JP2016036104A - 無線通信モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 導波管ホーンアンテナを有する無線通信モジュールでモジュール筐体表面での反射を低減する。【解決手段】 無線通信モジュールは、金属の筐体の主面に開口部を有する導波管ホーンアンテナと、前記筐体の前記主面に配置される誘電体のレドームと、を備え、前記誘電体レドームは、前記導波管ホーンアンテナの前記開口部に向かって厚さが低減する湾曲面または傾斜面を有し、前記湾曲面または傾斜面は、入射電磁波を前記開口部から遠ざかる方向に拡散させる。【選択図】図2

Description

本発明は、高周波無線通信に用いられる無線通信モジュールに関する。
近年、サブミリ波あるいはテラヘルツ波と呼ばれる、これまで利用が進んでいなかった高周波の電磁波を通信に利用する研究が行われている。このような高い周波数帯では波長が短いため、無線通信モジュールの筐体のサイズは通信波長よりも大きくなる。例えば、300GHzでの通信波長は1mmである。
100GHzを超える高周波帯での無線通信では、ビームパターンの制御性がよく、高いアンテナ利得を得ることが可能な導波管ホーンアンテナが用いられる。導波管ホーンアンテナを用いたモジュールは、無線通信装置やレーダ装置、イメージング装置などに応用される。
図1は、導波管ホーンアンテナ105を用いた無線通信モジュールの概略図である。ホーンアンテナ105の開口部109は、モジュール筐体101の表面側に向かってテーバ状に広がる角錐または円錐の形状をしている。筐体101の内部のキャビティ102に、通信用のモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit)103が収容されている。MMIC103は、高周波伝送線路107が形成された配線基板106に搭載される。配線基板106の端部に、導波管モードと伝送線路107の伝送モードを相互変換する変換部104が設けられている。
ホーンアレイアンテナのテーパ状の開口に、レドームを兼ねた誘電体レンズを配置して不要な放射を抑える構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、平行板導波管の一方の面(電波放射面)にスロットが形成されたスロットアンテナで、スロットと対向する他方の面に凹溝を設け、スロットで反射される電波と凹溝で反射される電波を逆位相にして相殺する構成が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2012−175680号公報 特開平11−214919号公報
300GHz付近の周波数帯では、ホーンアンテナ105の開口部109のサイズdが1〜5mmであるのに対して、モジュール筐体101のサイズLは1〜5cm程度と大きい。このため、筐体101の表面で信号の反射が生じる。反射した信号は、受信信号(希望波)に干渉し、通信品質の低下を招く。送信電力が大きい場合は、送信アンテナに向かって反射される電力も大きくなるため、送信機内への信号のフィードバックが生じ、送信回路の破壊につながる恐れもある。超高速信号の場合、直進性(指向性)が高いので、送信機と受信機が離れていても反射・干渉の影響を受けやすい。
そこで、無線通信モジュールの筐体表面での信号の反射を抑制して、通信品質を維持することを課題とする。
ひとつの態様では、無線通信モジュールは、
金属の筐体の主面に開口部を有する導波管ホーンアンテナと、
前記筐体の前記主面に配置される誘電体のレドームと、
を備え、
前記誘電体レドームは、前記導波管ホーンアンテナの前記開口部に向かって厚さが低減する湾曲面または傾斜面を有し、前記湾曲面または傾斜面は、入射電磁波を前記開口部から遠ざかる方向に拡散させることを特徴とする。
無線通信モジュールの筐体表面での信号の反射を抑制し、通信品質を維持することができる。
