械的な駆動力を発生させる発動機としての機能及び機械的なエネルギから電気エネルギを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータである。換言すれば、電動機MGは、動力源であるエンジン14の代替として、或いはそのエンジン14と共に走行用の駆動力を発生させる走行用駆動力源として機能し得る。また、エンジン14により発生させられた駆動力や駆動輪34側から入力される被駆動力(機械的エネルギー)から回生により電気エネルギを発生させ、その電気エネルギをインバータ62を介して蓄電装置64に蓄積する等の作動を行う。電動機MGは、ポンプ翼車16aに連結されており、電動機MGとポンプ翼車16aとの間では、相互に動力が伝達される。従って、電動機MGは、エンジン14と同様に、変速機入力軸36に動力伝達可能に連結されている。
オイルポンプ22は、ポンプ翼車16aに連結されており、自動変速機18を変速制御したり、ロックアップクラッチ38のトルク容量を制御したり、エンジン断接用クラッチK0の係合・解放を制御したり、車両10の動力伝達経路の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧をエンジン14(或いは電動機MG)により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプである。
エンジン断接用クラッチK0は、例えば互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型の油圧式摩擦係合装置であり、オイルポンプ22が発生する油圧を元圧とし動力伝達装置12に設けられた油圧制御回路50によって係合解放制御される。そして、その係合解放制御においてはエンジン断接用クラッチK0の動力伝達可能なトルク容量すなわちエンジン断接用クラッチK0の係合力が、油圧制御回路50内のリニアソレノイドバルブ等の調圧により例えば連続的に変化させられる。エンジン断接用クラッチK0は、それの解放状態において相対回転可能な1対のクラッチ回転部材(クラッチハブ及びクラッチドラム)を備えており、そのクラッチ回転部材の一方(クラッチハブ)はエンジン連結軸32に相対回転不能に連結されている一方で、そのクラッチ回転部材の他方(クラッチドラム)はトルクコンバータ16のポンプ翼車16aに相対回転不能に連結されている。このような構成から、エンジン断接用クラッチK0は、係合状態では、エンジン連結軸32を介してポンプ翼車16aをエンジン14と一体的に回転させる。すなわち、エンジン断接用クラッチK0の係合状態では、エンジン14からの駆動力がポンプ翼車16aに入力される。一方で、エンジン断接用クラッチK0の解放状態では、ポンプ翼車16aとエンジン14との間の動力伝達が遮断される。また、前述したように、電動機MGはポンプ翼車16aに連結されているので、エンジン断接用クラッチK0は、エンジン14と電動機MGとの間の動力伝達経路を断接するクラッチとして機能する。また、前述したロックアップクラッチ38は、電動機MGと自動変速機18との間の動力伝達経路を断接する第2クラッチとして機能する。
自動変速機18は、エンジン断接用クラッチK0を介することなく電動機MGに動力伝達可能に連結されて、エンジン14から駆動輪34までの動力伝達経路の一部を構成し、走行用駆動力源(エンジン14及び電動機MG)からの動力を駆動輪34側へ伝達する。自動変速機18は、例えば複数の係合装置例えばクラッチCやブレーキB等の油圧式摩擦係合装置の何れかの掴み替えにより(すなわち油圧式摩擦係合装置の係合と解放とにより)変速が実行されて複数の変速段(ギヤ段)が選択的に成立させられる有段式の自動変速機として機能する遊星歯車式多段変速機である。すなわち、自動変速機18は、公知の車両によく用いられる所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段変速機であり、変速機入力軸36の回転を変速して出力軸24から出力する。また、この変速機入力軸36は、トルクコンバータ16のタービン翼車16bによって回転駆動されるタービン軸でもある。そして、自動変速機18では、クラッチC及びブレーキBのそれぞれの係合解放制御により、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて所定のギヤ段(変速段)が成立させられる。
