以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態について説明する。ただし、本発明を適用可能な形態が、以下説明する実施形態に限定されるわけではないことは勿論である。
[1.第1実施形態]
[1−1.遊技用システム]
図1は、第1実施形態における第1遊技用システムのシステム構成の一例を示す図である。
第1遊技用システムは、複数の遊技場(店舗)に設置されるホールコンピュータ1200と、複数の遊技場(店舗)に設置される遊技機の一種であるパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000と、管理センタに設置される管理装置1250とを備えて構成される。ここで、複数の店舗とは、所定区域(例えば全国や都道府県単位、市町村単位)に含まれる店舗のことを言う。
ホールコンピュータ1200は、遊技場において複数配置された遊技島に並設されるパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000における遊技にて発生した遊技情報を管理する。遊技情報は、パチンコ遊技機1や、該パチンコ遊技機1に対応して設けられ該パチンコ遊技機1において遊技に使用されて該パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器1120から出力される各種信号に基づいて集計される。例えば、ホールコンピュータ1200は、遊技情報として当該遊技場に設置されている各遊技機の時間帯毎の稼働率や差玉等の収支を集計する。
なお、ホールコンピュータ1200は、上記の稼働率や差玉等の収支の集計について、パチンコ機1やアウト玉計数器1120から入力した信号に基づいて直接集計することが可能であるが、遊技機に対応して設けられるカードユニット等の遊技用装置や、遊技機とホールコンピュータ1200とを中継する中継装置を介して入力した情報に基づいて集計するように構成することも可能である。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)をアウト玉計数器1120が計数して、打込信号をホールコンピュータ1200に出力することとして説明するが、パチンコ遊技機1がアウト玉を計数するように構成して、パチンコ遊技機1が打込信号をホールコンピュータ1200に出力するようにしてもよい。
管理センタは、複数の遊技場のそれぞれに設置されるパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000での遊技に関する遊技情報を管理するセンタであり、管理装置1250を備えて構成される。
ホールコンピュータ1200は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス1201に、当該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理を実施する記憶制御手段としてのCPU1202と、ワークメモリ等として使用されるRAM1203と、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置1204と、キーボードやマウス等の入力装置1205と、各種画面等を表示出力するための表示装置1206と、遊技機や遊技用装置等との間でデータ通信を行う通信手段としての通信部1207と、記憶装置1204に記憶されたデータを印刷するための印刷装置1208とが接続されたコンピュータシステムである。記憶装置1204には、当該遊技場に設置された各遊技機の時間帯毎の稼働率等が遊技情報として記憶されている。
記憶装置1204には、該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理内容が記述された処理プログラムに加えて、遊技機の稼働を算出するためのシミュレーションプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、CPU1202によってRAM1203に読み込まれて実行される。
管理装置1250は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス1251に、当該管理装置1250が実施する各種処理を実施する記憶制御手段としてのCPU1252と、ワークメモリ等として使用されるRAM1253と、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置1254と、キーボードやマウス等の入力装置1255と、各種画面等を表示出力するための表示装置1256と、各店舗に設置されたホールコンピュータ1200との間でデータ通信を行う通信手段としての通信部1257と、記憶装置1254に記憶されたデータを印刷するための印刷装置1258とが接続されたコンピュータシステムである。
各パチンコ遊技機1からは、賞球信号及び機械識別信号が台端末1220を介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力される。また、アウト玉計数器1120からは、打込信号が台端末1220を介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力される。また、各スロットマシン1000からは、メダルIN信号、メダルOUT信号及び機械識別信号が台端末1220を介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力される。これらの信号については後述する。
ホールコンピュータ1200の通信部1207は、管理装置1250の通信部1257と通信可能に接続されており、相互にデータの送受が可能に構成されている。ホールコンピュータ1200の通信部1207からは、後述する店舗別遊技データが管理装置1250の通信部1257に送信される。また、管理装置1250の通信部1257からは、後述する個別集計データや総合集計データがホールコンピュータ1200の通信部1207に送信される。
[1−2.パチンコ遊技機]
パチンコ遊技機1は、詳細は後述するように、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定の入賞価値を遊技者に与えるように構成されたものである。さらに、遊技領域に設けられている始動領域を遊技球が通過したことに基づいて特別図柄(識別情報)を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示部が設けられ、可変表示部における可変表示の表示結果として、予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことに基づいて特定遊技状態(所謂大当り遊技状態)に制御される。
なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである。そして、特定遊技状態においては所定の遊技価値が遊技者に付与される。なお、入賞価値とは、入賞領域への遊技球の入賞に応じて賞球を払い出したり得点や景品を付与したりすることである。また、遊技価値とは、特定表示結果となった場合に遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。パチンコ遊技機1の詳細に関しては、後述する図47、図56及び図66等により例示される。
パチンコ遊技機1において、遊技領域に発射された遊技球が、始動入賞口(第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13b)に入賞すると、特別図柄の変動表示が開始され、表示結果として大当り図柄が導出表示されたときに、特別可変入賞球装置20が開放されて大入賞口への入賞が可能となる大当り遊技状態に制御される。そして、始動入賞口や大入賞口、その他の入賞口(例えば後述する普通入賞装置の入賞口29a〜29c)に遊技球が入賞すると、各入賞口への入賞に対応した所定数の遊技球(即ち賞球)が遊技者に付与される。この賞球が10個払い出される毎に、パチンコ遊技機1のターミナル基板から賞球信号が出力される。例えば、賞球信号は、所定幅のパルス信号である。
また、所定のタイミングで(例えばパチンコ遊技機1の電源がonとなったときに)、当該パチンコ遊技機1のターミナル基板からは、遊技制御基板に記憶されている当該パチンコ遊技機1の製造者を示す製造者IDおよび当該遊技機の型式(機種)を示す型式IDを含む機械識別信号が出力される。例えば、機械識別信号は、所定パターンで出力されるパルス信号である。
パチンコ遊技機1の下方には、該パチンコ遊技機1において遊技に使用されて、該パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器1120が設けられている。所定数(例えば10玉)のアウト玉が計数される毎にアウト玉計数器1120から打込信号が出力される。例えば、打込信号は、所定幅のパルス信号である。
なお、この実施形態では、10玉のアウト玉が計数される毎に打込信号が出力される構成としているが、このような構成に限らず、アウト玉が検出される毎に(即ち1玉毎に)アウト玉検出信号を出力するようにしても良い。これによれば、ホールコンピュータ1200において、1玉単位でアウト数を集計可能となる。また、この実施形態では、10玉の賞球払出が計数される毎に賞球信号が出力される構成としているが、このような構成に限らず、賞球払出が検出される毎に(即ち1玉毎に)賞球検出信号を出力するようにしても良い。これによれば、ホールコンピュータ1200において、1玉単位でセーフ数を集計可能となる。
パチンコ遊技機1のターミナル基板から出力される賞球信号及び機械識別信号、並びにアウト玉計数器1120から出力される打込信号が、台端末1220等の中継機器および通信ケーブルを介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力されることで、該ホールコンピュータ1200において各パチンコ遊技機1の遊技情報を集計できるようになっている。
台端末1220等の中継機器には複数のパチンコ遊技機1(およびこれに対応するアウト玉計数器1120)からの出力信号が入力される。台端末1220等の中継機器からは、入力信号に対応させて当該信号を出力した(または当該信号を出力したアウト玉計数器1120に対応する)パチンコ遊技機1を識別可能な台識別情報(例えば中継機器の信号入力端子に対応して付された識別情報)が出力される。これにより、ホールコンピュータ1200等の管理装置においては、台識別情報に対応させた台番号毎に遊技データを集計・管理することが可能となる。
[1−3.スロットマシン]
図2は、スロットマシン1000の外観構成の一例を示す図である。
スロットマシン1000は、図2に示すように、前面が開口する筐体1020と、この筐体1020の側端に回動自在に枢支された前面扉1022とを備えて構成されている。スロットマシン1000の筐体1021の内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール1002L、1002C、1002R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、これらリール1002L、1002C、1002Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1022に設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
リール1002L、1002C、1002Rの外周部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報である図柄が、所定間隔毎に所定順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。所定間隔とは、1リールの外周に21図柄が配列される場合の間隔をいう。リール1002L、1002C、1002Rの外周部に描かれた図柄は、基本的に、前面扉1022の略中央に設けられた透視窓1003内であって各リールに対応する所定位置である上中下の3箇所の位置(三段)に停止表示される。
各リール1002L、1002C、1002Rは、各々対応して設けられリールモータによって回転させることで、各リール1002L、1002C、1002Rの図柄が透視窓1003に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール1002L、1002C、1002Rの回転を停止させることで、透視窓1003の所定位置に図柄を表示結果として導出されるようになっている。
前面扉1022には、図2に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部1029、メダルが払い出されるメダル払出口1030、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて賭数を1設定する際に操作される1枚BETスイッチ1005、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ1006、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ1028、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ1007、リール1002L、1002C、1002Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ1008L、1008C、1008Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。また、前面扉1022には、クレジットとして記憶されているメダル枚数、設定されている賭数(1BET〜3BET)、入賞の発生により払い出されたメダル枚数等が表示される遊技用表示部1010が設けられている。
また、前面扉1022の内側には、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器(図示せず)が設けられている。筐体1021内部には、電源ボックス(図示せず)が設けられており、電源ボックスの前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ、電源をon/offする際に操作される電源スイッチが設けられている。
本実施形態のスロットマシン1000においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1029から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ1005またはMAXBETスイッチ1006を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、すなわち、1ゲームが開始可能な状態となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ1007を操作すると、各リール1002L、1002C、1002Rが回転し、各リール1002L、1002C、1002Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ1008L、1008C、1008Rを操作すると、対応するリール1002L、1002C、1002Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール1002L、1002C、1002Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口1030から払い出されるようになっている。また、入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選可能とさせるか、あるいはいずれの入賞役も当選可能としない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、スロットマシン1000における遊技を制御する遊技制御基板の内部抽選によって決定される。この内部抽選において、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって、当選の有無や当選する場合の入賞役が決定される。
その後、遊技制御基板は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。遊技制御基板は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた枚数のメダルを遊技者に対して付与する。
すなわち、スロットマシン1000により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
本実施形態のスロットマシン1000は、設定値に応じて内部抽選の確率、例えばビッグボーナス(BB)の当選確率が変わるものであり、この内部抽選の確率が変化することに伴い、遊技において遊技者に付与される付与メダル数と遊技者が使用する使用メダル数との割合も変化する。即ち、設定値に応じて付与メダル数が使用メダル数に占める割合である出率も変化する。スロットマシン1000の遊技制御基板が実行する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、「6」が最も出率が高く、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の順に値が小さくなるほど出率が低くなる。すなわち設定値として「6」が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
なお、スロットマシン1000が、アシストリプレイタイム(ART)に制御可能な遊技機である場合には、設定値に応じてARTの継続ゲーム数の期待値が異なるものであっても良い。ここで、ARTとは、スロットマシン1000が備える表示器においてストップスイッチ1008L、1008C、1008Rの操作順を報知する押し順ナビ表示等により、止めるべき(狙うべき)図柄を遊技者に報知する状態であるアシストタイム(AT)と、通常時と比べてリプレイ確率(再遊技役の成立確率)を向上させた状態であるリプレイタイム(RT)とを組み合わせた機能である。この場合、押し順ナビの表示制御は、遊技制御基板ではなく、遊技制御基板と電気的に接続され遊技制御基板からの情報に基づいて演出制御を行う演出制御基板により実行される制御である。そのため、演出制御基板では、押し順ナビの実行割合を設定値に応じて異ならせる制御も可能であり、その結果、設定値(押し順ナビの実行割合)に応じて出率が変化することになる。このように、演出制御基板による演出制御に応じて出率が変化するようにしても良い。また、遊技制御基板による遊技制御及び演出制御基板による演出制御に応じて出率が変化するようにしても良い。
設定値を変更するためには、設定キースイッチをon状態としてからスロットマシン1000の電源をonする必要がある。設定キースイッチをon状態として電源をonすると、設定値表示器に、遊技制御基板のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチの操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチが操作されると、設定値表示器に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチが操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチがoffされると、確定した表示値(設定値)が遊技制御基板のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチをon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチをon状態とすると、設定値表示器に遊技制御基板のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチをoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
スロットマシン1000の遊技制御基板からは、外部出力基板を介して以下に示すメダルIN信号、メダルOUT信号、及び、機械識別信号が出力される。遊技者によりメダルのBET操作(1BET〜MAXBET)がなされ、1ゲームが開始可能な状態でゲーム開始操作(スタートスイッチ1007の操作)がなされると、BET操作により設定された賭数(メダル1枚〜3枚)に応じたメダルIN信号が外部出力基板から出力される。例えば、3枚のメダルがBETされた場合には、メダルIN信号として3つのパルス信号が25msの間隔を空けて出力される。
ここで、再遊技役(リプレイ)が成立した場合、次のゲームは賭数の設定を必要とせずに開始可能となるが、当該次のゲームにおいてゲーム開始操作(スタートスイッチ1007の操作)がなされると、再遊技役(リプレイ)が成立したゲームにおいて設定されていた賭数に応じたメダルIN信号が出力される。
また、図柄の最終導出結果がメダルの払出対象となる役である場合には、当選した役に応じた枚数のメダルを払い出すが、このとき払い出されるメダル数に応じたメダルOUT信号が外部出力基板から出力される。例えば、小役に当選したことにより、5枚のメダルが払い出される場合には、メダルOUT信号として5つのパルス信号が25msの間隔を空けて出力される。
ここで、再遊技役(リプレイ)が成立した場合、当該再遊技役(リプレイ)が成立したゲームにおいて設定されていた賭数に応じたメダルOUT信号が出力される。即ち、再遊技役(リプレイ)が成立した場合には、そのゲームにおいて設定されていた賭数(例えばメダル3枚)に応じたメダルOUT信号が出力されると共に、次のゲームにおいて当該賭数(メダル3枚)に応じたメダルIN信号が出力されるものとする。
なお、この実施の形態では、再遊技役(リプレイ)が成立した場合、当該再遊技役(リプレイ)が成立したゲームにおいて設定されていた賭数に応じたメダルOUT信号が出力され、次のゲームにおいてゲーム開始操作(スタートスイッチ1007の操作)がなされると、再遊技役(リプレイ)が成立したゲームにおいて設定されていた賭数に応じたメダルIN信号が出力されるようになっているが、このような形態に限らず、再遊技役(リプレイ)が成立した場合にはメダルOUT信号が出力されず、次のゲームにおいてゲーム開始操作(スタートスイッチ1007の操作)がなされても、メダルIN信号が出力されないようにしても良い。
また、前述した設定キースイッチがoff状態でスロットマシン1000の電源をonにしたとき、及び、スロットマシン1000の電源がonのときに設定キースイッチがon状態からoff状態に切り替わったときには(即ち、電源がonであり且つ設定キースイッチがoff状態であるという条件が成立したタイミングで)、遊技制御基板に記憶されている当該スロットマシン1000の製造者を示す製造者IDおよび当該遊技機の型式(機種)を示す型式IDと、遊技制御基板のRAMから読み出された設定値(遊技制御基板のRAMに格納されている確定した設定値)と、を含む機械識別信号が外部出力基板から出力される。
スロットマシン1000の外部出力基板から出力されるメダルIN信号、メダルOUT信号、及び機械識別信号が、台端末1220等の中継機器および通信ケーブルを介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力されることで、該ホールコンピュータ1200において各スロットマシン1000の遊技情報を集計できるようになっている。
台端末1220等の中継機器には複数のスロットマシン1000からの出力信号が入力される。台端末1220等の中継機器からは、入力信号に対応させて当該信号を出力したスロットマシン1000を識別可能な台識別情報(例えば中継機器の信号入力端子に対応して付された識別情報)が出力される。これにより、ホールコンピュータ1200等の管理装置においては、台識別情報に対応させた台番号毎に遊技データを集計・管理することが可能となる。
ホールコンピュータ1200のCPU1202は、前述した機械識別信号が入力されたときには、当該機械識別信号に含まれる型式IDから特定される「機種」を、当該機械識別信号の出力元である遊技機の「台番号」に関連付けて記憶する。また、特定した「機種」がスロットマシン1000の機種である場合には、さらに当該機械識別信号に含まれる「設定値」を、当該機械識別信号の出力元である遊技機の「台番号」に関連付けて記憶する。
なお、遊技機の機種によっては、上記機械識別信号のように機種を特定可能とする信号が出力されない場合がある。また、仮に、機種を特定可能とする信号が出力されたとしても、ホールコンピュータ1200の仕様や設定によっては、その信号に基づいて機種を特定できない場合もある。このような場合、ホールコンピュータ1200の入力装置1205によって、遊技データテーブルの各台番号毎(あるいはグループや島毎)に対応する機種を入力可能である。また、スロットマシン1000によって、上記機械識別信号のように設定値を特定可能とする信号が出力されない場合もある。また、仮に、設定値を特定可能とする信号が出力されたとしても、ホールコンピュータ1200の仕様や設定によっては、その信号に基づいて設定値を特定できない場合もある。このような場合には、ホールコンピュータ1200の入力装置1205によって、遊技データテーブルの各台番号毎に対応する設定値を入力可能である。このように、遊技機の機種や設定値が自動的に取得されるようにしても良く、遊技場の店員がホールコンピュータ1200に入力するようにしても良い。
[1−4.管理装置の記憶装置及びデータ構成]
図3は、管理装置1250が備える記憶装置1254に記憶されるプログラムやデータの一例を示す図である。
記憶装置1254には、CPU1252により読み出され、管理処理として実行される管理プログラム310が記憶されている。管理プログラム310は、個別集計処理として実行される個別集計プログラム311と、総合集計処理として実行される総合集計プログラム312とをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
また、記憶装置1254には、差数指標値閾値設定データ320と、店舗別遊技データベース330と、スロット管理データベース340と、パチンコ管理データベース350と、差数集計データベース360と、個別集計データベース370と、総合集計データベース380とが記憶される。
図4は、差数指標値閾値設定データ320のデータ構成の一例を示す図である。
差数指標値閾値設定データ320には、差数指標値閾値として、スロット用閾値と、パチンコ用閾値とが記憶される。
本実施形態において、「差数」とは、遊技機で遊技する遊技者に付与された遊技媒体の数である付与遊技媒体数と、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の数である使用遊技媒体数との差分として算出される値である。
パチンコ遊技機1の場合、付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数は、賞球数(セーフ玉数ともいう。)及び打込玉数(アウト玉数ともいう。)にそれぞれ相当する。賞球数は、前述した賞球信号によって特定され、打込玉数は、前述した打込信号によって特定される。また、スロットマシン1000の場合、付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数は、OUTメダル数(アウト枚数ともいう。)及びINメダル数(イン枚数ともいう。)にそれぞれ相当する。OUTメダル数は、前述したメダルOUT信号によって特定され、INメダル数は、前述したメダルIN信号によって特定される。
上記の付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数は、本発明に係る付与遊技価値及び使用遊技価値の一例である。パチンコ遊技機1では、「打込玉数−賞球数」として算出される差玉数(以下、簡略的に「差玉」という。)が「差数」となる。また、スロットマシン1000では、「INメダル数−OUTメダル数」として算出される差メダル数(以下、簡略的に「差メダル」という。)が「差数」となる。
図5は、差数を説明するための図であり、差数の時間変化を示す差数グラフの一例を示している。
この差数グラフにおいて、横軸は時間(t)を示し、縦軸は差数(δ)を示す。パチンコ遊技機1では差玉グラフがこれに相当し、スロットマシン1000では差メダルグラフがこれに相当する。遊技者が遊技機で遊技を行うのに伴い、時間経過に応じて差数が変化する。
差数が「+」となっている場合は、使用遊技媒体数の方が付与遊技媒体数よりも多く、遊技者は負けていることを意味する。一方、差数が「−」となっている場合は、付与遊技媒体数の方が使用遊技媒体数よりも多く、遊技者は勝っていることを意味する。但し、遊技者側の立場と店舗側の立場とでは+と−が逆となり、差数が「+」となっている場合は、店舗側は得をしていることを意味し、差数が「−」となっている場合は、店舗側は損をしていることを意味する。
本実施形態では、差数(δ)に対する指標値として、次式(1)で与えられる差数指標値αを導入する。
α=δMAX−δMIN・・・(1)
ここで、「δMAX」は差数の最大値(以下、「最大差数」と称す。)であり、「δMIN」は差数の最小値(以下、「最小差数」と称す。)である。最大差数はδMAXは、差数グラフにおいて差数が最大となった時刻における差数の値であり、最小差数はδMINは、差数グラフにおいて差数が最小となった時刻における差数の値である。
例えば、最大差数δMAXが「−2000」であり、最小差数δMINが「−5000」であったとすると、式(1)に従って、差数指標値は「α=−2000−(−5000)=+3000」と算出される。パチンコ遊技機1の場合は、式(1)に従って差玉指標値が算出され、スロットマシン1000の場合は、式(1)に従って差メダル指標値が算出される。上記の例では、差玉指標値は「+3000発」、差メダル指標値は「+3000枚」となる。
式(1)に従って算出される差数指標値は、所定期間において差数が一番落ち込んでいるところから一番浮き上がっているところまでの差に相当し、この差数指標値が大きい遊技機ほど、期待値の高い(爆発力がある)遊技機であると言える。従って、差数指標値に対する閾値判定を行い、差数指標値が上記の差数指標値閾値に達しているか否かを判定することで、遊技機の期待値を判定することができる。
本実施形態では、管理装置1250が、各店舗に設置される各遊技機それぞれについて、差数指標値を個別に算出して集計することが可能に構成されている。また、管理装置1250は、集計時間帯を自由に設定して差数指標値を算出して集計することが可能に構成されている。
図5の差数グラフでは、集計時間帯として、始期時刻t1とし、終期時刻t2とするt1〜t2の時間帯を集計対象として差数指標値を算出する場合を例示している。この集計時間帯の始期時刻t1及び終期時刻t2は、管理装置の管理者が自由に設定することができる。また、集計時間帯とする時間幅も自由に設定することができ、例えば、1時間単位や2時間単位、半日単位、1日単位といった単位の時間幅を集計時間帯として設定することができる。また、1日よりも長い日数を集計時間帯として設定することもできる。集計時間帯は所定期間に相当する。
図4の差数指標値閾値設定データ320に記憶されるスロット用閾値及びパチンコ用閾値とは、それぞれ上記の差メダル指標値及び差玉指標値に対する閾値であり、例えば、スロット用閾値として「2000枚」が、パチンコ用閾値として「3000発」が記憶されている。これらの閾値は、管理装置を操作する管理者が、入力手段1255から任意の値を入力することで設定することができる。
店舗別遊技データベース330には、複数の店舗それぞれにおける各遊技機の遊技情報に関する店舗別の遊技データが記憶される。この遊技データは、当該店舗のホールコンピュータ1200から通信部1257を介して取得されるデータであり、当該店舗における各遊技機の付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数のデータや、当該店舗における各遊技機の稼働時間のデータが含まれる。
図6は、スロット管理データベース340のデータ構成の一例を示す図である。
スロット管理データベース340には、店舗毎にスロットマシン1000を管理するためのスロット管理データが記憶される。
各店舗のスロット管理データには、店舗名が記憶され、スロットマシン1000の機種名と、該スロットマシン1000の製造メーカと、該スロットマシン1000のタイプと、該スロットマシン1000の該店舗における設置台数と、該スロットマシン1000を個別に識別するための識別情報であるスロットIDと、該スロットIDのスロットマシン1000に設定されている設定値とが対応付けて記憶される。
機種名は、スロットマシン1000の機種の名称である。例えば、「スロットAAA」や「スロットBBB」といった、異なるスロットマシン1000の機種の名称が機種名にそれぞれ記憶されている。
製造メーカは、当該機種のスロットマシン1000を製造したメーカの名称である。例えば、「メーカM」や「メーカN」といった、スロットマシン1000の機種毎のメーカの名称が製造メーカに記憶されている。
タイプは、当該機種のスロットマシン1000のタイプである。このスロットマシン1000のタイプには、ボーナスの性質によって区分されたボーナス区分タイプや機能によって区分された機能区分タイプがこれに含まれる。
ボーナス区分タイプには、AタイプやBタイプ、Cタイプ等のタイプが含まれる。
Aタイプは、ビッグボーナス(BB)がレギュラーボーナス(RG)3回で構成されているタイプである。
Bタイプは、ビッグボーナス(BB)がレギュラーボーナス(RG)2回で構成されているタイプである。
Cタイプは、ビッグボーナス(BB)が存在しないタイプである。
機能区分タイプには、ノーマル機やストック機(ST機)、AT機等のタイプが含まれる。
ノーマル機は、毎ゲーム同じ確率で抽選され、当選した場合に、ボーナスを即座に放出する機能を有するタイプである。
ST機は、内部で成立したボーナスをストックし、特定の条件が成立することでボーナスを放出する機能を有するタイプである。
AT機は、いわゆるアシストタイム機能を有するタイプである。
設定値は、スロットマシン1000のボーナスや小役が成立する確率を予めプログラムされた範囲内で変更し、最終的な出玉率や機械割といった出率値を調整するために各スロットマシン1000に設定される値であり、「1」〜「6」の6つの設定値を設定可能に構成されている。この「1」〜「6」の複数の設定値のうちのいずれの設定値が設定されるかに応じて、遊技者に付与される付与遊技価値の大きさが遊技者が遊技に使用した使用遊技価値の大きさに占める割合である出玉率や機械割といった出率値が調整可能となる。設定値が大きいほど、出玉率や機械割が高くなるように調整される。
図7は、パチンコ管理データベース350のデータ構成の一例を示す図である。
パチンコ管理データベース350には、店舗毎にパチンコ遊技機1を管理するためのパチンコ管理データが記憶される。
各店舗のパチンコ管理データには、店舗名が記憶され、パチンコ遊技機1の機種名と、該パチンコ遊技機1の製造メーカと、該パチンコ遊技機1のタイプと、該パチンコ遊技機1の該店舗における設置台数と、該パチンコ遊技機1を個別に識別するための識別情報であるパチンコIDとが対応付けて記憶される。
機種名は、パチンコ遊技機1の機種の名称である。例えば、「パチンコXXX」や「パチンコYYY」といった、異なるパチンコ遊技機1の機種の名称が機種名にそれぞれ記憶されている。
製造メーカは、当該機種のパチンコ遊技機1を製造したメーカの名称である。例えば、「メーカS」や「メーカT」といった、パチンコ遊技機1の機種毎のメーカの名称が製造メーカに記憶されている。
タイプは、当該機種のパチンコ遊技機1のタイプである。このパチンコ遊技機1のタイプには、例えば、大当り確率帯によって区分された大当り確率帯区分タイプや機能によって区分された機能区分タイプが含まれる。
大当り確率帯区分タイプには、マックスタイプやミドルタイプ、ライトミドルタイプ、ライトタイプ(甘デジタイプ)、ミニマムタイプ等のタイプが含まれる。
マックスタイプとは、大当り確率が現行のパチンコ遊技機1に関して定められた上限の大当り確率(1/400)に近いパチンコ遊技機1が属するタイプであり、例えば大当り確率が1/399や1/397、1/394といったパチンコ遊技機1がこのタイプに含まれる。
ミドルタイプとは、マックスタイプと比べて大当り確率がやや高いパチンコ遊技機1が属するタイプであり、例えば大当り確率が1/300前後のパチンコ遊技機1はこのタイプに含まれる。
ライトミドルタイプとは、大当り確率がライトタイプとミドルタイプの中間の確率であるパチンコ遊技機1が属するタイプであり、例えば大当り確率が1/120〜1/220であるパチンコ遊技機1がこれに含まれる。
ライトタイプ(甘デジタイプ)とは、大当り確率が1/100程度のパチンコ遊技機1が属するタイプである。
ミニマムタイプとは、大当り確率が1/50程度のパチンコ遊技機1が属するタイプである。
機能区分タイプには、第1種(いわゆるデジパチ)や第2種(いわゆる羽根モノ)、1種2種混合機等が含まれる。
図8は、差数集計データベース360のデータ構成の一例を示す図である。
差数集計データベース360には、店舗単位で差数を集計した差数集計データが記憶される。
各店舗の差数集計データには、店舗名と、日付と、スロット差数集計データと、パチンコ差数集計データとが記憶される。
スロット差数集計データには、集計時間帯毎に、スロットIDと、差メダルデータと、稼働時間とが対応付けて記憶される。
スロットIDは、スロット管理データに記憶されている該店舗に設置されているスロットマシン1000のスロットIDに対応する。
差メダルデータには、集計時間帯における該スロットIDのスロットマシン1000の差メダルの時系列データである。
稼働時間には、集計時間帯における該スロットIDのスロットマシン1000の稼働時間である。
パチンコ差数集計データには、集計時間帯毎に、パチンコIDと、差玉データと、稼働時間とが対応付けて記憶される。
パチンコIDは、パチンコ管理データに記憶されている該店舗に設置されているパチンコ遊技機1のパチンコIDに対応する。
差玉データには、集計時間帯における該パチンコIDのパチンコ遊技機1の差玉の時系列データである。
稼働時間には、集計時間帯における該パチンコIDのパチンコ遊技機1の稼働時間である。
図9は、個別集計データベース370のデータ構成の一例を示す図である。
個別集計データベース370には、店舗毎の個別集計データが記憶される。
個別集計データには、店舗名と、日付と、スロット個別集計データ371と、パチンコ個別集計データ372とが記憶される。
スロット個別集計データ371には、集計時間帯毎に、スロットIDと、稼働時間と、差メダル最小値と、差メダル最大値と、差メダル指標値と、閾値超過フラグと、閾値超過割合とが対応付けて記憶される。
差メダル最小値及び差メダル最大値は、それぞれスロット差数集計データの差メダルデータが記憶する差メダルの時系列データのうち、該集計時間帯における対応するスロットIDのスロットマシン1000における差メダルの最小値及び最大値である。
差メダル指標値は、差メダルの最小値及び最大値を用いて、前述した式(1)に従って算出される差数指標値である。
閾値超過フラグは、差メダル指標値がスロット用閾値に達している場合に「ON」が設定されるフラグである。閾値超過フラグは、初期設定では「OFF」に設定されている。
閾値超過割合(%)は、差メダル指標値がスロット用閾値に達しているスロットマシン1000の割合であり、「(閾値超過フラグがONに設定されているスロットマシンの台数/設置台数)×100」として算出される。
パチンコ個別集計データ372には、集計時間帯毎に、パチンコIDと、稼働時間と、差メ玉最小値と、差玉最大値と、差玉指標値と、閾値超過フラグと、閾値超過割合とが対応付けて記憶される。
差玉最小値及び差玉最大値は、それぞれパチンコ差数集計データの差玉データ(差玉の時系列データ)のうち、該集計時間帯における対応するパチンコIDのパチンコ遊技機1における差玉の最小値及び最大値である。
差玉指標値は、差玉の最小値及び最大値を用いて、前述した式(1)に従って算出される差数指標値である。
閾値超過フラグは、差玉指標値がパチンコ用閾値に達している場合に「ON」が設定されるフラグである。閾値超過フラグは、初期設定では「OFF」に設定されている。
閾値超過割合(%)は、差玉指標値がパチンコ用閾値に達しているパチンコ遊技機1の割合であり、「(閾値超過フラグがONに設定されているパチンコ遊技機の台数/設置台数)×100」として算出される。
図10は、総合集計データベース380のデータ構成の一例を示す図である。
総合集計データベース380には、集計時間帯毎の総合集計データ381が記憶される。
総合集計データ381には、遊技機の種別に応じた集計データが記憶される。遊技機の種別は、スロットマシン1000とパチンコ遊技機1との2種類である。
遊技機種別がスロットマシン1000については、スロットマシン1000の機種別、タイプ別、店舗別、設定値別に集計が可能に構成されている。
遊技機種別がパチンコ遊技機1については、パチンコ遊技機1の機種別、タイプ別、店舗別に集計が可能に構成されている。
図11は、スロットマシン1000についての各種の総合集計データ381のデータ構成の一例を示す図である。なお、以下説明する各種の総合集計データ381を構成する各項目欄には総合集計の結果に基づく数値が格納されるが、図面では、簡素化のために各項目を空欄としている。
図11(1)には、機種別のスロットマシン1000の総合集計データである機種別スロット総合集計データ381Aを示しており、機種名と、設置台数と、差メダル指標値項目とが対応付けて記憶される。
差メダル指標値項目には、当該機種のスロットマシン1000の差メダル指標値の平均値と、最大値と、閾値超過台数と、閾値超過割合とが含まれる。
図11(2)には、タイプ別のスロットマシン1000の総合集計データであるタイプ別スロット総合集計データ381Bを示しており、タイプと、設置台数と、差メダル指標値項目とが対応付けて記憶される。
差メダル指標値項目には、当該タイプのスロットマシン1000の差メダル指標値の平均値と、最大値と、閾値超過台数と、閾値超過割合とが含まれる。
図11(3)には、店舗別のスロットマシン1000の総合集計データである店舗別スロット総合集計データ381Cを示しており、店舗名と、設置台数と、差メダル指標値項目とが対応付けて記憶される。
差メダル指標値項目には、当該店舗に設置されているスロットマシン1000の差メダル指標値の平均値と、最大値と、閾値超過台数と、閾値超過割合とが含まれる。
図11(4)には、設定値別のスロットマシン1000の総合集計データである設定値別スロット総合集計データ381Dを示しており、設定値と、設置台数と、差メダル指標値項目とが対応付けて記憶される。
差メダル指標値項目には、当該設定値が設定されているスロットマシン1000の差メダル指標値の平均値と、最大値と、閾値超過台数と、閾値超過割合とが含まれる。
上記の各種のスロット用の総合集計データにおける差メダル指標値の平均値は、機種毎の指標値の平均値、タイプ毎の指標値の平均値、店舗毎の指標値の平均値、設定値毎の指標値の平均値にそれぞれ相当し、管理装置1250は、これらの平均値を特定可能に出力する。また、上記の各種のスロット用の総合集計データにおける差メダル指標値の最大値は、機種毎の指標値の最大値、タイプ毎の指標値の最大値、店舗毎の指標値の最大値、設定値毎の指標値の最大値にそれぞれ相当し、管理装置1250は、これらの最大値を特定可能に出力する。
図12は、パチンコ遊技機1についての各種の総合集計データ381のデータ構成の一例を示す図である。
図12(1)には、機種別のパチンコ遊技機1の総合集計データである機種別パチンコ総合集計データ381Pを示しており、機種名と、設置台数と、差玉指標値項目とが対応付けて記憶される。
差玉指標値項目には、当該機種のパチンコ遊技機1の差玉指標値の平均値と、最大値と、閾値超過台数と、閾値超過割合とが含まれる。
図12(2)には、タイプ別のパチンコ遊技機1の総合集計データであるタイプ別パチンコ総合集計データ381Qを示しており、タイプと、設置台数と、差玉指標値項目とが対応付けて記憶される。
差玉指標値項目には、当該タイプのパチンコ遊技機1の差玉指標値の平均値と、最大値と、閾値超過台数と、閾値超過割合とが含まれる。
図12(3)には、店舗別のパチンコ遊技機1の総合集計データである店舗別パチンコ総合集計データ381Rを示しており、店舗名と、設置台数と、差玉指標値項目とが対応付けて記憶される。
差玉指標値項目には、当該店舗に設置されているパチンコ遊技機1の差玉指標値の平均値と、最大値と、閾値超過台数と、閾値超過割合とが含まれる。
上記の各種のパチンコ用の総合集計データにおける差玉指標値の平均値は、機種毎の指標値の平均値、タイプ毎の指標値の平均値、店舗毎の指標値の平均値にそれぞれ相当し、管理装置1250は、これらの平均値を特定可能に出力する。また、上記の各種のパチンコ用の総合集計データにおける差玉指標値の最大値は、機種毎の指標値の最大値、タイプ毎の指標値の最大値、店舗毎の指標値の最大値にそれぞれ相当し、管理装置1250は、これらの最大値を特定可能に出力する。
また、上記のスロット用及びパチンコ用の総合集計データにおける閾値超過台数及び閾値超過割合は、差分値のうちの所定期間における最小差分値及び最大差分値に基づく指標値が所定値に達した遊技機に関する遊技機情報に相当し、管理装置1250は、これらの遊技機情報を特定可能に出力する。
[1−5.処理の流れ]
図13は、管理装置1250のCPU1252が、記憶装置1254に記憶されている管理プログラム310に従って実行する管理処理の流れの一例を示す図である。
まず、CPU1252は、入力装置1255を介して閾値設定操作がなされたか否かを判定し(A1)、なされたと判定したならば(A1;Yes)、設定対象遊技機を判定する(A3)。なされなかったと判定したならば(A1:No)、CPU1252は、A9へと処理を移す。
設定対象遊技機が「スロットマシン」であったならば(A3;スロットマシン)、CPU1252は、入力装置1255からの操作内容に従ってスロット用閾値を設定し、差数指標値閾値設定データ320に記憶させるスロット用閾値設定処理を行う(A5)。また、設定対象遊技機が「パチンコ遊技機」であったならば(A3;パチンコ遊技機)、CPU1252は、入力装置1255からの操作内容に従ってパチンコ用閾値を設定し、差数指標値閾値設定データ320に記憶させるパチンコ用閾値設定処理を行う(A7)。
A5又はA7の後、CPU1252は、店舗のホールコンピュータ1200から遊技データを受信したか否かを判定し(A9)、受信したと判定したならば(A9;Yes)、受信した遊技データを店舗別遊技データベース330に記憶させる(A11)。受信しなかったと判定したならば(A9;No)、CPU1252は、A15へと処理を移す。
次いで、CPU1252は、差数集計処理を行う(A13)。具体的には、店舗別遊技データベース330に記憶されている店舗別の遊技データに基づいて、管理者によって指定された集計時間帯を対象として、当該店舗に設置されている各スロットマシン1000それぞれについて、スロット差数集計データを生成する。具体的には、当該集計時間帯における時系列のINメダル数及びOUTメダル数に基づいて、各時刻における差メダルを算出し、スロットIDと差メダルデータと稼働時間とを対応付けたスロット差数集計データを生成する。
また、CPU1252は、管理者によって指定された集計時間帯を対象として、当該店舗に設置されている各パチンコ遊技機1それぞれについて、パチンコ差数集計データを生成する。具体的には、当該集計時間帯における時系列の打込玉数及び賞球数に基づいて、各時刻における差玉を算出し、パチンコIDと差玉データと稼働時間とを対応付けたパチンコ差数集計データを生成する。
そして、CPU1252は、店舗名と、日付と、スロット差数集計データと、パチンコ差数集計データとを纏めて、当該店舗の差数集計データとして差数集計データベース360に記憶させる。
次いで、CPU1252は、個別集計タイミングであるか否かを判定する(A15)。個別集計タイミングは、例えば、所定の時間単位のタイミング(1時間単位や2時間単位、半日単位、1日単位)や、管理者によって個別集計を行う指示操作がなされたタイミングを定めておくことができる。