高周波帯の無線通信モジュールで生じる問題点を説明する図である。 実施例1の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施例2の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施例3の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施例4の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施例5の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施例6の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施例7の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施例8の無線通信モジュールの概略構成図である。 実施形態の効果を説明する図であり、アンテナを対向させたときの電界分布を従来構成と比較して示す図である。 実施形態の効果を説明する図であり、アンテナの反射損失を従来構成と比較して示す図である。
実施形態では、モジュール筐体の受信面(受信アンテナ配置面)の外側にレドームを配置し、このレドームに、ホーンアンテナの開口に向かって厚さが減少するテーパ状の湾曲面あるいは傾斜面を設ける。一般に、レドームはレーダやアンテナを保護する機能を有するが、実施形態では、レドームの湾曲面または傾斜面を用いて、モジュール筐体に入射する電界(電力)をアンテナから遠ざかる方向に拡散させる。モジュール筐体での反射波による受信信号への干渉を抑制して、通信品質を維持する。
図2は、実施例1の無線通信モジュール1の概略構成図である。無線通信モジュール1は、ホーンアンテナ15を有する。ホーンアンテナ15は、方形または円形の導波管18の径を筐体11の表面に向かってテーパ状に広げていった角錐または円錐の開口部19を有する導波管アンテナである。筐体11の内部に、導波管18と連通するキャビティ12が形成され、キャビティ12内に、配線基板16に搭載されたMMIC13が収容されている。MMIC13は、無線通信装置の送受信フロントエンド部として用いられ、受信系列では高周波無線信号をダウンコンバートし、送信系列では中間周波数の信号をアップコンバートする。以下の実施例では、受信アンテナとしてのホーンアンテナ15に着目して説明する。
ホーンアンテナ15に入射した電磁波は導波管18を伝搬する。配線基板16に形成された高周波伝送線路17の端部、あるいは高周波伝送線路17の端面と対向する導波管18の壁部に、導波管伝搬と伝送線路伝搬のモード間変換を行う変換部14が配置され、導波管18を伝搬した信号は、高周波伝送路モードに変換される。受信信号は、高周波伝送線路17を介してMMIC13に入力される。たとえば無線通信モジュール1がレーダシステムに適用される場合、MMIC13は、ホーンアンテナ15で受信された対象物からの反射波を受け取ってフロントエンド処理する。MMIC13でフロントエンド処理されたアナログ受信信号は、無線通信モジュール1に接続される図示しないディジタル信号処理部に供給される。
無線通信モジュール1は、筐体11の主面、すなわちホーンアンテナ15の開口部19が形成される面(「アンテナ形成面」とも称する)に、誘電体のレドーム21を有する。レドーム21は、ホーンアンテナ15の開口部19に向かって厚さが減少する湾曲面または傾斜面21aを有する。レドーム21の厚さが減少する面を湾曲面21aとする場合は、開口部19側に凸の湾曲面とする。図2では、湾曲面に21aによって、レドーム21にテーパ状の開口が形成され、ホーンアンテナ15の開口部19を露出する。
ホーンアンテナ15の開口部19に到来した電磁波は、開口部19に入射しつつ、開口部19以外の筐体11の表面にも入射する。レドーム21の湾曲面(または傾斜面)21aは、筐体11に入射する電界を、ホーンアンテナ15の開口部19から遠ざかる方向に拡散し、受信面に対して垂直方向への反射を抑制する。
レドーム21の材料として、PTFE(polytetrafluoroethylene:ポリテトラフルオロエチレン)、ポリカーボネート等を用いることができる。レドーム21の湾曲面(または傾斜面)21aは、平板状の誘電体材料に対してエンドミル等を使用して切削加工を施すことで、所望の形状に加工され得る。たとえば、平坦な誘電体プレートに底面に向かって狭くなる開口を切削形成した後に、筐体11のアンテナ形成面に接着してもよい。この場合は、誘電体プレートの開口を形成するテーパ面がレドーム21の湾曲面21aとなる。レドーム21は、3Dプリンタによる成形や、金型を用いた射出プレス成型等によっても作製される。