図2は、自動変速機18の構成を示している。自動変速機18は、トルクコンバータ16のタービン軸に連結された変速機入力軸36の回転を多段階で変速して出力軸24から出力するもので、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置52、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置54、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置56、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置58の、計4つの遊星歯車装置を備えて構成されている。第1遊星歯車装置52および第2遊星歯車装置54は、所謂ラビニヨ型の遊星歯車列を構成している。この自動変速機18はまた、4つのクラッチC1〜C4および2つのブレーキB1、B2(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)を備えており、それ等のクラッチCおよびブレーキBが図3の作動表に示すように個別に係合、解放制御されることにより、その係合解放状態の組み合わせによって変速比γ(=変速機入力回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が異なる前進10速のギヤ段(第1速ギヤ段「1st」〜第10速ギヤ段「10th」)が成立させられる。変速機入力回転速度NINは変速機入力軸36の回転速度で、出力軸回転速度NOUTは出力軸24の回転速度であり、出力軸回転速度NOUTは車速Vに対応する。
上記クラッチCやブレーキBは、公知の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式の摩擦係合装置であって、油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される。このように構成されたクラッチC及びブレーキBは、油圧制御回路50によってそれぞれ係合解放制御され、その油圧制御回路50内のリニアソレノイドバルブ等の調圧によりそれぞれのトルク容量すなわち係合力が例えば連続的に変化させられて、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結する。
図1に戻り、車両10には、例えばハイブリッド駆動制御などに関連する制御装置を含む電子制御装置100が備えられている。本発明の制御装置に対応する電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置100は、エンジン14の出力制御、電動機MGの回生制御を含む電動機MGの駆動制御、自動変速機18の変速制御、ロックアップクラッチ38のトルク容量制御、エンジン断接用クラッチK0のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や電動機制御用や油圧制御用(変速制御用)等に分けて構成される。
電子制御装置100には、例えばエンジン回転速度センサ66により検出されたエンジン14の回転速度であるエンジン回転速度NEを表す信号、タービン回転速度センサ68により検出された自動変速機18の入力回転速度としてのトルクコンバータ16のタービン回転速度NTすなわち変速機入力軸36の回転速度である変速機入力回転速度NINを表す信号、出力軸回転速度センサ70により検出された車速Vやプロペラシャフト26の回転速度等に対応する出力軸24の回転速度である変速機出力回転速度NOUTを表す信号、電動機回転速度センサ72により検出された電動機MGの回転速度である電動機回転速度NMGを表す信号、スロットルセンサ74により検出された不図示の電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θTHを表す信号、アクセル開度センサ76により検出された運転者による車両10に対する加速度要求量としてのアクセルペダル78の操作量であるアクセル開度Accを表す信号、フットブレーキセンサ80により検出された運転者による車両10に対する制動力要求量(ドライバ要求減速度)としてのブレーキペダル82の操作量であるブレーキ操作量Braを表す信号、シフトポジションセンサ84により検出された公知の「P」,「N」,「D」,「R」,「S」ポジション等のシフトレバー86のレバーポジション(シフト操作位置、シフトポジション、操作ポジション)PSHを表す信号、バッテリセンサ88により検出された蓄電装置64のバッテリ温度THBATやバッテリ入出力電流(バッテリ充放電電流)IBATやバッテリ電圧VBATを表す信号などが、それぞれ供給される。