JP2016037466A - 蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法 - Google Patents

蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エステル化度の異なる成分に容易に分別できる蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法を提供すること。
【解決手段】原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上の温度で2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで38〜45℃に冷却することにより析出した高エステル化度成分に富む固形分を固液分離し、さらに0〜33℃に冷却し、低エステル化度成分に富む液状分を分離採取することを含む蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物からエステル化度の異なる成分に分別する蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法に関するものである。
蔗糖脂肪酸エステルは、蔗糖の分子内に含まれる8個の水酸基のうち、任意の水酸基を脂肪酸でエステル化したものである。蔗糖脂肪酸エステルのエステル化度は、エステル化された水酸基の数によって決まり、例えば、エステル化度2の蔗糖脂肪酸エステルは、2個の水酸基がエステル化されたものをいう。蔗糖脂肪酸エステルは、良好な安全性と生分解性を有するため、従来から界面活性剤、乳化剤、食品添加物、化粧品材料等として利用されている。
蔗糖脂肪酸エステルは、通常、蔗糖に脂肪酸や脂肪酸のアルキルエステルを反応させて製造されており、エステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物となっている。例えば、非特許文献1には、蔗糖に脂肪酸メチルを反応させて、蔗糖脂肪酸エステルを製造している。また、特許文献1には、蔗糖に脂肪酸メチルを反応させて、さらに蔗糖を反応させて、蔗糖モノ脂肪酸エステル含量が38質量%以上で、蔗糖ジ脂肪酸エステル及び蔗糖トリ脂肪酸エステルのいずれの含量も低い蔗糖脂肪酸エステル混合物を得たことが記載されている(表1及び表3参照)。
一方、特許文献2には、蔗糖を水に溶解した溶液に、ラウリン酸とCandida cylindracea由来のリパーゼ酵素を加えて反応させて、モノエステルが約20%、ジエステルが約45%、トリエステルが約35%の蔗糖脂肪酸エステル混合物を得たことが記載されている(実施例3)。又、特許文献3の実施例2にも、モノエステルが約20%、ジエステルが約45%、トリエステルが約35%の蔗糖脂肪酸エステル混合物を得たことが記載されている。
蔗糖脂肪酸エステルは、そのエステル化度の程度により特性が変化するため、特定のエステル化度に富んだ蔗糖脂肪酸エステル混合物を得る方法が種々提案されている。例えば、特許文献4の参考例には、メチルエチルケトンを抽出溶媒とし、実施例1では、酢酸エチルで固液抽出し、次いでイソブタノールで液液抽出して反応混合物から蔗糖脂肪酸エステルを得ている。それらの結果を示す表2におけるモノ、ジ、トリエステルの割合から、上澄み(B)にはエステル化度が高いものが濃縮され、温度は低い方が分離がよいことがわかる。一方、特許文献5には、エステル化度が1のモノエステル成分5〜14重量%、エステル化度が2のジエステル成分55〜65重量%、及びエステル化度が3以上のエステル成分26〜35重量%よりなる蔗糖脂肪酸エステルが開示されているが、このような蔗糖脂肪酸エステル混合物は、通常の合成方法で得られた反応生成物から、カラム等を用いて分画し、分画物を適宜組み合わせて配合することにより、また、市販の蔗糖脂肪酸エステルを複数組み合わせて混合したり、あるいは、市販の蔗糖脂肪酸エステルを、カラム等を用いて分画し、分画物を適宜に組み合わせて配合したりして得ることができると記載されている。又、特許文献6にも、エステル化度が2のジエステル成分55〜65重量%を含有する蔗糖脂肪酸エステル混合物が開示されているが、これも特許文献5と同様に、カラム等を用いた分画などにより得られたと記載されている。
特開2006−169237号公報 特開平7−115983号公報 特開平9−71594号公報 特開昭49−102609号公報 特開2009−214079号公報 特開2009−215262号公報
「シュガーエステル物語」、第一工業製薬株式会社発行、昭和59年、35頁及び40〜41頁
本発明は、エステル化度の異なる成分に容易に分別できる蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、異なるエステル化度の複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を、分別溶媒として2−プロピルアルコールを用い、特定の温度に冷却して固液分離を行うと、所望のエステル化度の蔗糖脂肪酸エステルに分別でき、上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上の温度で2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで38〜45℃に冷却することにより析出した高エステル化度成分に富む固形分を固液分離し、さらに0〜33℃に冷却し、低エステル化度成分に富む液状分を分離採取することを特徴とする蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法を提供する。
本発明は、又、原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上の温度で2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで38〜45℃に冷却することにより析出した高エステル化度成分に富む固形分を分離採取することを特徴とする蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法を提供する。