実施例1の構成により、受信信号に対する干渉を低減して通信品質を良好に維持することができる。
図3は、実施例2の無線通信モジュール2の概略構成図である。無線通信モジュール2は、筐体11のアンテナ形成面にレドーム22を有する。レドーム22は、ホーンアンテナ15の開口部19に向かって厚さが低減する湾曲面(または傾斜面)22aと、開口部19を覆うカバー部22bを有する。図3では、湾曲面(または傾斜面)22aによって、ホーンアンテナ15の開口部19に対応する領域に凹部がレドーム22に形成される。
レドーム22は、筐体11のみならず、ホーンアンテナ15や、内部の通信回路(MMIC13)も保護する。MMIC13のような電子デバイスは、湿度、埃(パーティクル)による汚染、温度変化等に敏感である。実施例2では、ホーンアンテナ15の開口部19をレドーム22で覆うことで、ホーンアンテナ15とMMIC13を保護する。
実施例2では、レドーム22でホーンアンテナ15の開口部19を覆うことから、レドーム22の材料としては、電磁波の減衰を最小限にする材料を選択するのが望ましい。誘電損失の低い(誘電正接の小さい)材料として、たとえば、ポリイミド、液晶ポリマー、高密度ポリエチレン、PTFEなどを用いることができる。
ホーンアンテナ15に到来する電磁波は、レドーム22のカバー部22bを透過して開口部19に入射する。他方、筐体11の表面に入射する電磁波は、レドーム22の湾曲面22aでホーンアンテナ15の開口部19から遠ざかる方向に拡散され、筐体11の表面に対して垂直方向の反射が抑制される。カバー部22bは、ホーンアンテナ15の開口部19内への到来電磁波の入射が可能な範囲内で平坦であってもよい。レドーム22以外の構成については、実施例1の構成と同様であり、重複する説明を省略する。
図4は、実施例3の無線通信モジュール3の概略構成図である。無線通信モジュール3は、筐体11のアンテナ形成面にレドーム23を有する。レドーム23は、ホーンアンテナ15の開口部19に向かって厚さが低減する湾曲面23aと、開口部19を覆う凸状カバー部23bを有する。凸状カバー部23bは誘電体レンズとして作用する。
ホーンアンテナ15の開口部19を覆う領域に凸状カバー部23bを配置することで、入射電磁波を開口部19に集光することができる。一方、筐体11の開口部19以外の領域に入射する電磁波は、レドーム23の湾曲面(または傾斜面)23aによって開口部19から遠ざかる方向に拡散される。この構成によりアンテナ利得が向上し、ビームパターンを制御することができる。
レドーム23以外の構成については実施例1と同様であり、重複する説明を省略する。
図5は、実施例4の無線通信モジュール4の概略構成図である。無線通信モジュール4は、筐体11のアンテナ形成面にレドーム26を有する。レドーム26は、第1誘電体層24と第2誘電体層25の二層構造となっている。第1誘電体層24は、実施例3のレドーム23と同様に、ホーンアンテナ15の開口部19に向かって厚さが低減する湾曲面24aと、開口部19を覆う凸状カバー部24bを有する。第2誘電体層25は、第1誘電体層24上に積層されて上面が平坦面となっている。第2誘電体層25の誘電率は、第1誘電体層24の誘電率よりも低い。換言すると、第2誘電体層25の誘電率は、大気の誘電率より大きく、第1誘電体層24の誘電率よりも小さい。
強い風圧や水圧等を受ける厳しい環境下でホーンアンテナ15を使用する場合、レドーム26の強度を保つためには、レドーム26の厚さを一定程度の厚さにすることが望ましい。実施例3の凹凸のあるレドーム23では、部分的に厚さの薄い箇所が生じるので、実施例4では、第1誘電体層24の強度を補う第2誘電体層25を配置する。第2誘電体層25は、レドーム26の強度を保ちつつ、電磁波を屈折させる第1誘電体層24の表面を保護する役割も果たす。また、第2誘電体層25の誘電率を第1誘電体層24の誘電率よりも低くすることで、開口部19への集光と、開口部19から遠ざかる方向への電界の拡散とを、より効果的にすることができる。