尚、電子制御装置100は、例えば上記バッテリ温度THBAT、バッテリ充放電電流IBAT、及びバッテリ電圧VBATなどに基づいて蓄電装置54の充電状態(充電容量)SOCを逐次算出する。
また、電子制御装置100からは、例えばエンジン14の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号SE、電動機MGの作動を制御する為の電動機制御指令信号SM、エンジン断接用クラッチK0や自動変速機18のクラッチC及びブレーキBの油圧アクチュエータを制御する為に油圧制御回路50に含まれる電磁弁(ソレノイドバルブ)等を作動させる為の油圧指令信号SPなどが、それぞれ出力される。
図1において、矩形の実線で囲まれた電子制御装置100の内部には、車両10に設けられた電気的な制御系等の要部を説明する機能ブロックが示されている。変速要求判定手段102は、例えば車速Vとアクセル開度Acc(或いは変速機出力トルク等)とを変数として予め記憶されたアップシフト線及びダウンシフト線を有する公知の関係(変速線図、変速マップ)から実際の車速V及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて、自動変速機18の変速を実行すべきか否かを判断する。エンジン始動判定手段104は、変速要求判定手段102によって判断された、例えば大きなアクセルペダル78の踏込みであるキックダウン操作、すなわちアクセル開度Accの大きな入力によってダウンシフトが判定された場合に、モータ走行中であればエンジン14の始動が必要であるか否かの判定と必要であればエンジン始動の指示とを行う。遅延時間判定手段106は、たとえば、エンジン14の始動が必要な場合とエンジン14の始動を必要としない場合において、それぞれ予め設定されている遅延時間を設定する。遅延時間判定手段106によって設定された遅延時間tdの経過後、変速要求判定手段102は、運転者の要求するギヤ段である運転者要求ギヤ段Gdを判定し、判定されたギヤ段を変速が許可されたギヤ段、すなわち変速出力許可ギヤ段Gpとして、変速制御手段108に変速制御を指示する信号を出力する。変速制御手段108は、これに基づいて油圧制御回路50へ油圧指令信号Spを出力し、自動変速機18のギヤ段の変更を行う。
図4の上側の図は、ハイブリッド車両10がモータ走行で走行中に、たとえばキックダウン操作すなわちアクセルペダル78の大きな踏込み操作が行われ、且つエンジン14が起動された場合の、エンジン14のエンジン回転速度NEと電動機MGの電動機回転速度NMGとの時間変化を示している。また、図4の下側の図は、変速機入力軸36に入力される入力軸入力トルクTinの時間変化が示されている。t0時点において、アクセルペダル78の踏込みが行われ電動機MGによる入力軸入力トルクTinの増加が開始している。この時点における電動機回転速度NMGは、Nin1を示しており、エンジン回転速度NEは、略零を示している。t1時点において、エンジン14の始動が開始される。エンジン14の始動時において、電動機MGによってエンジン14のエンジン回転速度NEを引き上げる公知のエンジン始動制御が開始される。このためt1時点からt2時点すなわちエンジン回転速度NEが電動機回転速度NMGに達する時点まで電動機MGの出力トルクは、エンジン回転速度NEを立ち上げるために使用され、変速機入力軸36への入力トルクは急速には上昇しない。このため、実線に示す自動変速機18の入力軸入力トルクTinは、t1時点のTin1からt2時点のTin2へと緩やかにしか上昇しない。図4に示されたt1時点からt2時点までの斜線の領域は、電動機MGのトルクが、エンジン14の始動に用いられるトルクを示している。t2時点において、エンジン14のエンジン回転速度NEが電動機回転速度NMGすなわちNin1に達すると始動が完了する。これによって電動機MGとエンジン14との出力トルクが変速機入力軸36への入力トルクとなるため、入力軸入力トルクTinは、Tin2へと増加する。このため、モータ走行において、エンジン14の立ち上げが必要となるキックダウン操作が行われた場合、入力軸入力トルクTinの立ち上がりが遅れることによって、運転者に加速応答性への不満を感じさせる可能性が生じていた。