本発明は、又、原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上の温度で2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで0〜33℃に冷却し、低エステル化度成分に富む液状分を分離採取することを特徴とする蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法を提供する。
なお、本発明において、高エステル化度成分とは、原料となる蔗糖脂肪酸エステルの混合物より、相対的にエステル化度が高い成分が濃縮されたものをいう。また、低エステル化成分とは、原料となる蔗糖脂肪酸エステルの混合物より、相対的にエステル化度が低い成分が濃縮されたものをいう。
本発明では、固液分離を行う温度として38〜45℃及び/又は0〜33℃を採用することにより、所望の高エステル成分に富む固形分、低エステル化度成分に富む液状分などを容易に製造することができる。
本発明の蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法により得られた析出物及びろ液におけるエステル化度の分布を示す(実施例1)。 本発明の蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法により得られた析出物及びろ液におけるエステル化度の分布を示す(実施例2)。 本発明の蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法により得られた析出物及びろ液におけるエステル化度の分布を示す(実施例3)。 比較例1の分別製造方法により得られた析出物及びろ液におけるエステル化度の分布を示す。
本発明の分別製造方法では、エステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を、分別原料として使用する。このような原料としては、蔗糖の分子内に含まれる8個の水酸基のうち、1〜8個の内の任意の水酸基を脂肪酸でエステル化したエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物があげられる。このうち、エステル化度4〜7の蔗糖脂肪酸エステルを50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有する蔗糖脂肪酸エステルの混合物が好ましい。このような蔗糖脂肪酸エステルの混合物は、常法により製造することができるが、市販品としても容易に入手することができる。例えば、DKエステル F−10(第一工業製薬株式会社)、DKエステル F−50(第一工業製薬株式会社)などの市販品があげられる。
ここで、蔗糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、脂肪族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、炭素数が2〜22、好ましくは8〜22、更に好ましくは14〜22の脂肪族カルボン酸の直鎖飽和脂肪族カルボン酸、直鎖不飽和脂肪族カルボン酸、分岐鎖飽和脂肪族カルボン酸及びこれらの混合物を用いることができる。例としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、エルカ酸、酢酸、イソ酪酸等が挙げられるがこれに限定するものではない。
好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸である。
本発明では、前記全蔗糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸が、炭素数が14〜22の直鎖飽和脂肪族カルボン酸、炭素数が14〜22の直鎖不飽和脂肪酸であることが、特に好ましい。最も好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エルカ酸である。
本発明では、原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上、好ましくは55〜80℃の温度で2−プロピルアルコールに溶解させる。このとき、原料の蔗糖脂肪酸エステルの混合物の全てを2−プロピルアルコールにさせるのが好ましいが、一部溶解しない状態で、次の固液分離を行ってもよい。
溶解は、蔗糖脂肪酸エステルの混合物と2−プロピルアルコールを加熱下で攪拌しながら行うのがよい。この際、蔗糖脂肪酸エステル1質量部に対して、2-プロピルアルコールを2〜15質量部の割合で用いるのが好ましく、より好ましくは7〜13質量部の割合で用いる。
本発明の第1の態様では、原料の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで38〜45℃に冷却することにより析出した高エステル化度成分に富む固形分を固液分離する(第1の固液分離)。
冷却による析出は、溶液を冷却しながら攪拌して行うのがよい。尚、所望成分の析出を確実にするために、最終冷却温度に温度を保持しながら、30分〜3時間、より好ましくは1〜2時間、攪拌を継続するのが好ましい。
又、固液分離は、最終冷却温度に温度を保持しながら、吸引ろ過又は圧搾濾過により行うのが好ましい。
このよう分離して得られた固体部は、固液分離前に較べて、エステル化度の高い蔗糖脂肪酸エステルの含有割合が多くなっている。特に、エステル化度4〜7の蔗糖脂肪酸エステルを50質量%以上含有する蔗糖脂肪酸エステルの混合物を原料として用いた場合、エステル化度6及び7の蔗糖脂肪酸エステルの割合が向上し、エステル化度5〜7の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて20〜40質量%増加させることができる。又、液状部については、エステル化度4及び5の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができ、エステル化度7及び8の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて60質量%以下に減少させることができる。