レドーム26は、平坦な誘電体プレート等を加工して凹凸形状を有する第1誘電体層24を形成した後、低誘電率材料の溶融樹脂を塗布し、上面を平坦化することによって、第2誘電体層25を積層した構造を作製することができる。
図6は、実施例4の無線通信モジュール5の概略構成図である。無線通信モジュール5は、筐体11のアンテナ形成面に3層以上の多層構造のレドーム31を有する。レドーム31は、第1誘電体層27、第2誘電体層28、第3誘電体層を有する。屈折率は、第1誘電体層27、第2誘電体層28、第3誘電体層29の順に低くなり、最も外側の第3誘電体層29が平坦面を有する。
第1誘電体層27は、ホーンアンテナ15の開口部19側に向かって厚さが減少する湾曲面27aと、開口部19を覆うカバー部27bを有する、第2誘電体層は、ホーンアンテナ15の開口部19側に向かって厚さが減少する湾曲面28aと、第1誘電体層27のカバー部27b上に配置されるカバー部28bを有する。
受信電波のうち、ホーンアンテナ15の開口部19の周辺に入射する電磁波は、レドーム31の湾曲面28aと湾曲面27aで順次屈折され、開口部19から遠ざかる方向に拡散される。受信電波のうち、ホーンアンテナ15の開口部19およびその近傍に入射する電磁波は、カバー部28bとカバー部27bで順次屈折されて、開口部19内に集光される。
レドーム31は、誘電率の異なる材料を使用し、誘電体層の塗布と切削加工を繰り返すことで作製することができる。レドームを多層レンズ形状とすることで、アンテナ特性をさらに向上することができる。
図7は、実施例6の無線通信モジュール6の概略構成図である。実施例6では、実施例1〜5のいずれかのレドームに、電磁波吸収体32を組み合わせる。図7の例では、実施例3のレドーム23と電磁波吸収体32を組み合わせているが、他の実施例のレドームと組み合わせ得ることは言うまでもない。
上述のように、レドーム23は、無線通信モジュール7のホーンアンテナ15の開口部19以外の筐体11の表面領域に入射する電磁波を、開口部19から遠ざかる方向に拡散させる。電磁波吸収体32は、拡散した電界に対して、反射による影響をより確実に抑制するために、筐体11の表面領域に配置される。
たとえば、図3の実施例2のレドーム22において、レドーム22と空気の界面での反射によって、予期せぬ電磁波の干渉が起きる可能性がある。不要な電磁波を吸収することで、そのような干渉を予防することができる。
電磁波吸収体32は、たとえば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、フェライト等の磁性電波吸収体、導電性繊維を用いた導電性電波吸収体、カーボン粉末等を誘電体に混合した誘電性電波吸収体等、任意の材料を用いることができる。
図8は、実施例7の無線通信モジュール7の概略構成図である。実施例7では、筐体11の表面に四分の一波長(λ/4)の深さを持つ切り欠き33を周期的に配置する。切り欠き33の深さをλ/4とすることで、切り欠き33の底面で反射された反射波は、筐体11の表面での反射波に対してλ/2だけ位相が遅れる。したがって、筐体11の表面での反射R1と、切り欠き33の底面での反射R2を互いに打ち消すことができる。これにより、筐体11の垂直方向への反射を抑制する。切り欠き33が占める面積は、図8の例では、筐体11のアンテナ形成面の全面積の約50%である。
図8では、実施例3のレドーム23と周期的な切り欠き構造とを組み合わせているが、実施例1〜5の任意のレドームに図8の切り欠き構造を組み合わせてもよい。
図9は、実施例8の無線通信モジュール8の概略構成図である。実施例8では、筐体11の表面に形成された周期的な切り欠き34内を誘電体35で充填する。誘電体35の内部では、波長は1/εr 1/2倍(1/√εr倍)になるので、切り欠き34の深さDを、図8の切り欠き33に比べて、λ/4(εr)1/2に浅くすることができる。ここで、εrは誘電体35の比誘電率である。