個別集計タイミングであると判定したならば(A15;Yes)、CPU1252は、記憶装置1254に記憶されている個別集計プログラム311に従って、個別集計処理を実行する(A17)。個別集計処理については詳細に後述する。個別集計タイミングではないと判定したならば(A15;No)、CPU1252は、A19へと処理を移す。
次いで、CPU1252は、総合集計タイミングであるか否かを判定する(A19)。総合集計タイミングは、個別集計タイミングと同様に、例えば、所定の時間単位のタイミング(1時間単位や2時間単位、半日単位、1日単位)や、管理者によって総合集計を行う指示操作がなされたタイミングを定めておくことができる。
総合集計タイミングであると判定したならば(A19;Yes)、CPU1252は、記憶装置1254に記憶されている総合集計プログラム312に従って、総合集計処理を実行する(A21)。総合集計処理については詳細に後述する。総合集計タイミングではないと判定したならば(A19;No)、CPU1252は、A23へと処理を移す。
次いで、CPU1252は、処理を終了するか否かを判定する(A23)。例えば、管理装置の電源を切断する指示操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続する場合は(A23;No)、CPU1252は、A1に処理を戻す。一方、処理を終了する場合は(A23;Yes)、CPU1252は、管理処理を終了する。
図14は、個別集計処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、CPU1252は、表示装置1256に個別集計画面の表示を開始させるように制御する(B1)。個別集計画面は、管理者が個別集計を行うための画面である。なお、個別集計画面については図示を省略する。そして、CPU1252は、管理者の指示操作に従って集計時間帯を設定する(B3)。
次いで、CPU1252は、管理者の指示操作に従って、集計対象遊技機を判定する(B5)。集計対象遊技機がスロットマシンであったならば(B5;スロットマシン)、CPU1252は、各店舗それぞれについてループAの処理を実行する(B7〜B21)。ループAでは、CPU1252は、当該店舗に設置されているスロットマシン1000それぞれについて、ループBの処理を実行する(B9〜B19)。
ループBでは、CPU1252は、差数集計データベース360に記憶されている当該店舗のスロット差数集計データを参照して、当該スロットマシン1000について、B3において設定した集計時間帯における差メダルの最大値及び最小値を特定する(B11)。そして、CPU1252は、特定した差メダルの最大値及び最小値を用いて、式(1)に従って差メダル指標値を算出する(B13)。
次いで、CPU1252は、B13で算出した差メダル指標値が、差数指標値閾値設定データ320に記憶されているスロット用閾値に達しているか否かを判定し(B15)、達していると判定したならば(B15;Yes)、当該スロットマシン1000の閾値超過フラグを「ON」に設定する(B17)。そして、CPU1252は、次のスロットマシン1000へと処理を移す。差メダル指標値がスロット用閾値に達していないと判定したならば(B15;No)、CPU1252は、次のスロットマシン1000へと処理を移す。
当該店舗の全てのスロットマシン1000についてB11〜B17の処理を行ったならば、CPU1252は、ループBの処理を終了する(B19)。そして、CPU1252は、次の店舗へと処理を移す。そして、全ての店舗についてループBの処理を行ったならば、CPU1252は、ループAの処理を終了する(B21)。
一方、集計対象遊技機がパチンコ遊技機であったならば(B5;パチンコ遊技機)、CPU1252は、各店舗それぞれについてループCの処理を実行する(B23〜B37)。ループCでは、CPU1252は、当該店舗に設置されているパチンコ遊技機1それぞれについて、ループDの処理を実行する(B25〜B35)。
ループDでは、CPU1252は、差数集計データベース360に記憶されている当該店舗のパチンコ差数集計データを参照して、当該パチンコ遊技機1について、B3において設定した集計時間帯における差玉の最大値及び最小値を特定する(B27)。そして、CPU1252は、特定した差玉の最大値及び最小値を用いて、式(1)に従って差玉指標値を算出する(B29)。
次いで、CPU1252は、B29で算出した差玉指標値が、差数指標値閾値設定データ320に記憶されているパチンコ用閾値に達しているか否かを判定し(B31)、達していると判定したならば(B31;Yes)、当該パチンコ遊技機1の閾値超過フラグを「ON」に設定する(B33)。そして、CPU1252は、次のパチンコ遊技機1へと処理を移す。差玉指標値がパチンコ用閾値に達していないと判定したならば(B31;No)、CPU1252は、次のスロットマシン1000へと処理を移す。
当該店舗の全てのパチンコ遊技機1についてB27〜B33の処理を行ったならば、CPU1252は、ループDの処理を終了する(B35)。そして、CPU1252は、次の店舗へと処理を移す。そして、全ての店舗についてループDの処理を行ったならば、CPU1252は、ループCの処理を終了する(B37)。
ループA又はループCの処理を行うことで集計されたデータは、個別集計データとして個別集計データベース370に記憶される。そして、CPU1252は、集計結果に基づいて個別集計画面の表示を更新する(B39)。
次いで、CPU1252は、集計を終了するか否かを判定する(B41)。例えば、管理者によって個別集計を終了する指示操作がなされた場合に、個別集計を終了すると判定する。個別集計を継続する場合は(B41;No)、CPU1252は、B3へと処理を戻す。一方、個別集計を終了する場合は(B41;Yes)、CPU1252は、個別集計処理を終了する。
図15は、総合集計処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、CPU1252は、表示装置1256に総合集計画面の表示を開始させるように制御する(C1)。総合集計画面は、管理者が総合集計を行うための画面である。なお、総合集計画面については図示を省略する。そして、CPU1252は、管理者の指示操作に従って集計時間帯を設定する(C3)。
次いで、CPU1252は、管理者の指示操作に従って、集計対象遊技機を判定する(C5)。集計対象遊技機がスロットマシンであったならば(C5;スロットマシン)、CPU1252は、管理者の指示操作に従って、集計対象項目を判定する(C7)。
集計対象項目が「機種」であったならば(C7;機種)、CPU1252は、機種別スロット総合集計処理を実行する(C9)。具体的には、スロット管理データベース340に記憶されているスロット管理データに基づいて、個別集計データベース370のスロット個別集計データ371に記憶されている各店舗の各スロットIDのスロットマシン1000に係る個別集計データを機種別にソーティングする。そして、各機種それぞれについて、差メダル指標値の最大値を特定するとともに、差メダル指標値の平均値を算出する。また、各機種それぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているスロットマシン1000の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該機種のスロットマシン1000の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、機種名と、設置台数と、差メダル指標値項目とを対応付けた機種別スロット総合集計データ381Aを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
集計対象項目が「タイプ」であったならば(C7;タイプ)、CPU1252は、タイプ別スロット総合集計処理を実行する(C11)。具体的には、スロット管理データベース340に記憶されているスロット管理データに基づいて、個別集計データベース370のスロット個別集計データ371に記憶されている各店舗の各スロットIDのスロットマシン1000に係る個別集計データをタイプ別にソーティングする。そして、各タイプそれぞれについて、差メダル指標値の最大値を特定するとともに、差メダル指標値の平均値を算出する。また、各タイプそれぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているスロットマシン1000の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該タイプのスロットマシン1000の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、タイプと、設置台数と、差メダル指標値項目とを対応付けたタイプ別スロット総合集計データ381Bを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
集計対象項目が「店舗」であったならば(C7;店舗)、CPU1252は、店舗別スロット総合集計処理を実行する(C13)。具体的には、スロット管理データベース340に記憶されているスロット管理データに基づいて、個別集計データベース370のスロット個別集計データ371に記憶されている各店舗の各スロットIDのスロットマシン1000に係る個別集計データを店舗別にソーティングする。そして、各店舗それぞれについて、差メダル指標値の最大値を特定するとともに、差メダル指標値の平均値を算出する。また、各店舗それぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているスロットマシン1000の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、各店舗のスロットマシン1000の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、店舗名と、設置台数と、差メダル指標値項目とを対応付けた店舗別スロット総合集計データ381Cを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
集計対象項目が「設定値」であったならば(C7;設定値)、CPU1252は、設定値別スロット総合集計処理を実行する(C15)。具体的には、スロット管理データベース340に記憶されているスロット管理データに基づいて、個別集計データベース370のスロット個別集計データ371に記憶されている各店舗の各スロットIDのスロットマシン1000に係る個別集計データを設定値別にソーティングする。そして、各設定値それぞれについて、差メダル指標値の最大値を特定するとともに、差メダル指標値の平均値を算出する。また、各設定値それぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているスロットマシン1000の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該設定値のスロットマシン1000の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、設定値と、設置台数と、差メダル指標値項目とを対応付けた設定値別スロット総合集計データ381Dを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
一方、集計対象遊技機がパチンコ遊技機であったならば(C5;パチンコ遊技機)、CPU1252は、管理者の指示操作に従って、集計対象項目を判定する(C17)。
集計対象項目が「機種」であったならば(C17;機種)、CPU1252は、機種別パチンコ総合集計処理を実行する(C19)。具体的には、パチンコ管理データベース350に記憶されているパチンコ管理データに基づいて、個別集計データベース370のパチンコ個別集計データ372に記憶されている各店舗の各パチンコIDのパチンコ遊技機1に係る個別集計データを機種別にソーティングする。そして、各機種それぞれについて、差玉指標値の最大値を特定するとともに、差玉指標値の平均値を算出する。また、各機種それぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているパチンコ遊技機1の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該機種のパチンコ遊技機1の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、機種名と、設置台数と、差玉指標値項目とを対応付けた機種別パチンコ総合集計データ381Pを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
集計対象項目が「タイプ」であったならば(C17;タイプ)、CPU1252は、タイプ別パチンコ総合集計処理を実行する(C21)。具体的には、パチンコ管理データベース350に記憶されているパチンコ管理データに基づいて、個別集計データベース370のパチンコ個別集計データ372に記憶されている各店舗の各パチンコIDのパチンコ遊技機1に係る個別集計データをタイプ別にソーティングする。そして、各タイプそれぞれについて、差玉指標値の最大値を特定するとともに、差玉指標値の平均値を算出する。また、各タイプそれぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているパチンコ遊技機1の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該タイプのパチンコ遊技機1の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、タイプと、設置台数と、差玉指標値項目とを対応付けたタイプ別パチンコ総合集計データ381Qを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
集計対象項目が「店舗」であったならば(C17;店舗)、CPU1252は、店舗別パチンコ総合集計処理を実行する(C23)。具体的には、パチンコ管理データベース350に記憶されているパチンコ管理データに基づいて、個別集計データベース370のパチンコ個別集計データ372に記憶されている各店舗の各パチンコIDのパチンコ遊技機1に係る個別集計データを店舗別にソーティングする。そして、各店舗それぞれについて、差玉指標値の最大値を特定するとともに、差玉指標値の平均値を算出する。また、各店舗それぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているパチンコ遊技機1の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該店舗のパチンコ遊技機1の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、店舗名と、設置台数と、差玉指標値項目とを対応付けた店舗別パチンコ総合集計データ381Rを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
C9〜C15を行うことで集計されたデータは、スロット総合集計データ381(381A〜381D)として総合集計データベース380に記憶される。また、C19〜C23を行うことで集計されたデータは、パチンコ総合集計データ381(381P〜381R)として総合集計データベース380に記憶される。そして、CPU1252は、集計結果に基づいて総合集計画面の表示を更新する(C25)。
次いで、CPU1252は、集計を終了するか否かを判定する(C27)。例えば、管理者によって総合集計を終了する指示操作がなされた場合に、総合集計を終了すると判定する。総合集計を継続する場合は(C27;No)、CPU1252は、C3へと処理を戻す。一方、総合集計を終了する場合は(C27;Yes)、CPU1252は、総合集計処理を終了する。
なお、上記の個別集計処理において個別集計の結果が表示された個別集計画面や、総合集計処理において総合集計の結果が表示された総合集計画面は、印刷装置1258から印刷させることが可能である。具体的には、CPU1252は、入力装置1255を介して個別集計画面や総合集計画面の印刷操作がなされたと判定した場合に、当該画面を印刷装置1258に印刷させるように制御する。つまり、個別集計処理や総合集計処理で集計された集計データは、印刷装置1258から印刷出力することが可能である。
また、個別集計処理や総合集計処理で集計された集計データは、通信部1257を介して、各店舗のホールコンピュータ1200に送信することが可能である。具体的には、CPU1252は、入力装置1255を介して集計データの送信操作がなされたと判定した場合に、通信部1257からホールコンピュータ1200の通信部1207に、集計データを送信させるように制御する。
[1−6.作用効果]
第1遊技用システムにおいて、管理装置1250は、複数の遊技機として、パチンコ遊技機1及びスロットマシン1000を管理する。具体的には、CPU1252は、遊技機で遊技する遊技者に付与された付与遊技価値であるOUTメダル数及び賞球数と、遊技者が遊技に使用した使用遊技価値であるINメダル数及び打込玉数との差分値である差メダル及び差玉を集計する。そして、CPU1252は、その差メダル及び差玉の集計結果に基づいて、差メダル及び差玉のうち、所定期間である集計時間帯における最小値及び最大値に基づく指標値である差メダル指標値及び差玉指標値を集計する。そして、CPU1252は、差メダル指標値が所定値である差数指標値に達した遊技機に関する遊技機情報を集計する。また、CPU1252は、閾値設定操作に基づいて、差数指標値を可変に設定する。
CPU1252により集計された遊技機情報は、表示装置1256によって表示出力される。具体的には、表示装置1256は、例えば、差メダル指標値がスロット用閾値に達したスロットマシン1000及び差玉指標値がパチンコ用閾値に達したパチンコ遊技機1の閾値超過台数及び閾値超過割合を表示出力する。また、上記の遊技機情報は、印刷装置1258によって印刷出力され、通信部1257からホールコンピュータ1200に送信(出力)される。
これによれば、付与遊技価値と使用遊技価値との差分値のうちの所定期間における最小差分値及び最大差分値に基づく指標値が所定値に達した遊技機に関する遊技機情報を特定可能に出力することで、遊技機の出率や性能を効果的に把握することができる。また、所定値を設定可能とすることで、複数の所定値を用いて、指標値が所定値に達した遊技機に関する遊技機情報を特定することができる。
また、本実施形態では、管理装置1250は、遊技機が設置される複数の店舗を対象として差数を集計し、複数の店舗に設置される遊技機について差数指標値を特定可能に出力する。
これによれば、一の店舗における遊技機の出率や性能を把握する場合と比べて、遊技機の出率や性能を正確に把握することができる。
[1−7.変形例]
[1−7−1.集計対象項目]
上記の実施形態では、スロットマシン1000に係る総合集計において、集計対象項目を機種別、タイプ別、店舗別及び設定値別のいずれかとして説明したが、集計対象項目はこれらに限られるわけではない。例えば、第1設定値が設定された第1遊技機について、第1設定値よりも小さい第2設定値が設定された第2遊技機のうち、差数指標値の最大値が第1遊技機よりも大きい第2遊技機を集計対象項目として集計を行うようにすることも可能である。
具体的には、各店舗に設置されたスロットマシン1000を対象として、例えば、設定値「6」が設定されたスロットマシン1000を第1スロットマシンとし、設定値「5」が設定されたスロットマシン1000を第2スロットマシンとする。そして、第2スロットマシンのうち、差数指標値の最大値が第1スロットマシンよりも大きい第2スロットマシンを特定し、各店舗の設置台数における第2スロットマシンの台数や各店舗の設置台数に占める第2スロットマシンの割合を集計して、特定可能に出力してもよい。
同様に、設定値「5」が設定されたスロットマシン1000を第1スロットマシンとし、設定値「4」が設定されたスロットマシン1000を第2スロットマシンとして集計を行ったり、設定値「4」が設定されたスロットマシン1000を第1スロットマシンとし、設定値「3」が設定されたスロットマシン1000を第2スロットマシンとして集計を行うなどしてもよい。また、設定値「3」が設定されたスロットマシン1000を第1スロットマシンとし、設定値「2」が設定されたスロットマシン1000を第2スロットマシンとして集計を行ったり、設定値「2」が設定されたスロットマシン1000を第1スロットマシンとし、設定値「1」が設定されたスロットマシン1000を第2スロットマシンとして集計を行うなどしてもよい。
上記によれば、設定が低いのに差数指標値が大きいスロットマシンを特定することが可能となり、低い設定でも出率値が高くなっているかのように遊技客に見せることのできるスロットマシンを把握することができる。
また、同一の設定値が設定されたスロットマシン1000について、機種別、タイプ別、店舗別に集計を行うことを可能としてもよい。つまり、同一設定機種別、同一設定タイプ別、同一設定店舗別の遊技機を集計対象項目として集計を行うこととしてもよい。
図16(1)は、集計対象項目を同一設定機種別とした場合の総合集計データである同一設定機種別スロット総合集計データ381Eのデータ構成の一例を示す図である。
同一設定機種別スロット総合集計データ381Eには、スロットマシン1000の機種名と、設定値と、設置台数と、差メダル指標値項目とが対応付けて記憶される。
各機種のスロットマシン1000について、「1」〜「6」の設定値それぞれについて、設置台数と差メダル指標値項目とを総合集計可能に構成されている点が上記の実施形態とは異なる。つまり、同一の設定値が設定されたスロットマシン1000について、機種毎に総合集計を行うことができる。
なお、集計対象項目を同一設定タイプ別、同一設定店舗別として総合集計を行う場合も、上記の同一設定機種別スロット総合集計データと同様のデータを生成すればよい。具体的には、同一設定タイプ別スロット総合集計データと、同一設定店舗別スロット総合集計データとを生成して、総合集計データベース380に記憶させればよい。
図16(2)は、この場合に管理装置1250のCPU1252が実行する総合集計処理のうち、図15のC3〜C25の部分を抜き出したものを図示している。
C3の後、CPU1252は、C7において集計対象項目を判定し、集計対象項目が同一設定機種であると判定したならば(C7:同一設定機種)、同一設定機種別スロット総合集計処理を実行する(C31)。具体的には、スロット管理データベース340に記憶されているスロット管理データに基づいて、個別集計データベース370のスロット個別集計データ371に記憶されている各店舗の各スロットIDのスロットマシン1000に係る個別集計データを同一設定値が設定された機種別にソーティングする。そして、同一設定値が設定された各機種それぞれについて、差メダル指標値の最大値を特定するとともに、差メダル指標値の平均値を算出する。また、同一設定値が設定された各機種それぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているスロットマシン1000の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該機種のスロットマシン1000の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、機種名と、設定値と、設置台数と、差メダル指標値項目とを対応付けた同一設定値機種別スロット総合集計データ381Eを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
集計対象項目が同一設定タイプであると判定したならば(C7:同一設定機種)、CPU1252は、同一設定タイプ別スロット総合集計処理を実行する(C33)。具体的には、スロット管理データベース340に記憶されているスロット管理データに基づいて、個別集計データベース370のスロット個別集計データ371に記憶されている各店舗の各スロットIDのスロットマシン1000に係る個別集計データを同一設定値が設定されたタイプ別にソーティングする。そして、同一設定値が設定された各タイプそれぞれについて、差メダル指標値の最大値を特定するとともに、差メダル指標値の平均値を算出する。また、同一設定値が設定された各タイプそれぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているスロットマシン1000の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該タイプのスロットマシン1000の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、タイプと、設定値と、設置台数と、差メダル指標値項目とを対応付けた同一設定値タイプ別スロット総合集計データを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
集計対象項目が同一設定店舗であると判定したならば(C7:同一設定店舗)、CPU1252は、同一設定機種別スロット総合集計処理を実行する(C35)。具体的には、スロット管理データベース340に記憶されているスロット管理データに基づいて、個別集計データベース370のスロット個別集計データ371に記憶されている各店舗の各スロットIDのスロットマシン1000に係る個別集計データを同一設定値が設定されたスロットマシン1000を対象として店舗別にソーティングする。そして、各店舗それぞれについて、差メダル指標値の最大値を特定するとともに、差メダル指標値の平均値を算出する。また、同一設定値が設定されたスロットマシン1000を対象として、各店舗それぞれについて、閾値超過フラグが「ON」に設定されているスロットマシン1000の台数をカウントして閾値超過台数を判定するとともに、当該店舗のスロットマシン1000の設置台数に対する閾値超過台数の割合を閾値超過割合として算出する。そして、店舗名と、設定値と、設置台数と、差メダル指標値項目とを対応付けた同一設定値店舗別スロット総合集計データを生成して、総合集計データベース380に記憶させる。
C31〜C35の処理を行ったならば、CPU1252は、C25へと処理を移す。以降の処理は、図15と同じである。
式(1)に従って算出される差数指標値は、スロットマシン1000に設定される設定値の大小に比例するわけではない。つまり、設定値が高いからといって、必ずしも実際に差数指標値が高くなるとは限らない。例えば、奇数の設定値(「1」、「3」、「5」)が設定されたスロットマシン1000の差数指標値の最大値が、それぞれ偶数の設定値(「2」、「4」、「6」)が設定されたスロットマシン1000の差数指標値の最大値よりも大きくなるような場合がある。この場合、奇数の設定値が設定されたスロットマシン1000の出率値が、偶数の設定値が設定されたスロットマシン1000の出率値よりも低くなるように設定がなされているにも関わらず、一見すると、奇数の設定値が設定されたスロットマシン1000の方が、偶数の設定値が設定されたスロットマシン1000よりも出ているように見える場合がある。
例えば、1営業日における出率を考えると、差数指標値が大きい遊技機は、差数指標値が小さい遊技機と比べて、その時間帯に遊技を行っている遊技者の収支がプラスとなる回数が多くなる傾向があるため、実際には出率がマイナスであったとしても、差数指標値が大きい遊技機は、遊技客の遊技意欲を高めることができる。
上記のように、同一設定値が設定されたスロットマシン1000を対象として、機種毎やタイプ毎、店舗毎に集計を行うことで、設定値別に機種単位やタイプ単位、店舗単位で差数指標値を対比することができるため、どの設定値のスロットマシン1000が実際に出率値が高くなっているかを店舗側で把握することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、スロットマシン1000についてのみ、いずれの設定値が設定されるかに応じて、付与遊技媒体数の大きさが使用遊技媒体数の大きさに占める割合である出率値の調整を可能として説明したが、スロットマシン1000と同様に、パチンコ遊技機1についても出率値の調整を行うための設定を可能とし、パチンコ遊技機1の設定毎に、上記の総合集計を行うようにしてもよい。
[1−7−2.差数指標値閾値別の集計]
上記の実施形態では、差数指標値閾値として、パチンコ遊技機1及びスロットマシン1000のそれぞれについて、1つの差数指標値閾値のみを設定可能として説明したが、複数の差数指標値閾値を設定可能とし、差数指標値閾値別の集計を行うことを可能としてもよい。
図17は、この場合における差数指標値閾値設定データ320のデータ構成の一例を示す図である。
この差数指標値閾値設定データ320には、差数指標値閾値として、スロット用閾値と、パチンコ用閾値とが定められているが、スロット用閾値として、第1スロット用閾値〜第3スロット用閾値の3つの閾値が定められている。例えば、第1スロット用閾値として「2000枚」、第2スロット用閾値として「4000枚」、第3スロット用閾値として「6000枚」がそれぞれ定められている。
また、パチンコ用閾値として、第1パチンコ用閾値〜第3パチンコ用閾値の3つの閾値が定められている。例えば、第1パチンコ用閾値として「3000発」、第2パチンコ用閾値として「6000発」、第3パチンコ用閾値として「9000発」がそれぞれ定められている。
上記のように複数の差数指標値閾値を設定した場合、例えば、設定した差数指標値毎に総合集計を行って、差メダル指標値が各スロット用閾値に達したスロットマシン1000及び差玉指標値が各パチンコ用閾値に達したパチンコ遊技機1に関する遊技機情報、例えば上記の実施形態で説明した閾値超過台数や閾値超過割合を集計して、差数指標値毎に出力可能とすればよい。
[1−7−3.差分値の算出]
上記の実施形態では、管理装置1250のCPU1252が差数(差玉及び差メダル)を算出することとして説明したが、これに代えて、ホールコンピュータ1200のCPU1202が差数を算出することとしてもよい。この場合は、ホールコンピュータ1200が、算出した差数を店舗別遊技データに含めて、管理装置1250に送信するようにする。そして、管理装置1250のCPU1252が、各店舗のホールコンピュータ1200から受信した店舗別データに含まれる差数に基づいて、各店舗における各遊技機の差数を集計するようにすればよい。
[2.第2実施形態]
[2−1.遊技用システム]
図18は、第2実施形態における第2遊技用システムのシステム構成の一例を示す図である。
第2遊技用システムでは、第1遊技用システムとは異なり、管理センタ(管理装置1250)が設けられておらず、各店舗に設置されたホールコンピュータ1200が管理装置として、自店舗におけるパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000に関する集計を行う。この場合にホールコンピュータ1200が行う集計は、第1実施形態で説明した個別集計及び総合集計と同様である。
具体的には、ホールコンピュータ1200のCPU1202は、自店舗に設置されたパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000から入力した信号に基づいて、差数(差玉及び差メダル)を算出して集計し、集計時間帯における差数指標値(差玉指標値及び差メダル指標値)を算出して個別集計する。そして、個別集計の集計結果を用いて、上記の実施形態と同様に、スロットマシン1000の場合には、機種毎、タイプ毎、設定値毎に総合集計を行い、パチンコ遊技機1の場合には、機種毎、タイプ毎に総合集計を行う。そして、CPU1202は、個別集計で生成された個別集計データや総合集計で集計された総合集計データを、表示装置1206に表示出力させる。また、CPU1202は、個別集計データや総合集計データを、印刷装置1208に印刷出力させる。
[2−2.集計方法]
具体的には、ホールコンピュータ1200のCPU1202は、当該店舗に設置される各パチンコ遊技機1それぞれについて、第1実施形態と同様に、賞球信号及び打込信号に基づいて賞球数及び打込玉数を特定し、特定した賞球数及び打込玉数を用いて差玉を算出して集計する。そして、CPU1202は、算出した差玉を用いて、所定期間における差玉指標値を式(1)に従って算出し、差玉指標値がパチンコ用閾値に達しているパチンコ遊技機1を、機種別やタイプ別に集計する。そして、CPU1202は、その集計データを表示装置1206に表示出力させたり、印刷装置1208に印刷出力させたり、通信部1207から自店舗に設けられる遊技用装置に送信(出力)させる。
同様に、ホールコンピュータ1200のCPU1202は、当該店舗に設置される各スロットマシン1000それぞれについて、第1実施形態と同様に、メダルOUT信号及びメダルIN信号に基づいてOUTメダル数及びINメダル数を特定し、特定したOUTメダル数及びINメダル数を用いて差メダルを算出して集計する。そして、CPU1202は、算出した差メダルを用いて、所定期間における差メダル指標値を式(1)に従って算出し、差メダル指標値がスロット用閾値に達しているスロットマシン1000を、機種別やタイプ別、設定値に集計する。そして、CPU1202は、その集計データを表示装置1206に表示出力させたり、印刷装置1208に印刷出力させたり、通信部1207から自店舗に設けられる遊技用装置に送信(出力)させる。
なお、第1実施形態の変形例で説明したように、差メダル指標値がスロット用閾値に達しているスロットマシン1000を、同一設定機種別や同一設定タイプ別に集計して、その集計結果を表示装置1206に表示させてもよい。
[2−3.作用効果]
本実施形態では、ホールコンピュータ1200が、遊技機が設置される一の店舗を対象として差数を集計し、該店舗に設置される遊技機について、所定期間における差数指標値が所定の閾値に達している遊技機に関する遊技機情報を集計して、特定可能に出力する。
これによれば、一の店舗における遊技機の出率や性能を把握することができる。
[3.第3実施形態]
[3−1.遊技用システム]
図19は、第3実施形態における第3遊技用システムのシステム構成の一例を示す図である。
第3遊技用システムでは、パチンコ遊技機1及びスロットマシン1000に対応して、これらの遊技機の上に呼出ランプ装置1300が設けられている。
呼出ランプ装置1300は、正面視で横長の箱形の形状を呈する遊技用装置及び情報表示装置の一種であり、遊技機で遊技を行っている遊技者が店員を呼び出すために用いられる他、遊技機からの信号を受けて該遊技機に関する遊技情報を、前面に設けられた表示器1302に表示可能に構成されている。
本実施形態において、ホールコンピュータ1200は、第1通信部1207と第2通信部1208との2つの通信部を備えて構成される。第1通信部1207は、管理装置1250と相互に通信可能に構成されており、管理装置1250に対して店舗別遊技データを送信し、管理装置1250から集計データを受信する。
また、第1通信部1207は、パチンコ遊技機1及びスロットマシン1000から出力される機械識別信号を、台端末1220を介して入力する。前述した実施形態とは異なり、パチンコ遊技機1からホールコンピュータ1200に対しては賞球信号が出力されず、アウト玉計数器1120からホールコンピュータ1200に対しては打込信号が出力されず、機械識別信号のみがパチンコ遊技機1からホールコンピュータ1200に出力される。スロットマシン1000についても同様に、スロットマシン1000からホールコンピュータ1200に対してはメダルOUT信号及びメダルIN信号が出力されず、機械識別信号のみがスロットマシン1000からホールコンピュータ1200に出力される。
また、パチンコ遊技機1から出力される賞球信号は呼出ランプ装置1300に入力され、アウト玉計数器1120から出力される打込信号は呼出ランプ装置1300に入力される。また、スロットマシン1000から出力されるメダルOUT信号及びメダルIN信号は呼出ランプ装置1300に入力される。
この場合、呼出ランプ装置1300のCPUは、入力した賞球信号及び打込信号に基づいて、付与遊技媒体数である賞球数及び使用遊技媒体数である打込玉数を特定する。また、呼出ランプ装置1300のCPUは、入力したメダルOUT信号及びメダルIN信号に基づいて、付与遊技媒体数であるOUTメダル数及び使用遊技媒体数であるINメダル数を特定する。
第2通信部1208は、遊技機に対応して設けられた呼出ランプ装置1300と通信可能に接続されている。第2通信部1208は、パチンコ遊技機1に対応して設けられた呼出ランプ装置1300から、賞球数及び打込玉数を、台端末1220を介して入力する。また、第2通信部1208は、スロットマシン1000に対応して設けられた呼出ランプ装置1300から、OUTメダル数及びINメダル数を、台端末1220を介して入力する。
[3−2.集計方法]
第3遊技用システムにおいて、ホールコンピュータ1200のCPU1202は、第2通信部1208に入力される自店舗に設置された各遊技機それぞれに対応して設けられた呼出ランプ装置1300から出力される賞球数及び打込玉数と、OUTメダル数及びINメダル数とを用いて、自店舗に設置された各遊技機に関する店舗別遊技データを生成する。そして、CPU1202は、生成した店舗別遊技データを、第1通信部1207をから管理装置1250に送信させる。そして、管理装置1250のCPU1252は、複数の店舗のホールコンピュータ1200から受信した店舗別遊技データに基づいて。第1実施形態で説明した手法と同様の手法を用いて、個別集計及び総合集計を行う。
つまり、第3遊技用システムでは、第1遊技用システムとは異なり、管理装置1250が、複数の店舗の各遊技機から出力される信号に基づいて個別集計及び総合集計を行うのではなく、複数の店舗の各遊技機に対応して設けられる遊技用装置の一種である呼出ランプ装置1300から出力される情報に基づいて個別集計及び総合集計を行う。
集計を行う。
[3−3.作用効果]
第3遊技用システムにおいて、複数の遊技機それぞれに対応して、遊技用装置の一種である呼出ランプ装置1300が設けられる。管理装置1250は、遊技機で遊技する遊技者に付与された付与遊技媒体数及び遊技者が遊技に使用した使用遊技媒体数を特定可能な情報を、複数の店舗それぞれに設置されたホールコンピュータ1200を介して呼出ランプ装置1300から受信する。そして、管理装置1250は、呼出ランプ装置1300から受信した情報に基づいて差数を算出して集計し、個別集計及び総合集計を行って、その集計結果を特定可能に出力する。
これによれば、遊技機に対応して設けられた遊技用装置から受信した付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を特定可能な情報に基づいて、付与遊技媒体数と使用遊技媒体数との差数を集計することができる。また、管理装置1250の管理者は、複数の店舗における遊技機の出率や性能を把握することができる。
[3−4.変形例]
[3−4−1.遊技用装置]
上記の第3遊技用システムにおいて、遊技用装置として、呼出ランプ装置1300の代わりに、遊技機に対応してカードユニット1100を設けることとしてもよい。
図20は、変形例としての第3遊技用システムのシステム構成の一例を示す図である。
この第3遊技用システムでは、パチンコ遊技機1及びスロットマシン1000に対応して、これらの遊技機の隣にカードユニット1100が設けられている。
カードユニット1100は、正面視で縦長の箱形の形状を呈する遊技用装置及び記録媒体処理装置の一種である。詳細は図21及び図22を用いて後述するが、カードユニット1100は、遊技場に会員登録をしていないビジタ遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジタカードや、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受け付けて、該ビジタカード又は会員カードに記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額やカード残額)から特定される有価価値の大きさに基づき、当該遊技機での遊技に使用される遊技媒体を貸与するための処理や、当該遊技機での遊技で獲得された遊技媒体を計数して、当該計数済みの遊技媒体数の範囲内の遊技媒体を払い出す処理を行う。
この場合、管理装置1250は、図19で説明した第3遊技用システムと同様に、各店舗に設置されるホールコンピュータ1200を介して、当該店舗の遊技機に対応して設けられるカードユニット1100から付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を特定可能な情報を受信する。そして、管理装置1250は、受信した付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を特定可能な情報に基づいて差数を算出して集計し、上記の実施形態と同様に、差数指標値に係る個別集計及び総合集計を行う。
[3−4−2.集計の主体]
上記の図19及び図20の第3遊技用システムにおいて、第2遊技用システムと同様に、ホールコンピュータ1200が付与遊技媒体数と使用遊技媒体数との差数を集計して、特定可能に出力するようにしてもよい。つまり、ホールコンピュータ1200が、自店舗に設置された全ての遊技機を対象として、各遊技機に対応して設けられた呼出ランプ装置1300やカードユニット1100から受信した付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を特定可能な情報に基づいて差数を算出して集計し、前述した個別集計及び総合集計を行って、その集計結果を特定可能に出力するようにしてもよい。
[3−4−3.付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を特定可能な情報]
上記の遊技用装置が、付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を特定可能な情報として、差数の情報をホールコンピュータ1200に出力するようにしてもよい。具体的には、図19及び図20に示すように、パチンコ遊技機1に対応して設けられた呼出ランプ装置1300やカードユニット1100が、賞球数及び打込玉数を出力する代わりに、差玉をホールコンピュータ1200に出力するようにしてもよい。また、スロットマシン1000に対応して設けられた呼出ランプ装置1300やカードユニット1100が、OUTメダル数及びINメダル数を出力する代わりに、差メダルをホールコンピュータ1200に出力するようにしてもよい。
[3−4−4.センサによる付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数の検出]
上記の実施形態では、遊技用装置が、対応して設けられた遊技機から信号を受信して、付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を特定することとして説明した。しかし、これに代えて、遊技用装置がセンサによって付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を自立的に検出するようにしてもよい。
具体的には、例えば、賞球によって遊技者に付与された遊技媒体数を付与遊技媒体数として計数し、遊技者が所持する所持遊技媒体数(持玉、持メダル)の中から規定数の遊技媒体を使用遊技媒体数として払い出す制御を行う計数払出ユニットを上記のカードユニット1100に具備する構成が考えられる。
この場合、計数払出ユニットが、付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を検出するセンサとして機能する。そして、カードユニット1100は、計数払出ユニットにより検出された付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を、ホールコンピュータ1200に出力するようにしてもよい。これによれば、カードユニット1100は、遊技機から信号を入力する必要がなく、内蔵するセンサによって付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を検出することができる。
[3−4−5.遊技用装置が送信する情報]
上記の第3実施形態とは異なり、管理装置1250やホールコンピュータ1200が差数や差数指標値の集計を行うために必要な情報のうちの一部の情報を、呼出ランプ装置1300やカードユニット1100等の遊技用装置から送信するようにし、残りの情報を他の装置から送信するようにしてもよい。つまり、管理装置1250やホールコンピュータ1200が集計を行うために必要な全ての情報を遊技用装置から送信する構成に限らず、一部の情報を遊技用装置から送信する構成としてもよい。
例えば、パチンコ遊技機1について、遊技用装置からは、賞球数を特定可能な情報がホールコンピュータ1200に送信されるようにし、アウト玉計数器1120からは、打込玉数を特定可能な情報がホールコンピュータ1200に送信されるようにしてもよい。
[4.第4実施形態]
第4実施形態は、本発明に係る遊技機を、遊技玉を装置内部に封入させて遊技を行う封入方式パチンコ遊技機1’と、遊技点方式によって遊技を行う遊技点方式スロットマシン1000’とする場合の実施形態である。
[4−1.遊技用システム]
図21及び図22は、第4実施形態における第4遊技用システムのシステム構成の一例を示す図である。
第4遊技用システムでは、遊技機として、パチンコ遊技機1の代わりに封入方式パチンコ遊技機1’が、スロットマシン1の代わりに遊技点方式スロットマシン1000’が設けられている。
[4−2.封入方式パチンコ遊技機]
上記の実施形態において、遊技機は、例えばパチンコ遊技機1での遊技に使用する遊技球を打球供給皿3から投入して、遊技領域に発射された遊技球が入力領域に入賞すると、打球供給皿3又は余剰球受皿4に賞球が払出されるものであるが、遊技機は、このように遊技機外部からの遊技球の投入や遊技機外部への遊技球の払出しを要することなく遊技を行うことが可能な封入方式のパチンコ遊技機1’(以下、「封入方式パチンコ遊技機」という。)であっても良い。
このような封入方式パチンコ遊技機1’を設置する場合の遊技データの集計に関して図21及び図22を用いて説明する。このような封入方式パチンコ遊技機1’では、内部に遊技球を封入しており、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、発射モータを駆動させて遊技球を1発ずつ遊技領域に打込んで遊技ができるように構成されている。ここで、遊技球の発射は、マイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える払出制御基板1B(図22参照)に電気的に接続される玉上げスイッチにより検出される。また、遊技領域に打込まれた遊技球のうち、アウト口に侵入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチによって検出される。また、発射された遊技球が遊技領域に跳出せずに戻ってきたファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチによって検出される。これらアウト玉検出スイッチ及びファール玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板1Bに電気的に接続されている。
また、各入賞口(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉及びファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には、払出制御基板1Bに電気的に接続される発射玉検出スイッチが設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチによって検出される。回収玉通過経路を通過した遊技球は、打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、再びその打球発射位置の遊技球が遊技領域に打込まれる。この発射玉スイッチの検出数と、発射モータにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