本発明の第1の態様では、第1の固液分離により、分離された液状部を、冷却して固形分を析出させ、さらなる固液分離にかける(第2の固液分離)。すなわち、0〜33℃、好ましくは15〜30℃、さらに好ましくは15〜25℃に冷却する。具体的には、第1の固液分離における最終冷却温度の分離された液状部を、溶液を冷却しながら攪拌して所望の低エステル化度成分に富む固形分を析出させるのがよい。尚、所望成分の析出を確実にするために、最終冷却温度に温度を保持しながら、30分〜3時間、より好ましくは1〜2時間、攪拌を継続するのが好ましい。
又、固液分離は、最終冷却温度に温度を保持しながら、吸引ろ過又は圧搾濾過により行うのが好ましい。
このよう分離して得られた固体部は、固液分離前に較べて、エステル化度の低い蔗糖脂肪酸エステルの含有割合が多くなっている。特に、エステル化度4〜7の蔗糖脂肪酸エステルを50質量%以上含有する蔗糖脂肪酸エステルの混合物を原料として用いた場合、エステル化度5及び6の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができる。又、液状部については、エステル化度4及び5の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができる。エステル化度3〜5の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて40質量%以上高めることができる。又、エステル化度6〜8の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて50質量%以下、好ましくは35質量%以下に減少させることができる。
本発明の第2の態様では、上記第1の態様における第1の固液分離を単独で行うことができる。又、本発明の第3の態様では、上記第1の態様における第2の固液分離を単独で行うことができる。この場合、それぞれ、固体部と液状部を固液分離により得る。
以下、実施例において本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに何等限定されるものではない。
<エステル組成評価方法>
蔗糖脂肪酸エステル混合物に含まれるエステルの組成分析を、高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。具体的にはGPCカラム及びODSカラムを使用した。各カラムを用いた分析条件を以下に示す。
GPCカラム分析条件
検出器:Shodex示差屈折計RI−74
カラム(カラム1とカラム2の2本連結):(カラム1)PL−gel(ポリマー・ラボラトリー社製)粒子サイズ5μm 孔径10nm 300mm×7.5mm、(カラム2)PL−gel(ポリマー・ラボラトリー社製)粒子サイズ5μm 孔径50nm 300mm×7.5mm
カラム温度:30℃
溶離液:特級テトラヒドロフラン(安定剤含有)
流速:0.6mL/分
注入量:10μL
分析時間:43分
ODSカラム分析条件
検出器 Shodex示差屈折計RI−74
カラム:ZORBAX Eclipse PlusC18(アジレント・テクノロジー株式会社製)粒子サイズ3.5μm 150mm×4.6mm
カラム温度:25℃
溶離液:特級テトラヒドロフラン(安定剤含有):特級メタノール=55:45
流速:0.8mL/分
注入量:10μL
分析時間:16分
はじめにGPCカラムを使用し、エステル化度1、2、3及びエステル化度4以上の蔗糖脂肪酸エステルの組成を測定した。次にODSカラムを使用し、エステル化度4,5,6,7及び8の蔗糖脂肪酸エステルの組成割合を測定した。先のGPCカラムの測定結果とODSカラムの組成割合結果から、エステル化度1〜8の各組成を算出した。
[実施例1]
蔗糖脂肪酸エステル混合物原料として、DKエステルF−10(HLB=1、第一工業製薬株式会社製)を準備した。F−10蔗糖脂肪酸エステル混合物原料30gと2−プロパノール300gをセパラブルフラスコに加えた。セパラブルフラスコを60℃の恒温槽内に浸し、スリーワンモーターを用いて、F−10蔗糖脂肪酸エステル混合物原料が2−プロパノールに溶解するまで撹拌した。溶解後、恒温槽の温度を40℃に設定し、継続して1時間30分撹拌した。その後、40℃の恒温機内で吸引濾過を行い、析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液を得た。ろ液は、エバポレーター、凍結乾燥により2−プロパノールを取り除き、ろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物を得た。
このようにして析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物におけるエステル化度の異なる蔗糖脂肪酸エステル含量(質量%)を表1及び図1に示す。
表1
Figure 2016037466
この表の結果から、実施例1で得られた析出物(固体部)は、固液分離前に較べて、エステル化度の高い蔗糖脂肪酸エステルの含有割合が多くなっている。特に、エステル化度6及び7の蔗糖脂肪酸エステルの割合が向上し、エステル化度5〜7の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて20〜40質量%増加させることができることがわかる。又、ろ液(液状部)については、エステル化度4及び5の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができ、エステル化度7及び8の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて60質量%以下に減少させることができることがわかる。
[実施例2]
F−10蔗糖脂肪酸エステル混合物原料を2−プロパノールに溶解後、恒温槽の温度を30℃に設定した以外は、実施例1と同様の方法で析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物を得た。