筐体11の表面での反射R1と、誘電体35の底面での反射R3が同じ電力となるように、切欠き34の底面の面積Aを設定する。具体的には、誘電体35の表面での反射率をR、厚さ2Dの誘電体35の透過率をTとすると、筐体11のアンテナ形成面に占める切り欠き34の総面積の割合を1/(1-R)(1+T)に設定する。この構成により、ホーンアンテナ15の開口部19以外の筐体11の表面領域での反射波を打ち消して、アンテナ特性を向上することができる。
<効果確認>
図10は、実施形態の無線通信モジュールの効果を確認するための3次元電磁界シミュレーションの結果を示す図である。図10(A)は実施形態のレドーム付きアンテナ構成を採用したときの電界分布を、図10(B)は比較例としてレドームなしアンテナ構成を採用したときの電界分布を示す。いずれの構成においても、ホーンアンテナ15として角錐形の金属導波管ホーンアンテナを用い、ホーンアンテナ15の開口部19のサイズを2.0 mm × 2.4 mmとする。筐体11の主面であるアンテナ形成面のサイズは、一辺が10mmの方形である。図10の電界分布では、濃度が薄いほど電界の強さ(V/m)が強く、濃度が濃いほど電界が弱い。
図10(A)で用いるレドームとして、実施例1のレドーム21を用いる。レドーム21の厚さは1mm、比誘電率は3.1である。誘電損失による影響を実施形態の効果と切り分けるため、誘電正接を0とする。レドーム21はホーンアンテナ15の開口部19に向かってその厚さが低減し、レドーム21の湾曲面21aで規定されるテーパ状の開口内にホーンアンテナ15の開口部19が露出する。
図10(B)ではレドームを用いず、ホーンアンテナ15の開口部19の周囲の筐体11の表面は露出する。
互いに対向する2つのホーンアンテナ15の一方を送信ホーンアンテナ15T、他方を受信ホーンアンテナ15Rとし、周波数300GHzを想定して、送信ホーンアンテナ15Tと受信ホーンアンテナ15Rを10mmの距離を置いて対向させる。図10(B)の電磁界シミュレーションでは、筐体11の表面で多重反射による定在波が生じているが、図10(A)のレドーム付きの構成では、定在波が抑制されているのがわかる。
図11は、図10の条件での反射損失を、周波数を変化させてプロットした図である。図11(A)は、図10(A)のようにレドーム21付きでホーンアンテナ15を対向させたときの反射損失、図11(B)は、図10(B)のようにレドームを用いずにホーンアンテナ15を対向させたときの反射損失を示す。
図11(B)のレドームなしの構成では、ターゲットとする300GHzでの反射損失は−12dBとなっている。これに対し、図11(A)のレドーム21付きの構成では、ターゲットの300GHzでの反射損失は−22dBに低減され、図11(B)よりも10dB低い値を達成する。レドーム21により電界をホーンアンテナ15の開口部19から遠ざかる方向に拡散させることで、受信側の無線通信モジュール2の筐体11で反射されて送信機へ戻る電力を10dB低減できることがわかる。
実施例1〜8、及びこれらの実施例の任意の組み合わせを採用した無線通信モジュールは、筐体11の表面での反射波の影響を抑制することができるため、高周波での無線通信の受信アンテナとして適しており、レーダシステム等への適用が期待できる。
また、実施形態では単一のホーンアンテナ15を示したが、筐体11に複数のホーンアンテナ15をアレイ状に配置したホーンアンテナアレイにも実施形態のレドーム構成を適用することができる。
以上の説明について以下の付記を提示する。
(付記1)
金属の筐体の主面に開口部を有する導波管ホーンアンテナと、
前記筐体の前記主面に配置される誘電体のレドームと、
を備え、
前記誘電体レドームは、前記導波管ホーンアンテナの前記開口部に向かって厚さが低減する湾曲面または傾斜面を有し、前記湾曲面または傾斜面は、入射電磁波を前記開口部から遠ざかる方向に拡散させることを特徴とする無線通信モジュール。
(付記2)
前記レドームは、前記湾曲面または傾斜面の底部で前記開口部を覆うカバー部をさらに有することを特徴とする付記1に記載の無線通信モジュール。
(付記3)
前記レドームは、前記湾曲面または傾斜面と前記カバー部とを有する第1誘電体層と、
前記第1誘電体層上に重ねられて平坦な上面を有する第2誘電体層とを含み、
前記第2誘電体層の誘電率は、前記第1誘電体層の誘電率よりも低いことを特徴とする付記2に記載の無線通信モジュール。