このように、玉上げスイッチ、アウト玉検出スイッチ、及びファール玉検出スイッチ、並びに発射玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板1Bに電気的に接続されており、払出制御基板1Bにおいて各スイッチの動作、即ち遊技球の通過を検出可能である。また、各入賞口に入賞した遊技球は各入賞口に対応して設けられる入賞センサによって検出される。入賞センサはマイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える主制御基板1A(図22参照)に電気的に接続され、入賞センサによる入賞を検出した主制御部は、遊技球が入賞した入賞口を特定可能な入賞信号を払出制御基板1Bに送信する。なお、払出制御基板1Bは、パチンコ遊技機1’の電源投入時に主制御基板1Aから入賞口の種類(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)と、各入賞口に対応する賞球数(各入賞口に遊技球が入賞したときの払出玉数)とを含む入賞口情報を受信しているため、主制御基板1Aから受信した入賞信号に基づいて、遊技球が入賞した入賞口に対応する賞球数を特定可能である。
[4−3.カードユニット]
封入方式パチンコ遊技機1’や後述する遊技点方式スロットマシン1000’の隣には、当該遊技機に対応する遊技用装置としてカードユニット1100が設けられる。カードユニット1100の前面(遊技者側)には、紙幣挿入口1103、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部に設けられる表示器1102、及び、プリペイドカード(会員登録を行っていない非会員遊技者が使用可能なビジタカード及び会員登録を行った会員遊技者が使用可能な会員カードを含む)を挿入可能なカード挿入口1101等が設けられている。遊技者は、カード挿入口1101にプリペイドカードを挿入し、カードリーダライタ(以下、カードR/Wという)により読み取られたカードIDに関連付けて残額管理装置(図示せず)で管理されているプリペイド残額を使用して、当該カードユニット1100と通信可能に接続される遊技機での遊技を行うことができる。また、紙幣挿入口1103から挿入した紙幣は貨幣識別器(図示せず)により真贋及び種別が識別され、識別された種別に相当する金額が、カードR/Wが受け付けているプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額に加算される。
図22に示すように、カードユニット1100には、マイクロコンピュータ等から構成されたカードユニット制御部(以下、CU制御部という)1120が設けられている。このCU制御部1120は、カードユニット1100の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。前述した貨幣識別器及びカードR/Wは、CU制御部1120と電気的に接続されている。また、表示器1102は、CU制御部1120に電気的に接続された表示制御部1110で変換された表示用データが出力される。
CU制御部1120には、セキュリティ上の管理を行うホールサーバ1230と通信を行うための外部通信部(図示せず)が設けられている。ホールサーバ1230は、ホールコンピュータ1200と通信可能に接続されている。CU制御部1120には、パチンコ遊技機1’の払出制御基板1Bとセキュリティを確保しながら通信を行うためのセキュリティ基板(図示せず)が接続される。このセキュリティ基板は、カードユニット1100のセキュリティ監視機能部である。カードユニット1100には、封入方式パチンコ遊技機1’への接続部が設けられている。これら接続部は、例えばコネクタ等で構成されている。払出制御基板1BとCU制御部1120との間ではシリアル通信が行われ、CU制御部1120とホールサーバ1230とは図示しない台端末を介してシリアル通信が行われる。
遊技者が封入方式パチンコ遊技機1’で遊技を行うときには、封入方式パチンコ遊技機1’又はカードユニット1100に設けられている玉貸ボタンを操作して、使用するプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額の一部又は全部を、「遊技玉数」に変換して遊技を開始する。即ち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば500円分のプリペイド価値を125の遊技玉数に変換可能である。この遊技玉数はCU制御部1120に記憶されると共に、パチンコ遊技機1’の払出制御基板1Bにも送信され、払出制御基板1BのRAMに記憶される。
払出制御基板1Bは、玉上げスイッチにより遊技球の発射が検出されたときには、RAMで記憶する遊技中玉数(発射後に発射玉検出スイッチにより検出されていない玉数であり、遊技領域に浮遊している浮遊玉の玉数)に1を加算し、減算カウンタ(遊技玉数から減算すべき玉数の記憶領域)の値に1を加算する。また、払出制御基板1Bは、主制御基板1Aから入賞信号を受信したときには、入賞信号が示す入賞口に応じた賞球数を加算カウンタ(遊技玉数に加算すべき玉数の記憶領域)の値に加算する。また、払出制御基板1Bは、ファール玉検出スイッチによりファール玉が検出されたときには、加算カウンタの値に1を加算し、遊技中玉数から1を減算する。また、払出制御基板1Bは、発射玉検出スイッチにより打込まれた遊技球の回収が検出されたときには、遊技中玉数から1を減算する。
払出制御基板1Bでは、このようにして遊技中玉数を管理しており、遊技中玉数が異常値となった場合には、玉詰まりや不正等の可能性があるため、ブザー等により異常を報知する。また、払出制御基板1Bでは、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部1120に対して、更新後の減算カウンタの値(減算玉数)や更新後の加算カウンタの値(加算玉数)を送信する。そして、払出制御基板1Bでは、記憶する「遊技玉数」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技玉数」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部1120では、減算カウンタの値(減算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算玉数に受信した減算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技玉数」から受信した減算玉数を減算する。また、加算カウンタの値(加算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算玉数に受信した加算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技玉数」に受信した加算玉数を加算する。
このようにしてCU制御部1120では「遊技玉数」が更新され、この「遊技玉数」は表示器1102に表示され、遊技者が確認可能である。なお、CU制御部1120は、CU制御部1120で記憶される更新後の「遊技玉数」と、払出制御基板1Bから受信した当該払出制御基板1Bで記憶される更新後の「遊技玉数」との照合を行い、両者が一致しなければ、エラー状態に移行する制御を行う。なお、封入方式パチンコ遊技機1’が遊技玉数等の遊技情報表示用の表示器を備えており、封入方式パチンコ遊技機1’において、払出制御基板1Bが記憶する「遊技玉数」が表示されるようにしても良い。また、封入方式パチンコ遊技機1’の表示器が表示制御部1120に接続されており、その表示器にCU制御部1120が記憶する「遊技玉数」が表示されるようにしても良い。
「遊技玉数」は、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない精算ボタンの操作や、プリペイドカードの返却操作に応じて)、「持玉数」に変換可能である。「持玉数」とは、遊技者が当日の遊技で獲得した価値であって、遊技場に預け入れられていない(貯玉管理装置で管理されていない)価値である。「持玉数」は、プリペイドカードのカードIDに関連付けて持玉サーバで管理され、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない持玉プレイボタンの操作)に応じて、「遊技玉数」に変換可能である。また、会員遊技者の「持玉数」は、当日の営業終了後又は当日の遊技場店員の貯玉操作によって「貯玉数」に変換される。「貯玉数」とは、遊技者が遊技で獲得した価値であって遊技場に預け入れられた(貯玉管理装置で管理されている)価値である。「貯玉数」は、会員カードのカードIDに関連付けて貯玉管理装置で管理され、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない再プレイボタンの操作)に応じて、「遊技玉数」に変換可能である。なお、「持玉数」及び「貯玉数」は、表示器1102に表示可能である。
封入方式パチンコ遊技機1’の払出制御基板1BがCU制御部1120と電気的に接続されたときには、主制御基板1Aのメインチップに記録されているメインチップIDが、払出制御基板1B、及びCU制御部1120を介してホールサーバ1230及びホールコンピュータ1200に送信される。送信されたメインチップIDは、封入方式パチンコ遊技機1’の台番号に関連付けてホールコンピュータ1200で管理される。これによって、封入方式パチンコ遊技機1’の筐体単位ではなく主制御基板単位(遊技盤単位)での遊技情報の管理が可能となる。なお、メインチップIDに当該封入方式パチンコ遊技機1’の機種を特定可能な情報が含まれている場合には、ホールコンピュータ1200において台番号と当該封入方式パチンコ遊技機1の機種を関連付けることも可能となる。
また、CU制御部1120は、所定のタイミングで(例えば所定の時間間隔毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算玉数及び総減算玉数を送信する。ホールコンピュータ1200はホールサーバ1230と通信して、ホールサーバ1230から受信した総加算玉数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230から受信した総減算玉数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
ここで、遊技機メーカによって、遊技機(封入方式パチンコ遊技機1’、遊技点方式スロットマシン1000’)から出力される出力データのフォーマットが異なるため、CU制御部1120では、その種々のフォーマットの出力データを、所定のフォーマットに演算(変換)して台端末経由でホールサーバ1230に出力する。その演算(変換)のための設定データは、CU制御部1120に入力されて記憶されるようになっている。「所定のフォーマット」とは、例えば、送信情報の出力ピンの割当てや信号の出力長さである。
また、ホールコンピュータ1200の仕様や設定によっては、データ受信フォーマットが異なっているため、ホールサーバ1230では、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットを、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するようにしている。
ここで、カードユニット1200におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチする場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることができる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを通信可能に接続しても良い。また、仮に、カードユニット1100におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチしない場合であっても、カードユニット1100とホールコンピュータ1200との間に介在する台端末が、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットをホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するフォーマット変換機能を有する場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることもできる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを台端末を介して通信可能に接続しても良い。
[4−4.遊技点方式スロットマシン]
上記の実施形態において、遊技機は、例えばスロットマシン1000での遊技に使用するメダルをメダル投入部1029から投入して、役が成立したとき(あるいは精算スイッチ1028が操作されてクレジットが返却されるとき)に、メダル払出口1030からメダルが払出されるものであるが、遊技機は、このように遊技機外部からのメダルの投入や遊技機外部へのメダルの払出しを要することなく遊技を行うことが可能な遊技点方式のスロットマシン1000’(以下、「遊技点方式スロットマシン」という。)であっても良い。遊技点方式スロットマシン1000’は、図22に示すように、スロットマシン1000’における遊技を制御するメイン制御部となるマイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える遊技制御基板1000Aと、該遊技制御基板1000Aから入力される信号を外部機器へ出力する外部出力基板1000Bとを備える。
このような遊技点方式スロットマシン1000’を設置する場合の遊技データの集計に関して図21及び図22を用いて説明する。このような遊技点方式スロットマシン1000’では、封入方式パチンコ遊技機1’と同様に、対応するカードユニット1100によってプリペイド価値を「遊技点」に変換して遊技に使用する。「遊技点」は、封入方式パチンコ遊技機1’における「遊技玉数」に該当する。即ち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば1000円分のプリペイド価値を50の遊技点(遊技点1は1枚のメダルに相当する)に変換可能である。この遊技点はCU制御部1120に記憶される。
このような遊技点方式スロットマシン1000’では、遊技点を用いて賭数を設定する。メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際には、1枚BETスイッチを操作し、遊技状態に応じて定められた最大の賭数を設定する際には、MAXBETスイッチを操作する。スタートスイッチの操作に応じた各リールの回転開始及び各ストップボタンの操作に応じた各リールの回転停止に関しては、前述したメダル投入方式のスロットマシン1000と同様である。
ここで、スタートスイッチが操作されたときには、設定された賭数に相当する遊技点が減算点数となり、遊技制御基板1000AのRAMに記憶される減算カウンタの値に減算点数が加算される。そして、全てのリールが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せが各リールの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が加算点数となり、遊技制御基板1000AのRAMに記憶される加算カウンタの値に加算点数が加算される。
また、遊技制御基板1000Aでは、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部1120に対して、更新後の減算カウンタの値(減算点数)や更新後の加算カウンタの値(加算点数)を送信する。そして、遊技制御基板1000Aでは、記憶する「遊技点」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技点」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部1120では、減算カウンタの値(減算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算点数に受信した減算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」から受信した減算点数を減算する。また、加算カウンタの値(加算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算点数に受信した加算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」に受信した加算玉数を加算する。
また、CU制御部1120は、所定のタイミングで(例えば総加算点数、総減算点数が更新される毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算点数及び総減算点数を送信する。ホールコンピュータ1200は、ホールサーバ1230を介してCU制御部1120から受信した総加算点数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230を介してCU制御部1120から受信した総減算点数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
このように、遊技用装置であるカードユニット110は、遊技機およびホールコンピュータ1200と通信可能であり、遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200に送信する送信手段(CU制御部1120)を備え、送信手段は遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200向けに変換して送信する又は変換する装置(ホールサーバ、台端末)に中継するための情報変換手段(外部通信部)を備える。これによれば、遊技機により生成された情報を直接的にはホールコンピュータ1200で識別できない場合でも、遊技機により生成された情報がホールコンピュータ1200向けに変換されて入力されるので、このような遊技機の遊技情報を集計可能である。
また、遊技機に対応して設けられるカードユニット1100において、当該遊技機における遊技において使用された使用遊技価値(総減算玉数,総減算点数)を集計可能であると共に、当該遊技機における遊技において付与された付与遊技価値(総加算玉数,総加算点数)を集計可能である。
また、カードユニット1100と同様にして、遊技機に対応して設けられる呼出ランプ装置1300において、当該遊技機における遊技において使用された使用遊技価値(総減算玉数,総減算点数)を集計可能であると共に、当該遊技機における遊技において付与された付与遊技価値(総加算玉数,総加算点数)を集計可能としても良い。
[4−5.集計方法]
管理装置1250は、ホールコンピュータ1200から、封入方式パチンコ遊技機1’及び遊技点方式スロットマシン1000’における総加算点数及び総減算点数を含む店舗別遊技データを受信する。そして、受信した店舗別遊技データに基づいて、各店舗の各遊技機の総加算点数と総減算点数との点数差を算出して集計し、所定期間における点数差の最大値及び最小値に基づいて、点数差指標値を算出する。そして、算出した点数差指標値が所定の閾値点数に達している遊技機に関する遊技機情報を集計して、特定可能に出力する。
なお、管理装置1250の代わりに、ホールコンピュータ1200が、封入方式パチンコ遊技機1’及び遊技点方式スロットマシン1000’における総加算点数及び総減算点数の情報を受信するようにしてもよい。そして、受信した情報に基づいて、自店舗の各遊技機の総加算点数と総減算点数との点数差を算出して集計し、所定期間における点数差の最大値及び最小値に基づいて点数差指標値を算出し、点数差指標値が所定の閾値点数に達している遊技機に関する遊技機情報を集計して、特定可能に出力するようにしてもよい。
[5.第5実施形態]
[5−1.遊技用システム]
図23は、第5実施形態における第5遊技用システムのシステム構成の一例を示す図である。
第5遊技用システムでは、パチンコ遊技機1及びスロットマシン1000に対応して、図19で説明した呼出ランプ装置1300が設けられている。
パチンコ遊技機1に対応して設けられた呼出ランプ装置1300は、対応するパチンコ遊技機1から賞球信号及び打込信号を入力可能に構成されている。また、スロットマシン1000に対応して設けられた呼出ランプ装置1300は、対応するスロットマシン1000からメダルIN信号及びメダルOUT信号を入力可能に構成されている。
パチンコ遊技機1に対応して設けられた呼出ランプ装置1300は、ホールコンピュータ1200からパチンコ用閾値の設定データであるパチンコ用閾値設定データを入力可能に構成されているとともに、店員が所持する設定用リモコン1400からパチンコ用閾値設定データを無線通信によって受信可能に構成されている。
また、スロットマシン1000に対応して設けられた呼出ランプ装置1300は、ホールコンピュータ1200からスロット用閾値の設定データであるスロット用閾値設定データを入力可能に構成されているとともに、店員が所持する設定用リモコン1400からスロット用閾値設定データを無線通信によって受信可能に構成されている。
[5−2.集計方法]
第5遊技用システムでは、ホールコンピュータ1200の代わりに、呼出ランプ装置1300のCPUが、対応して設けられた遊技機に関する個別集計を行う。
具体的には、パチンコ遊技機1に対応して設けられた呼出ランプ装置1300のCPUは、当該パチンコ遊技機1から出力される賞球信号及び打込信号に基づいて賞球数及び打込玉数を特定し、特定した賞球数及び打込玉数を用いて差玉を算出し、所定期間における最小差玉及び最大差玉に基づいて、式(1)に従って差玉指標値を算出する。そして、CPUは、パチンコ用閾値設定データに基づいて、差玉指標値がパチンコ用閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定したならば、当該パチンコ遊技機1の差玉指標値が閾値に達している旨を表示器1302に表示出力する。また、呼出ランプ装置1300のCPUは、当該パチンコ遊技機1の差玉指標値が閾値に達していることをホールコンピュータ1200に通知する。
また、スロットマシン1000に対応して設けられた呼出ランプ装置1300のCPUは、当該スロットマシン1000から出力されるメダルOUT信号及びメダルIN信号に基づいてOUTメダル数及びINメダル数を特定する。そして、CPUは、特定したOUTメダル数及びINメダル数を用いて差メダルを算出し、所定期間における最小差メダル及び最大差メダルに基づいて、式(1)に従って差メダル指標値を算出する。そして、CPUは、スロット用閾値設定データに基づいて、差メダル指標値がスロット用閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定したならば、当該スロットマシン1000の差メダル指標値が閾値に達している旨を表示器1302に表示出力する。また、呼出ランプ装置1300のCPUは、当該スロットマシン1000の差メダル指標値が閾値に達していることをホールコンピュータ1200に通知する。
なお、呼出ランプ装置1300が表示器1302には、例えば、対応して設けられるパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000の当日の差数指標値(差玉指標値、差メダル指標値)や、過去所定期間(例えば過去3日間や過去1週間)における日別の差数指標値の最大値や平均値を表示出力させることができる。また、当日の差数指標値が閾値に達しているか否かに関わらず、過去所定期間における日別の差数指標値の最大値や平均値が差数指標値閾値に達しているか否かを表示器1302に表示させることとしてもよい。
[5−3.作用効果]
これによれば、遊技機であるパチンコ遊技機1、スロットマシン1000に対応して呼出ランプ装置1300が設けられる。呼出ランプ装置1300のCPUは、遊技機で遊技する遊技者に付与された付与遊技媒体数と遊技者が遊技に使用した使用遊技媒体数との差数を判定する。そして、呼出ランプ装置1300のCPUは、差数のうちの所定の集計時間帯における最小差数及び最大差数に基づき算出される差数指標値が所定の閾値に達したか否かを判定する。そして、その判定結果は表示器1302に表示出力され、ホールコンピュータ1200に出力される。また、呼出ランプ装置1300のCPUは、差数指標値閾値を設定可能に構成される。
これによれば、パチンコ遊技機1及びスロットマシン1000に対応して設けられる呼出ランプ装置1300において、遊技客が、当該パチンコ遊技機1及び当該スロットマシン1000の出率や性能を把握することが可能となる。また、自店舗に設置されたパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000の出率や性能を、店舗の管理者が、ホールコンピュータ1200で確認することが可能となる。
[5−4.変形例]
[5−4−1.カードユニット]
上記の実施形態では、遊技機に対応して設けられる遊技用装置を呼出ランプ装置1300として説明したが、遊技用装置はこれに限られるわけではない。例えば、遊技機に対応して、図20で説明したカードユニット1100を設けることとしてもよい。
図示は省略するが、この変形例としての第5遊技用システムにおいて、パチンコ遊技機1に対応して設けられるカードユニット1100は、対応するパチンコ遊技機1から賞球信号及び打込信号を入力可能に構成される。また、スロットマシン1000に対応して設けられるカードユニット1100は、対応するスロットマシン1000からメダルIN信号及びメダルOUT信号を入力可能に構成される。
パチンコ遊技機1に対応して設けられるカードユニット1100は、ホールコンピュータ1200からパチンコ用閾値の設定データであるパチンコ用閾値設定データを入力可能に構成されるとともに、店員が所持する設定用リモコン1400からパチンコ用閾値設定データを無線通信によって受信可能に構成される。
同様に、スロットマシン1000に対応して設けられたカードユニット1100は、ホールコンピュータ1200からスロット用閾値の設定データであるスロット用閾値設定データを入力可能に構成されるとともに、店員が所持する設定用リモコン1400からスロット用閾値設定データを無線通信によって受信可能に構成される。
この場合は、ホールコンピュータ1200の代わりに、カードユニット1100が、対応して設けられた遊技機に関する集計を行う。具体的には、パチンコ遊技機1に対応して設けられたカードユニット1100は、当該パチンコ遊技機1から出力される賞球信号及び打込信号に基づいて賞球数及び打込玉数を特定し、特定した賞球数及び打込玉数を用いて差玉を算出する。そして、所定期間における最小差玉及び最大差玉に基づいて、式(1)に従って差玉指標値を算出する。そして、パチンコ用閾値設定データに基づいて、差玉指標値がパチンコ用閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定した場合には、その旨を示す情報を表示器1102に表示出力する。また、カードユニット1100は、その旨をホールコンピュータ1200に通知する。
また、スロットマシン1000に対応して設けられたカードユニット1100は、当該スロットマシン1000から出力されるメダルOUT信号及びメダルIN信号に基づいてOUTメダル数及びINメダル数を特定し、特定したOUTメダル数及びINメダル数を用いて差メダルを算出する。そして、所定期間における最小差メダル及び最大差メダルに基づいて、式(1)に従って差メダル指標値を算出する。そして、スロット用閾値設定データに基づいて、差メダル指標値がスロット用閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定した場合には、その旨を示す情報を表示器1102に表示出力する。また、カードユニット1100は、その旨をホールコンピュータ1200に通知する。
なお、カードユニット1100の表示器1102には、前述した呼出ランプ装置1300と同様に、対応して設けられるパチンコ遊技機1及びスロットマシン1000の当日の差数指標値(差玉指標値、差メダル指標値)や、過去所定期間(例えば過去3日間や過去1週間)における日別の差数指標値の最大値や平均値を表示させることができる。また、当日の差数指標値が差数指標値閾値に達しているかや、過去所定期間における日別の差数指標値の最大値や平均値が差数指標値閾値に達しているか否かを表示器1102に表示させることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、呼出ランプ装置1300やカードユニット1100が、差数指標値閾値の設定データ(パチンコ用閾値設定データ、スロット用閾値設定データ)を、ホールコンピュータ1200及び店員が所持する設定用リモコン1400から受信可能として説明した。しかし、必ずしもこの両方による差数指標値閾値の設定を可能としなければならないわけではなく、いずれか一方による差数指標値閾値の設定のみを可能としてもよい。例えば、設定用リモコン1400による差数指標値閾値による設定を優先して行うようにしてもよい。
また、設定用リモコン1400を用いるのではなく、店員が呼出ランプ装置1300に設けられる操作ボタンを操作して、手入力で差数指標値閾値の設定を行うことを可能としてもよい。
[5−4−2.集計システム]
上記の第5遊技用システムでは、遊技用装置の一種である呼出ランプ装置1300又はカードユニット1100が、対応する遊技機を対象として差数指標値に係る集計を行うこととして説明した。しかし、これに代えて、呼出ランプ装置1300やカードユニット1100等の遊技用装置が、ホールコンピュータ1200を介して、自店舗に設置された他の遊技用装置に対応する遊技機に関する情報を取得することで、自店舗に設置された各遊技機を対象として差数指標値に係る集計を行うこととしてもよい。例えば、自店舗に設置された全ての遊技機を対象として、遊技用装置が、遊技機の機種別やタイプ別、設定値別(スロットマシン)に差数指標値に係る集計を行うようにしてもよい。
また、遊技用装置同士を、通信ケーブルを用いて有線通信接続し、又は、無線通信方式を利用して無線通信接続するなどして、対応して設けられた遊技機に関する情報を遊技用装置間で相互に伝送することを可能とし、自店舗に設置された各遊技機を対象として、上記と同様の差数指標値に係る集計を行うこととしてもよい。
つまり、遊技機に対応して設けられる遊技用装置であって、
複数の遊技機での遊技に関する情報を外部装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した情報に基づいて、前記複数の遊技機それぞれで遊技する遊技者に付与された付与遊技価値と前記遊技者が遊技に使用した使用遊技価値との差分値を集計する差分値集計手段と、
前記差分値集計手段による集計に基づいて、前記差分値のうちの所定期間における最小差分値及び最大差分値に基づく指標値が所定値に達した遊技機に関する遊技機情報を特定可能に出力する遊技機情報出力手段と、
前記所定値を設定可能な所定値設定手段と、
を備えることを特徴とする遊技用装置を構成してもよい。
これによれば、付与遊技価値と使用遊技価値との差分値のうちの所定期間における最小差分値及び最大差分値に基づく指標値が所定値に達した遊技機に関する遊技機情報を特定可能に出力することで、遊技客は、遊技機の出率や性能を効果的に把握することができる。また、所定値を設定可能とすることで、複数の所定値を用いて、指標値が所定値に達した遊技機に関する遊技機情報を特定して出力することができる。
また、呼出ランプ装置1300やカードユニット1100等の遊技用装置が、管理装置1250やホールコンピュータ1200から、複数の店舗や自店舗における各遊技機を対象として差数を集計したデータである差数集計データを受信し、この受信した差数集計データに基づいて、所定期間における各遊技機の差数指標値を算出するようにしてもよい。そして、算出した差数指標値が差数指標値閾値に達した遊技機に関する遊技機情報を特定可能に出力するようにしてもよい。
また、上記の遊技用装置が、管理装置1250やホールコンピュータ1200から、複数の店舗や自店舗における各遊技機を対象として差数指標値を集計したデータである差数指標値集計データを受信し、この受信した差数指標値集計データに基づいて、差数指標値が差数指標値閾値に達した遊技機に関する遊技機情報を特定可能に出力するようにしてもよい。
なお、管理装置1250やホールコンピュータ1200等の管理装置と、呼出ランプ装置1300やカードユニット1100等の遊技用装置との間で、前述した複数の集計に係る処理を分担させ、管理装置と遊技用装置との間で相互に集計データの送受を可能としてもよい。
具体的には、例えば、遊技用装置が差数の集計を行い、管理装置が、遊技用装置から受信した差数集計データに基づいて差数指標値を算出して、差数指標値が閾値に達した遊技機に関する遊技機情報を集計して特定可能に出力するようにしてもよい。また、例えば、遊技用装置が差数及び差数指標値の集計を行い、管理装置が、遊技用装置から受信した差数指標値集計データに基づいて、差数指標値が閾値に達した遊技機に関する遊技機情報を集計して特定可能に出力するようにしてもよい。
なお、集計に係る処理の分担のバリエーションは上記に限られず、適宜設定変更することが可能である。
[6.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[6−1.管理装置]
上記の第1実施形態では、本発明に係る管理装置を、管理センタに設置される管理装置とし、第2実施形態では、本発明に係る管理装置を、店舗に設置されるホールコンピュータとして説明した。しかし、管理装置はこれらに限られるわけではない。例えば、各店舗において、遊技島毎に設置される台端末を管理装置としてもよいし、台端末とホールコンピュータとを中継する中継コンピュータを設置し、この中継コンピュータを本発明に係る管理装置としてもよい。
また、遊技者の持玉や持メダルを管理するための持玉管理コンピュータ(持玉管理サーバ)や、会員登録されている会員遊技客の情報を管理するための会員管理コンピュータ(会員管理サーバ)、遊技客が所持する会員カードやビジタカードの情報を管理するためのカード管理コンピュータ(カード管理サーバ)を店舗に設置し、これらの管理コンピュータ(管理サーバ)を、本発明に係る管理装置としてもよい。
また、上記のホールコンピュータ、持玉管理コンピュータ、会員管理コンピュータ及びカード管理コンピュータのうちの2以上の機能を兼ねたコンピュータを本発明に係る管理装置としてもよい。
[6−2.遊技用装置]
上記の実施形態では、差数の集計及び出力を行う遊技用装置として呼出ランプ装置及びカードユニットを例に挙げて説明したが、遊技用装置はこれらに限られるわけではない。例えば、遊技機の上に設置され、大型の液晶ディスプレイによって遊技客に対して当該遊技機での遊技に関する遊技データを表示するデータ表示装置を、本発明に係る遊技用装置としてもよい。
また、遊技機の隣に設置され、前述した計数払出ユニットを具備し、各台計数システムによって付与遊技媒体数及び使用遊技媒体数を計数可能なユニットである台間計数ユニットを、本発明に係る遊技用装置としてもよい。
[6−3.遊技価値]
上記の実施形態では、遊技機で遊技する遊技者に付与された付与遊技価値を遊技者に付与された付与遊技媒体数とし、遊技者が遊技に使用した使用遊技価値を使用遊技媒体数とする場合を例に挙げて説明した。
しかし、第4実施形態で説明したように、付与遊技価値や使用遊技価値は、封入方式や遊技点方式の遊技機における加算点数や減算点数であってもよい。この場合は、加算点数と減算点数との点数差を本発明に係る差分値として、上記の実施形態と同様の集計を行えばよい。具体的には、加算点数と減算点数との点数差を算出して集計し、所定期間における点数差の最小値と最大値とを用いて、式(1)と同様の算出方法を用いて、点数差指標値を算出する。そして、算出した点数差指標値が所定の閾値点数に達している遊技機に関する遊技機情報を集計して、特定可能に出力するようにすればよい。
また、遊技者が遊技媒体に触れることなく遊技を行うことが可能な各台計数システムにおいて、遊技者に付与された付与遊技媒体数に相当する付与相当カード額や付与相当プリペイド度数を付与遊技価値とし、遊技者が遊技に使用した使用カード額や使用プリペイド度数を使用遊技価値としてもよい。この場合は、付与相当カード額と使用カード額との差カード額や、付与相当プリペイド度数と使用相当プリペイド度数との差プリペイド度数を本発明に係る差分値として、上記の実施形態と同様の集計を行えばよい。但し、カード額は円単位の額であり、プリペイド度数は「カード額÷100」によって算出される度数である。
[6−4.差数指標値]
上記の実施形態では、本発明に係る指標値として、所定期間における最大差数δMAXと最小差数δMINとを用いて、式(1)に従って差数指標値αを算出することとして説明したが、本発明に係る指標値はこれに限られるわけではない。
具体的には、所定期間における最大差数δMAXの絶対値と最小差数δMINの絶対値とを用いて差数指標値を算出してもよい。例えば、次式(2)に従って差数指標値βを算出してもよい。
β=|δMIN|−|δMAX|・・・(2)
また、所定期間における最大差数δMAXの絶対値と最小差数δMINの絶対値との比率に基づいて、当該比率が小さくなるほど値が大きくなるような演算式に従って差数指標値を算出してもよい。例えば、次式(3)に従って差数指標値γを算出してもよい。
γ=(δMAX−δMIN)/(|δMAX|/|δMIN|)・・・(3)
式(2)、式(3)に従って算出された差数指標値β、差数指標値γについても、上記の実施形態で説明したように、それぞれの差数指標値が差数指標値閾値に達しているか否かを判定し、差数指標値が差数指標値閾値に達している遊技機に関する遊技機情報を集計して、特定可能に出力するようにすればよい。
また、例えば、所定期間において差数が負の第1閾値以下や未満となった差数(最小差数δMINを含む。)の平均値である第1差数平均値と、所定期間において差数が正の第2閾値以上や超となった差数(最大差数δMAXを含む。)の平均値である第2差数平均値とを用いて、式(1)〜(3)と同様の演算式を用いて、差数指標値を算出することとしてもよい。
[6−5.所定期間]
上記の実施形態では、本発明に係る所定期間を、1時間単位や2時間単位、半日単位、1日単位といった集計時間帯に相当する期間として説明したが、所定期間はこれらに限らず、例えば、2日単位や3日単位、1週間単位といった、1日よりも長い集計時間帯に相当する期間としてもよい。
また、個別集計における集計時間帯と総合集計における集計時間帯とは、必ずしも同じ集計時間帯である必要はなく、個別集計における集計時間帯と総合集計における集計時間帯とは異なっていてもよい。例えば、個別集計における集計時間帯は1時間単位や2時間単位の集計時間帯とし、総合集計における集計時間帯は半日単位や1日単位の集計時間帯としてもよい。
[6−6.集計対象とする遊技機]
上記の実施形態では、集計対象とする遊技機をパチンコ遊技機(通常のパチンコ遊技機1及び封入方式パチンコ遊技機1’)とスロットマシン(通常のスロットマシン1000及び遊技点方式スロットマシン1000’)との両方として説明したが、必ずしも両方の遊技機を集計対象としなければならないわけではなく、パチンコ遊技機とスロットマシンとのうちのいずれか一方の遊技機のみを集計対象としてもよいことは勿論である。
[6−7.情報を併用した集計方法]
上記の第1実施形態や第2実施形態において、管理装置1250やホールコンピュータ1200が遊技機から出力される信号に基づいて差数指標値に係る集計を行うのではなく、遊技機から出力される情報と、遊技用装置から出力される情報とを併用して、差数指標値に係る集計を行うこととしてもよい。
例えば、遊技機から管理装置1250やホールコンピュータ1200に対しては機械識別信号のみを送信することとし、上記の管理装置は、遊技機(パチンコ遊技機1、スロットマシン1000)から受信した機械識別信号に基づいて、各遊技機のID及び各遊技機と各遊技用装置との対応関係を特定する。
また、遊技用装置から管理装置1250やホールコンピュータ1200に対しては差数データ(差数の時系列データ:差玉データ、差メダルデータ)を送信することとし、上記の管理装置は、遊技用装置から受信した差数データに基づいて、差数を算出する。そして、遊技機から送信される信号に基づいて特定した各遊技機のID及び各遊技機と各遊技用装置と、遊技用装置から送信される情報に基づいて特定した差数データに基づいて、各遊技機それぞれについて算出した差数を集計し、前述した個別集計及び総合集計を行うようにすればよい。
[6−8.異なる設定下での集計]
また、上記の実施形態では、スロットマシン1000に係る集計において、同一設定値が設定されたスロットマシン1000について集計を行うこととして説明した。しかし、必ずしもこのような集計を行う必要はなく、異なる設定値が設定されたスロットマシン1000について集計を行うこととしてもよい。例えば、設定値「5」が設定されたスロットマシン1000や、設定値「6」が設定されたスロットマシン1000は、出玉率や機械割が高く、遊技者は特に関心があるため、設定値「5」が設定されたスロットマシン1000と、設定値「6」が設定されたスロットマシン1000とを対象として、差数指標値が差数指標値閾値に達した遊技機の台数や割合をそれぞれ算出して、それぞれ比較可能に出力するようにしてもよい。
[6−9.シミュレーション機能]
以下、上記の実施形態で説明した管理装置1250やホールコンピュータ1200等の管理装置が、パチンコ遊技機1を対象として、各種のシミュレーションを行うシミュレーション機能に係る実施形態について説明する。
[6−9−1.第1シミュレーション機能]
図24に示す第1シミュレーション機能に係る管理装置としてのホールコンピュータ1200は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機としてのパチンコ遊技機における遊技にて発生した遊技情報を管理する。遊技情報は、パチンコ遊技機や、該パチンコ遊技機に対応して設けられ該パチンコ遊技機において遊技に使用されて該パチンコ遊技機から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器から出力される各種信号に基づいて集計される。例えば、ホールコンピュータ1200は、遊技情報として当該遊技場に設置されている各遊技機の時間帯毎の稼働率や差玉数等の収支を集計している。
本シミュレーション機能のホールコンピュータ1200は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス1201に、当該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理を実施する記憶制御手段としてのCPU1202、ワークメモリ等として使用されるRAM1203、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置1204、キーボードやマウス等の入力装置1205、各種画面等を表示出力するための表示装置1206や、遊技機や遊技用装置等とのデータ通信を行う通信手段としての通信部1207が接続された通常のコンピュータである。記憶装置1204には、当該遊技場に設置された各遊技機の時間帯毎の稼働率等が遊技情報として記憶されている。
また記憶装置1204には、該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理内容が記述された処理プログラムに加えて、パチンコ遊技機の稼働を算出するためのシミュレーションプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、CPU1202によってRAM1203に読み込まれて実行される。
本例におけるシミュレーションの対象となるパチンコ遊技機1は、前述したように、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定の入賞価値を遊技者に与えるように構成されたものとする。さらに、遊技領域に設けられている始動領域を遊技球が通過したことに基づいて特別図柄(識別情報)を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示部が設けられ、可変表示部における可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことに基づいて特定遊技状態(所謂大当り遊技状態)に制御されるものとする。なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである。そして特定遊技状態においては所定の遊技価値が遊技者に付与される。なお、入賞価値とは、入賞領域への遊技球の入賞に応じて賞球を払い出したり得点や景品を付与したりすることである。また、遊技価値とは、特定表示結果となった場合に遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
また、通信部1207には、遊技機や遊技用装置から出力された各種信号が入力される他、遊技場外の管理センタに設けられた管理装置1250により管理されている統計データが入力される。管理センタに設けられる管理装置1250は、複数の遊技場各々に設けられている情報管理装置(例えばホールコンピュータ)と通信可能に接続されている。管理装置1250は、各遊技場の情報管理装置から遊技情報を収集し、これに基づく統計データを作成して各遊技場の情報管理装置に提供するものである。
CPU1202は、所定の操作、例えば表示装置1206に表示された「償却シミュレーションアイコン」が入力装置1205により選択されたことに応じて、図25に示す償却シミュレーションプログラムを実行する。償却シミュレーションプログラムは、シミュレーションプログラムの一種であり、遊技機の仕様(スペック)に応じた想定稼働率に基づいて遊技機の償却日数をシミュレートするものである。
償却シミュレーションにおいては、まず、遊技機の想定稼働率を郊外型とするか都心型とするかを確認する(S101)。想定稼働率を郊外型とするか又は都心型とするかは、予め当該遊技場の管理者等が、当該遊技場の立地を勘案して入力装置1205等により設定しており、その設定内容は記憶装置1204の所定領域に記憶されている。次いで、償却シミュレーションの実行対象となる遊技機の機種を表示装置1206にリスト表示する(S102)。ここでは、例えば新たに発表された新機種がリスト表示される。管理者は入力装置1205によって、リスト表示されている新機種の中から導入予定の機種を選択可能である。これによれば、遊技場に導入予定の機種について償却シミュレーションを実行して導入の可否を検討することができる。また、例えば遊技場内の遊技機が当該ホールコンピュータ1200と通信可能に接続されたときに、その遊技機から当該遊技機の製造者を示す製造者IDおよび当該遊技機の型式(機種)を示す型式IDを含む機械識別情報が出力される場合には、その機械識別情報に基づいて特定される遊技機の機種のリストを表示するようにしても良い。これによれば、遊技場に設置された遊技機を対象として償却シミュレーションを実行し、遊技機の入れ替え等を検討することができる。なお、管理装置1250が機種のリストを記憶しておき、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて提供するようにしても良い。
リスト表示がされている中からの機種の選択が完了したときには(S103でYES)、管理装置1250から選択機種の稼働率曲線を取得する。この例では、設定されている想定稼働率が郊外型か都心型か、および、選択された機種の大当り確率が低いか高いか(所謂MAXタイプであるかライトタイプであるか)に応じて、管理装置1250より異なる稼働率曲線を取得する(S104)。ここで大当り確率とは、可変表示部の表示結果が特定表示結果となる割合であり、本例では、その割合が最も低い(例えば1/399である)機種をMAXタイプ、その割合が最も高い(例えば1/99である)機種をライトタイプと称している。
図26(a)に示すように、郊外型の場合、MAXタイプの稼働率は開店時(10:00)から夕方にかけて徐々に上昇し、夕方以降は急激に低下している。これは、MAXタイプにおいては、大当りが発生するまでに通常はある程度の時間を要するため、帰宅時間や閉店時間等、遊技場を退出しなければならない時間までの残り時間が少ない場合には選択され難いという事情があるためである。一方、ライトタイプの稼働率は、開店時から夕方にかけて、すなわち長時間の遊技を行うことが可能な時間帯では、MAXタイプよりも低く推移しているが、夕方から閉店間際にかけてはMAXタイプよりも高い稼働率で推移する。これは、ライトタイプの場合には、遊技を開始してから比較的早く大当りが発生することを期待できるため、遊技場を退出しなければならない時間までの残り時間が少ない場合にも選択され易いという事情があるためである。このように、遊技場の営業時間終了前の所定期間、本例では17:00〜22:00の期間において、MAXタイプとライトタイプとで稼働率が逆転するという特徴がある。