このようにして析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物におけるエステル化度の異なる蔗糖脂肪酸エステル含量(質量%)を表2及び図2に示す。
表2
Figure 2016037466
この表の結果から、この表の結果から、析出物(固体部)とろ液(液状部)を構成する蔗糖脂肪酸エステル混合物中のエステル化度の異なる成分の含有割合が大きく異なり、効率的な分別が行われていることがわかる。又、実施例2で得られた析出物は、固液分離前に較べて、エステル化度の低い蔗糖脂肪酸エステルの含有割合が多くなっている。特に、エステル化度5及び6の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができることがわかる。又、ろ液については、エステル化度4及び5の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができ、エステル化度3〜5の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて40質量%以上高めることができることがわかる。又、エステル化度6〜8の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて17質量%に減少させることができることがわかる。
[実施例3]
F−10蔗糖脂肪酸エステル混合物原料を2−プロパノールに溶解後、恒温槽の温度を20℃に設定した以外は、実施例1と同様の方法で析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物を得た。
このようにして析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物におけるエステル化度の異なる蔗糖脂肪酸エステル含量(質量%)を表3及び図3に示す。
表3
Figure 2016037466
この表の結果から、析出物(固体部)とろ液(液状部)を構成する蔗糖脂肪酸エステル混合物中のエステル化度の異なる成分の含有割合が大きく異なり、効率的な分別が行われていることがわかる。又、実施例3で得られた析出物は、固液分離前に較べて、エステル化度の低い蔗糖脂肪酸エステルの含有割合が多くなっている。特に、エステル化度5及び6の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができることがわかる。又、ろ液については、エステル化度4及び5の蔗糖脂肪酸エステルの割合を向上させることができ、エステル化度3〜5の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて60質量%以上高めることができることがわかる。又、エステル化度6〜8の蔗糖脂肪酸エステルの合計割合を、原料中の割合に比べて31質量%に減少させることができることがわかる。
[比較例1]
2−プロパノールを酢酸エチルに変更し、また、溶解後の恒温槽の温度を40℃に設定した以外は、実施例1と同様の方法で行ったが、蔗糖脂肪酸エステル混合物の析出はなかった。
[比較例2]
2−プロパノールを酢酸エチルに、また、溶解後の恒温槽の温度を30℃に設定した以外は、実施例1と同様の方法で行い、析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物を得た。
このようにして析出した蔗糖脂肪酸エステル混合物とろ液に分別された蔗糖脂肪酸エステル混合物の結果を表4及び図4に示す。
表4
Figure 2016037466
この表の結果から、析出物(固体部)とろ液(液状部)を構成する蔗糖脂肪酸エステル混合物中のエステル化度の異なる成分の含有割合は、ほぼ同じであり、分別溶媒として酢酸エチルを用いたのでは有効な分別を行うことができないことがわかる。

Claims (6)

  1. 原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上の温度で2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで38〜45℃に冷却することにより析出した高エステル成分に富む固形分を固液分離し、さらに0〜33℃に冷却し、低エステル化度成分に富む液状分を分離採取することを特徴とする蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法。
  2. 原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上の温度で2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで38〜45℃に冷却することにより析出した高エステル化度成分に富む固形分を分離採取することを特徴とする蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法。
  3. 原料となるエステル化度の異なる複数の蔗糖脂肪酸エステルの混合物を50℃以上の温度で2−プロピルアルコールに溶解させ、次いで0〜33℃に冷却し、低エステル化度成分に富む液状分を分離採取することを特徴とする蔗糖脂肪酸エステルの分別製造方法。
  4. 蔗糖脂肪酸エステル1質量部に対して、2-プロピルアルコールを2〜15質量部の割合で用いる請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 原料となる蔗糖脂肪酸エステルの混合物が、エステル化度4〜7の蔗糖脂肪酸エステルを50質量%以上含有するものである請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 固液分離を吸引ろ過又は圧搾濾過により行う請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
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