本実施例において、電子制御装置100の変速要求判定手段102は、車速V及びアクセルペダル78の踏込みに基づいて変速、すなわちダウンシフトすべきか否かを判断する。また、変速すべきであると判定した場合は、変速すべき変速段についても判定を行う。変速要求判定手段102によって変速が必要と判断されると、エンジン始動判定手段104は、エンジン14の始動が必要か否かを判定する。エンジン14の始動が不要と判断された場合、遅延時間判定手段106は、変速要求判定手段102によって変速が必要と判定された時点から第1所定時間T1経過するまで変速を遅延させる。遅延時間判定手段106が、第1所定時間T1の経過を判断すると、変速判定手段102が変速段を確定させる。変速制御手段108は、確定された変速段への移行に関して予め記憶された油圧制御回路への指示、すなわちマップに基づく変速機18の変速の指示を行う。なお、エンジン始動判定手段104によって、エンジン14の始動が必要と判定された場合については後述する。
図5は、ギヤ段の時間変化の一例が示されており、ギヤ段の設定要求から第1所定時間T1の経過後に選択される、ギヤ段が示されている。実線は変速出力ギヤ段Goすなわち自動変速機16によって保持されている変速段が示されており、t11時点からt12時点まで第8速段(8th)に保持されている(以降、例えば第8速段から第3速段を、8thから3rdとする)。図中の破線は、アクセルペダル78の踏込みと車速Vとに基づいて変速要求判定手段102によって判断された運転者要求ギヤ段Gd、すなわち運転者の要求する加速特性に対応するギヤ段が示されている。運転者要求ギヤ段Gdは、アクセルペダル78の時間的な変化とともに変動する。t11時点においてアクセルペダル78の踏込みが行われ、運転者要求ギヤ段Gdが8thから6thへと変化している。t11時点以降も、アクセルペダルの踏込みに対応して、運転者要求ギヤ段Gdが変化している。t12時転移おいて、遅延時間判定手段106が変速要求の開始、すなわち運転者によってアクセルペダル78の操作が開始されたと判断された時点から第1所定時間T1が経過し、変速要求判定手段102によって、変速許可ギヤ段Gpが確定されている。また、変速要求判定手段102は、これに基づいて、変速制御手段108によって、油圧制御回路50が制御され、自動変速機18の変速が実行される。
図1の電子制御装置100の制御機能の要部を示す機能ブロック図において、変速要求判定手段102が、車速V及びアクセルペダル78の踏込みに基づいて変速すべきであると判定し、さらにエンジン始動判定手段104が、エンジン14の始動が必要と判断した場合、遅延時間判定手段106は、変速要求判定手段102によって変速が必要と判定された時点から変速を第2所定時間T2遅延させる。なお、第2所定時間T2は、第1所定時間T1より長く設定されるとともに、エンジン14の始動開始から始動完了、すなわち電動機MGの回転速速度NMGにエンジン14の回転速度NEが達することのできる時間に設定されている。変速要求開始、すなわちアクセルペダル78の踏込みに基づいて変速すべきであると判定された時点から第2所定時間T2の経過した時点において、変速要求判定手段102は変速段を確定させる。変速制御手段108は、確定された変速段への移行に関して予め記憶された油圧制御回路への指示、すなわちマップに基づく変速機18の変速の指示を行う。
図6には、アクセルペダル78の大きな踏込み操作であるキックダウン操作が行われ、8thから3rdへの変速が実行された場合の一例が示されている。ダウンシフトが必要と判定され、エンジン始動判定手段104によって、エンジン14の始動が不要と判断された場合が実線で示され、エンジン14の始動が必要と判断された場合が破線で示されている。変速においては、変速時に発生するショックを軽減するための公知の技術である中間ギヤ段を経由しての変速、すなわち係合装置である4つのクラッチC1〜C4および2つのブレーキB1、B2のいずれか1つの係合装置の解放と1つの係合装置の係合とによってなされるギヤ段を経由した変速が用いられている。また、アクセルペダル78の踏込み操作量すなわちアクセル開度Accに基づいて、移行する変速段が選択されている。