一方、図26(b)に示すように、都心型の場合、MAXタイプの稼働率は開店時(10:00)から夕方にかけてライトタイプに近い稼働率で推移する。これは、郊外型と比較してサラリーマンが多く、空き時間で遊技を行いたいというニーズが多いため、短時間で大当りの発生し易いライトタイプが選択され易いという事情が存在することによるものである。また、MAXタイプおよびライトタイプのいずれに関しても、夕方から夜にかけて稼働率が急激に上昇する(16:00〜20:00)。これは仕事帰りのサラリーマンが遊技を開始することによるものである。そして、サラリーマンが帰宅時間を考慮して遊技を終了することにより、20:00を過ぎると郊外型よりも急速に稼働率が低下する。都心型の場合も郊外型と同様に、遊技場の営業時間終了前の所定期間、本例では18:00〜22:00の期間においては、ライトタイプの稼働率がMAXタイプの稼働率を上回って推移する。このように、郊外型および都心型のいずれの場合にも、遊技場の営業時間終了前の所定期間は、ライトタイプがMAXタイプの稼働率を上回るという実情がある。
図26に示す各稼働率曲線は、管理装置1250が各遊技場のホールコンピュータ1200から受信した遊技情報に基づいて作成した統計データの一例である。ここでホールコンピュータ1200は、営業時間中における各遊技機の稼働率推移を集計している。例えば、各遊技機の稼働判定は、打込信号の入力等に基づいて行われる。そして、営業時間終了後に機種毎の稼働率推移を集計して、その集計結果を管理装置1250に対して送信している。管理装置1250では、各遊技場毎に機種毎の稼働率推移を管理可能である。また、複数の遊技場の平均データを算出することも可能であり、例えば、機種毎に、複数の遊技場についての平均稼働率曲線を算出することが可能である。
また、ホールコンピュータ1200から管理装置1250に集計結果を送信する際には、当該ホールコンピュータ1200の識別情報が送信される。管理装置1250側では、その識別情報に関連付けて、当該識別情報に係るホールコンピュータ1200が設置されている遊技場の住所を特定可能な情報(例えば郵便番号等)が管理されている。従って、管理装置1250においては、識別情報に基づいてそのホールコンピュータ1200が都心の遊技場に設置されているか、あるいは郊外の遊技場に設置されているのかも特定可能である。そのため、管理装置1250において、機種毎に、郊外の遊技場についての平均稼働率曲線を算出することが可能であり、都心の遊技場についての平均稼働率曲線を算出することも可能である。このようにして算出した所定の機種(MAXタイプ、ライトタイプ)、所定の立地条件(郊外型、都心型)毎の平均稼働率曲線は、統計データとして管理装置1250に管理されており、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて提供可能となっている。
従って、各遊技場は、自らの遊技場には導入していないが、他の遊技場には導入されている機種の平均稼働率曲線を取得することも可能である。これによれば、未導入の機種に関して他の遊技場における稼働実績に基づいたシミュレーションを実行可能である。また、管理装置1250は、いずれの遊技場にも導入されていない機種の稼働率曲線を要求された場合、その機種に近い仕様の機種に関する稼働率曲線を提供することも可能である。また、管理装置1250は、いずれの遊技場にも導入されていない機種の稼働率曲線を要求された場合、その機種が所謂シリーズ物、例えば、共通のキャラやストーリー、テーマをモチーフとした新機種である場合には、そのシリーズ物に係る前の機種に関する稼働率曲線を提供することも可能である。なお、各遊技場のホールコンピュータ1200において、自己の遊技場の集計結果に基づいて稼働率曲線を作成し、その稼働率曲線に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。また、各遊技場のホールコンピュータ1200において、任意の稼働率曲線を作成し、その稼働率曲線に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。
S104では、設定内容及び選択機種に応じて、郊外型のMAXタイプ及びライトタイプ、並びに、都心型のMAXタイプ及びライトタイプのうちのいずれかの稼働率曲線を管理装置1250より取得する。さらに、償却残額=選択機種の価格として初期値の設定を行う(S105)。ここで選択機種の価格は入力装置1205によって直接入力するようにしても良く、予めホールコンピュータ1200においてリスト表示する各機種の価格を記憶しておくようにしても良い。なお、管理装置1250が各機種の価格を記憶しておき、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて提供するようにしても良い。
次いで、表示装置1206に収支割合の入力欄を表示する(S110)。収支割合とは、遊技者が遊技に使用した遊技価値に対する獲得した遊技価値の大きさである。例えば、遊技者が10000円相当の遊技媒体の貸出を受けて遊技した結果、12000円相当の遊技媒体を獲得した場合には、収支割合が120%となる。一方、遊技者が10000円相当の遊技媒体の貸出を受けて遊技した結果、8000円相当の遊技媒体しか獲得できなかった場合には、収支割合が80%となる。すなわち、収支割合>100%の場合には遊技者の利益になり、収支割合<100%の場合には遊技場の利益になる。遊技場は、収支割合<100%となる所定の収支割合を設定することにより、所定期間での遊技機の償却が可能となる。
収支割合が入力された場合には(S111でYES)、入力された収支割合に応じた集客指数曲線を管理装置1250より取得する(S112)。図27には集客指数曲線の一例を示している。集客指数曲線とは、遊技機の導入初日における1日の平均稼働率(以下、日中平均稼働率と称する場合がある)を1とした場合に、導入日数の経過に伴いどのように日中平均稼働率が推移するかを示す曲線である。この集客指数曲線も、管理装置1250から提供される統計データの一例である。通常は、導入日をピークとして徐々に日中平均稼働率が低下していく。ここで、前述した図26(a)および(b)に示した稼働率曲線は、いずれも導入初日、すなわち導入日数0(集客指数=1)における営業時間中の稼働率推移を示す曲線となっている。集客指数は導入日数毎の稼働率の係数ともいえる。
また、集客指数曲線は設定された収支割合に応じて相違する。これは、収支割合に応じて日中平均稼働率が変動するという実情を反映している。例えば、図27に示すように、収支割合を95%とした場合よりも、収支割合を85%とした場合に集客指数が早い段階で低下している。これは、遊技者にとって不利な収支設定とした場合には集客指数が低下し易いという傾向があるためである。
ここでホールコンピュータ1200は、各遊技機の日中平均稼働率を集計すると共に、各遊技機の収支も集計している。また、各遊技機の導入日からの経過日数(導入日数)も管理している。各遊技機の収支は、例えば差玉数(打込玉数−賞球数)に基づいて算出される。そして、営業時間終了後に各遊技機に関する日中平均稼働率と当日の収支を、各遊技機の導入日数と共に管理装置1250に対して送信している。管理装置1250では、遊技機の収支割合毎(例えば5%毎)に、導入日数と日中平均稼働率との関係を集計し、その結果を収支割合毎の集客指数曲線として管理している。集客指数曲線は遊技場毎に管理されており、管理装置1250は、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて、当該ホールコンピュータ1200が設置される遊技場に係る集客指数曲線を提供可能である。
次いで、導入日数を0に設定して(S113)、S104で取得した稼働率曲線に係る稼働率値(Y座標の値)に、当該導入日数(当初0)における集客指数(当初1)を乗じることによって、当該導入日数における稼働率曲線を決定する(S114)。S114により、各導入日数に対応した稼働率曲線が決定されることになる。そして、設定された収支割合と決定された稼働率曲線に基づいて当該導入日数における償却額(1日あたりの償却額)を算出する。例えば、1時間あたりの遊技球の打込玉数の上限を10000とし、遊技媒体の貸与価値を1玉4円として計算すると、1時間100%の稼働率で稼働した場合の打込玉数に係る貸与価値は40000円となる。この場合に、収支割合を95%に設定していた場合には、1時間の稼働あたり2000円が償却金額となり、収支割合を85%に設定していた場合には、1時間の稼働あたり6000円が償却金額となる。
このシミュレーション機能では、S114で決定された当該導入日に係る稼働率曲線に基づいて1時間毎の稼働率を特定し、(1時間毎の稼働率/100)×40000×((100−収支割合)/100)により1時間毎の償却額を算出する。そして、1時間毎の償却額の推移とこれに伴う償却残額の推移を記憶しておくものとする。このようにして記憶した1時間毎の償却額の推移および償却残額の推移は、所定の操作により表示装置1206に表示可能である。そして、当該導入日数における営業開始時間から営業終了時間までの償却額の合計を、当該導入日数における償却額として算出する(S115)。
なお、上記の例では決定された稼働率曲線に基づいて1時間毎の稼働率を特定し、1時間毎の償却額を算出するとしているが、これに限らず、S115では、当該導入日数に係る稼働率曲線から当該導入日数における営業時間中の日中平均稼働率を算出し、(日中平均稼働率/100)×1日の営業時間(例えば12時間)×40000×((100−収支割合)/100)により、当該導入日数における償却額を算出するようにしても良い。次いで、現在の償却残額からS115で算出した当該導入日数における償却額を減算することにより、償却残額を減算更新する(S116)。そして、導入日数に1を加算する(S117)。そして、減算更新後の償却残額が0以下となったか否かを判定する(S118)。0以下となっていなければ(S118でNO)、S114にすすみ、更新された導入日数に係る稼働率曲線を決定して、当該導入日数における償却額を算出し、償却残額を更新する処理を繰り返す(S114〜S116)。一方、S118で減算更新後の償却残額が0以下となった場合には(S118でYES)、現在の導入日数を償却日数として表示装置1206に表示して(S119)、償却シミュレーションを完了する。
S119の処理によって、図28に示すように、S103で選択された機種およびS111で入力された収支割合と共に、算出された償却日数が表示される。償却シミュレーションは、S103で選択する機種やS111で入力する収支割合を異ならせて連続的に実行することが可能である。その結果、図28に示すように、機種毎の償却日数が、入力された収支割合と共に表示される。これにより遊技場の管理者は、機種毎に償却日数を比較することができる。この例では、MAXタイプのCR−AAAが、収支割合90%に設定されたときに償却日数が20日と算出され、ライトタイプのCR−BBBが、収支割合90%に設定されたときに償却日数が16日と算出されている。
このようにして算出される償却日数は、遊技場の営業時間終了前の所定期間において、大当り確率の低い機種よりも大当り確率の高い機種が比較的選択されやすいという実情を反映させたシミュレーション結果である。仮に、遊技場の営業時間終了前におけるこのような実情を反映させずにシミュレーションを実行した場合、信頼性のある結果は得られず、償却日数の誤算により遊技場が損害を被ることにもなりかねない。本シミュレーション機能では、営業時間終了前の遊技者の立ち回りに即したシミュレーションを実行することにより、算出される償却日数の信頼性を高めている。
図29は、導入日数の経過に応じた償却残額の推移を示すグラフであり、償却シミュレーションの実行中に表示装置1206に表示される。S116における償却残額の更新に対応した棒グラフの推移により、徐々に償却残額が減少する様子を示している。この例では、導入日数が18日のときに償却残額が0となっており、この場合の償却日数は18日となる。
また本シミュレーション機能では、図26に示したように、郊外型であるか又は都心型であるかに応じて異なる稼働率曲線が設けられている。これにより、遊技場の立地に応じた信頼性の高いシミュレーションを実行可能となる。さらに本シミュレーション機能では、遊技機の導入日からの経過日数に応じて稼働率が低下していくという実情を反映した償却シミュレーションを実行しているため、経過日数にかかわらず稼働率を一定する場合と比較して、現実の遊技者の立ち回りに即した信頼性の高いシミュレーションを実行することができる。
[6−9−2.第2シミュレーション機能]
次に、第2シミュレーション機能に係る管理装置としてのホールコンピュータ1200について、第1シミュレーション機能と異なる点について説明する。第2シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200は、第1シミュレーション機能と異なり、遊技機で遊技を行う遊技者が当該遊技場の会員として会員登録を受けた遊技者であるか、あるいは会員登録を受けていないビジタ遊技者であるかに応じて、遊技場の営業時間終了前における遊技機の稼働率を相違させて償却シミュレーションを実行するものである。
図30に示す第2シミュレーション機能に係る償却シミュレーションにおいては、まず、償却シミュレーションの実行対象となる遊技機の機種を表示装置1206にリスト表示する(S202)。リスト表示がされている中からの機種の選択が完了したときには(S203でYES)、さらに、償却残額=選択機種の価格として初期値の設定を行う(S204)。これらの処理に関しては第1シミュレーション機能と同様である。
次いで、会員モデルの稼働率曲線とビジタモデルの稼働率曲線のいずれの稼働率曲線に基づいて償却シミュレーションを実行するのかを選択させる画面を表示する(S205)。次いで選択されたモデル、すなわち会員モデルまたはビジタモデルのいずれかに応じた稼働率曲線を取得する(S205でYESと判定されてS206を実行する)。ここで、会員モデルの稼働率曲線とは、図31の実線で示すように、シミュレーション対象となる遊技機での遊技を行う遊技者として、当該遊技場の会員となるための会員登録を受けている遊技者を想定した場合の稼働率曲線である。また、ビジタモデルの稼働率曲線とは、図31の点線で示すように、シミュレーション対象となる遊技機での遊技を行う遊技者として、会員登録を受けていないビジタ遊技者を想定した場合の稼働率曲線である。
これらの稼働率曲線の相違は、遊技場の営業時間終了前の所定期間(ここでは営業時間終了間際の1時間)における稼働率である。会員遊技者は、会員登録を行っていることにより会員カードを有している。そして、遊技終了後は、手元にある遊技媒体数を、その会員カードのカードID(または会員ID)に関連付けて管理される貯玉数に加算することが可能となる。例えば、会員遊技者は、手元にある遊技媒体数を貯玉数に加算する場合、遊技場の島端部等に設置されている遊技媒体計数装置に会員カードを挿入し、遊技媒体数を計数させることによって、計数された遊技媒体数が会員カードのカードID(または会員ID)に関連付けて管理されている貯玉数に加算されることになる。
この貯玉数は、会員遊技者が遊技に再使用可能な貯蓄遊技価値の大きさであり、次回遊技を行うときには、現金をカードユニットに投入して玉貸を行わずとも貯玉数の範囲内で貯玉を使用して遊技を行うことが可能である。例えば、遊技場内に設けられている貯玉再プレイ装置に会員カードを挿入して暗証番号入力後、使用する貯玉数を入力することで、入力された貯玉数が提供されて、これを遊技に再使用可能となる。一方、会員カードを有していないビジタ遊技者は、遊技終了後に、手元にある遊技媒体数をその遊技媒体数に応じた景品と交換する作業が必要となる。遊技場の営業時間終了間際の時間帯においては、遊技を終了した遊技客で景品交換カウンタが混雑するケースも多く、遊技者はこれを見越して早めに遊技を切り上げることになる。そのため、遊技場の営業時間終了前の所定期間(この例では営業時間終了間際の1時間)は、会員遊技者が遊技を終了する確率と比較してビジタ遊技者が遊技を終了する確率が高くなる。図31に示す稼働率曲線は、このような遊技者の立ち回りが反映されたものである。
また、遊技機に対応して各台計数装置が設けられている場合がある。各台計数装置とは、各遊技機に対応して設けられ、遊技者に払い出された遊技媒体数を計数可能な装置である。各台計数装置が備えられたカードユニットに会員カードを挿入して遊技を行った場合、営業時間中に計数された遊技媒体数は持玉数として管理され、当日の遊技に使用可能となる。一方、営業時間終了後には、持玉数は自動的に貯玉数に加算されることになり、翌日以降の遊技に使用可能となる。そのため会員遊技者は、遊技終了時における持玉数を貯玉数に加算するための特段の作業を行わずとも良い。一方、各台計数装置が設けられている場合にも、ビジタ遊技者は貯玉を行うことができないため、遊技終了時の持玉数に応じた景品交換が必要となる。従って、各台計数装置が設けられている場合であっても、遊技場の営業時間終了前の所定期間(この例では営業時間終了間際の1時間)は、会員遊技者が遊技を終了する確率と比較してビジタ遊技者が遊技を終了する確率が高くなる。
また、図31に示す各稼働率曲線は、管理装置1250が各遊技場のホールコンピュータ1200から受信した遊技情報に基づいて作成した統計データの一例である。ホールコンピュータ1200は、営業時間中における会員遊技者数およびビジタ遊技者数の推移を集計可能である。ホールコンピュータ1200は、各遊技機に対応して設けられているカードユニットに会員カードが挿入された場合に、その会員カードの挿入を検出し、カードユニットから会員カードが排出された場合には、その会員カードの排出を検出するものである。従って、会員カードが挿入されているカードユニット数(すなわち遊技機数)を、遊技を行っている会員遊技者の数として集計可能である。また、ホールコンピュータ1200は、各遊技機に対応して設けられているアウト玉計数器からの打込信号が入力されている。従って、対応するカードユニットに会員カードが挿入されていないが打込信号が出力されている遊技機数を、遊技を行っているビジタ遊技者の数として集計可能である。これにより営業時間中における遊技を行っている会員遊技者数とビジタ遊技者数の推移を集計することが可能となる。そして、営業時間終了後に当日の会員遊技者数とビジタ遊技者数の推移情報を、管理装置1250に対して送信している。
管理装置1250では、受信した推移情報を遊技場毎に管理しており、これに基づいて、所定の遊技機において会員遊技者が遊技を行った場合の稼働率の推移と、ビジタ遊技者が遊技を行った場合の稼働率の推移をモデル化する。例えば、各遊技場における営業開始から営業時間終了1時間前までの1時間あたりの会員遊技者の平均数(通常時平均会員数)を算出し、営業時間終了前1時間における会員遊技者の平均数(終了前平均会員数)を算出して、終了前平均会員数/通常時平均会員数により、会員減少比率を算出する。また、各遊技場における営業開始から営業時間終了1時間前までの1時間あたりのビジタ遊技者の平均数(通常時平均ビジタ数)を算出し、営業時間終了前1時間におけるビジタ遊技者の平均数(終了前平均ビジタ数)を算出して、終了前平均ビジタ数/通常時平均ビジタ数により、ビジタ減少比率を算出する。さらに、当該遊技場における営業開始から営業時間終了前1時間前までの遊技機の平均稼働率(図31の例では60%)に基づいて、平均稼働率×会員減少比率により営業時間終了前1時間における会員モデルの稼働率を算出し、会員モデルの稼働率曲線を決定する。また、当該遊技場における営業開始から営業時間終了前1時間前までの遊技機の平均稼働率(図31の例では60%)に基づいて、平均稼働率×ビジタ減少比率により営業時間終了前1時間におけるビジタモデルの稼働率を算出し、ビジタモデルの稼働率曲線を決定する。管理装置1250は、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて、当該ホールコンピュータ1200が設置される遊技場に係る会員モデルまたはビジタモデルの稼働率曲線を提供可能である。なお、管理装置は、複数の遊技場から受信した推移情報に基づいて平均稼働率曲線を作成し、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて提供するようにしても良い。なお、各遊技場のホールコンピュータ1200において、自己の遊技場の集計結果に基づいて稼働率曲線を作成し、その稼働率曲線に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。また、各遊技場のホールコンピュータ1200において、任意の稼働率曲線を作成し、その稼働率曲線に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。
S210以降では第1シミュレーション機能に示したS110以降の処理と同様の処理を実行する。そして、S219では、図32に示すように、S203で選択された機種およびS205で選択されたモデル(会員モデルまたはビジタモデル)と共に算出された償却日数が表示される。償却シミュレーションは、S203で選択する機種やS205で選択するモデル、S211で入力する収支割合を異ならせて連続的に実行することが可能である。その結果、図32に示すように、会員モデルおよびビジタモデルに応じた償却日数が、選択された機種および入力された収支割合と共に表示される。これにより遊技場の管理者は、会員モデルとビジタモデルの償却日数を比較することができる。この例では、選択機種がCR−CCCの場合に、会員モデルで収支割合95%に設定されたときに償却日数が23日と算出され、ビジタモデルで収支割合95%に設定されたときに償却日数が25日と算出されている。
このようにして算出される償却日数は、遊技場の営業時間終了前の所定時間(この例では1時間)において、ビジタ遊技者よりも会員遊技者の方が遊技を継続し易いという実情を反映したシミュレーション結果である。仮に、遊技場の営業時間終了前におけるこのような実情を反映させずにシミュレーションを実行した場合、信頼性のある結果は得られず、償却日数の誤算により遊技場が損害を被ることにもなりかねない。本シミュレーション機能では、営業時間終了前の遊技者の立ち回りに即したシミュレーションを実行することにより、算出される償却日数の信頼性を高めている。また、第2シミュレーション機能に係る償却シミュレーションによって、遊技場が会員遊技者数増加の利点を定量的に把握することも可能となり、遊技場の経営に役立てることができる。
[6−9−3.第3シミュレーション機能]
次に、第3シミュレーション機能に係る管理装置としてのホールコンピュータ1200について、第1シミュレーション機能と異なる点について説明する。第3シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200は、第1シミュレーション機能と異なり、遊技機で使用される遊技媒体の貸与価値に応じて、遊技場の営業時間終了前における遊技機の稼働率を相違させて償却シミュレーションを実行するものである。本例では、遊技機で使用される遊技媒体として、1球4円の遊技球と1球1円の遊技球を想定しており、1球4円の遊技球が使用される遊技機を4円遊技機、1球1円の遊技球が使用される遊技機を1円遊技機と称する。
図33に示す第3シミュレーション機能に係る償却シミュレーションにおいては、まず、償却シミュレーションの実行対象となる遊技機の機種を表示装置1206にリスト表示する(S302)。リスト表示がされている中からの機種の選択が完了したときには(S303でYES)、さらに、償却残額=選択機種の価格として初期値の設定を行う(S304)。これらの処理に関しては第1シミュレーション機能と同様である。
次いで、4円モデルの稼働率曲線と1円モデルの稼働率曲線のいずれの稼働率曲線に基づいて償却シミュレーションを実行するのかを選択させる画面を表示する(S305)。次いで選択されたモデル、すなわち4円モデルまたは1円モデルのいずれかに応じた稼働率曲線を取得する(S305でYESと判定されてS306を実行する)。ここで、4円モデルの稼働率曲線とは、図34の実線で示すように、シミュレーション対象となる遊技機が4円遊技機である場合を想定した稼働率曲線である。また、1円モデルの稼働率曲線とは、図34の点線で示すように、シミュレーション対象となる遊技機が1円遊技機である場合を想定した稼働率曲線である。
これらの稼働率曲線の相違について説明する。4円遊技機の場合には、1円遊技機と比較して収支の幅が大きいため、遊技者は収支がプラスの場合であっても継続して遊技を行うことでその収支が悪化してしまうリスクを強く意識する。そのため、収支がプラスである場合には遊技終了のタイミングが早めになり、例えば、大当り遊技状態終了後に高ベース状態となった場合には、その高ベース状態の終了に伴い直ちに遊技を終了するケースが多くなる。特に、営業時間終了前の所定期間は、収支がプラスである状態で当日の遊技を終了したいとの思惑が強くなるため、高ベース状態の終了に伴い直ちに遊技を終了する確率が高くなる。一方、1円遊技機の場合には、4円遊技機と比較すると収支の幅が小さいため、遊技の継続により収支が悪化してしまうリスクをそれほど強くは意識しない。従って、高ベース状態が終了しても遊技を継続する確率が4円遊技機より高くなるという実情がある。図34に示す4円モデルの稼働率曲線と1円モデルの稼働率曲線には上記の実情が反映されており、開店時間から18:00までは4円遊技機の稼働率が1円遊技機の稼働率を上回っているが、18:00以降は1円遊技機の稼働率が4円遊技機の稼働率を上回っている。
また図34に示す各稼働率曲線は、管理装置1250が各遊技場のホールコンピュータ1200から受信した遊技情報に基づいて作成した統計データの一例である。ホールコンピュータ1200は遊技場内に設けられた4円遊技機および1円遊技機の稼働率推移を集計可能である。ホールコンピュータ1200は、4円遊技機に対応するアウト玉計数器からの打込信号が入力されている期間を4円遊技機の稼働期間として特定可能であり、1円遊技機に対応するアウト玉計数器からの打込信号が入力されている期間を1円遊技機の稼働期間として特定可能である。これにより遊技場の営業時間内における4円遊技機の稼働率の推移と1円遊技機の稼働率の推移とを集計することが可能である。そして、営業時間終了後に当日の4円遊技機と1円遊技機の稼働率推移情報を、管理装置1250に対して送信している。
管理装置1250では、受信した稼働率推移情報を遊技場毎に管理しており、各遊技場毎に4円モデルの稼働率曲線と1円モデルの稼働率曲線を作成する。管理装置1250は、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて、当該ホールコンピュータ1200が設置される遊技場に係る4円モデルまたは1円モデルの稼働率曲線を提供可能である。なお、管理装置は、複数の遊技場から受信した稼働率推移情報に基づいて平均稼働率曲線を作成し、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて提供するようにしても良い。なお、各遊技場のホールコンピュータ1200において、自己の遊技場の集計結果に基づいて稼働率曲線を作成し、その稼働率曲線に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。また、各遊技場のホールコンピュータ1200において、任意の稼働率曲線を作成し、その稼働率曲線に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。
次いで、表示装置1206に収支割合の入力欄を表示する(S310)。収支割合が入力された場合には(S311でYES)、S305で選択された遊技機モデル(4円モデルまたは1円モデル)およびS310で入力された収支割合に応じた集客指数曲線を管理装置1250より取得する(S312)。図35には、第3シミュレーション機能に係る集客指数曲線の一例を示している。この第3シミュレーション機能においては、4円モデルと1円モデルの各々について、収支割合毎の集客指数曲線が設けられている。これは4円遊技機と1円遊技機とでは、導入日数の経過に伴う稼働率の推移状況が異なるという事情を反映したものである。
ここでホールコンピュータ1200は、4円遊技機および1円遊技機の日中平均稼働率を集計すると共に、各遊技機の収支も集計している。また、4円遊技機および1円遊技機の導入日からの経過日数(導入日数)も管理している。各遊技機の収支は、例えば差玉数(打込玉数−賞球数)に基づいて算出される。そして、営業時間終了後に4円遊技機および1円遊技機に関する日中平均稼働率と当日の収支を、各遊技機の導入日数と共に管理装置1250に対して送信している。管理装置1250では、4円遊技機の収支割合毎(例えば5%毎)に、導入日数と日中平均稼働率との関係を集計し、その結果を4円モデルに係る収支割合毎の集客指数曲線として管理している。また、1円遊技機の収支割合毎(例えば5%毎)に、導入日数と日中平均稼働率との関係を集計し、その結果を1円モデルに係る収支割合毎の集客指数曲線として管理している。集客指数曲線は遊技場毎に管理されており、管理装置1250は、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて、当該ホールコンピュータ1200が設置される遊技場に係る集客指数曲線を提供可能である。
図35(a)に示す4円モデルの集客指数曲線と図35(b)に示す1円モデルの集客指数曲線とを比較すると、4円モデルと比較して1円モデルは導入日数の経過に伴う集客指数(稼働率の係数)の低下が緩やかである。新機種を導入する場合に、その多くは4円遊技機として導入され、1円遊技機として導入される数は限られているというケースがある。その場合、1円遊技機で遊技を行いたい遊技者の数に対して1円遊技機の新機種が少ないため、結果として1円遊技機の稼働率が高くなり、導入日数が経過しても集客指数が低下し難い。また、4円遊技機で遊技を行う場合には収支割合を低く設定することによる遊技者の不利益が大きい。従って、図35(a)に示す例(収支割合95%に対しての収支割合85%)ように、収支割合を低く設定することで鋭敏に集客指数が低下する傾向にある。一方、1円遊技機で遊技を行う場合には、新機種への興味により多少収支割合が低くとも遊技を行う傾向がある。従って、図35(b)に示す例(収支割合95%に対しての収支割合85%)ように、収支割合を低く設定しても4円遊技機程には鋭敏に集客指数は低下しない。図35に示す集客指数曲線はこれらの事情が反映されたものである。
S313以降では第1シミュレーション機能に示したS113以降の処理と同様の処理を実行する。そして、S319では、図36に示すように、S303で選択された機種およびS305で選択されたモデル(4円モデルまたは1円モデル)、ならびにS311で入力された収支割合と共に、算出された償却日数が表示される。償却シミュレーションは、S303で選択する機種やS305で選択するモデル、S311で入力する収支割合を異ならせて連続的に実行することが可能である。その結果、図36に示すように、4円モデルおよび1円モデルに応じた償却日数が、選択された機種および設定された収支割合と共に表示される。これにより遊技場の管理者は、4円モデルと1円モデルの償却日数を比較することができる。この例では、選択機種がCR−AAAの場合に、4円モデルで収支割合95%に設定されたときに償却日数が26日と算出され、1円モデルで収支割合85%に設定されたときに償却日数が24日と算出されている。
このようにして算出される償却日数は、遊技場の営業時間終了前の所定期間(この例では18:00〜22:00)において、4円遊技機よりも1円遊技機の方が遊技が継続され易いという実情を反映したシミュレーション結果である。仮に、遊技場の営業時間終了前におけるこのような実情を反映させずにシミュレーションを実行した場合、信頼性のある結果は得られず、償却日数の誤算により遊技場が損害を被ることにもなりかねない。本シミュレーション機能では、営業時間終了前の遊技者の立ち回りに即したシミュレーションを実行することにより、算出される償却日数の信頼性を高めている。また、第3シミュレーション機能に係る償却シミュレーションの結果は、新機種導入時に4円遊技機と1円遊技機の導入比率を検討するための重要な指標とすることができる。
特にこのシミュレーション機能では、1円遊技機の場合には収支割合をある程度低下させても4円遊技機程には俊敏に稼働率が低下しないという実情を反映させた償却シミュレーションを実行している。仮に、このような実情を反映させないシミュレーションを実行した場合には、1円遊技機の償却期間が極めて長期になったり困難であるとの結果となってしまう。このシミュレーション機能では、上記の実情を反映させたシミュレーションを実行することで適切な償却期間を算出することができる。
[6−9−4.第4シミュレーション機能]
次に、第4シミュレーション機能に係る管理装置としてのホールコンピュータ1200について、第1シミュレーション機能と異なる点について説明する。第4シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200は、第1シミュレーション機能と異なり遊技機における遊技の収支に応じて、遊技場の営業時間終了前における遊技機の稼働率を相違させて償却シミュレーションを実行するものである。例えば遊技の収支がプラスである場合には、遊技者はその収支を悪化させずに当日の遊技を終了させたいと考えるため、営業時間終了前の所定期間は遊技を終了する確率が高くなる。これに対して、遊技の収支がマイナスの場合には、遊技者は収支を少しでも回復させて当日の遊技を終了させたいと考えるため、可能な限り遅くまで遊技を継続するという傾向がある。第4シミュレーション機能ではこのような遊技者の立ち回りを反映した償却シミュレーションを実行するものである。
図37に示す第4シミュレーション機能に係る償却シミュレーションにおいては、まず、償却シミュレーションの実行対象となる遊技機の機種を表示装置1206にリスト表示する(S402)。これらの処理に関しては第1シミュレーション機能と同様である。リスト表示がされている中からの機種の選択が完了したときには(S403でYES)、選択された機種の仕様(所謂スペック)および価格を管理装置1250から取得する(S404,S405)。また、償却残額=選択機種の価格として初期値の設定を行う(S405)。ここで管理装置1250は、製造者IDおよび遊技機の型式(機種)を示す型式IDと関連付けて当該型式に対応する機種の仕様および価格を記憶しており、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて、選択された機種の仕様および価格を提供可能である。なお、ホールコンピュータ1200側で、機種毎の仕様および価格を記憶しておくようにしても良い。
ここでは例として、図39に示す仕様の遊技機をシミュレーション対象とするものとする。この遊技機は、第1始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて第1識別情報(特図1)の可変表示を実行する第1可変表示手段と、第2始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて第2識別情報(特図2)の可変表示を実行する第2可変表示手段を備えている。第2始動領域は可変入賞球装置(所謂電チュー)により開閉制御され、開状態となっているときに遊技球が入賞可能となる。また、この遊技機は、遊技球が所定の通過領域(ゲート)を通過したことに基づいて普通図柄の可変表示を実行する普通図柄可変表示部を備えている。普通図柄可変表示部の表示結果が所定の表示結果となったときには、可変入賞球装置が開放制御され、遊技球が第2始動領域に入賞可能となる。
第1可変表示手段または第2可変表示手段の表示結果が特定表示結果となったときには遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。ここで、大当り遊技状態としては、大当り遊技状態終了後に特定表示結果が導出表示される割合が高められた高確率状態となる確変大当りと、大当り遊技状態終了後に特定表示結果が導出表示される割合が高められていない低確率状態となる通常大当りとがある。そして、いずれの大当り遊技状態終了後にも、可変入賞球装置が開放制御される頻度が高められることにより第2始動領域に遊技球が入賞し易くなる高ベース状態(時短状態)に制御される。確変大当りの場合には、大当り遊技状態終了後から次回の大当り発生まで高確率/高ベース状態が継続する。通常大当りの場合には、大当り遊技状態終了後の所定の可変表示回数までは低確率/高ベース状態となり、所定の可変表示回数を終了すると、低確率/低ベース状態に移行する。
この例では、図39(a)に示すように、低確率状態(図中では通常時として示される)において特定表示結果が導出表示される確率は1/399であり、高確率状態(図中では確変時として示される)において特定表示結果が導出表示される確率は1/40となっている。また、確変大当り後は、高ベース状態が次回大当り発生まで継続する(図中では時短継続として示す)が、通常大当り後は、変動表示が70回実行されると高ベース状態が終了する(図中では時短回数70変動までとして示す)。
また、この例では図39(b)に示すように、第1可変表示部による可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合には、40%の割合で10Rの通常大当りとなり、1200発の出玉を期待できる。ここで、ラウンド(R)とは、大当り遊技状態において開放制御される特別可変入賞球装置が開放状態となる単位であり、1ラウンドは、所定数(例えば8個)の遊技媒体が特別可変入賞球装置に入賞するか、または、開放状態となってから所定時間(例えば29秒)経過するかのいずれかの条件が成立したことにより終了する。そして、特別可変入賞球装置に遊技媒体が入賞すると所定数(例えば15個)の賞球が払い出される。10ラウンド(R)の大当り遊技状態とは、1ラウンドが10回実行される大当り遊技状態である。1ラウンドあたり120発(例えば15×8)の出玉を期待できるのであれば、10ラウンドで1200発の出玉を期待できることになる。また、この例では、第1可変表示部による可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合には、35%の割合で10Rの確変大当りとなり、1200発の出玉を期待できる。そして、第1可変表示部による可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合には、25%の割合で突然確変大当りとなる。突然確変大当りの場合には、特別可変入賞球装置が極めて短い時間(例えば0.5秒)で開放制御されるため、遊技球の入賞は期待できず実質的に出玉は0となる。なお、突然確変大当りに係る特別可変入賞球装置の開放制御終了後には、高確率/高ベース状態に制御される。
また、この例では図39(c)に示すように、第2可変表示部による可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合には、40%の割合で7Rの通常大当りとなり、840発の出玉を期待できる。また、この例では、第2可変表示部による可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合には、10%の割合で7Rの確変大当りとなり、840発の出玉を期待できる。そして、第2可変表示部による可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合には、50%の割合で15Rの確変大当りとなり、1800発の出玉を期待できる。
選択された機種の仕様を取得した後、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数と、遊技状態が時短状態(高確率/高ベース状態または低確率/高ベース状態)であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数とを入力する欄を表示する(S406)。ここで入力する遊技媒体数は、第1始動領域への遊技球の入賞しやすさ、および、第2始動領域への遊技球の入賞しやすさを示す指標であり、少ないほど入賞し易い。遊技場においては、通常、第1始動領域への遊技球の入賞経路を形成する遊技釘を調製することにより、第1始動領域への入賞し易さを調製しており、遊技球のゲート通過経路を形成する遊技釘を調製することにより、第2始動領域への入賞し易さを調製している。従って、S405で入力する各遊技媒体数は、第1始動領域周辺の釘調整状況を反映する指標であり、ゲート周辺の釘調整状況を反映する指標である。
ここで各遊技機からホールコンピュータ1200に対しては、第1可変表示部および第2可変表示部による可変表示が終了して表示結果が導出表示される毎に、図柄確定信号が出力されている。また、各遊技機が時短状態(高ベース状態)にあるときには、時短信号が出力されている。さらに前述したように、各遊技機に対応して設けられるアウト玉計数器からは、発射された遊技球の数を特定可能とする打込信号が出力されている(例えば打込玉数10発毎に1パルスの出力信号が出力されている)。そのため、ホールコンピュータ1200は、時短信号が入力されていない期間における図柄確定信号の入力数および打込信号の入力数に基づいて、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数を算出可能となる。また、時短信号が入力されている期間における図柄確定信号の入力数および打込信号の入力数に基づいて、遊技状態が時短状態(高確率/高ベース状態または低確率/高ベース状態)であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数を算出可能である。
さらに、各遊技機からホールコンピュータ1200に対しては、賞球として付与された遊技球の数を特定可能とする賞球信号が出力されている(例えば打込玉数10発毎に1パルスの出力信号が出力されている)ため、機種毎に「通常状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」と「時短状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」とに関連付けて差玉数等の収支情報を集計することが可能となる。そして、営業時間終了後に、当日における「通常状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」と「時短状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」ならびにこれに関連付けられた差玉数を、機種毎の情報として管理装置1250に対して送信している。
管理装置1250では、遊技場毎および機種毎に「通常状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」と「時短状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」ならびにこれに対応する収支情報(例えば差玉数)の統計データを作成して管理している。これらの統計データは、ホールコンピュータ1200からの要求に応じて提供可能である。また、管理装置1250では、複数の遊技場の平均データを算出することも可能であり、例えば、機種毎に、「通常状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」および「時短状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」に応じた平均収支情報を算出することが可能である。
従って、各遊技場は、自らの遊技場には導入していないが、他の遊技場には導入されている機種の「通常状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」および「時短状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」に応じた平均収支情報を取得することも可能である。これによれば、未導入の機種に関して他の遊技場における稼働実績に基づいたシミュレーションを実行可能である。
S405で遊技媒体数の入力欄を表示するときに、管理装置1250から「通常状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」および「時短状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」に応じた収支情報を取得して、これを提示するようにしても良い。これにより、可変表示1回あたりに要する遊技媒体数と収支との関連性を踏まえて入力を行うことができる。なお、各遊技場のホールコンピュータ1200において、自己の遊技場の集計結果に基づいて「通常状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」および「時短状態であるときの可変表示1回あたりに要する遊技媒体数」に応じた収支情報を算出して、これを提示するようにしても良い。
可変表示1回あたりに要する遊技媒体数が入力された場合には(S407でYES)、導入日数を0に設定して(S408)、シミュレーション上の営業時間を開始する(S409)。例えば、仮想時刻を10:00と設定する。次いで、遊技実行シミュレーションを実行する(S410)。遊技実行シミュレーションでは、1の遊技者が所定の遊技機で遊技を開始してから遊技を終了するまでの期間における収支をシミュレートする。図38には、遊技実行シミュレーションのフローチャートを示している。
遊技実行シミュレーションでは、まず遊技が開始されたか否かを判定する(S420)。ここで遊技が開始されたか否かの判定は、図40(a)に示すように、所定の判定基準に基づいて行われる。この例では、仮想時刻が10:00〜18:00の場合には、60%の割合で遊技が開始されたと判定し、仮想時刻が18:00〜20:00の場合には、20%の割合で遊技が開始されたと判定し、仮想時刻が20:00〜22:00の場合には、5%の割合で遊技が開始されたと判定する。
ここで、ホールコンピュータ1200には、前述したように打込信号が入力されており、打込信号が入力されている期間を遊技期間、打込信号が入力されていない期間を非遊技期間として特定可能である。従って、非遊技期間において所定時間以内に遊技が開始される確率を時間帯毎に集計可能である。例えば、非遊技期間において15分以内に何%の確率で遊技が開始されるのかを時間帯毎(10:00〜18:00,18:00〜20:00,20:00〜22:00)に集計可能である。また、ホールコンピュータ1200がこれらの集計結果を管理装置1250に送信することにより、管理装置1250において、各遊技場毎の統計データあるいは複数の遊技場の平均をとった統計データを作成して、各遊技場に提供することが可能である。図40(a)に示す判定基準は、管理装置1250から得られた当該遊技場の統計データ(例えば前月分の集計結果に基づく統計データ)の一例であるものとする。なお、各遊技場のホールコンピュータ1200において、自己の遊技場の集計結果に基づいて判定基準を作成し、その判定基準に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。また、各遊技場のホールコンピュータ1200において、任意の判定基準を作成し、その判定基準に基づく償却シミュレーションを実行するようにしても良い。
図40(a)に示す例では、仮想時刻が18:00以降は遊技開始の確率が低下し、仮想時刻が20:00を過ぎると遊技開始の確率がさらに低下するという実情を反映したシミュレーションが実行される。S420で遊技が開始されていないと判定された場合には、営業時間を加算する。例えば仮想時刻に15分加算するものとする。そして、営業時間が終了したか(仮想時刻が22:00以降であるか)否かを判定し(S421)、営業時間が終了していなければ(S421でNO)、再度S420以降の処理を実行する。営業時間が終了していれば(S421でYES)、遊技実行シミュレーションを完了する。
S420で遊技が開始されたと判定された場合には(YES)、通常状態(低確率/低ベース状態)、すなわち低確率状態における判定基準に基づいて大当りとするか否かを判定する(S422)。この例では1/399の確率で大当りとすると判定する。さらに、通常状態において可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの変動時間(例えば平均変動時間)を営業時間に加算する。例えば仮想時刻に10秒加算するものとする。さらに、通常状態における可変表示1回あたりに要する遊技媒体数を打込玉数に加算する(S423)。