(付記4)
前記カバー部は前記開口部を覆う平坦面を有することを特徴とする付記2に記載の無線通信モジュール。
(付記5)
前記カバー部は前記開口部を覆う凸面を有することを特徴とする付記2に記載の無線通信モジュール。
(付記6)
前記筐体の前記主面に形成され通信波長の1/4の深さを有する周期的な切り欠き、
をさらに有することを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の無線通信モジュール。
(付記7)
前記主面において前記切り欠きが占める割合は50%であることを特徴とする付記6に記載の無線通信モジュール。
(付記8)
前記筐体の前記主面に形成される周期的な切り欠きと、
前記切り欠き内に充填される誘電体、
とを有し、前記誘電体の表面での反射率をR、前記切り欠きの深さをD、前記誘電体の厚さが2Dのときの透過率をTとすると、前記主面において前記切り欠きが占める割合は、1/(1−R)(1+T)であることを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の無線通信モジュール。
(付記9)
前記筐体の前記主面において、前記開口部の周囲に配置される電磁波吸収体、
をさらに有することを特徴とする付記1〜5のいずれか項に記載の無線通信モジュール。
(付記10)
前記筐体内に形成され、前記導波管ホーンアンテナと連通するキャビティと、
前記キャビティ内に配置される無線通信回路と、
をさらに有することを特徴とする付記1〜9のいずれかに記載の無線通信モジュール。
1〜8 無線通信モジュール
11 筐体
12 キャビティ
13 MMIC
15 ホーンアンテナ
18 導波管
19 開口
21〜23、26、31 レドーム
21a,22a、23a 湾曲面(または傾斜面)
24、27 第1誘電体層
25、28 第2誘電体層
29 第3誘電体層
32 電磁波吸収体
33,34 切り欠き
35 誘電体

Claims (6)

  1. 金属の筐体の主面に開口部を有する導波管ホーンアンテナと、
    前記筐体の前記主面に配置される誘電体のレドームと、
    を備え、
    前記誘電体レドームは、前記導波管ホーンアンテナの前記開口部に向かって厚さが低減する湾曲面または傾斜面を有し、前記湾曲面または傾斜面は、入射電磁波を前記開口部から遠ざかる方向に拡散させることを特徴とする無線通信モジュール。
  2. 前記レドームは、前記湾曲面または傾斜面の底部で前記開口部を覆うカバー部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信モジュール。
  3. 前記レドームは、前記湾曲面または傾斜面と前記カバー部とを有する第1誘電体層と、
    前記第1誘電体層上に重ねられて平坦な上面を有する第2誘電体層とを含み、
    前記第2誘電体層の誘電率は、前記第1誘電体層の誘電率よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の無線通信モジュール。
  4. 前記筐体の前記主面に形成され通信波長の1/4の深さを有する周期的な切り欠き、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信モジュール。
  5. 前記筐体の前記主面に形成される周期的な切り欠きと、
    前記切り欠き内に充填される誘電体、
    とを有し、前記誘電体の表面での反射率をR、前記切り欠きの深さをD、前記誘電体の厚さが2Dのときの透過率をTとすると、前記主面において前記切り欠きが占める割合は、1/(1−R)(1+T)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信モジュール。
  6. 前記筐体内に形成され、前記導波管ホーンアンテナと連通するキャビティと、
    前記キャビティ内に配置される無線通信回路と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線通信モジュール。
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