エンジン14の始動が必要とされない、ゆっくりとしたアクセルペダル78の踏込みが行われた場合、t21時点においてエンジン14の始動が不要と判断され、第1所定時間T1の遅経過後のt22時点において、8thから6thへの変速が実行される。6thは、第1所定時間T1の経過時点における運転者要求ギヤ段Gdであり、また2つのブレーキB1、B2のいずれか1つの係合装置の解放と1つの係合装置の係合とによってなされるギヤ段である。ギヤ段の変更が実行後、アックセルペダル78の踏込みが継続されると、第1所定時間T1の経過後、再度ギヤ段の変更が行われ、t25時点において6thから4thへの変速が実施され、さらにt27時点において4thから3rdへの変速が行われ8thから3rdへの変速が完了している。これらの動作によって、アクセルペダル78がゆっくり、かつ大きく踏みこまれた場合、変速段の切替のタイミングを直線的な上昇に近づけることを目的として8thから中間ギヤ段である6thへの変速が早いタイミングで実行され、これによって変速にともなうショックが低減された直線性の良い加速度の変化が実現される。エンジンの始動が必要とされる、アクセルペダル78の大きくかつ素早い踏込みが行われた場合、t23時点まで8thが維持された後、第2所定時間T2の経過後のt24時点において8thから5thへの変速が実施され、t26時点において5thから3rdへの変速が行われ、8thから3rdへの変速が完了している。したがって、電動機MGによるエンジン14のエンジン始動制御が行われることによって自動変速機18への入力トルクTinが減少している時点においては変速を遅延させ、エンジン14の始動が完了することによって自動変速機18への入力軸トルクTinを増加することが可能な時点において、5thを経由する8thから3rdの変速を短時間で行うことによって加速応答性が改善され、運転者に与えるドライバビリティが改善される。
図7は、電子制御装置100の要部すなわちハイブリッド車両10のモータ走行において、アクセルペダル78が大きく踏込まれるキックダウン操作が行われた場合、エンジン14の始動がともなう場合、ともなわない場合のいずれにおいても適切な変速段の切替のタイミングと切替段の選択とが実施される制御作動の要部を説明するフローチャートである。
図7において、変速要求判定手段102に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、ダウンシフトへの要求があるか否かが判定される。このS10判定が否定された場合、S10からの判定が繰返される。またS10の判定が肯定された場合、エンジン始動判定手段104に対応するS20において、エンジン14の始動が必要か否かが判定される。このS20判定が否定された場合、遅延時間判定手段106に対応するS40において、変速が必要と判定された時点から第1所定時間T1が経過するまで変速が遅延される。第1所定時間T1が経過すると、変速要求判定手段102と変速制御手段108とに対応するS50において、ダウンシフト後に移行する変速段が確定され、変速が実行される。また、S10において、S10の判定が肯定され、S20においてエンジン14の始動が必要と判断された場合、遅延時間判定手段106に対応するS30において、変速が必要と判定された時点から第2所定時間T2が経過するまで変速が遅延される。第2所定時間T2が経過すると、変速要求判定手段102と変速制御手段108とに対応するS50において、ダウンシフト後に移行する変速段が確定され、変速が実行される。