そして、大当りとすると判定されたか否かを確認する(S424)。はずれと判定されていた場合には(S424でNO)、遊技を終了するか否かを判定する(S450)。そして遊技を終了しないと判定した場合には(S450でNO)、再度S422以降の処理を実行し、遊技を終了すると判定した場合には(S450でYES)、遊技実行シミュレーションを完了する。一方、大当りとすると判定されていた場合には(S424でYES)、大当り種別の判定を行う(S425)。ここで、遊技状態が低確率状態である場合には、図39(b)に示した割合で大当り種別を決定し、遊技状態が高確率状態である場合には、図39(c)に示した割合で大当り種別を決定する。遊技状態が高確率状態であるか又は低確率状態であるかは、前回の大当り(後述するS430の判定)が確変大当りであったか又は通常大当りであったかに基づいて判定される。なお、当該営業日において大当りが発生していない場合には低確率状態であるとして、図39(b)に示した割合で大当り種別を決定する。
そして、決定した大当り種別に応じた出玉数を賞球数に加算する(S426)。また、大当り種別に応じて営業時間を加算する。例えば、15R大当りの場合には、仮想時刻に3分を加算し、7R大当りの場合には、仮想時刻に1分30秒を加算する。そして、営業時間が終了したか(仮想時刻が22:00以降であるか)否かを判定し(S427)、営業時間が終了していなければ(S427でNO)、S430以降の処理に移行する。営業時間が終了していれば(S427でYES)、遊技実行シミュレーションを完了する。
S430では、決定された大当り種別が確変大当りであるかまたは通常大当りであるかを確認する。確変大当りである場合には(S430でYES)、高確率状態における判定基準に基づいて大当りとするか否かを判定する(S431)。この例では1/40の確率で大当りとすると判定する。さらに、時短状態(高ベース状態)において可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの変動時間(例えば平均変動時間)を営業時間に加算する。例えば仮想時刻に3秒加算するものとする。さらに、時短状態における可変表示1回あたりに要する遊技媒体数を打込玉数に加算する(S432)。
そして、大当りとすると判定されたか否かを確認する(S433)。大当りとすると判定されていた場合には(S433でYES)、再度、S425以降の処理を実行する。はずれと判定されていた場合には(S433でNO)、営業時間が終了したか(仮想時刻が22:00以降であるか)否かを判定する(S434)。営業時間が終了していなければ(S434でNO)、再度S431以降の処理を実行する。営業時間が終了していれば(S434でYES)、遊技実行シミュレーションを完了する。
S430において、確変大当りでない場合、すなわち通常大当りである場合には(NO)、低確率状態における判定基準に基づいて大当りとするか否かを判定する(S435)。この例では1/399の確率で大当りとすると判定する。さらに、時短状態(高ベース状態)において可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの変動時間(例えば平均変動時間)を営業時間に加算する。例えば仮想時刻に3秒加算するものとする。さらに、時短状態における可変表示1回あたりに要する遊技媒体数を打込玉数に加算する(S436)。
そして、大当りとすると判定されたか否かを確認する(S437)。大当りとすると判定されていた場合には(S437でYES)、再度、S425以降の処理を実行する。はずれと判定されていた場合には(S437でNO)、営業時間が終了したか(仮想時刻が22:00以降であるか)否かを判定する(S438)。営業時間が終了していれば(S438でYES)、遊技実行シミュレーションを完了する。営業時間が終了していなければ(S438でNO)、時短状態が終了したか否か、すなわち、通常大当りから70回の可変表示が実行されたか否かを判定する(S439)。時短状態が終了していなければ(S439でNO)、再度S435以降の処理を実行する。時短状態が終了していれば(S439でYES)、再度S422以降の処理を実行する。
このように、S421,S427,S434,S438において営業時間が終了したと判定されたときには、遊技実行シミュレーションが完了する。また、前述したS450においては、以下に説明する判定基準に基づいて遊技を終了するか否かを判定する。なお、S450の判定処理において、前回S450の判定処理が実行されたときの仮想時刻から15分を経過していなければ、NOと判定されて再度S422以降の処理が実行されることになる。すなわちS450の判定処理は、仮想時刻15分以上の間隔を以て実行される。
図40(b)に示すように、S450の判定時における仮想時刻が10:00〜20:00の範囲であるときには、打込玉数−賞球数により算出される差玉数の範囲に応じて、異なる割合で遊技を終了すると判定する。ここで、差玉数>0のときには、遊技場にとっての収支がプラスとなっており、差玉数<0のときには、遊技者にとっての収支がプラスとなっている。まず、2500>差玉数>−2500のときには25%の割合で遊技を終了すると判定する。また、2500≦差玉数のときには25%の割合で遊技を終了すると判定する。また、差玉数≦−2500のときには35%の割合で遊技を終了すると判定する。
一方で、図40(b)に示すように、S450の判定時における仮想時刻が20:00〜22:00の範囲であるときには、2500>差玉数>−2500のときには35%の割合で遊技を終了すると判定する。また、2500≦差玉数のときには30%の割合で遊技を終了すると判定する。また、差玉数≦−2500のときには60%の割合で遊技を終了すると判定する。すなわち、営業時間終了前の所定期間(2時間)は、遊技者の収支が所定値以上のプラスとなっている場合、遊技者はその収支を悪化させずに当日の遊技を終了したいと考えるため、遊技を終了する割合が高い。これと比較して、遊技者の収支が所定値以上のマイナスとなっている場合、遊技者は収支を少しでも回復させて当日の遊技を終了させたいと考えるため、可能な限り遅くまで遊技を継続するという傾向がある。この図40(b)に示す遊技終了確率の設定は、このような実情が反映されたものである。なお、22:00以降は営業時間終了後であるため、100%の割合で遊技を終了すると判定する。
ここで、ホールコンピュータ1200には、前述したように各遊技機に対応する打込信号と賞球信号が入力されている。そして、打込信号が入力されている期間を遊技期間、打込信号が入力されていない期間を非遊技期間として特定可能である。これにより、1の遊技者による遊技期間(遊技の開始と終了)を特定可能であり、その遊技期間における打込玉数と賞球数との差から当該遊技機期間における収支を集計可能となる。従って、営業時間中の各時間帯において、収支(例えば差玉数)に応じた遊技終了確率を集計可能となる。例えば、収支に応じて15分以内に何%の確率で遊技が終了するのかを集計可能である。また、各遊技機からは高ベース状態に制御されているときに時短信号が出力されているので、ホールコンピュータ1200は、時短信号が入力されていない期間(高ベース状態を抜けた期間)における収支(例えば差玉数)に応じた遊技終了確率を集計可能となる。例えば、通常状態において収支に応じて15分以内に何%の確率で遊技が終了するのかを集計可能である。これによりS450の遊技終了判定の基準となる適切なデータを集計可能である。また、ホールコンピュータ1200がこれらの集計結果を管理装置1250に送信することにより、管理装置1250において、各遊技場毎の統計データあるいは複数の遊技場の平均をとった統計データを作成して、各遊技場に提供することが可能である。図40(b)に示す判定基準は、管理装置1250から得られた当該遊技場の統計データ(例えば前月分の集計結果に基づく統計データ)の一例であるものとする。
図37に戻り、S410の遊技実行シミュレーションが完了すると、当該遊技実行シミュレーションに係る打込玉数および賞球数を一旦0にリセットする。このときの差玉数は、当該遊技実行シミュレーションの結果として対応する記憶領域に保存した後に0にリセットする。そして、営業時間が終了したか(仮想時刻が22:00以降であるか)否かを判定する(S411)。営業時間が終了していなければ(S411でNO)、再度、S410の遊技実行シミュレーションを実行する。一方、営業時間が終了していれば(S411でYES)、当該導入日数の差玉数を算出する(S412)。当該導入日数の差玉数は、当該導入日数に係る遊技実行シミュレーションの差玉数の合計値として算出される。
そして、S412で算出された差玉数に基づいて当該導入日数における償却額を算出し(例えば4円遊技機の場合には差玉数×4)、現在の償却残額から算出した償却額を減算する(S413)。そして、導入日数に1を加算する(S415)。そして、減算更新後の償却残額が0以下となったか否かを判定する(S416)。0以下となっていなければ(S416でNO)、再度S409以降の処理を実行する。すなわち、翌営業日に係る遊技実行シミュレーションを実行する。一方、S416で減算更新後の償却残額が0以下となった場合には(S416でYES)、現在の導入日数を償却日数として表示装置1206に表示して(S417)、償却シミュレーションを完了する。
S417の処理によって、図41に示すように、S403で選択された機種およびS406で入力された1変動に要する打込玉数(通常時および時短時)と共に、算出された償却日数が表示される。償却シミュレーションは、S403で選択する機種やS406で入力する打込玉数を異ならせて連続的に実行することが可能である。その結果、図41に示すように、機種毎の償却日数が、入力された打込玉数と共に表示される。これにより遊技場の管理者は、1変動に要する打込玉数毎に償却日数を比較することができる。この例では、CR−AAAに関して、通常時の1変動に要する打込玉数が16発、時短時の1変動に要する打込玉数が4発に設定されたときに償却日数が20日と算出され、通常時の1変動に要する打込玉数が14発、時短時の1変動に要する打込玉数が4発に設定されたときに償却日数が23日と算出されている。
このようにして算出される償却日数は、遊技場の営業時間終了前の所定期間において、収支がプラスの遊技者よりも収支がマイナスの遊技者の方が継続して遊技を行いやすいという実情を反映させたシミュレーション結果である。仮に、遊技場の営業時間終了前におけるこのような実情を反映させずにシミュレーションを実行した場合、信頼性のある結果は得られず、償却日数の誤算により遊技場が損害を被ることにもなりかねない。本シミュレーション機能では、営業時間終了前の遊技者の立ち回りに即したシミュレーションを実行することにより、算出される償却日数の信頼性を高めている。
図42は、導入日数の経過に応じた償却残額の推移を示すグラフであり、償却シミュレーションの実行中に表示装置1206に表示される。S413における償却残額の更新に対応した棒グラフの推移により、徐々に償却残額が減少する様子を示している。この例では、導入日数が21日のときに償却残額が0となっており、この場合の償却日数は21日となる。なお、このシミュレーション機能では、遊技実行シミュレーションにおける大当りとするか否かの判定は、当該判定のタイミングで抽出した乱数値が、大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値のいずれかに合致するか否かに基づいて行われる。通常状態(低確率状態)で参照される大当り判定テーブルは、大当り判定値の範囲が狭く、高確率状態で参照される大当り判定テーブルは、大当り判定値の範囲が広い。これにより、このシミュレーション機能に係る遊技実行シミュレーションでは、大当りが発生する頻度をランダム化しており、実際の遊技形態と同様の形態としている。従って、図42に示すように、営業日によっては、遊技場の収支がプラスとなる日(償却残額が前日より減少する日)もあればマイナスとなる日(償却残額が前日よりも増加する日)もあり、実際の償却形態と同様の形態となる。
(第1シミュレーション機能の変形例)
上記の第1シミュレーション機能では、予め統計データとして作成されている稼働率曲線に基づいて償却日数を算出する例について説明したが、これに限らず、第4シミュレーション機能と同様に、遊技機における実際の遊技を想定した遊技実行シミュレーションに基づいて償却日数を算出するようにしても良い。例えば、図43に示すように、MAXタイプに対応した遊技開始率および遊技終了率を時間帯毎に設定して、MAXタイプを対象とした遊技実行シミュレーションを実行することにより償却日数を算出するようにしても良い。ここで、遊技開始率は遊技が行われていない遊技機で所定期間(例えば15分)以内に遊技が開始される確率であり、遊技終了率は遊技が行われている遊技機で所定期間(例えば15分)以内に遊技が終了される確率とする。また、ライトタイプに対応した遊技開始率および遊技終了率を時間帯毎に設定して、ライトタイプを対象とした遊技実行シミュレーションを実行することにより償却日数を算出するようにしても良い。この図43に示す例では、営業時間終了前の所定期間(20:00〜22:00)において、MAXタイプで遊技が開始される確率がライトタイプよりも低く、MAXタイプでの遊技が終了される確率がライトタイプよりも高いという実情が反映されている。
(第2シミュレーション機能の変形例)
上記の第2シミュレーション機能では、予め統計データとして作成されている稼働率曲線に基づいて償却日数を算出する例について説明したが、これに限らず、第4シミュレーション機能と同様に、遊技機における実際の遊技を想定した遊技実行シミュレーションに基づいて償却日数を算出するようにしても良い。例えば、図44に示すように、会員モデルに対応した遊技開始率および遊技終了率を時間帯毎に設定して、会員モデルを対象とした遊技実行シミュレーションを実行することにより償却日数を算出するようにしても良い。ここで、遊技開始率は遊技が行われていない遊技機で所定期間(例えば15分)以内に遊技が開始される確率であり、遊技終了率は遊技が行われている遊技機で所定期間(例えば15分)以内に遊技が終了される確率とする。また、ビジタモデルに対応した遊技開始率および遊技終了率を時間帯毎に設定して、ビジタモデルを対象とした遊技実行シミュレーションを実行することにより償却日数を算出するようにしても良い。この図44に示す例では、営業時間終了前の所定期間(21:00〜22:00)において、ビジタモデルでの遊技が終了される確率が会員モデルよりも高いという実情が反映されている。
(第3シミュレーション機能の変形例)
上記の第3シミュレーション機能では、予め統計データとして作成されている稼働率曲線に基づいて償却日数を算出する例について説明したが、これに限らず、第4シミュレーション機能と同様に、遊技機における実際の遊技を想定した遊技実行シミュレーションに基づいて償却日数を算出するようにしても良い。例えば、図45に示すように、4円モデルに対応した遊技開始率および遊技終了率を時間帯毎に設定して、4円モデルを対象とした遊技実行シミュレーションを実行することにより償却日数を算出するようにしても良い。ここで、遊技開始率は遊技が行われていない遊技機で所定期間(例えば15分)以内に遊技が開始される確率であり、遊技終了率は遊技が行われている遊技機で所定期間(例えば15分)以内に遊技が終了される確率とする。また、1円モデルに対応した遊技開始率および遊技終了率を時間帯毎に設定して、1円モデルを対象とした遊技実行シミュレーションを実行することにより償却日数を算出するようにしても良い。この図45に示す例では、営業時間終了前の所定期間(20:00〜22:00)において、4円モデルでの遊技が終了される確率が1円モデルよりも高いという実情が反映されている。
(第4シミュレーション機能の変形例)
上記の第4シミュレーション機能において、第1シミュレーション機能と同様に、導入日数の経過に伴う稼働率の低下を反映させた償却シミュレーションを実行するようにしても良い。例えば、第1シミュレーション機能と同様に、入力された収支情報(第4シミュレーション機能では1変動に要する打込玉数)に応じた集客指数曲線を取得するようにしておき、集客指数曲線における当該導入日数に係る集客指数を、図40(a)に示す遊技開始率に乗じるようにしても良い。すなわち、図40(a)の遊技開始率は遊技機の導入初日における遊技開始率としておき、その遊技開始率×当該導入日数に係る集客指数を、当該導入日数に係る遊技開始率と決定するようにしても良い。また、[集客指数曲線における当該導入日数に係る集客指数の逆数]を、図40(b)に示す遊技終了率に乗じるようにしても良い。すなわち、図40(b)の遊技終了率は遊技機の導入初日における遊技終了率としておき、その遊技終了率×[当該導入日数に係る集客指数の逆数]を、当該導入日数に係る遊技終了率と決定するようにしても良い。
(第1シミュレーション機能〜第4シミュレーション機能の任意の組み合わせ)
上記第1シミュレーション機能から上記第4シミュレーション機能のうち、複数のシミュレーションを組み合わせて実行するようにしても良い。例えば、遊技機の仕様とその遊技機で使用される遊技媒体の貸与価値を相違させたシミュレーションを実行するようにしても良い。このようにした場合には、例えば、17:00以降はライトタイプの稼働率がMAXタイプの稼働率を上回って推移し、18:00以降は1円遊技機の稼働率が4円遊技機の稼働率を上回って推移する(遊技場の営業時間終了前の所定期間が異なる)という実情を反映したシミュレーションが可能となる。
(管理装置の変形例)
上記のシミュレーション機能において、管理装置が各遊技場における遊技者の投資金額、遊技時間、台移動回数、性別や年代等の属性情報を集計し、統計データとして各遊技場の管理装置(例えばホールコンピュータ)に提供し、管理装置側では、受信した統計データに基づいて遊技実行シミュレーションを行うようにしても良い。遊技実行シミュレーションでは、遊技者の属性情報に応じて遊技時間や投資金額を異ならせたシミュレーションを実行するようにすると良い。
(遊技機および遊技用装置の変形例)
上記のシミュレーション機能では、遊技機がパチンコ遊技機である例について説明したが、これに限らず、遊技機はスロットマシンであっても良い。例えば、第1シミュレーション機能に係るシミュレーション対象とする遊技機として、ART(アシストリプレイタイム)が付与されるスロットマシンと、ARTが付与されないスロットマシンを対象としたシミュレーションを実行するようにしても良い。この場合に、遊技場の営業時間終了前の所定期間は、ARTが付与されるスロットマシンと比較してARTが付与されないスロットマシンの稼働率が高くなることを反映させた償却シミュレーションを実行するようにすると良い。また、例えば、第1シミュレーション機能に係るシミュレーション対象とする遊技機として、ビッグボーナスの発生確率が低いスロットマシンと、ビッグボーナスの発生確率が高いスロットマシンを対象としたシミュレーションを実行するようにしても良い。この場合に、遊技場の営業時間終了前の所定期間は、ビッグボーナスの発生確率が低いスロットマシンと比較してビッグボーナスの発生確率が高いスロットマシンの稼働率が高くなることを反映させた償却シミュレーションを実行するようにすると良い。
上記のシミュレーション機能では、パチンコ遊技機や、該パチンコ遊技機に対応して設けられ該パチンコ遊技機において遊技に使用されて該パチンコ遊技機から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器からの出力信号がホールコンピュータ1200に入力される例について説明したが、このとき遊技機やアウト玉計数器から出力される信号は、後述する遊技機の例に示すように遊技状態(大当り遊技状態や高ベース状態)に応じてON/OFFに切り替わる信号や事象発生毎(所定の賞球数または打込玉数毎)のパルス信号であり、且つ各信号に対応する信号線が定められているため各信号の識別自体は極めて容易である。これに対して遊技機からの出力情報を暗号化等することによってセキュリティを高めたものがある。このような遊技機からの外部出力情報が直接的にホールコンピュータ1200等の情報管理装置に入力されたとしても、その外部出力情報の復号化等の機能を有していなければ、その遊技機の遊技情報を集計することができない問題がある。このような遊技機に対応して以下のような遊技用装置(例えばカードユニット)を設置するようにすると良い。
すなわち上記の遊技機および情報管理装置と通信可能であり、遊技機により生成された情報を情報管理装置に送信する送信手段を備え、送信手段は遊技機により生成された情報を情報管理装置向けに変換して送信する又は変換する装置に中継するための情報変換手段(例えば外部出力端子)を備える。これによれば、遊技機により生成された情報を直接的には情報管理装置で識別できない場合でも、遊技機により生成された情報が情報管理装置向けに変換されて入力されるので、このような遊技機の遊技情報を集計可能である。
また、上記のような遊技機では、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能である。これに対応して設けられる上記の遊技用装置は、さらに、貸与操作を受付けたことに基づいて、受付けられた貨幣のうちの少なくとも一部を用いて加算する遊技点を特定可能な情報を遊技機に送信する遊技点送信手段(例えば、カードユニットによって玉貸ボタンの操作が受付けられたことに基づいて、受付けられた貨幣のうちの少なくとも一部を用いて加算する遊技点を特定可能な情報が遊技機に送信される)と、計数操作を受付けたことに基づいて、遊技機が記憶している遊技点を特定可能な情報を遊技機から受信する遊技点受信手段(例えばカードユニットによって各台計数装置での計数操作を受け付けたことに基づいて、遊技機が記憶している遊技点を特定可能な情報が遊技機から送信される)とを備える。
これによれば、遊技機は、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能であり、遊技用装置によって、貸与操作が受付けられたことに基づいて、受付けられた貨幣のうちの少なくとも一部を用いて加算する遊技点を特定可能な情報が遊技機に送信され、計数操作を受付けたことに基づいて、遊技機が記憶している遊技点を特定可能な情報が遊技機から受信される。このため、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能な遊技機に対応することが可能な遊技用装置を提供することができる。
上記の遊技用装置は、さらに上記遊技機および鍵管理サーバ等の管理装置と通信可能に接続され、上記遊技機を認証するための上記遊技機及び上記管理装置の通信のやり取りにおいてデータを転送する認証データ転送手段(例えば認証・通信制御回路)を備える。
これによれば、遊技用装置は、上記遊技機および上記管理装置と通信可能に接続され、遊技用装置によって、遊技機を認証するための遊技機および管理装置の通信のやり取りにおいてデータが転送される。このため、遊技機のセキュリティの向上に寄与することが可能な遊技用装置を提供することができる。
以上に説明した情報管理装置は、以下に示す第1の遊技機、第2の遊技機、および第3の遊技機のそれぞれに関する遊技情報を管理することが可能である。また、情報管理装置は、第1の遊技機、第2の遊技機、および第3の遊技機の稼働をそれぞれシミュレート可能であり、例えば前述したように償却日数を算出することも可能である。以下では、まず、第1の遊技機およびその遊技情報を管理する情報管理装置について説明し、次に、第2の遊技機およびその遊技情報を管理する情報管理装置について説明し、最後に、第3の遊技機およびその遊技情報を管理する情報管理装置について説明する。
[第1の遊技機およびその遊技情報を管理する管理装置]
図46に示す情報管理装置としてのホールコンピュータ1200は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される第1の遊技機としてのパチンコ遊技機1における遊技にて発生した遊技情報を管理する。遊技情報は、図47に示すパチンコ遊技機1や、該パチンコ遊技機1に対応して設けられているアウト玉計数器1120等から出力される各種信号に基づいて集計される。
(第1の遊技機)
第1の遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図47はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
該遊技領域7には、中央に設けられる演出表示装置9の天辺からみて、左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、例えば遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、左遊技領域7Aへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となり、また右遊技領域7Bへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域中央に配置される演出表示装置9の下方には、流入口92より遊技球を受け入れて、受け入れた遊技球を揺動部材93により第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bに交互に振り分ける振分装置90が設けられている。右遊技領域7Bには、演出表示装置9の右側にゲート32が設けられ、誘導部材39bの上方に特別可変入賞球装置20が設けられている。
ここで、流入口92は、演出表示装置9の直下に設けられているが、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行った場合に遊技球が流入し易く、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行った場合には、遊技球の流下経路上に設けられる遊技釘や誘導部材39a〜39cの配置によって遊技球が流入し難くなっている。第1始動入賞口13aを有する入賞装置は、振分装置90により左遊技領域7A側に振り分けられた遊技球が入賞可能な位置に設けられ、第2始動入賞口13bを有する入賞装置は、振分装置90により右遊技領域7B側に振り分けられた遊技球が入賞可能な位置に設けられている。このように、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bは、いずれも振分装置90を経由した遊技球が入賞可能な位置に配置されている。また、第2始動入賞口13bの右上方には、可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、可動翼片の傾動制御によって開放状態となる。可変入賞球装置15が開放状態にあるときには、右遊技領域7Bに発射された遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能となる。
このように、この実施の形態において、可変入賞球装置15は第2始動入賞口13bに対応して設けられているため、可変入賞球装置15への遊技球の入賞は、第2始動入賞口13bへの遊技球の入賞に相当する。すなわち、可変入賞球装置15への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄を可変表示させるための第2始動条件が成立する。
この実施の形態では、右遊技領域7Bに、遊技球が通過可能な通過領域としてのゲート32が設けられている。遊技者が左打ちを行っているときには、遊技球がゲート32を通過することがないため、可変入賞球装置15が開放状態となることはないが、振分装置90を経由した遊技球が第2始動入賞口13bに入賞することを期待できる。一方、遊技者が右打ちを行っているときには、遊技球がゲート32を通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置15が開放状態となり、右遊技領域7Bに発射された遊技球が第2始動入賞口13bに入賞することを期待できる。すなわち、左打ちを行っている場合および右打ちを行っている場合のいずれにおいても、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。
図48〜図50を用いて、振分装置90について説明する。図48に示すように、振分装置90は、遊技盤6から遊技領域側に突設された部材92a〜92cと、部材92a〜92cに囲まれた振分領域に設けられた揺動部材93により構成される。部材92aおよび92bによって流入口92が形成され、部材92aおよび92cによって揺動部材93から第1始動入賞口13aへの遊技球経路が形成され、部材92bおよび92cによって揺動部材93から第2始動入賞口13bへの遊技球経路が形成される。図48に示すように、可変入賞球装置15が開放状態にないときは、部材92bの下端部と第2始動入賞口13bとの間を遊技球が通過することができず、振分装置90を経由しない遊技球は第2始動入賞口13bに入賞不可能となっている。一方、図49に示すように、可変入賞球装置15が開放状態にあるときは、部材92bの下端部と第2始動入賞口13bとの間を遊技球が通過することが可能となり、振分装置90を経由しない右遊技領域7Bに発射された遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能となっている。
左右に揺動可能な揺動部材93は、軸部93aを中心に回転可能に構成されている。揺動部材93の左下方と右下方には、それぞれ、揺動部材93の回転移動を規制する左突起部93cと右突起部93bとが配置されている。揺動部材93は、流入口92から流入した遊技球を左下方に位置する第1始動入賞口13aに向けて導く第1球受け部93eと、流入口92から流入した遊技球を右下方に位置する第2始動入賞口13bに向けて導く第2球受け部93dと、を備えている。各球受け部に入球した遊技球の重心が軸部93aと左右方向においてずれて位置するように構成されている。入球した遊技球の自重により揺動部材40が回転移動して、遊技球を左右交互に振り分ける。
次いで、図50を用いて、揺動部材93による遊技球の振分け態様について説明する。揺動部材93の傾斜態様によって、流入口92から流入した遊技球はいずれかの球受け部に流入する。図50(a)に示すように、第1球受け部93eに入球した遊技球の重心は、軸部93aより左側にずれて位置しており、軸部93aに対して反時計回りに回転する。揺動部材93は、所定角度移動すると左突起部93cに当たり、回転移動が規制されて図50(b)に示す状態となる。第1球受け部93eに入球した遊技球は、第1球受け部93eから落下して、第1始動入賞口13aに向けて流下する。この状態では、遊技球を入球可能な位置に第2球受け部93dが配置されている。次いで流入口92から入球した遊技球は、図50(c)に示すように、第2球受け部93dに入球する。第2球受け部93dに入球した遊技球の重心は、軸部93aより右側にずれて位置しており、軸部93aに対して時計回りに回転する。揺動部材93は、所定角度移動すると右突起部93bに当たり、回転移動が規制されて図50(d)に示す状態となる。第2球受け部93dに入球した遊技球は、第2球受け部93dから落下して、第2始動入賞口13bに向けて流下する。この状態では、遊技球を入球可能な位置に第1球受け部93eが配置されている。次いで流入口92から入球した遊技球は、図50(a)に示すように、第1球受け部93eに入球する。このような動作が繰り返し実行されることにより、流入口92に流入した遊技球は、流入した順序に従って、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとに交互に振り分けられることになる。
第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。第2始動入賞口13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、図49に示すように、右遊技領域7Bに発射された振分装置90を経由しない遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態に制御されているときには右遊技領域7Bに発射された可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、振分装置90を経由しない遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。従って、左打ちが実行されているときには、流入口92に遊技球が流入し、流入順に第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bに交互に遊技球が入賞することになる。一方、右打ちが実行されているときには、振分装置90を経由しない遊技球が第2始動入賞口13bに入賞することになるため、第2始動入賞口13bへの入賞が連続することになる。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
大当り遊技状態中は、特別可変入賞球装置20が開放される。この特別可変入賞球装置20は、誘導部材bの上方に配置されており、右打ちしたときに誘導部材39aや遊技釘により誘導された遊技球が入賞しやすい位置にある。
遊技者は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)のときは、特別可変入賞球装置20が開放されず、仮に右打ちを行ってゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が高い割合では開放されないため、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を流入口92に入球させようとする。即ち、振分装置90を経由して、遊技球を第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに入賞させようとする。遊技状態が高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)のときには、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が高い割合で開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を特別可変入賞球装置20に入賞させる。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ(図示せず)によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)となる場合には「大当り」となり、変動表示状態は終了する。また、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
演出表示装置9の右下方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右下方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aを通過)した後、可変表示の開始条件(例えば、第1保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態に制御されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bを通過)した後、可変表示の開始条件(例えば、第2保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態に制御されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
この実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示は、第1始動条件および第2始動条件の成立順序に従って実行される。従って、左打ちが実行されているときには、遊技球が振分装置90を経由して第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bに交互に入賞することになるため、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示が交互に実行されることになる。一方、右打ちが実行されているときには、遊技球が振分装置90を経由せずに第2始動入賞口13bに連続して入賞することになるため、第2特別図柄の可変表示が連続して実行されることになる。
第1特別図柄表示器8aの上方には、第1始動入賞口13aへの有効始動入賞数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。有効始動入賞とは、第1保留記憶数が上限値(本例では4)に達していない状態での第1始動入賞口13aへの遊技球の入賞、または、第2保留記憶数が上限値(本例では4)に達していない状態での第2始動入賞口13bへの遊技球の入賞をいう。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1入賞口13aへの有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口13bへの有効始動入賞数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口13bへの有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。合算保留記憶表示部18cには、最大で8となる合算保留記憶数に対応した保留記憶表示の表示領域(表示領域1〜8)が設けられている。第1始動入賞口13aへの有効始動入賞が生じたときには、合算保留記憶表示部18cにおいて保留記憶表示が表示されていない表示領域のうちの左端の表示領域(例えば表示領域1)に第1保留記憶表示(例えば白の保留球表示)が表示され、第2始動入賞口13bへの有効始動入賞が生じたときに、合算保留記憶表示部18cにおいて保留記憶表示が表示されていない表示領域のうちの左端の表示領域(例えば表示領域2)に第2保留記憶表示(例えば青の保留球表示)が表示される。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。このように、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶表示と第2保留記憶表示とが第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bへの入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶表示であるか第2保留記憶表示であるかを認識可能な態様で表示される。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(図示せず)が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータによって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドに基づいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、上方には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると演出表示装置9の前方に移動する可動部材78が設けられている。例えば、可動部材78は、大当り図柄の停止表示時に動作することにより、遊技者に大当りを報知する。
また、図47に示すように、右遊技領域7Bには、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23aで検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたときには、ゲート通過に基づく当り判定用乱数(MR5)が抽出される。抽出された当り判定用乱数は、普通図柄保留記憶数が上限値(例えば4)に達していないことを条件に、普通図柄保留記憶として記憶され、これに伴い普通図柄保留記憶数が1加算される。そして、普通図柄保留記憶数が0ではなく、普通図柄の可変表示が実行されておらず、且つ、当り図柄が導出表示されたことに伴う可変入賞球装置15の開放制御期間(複数回の開放制御が行われる場合には一連の開放制御の開始から終了までの期間)でないことを条件として、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始され、これに伴い普通図柄保留記憶数が1減算される。
そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(右打ちされた遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄保留記憶数に応じた数のLEDを点灯させるものである。ゲート32を遊技球が通過する毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
左遊技領域7Aには、普通入賞装置の入賞口29a〜29cが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出される。右遊技領域7Bには、普通入賞装置の入賞口29dが設けられ、入賞口29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや、特別可変入賞球装置20の大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技盤6の外側の左右上下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技盤6の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて遊技球を打撃して遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置は、タッチセンサ基板(図示せず)上の回路によって制御される発射モータ(図示せず)を含み、発射モータが回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることはタッチセンサおよびタッチセンサ回路(遊技者が打球操作ハンドル5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータの駆動を停止する。
タッチセンサ基板(図示せず)には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータの各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータに供給される。さらに、打球操作ハンドル5に、または、打球操作ハンドル5の近傍に、発射停止スイッチ(図示せず)が設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。
なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板(図示せず)からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、打球発射装置には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータに供給される。
なお、ここに示す例では、タッチセンサ基板にパルス発生器が設けられているが、発射モータに供給されるパルスの発生機能を払出制御基板に持たせてもよい。その場合には、例えば、払出制御用マイクロコンピュータがパルスを発生し、発生されたパルスはタッチセンサ基板で中継されて発射モータに供給される。また、発射停止スイッチの出力は払出制御用マイクロコンピュータに入力され、払出制御用マイクロコンピュータは、下皿満タンや補給球切れが生じたとき、および発射停止スイッチの出力がオフ状態になったときに、パルス出力を停止する。
また、打球発射装置は、遊技球を遊技領域7に打出す打球ハンマ、打球ハンマを付勢するためのコイルばね、コイルばねで付勢された打球ハンマを付勢された位置から解放させるためのカム機構を備え、カム機構が発射モータにより駆動される。そして、打球操作ハンドル5の回動によりコイルばねの固定位置を変化させてばねの付勢力を調整し、その結果として、打球ハンマの遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
打球発射装置としては、ステッピングモータによる発射モータやロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打出す方式のものがある。そのように構成されている場合には、打球操作ハンドル5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータおよびロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
前述のそれぞれの構成において、打球発射装置の発射強度を調整する操作が可能な発射強度操作手段は、回動可能な打球操作ハンドル5に相当する。なお、打球発射装置による遊技球の発射を停止させる操作が可能な発射停止操作手段は、発射停止スイッチに相当する。
打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。
この実施の形態において、低ベース状態とは、遊技球が始動入賞口に有効始動入賞しやすくなるように制御されていない遊技状態であり、高ベース状態とは、低ベース状態よりも遊技球が始動入賞口に有効始動入賞しやすくなる(例えば、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。
この実施の形態において、低確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として低確率状態時の判定値(高確率状態時の判定値よりも狭い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められていない状態をいう。高確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として高確率状態時の判定値(低確率状態よりも広い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められている状態をいう。
遊技制御用マイクロコンピュータは、特別図柄の可変表示を開始するときに、その表示結果を大当り図柄とするか否かを判定する大当り判定処理を行う。また、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定した場合には、表示結果を確変大当り図柄とするか又は通常大当り図柄とするかをさらに判定する。即ち、大当り種別を確変大当りとするか又は通常大当りとするかを決定する。
特別図柄の可変表示結果が確変大当り図柄となった場合には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を高確率/高ベース状態に移行し、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率/高ベース状態が継続される。また、特別図柄の可変表示結果が通常大当り図柄となった場合には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、特別図柄の可変表示が50回実行されるか又は次回の大当り遊技状態が開始されるまで低確率/高ベース状態が継続される。大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、その後に大当り遊技状態が開始されること無く特別図柄の可変表示が50回実行された場合には、その後の遊技状態は低確率/低ベース状態となる。
この実施の形態においては、遊技状態として、低確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態、および低確率/高ベース状態が存在する。以下の説明において低確率/低ベース状態を通常状態と称する場合がある。通常状態において遊技者は左打ちを行い、流入口92に遊技球を流入させて第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bに遊技球を入賞させようとする。また、大当り遊技状態や高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)において遊技者は右打ちを行い、大当り遊技状態において開放される大入賞口や可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときの第2始動入賞口13bに遊技球を入賞させようとする。
遊技制御用マイクロコンピュータは、普通図柄の可変表示を開始するときに、ゲート32を遊技球が通過したときに抽出された当り判定用乱数(MR5)を用いた当り判定を実行する。該当り判定において当りとすると判定されたときには、普通図柄表示器10に可変表示結果として当り図柄が導出表示され、該当り判定において当りとしない(はずれとする)と決定されたときには、普通図柄表示器10に可変表示結果としてはずれ図柄が導出表示される。
ここで、低ベース状態(通常状態)においては、当り判定を実行するときに所定割合(例えば2/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は所定時間(例えば10秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、所定期間の開放制御(例えば0.5秒×1回の合計0.5秒の開放制御)が実行される。
一方、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)においては、当り判定を実行するときに前記所定割合よりも高い割合(例えば11/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は前記所定時間時間よりも短い時間(例えば1秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、前記所定期間よりも長い開放制御(例えば2.5秒×2回の合計5秒の開放制御)が実行される。
このように、高ベース状態においては、普通図柄の変動時間(可変表示時間)が短縮される普通図柄短縮変動制御、普通図柄の可変表示結果が当り図柄となる確率が高められる普通図柄確変制御、および普通図柄の可変表示結果が当り図柄となったことに基づいて可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される開放延長制御が行われる。さらに特別図柄の変動時間(可変表示時間)が短縮される特別図柄短縮変動制御も行われる。高ベース状態においてこれらの4つの制御が実行されることで、第2始動入賞口13bに有効始動入賞しやすくなる。
即ち、普通図柄短縮変動制御によって、普通図柄の変動時間が短縮される(例えば普通図柄短縮変動制御が実行されない場合の変動時間が10秒であるのに対し、普通図柄短縮変動制御が実行された場合の変動時間が1秒になる)ことで、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなり、可変入賞球装置15が開状態となる割合も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、普通図柄確変制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる(例えば普通図柄確変制御が実行されない場合の確率が2/13であるのに対し、普通図柄確変制御が実行された場合の確率が11/13になる)ことで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度も高まり、第2始動入賞口13bに有効始動入賞し易くなる。また、開放延長制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になった場合の可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される(例えば開放延長制御が実行されない場合の開放時間が0.5秒×1回(合計0.5秒)であるのに対し、開放延長制御が実行された場合の開放時間は2.5秒×2回(合計5秒)になる)ことで、第2始動入賞口13bに有効始動入賞し易くなる。さらに、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される特別図柄短縮変動制御によって、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、第1保留記憶や第2保留記憶の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減して、有効始動入賞し易くすることができる。
なお、この実施の形態では、高ベース状態において可変入賞球装置15の1回の開閉動作における開放時間が延長される(0.5秒から2.5秒になる)と共に、開放回数も多くなる(1回から2回になる)例を示しているが、1回の開閉動作における開放時間が延長されて、開放回数は変化しないようにしても良く(例えば5.0秒×1回)、1回の開閉動作における開放時間は延長されず、開放回数が多くなるようにしても良い(例えば0.5秒×10回)。いずれの場合にも、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になったことに伴い可変入賞球装置15が開状態となる合計時間は増加することになる。
このように、実施の形態においては、普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、および開放延長制御が行われることにより可変入賞球装置が開放制御される割合が高められる例を示しているが、普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、および開放延長制御のいずれか1つ、あるいは2つの制御が実行されることによっても可変入賞球装置が開放制御される割合が高められることになる。
本シミュレーション機能では、図47に示すように、右遊技領域7Bにゲート32が設けられていて、右打ち状態で右遊技領域7Bに発射された遊技球の一部は、ゲート32上方に配置された遊技釘により誘導されて、ゲート32を通過する。
右遊技領域7Bに発射された遊技球は、ゲート32の下方に配置された遊技釘に衝突して進路を変えつつ流下するものの、最終的にはゲート32のさらに下方に配置された誘導部材39a又は誘導部材39bの誘導面(上面)に高確率で落下して、誘導部材39a〜39cや、誘導部材39bと可変入賞球装置15との間に配置された遊技釘によって、可変入賞球装置15に誘導される。即ち、右遊技領域7Bに発射された遊技球の大半は可変入賞球装置15に誘導されることになる。従って、可変入賞球装置15が開放状態にあるときには、遊技釘により誘導された遊技球が高確率で第2始動入賞口13bに入賞する。
なお、誘導部材39aや遊技釘によって誘導された遊技球は、特別可変入賞球装置20に向けて誘導され、開放状態であれば、特別可変入賞球装置20の大入賞口に入賞するようになっている。よって、大当り遊技状態では、遊技者は右打ちして右遊技領域7Bに遊技球を打ち込めば、遊技球が特別可変入賞球装置20の大入賞口に入賞することを期待できる。
遊技制御用マイクロコンピュータは、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、入賞口スイッチ30a,30bのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板(図示せず)に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、球払出装置(図示せず)を駆動する。球払出装置には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が球払出装置から払出される。
この場合、払出制御基板側において、賞球払出が検出され、10個の賞球が払い出される毎に、賞球信号がパチンコ遊技機1の裏面側上部に設けられたターミナル基板(図示せず)を介して外部出力される。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aにおいて特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されたときに、第1特別図柄が確定したことを示す第1図柄確定信号が、ターミナル基板を介して外部出力される。第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されたときに、第2特別図柄が確定したことを示す第2図柄確定信号が、ターミナル基板を介して外部出力される。第1図柄確定信号および第2図柄確定信号は、いずれも所定幅のパルス信号である。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ14aにより遊技球が検出されたときに、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを示す第1始動口通過信号が、ターミナル基板を介して外部出力される。第2始動口スイッチ15aにより遊技球が検出されたときに、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことを示す第2始動口通過信号が、ターミナル基板を介して外部出力される。第1始動口通過信号および第2始動口通過信号は、いずれも所定幅のパルス信号である。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されたときに、大当り遊技状態に制御されていることを示す大当り信号が、ターミナル基板を介して外部出力される。大当り信号は大当り遊技状態の開始から大当り遊技状態の終了(最終ラウンドの終了)まで出力される(ONとなる)信号である。また、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)に制御されたときに、高ベース状態に制御されていることを示す時短信号が、ターミナル基板を介して外部出力される。時短信号は高ベース状態の開始から高ベース状態の終了まで出力される(ONとなる)信号である。
また、この実施の形態では、高ベース状態に制御されていない期間に、第1始動口スイッチ14aにより遊技球を検出することなく第2始動口スイッチ15aにより遊技球を所定回数以上(例えば5回)連続して検出する連続入賞異常を検出した場合には、異常検出を示すセキュリティ信号が、ターミナル基板を介して外部出力される。例えば、CPU56は、前述した保留特定領域において、低ベース状態に制御されている期間内に「第2」を示す値が所定回数以上連続して記憶されるか否かを、保留特定領域への記憶が生じる毎に確認しており、低ベース状態に制御されている期間内に「第2」を示す値が所定回数以上連続して記憶された場合には、異常検出を示すセキュリティ信号が外部出力される。また、この実施の形態では、図示しない磁気検知センサにより磁気が検出された場合や、図示しない電波検出センサにより不正電波が検出された場合にも、セキュリティ信号が外部出力される。すなわち、CPU56が遊技機における何らかの異常を検出したときには、異常検出を示す共通のセキュリティ信号が出力される。セキュリティ信号は所定幅のパルス信号である。
また、前述したように、賞球が10個払い出される毎にターミナル基板から賞球信号が出力される。賞球信号は所定幅のパルス信号である。
図46に戻り、上述したパチンコ遊技機1の下方には、該パチンコ遊技機1において遊技に使用されて、該パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器1120が設けられている。所定数(例えば10玉)のアウト玉が計数される毎にアウト玉計数器1120から打込信号が出力される。打込信号は所定幅のパルス信号である。
ターミナル基板から出力される賞球信号、第1図柄確定信号、第2図柄確定信号、第1始動口通過信号、第2始動口通過信号、大当り信号、時短信号、およびセキュリティ信号、ならびに、アウト玉計数器1120から出力される打込信号が、台端末1220等の中継機器および通信ケーブルを介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力されることで、該ホールコンピュータ1200において各パチンコ遊技機1の遊技情報を集計できるようになっている。
台端末1220等の中継機器には複数のパチンコ遊技機1(およびこれに対応するアウト玉計数器1120)からの出力信号が入力される。台端末1220等の中継機器からは、入力信号に対応させて当該信号を出力した(または当該信号を出力したアウト玉計数器1120に対応する)パチンコ遊技機1を識別可能な台識別情報(例えば中継機器の信号入力端子に対応して付された識別情報)が出力される。これにより、ホールコンピュータ1200等の情報管理装置においては、台識別情報に対応させた台番号毎に遊技情報を管理することが可能となる。この実施の形態では、ホールコンピュータ1200は、台端末1220等の中継機器を介して接続される各パチンコ遊技機1と通信可能であり、各パチンコ遊技機1の遊技情報を集計するものである。
(第1の異常判定方法)
次に、ホールコンピュータ1200が実行する第1の異常判定方法について説明する。CPU1202は、賞球信号、打込信号、第1図柄確定信号、第2図柄確定信号、第1始動口通過信号、第2始動口通過信号、およびセキュリティ信号の入力、ならびに、大当り信号、および時短信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
CPU1202は、第1始動口通過信号の入力を検出した場合には、総始動入賞数を1加算し、第1始動入賞数を1加算する。そして、第1始動入賞連続数を1加算し、第2始動入賞連続数を0にリセットし、第1始動入賞連続数が所定数(例えば5)に達しているか否かを判定する。第1始動入賞連続数が所定数に達していなければ処理を終了する。第1始動入賞連続数が所定数に達していれば、第1始動入賞口13aへの入賞が所定数以上連続したことに基づく連続入賞異常を報知する。連続入賞異常の報知は、例えば、表示装置1206に連続入賞異常が検出された台番号を表示する態様により行われる。
例えば、第1始動入賞連続数が所定数に達している要因として、振分装置90の異常等により第1始動入賞口13aに連続して遊技球が入賞しているケースが考えられる。このような場合には、ホールコンピュータ1200において異常を報知することにより、管理者が適切に対処することができる。
CPU1202は、第2始動口通過信号の入力を検出した場合には、総始動入賞数を1加算し、第2始動入賞数を1加算する。そして、第2始動入賞連続数を1加算し、第1始動入賞連続数を0にリセットし、時短信号がONの状態であるか否かを判定する。時短信号がONの状態であれば処理を終了する。時短信号がOFFの状態であれば、時短信号がONからOFFに切り替わってから所定入賞数(例えば4)以内であるか否かを判定する。例えば、時短信号がONからOFFに切り替わったときに、時短終了後入賞数カウンタの値を0にリセットするようにしておき、総始動入賞数の加算毎に、時短終了後入賞数カウンタの値を1加算するようにしておく。そして、時短終了後入賞数カウンタの値が所定値(例えば4)以下であるか否かを判定する。
時短信号がOFFになってから所定入賞数以内であれば処理を終了する。時短信号がOFFになってから所定入賞数を過えていれば、第2始動入賞連続数が所定数(例えば5)に達しているか否かを判定する。第2始動入賞連続数が所定数に達していなければ処理を終了する。第2始動入賞連続数が所定数に達していれば、第2始動入賞口13bへの入賞が所定数以上連続したことに基づく連続入賞異常を報知する。
例えば、高ベース状態以外の期間に第2始動入賞連続数が所定数に達している要因として、振分装置90の異常や不正行為等により第2始動入賞口13bに連続して遊技球が入賞しているケースが考えられる。このような場合には、ホールコンピュータ1200において異常を報知することにより、管理者が適切に対処することができる。特に、遊技機において、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合よりも、第2特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合の方が、遊技者にとって有利な(例えばラウンド数が多い、あるいは1ラウンドあたりの大入賞口開放期間が長い)大当り種別に決定される割合が高く設定されている場合が多い。このような遊技機では、通常状態では連続入賞しない第2始動入賞口13bに連続入賞させるような不正が実行されるおそれがあるため、このような場合に、ホールコンピュータ1200側で連続入賞異常が報知されることにより、遊技場側で不正の可能性を認識して適切な措置を採ることができる。
また、この実施の形態では、通常状態において左打ちが行われることにより、遊技球が第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bに交互に入賞することになるが、高ベース状態において右打ちが行われることにより、遊技球が第2始動入賞口13bに連続して入賞可能となる。従って、対応する可変入賞球装置が設けられていない第1始動入賞口13aに連続して遊技球が入賞する事態は、可変入賞球装置の開放制御状況にかかわらず通常は発生し得ないケースであるため、高ベース状態であるか否かにかかわらず、直ちに連続入賞異常を報知するようにしている。一方、対応する可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口13bに連続して遊技球が入賞する事態は、可変入賞球装置の開放制御状況によっては(高ベース状態において)発生し得うるケースであるため、通常は連続入賞が発生し得ない時短信号がOFFの状態である場合にのみ、連続入賞異常を報知するようにしている。このように、通常状態で左打ちが行われて第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bに交互に遊技球が振り分けられる遊技機において、適切な異常報知を行うことができる。
CPU1202は、セキュリティ信号の入力を検出した場合には、まず、時短信号がONの状態であるか否かを判定する。時短信号がONの状態であれば、連続入賞異常の可能性を含まない遊技機エラーが検出されていることを報知する。時短信号がOFFの状態であれば、連続入賞異常の可能性を含む遊技機エラーが検出されていることを報知する。ここでの連続入賞異常とは、遊技機側において検出される連続入賞異常である。また、遊技機エラーとは、遊技機側で検出された異常である。遊技機エラーの報知は、例えば、表示装置1206に台番号と共に所定のメッセージ(「台番号××で連続入賞異常以外の遊技機エラー」、「台番号××で遊技機エラー(連続入賞異常の可能性有り)」)を表示する態様で行われる。
前述したように、本シミュレーション機能におけるパチンコ遊技機1では、高ベース状態に制御されていない期間(時短信号がOFFの期間)に、第1始動口スイッチ14aにより遊技球を検出することなく第2始動口スイッチ15aにより遊技球を所定回数以上(例えば5回)連続して検出する連続入賞異常を検出した場合には、異常検出を示すセキュリティ信号が出力されるが、連続入賞以外の異常が検出された場合にも、端子数の制限等の事情があるため共通のセキュリティ信号が出力される。ホールコンピュータ1200側では、セキュリティ信号を受信したとしても、どのような遊技機エラーであるかを特定できないが、遊技機より時短信号が入力されることにより、時短信号がOFFのときには、少なくとも連続入賞異常以外の遊技機エラーであることを特定して、その旨を報知可能である。これにより、遊技者は、連続入賞以外の遊技機エラーであることを把握して、適切な措置を採ることができる。
以上に示したシミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200では、図51に示すように、パチンコ遊技機1からの時短信号が入力されている期間内(図中の(1)〜(2)の期間内)に第2始動口通過信号が所定回数以上連続して入力されても連続入賞異常を報知しないが、パチンコ遊技機1からの時短信号が入力されていない期間内に第2始動口通過信号が所定回数以上連続して入力された場合(図中の(3)以降の期間)には連続入賞異常を報知する。
ここで、高ベース状態が終了してから所定入賞数(図51の例では4)以内の場合には、連続入賞異常が報知されないことになる(図中の(2)〜(3)の期間)。ここで、高ベース状態終了時に既に開始されていた普通図柄の可変表示について、その表示結果が当り図柄となったことに伴い高ベース状態終了後に可変入賞球装置15が開放制御される場合に、右遊技領域7Bに発射された遊技球が高ベース状態終了後にも連続して第2始動入賞口13bに入賞するケースがある。従って、仮にこのような第2始動入賞口13bへの入賞に基づいて連続入賞異常が報知されてしまうと混乱を招くことになるため、このシミュレーション機能では、高ベース状態終了後の入賞数が所定数(例えば4)以内のときには、連続入賞異常を報知せず、より適切な連続入賞異常の報知が行われるようにしている。
(第2の異常判定方法)
次に、第2の異常判定方法について説明する。本シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200は、第1の異常判定方法と異なり、第1始動口通過信号や第2始動口通過信号ではなく、第1図柄確定信号や第2図柄確定信号に基づいて連続入賞異常を判定するものである。なお、本シミュレーション機能に係る遊技機からの出力信号は、第1の異常判定方法と同様である。
CPU1202は、第1図柄確定信号の入力を検出した場合には、総スタート回数を1加算し、特図1スタート回数を1加算する。そして、特図1スタート連続数を1加算し、特図2スタート連続数を0にリセットし、特図1スタート連続数が所定数(例えば5)に達しているか否かを判定する。特図1スタート連続数が所定数に達していなければ、第1図柄確定信号入力時処理を終了する。特図1スタート連続数が所定数に達していれば、第1特別図柄の可変表示が所定数以上連続したことに基づく連続入賞異常を報知する。
例えば、特図1スタート連続数が所定数に達している要因として、振分装置90の異常等により第1始動入賞口13aに連続して遊技球が入賞しているケースが考えられる。このような場合には、ホールコンピュータ1200において異常を報知することにより、管理者が適切に対処することができる。
CPU1202は、第2図柄確定信号の入力を検出した場合には、総スタート回数を1加算し、特図2スタート回数を1加算する。そして、特図2スタート連続数を1加算し、特図1スタート連続数を0にリセットし、時短信号がONの状態であるか否かを判定する。時短信号がONの状態であれば、第2図柄確定信号入力時処理を終了する。時短信号がOFFの状態であれば、時短信号がONからOFFに切り替わってから所定変動数(例えば5)以内であるか否かを判定する。例えば、時短信号がONからOFFに切り替わったときに、時短終了後変動数カウンタの値を0にリセットするようにしておき、総スタート回数の加算毎に、時短終了後変動数カウンタの値を1加算するようにしておく。そして、時短終了後変動数カウンタの値が所定値(例えば5)以下であるか否かを判定する。
時短信号がOFFになってから所定変動数以内であれば、第2図柄確定信号入力時処理を終了する。時短信号がOFFになってから所定変動数を過えていれば、特図2スタート連続数が所定数(例えば5)に達しているか否かを判定する。特図2スタート連続数が所定数に達していなければ、第2図柄確定信号入力時処理を終了する。特図2スタート連続数が所定数に達していれば、第2特別図柄の可変表示が所定数以上連続したことに基づく連続入賞異常を報知する。
例えば、高ベース状態以外の期間に特図2スタート連続数が所定数に達している要因として、振分装置90の異常や不正行為等により第2始動入賞口13bに連続して遊技球が入賞しているケースが考えられる。このような場合には、ホールコンピュータ1200において異常を報知することにより、管理者が適切に対処することができる。特に、遊技機において、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合よりも、第2特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合の方が、遊技者にとって有利な(例えばラウンド数が多い、あるいは1ラウンドあたりの大入賞口開放期間が長い)大当り種別に決定される割合が高く設定されている場合が多い。このような遊技機では、通常状態では連続入賞しない第2始動入賞口13bに連続入賞させるような不正が実行されるおそれがあるため、このような場合に、ホールコンピュータ1200側で連続入賞異常が報知されることにより、遊技場側で不正の可能性を認識して適切な措置を採ることができる。
以上に示した第2の異常判定方法では、図52に示すように、パチンコ遊技機1からの時短信号が入力されている期間内(図中の(1)〜(2)の期間内)に第2図柄確定信号が所定回数以上連続して入力されても連続入賞異常を報知しないが、パチンコ遊技機1からの時短信号が入力されていない期間内に第2図柄確定信号が所定回数以上連続して入力された場合(図中の(3)以降の期間)には連続入賞異常を報知する。
ここで、高ベース状態が終了してから所定変動数(図52の例では5)以内の場合には、連続入賞異常が報知されないことになる(図中の(2)〜(3)の期間)。これは、高ベース状態終了後に第2保留記憶に基づく第2特別図柄の可変表示が実行されて第2図柄確定信号が連続して出力される場合があるからである。例えば、高ベース状態に係る右打ちが開始される時点で、振分装置90の揺動部材93が図50(c)の状態になっていたとすると(すなわち次回受け入れた遊技球を第2始動入賞口13bに振り分ける状態になっていたとすると)、仮に、高ベース状態終了時に第2保留記憶数が上限値(本例では4)に達している場合には、高ベース状態終了後に、第2保留記憶数上限値+1回(本例では合計5回)までは第2特別図柄の可変表示が連続して実行されることになる。従って、仮にこの期間内に連続入賞異常が報知されてしまうと混乱を招くことになるため、このシミュレーション機能では、高ベース状態終了後の可変表示回数が所定数(例えば第2保留記憶数上限値+1=5)以内の場合には、連続入賞異常を報知せず、より適切な連続入賞異常の報知が行われるようにしている。
(第3の異常判定方法)
次に、第3の異常判定方法について説明する。本シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200は、第1の異常判定方法と異なり、時短信号の状況ではなく、第2始動口開放信号の状況に基づいて連続入賞異常を判定するものである。なお、本シミュレーション機能に係る遊技機からの出力信号は、第1の異常判定方法と異なり、第1特別図柄の可変表示が実行されたときと、第2特別図柄の可変表示が実行されたときとで共通の図柄確定信号が出力される。また、可変入賞球装置15が開放制御されている期間(開状態)にONとなり、開放制御されていない期間(閉状態)にはOFFとなる第2始動口開放信号が出力される。
CPU1202は、第2始動口通過信号の入力を検出した場合には、まず、総始動入賞数を1加算し、第2始動入賞数を1加算する。そして、第2始動入賞連続数を1加算し、第1始動入賞連続数を0にリセットし、第2始動口開放信号がONの状態であるか否かを判定する。第2始動口開放信号がONの状態であれば、第2始動口通過信号入力時処理を終了する。第2始動口開放信号がOFFの状態であれば、第2始動口開放信号がONからOFFに切り替わってから所定入賞数(例えば1)以内であるか否かを判定する。例えば、第2始動口開放信号がONからOFFに切り替わったときに、開放終了後入賞数カウンタの値を0にリセットするようにしておき、総始動入賞数の加算毎に、開放終了後入賞数カウンタの値を1加算するようにしておく。そして、開放終了後入賞数カウンタの値が所定値(例えば1)以下であるか否かを判定する。
第2始動口開放信号がOFFになってから所定入賞数以内であれば、処理を終了する。第2始動口開放信号がOFFになってから所定入賞数を過えていれば、第2始動入賞連続数が所定数(例えば5)に達しているか否かを判定する。第2始動入賞連続数が所定数に達していなければ、第2始動口通過信号入力時処理を終了する。第2始動入賞連続数が所定数に達していれば、第2始動入賞口13bへの入賞が所定数以上連続したことに基づく連続入賞異常を報知する。
例えば、可変入賞球装置15の開放制御期間以外の期間に 第2始動入賞連続数が所定数に達した要因として、振分装置90の異常や不正行為等により第2始動入賞口13bに連続して遊技球が入賞しているケースが考えられる。このような場合には、ホールコンピュータ1200において異常を報知することにより、管理者が適切に対処することができる。特に、遊技機において、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合よりも、第2特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合の方が、遊技者にとって有利な(例えばラウンド数が多い、あるいは1ラウンドあたりの大入賞口開放期間が長い)大当り種別に決定される割合が高く設定されている場合が多い。このような遊技機では、通常状態では連続入賞しない第2始動入賞口13bに連続入賞させるような不正が実行されるおそれがあるため、このような場合に、ホールコンピュータ1200側で連続入賞異常が報知されることにより、遊技場側で不正の可能性を認識して適切な措置を採ることができる。
CPU1202は、セキュリティ信号の入力を検出した場合には、まず、第2始動口開放信号がONの状態であるか否かを判定する。第2始動口開放信号がONの状態であれば、連続入賞異常の可能性を含まない遊技機エラーが検出されていることを報知する。第2始動口開放信号がOFFの状態であれば連続入賞異常の可能性を含む遊技機エラーが検出されていることを報知する。
以上に示した第3の異常判定方法では、図53に示すように、パチンコ遊技機1からの第2始動口開放信号が入力されている期間内(図中の(1)〜(2)の期間内)に第2始動口通過信号が所定回数以上連続して入力されても連続入賞異常を報知しないが、パチンコ遊技機1からの第2始動口開放信号が入力されていない期間内に第2始動口通過信号が所定回数以上連続して入力された場合(図中の(3)以降の期間)には連続入賞異常を報知する。
ここで、前述した判定処理により、可変入賞球装置15の開放制御(1回の当り図柄の導出表示に伴い複数回の開放制御が実行される場合には、その全ての開放制御)が終了してから所定入賞数(図53の例では1)以内の場合には、連続入賞異常が報知されないことになる(図中の(2)〜(3)の期間)。例えば、開放制御が開始される時点で、振分装置90の揺動部材93が図50(c)の状態になっていたとすると(すなわち次回受け入れた遊技球を第2始動入賞口13bに振り分ける状態になっていたとすると)、開放制御終了直後は、最初に第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することになるため、これを以て連続入賞異常が報知されてしまうと混乱を招くことになる。このシミュレーション機能では、可変入賞球装置15の開放制御終了後の入賞回数が所定数(例えば1)以内の場合には、連続入賞異常を報知せず、より適切な連続入賞異常の報知が行われるようにしている。
(第4の異常判定方法)
次に、第4の異常判定方法について説明する。本シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200は、第1の異常判定方法と異なり、時短信号の状況ではなく、ゲート32の遊技球の通過状況に基づいて連続入賞異常を判定するものである。なお、本シミュレーション機能に係る遊技機からの出力信号は、第1の異常判定方法と異なり、第1特別図柄の可変表示が実行されたときと、第2特別図柄の可変表示が実行されたときとで共通の図柄確定信号が出力される。また、ゲート32を遊技球が通過したことに基づいてパルス状のゲート通過信号が出力される。
CPU1202は、第2始動口通過信号の入力を検出した場合には、まず、総始動入賞数を1加算し、第2始動入賞数を1加算する。そして、第2始動入賞連続数を1加算し、第1始動入賞連続数を0にリセットし、当該対応するパチンコ遊技機1の電源投入から所定期間内(例えば電源投入後の最初のゲート通過信号が入力されるまでの期間内)であるか否かを判定する。電源投入から所定期間内であれば、処理を終了する。例えばパチンコ遊技機1の電源投入後から最初のゲート通過信号が入力されるまでの期間は、後述するゲート通過タイマの値がリセットされること等により、ゲート通過信号が入力されてからの経過時間が不明となる場合がある。そのため、電源投入後から最初のゲート通過信号が入力されるまでの期間は連続入賞異常を報知しないようにすることで、より適切な異常報知を行うようにしている。
対応するパチンコ遊技機1の電源投入から所定期間を経過している場合には、ゲート通過信号の入力時にセットされるゲート通過タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。すなわち、ゲート通過から所定期間を経過しているか否かを判定する。ゲート通過タイマがタイムアウトしていなければ、第2始動口通過信号入力時処理を終了する。ゲート通過タイマがタイムアウトしていれば、ゲート通過タイマのタイムアウトから所定入賞数(例えば1)以内であるか否かを判定する。例えば、ゲート通過タイマがタイムアウトしたときに、タイムアウト後入賞数カウンタの値を0にリセットするようにしておき、総始動入賞数の加算毎に、タイムアウト後入賞数カウンタの値を1加算するようにしておく。そして、S446Dにおいて、タイムアウト後入賞数カウンタの値が所定値(例えば1)以下であるか否かを判定する。
ゲート通過タイマのタイムアウトから所定入賞数以内であれば、第2始動口通過信号入力時処理を終了する。ゲート通過タイマのタイムアウトから所定入賞数を過えていれば、第2始動入賞連続数が所定数(例えば5)に達しているか否かを判定する。第2始動入賞連続数が所定数に達していなければ、第2始動口通過信号入力時処理を終了する。第2始動入賞連続数が所定数に達していれば、第2始動入賞口13bへの入賞が所定数以上連続したことに基づく連続入賞異常を報知する。
通常は、右打ちが実行されている状態では、所定の割合で遊技球がゲート32を通過することになる。従って、ゲート通過信号が入力されること無く所定期間を経過した場合、即ち上記ゲート通過タイマがタイムアウトしている場合には、右打ちが実行されていないことが推定される。このような期間内に、第2始動入賞連続数が所定数に達した要因として、振分装置90の異常や不正行為等により第2始動入賞口13bに連続して遊技球が入賞しているケースが考えられる。このような場合には、ホールコンピュータ1200において異常を報知することにより、管理者が適切に対処することができる。特に、遊技機において、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合よりも、第2特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合の方が、遊技者にとって有利な(例えばラウンド数が多い、あるいは1ラウンドあたりの大入賞口開放期間が長い)大当り種別に決定される割合が高く設定されている場合が多い。このような遊技機では、通常状態では連続入賞しない第2始動入賞口13bに連続入賞させるような不正が実行されるおそれがあるため、このような場合に、ホールコンピュータ1200側で連続入賞異常が報知されることにより、遊技場側で不正の可能性を認識して適切な措置を採ることができる。
なお、CPU1202は、ゲート通過信号の入力を検出した場合には、総ゲート通過数を1加算し、ゲート通過タイマをセットする。例えば、右打ちが実行されている場合にゲート32を遊技球が通過する間隔を集計し、得られた集計結果のうち最長の間隔をタイマ値としてセットするようにすると良い。
CPU1202は、セキュリティ信号の入力を検出した場合には、まず、ゲート通過タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。ゲート通過タイマがタイムアウトしていなければ、連続入賞異常の可能性を含まない遊技機エラーが検出されていることを報知する。ゲート通過タイマがタイムアウトしていれば、連続入賞異常の可能性を含む遊技機エラーが検出されていることを報知する。
以上に示した第4の異常判定方法では、図54に示すように、ゲート通過タイマがタイムアウトするまでの期間内(図中の(1)〜(2)の期間内)に第2始動口通過信号が所定回数以上連続して入力されても連続入賞異常を報知しないが、ゲート通過タイマがタイムアウトしている期間内に第2始動口通過信号が所定回数以上連続して入力された場合(図中の(3)以降の期間)には連続入賞異常を報知する。
ここで、ゲート通過タイマがタイムアウトしてから所定入賞数(図54の例では1)以内の場合には、連続入賞異常が報知されないことになる(図中の(2)〜(3)の期間)。例えば、ゲート通過タイマがセットされる時点で、振分装置90の揺動部材93が図50(c)の状態になっていたとすると(すなわち次回受け入れた遊技球を第2始動入賞口13bに振り分ける状態になっていたとすると)、ゲート通過タイマのタイムアウト直後は、最初に第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することになるため、これを以て連続入賞異常が報知されてしまうと混乱を招くことになる。このシミュレーション機能では、ゲート通過タイマのタイムアウト後の入賞回数が所定数(例えば1)以内の場合には、連続入賞異常を報知せず、より適切な連続入賞異常の報知が行われるようにしている。
[第2の遊技機およびその遊技情報を管理する管理装置]
図55に示す管理装置としてのホールコンピュータ1200は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される第2の遊技機としてのパチンコ遊技機1における遊技にて発生した遊技情報を管理する。遊技情報は、図56に示すパチンコ遊技機1や、該パチンコ遊技機1に対応して設けられているアウト玉計数器1120等から出力される各種信号に基づいて集計される。
(第2の遊技機)
第2の遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。ここでは、第1の遊技機と異なる点について説明する。図56はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
左遊技領域7Aには、演出表示装置9の左側に左ゲート32、演出表示装置9の下方に第1始動入賞口13aが設けられている。右遊技領域7Bには、演出表示装置9の右側に右ゲート33、演出表示装置9の下方に特別可変入賞球装置20が設けられている。
ここで、第1始動入賞口13aは、演出表示装置9の直下に設けられているが、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行った場合に遊技球が入賞し易く、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行った場合には、遊技球の流下経路上に設けられる遊技釘や誘導部材39a〜39cの配置によって遊技球が入賞し難くなっている。また、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13aの下方に設けられている。可変入賞球装置15は、可動翼片の傾動制御によって開放状態となる。
この実施の形態では、左遊技領域7Aおよび右遊技領域7Bに、それぞれ遊技球が通過可能な通過領域としての左ゲート32および右ゲート33が設けられている。遊技者が左打ちを行っているときには、遊技球が左ゲート32を通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。また、遊技者が右打ちを行っているときには、遊技球が右ゲート33を通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。すなわち、左打ちを行っている場合および右打ちを行っている場合のいずれにおいても、可変入賞球装置15が開放状態となる場合があり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。
また、大当り遊技状態中は、特別可変入賞球装置20が開放される。この特別可変入賞球装置20は、可変入賞球装置15の直下に配置されているが、右打ちしたときに誘導部材39bや遊技釘40により誘導された遊技球が入賞しやすい位置にある。
遊技者は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)のときは、特別可変入賞球装置20が開放されず、右ゲート33に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が高頻度では開放されないため、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を第1始動入賞口13aに入賞させる。遊技状態が高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)のときには、右ゲート33に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が高頻度で開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を特別可変入賞球装置20に入賞させる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口13bよりも、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図56に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。この実施の形態では、第1保留記憶表示部18cが演出表示装置9の表示画面の左下部、第2保留記憶表示部18dが演出表示装置9の表示画面の右下部というように、別領域に設けられている。従って、第1特別図柄表示器18a,第2特別図柄表示器18bの各々における可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部を演出表示装置9の表示画面に設けるようにしても良い。
また、図56に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23aで検出される。
遊技球が左ゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたとき、または、右ゲート33を通過し第2ゲートスイッチ33aで検出されたときには、ゲート通過に基づく当り判定用乱数(MR5)が抽出される。抽出された当り判定用乱数は、普通図柄保留記憶数が上限値(例えば4)に達していないことを条件に、普通図柄保留記憶として記憶され、これに伴い普通図柄保留記憶数が1加算される。そして、普通図柄保留記憶数が0ではなく、普通図柄の可変表示が実行されておらず、且つ、可変入賞球装置15の開閉制御が実行されていないことを条件として、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始され、これに伴い普通図柄保留記憶数が1減算される。
そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、左ゲート32及び右ゲート33のいずれかを通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄保留記憶数に応じた数のLEDを点灯させるものである。左ゲート32,右ゲート33を遊技球が通過する毎に、すなわちゲートスイッチ32a,33aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
ここで、低ベース状態(通常状態)においては、当り判定を実行するときや可変入賞球装置15の開閉制御を実行するときに、図57(A)に示す普通図柄制御用テーブルAが選択される。普通図柄制御用テーブルAに示されるように、通常状態では3/13の割合で当りと判定され(MR5=1〜3)、10/13の割合ではずれと判定される(MR5=4〜13)。さらに、当りと判定される場合には、2/3の割合で短開放当り(MR5=1,2)と判定され、1/3の割合で長開放当り(MR5=3)と判定される。短開放当りの場合には、可変入賞球装置15において0.5秒の開放制御が1回実行され、長開放当りの場合には、可変入賞球装置15において5秒の開放制御が1回実行される。短開放当りの場合には、可変入賞球装置15への入賞割合は低く、実質的には殆ど入賞を期待できないのに対して、長開放当りの場合には、可変入賞球装置15への入賞割合が高く、低ベース状態で左打ちを行っている場合であっても、可変入賞球装置15への入賞を期待することができる。なお、通常状態における普通図柄の変動時間は10秒となっている。
一方、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)においては、当り判定を実行するときや可変入賞球装置15の開閉制御を実行するときに、図57(B)に示す普通図柄制御用テーブルBが選択される。普通図柄制御用テーブルBに示されるように、高ベース状態では11/13の割合で当りと判定され(MR5=1〜11)、2/13の割合ではずれと判定される(MR5=12,13)。さらに、当りと判定される場合には、可変入賞球装置15において2.5秒の開放制御が2回実行される。従って、高ベース状態で右打ちを行っている場合には、可変入賞球装置15への入賞を期待することができる。なお、高ベース状態における普通図柄の変動時間は1秒となっている。
一方、この実施の形態における低ベース状態では、原則として、前述した普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、開放延長制御、および特別図柄短縮変動制御のいずれの制御も実行されないが、1/13の割合で長開放当りとなった場合に5秒間の開放制御が実行される場合がある、この実施の形態では、長開放当りの場合の1回の開閉動作における開放時間(5.0秒)が短開放当りの場合の1回の開閉動作における開放時間(0.5秒)より長くなり、開放回数は同じ(1回)である例を示しているが、1回の開閉動作における開放時間は共通で、開放回数が多くなるようにしても良い(例えば0.5秒×10回)。いずれの場合にも、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になったことに伴い可変入賞球装置15が開放状態となる合計時間は増加することになる。
本シミュレーション機能では、図56に示すように、左遊技領域7Aに左ゲート32が設けられていて、左打ち状態で左遊技領域7Aに発射された遊技球の一部は、左ゲート32上方に配置された遊技釘により誘導されて、左ゲート32を通過する。また、右遊技領域7Bに右ゲート33が設けられていて、右打ち状態で右遊技領域7Bに発射された遊技球の一部は、右ゲート33上方に配置された遊技釘により誘導されて、右ゲート33を通過する。
右遊技領域7Bに発射された遊技球は、ゲート32の下方に配置された遊技釘に衝突して進路を変えつつ流下するものの、最終的にはゲート32のさらに下方に配置された誘導部材39a又は誘導部材39bの誘導面(上面)に高確率で落下して、誘導部材39a〜39cや、誘導部材39bと可変入賞球装置15との間に配置された遊技釘によって、可変入賞球装置15に誘導される。即ち、右遊技領域7Bに発射された遊技球の大半は可変入賞球装置15に誘導されることになる。従って、可変入賞球装置15が開放状態にあるときには、遊技釘により誘導された遊技球が高確率で第2始動入賞口13bに入賞する。
誘導部材39b,39cや遊技釘によって誘導された遊技球は、可変入賞球装置15が開放されていない状態では、さらに、特別可変入賞球装置20に向けて誘導され、開放状態であれば、特別可変入賞球装置20の大入賞口に入賞するようになっている。よって、大当り遊技状態では、遊技者は右打ちして右遊技領域7Bに遊技球を打ち込めば、遊技球が特別可変入賞球装置20の大入賞口に入賞することを期待できる。
第2の遊技機からは、第1の遊技機と同様の賞球信号、大当り信号、および時短信号が出力され、これらの各信号はターミナル基板を介して外部出力されるようになっている。
この第2の遊技機からは、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されたときに、特別図柄が確定したことを示す図柄確定信号が出力される。図柄確定信号は所定幅のパルス信号である。
また、第2の遊技機からは、当該パチンコ遊技機1の製造者を示す製造者IDおよび当該パチンコ遊技機1の型式(機種)を示す型式IDを含む機械識別情報が出力される。機械識別情報は、パチンコ遊技機1の電源投入時から所定時間(例えば8秒)経過後に出力される所定データ長の信号であり、スタートビットとストップビットを含むフレーム単位に分割して出力される。また、図示しない磁気検知センサにより磁気が検出された場合や、異常入賞が検出された場合には、異常検出を示すセキュリティ信号が出力される。セキュリティ信号は所定幅のパルス信号である。