本実施例によれば、走行用駆動力源としてのエンジン14及び電動機MGと、エンジン14と電動機MGとの間の動力伝達経路を断接するクラッチK0と、電動機MGに動力伝達可能に連結されて走行用駆動力源14、MGからの動力を駆動輪34側へ伝達する4段以上の変速段を有する自動変速機18とを備え、電動機MGのみを駆動力源とするモータ走行とエンジン14および電動機MGを駆動力源とするハイブリッド走行との切替えが可能であり、クラッチK0係合して電動機MGの動力によるエンジン14の始動を行うエンジン始動制御が可能なハイブリッド車両10の電子制御装置100であって、車両10への加速度要求量の時間当りの変化量が大きい場合は、前記加速度要求量の時間当りの変化量が小さい場合に比べて、変速遅延時間tdを長くする又はダウンシフトにおける変速段数を大きくするとともに低速側の変速段を中間段とし、エンジン14の始動要求と自動変速機18のダウンシフト要求とが重なる場合は、重ならない場合に比べて、変速遅延時間tdを長くするとともに低速側の変速段を中間段とする。これによって、エンジン14の始動をともなわないダウンシフトにおいては、変速段の切替を素早く実行することによって変速にともなうショックが低減された直線性の良い加速変化が実現される。また、エンジン14の始動をともなうダウンシフトにおいては、エンジン14の始動中は電動機MGのトルクの一部はエンジン14の回転速度NEの上昇に用いられ、エンジン14の回転速度NEの上昇に用いられたトルクは自動変速機18の駆動力として伝達されないため、自動変速機18への駆動力が減少する。このため、変速遅延時間tdを長くしてエンジン14から自動変速機18にトルクの供給が可能となった時点で変速を実施し、より大きな駆動力を短時間に出力する。これによって加速応答性が改善され、運転者に与えるドライバビリティを向上させることが可能となる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図8に、変速要求判定手段102がダウンシフトを判定し、エンジン始動判定手段104がエンジン14の始動が不要と判定した場合の遅延時間tdすなわち第1所定時間T1の設定方法が示されている。実施例2は、第1所定時間T1と第2所定時間T2との開始時間を運転者要求ギヤ段Gpの変化に基づいて判定することにおいて実施例1と異なっている。また、エンジン14の始動をともなわない場合の遅延時間tdの設定方法においても実施例1と異なっている。実線は、変速出力ギヤ段Goすなわち自動変速機18によって保持されている変速段が示されており、t31時点からt35時点まで8thに保持されている。図中の破線は、アクセルペダル78の踏込みと車速Vとに基づいて変速要求判定手段102によって判断された運転者要求ギヤ段Gd、すなわち運転者の要求する加速特性に対応するギヤ段が示されている。運転者要求ギヤ段Gdは、アクセルペダル78の時間的な変化とともに変動する。t31時点においてアクセルペダル78の踏込みが行われ、運転者要求ギヤ段Gdが8thから6thへと変化している。この運転者要求ギヤ段Gdの変化すなわち第1所定時間T1の経過前に運転者要求ギヤ段Gdが変化した場合、第1所定時間T1がクリアされ、再度第1所定時間T1の経過前に運転者要求ギヤ段Gdが変化するか否かが判定される。図8において、t32時点の以前において、6thから5thへ運転者要求ギヤ段Gdの変化が生じており、この時点において第1所定時間T1がクリアされ、再度第1所定時間T1の経過中に運転者要求ギヤ段Gdが変化するか否かが判定される。t33時点の以前において5thから4thへの運転者要求ギヤ段Gdが変化生じており、またt34時点の以前において4thから3rdへの運転者要求ギヤ段Gdが変化生じており、t33時点およびt34時転移おいて第1所定時間T1がクリアされ、第1所定時間T1の経過中に運転者要求ギヤ段Gdが変化するか否かが判定されている。t35時点において、第1所定時間T1以前に運転者要求ギヤ段Gdが変化していないことによって、3rdが変速出力許可ギヤ段Gpとされ、変速出力ギヤ段Goが3rdへ変更されている。したがって、図8の遅延時間tdの設定方法を用いた場合、アクセルペダル78の早い踏込みが行われた場合、変速段の段数の大きい変速が設定され、アクセルペダル78の緩やかな踏込みが行われた場合変速段の段数の小さい変速が設定される。
本実施例では、変速要求判定手段102が、車速V及びアクセルペダル78の踏込みに基づいて変速すべきであると判定し、さらにエンジン始動判定手段104が、エンジン14の始動が必要と判断した場合、遅延時間判定手段106は、変速要求判定手段102によって運転者要求ギヤ段Gdが変化したと判定された時点から変速を第2所定時間T2遅延させる。なお、第2所定時間T2は、第1所定時間T1より長く設定されるとともに、エンジン14の始動開始から始動完了、すなわち電動機MGの回転速速度NMGにエンジン14の回転速度NEが達することのできる時間に設定されている。遅延時間判定手段106が第2所定時間T2の経過を判断すると、変速要求判定手段102が変速段を確定し、変速制御手段108は、油圧制御回路50への油圧指令信号Spによって変速を制御する。また、変速要求判定手段102が、車速V及びアクセルペダル78の踏込みに基づいて変速すべきであると判定し、さらにエンジン始動判定手段104が、エンジン14の始動が不要と判断した場合、図8に示された方法に基づいて変速出力許可ギヤ段Gpを決定し、ダウンシフトを実行する。
図9は、実施例2における第1所定時間の設定に基づいて行われる、電子制御装置100の制御作動の要部すなわちハイブリッド車両10のモータ走行において、アクセルペダル78が大きく踏込まれるキックダウン操作が行われた場合、エンジン14の始動がともなう場合、ともなわない場合のいずれにおいても適切な変速段の切替のタイミングと切替段の選択とを実施する制御作動を説明するフローチャートである。
図9において、変速要求判定手段102に対応するステップS110において、ダウンシフトへの要求があるか否かが判定される。このS110判定が否定された場合、S110からの判定が繰返される。またS110の判定が肯定された場合、エンジン始動判定手段104に対応するS120において、エンジン14の始動が必要か否かが判定される。このS120判定が否定された場合、遅延時間判定手段106に対応するS140において、変速が必要と判定された時点から第1所定時間T1が経過するまで変速が遅延される。第1所定時間T1が経過すると、変速要求判定手段102と変速制御手段108とに対応するS150において、ダウンシフト後に移行する変速段が確定され、変速が実行される。また、S110において、S110の判定が肯定され、S120においてエンジン14の始動が必要と判断された場合、遅延時間判定手段106に対応するS130において、変速が必要と判定された時点から第2所定時間T2が経過するまで変速が遅延される。第2所定時間T2が経過すると、変速要求判定手段102と変速制御手段108とに対応するS150において、ダウンシフト後に移行する変速段が確定され、変速が実行される。
本実施例によれば、走行用駆動力源としてのエンジン14及び電動機MGと、エンジン14と電動機MGとの間の動力伝達経路を断接するクラッチK0と、電動機MGに動力伝達可能に連結されて走行用駆動力源14、MGからの動力を駆動輪34側へ伝達する4段以上の変速段を有する自動変速機18とを備え、電動機MGのみを駆動力源とするモータ走行とエンジン14および電動機MGを駆動力源とするハイブリッド走行との切替えが可能であり、クラッチK0係合して電動機MGの動力によるエンジン14の始動を行うエンジン始動制御が可能なハイブリッド車両10の制御装置100であって、車両10への加速度要求量の時間当りの変化量が大きい場合は、前記加速度要求量の時間当りの変化量が小さい場合に比べて、変速遅延時間tdを長くする又はダウンシフトにおける変速段数を大きくするとともに低速側の変速段を中間段とし、エンジン14の始動要求と自動変速機18のダウンシフト要求とが重なる場合は、重ならない場合に比べて、変速遅延時間tdを長くするとともに低速側の変速段を中間段とする。これによって、14エンジンの始動をともなわないダウンシフトにおいては、変速段の切替を素早く実行することによって変速にともなうショックが低減された直線性の良い加速変化が実現される。また、エンジン14の始動をともなうダウンシフトにおいては、エンジン14の始動中は電動機MGのトルクの一部はエンジン14の回転速度NEの上昇に用いられ、エンジン14の回転速度NEの上昇に用いられたトルクは自動変速機18の駆動力として伝達されないため、自動変速機18への駆動力が減少する。このため、変速遅延時間tdを長くしてエンジン14から自動変速機18にトルクの供給が可能となった時点で変速を実施し、より大きな駆動力を短時間に出力する。これによって加速応答性が改善され、運転者に与えるドライバビリティを向上させることが可能となる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。
本実施例では、エンジン14の始動が必要と判断された場合、第2所定時間T2の経過後、直ぐにダウンシフトを実施せずに、実施例2における第1所定時間T1の経過後ダウンシフトを実施することにおいてのみ実施例2と異なっており、その制御作動の要部を図10のフローチャートを用いて説明する。