また、第2の遊技機からは、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aにより遊技球が検出されたときに、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことを示す始動口通過信号が出力される。始動口通過信号は所定幅のパルス信号であり、この実施の形態では、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ15aのいずれにより遊技球が検出された場合にも、共通の始動口通過信号が共通の信号線を通じて出力される。
また、第2の遊技機からは、第1ゲートスイッチ32aまたは第2ゲートスイッチ33aにより遊技球が検出されたときに、左ゲート32または右ゲート33を遊技球が通過したことを示すゲート通過信号が出力される。ゲート通過信号は所定幅のパルス信号であり、この実施の形態では、第1ゲートスイッチ32aおよび第2ゲートスイッチ33aのいずれにより遊技球が検出された場合にも、共通のゲート通過信号が共通の信号線を通じて出力される。
上記図柄確定信号、セキュリティ信号、始動口通過信号、およびゲート通過信号は、ターミナル基板を介して外部出力されるようになっている。
(遊技情報の集計)
上述したパチンコ遊技機1の下方には、該パチンコ遊技機1において遊技に使用されて、該パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器1120が設けられている。所定数(例えば10玉)のアウト玉が計数される毎にアウト玉計数器1120から打込信号が出力される。打込信号は所定幅のパルス信号である。
ターミナル基板から出力される機械識別信号、賞球信号、図柄確定信号、始動口通過信号、大当り信号、時短信号、ゲート通過信号、およびセキュリティ信号、ならびに、アウト玉計数器1120から出力される打込信号が、台端末1220等の中継機器および通信ケーブルを介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力されることで、該ホールコンピュータ1200において各パチンコ遊技機1の遊技情報を集計できるようになっている。
台端末1220等の中継機器には複数のパチンコ遊技機1(およびこれに対応するアウト玉計数器1120)からの出力信号が入力される。台端末1220等の中継機器からは、入力信号に対応させて当該信号を出力した(または当該信号を出力したアウト玉計数器1120に対応する)パチンコ遊技機1を識別可能な台識別情報(例えば中継機器の信号入力端子に対応して付された識別情報)が出力される。これにより、ホールコンピュータ1200等の情報管理装置においては、台識別情報に対応させた台番号毎に遊技情報を管理することが可能となる。
次いで、本シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200の記憶装置1206には、該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理内容が記述された処理プログラムに加えて、図58に示す機種データベースと、図59に示す遊技履歴テーブルが記憶されている。
機種データベースは、図58に示すように、遊技機の製造者を識別するための「製造者ID」と、当該製造者が製造した遊技機の型式を識別するための「型式ID」とを対応づけて記憶すると共に、当該型式から特定される「機種名」と、当該型式から特定される機種における遊技領域中のゲート位置である「ゲート位置」とが記憶されている。例えば、遊技領域の左にのみゲートが設けられている場合には「左」、右にのみゲートが設けられている場合には「右」、左右いずれにもゲートが設けられている場合には「左・右」が記憶される。CPU1203は、遊技場の営業開始前の時間帯に、情報管理サーバ(図示せず)において随時更新されているこれらの情報をインターネットを通じてダウンロードすることにより、機種データベースを最新の情報に更新している。
遊技履歴テーブルには、図59に示すように、遊技場に設置されている各パチンコ遊技機1の台番号に対応付けて、当該パチンコ遊技機1の「機種名」と、遊技領域中のゲート位置である「ゲート位置」と、大当り信号がONであるかOFFであるか(大当り遊技状態に制御されているか否か)を示す「大当り信号」と、時短信号がONであるかOFFであるか(高ベース状態に制御されているか否か)を示す「時短信号」と、当日払い出された賞球数の合計を示す「総賞球数」と、当日打ち込まれた打込玉数の合計を示す「総打込玉数」と、「総打込玉数」−「総賞球数」により算出される「総差玉数」と、当日の特別図柄の変動表示回数を示す「総スタート回数」と、当日の大当り発生回数を示す「総大当り回数」と、当日における第1始動口13aへの入賞数と第2始動口13bへの入賞数との合計値を示す「総始動入賞数」と、当日における左ゲート32の通過数と右ゲート33の通過数との合計値を示す「総ゲート通過数」と、当日、左ゲート32の通過に基づくものと判定されたゲート通過数を示す「左ゲート通過数」と、当日、右ゲート33の通過に基づくものと判定されたゲート通過数を示す「右ゲート通過数」と、当日、左遊技領域7Aに打ち込まれたと判定された打込玉数を示す「左領域打込玉数」と、当日、右遊技領域7Bに打ち込まれたと判定された打込玉数を示す「右領域打込玉数」と、[左ゲート通過数÷左領域打込玉数]×100により算出される「左ゲート通過率」と、[右ゲート通過数÷右領域打込玉数]×100により算出される「右ゲート通過率」と、を記憶している。
遊技履歴テーブルの内容は、全て表示装置1206に表示させることが可能であり、表示されたこれらの情報によって、遊技場の管理者は、各遊技機の稼働状況や入賞状況等を把握することができる。
(第1の集計処理)
次に、ホールコンピュータ1200が実行する第1の集計処理について説明する。CPU1202は、機械識別信号、賞球信号、打込信号、図柄確定信号、始動口通過信号、ゲート通過信号、およびセキュリティ信号の入力、ならびに、大当り信号、および確変信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
CPU1202は、機械識別信号の入力を検出した場合には、まず、入力された機械識別信号から、製造者IDおよび型式IDを各々抽出し、機種データベースを参照して、抽出した製造者IDおよび型式IDに合致する機種名とゲート位置を特定する。そして、特定した機種名およびゲート位置を、遊技履歴テーブルにおいて、対応する台番号の「機種名」および「ゲート位置」として登録する。これにより、遊技場の管理者は、各遊技機の機種名とゲート位置とを把握することができる。
以下に説明する集計処理は、「ゲート位置」が「左・右」の機種に対応した集計処理であり、「ゲート位置」が「左」または「右」の機種に関しては、左ゲート通過数や右ゲート通過数を個別集計することなく、また、左領域打込玉数や右領域打込玉数を個別集計することなく、以下に説明する集計処理とは異なる集計処理が実行される。このように、CPU1202は、各種信号を出力した遊技機の「ゲート位置」に応じた集計処理を実行する。このように、遊技機の電源投入時に出力される機械識別信号に基づいて、管理対象とする遊技機が左ゲートおよび右ゲートの双方を有する遊技機であることを識別して、適切な集計処理を行うようにしている。
CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総賞球数を10加算し、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する。
CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総打込玉数を10加算し、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する。さらに、非集計タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。非集計タイマは、大当り遊技状態開始時および高ベース状態終了時にセットされる。
非集計タイマがタイムアウトしていれば、右打ちフラグがセットされているか否かを判定する。右打ちフラグは、大当り遊技状態開始時にセットされ、高ベース状態終了時にリセットされる。なお、パチンコ遊技機1の電源投入検出時(例えば機械識別信号入力時)には、右打ちフラグはリセットされた状態(非セット状態)となっている。右打ちフラグがセットされていなければ、遊技履歴テーブルにおいて左領域打込玉数を10加算し、更新後の左領域打込玉数に基づいて左ゲート通過率を更新する。右打ちフラグがセットされていれば、遊技履歴テーブルにおいて右領域打込玉数を10加算し、更新後の右領域打込玉数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
非集計タイマがタイムアウトしていなければ、処理を終了する。すなわち、大当り遊技状態が発生してから所定期間を経過していない場合、高ベース状態が終了してから所定期間を経過していない場合には、左打ちから右打ち、または、右打ちから左打ちへの切り替えが行われる場合があり、左遊技領域7Aと右遊技領域7Bのいずれに遊技球が発射されたのか不明であるため、左領域打込玉数や右領域打込玉数の個別集計を行わないこととしている。
CPU1202は、図柄確定信号の入力を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて総スタート回数を1加算する。CPU1202は、始動口通過信号の入力を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて総始動入賞数を1加算する。
CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて大当り信号をONに更新し、総大当り回数を1加算する。さらに、右打ちフラグをセットし、非集計タイマをセットする。右打ちフラグは大当り遊技状態開始から高ベース状態終了までの期間セットされ、セット時に右打ちが実行されていることを判別可能である。また、非集計タイマは大当り遊技状態開始時と高ベース状態終了時にセットされ、タイムアウトするまでの期間は、前述したように左領域打込数や右領域打込数の個別集計が実行されず、後述する左ゲート通過数や右ゲート通過数の集計も実行されない。
CPU1202は、大当り信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて大当り信号をOFFに更新する。CPU1202は、時短信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて時短信号をONに更新する。
CPU1202は、時短信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて時短信号をOFFに更新する。さらに、右打ちフラグをリセットし、非集計タイマをセットする。即ち、高ベース状態が終了するときには、その後に遊技状態が通常状態となり左打ちに切り替わる場合があるので、右打ちフラグをリセットする(非セット状態とする)ようにしている。また、非集計タイマがタイムアウトするまでの期間は、左領域打込玉数や右領域打込玉数、左ゲート通過数や右ゲート通過の個別集計は実行しないようにしている。
CPU1202は、ゲート通過信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総ゲート通過数を1加算する。さらに、非集計タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。
非集計タイマがタイムアウトしていれば、右打ちフラグがセットされているか否かを判定する。右打ちフラグがセットされていなければ、遊技履歴テーブルにおいて左ゲート通過数を1加算し、更新後の左ゲート通過数に基づいて左ゲート通過率を更新する。右打ちフラグがセットされていれば、遊技履歴テーブルにおいて右ゲート通過数を1加算し、更新後の右ゲート通過数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
非集計タイマがタイムアウトしていなければ、ゲート通過信号入力時処理を終了する。すなわち、大当り遊技状態が発生してから所定期間を経過していない場合、高ベース状態が終了してから所定期間を経過していない場合には、左打ちから右打ち、または、右打ちから左打ちへの切り替えが行われる場合があり、左遊技領域7Aと右遊技領域7Bのいずれに遊技球が発射されたのか不明であるため、左ゲート通過数や右ゲート通過数の個別集計を行わないこととしている。
CPU1202は、セキュリティ信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて、セキュリティ信号を出力したパチンコ遊技機1の台番号を点滅表示して、所定の警報音を出力する。なお、パチンコ遊技機1に設けられるリセットスイッチが操作されると、パチンコ遊技機1から出力されたリセット信号がホールコンピュータ1200に入力され、CPU1202は、リセット信号を送信したパチンコ遊技機1の台番号の点滅表示を終了させると共に、警報音の出力も終了する。
次に、図60を用いて、本シミュレーション機能における左ゲート通過数および右ゲート通過数の個別集計方法について説明する。図中には、通常状態において大当りが発生して大当り遊技状態に制御されるタイミングを(1)として示し、大当り遊技状態が終了して高ベース状態に制御されるタイミングを(2)として示し、その後に、大当り遊技状態が発生することなく特別図柄の可変表示が50回実行されて高ベース状態が終了するタイミングを(3)として示している。
遊技状態が通常状態のときには、大当り遊技状態が発生するまで遊技者は左打ちを行っており、右打ちフラグはセットされていない。従って(1)のタイミングよりも前にゲート通過信号が入力された場合には、当該ゲート通過信号は左ゲート通過に基づくものと判定される。そして、通常状態で大当りが発生して大当り遊技状態が開始されるときには((1)のタイミング)、遊技者が右打ちを行うことになるため右打ちフラグがセットされる。
ここで、大当り遊技状態が開始された後のタイミングで、大当り遊技状態が開始されるよりも前に左遊技領域に発射された遊技球が左ゲートを通過する場合があるため、大当り遊技状態が開始されたタイミングを契機としてゲート通過信号が右ゲートの通過に基づくものであると判定してしまうと誤判定となる場合がある。同様に、大当り遊技状態が開始された後のタイミングで、大当り遊技状態が開始されるよりも前に左遊技領域に発射された遊技球がアウト玉計数器1120により計数される場合があるため、大当り遊技状態が開始されたタイミングを契機として打込信号が右遊技領域への打ち込みに基づくものであると判定してしまうと誤判定となる場合がある。従って、このシミュレーション機能では、大当り遊技状態が開始された後の所定期間を非集計期間として、このような誤判定を防止するようにしている。例えば、非集計期間は、遊技球が発射されてからアウト玉計数器1120により計数されるまでに要する期間であり、例えば10秒が設定される。
非集計期間が経過した後は、右打ちフラグがセットされていることを条件として、入力されたゲート通過信号が右ゲート通過に基づくものと判定される。このシミュレーション機能では、大当り遊技状態が終了して高ベース状態となる(2)のタイミングでも、右打ちフラグがセットされているため、継続して、入力されたゲート通過信号が右ゲート通過に基づくものと判定される。そして、高ベース状態となった後、特別図柄の可変表示が50回実行されて高ベース状態が終了する(3)のタイミングで、右打ちフラグがリセットされることになる。
ここで、高ベース状態が終了した後のタイミングで、高ベース状態が終了するよりも前に右遊技領域に発射された遊技球が右ゲートを通過する場合があるため、高ベース状態が終了したタイミングを契機としてゲート通過信号が左ゲートの通過に基づくものであると判定してしまうと誤判定となる場合がある。同様に、高ベース状態が終了した後のタイミングで、高ベース状態が終了するよりも前に右遊技領域に発射された遊技球がアウト玉計数器1120により計数される場合があるため、高ベース状態が終了したタイミングを契機として打込信号が左遊技領域への打ち込みに基づくものであると判定してしまうと誤判定となる場合がある。従って、このシミュレーション機能では、高ベース状態が終了した後の所定期間を非集計期間として、このような誤判定を防止するようにしている。例えば、非集計期間は、遊技球が発射されてからアウト玉計数器1120により計数されるまでに要する期間であり、例えば10秒が設定される。
そして、非集計期間が経過した後は、右打ちフラグがセットされていないことを条件として、入力されたゲート通過信号が左ゲート通過に基づくものと判定される。
このように、入力されたゲート通過信号が左ゲート32の通過に基づくものであるか又は右ゲート33の通過に基づくものであるかを判別して、左ゲート通過数及び右ゲート通過数を個別集計することができる。また、この実施の形態では、左領域打込玉数に対する左ゲート通過数の割合を左ゲート通過率として集計し、右領域打込玉数に対する右ゲート通過数の割合を右ゲート通過率として集計しており、これらを対比させてホールコンピュータ1200の表示装置1206に表示させることが可能となっている。遊技場の管理者は、左ゲート通過率と右ゲート通過率とを個別に把握して、左ゲートの通過頻度や右ゲートの通過頻度を釘調整によって変更することも可能となる。
また、本シミュレーション機能のホールコンピュータ1200の表示装置1206において、ゲート通過信号の入力状況を右打ち期間と左打ち期間に対応させて提示することが可能となっている。本シミュレーション機能では、大当り信号および時短信号のいずれも入力されていなければ遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であることを識別可能であり、大当り信号が入力されていれば遊技状態が大当り遊技状態であることを識別可能であり、時短信号が入力されていれば遊技状態が高ベース状態であることを識別可能であるため、遊技状態の時間変化を把握することが可能である。また、ゲート通過信号の入力も逐次検出しているため、例えば、図61に示すように、各台毎に遊技状態の時間推移を提示すると共に、各遊技状態におけるゲート通過信号の入力状況(図中ではパルスにより示される)を対比させて提示することが可能となる。この例では、遊技状態の推移とゲート通過信号の入力タイミングとを上下に並べて表示しており、両者を上下で対比視認することで、各遊技状態におけるゲート通過信号の入力タイミングや、入力頻度を把握可能である。なお、大当り信号がONとなった時刻やOFFとなった時刻、時短信号がONとなった時刻やOFFとなった時刻を履歴として記憶しておくようにしても良い。
これにより、遊技状態が、通常状態(図中では「通常」)、大当り遊技状態(図中では「大当り」)、および高ベース状態(図中では「時短」)と推移したこと、および、各遊技状態の期間を視覚的に把握することが可能である。また、左打ちの遊技状態において入力されたゲート通過信号が左ゲート32の通過に基づくものであると把握し、右打ちの遊技状態において入力されたゲート通過信号が右ゲート33の通過に基づくものであると把握し、各遊技状態においてゲート通過信号が入力された頻度も視覚的に把握することが可能である。例えば、右打ちの期間である大当り遊技状態や高ベース状態において、ゲート通過信号が高頻度で入力されていれば、右ゲート33は通過し易いと把握し、左打ちの期間である通常状態において、ゲート通過信号が殆ど入力されていなければ、左ゲート32は極めて通過し難いと把握して左右で個別に遊技釘の調整を行うことができる。
(第2の集計処理)
次に、第2の集計処理について説明する。ここで第2の集計処理に係るパチンコ遊技機1からは、第1の集計処理に係る遊技機と異なり、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞した場合には、第1始動口通過信号が出力され、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞した場合には、第2始動口通過信号が出力されるものとする。この実施の形態では、第1始動口通過信号と第2始動口通過信号とは異なる信号線から出力される。そのため台端末1220やホールコンピュータ1200側では、いずれの信号線から出力された信号であるかによって両信号を区別可能である。しかし、このような形態に限らず共通の信号線から各々の信号を区別可能な態様で出力するようにしても良い。
CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総打込玉数を10加算し、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する。
さらに、左打ち判定タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。左打ち判定タイマは、第1始動口通過信号入力時にセットされる。すなわち、第1始動入賞口13aへの入賞が確認されてから左打ち判定タイマがタイムアウトするまでの期間は左打ちが行われているものとして、集計処理が実行される。左打ち判定タイマがタイムアウトしていなければ、遊技履歴テーブルにおいて左領域打込玉数を10加算し、更新後の左領域打込玉数に基づいて左ゲート通過率を更新する。左打ち判定タイマがタイムアウトしていれば、遊技履歴テーブルにおいて右領域打込玉数を10加算し、更新後の右領域打込玉数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
すなわち、左打ちを実行している期間は、所定の割合で第1始動入賞口13aへの入賞が発生するため、その後の所定期間については、左打ちが実行されているものとして集計処理を行っている。一方で、第1始動入賞口13aへの入賞が確認されなくなってから所定期間を経過した場合には、左打ちが実行されておらず右打ちが実行されているものとして集計処理を行っている。
CPU1202は、第1始動口通過信号の入力を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて総始動入賞数を1加算して、左打ち判定タイマをセットする。例えば、左打ち判定タイマの値としては、左打ちを継続している状態における第1始動入賞口13aへの入賞間隔を考慮した場合の、最長の期間を設定するようにすると良く、例えば30秒に設定すると良い。
CPU1202は、第2始動口通過信号の入力を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて総始動入賞数を1加算して、左打ち判定タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。左打ち判定タイマがタイムアウトしていれば、処理を終了する。
左打ち判定タイマがタイムアウトしていなければ、長開放中入賞数を1加算して、[長開放中入賞数/左領域打込玉数]×100により、「長開放中入賞率」を算出し、更新する。なお、集計された長開放中入賞数や長開放中入賞率、および、後述する長開放回数や長開放1回あたり入賞数は、いずれも遊技履歴テーブルで管理され、他の集計データ(例えば左ゲート通過率や左領域打込玉数)と共に表示装置1206に表示させることが可能となっている。
この実施の形態では、左打ちが実行されている場合、図34に示した短開放当りとなる場合には可変入賞球装置15への入賞は殆ど期待ができないため、左打ちが実行されている状態で第2始動入賞口13bへの入賞が発生した場合には、全て、長開放当りとなったことに基づく長開放状態(5秒×1回)における入賞として集計している。このようにして、長開放状態における入賞数を集計することができる。また、左遊技領域に発射された遊技球うち第2始動入賞口13bに入賞した割合が「長開放中入賞率」として示されるので、左ゲート通過率と長開放中入賞率とを比較して、適切に遊技釘の調整を行うことができる。例えば、左ゲート通過率の割に長開放中入賞率が低ければ、第2始動入賞口13bへの経路の遊技釘を調整して入賞し易くする措置をとることができる。すなわち、この実施の形態において、「長開放中入賞率」は、第2始動入賞口13bへの入賞率を示す「第2始動入賞口入賞率」ということもできる。
さらに、連続入賞タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。連続入賞タイマは、1の長開放状態において最初の入賞が発生したときにセットされ、当該長開放状態の終了以降にタイムアウトするタイマである。連続入賞タイマがタイムアウトしていれば、即ち、前回の入賞とは異なる長開放状態における入賞であると判別されるものであれば、当日における長開放状態の発生回数(当日における長開放当りの発生回数)を示す長開放回数を1加算して、連続入賞タイマをセットする。連続入賞タイマのセット値は、例えば、長開放当りのときの、可変入賞球装置15の開放時間(本例では5秒)とすると良い。さらに、[長開放中入賞数/長開放回数]により、「長開放1回あたり入賞数」を算出し、更新する。なお、連続入賞タイマがタイムアウトしていなければ、即ち、前回の入賞と同じ長開放状態における入賞であると判別されるものであれば、更新後の長開放中入賞数に基づいて、長開放1回あたり入賞数を更新する。
このようにして、長開放状態1回あたりの入賞数を集計することができる。例えば、長開放1回あたり入賞数が少なければ、第2始動入賞口13bへの経路の遊技釘を調整して入賞し易くする措置をとることができる。
CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて大当り信号をONに更新し、総大当り回数を1加算する。CPU1202は、時短信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて時短信号をOFFに更新する。
CPU1202は、ゲート通過信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総ゲート通過数を1加算する。さらに、左打ち判定タイマがタイムアウトしているか否かを判定する。左打ち判定タイマがタイムアウトしていなければ、遊技履歴テーブルにおいて左ゲート通過数を1加算し、更新後の左ゲート通過数に基づいて左ゲート通過率を更新する。左打ち判定タイマがタイムアウトしていれば、遊技履歴テーブルにおいて右ゲート通過数を1加算し、更新後の右ゲート通過数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
次に、図62を用いて、本シミュレーション機能における左ゲート通過数および右ゲート通過数の個別集計方法について説明する。図中には、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞して第1始動口通過信号が出力されたタイミングを(1)として示し、第1始動口通過信号が入力されたことに基づいてセットされた左打ち判定タイマがタイムアウトしたタイミングを(2)として示している。
第1始動口通過信号が入力されたことに基づいて左打ち判定タイマがセットされた後であって、該セットした左打ち判定タイマがタイムアウトするよりも前の期間では(図中の(1)〜(2)の期間)、ゲート通過信号が入力されたときに、当該ゲート通過信号は左ゲート32の通過に基づくものであると判定される。一方、左打ち判定タイマがタイムアウトした後の期間では(図中の(2)以降の期間)、ゲート通過信号が入力されたときに、当該ゲート通過信号は右ゲート33の通過に基づくものであると判定される(S496)。
このように、入力されたゲート通過信号が左ゲート32の通過に基づくものであるか又は右ゲート33の通過に基づくものであるかを判別して、左ゲート通過数及び右ゲート通過数を個別集計することができる。また、この実施の形態では、左領域打込玉数に対する左ゲート通過数の割合を左ゲート通過率として集計し、右領域打込玉数に対する右ゲート通過数の割合を右ゲート通過率として集計しており、これらを対比させてホールコンピュータ1200の表示装置1206に表示させることが可能となっている。遊技場の管理者は、左ゲート通過率と右ゲート通過率とを個別に把握して、左ゲートの通過頻度や右ゲートの通過頻度を釘調整によって変更することも可能となる。
また、このシミュレーション機能においては、左打ちと判定される期間内において、第2始動口通過信号が入力されたことに基づいて、左打ち中の第2始動入賞口13bへの入賞数が集計される。これにより、左領域打込玉数に対する第2始動入賞口13bへの入賞割合を把握して、第2始動入賞口13b周辺の遊技釘の調整を適切に行うことができる。ここで、左打ちと判定される期間内における第2始動入賞口13bへの入賞は、全て長開放状態において発生したものと判定することで、長開放状態における入賞数も集計可能である。また、長開放状態における最初の入賞に基づいて連続入賞タイマをセットするようにしており、連続入賞タイマがタイムアウトするまでに発生した第2始動入賞口への入賞を、同一の長開放状態において発生した入賞とみなすことで、長開放状態の発生回数を集計可能である。これにより、1回の長開放状態における入賞数を把握して、第2始動入賞口13b周辺の遊技釘の調整を適切に行うことができる。
(第3の集計処理)
次に、第3の集計処理について、第1の集計処理と異なる点について説明する。
CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総賞球数を10加算し、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する。
さらに、直近10秒以内に入力された賞球信号数に基づいて、直近10秒以内に増加した賞球数を算出し、更新する。例えば、CPU1202は、賞球信号が入力された時刻等の時間情報を逐次記憶しておくようにしておき、且つ、賞球信号が入力されたタイミングで、当該賞球信号の入力時刻を含めた過去10秒間の賞球信号数をカウントし、[カウントした賞球信号数×10]により、直近10秒以内に増加した賞球数を算出するようにしている。
CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総打込玉数を10加算し、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する。
さらに、直近10秒以内に増加した賞球数が30以上であるか否かを判定する。直近10秒以内に増加した賞球数が30未満であれば、打込信号入力時処理を終了する。直近10秒以内に増加した賞球数が30以上であれば、遊技履歴テーブルにおいて右領域打込玉数を10加算し、更新後の右領域打込玉数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
すなわち、直近10秒以内に増加した賞球数が30以上である場合には、賞球数の多い大入賞口への入賞が発生している可能性が極めて高いため、大当り遊技状態の発生に伴う賞球数の増加であり、右打ちが行われているものとして、右領域打込玉数の集計処理が実行される。
CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて大当り信号をONに更新し、総大当り回数を1加算する。
CPU1202は、時短信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて時短信号をOFFに更新する。
CPU1202は、ゲート通過信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総ゲート通過数を1加算する。
さらに、直近10秒以内に増加した賞球数が30以上であるか否かを判定する。直近10秒以内に増加した賞球数が30未満であれば、ゲート通過信号入力時処理を終了する。直近10秒以内に増加した賞球数が30以上であれば、遊技履歴テーブルにおいて右ゲート通過数を1加算し、更新後の右ゲート通過数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
すなわち、直近10秒以内に増加した賞球数が30以上である場合には、賞球数の多い大入賞口への入賞が発生している可能性が極めて高いため、大当り遊技状態の発生に伴う賞球数の増加であり、右打ちが行われているものとして、右ゲート通過数の集計処理が実行される。
次に、図63を用いて、本シミュレーション機能における右ゲート通過数の個別集計方法について説明する。図中には、直近10秒以内に増加した賞球数が30以上となったタイミングを(1)として示している。
このシミュレーション機能では、直近10秒以内に増加した賞球数が30未満である(1)よりも前の期間では、左ゲート通過数と右ゲート通過数の個別集計を実行していない。一方、直近10秒以内に増加した賞球数が30以上である(1)以降の期間では、賞球数が多く設定されている大入賞口への入賞が発生している可能性が高いため、大当り遊技状態において右打ちが実行されているものとして、入力されたゲート通過信号を、右ゲート33の通過に基づくものであると判定している。
このように、入力されたゲート通過信号が右ゲート33の通過に基づくものであるか否かを判別して、右ゲート通過数を個別集計することができる。また、この実施の形態では、右領域打込玉数に対する右ゲート通過数の割合を右ゲート通過率として集計しており、これをホールコンピュータ1200の表示装置1206に表示させることが可能となっている。遊技場の管理者は、右ゲート通過率を把握して、右ゲートの通過頻度を釘調整によって変更することも可能となる。
(第4の集計処理)
次に、第4の集計処理について、第1の集計処理と異なる点について説明する。
ここで第4の集計処理に係るパチンコ遊技機1からは、遊技球の発射強度を示す発射強度信号が出力されるものとする。この実施の形態では、打球発射装置が、ステッピングモータによる発射モータ又はロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打出す方式のものであるものとする。そして、打球操作ハンドル5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータ又はロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打出す力(発射強度)が調整されるものとする。そして、可変抵抗器により検出された打球操作ハンドル5の回動角度に応じた発射強度信号が、遊技球が発射される毎に外部出力される(台端末1220やホールコンピュータ1200に入力される)ものとする。
この実施の形態では、発射強度信号として、発射強度が「弱」の場合には単発パルスの弱信号、発射強度が「強」の場合には連続パルスの強信号が出力されるものとする(図64参照)。このシミュレーション機能では、弱信号と強信号は共通の信号線(発射強度信号線)から出力され、これらの信号が入力されるホールコンピュータ側では、発射強度信号線から入力されている信号が単発パルスか連続パルスに基づいて発射強度を判別することが可能である。
CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総打込玉数を10加算し、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する。
さらに、直近に入力された発射強度信号が強信号であるか又は弱信号であるかを判定する。発射強度信号が弱信号であれば、遊技履歴テーブルにおいて左領域打込玉数を10加算し、更新後の左領域打込玉数に基づいて左ゲート通過率を更新する。発射強度信号が強信号であれば、遊技履歴テーブルにおいて右領域打込玉数を10加算し、更新後の右領域打込玉数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
すなわち、発射強度信号が弱信号である場合には、遊技球の発射位置から近距離にある左領域への打ち込みが実行されているものとして、左領域打込玉数の集計処理を実行し、発射強度信号が強信号である場合には、遊技球の発射位置から遠距離にある右領域への打ち込みが実行されているものとして、右領域打込玉数の集計処理を実行する。
CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて大当り信号をONに更新し、総大当り回数を1加算する。
CPU1202は、時短信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、遊技履歴テーブルにおいて時短信号をOFFに更新する。
CPU1202は、ゲート通過信号の入力を検出した場合には、まず、遊技履歴テーブルにおいて総ゲート通過数を1加算する。
さらに、直近に入力された発射強度信号が強信号であるか又は弱信号であるかを判定する。発射強度信号が弱信号であれば、遊技履歴テーブルにおいて左ゲート通過数を1加算し、更新後の左ゲート通過数に基づいて左ゲート通過率を更新する。発射強度信号が強信号であれば、遊技履歴テーブルにおいて右ゲート通過数を1加算し、更新後の右ゲート通過数に基づいて右ゲート通過率を更新する。
すなわち、発射強度信号が弱信号である場合には、遊技球の発射位置から近距離にある左領域への打ち込みが実行されているものとして、左ゲート通過数の集計処理を実行し、発射強度信号が強信号である場合には、遊技球の発射位置から遠距離にある右領域への打ち込みが実行されているものとして、右ゲート通過数の集計処理を実行する。
次に、図64を用いて、本シミュレーション機能における左ゲート通過数および右ゲート通過数の個別集計方法について説明する。発射強度信号が弱信号から強信号に切り替わったタイミングを(1)として示している。
このシミュレーション機能では、弱信号が入力されている(1)より前の期間では、遊技球の発射強度が弱い左打ちが実行されているものとして、入力されたゲート信号を左ゲート32の通過に基づくものであると判定している。一方、強信号が入力されている(1)以降の期間では、遊技球の発射強度が強い右打ちが実行されているものとして、入力されたゲート信号を右ゲート33の通過に基づくものであると判定している。
このように、入力されたゲート通過信号が左ゲート32の通過に基づくものであるか又は右ゲート33の通過に基づくものであるかを判別して、左ゲート通過数及び右ゲート通過数を個別集計することができる。また、この実施の形態では、左領域打込玉数に対する左ゲート通過数の割合を左ゲート通過率として集計し、右領域打込玉数に対する右ゲート通過数の割合を右ゲート通過率として集計しており、これらを対比させてホールコンピュータ1200の表示装置1206に表示させることが可能となっている。遊技場の管理者は、左ゲート通過率と右ゲート通過率とを個別に把握して、左ゲートの通過頻度や右ゲートの通過頻度を釘調整によって変更することも可能となる。
また、遊技球の発射強度は、左領域への発射および右領域への発射に直結する情報であるため、左ゲート通過数や右ゲート通過数を正確に集計することが可能である。
[第3の遊技機およびその遊技情報を管理する管理装置]
図65に示す管理装置としてのホールコンピュータ1200は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される第3の遊技機としてのパチンコ遊技機1における遊技にて発生した遊技情報を管理する。遊技情報は、図66に示すパチンコ遊技機1や、該パチンコ遊技機1に対応して設けられているアウト玉計数器1120等から出力される各種信号に基づいて集計される。
(第3の遊技機)
第3の遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。ここでは、第1の遊技機と異なる点について説明する。図66はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図67は、図66に示す飾り部材90の拡大斜視図である。図68は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13aは、遊技領域7の左右方向の中央部に設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。本実施の形態の場合、第1始動入賞口13は、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aの右側方部における右領域7bには、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口13b(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、可動片の状態により、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と遊技球が入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものである。可動片の上方には、上方からの遊技球の入賞を阻止するストッパ部材が設けられており、閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞しない構造とされている。可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口13bは、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
演出表示装置9の右側方の右領域7bにおいては、遊技球が進入して通過可能な普図ゲート32が設けられている。普図ゲート32には、普図ゲート32に進入(通過)した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。
遊技球が普図ゲート32を通過し普図ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域としての合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とのそれぞれの表示領域が設けられるようにしてもよい。
遊技領域7の中央の領域においては、演出表示装置9の周囲を枠形状の壁部で囲う態様の飾り部材90が設けられている。飾り部材90の下端部には、遊技球が進入(入賞)可能な第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63という3つの特定領域の領域口が同心円上に分配形成された円盤状の特定領域部60(「3穴クルーン」ともいう。)が設けられたステージ部400が形成されている。特定領域部60は、中心部に向けて傾斜しており、特定領域部60に誘導された遊技球は、中心部に向けて転動していく。
ステージ部400は、流下してくる遊技球を受けるステージ状(舞台状)の部分であり、正面から見て、左右から中央部にかけて下るように傾斜し、かつ、後方から前方にかけて下るように傾斜した形状に形成されている。ステージ部400の正面から見て中央部には、内部に特定領域部60が取付けられる円形の穴よりなる特定領域入口部600が設けられている。
特定領域入口部600内においては、周囲よりも1段下がった位置に特定領域部60が設けられている。ステージ部400の前縁部としての流下縁部40は、遊技球が前縁に向けて転がると、どの位置からでも下方へ流下可能な形状に形成されている。すなわち、ガラス扉枠2のガラスと、ステージ部400の前縁部との間には空間が形成されることにより、ステージ部400において前方に転がった遊技球は、流下縁部40を超えると下方へ流下することとなる。これにより、ステージ部400においては、流下縁部40が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路として用いられる。
なお、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路としては、特定領域入口部600内、または、特定領域入口部600外の所定位置に遊技球が進入可能な穴等の開口部を形成し、当該開口部に進入した遊技球を内部に取込まずに遊技領域7に誘導する誘導経路を設け、遊技球を当該誘導経路から放出して流下させるようにしてもよい。
飾り部材90の正面から見て右側の側壁部には、矩形状の穴901が形成されており、当該穴901の外側から内側に挿通する態様で、玉送出装置70が設けられている。玉送出装置70は、飾り部材90の外側において遊技領域7を流下する遊技球を受入れて飾り部材90の内側に送出する装置である。玉送出装置70は、上方に向いて開口した球入口71と、下方に向いて開口した球出口72とを有する湾曲した形状の誘導路73と、当該誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽状態(閉状態ともいう)と、遊技球の進入を遮蔽しない状態(開状態ともいう)とに変化可能なシャッター状の遮蔽部材75とを含み、遊技球を特定領域部60に向けて送出する手段である。玉送出装置70における球入口71、誘導路73、および、球出口72のそれぞれにおける遊技球の通路は、遊技球を1個ずつ送出するために、1個の遊技球が通過可能な程度の広さで形成されている。
玉送出装置70において、遮蔽部材75は、ソレノイドにより駆動され、球入口71の内部において、前後方向に移動することで出没することにより、前述の開状態または閉状態となる。たとえば、ソレノイドが非励磁状態ではバネの弾性力により遮蔽部材75が前方へ付勢されて閉状態となっており、ソレノイドが励磁状態にされると遮蔽部材75がバネの弾性力に抗して後退して開状態となるように構成されている。遮蔽部材75が設けられた位置のよりも下方においては、誘導路73での遊技球の進入(言い換えると遊技球の送出)を検出する送出領域スイッチ33が設けられている。なお、遮蔽部材75を駆動する手段は、このような開状態または閉状態とすることができる駆動手段であれば、ソレノイドに限らず、モータ等のその他の駆動手段を設けてもよい。
玉送出装置70において、遊技領域7においては、球入口71近傍の障害釘Pにより誘導された遊技球等、流下する遊技球が、球入口71に向けて転動する。遮蔽部材75は、通常時は開状態(あるいは開状態と閉状態が所定の周期で切り替わる状態)である。遮蔽部材75が開状態であるときには、遊技球が誘導路73内に進入可能となり、進入した遊技球が誘導路73内で球出口72へ誘導されていく。閉状態であるときは、遊技球は誘導路73に進入できない。開状態であるときに遊技球が誘導路73内に進入して送出領域スイッチ33により検出されると、遮蔽部材75が所定の閉期間(例えば5秒間)の間、閉状態に制御される。遮蔽部75が閉状態となる期間は、遊技球が球入口71に進入してから第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかの特定領域を通過するか、または飾り部材90の外部に流出するに十分な期間であればよい。このように、遮蔽部材75は、遊技球が玉送出装置70に1個進入するとただちに閉状態となる。これにより、特定領域を含む飾り部材90の内部に遊技球が1個ずつ受入れられ、1個ずつ送出されることとなる。
このように、同時に複数の遊技球が特定領域部60に向けて送出されることがないので、送出された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれの特定領域を通過するか、またはいずれの特定領域も通過せずに飾り部材90の外部へ流下するかを把握し易くすることができる。また、送出領域スイッチ33により特定領域部60に向けて送出される遊技球を検出することが可能であるため、この検出に応じた演出を実行することが可能である。
球出口72は、ステージ部400の上方において下方を向いた態様で開口している。たとえば、球出口72は、正面から見て特定領域入口部600の右端部近傍上の位置にある。誘導路73内で球出口72まで誘導された遊技球は、球出口72から、特定領域部60を含むステージ部400へ向けて送出されて落下することとなる。ステージ部400に向けて落下した遊技球は、ステージ部400上で転動し、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入するか、または、いずれにも進入せずに、流下縁部40から飾り部材90の外部へ流下する。
なお、球出口72の位置は、特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置であれば、特定領域部60上のどの位置であってもよく、また、特定領域部60上以外のステージ部400上の位置であってもよい。また、特定領域部60に設けられる特定領域は、複数設けられればよく、3つに限られない。また、球出口72は、遊技球をステージ部400の上方から落下させる位置ではなく、たとえば、遊技球を落下させずにステージ部400の側面から転動する態様で特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置に設けてもよい。
第1特定領域61に進入した遊技球は、第1特定領域スイッチ61aにより検出される。第2特定領域62に進入した遊技球は、第2特定領域スイッチ62aにより検出される。第3特定領域63に進入した遊技球は、第3特定領域スイッチ63aにより検出される。
権利発生状態(大当り図柄が停止してから遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまでの期間)において玉送出装置70から送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入(入賞)したときは、後述するような大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。具体的には、遊技球が、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれかにより検出されたときに、大当り遊技状態に制御される。
一方、一旦閉状態となった遮蔽部材75は所定期間経過後には再度開状態となる。そのため、権利発生状態において玉送出装置70から送出された遊技球が、所定期間内に第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入しないときでも、再度玉送出装置70に遊技球を受け入れて特定領域部60に送出可能な状態となる。すなわち、遊技球が送出領域スイッチ33で検出されてから所定期間経過しても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および共通領域スイッチ64aのいずれでも検出されない場合、再度遮蔽部材75を開状態として玉送出装置70に遊技球を受入れて送出する制御が行なわれる。遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまで繰返し遊技球を受入れて特定領域部60に送出することになる。
本実施の形態の場合、普図ゲート32、および、玉送出装置70の球入口71のそれぞれは、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、普図ゲート32は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすい(遊技球が進入不可能ではない)ように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。
パチンコ遊技機1においては、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、そして、このような表示結果に対応して演出表示装置9による変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、当該大当り表示結果の停止表示から遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまでの期間は権利発生状態に制御される。当該権利発生状態においては、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入することに基づいて、大当り遊技状態に制御される。すなわち遊技者にとって有利な大入賞口の開放制御状態を実行する権利が発生した権利発生状態に制御される。
そして、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61に進入して第1特定領域スイッチ61aにより検出され、第2特定領域62に進入して第2特定領域スイッチ62aにより検出され、または、第3特定領域63に進入して第3特定領域スイッチ63aにより検出されると、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。
本実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入すると特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する開放制御状態となる。遊技者にとって有利となる大当り遊技状態は、このような権利発生状態後の開放制御状態が該当する。また、権利発生状態は、遊技球が特定領域(第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63)に進入すること以外の条件で終了することはない。したがって、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、大当り遊技状態(開放制御状態)に制御可能となる所定条件が成立することとなる。変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かは、変動表示結果が表示される前に事前決定される。したがって、このような事前決定は、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御可能な状態とするか否かの事前決定と定義することができる。
また、本実施の形態では、玉送出装置70および飾り部材90においては、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域のいずれにも進入しない流下経路として、ステージ部400の流下縁部40があるので、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が、いずれかの特定領域に進入する場合と、いずれの特定領域にも進入しない場合とが生じるため、権利発生状態が成立した後に遊技球がいずれかの特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御される構成における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、権利発生状態とする大当り表示結果を決定することが結果的に開放制御状態に制御することに関与するので、表示結果を決定することを、大当りとするか否かを決定する大当り判定と呼ぶ場合がある。また、本実施の形態では、大入賞口が開放される開放制御状態が遊技者にとって有利な状態であるので、開放制御状態のみを「大当り」と呼ぶが、前述した権利発生状態も開放制御状態に制御されることが保証された遊技者にとって有利な状態であるので、権利発生状態と開放制御状態とを含めて「大当り」と呼んでもよい。したがって、本実施の形態において「大当り」と呼ぶときは、基本的に開放制御状態を示すが、たとえば「大当り確率」のように権利発生状態となる大当り表示結果を決定する確率等のように、「大当り」という概念で示した方が意味が分かりやすくなるときには、権利発生状態ならびに開放制御状態を含む概念として、「大当り」と呼ぶ場合がある。
本実施の形態では、前述したように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、玉送出装置70の球入口71が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
また、図66に示すように、遊技領域7における右領域7bには、可変入賞球装置15の下方に、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口と呼ばれる入賞口を開閉可能な開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能な可変入賞装置である。これにより、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
図68においては、(A)に大当り時の制御の概要が表形式で示され、(B)に特定領域の種別と大当り時のラウンド数(ラウンド上限値)との関係が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、低確率状態(高確率状態ではない通常の大当り確率となっている状態であり通常状態ともいう)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い高確率状態(確変状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、低確率状態に移行する大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
本実施の形態では、通常大当りとして、通常大当りA〜Gという複数種類の通常大当りが設けられており、また、確変大当りとして、確変大当りA〜Gという複数種類の確変大当りが設けられている。これらの大当り種別のうち、いずれの大当り種別とするかは、特別図柄の変動表示が開始されるときに、大当りとすることの決定がされた場合に、抽出された大当り種別判定用乱数の値に基づいて決定される。大当りとすることの決定および大当り種別の決定がされると、遊技制御用マイクロコンピュータは、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示されたことに基づいて権利発生状態に移行する。そして、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、特別可変入賞球装置20の開放態様を選択する(ラウンド数を決定する)。
図68(A)では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gの大当り種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(B)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、通常大当りA〜Gのそれぞれでは、通常大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
たとえば、通常大当りAの場合、第1特定領域61への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が5ラウンドに決定される。第2特定領域62への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が10ラウンドに決定される。第3特定領域63への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が15ラウンドに決定される。
(B)に示されるように、通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、通常大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
また、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(C)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、確変大当りA〜Gのそれぞれでは、確変大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
(B)に示されるように、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、確変大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
このように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63は、大当りの種別に応じて、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)でのラウンド数の上限値の割振りが異なるので、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさの割振りが異なる。
この実施の形態では、大当り遊技状態において付与される遊技価値として、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによって付与される価値の大きさが異なる第1の遊技価値としてのラウンド数と、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによらず大当り判定のときに付与するか否かが決定される第2の遊技価値としての高確率状態が存在する。このように遊技価値の付与態様を多様化することで、遊技の興趣を向上させるようにしている。
このように、大当りとなるときには、権利発生状態においていずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、開放制御状態におけるラウンド数が選択されるように制御される。
通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれについて、ラウンド数が異なる大当りが選択され得るので、ラウンド数が異なる大当りについても種別が異なる大当りとして類別した場合、本実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りという複数の種別の大当りが選択され得ることとなる。
この実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、および、15R通常大当りのような通常大当りについて、これらを総称して「通常大当り」として示す場合があり、5R通常大当り、10R通常大当り、または、15R通常大当りというように、ラウンド数を特定した通常大当りとして示す場合がある。同様に、この実施の形態では、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りのような確変大当りについて、これらを総称して「確変大当り」として示す場合があり、5R確変大当り、10R確変大当り、または、15R確変大当りというように、ラウンド数を特定した確変大当りとして示す場合がある。
なお、本実施の形態では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gについて、ラウンド数の上限値の選択対象(5R、10R、15R)が同じである例を説明するが、これに限らず、大当り種別により、ラウンド数の上限値の選択対象が異なる(たとえば、確変大当りのときには通常大当りのときよりも選択対象のラウンド数の上限値が大きい等)ようにしてもよい。
本実施の形態において、確変大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、高確率/高ベース状態に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りの場合は、高確率/高ベース状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、本実施の形態において、通常大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、低確率/高ベース状態に移行する制御が行なわれる大当りである。通常大当りの場合は、低確率/高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度を調整することにより、次のような態様で遊技者が遊技球を左領域7aまたは右領域7bへ打分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低ベース状態においては可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13aの方が第2始動入賞口13bよりも遊技球が進入しやすい。したがって、低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、第1始動入賞口13aを狙って「左打ち」をすればよい。
また、大当り遊技状態後の高ベース状態においては、低ベース状態と比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、第2始動入賞口13bの方が第1始動入賞口13aよりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、第2始動入賞口13bが設けられた可変入賞球装置15を開状態にするために、普図ゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、特別図柄および演出図柄の変動表示結果が大当り表示結果となって権利発生状態となったときには、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過すれば大入賞口の開放制御状態となる大当り遊技状態に制御される。したがって、権利発生状態において大入賞口の開放制御状態に移行させたい場合には、玉送出装置70の球入口71を狙って「右打ち」をすればよい。
また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過して大入賞口の開放制御状態となったときには、特別可変入賞球装置20の大入賞口を狙って「右打ち」をすればよい。
本シミュレーション機能に係る第3の遊技機では、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されたときに、特別図柄が確定したことを示す図柄確定信号が出力される。図柄確定信号は所定幅のパルス信号である。また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御されたときに、大当り遊技状態に制御されていることを示す大当り信号が出力される。大当り信号は大当り遊技状態の開始から大当り遊技状態の終了(最終ラウンドの終了)まで出力される(ONとなる)信号である。また、特別可変入賞球装置20が開放制御状態のときには、開放制御状態であることを示す開放信号が出力される。開放信号は1ラウンドの開始(大入賞口の開放開始)から1ラウンドの終了(大入賞口の開放終了)まで出力される(ONとなる)信号である。さらに、高確率状態に制御されている期間は、高確率状態に制御されていることを示す確変信号が情報出力回路159から出力される。確変信号は高確率状態の開始(確変大当りの大当り遊技状態の終了)から高確率状態の終了(大当り遊技状態の開始)まで出力される(ONとなる)信号である。これらの各種信号は、ターミナル基板を介して出力される。
また、前述したように、賞球が10個払い出される毎にターミナル基板160から賞球信号が出力される。賞球信号は所定幅のパルス信号である。
(遊技情報の集計)
上述したパチンコ遊技機1の下方には、該パチンコ遊技機1において遊技に使用されて、該パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器1120が設けられている。所定数(例えば10玉)のアウト玉が計数される毎にアウト玉計数器1120から打込信号が出力される。打込信号は所定幅のパルス信号である。
ターミナル基板から出力される賞球信号、大当り信号、開放信号、図柄確定信号、および確変信号、ならびに、アウト玉計数器1120から出力される打込信号が、台端末1220等の中継機器および通信ケーブルを介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力されることで、該ホールコンピュータ1200において各パチンコ遊技機1の遊技情報を集計できるようになっている。
本シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200の記憶装置1206には、該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理内容が記述された処理プログラムに加えて、図69に示す全体テーブルと、図70に示す台別履歴テーブルと、図71に示す台別統計テーブルが記憶されている。
全体テーブルには、図69に示すように、遊技場に設置されている各パチンコ遊技機1の台番号に対応付けて、当該パチンコ遊技機1が通常状態(低確率状態)であるか確変状態(高確率状態)であるかを示す「遊技状態」と、大当り遊技状態に制御されているか否かを示す「大当り信号」と、大当り遊技状態に制御されている場合の現在のラウンド数を示す「ラウンド数」と、当日払い出された賞球数の合計を示す「総賞球数」と、当日打ち込まれた打込玉数の合計を示す「総打込玉数」と、「総打込玉数」−「総賞球数」により算出される「総差玉数」と、当日の特別図柄の変動表示回数を示す「総スタート回数」と、当日の大当り発生回数を示す「総大当り回数」と、当日の確変大当り回数を示す「総確変回数」と、直前の図柄確定信号入力後からの賞球数を示す「図柄確定後賞球数」と、直前の図柄確定信号入力後からの打込玉数を示す「図柄確定後打込玉数」と、「図柄確定後打込玉数」−「図柄確定後賞球数」により算出される「図柄確定後差玉数」とが記憶されている。
台別履歴テーブルは、図70に示すように、台番号毎に設けられており、当該台番号のパチンコ遊技機1において当日発生した全ての大当りの履歴が記憶されている。「大当り番号」は、当日発生した大当りの順番に応じて付される大当り遊技状態の識別番号であり、「ラウンド数」は、当該大当り遊技状態のラウンド数(最終ラウンド数)を示し、「待機期間差玉数」は、当該大当り遊技状態に係る大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態に制御されるまでの期間(前述した権利発生前状態および権利発生状態を合計した期間)における差玉数(当該期間における打込玉数−当該期間における賞球数)を示し、「大当り期間差玉数」は、当該大当り遊技状態に制御されている期間における差玉数(当該期間における打込玉数−当該期間における賞球数)を示している。
台別統計テーブルは、図71に示すように、台番号毎に設けられており、当該台番号のパチンコ遊技機1において当日発生した大当りの統計情報が記憶されている。「待機期間平均差玉数」は、当日発生した全ての大当りにおける「待機期間差玉数」の平均値を示しており、「大当り回数」は、ラウンド数の異なる複数の大当り遊技状態(この例では5R、10R、15R)各々について、当日発生した回数を示しており、「大当り期間平均差玉数」は、ラウンド数の異なる複数の大当り遊技状態(この例では5R、10R、15R)各々について、当日における「大当り期間差玉数」の平均値を示している。
次に図72を用いて、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態に制御される場合のホールコンピュータ1200における差玉の集計方法について説明する。パチンコ遊技機1において特別図柄の変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示されると、これに伴い、図柄確定信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(1)として示す)。そして、パチンコ遊技機1においては前述したようにゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過すると、開放態様選択処理が実行されて大当り遊技状態のラウンド数が決定される。この例では5ラウンドに決定されたものとする。そして、該決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(このタイミングを(2)として示す)。大当り遊技状態の開始に伴い大入賞口が開放されて、各ラウンド(1R〜5R)の開放期間(例えば10個の遊技球が入賞するまでの期間または29秒)に応じて開放信号がONになる。そして、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(このタイミングを(3)として示す)。
この実施の形態では、ホールコンピュータ1200は、図柄確定信号の入力から大当り信号がONとなるまでの待機期間、すなわち(1)から(2)までの期間の差玉数を「待機期間差玉数」として集計する。また、図柄確定信号の入力から大当り信号がOFFとなるまでの合計期間、すなわち(1)から(3)までの期間の差玉数を「合計期間差玉数」として集計する。また、大当り信号がONとなってから大当り信号がOFFとなるまでの大当り期間、すなわち(2)から(3)までの期間の差玉数を「大当り期間差玉数」として集計する。「大当り期間差玉数」は「合計期間差玉数」−「待機期間差玉数」により算出される。
(第1の差玉集計処理)
次に、ホールコンピュータ1200が実行する第1の差玉集計処理について説明する。CPU1202は、賞球信号、打込信号、および図柄確定信号の入力、ならびに、大当り信号、開放信号、および確変信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総賞球数を10加算し、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する。さらに、図柄確定後賞球数を10加算し、[図柄確定後打込玉数−更新後の図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する。CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総打込玉数を10加算し、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する。さらに、図柄確定後打込玉数を10加算し、[更新後の図柄確定後打込玉数−図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する。
CPU1202は、図柄確定信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総スタート回数を1加算し、図柄確定後賞球数を0にリセットし、図柄確定後打込玉数を0にリセットし、図柄確定後差玉数を0にリセットする。このようにして、図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数は、図柄確定信号の入力毎に0にリセットされる。
CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて大当り信号をONに更新し、総大当り回数を1加算する。また、台別履歴テーブルにおいて加算更新後の大当り回数を大当り番号として記憶し、全体テーブルにおける図柄確定後差玉数を台別履歴テーブルにおける待機期間差玉数として履歴化する。このときの図柄確定後差玉数は、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が開始されるまでの期間の差玉数に相当する。
CPU1202は、開放信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、全体テーブルにおいてラウンド数を1加算する。
CPU1202は、大当り信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて大当り信号をOFFに更新し、全体テーブルにおけるラウンド数を台別履歴テーブルにおけるラウンド数として履歴化した後、全体テーブルにおけるラウンド数を0にリセットする。さらに、全体テーブルにおける図柄確定後差玉数を台別履歴テーブルにおける合計期間差玉数として履歴化し、台別履歴テーブルにおいて「合計期間差玉数」−「待機期間差玉数」を「大当り期間差玉数」として履歴化する。このときの合計期間差玉数は、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が終了するまでの期間の差玉数に相当する。
このように、大当り図柄が導出表示されたことに伴って権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御される場合において、大当り期間のみならず待機期間と大当り期間との合計期間における差玉数を集計することにより、大当り発生に伴って実質的に遊技者が獲得する遊技球数を把握することが可能となる。例えば、大入賞口への入賞が容易であっても、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61〜第3特定領域63を通過することが困難である場合には、権利発生状態の期間は打込玉数がかさむことになる。その分、遊技者が大当り発生に伴って実質的に獲得可能な遊技球数は減少することになる。すなわち、単に大当り期間のみの差玉数を集計したのでは、大当り発生による遊技者の有利度を正確に把握することができない。本実施の形態では、大当り期間のみならず待機期間も含めた合計期間の差玉数を集計することにより、大当り発生による遊技者の有利度を正確に把握することが可能となる。
また、この実施の形態では、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態に制御されるまでの待機期間における待機期間差玉数と、大当り遊技状態に制御されている大当り期間における大当り期間差玉数とを個別に把握することが可能となる。待機期間差玉数は球入口71近傍の障害釘Pを調整する際の指標とすることができ、大当り期間差玉数は特別可変入賞球装置20近傍の障害釘を調整する際の指標とすることができる。例えば、待機期間差玉数の値が小さい(賞球数に対しての打込玉数が少なく遊技者にとって有利であることを示す)場合には、球入賞口71への入賞が困難(即ち、特定領域への入賞が困難)となるように、球入口71近傍の障害釘Pを調整するようにする。また、大当り期間差玉数の値が大きい(賞球数に対しての打込玉数が多く遊技者にとって不利であることを示す)場合には、大入賞口への入賞が容易となるように、特別可変入賞球装置20近傍の障害釘を調整するようにする。
また、この実施の形態では、通常のパチンコ遊技機(およびこれに対応するアウト玉計数器)から出力される図柄確定信号および大当り信号に基づいて、大当り信号の入力直前に入力された図柄確定信号の入力タイミングを待機期間の開始点(すなわち待機期間の開始点)として、待機期間差玉数および合計期間差玉数の集計を実行することが可能である。すなわち、大当り図柄が導出表示されたタイミングを特定するために特殊な手段を用いることなく、待機期間差玉および合計期間差玉の集計を行うことができる。
CPU1202は、確変信号のONからOFFへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、全体テーブルにおいて遊技状態を確変状態に更新し、総確変回数を1加算する。CPU1202は、確変信号のOFFからONへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、全体テーブルにおいて遊技状態を通常状態に更新する。
なお、図71に示した台別統計テーブルは、台別履歴テーブルに基づいて以下のようにして更新される。まず、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号について、前述した集計処理に基づいてラウンド数、待機期間差玉数、大当り期間差玉数、および合計期間差玉数が履歴化された場合に、当該台別履歴テーブルにおける全ての待機期間差玉数を対象とした平均値を算出して、台別統計テーブルの待機期間平均差玉数とする。また、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号に対応するラウンド数(5R、10R、または15R)に基づいて台別統計テーブルにおいて当該ラウンド数の大当り回数を1加算する。また、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号に対応するラウンド数(5R、10R、または15R)と同じラウンド数の大当り期間差玉数を対象とした平均値を算出して、台別統計テーブルにおいて当該ラウンド数(5R、10R、または15R)に対応する大当り期間平均差玉数とする。また、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号に対応するラウンド数(5R、10R、または15R)と同じラウンド数の合計期間差玉数を対象とした平均値を算出して、台別統計テーブルにおいて当該ラウンド数(5R、10R、または15R)に対応する合計期間平均差玉数とする。
このように、大当り遊技状態のラウンド数を特定可能な開放信号が入力されることにより、ラウンド数が異なる複数の大当り遊技状態が存在する場合に、いずれのラウンド数の大当り遊技状態に制御されたのかを識別することが可能となる。これにより、ラウンド数が異なる複数の大当り遊技状態毎に大当り回数、大当り期間平均差玉数、および合計期間平均差玉数を集計することが可能となる。
(第2の差玉集計処理)
次に、第2の差玉集計処理について、第1の差玉集計処理と異なる点について説明する。第2の差玉集計処理に係るパチンコ遊技機1には、特別図柄の表示結果が大当り図柄となるときに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される前、すなわち大当り図柄の導出表示に基づく図柄確定信号が出力される前に点灯する大当り報知LED51が設けられている。
本シミュレーション機能においては、大当り報知LED51の発光を検出する発光検出センサ1210が配置されている。例えば、発光検出センサ1210はフォトダイオードにより構成されており、大当り報知LED51から受光したことに基づいて所定の発光検出信号を出力する。発光検出信号は所定幅のパルス信号である。発光検出信号は、台端末1220等の中継機器を経由して台識別情報と共にホールコンピュータ1200の通信部1207に入力される。CPU1202は、該入力された発光検出信号に基づいて当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されること(大当りが発生すること)を検出する。即ち、CPU1202は、大当り図柄の導出表示前に、当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されることを検出することになる。
次に図73を用いて、本シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200における差玉の集計方法について説明する。パチンコ遊技機1において特別図柄の変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示される場合には、特別図柄の変動表示中であって大当り図柄の導出表示前(例えば導出表示直前)に大当り報知LED51が点灯することにより大当りが報知される。これに伴い、大当り報知LED51の発光を検出した発光検出センサ1210が発光検出信号を出力し、該発光検出信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(1)として示す)。この(1)のタイミングで発光検出フラグがセットされる。そして、その後に大当り図柄が導出表示されて図柄確定信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(2)として示す)。この(2)のタイミングで発光検出フラグがリセットされて、集計フラグがセットされる。そして、パチンコ遊技機1においては前述したようにゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過すると、開放態様選択処理が実行されて大当り遊技状態のラウンド数が決定される。そして、該決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(このタイミングを(3)として示す)。そして、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(このタイミングを(4)として示す)。
この実施の形態では、ホールコンピュータ1200は、発光検出信号の直後に入力された図柄確定信号に基づいて、該図柄確定信号の入力から大当り信号がOFFとなるまでの期間についてのみ(この(2)〜(4)の期間は集計フラグがセットされている)、全体テーブルの図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数を集計することになる。
次に、ホールコンピュータ1200が実行する第2の差玉集計処理について説明する。CPU1202は、賞球信号、打込信号、図柄確定信号、および発光検出信号の入力、ならびに、大当り信号、開放信号、および確変信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総賞球数を10加算し、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する。さらに、集計フラグがセットされている場合にのみ、図柄確定後賞球数を10加算し、[図柄確定後打込玉数−更新後の図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する。即ち、集計フラグがセットされていない場合には、図柄確定後賞球数および図柄確定後差玉数を更新しない。
CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総打込玉数を10加算し、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する。さらに、集計フラグがセットされている場合にのみ、図柄確定後打込玉数を10加算し、[更新後の図柄確定後打込玉数−図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する。即ち、集計フラグがセットされていない場合には、図柄確定後打込玉数および図柄確定後差玉数を更新しない。
CPU1202は、図柄確定信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総スタート回数を1加算する。そして、発光検出フラグがセットされている場合にのみ、図柄確定後賞球数を0にリセットし、図柄確定後打込玉数を0にリセットし、図柄確定後差玉数を0にリセットし、さらに、集計フラグをセットすると共に、発光検出フラグをリセットする。発光検出フラグがセットされていなければ、これらの処理は実行しない。このようにして、発光検出信号が入力された直後に入力された図柄確定信号についてのみ、集計フラグがセットされて、その後に図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数が集計されることになる。
CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、第1の差玉集計処理と同様の大当り信号ON検出時処理を実行する。CPU1202は、開放信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S304でY)、第1の差玉集計処理と同様の開放信号検出時処理を実行する。
CPU1202は、大当り信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、第1の差玉集計処理と同様の大当り信号OFF検出時処理を実行し、さらに集計フラグをリセットする。CPU1202は、確変信号のONからOFFへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、全体テーブルにおいて遊技状態を確変状態に更新し、総確変回数を1加算する。
CPU1202は、確変信号のOFFからONへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、全体テーブルにおいて遊技状態を通常状態に更新する。CPU1202は、発光検出信号の入力を検出した場合には、発光検出フラグをセットする。
このように、第2の差玉集計処理においては、大当り報知LED51の発光が発光検出センサ1210により検出されて発光検出信号が入力された場合にのみ、すなわち、大当り遊技状態が発生することが確定した場合にのみ、図柄確定信号の入力に基づいて集計フラグがセットされて図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数が集計されるようになるため、ホールコンピュータ1200(CPU1202)の処理負担が軽減される。
(第3の差玉集計処理)
次に、第3の差玉集計処理について、第1の差玉集計処理と異なる点について説明する。第3の差玉集計処理に係るパチンコ遊技機1には、特別図柄の表示結果が大当り図柄となったときに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示された後、すなわち大当り図柄の導出表示に基づく図柄確定信号が出力された後に点灯する大当り報知LED51が設けられている。
本シミュレーション機能においては、大当り報知LED51の発光を検出する発光検出センサ1210が配置されている。例えば、発光検出センサ1210はフォトダイオードにより構成されており、大当り報知LED51から受光したことに基づいて所定の発光検出信号を出力する。発光検出信号は所定幅のパルス信号である。発光検出信号は、台端末1220等の中継機器を経由して台識別情報と共にホールコンピュータ1200の通信部1207に入力される。CPU1202は、該入力された発光検出信号に基づいて当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されたことを検出する。即ち、CPU1202は、大当り図柄の導出表示後に当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されたことを検出することになる。
次に図74を用いて、本シミュレーション機能に係るホールコンピュータ1200における差玉の集計方法について説明する。パチンコ遊技機1において特別図柄の変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示された場合には、図柄確定信号が出力され、該図柄確定信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(1)として示す)。図柄確定信号の入力に基づいて、発光待ちタイマに所定時間がセットされる。このときの所定時間は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示されてから大当り報知LED51が点灯するまでの時間よりも長い時間であり、この例ではtとしている。
ここで図柄確定信号の入力((1)のタイミング)に基づいて、全体テーブルにおける図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および、図柄確定後差玉数の集計が開始される。そして、発光検出信号が入力された場合、すなわち大当り図柄の導出表示から所定時間以内に大当り報知LED51が点灯した場合(このタイミングを(2)として示す)には、図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および、図柄確定後差玉数の集計が継続されることになる。そして、パチンコ遊技機1においては前述したようにゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過すると、開放態様選択処理が実行されて大当り遊技状態のラウンド数が決定される。そして、該決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(このタイミングを(3)として示す)。そして、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(このタイミングを(4)として示す)。
一方、発光待ちタイマがタイムアウトした場合(所定時間以内に発光検出信号の入力が無かった場合)には、集計無効フラグがセットされて、全体テーブルにおける図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および、図柄確定後差玉数の集計が継続されない。この実施の形態では、ホールコンピュータ1200は、図柄確定信号の入力直後に発光検出信号が入力されたことに基づいて、該発光検出信号の入力から大当り信号がOFFとなるまでの期間について(この(2)〜(4)の期間は集計無効フラグがセットされていない)、全体テーブルの図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数を継続して集計することになる。
次に、ホールコンピュータ1200が実行する第3の差玉集計処理について、第1の差玉集計処理と異なる点について説明する。CPU1202は、賞球信号、打込信号、図柄確定信号、および発光検出信号の入力、ならびに、大当り信号、開放信号、および確変信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総賞球数を10加算し、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する。さらに、集計無効フラグがセットされていない場合にのみ、図柄確定後賞球数を10加算し、[図柄確定後打込玉数−更新後の図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する。即ち、集計無効フラグがセットされている場合には、図柄確定後賞球数および図柄確定後差玉数を更新しない。
CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には、まず、全体テーブルにおいて総打込玉数を10加算し、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する。さらに、集計無効フラグがセットされていない場合にのみ、図柄確定後打込玉数を10加算し、[更新後の図柄確定後打込玉数−図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する。即ち、集計無効フラグがセットされている場合には、図柄確定後打込玉数および図柄確定後差玉数を更新しない。
CPU1202は、図柄確定信号の入力を検出した場合には、第1の差玉集計処理と同様の図柄確定信号入力時処理を実行し、さらに発光待ちタイマに所定時間をセットし、セットされていれば集計無効フラグをリセットする。ここで所定時間は、前述したように、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示されてから大当り報知LED51が点灯するまでの時間よりも長い時間である。
CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、第1の差玉集計処理と同様の大当り信号ON検出時処理を実行する。CPU1202は、開放信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、第1の差玉集計処理と同様の開放信号検出時処理を実行する。
CPU1202は、大当り信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、第1の差玉集計処理と同様の大当り信号OFF検出時処理を実行する。CPU1202は、確変信号のONからOFFへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には、全体テーブルにおいて遊技状態を確変状態に更新し、総確変回数を1加算する。
CPU1202は、確変信号のOFFからONへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には、全体テーブルにおいて遊技状態を通常状態に更新する。CPU1202は、発光検出信号の入力を検出した場合には、発光待ちタイマの値をクリアする。なお発光待ちタイマの値がクリアされると、以降は、発光待ちタイマがタイムアウトしたとは判定されない。
CPU1202は、発光待ちタイマがタイムアウトした場合には、集計無効フラグをセットする。このように、大当り図柄の導出表示後、所定時間(t)以内に発光検出信号が入力されない場合、すなわち大当り遊技状態が発生しないことが確定した場合には、集計無効フラグがセットされることになるため、これ以降は、図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数が集計されず、ホールコンピュータ1200(CPU1202)の処理負担が軽減される。