図10において、変速要求判定手段102に対応するステップS210において、ダウンシフトへの要求があるか否かが判定される。このS210判定が否定された場合、S210からの判定が繰返される。またS210の判定が肯定された場合、エンジン始動判定手段104に対応するS220において、エンジン14の始動が必要か否かが判定される。このS220判定が否定された場合、遅延時間判定手段106に対応するS240において、変速が必要と判定された時点から第1所定時間T1が経過するまで変速が遅延される。第1所定時間T1が経過すると、変速要求判定手段102と変速制御手段108とに対応するS250において、ダウンシフト後に移行する変速段が確定され、変速が実行される。また、S210において、S210の判定が肯定され、S220においてエンジン14の始動が必要と判断された場合、遅延時間判定手段106に対応するS230において、変速が必要と判定された時点から第2所定時間T2が経過するまで変速が遅延される。第2所定時間T2が経過すると、遅延時間判定手段106に対応するS240において、変速が必要と判定された時点から第1所定時間T1が経過するまで変速が遅延される。第1所定時間T1が経過すると、変速要求判定手段102と変速制御手段108とに対応するS250において、ダウンシフト後に移行する変速段が確定され、変速が実行される。
本実施例によって、実施例1および実施例2と同様の効果が期待できる。すなわち、14エンジンの始動をともなわないダウンシフトにおいては、変速段の切替を素早く実行することによって変速にともなうショックが低減された直線性の良い加速変化が実現される。また、エンジン14の始動をともなうダウンシフトにおいては、エンジン14の始動中は電動機MGのトルクの一部はエンジン14の回転速度NEの上昇に用いられ、エンジン14の回転速度NEの上昇に用いられたトルクは自動変速機18の駆動力として伝達されないため、自動変速機18への駆動力が減少する。このため、変速遅延時間tdを長くしてエンジン14から自動変速機18にトルクの供給が可能となった時点で変速を実施し、より大きな駆動力を短時間に出力する。これによって加速応答性が改善され、運転者に与えるドライバビリティを向上させることが可能となる。
ここで、前述の実施例の中間ギヤ段を経由するダウンシフトにおいて、係合側摩擦係合装置および解放側摩擦係合装置が一時的に重複して係合トルクを持つ、オーバーラップ変速が用いられても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両
14:エンジン(走行用駆動力源)
18:自動変速機
100:電子制御装置(制御装置)
MG:電動機(走行用駆動力源)
K0:クラッチ
Acc:アクセル開度(加速度要求量)
td:変速遅延時間

Claims (1)

  1. 走行用駆動力源としてのエンジン及び電動機と、前記エンジンと前記電動機との間の動力伝達経路を断接するクラッチと、前記電動機に動力伝達可能に連結されて前記走行用駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する4段以上の変速段を有する自動変速機とを備え、
    前記電動機のみを駆動力源とするモータ走行と前記エンジンおよび前記電動機を駆動力源とするハイブリッド走行との切替えが可能であり、
    前記クラッチを係合して前記電動機の動力による前記エンジンの始動を行うエンジン始動制御が可能なハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記車両への加速度要求量の時間当りの変化量が大きい場合は、前記加速度要求量の時間当りの変化量が小さい場合に比べて、変速遅延時間を長くする又はダウンシフトにおける変速段数を大きくするとともに低速側の変速段を中間段とし、
    前記エンジンの始動要求と前記自動変速機のダウンシフト要求とが重なる場合は、重ならない場合に比べて、変速遅延時間を長くするとともに低速側の変速段を中間段とする
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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