JP2006105866A - レーダ装置 - Google Patents

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智也 中西
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崇 吉田
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Abstract

【課題】 車体とバンパーとの間等の奥行き長さが短い空間に搭載することが可能で、搭載される車両の走行状態などに応じてビーム幅の切替えを行うことができるレーダ装置を提供する。
【解決手段】 レーダモジュール1aは、放射するレーダビームによって車両周辺の障害物を検知し、放射されるレーダビームが誘電体レンズ部2aの境界面に応じて屈折する。移動機構3aは、車両の走行状態に応じて制御部4aによって動作制御され、レーダモジュール1aを放射する出射方向に対して垂直に移動させて、誘電体レンズ部2aが有する複数のレンズ部のいずれか1つとレーダモジュール1aから放射されるレーダビームとを選択的に一致させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーダ装置に関し、より特定的には、車両に搭載されるレーダ装置に関する。
従来、車載用レーダ装置として、レンズの屈折効果を利用してレーダビームの方向を変化させる技術がある(例えば特許文献1、特許文献2参照)。これらの技術が用いられる装置は、レーダモジュールを車両のバンパーに設置する場合を想定し、バンパーの形状を変化させて当該バンパーを誘電体レンズとして用いたり、バンパーに直接誘電体レンズを取り付けたりする構造を有している。
また、従来のレーザーレーダ装置では、レーザーレーダの一次放射器に対してコリメートレンズを移動させ、一次放射器とコリメートレンズとの距離を可変にすることで、搭載される車速に応じてレーザーレーダ装置から放射されるビーム幅を調整するという技術がある(例えば特許文献3)。ここで、コリメートレンズとは、一次放射器から放射されるレーザ光を集約するためのレンズである。
特許第3419675号公報 特開2000−292537号公報 特開2000−75030号公報
しかしながら、上述した従来の車載用レーダ装置では、搭載される車両の走行状態(例えば、車速や交差点やカーブ走行時などの右左折)に応じて、当該レーダ装置から放射されるビーム幅の切替えを行う技術が開示されていない。
また、車速に応じてレーザービーム幅を調整する場合、上記特許文献3で開示されたレーザーレーダ装置では、ビーム幅を可変にするためにコリメートレンズの焦点距離を移動させる必要がある。しかしながら、レーダ装置を車体とバンパーとの間等の奥行き長さが短い空間に搭載することを想定した場合、コリメートレンズを前後に移動させる機構を設ける空間が小さいために搭載が困難となり、コリメートレンズを前後に移動させる距離自体を確保できないことも考えられる。
それ故に、本発明の目的は、車体とバンパーとの間等の奥行き長さが短い空間に搭載することが可能で、搭載される車両の走行状態などに応じてビーム幅の切替えを行うことができるレーダ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、車両周辺の物体を検知するレーダ装置である。レーダ装置は、レーダモジュール、誘電体レンズ部、移動機構、および移動制御部を備える。レーダモジュールは、所定の出射方向に対してレーダビームを放射する。誘電体レンズ部は、入射したレーダビームをそれぞれ異なった角度に屈折させて異なったビーム幅で出射する複数のレンズが形成されている。移動機構は、レーダモジュールおよび誘電体レンズ部の少なくとも一方をレーダビームの出射方向に対して垂直に移動させる。移動制御部は、車両の走行状態に応じて誘電体レンズ部に形成された複数のレンズからいずれか1つのレンズを選択し、レーダモジュールと誘電体レンズ部との相対的な位置関係がその選択されたレンズにレーダビームが入射する位置となるように移動機構を動作制御する。
第2の発明は、上記第1の発明において、誘電体レンズ部の複数のレンズは、それぞれ車両のバンパーを加工することによって所定の方向に並んで形成される。レーダモジュールは、バンパーの内側空間にレーダビームの出射方向をそのバンパーと対向する方向として配置される。移動機構は、バンパーの外側面に対して平行に、かつ複数のレンズが並んで形成される方向にレーダモジュールを移動させる。
第3の発明は、上記第1の発明において、誘電体レンズ部は、車両のバンパーの内側空間においてそのバンパーの内側面に沿って移動可能に構成され、複数のレンズがその移動可能な方向に並んで形成されている。レーダモジュールは、バンパーの内側空間にレーダビームの出射方向をそのバンパーと対向する方向として配置されている。移動機構は、誘電体レンズ部が移動可能な方向にその誘電体レンズ部を移動させる。
第4の発明は、上記第1の発明において、誘電体レンズ部の複数のレンズのうち、少なくとも1つのレンズは、レーダビームのビーム幅を広げるための凹面を有している。誘電体レンズ部の複数のレンズのうち、凹面を有するレンズとは異なる少なくとも1つのレンズは、レーダビームのビーム幅を絞るための凸面を有している。
第5の発明は、上記第1の発明において、車速検出部を、さらに備える。車速検出部は、車両の車速を検出して、その車速を示す信号を移動制御部に出力する。移動制御部は、車速検出部から出力された信号が示す車両の車速に基づいて移動機構の動作を制御する。
第6の発明は、上記第5の発明において、移動制御部は、複数のレンズ毎にそれぞれ対応する車速範囲を割り当て、レーダビームを入射させるレンズとして信号が示す車速が含まれる車速範囲に割り当てられたレンズを選択する。
第7の発明は、上記第1の発明において、舵角検出部を、さらに備える。舵角検出部は、車両のハンドル舵角を検出して、その舵角を示す信号を移動制御部に出力する。移動制御部は、舵角検出部から出力された信号が示す車両の走行方向に基づいて移動機構の動作を制御する。
第8の発明は、上記第7の発明において、移動制御部は、複数のレンズ毎にそれぞれ対応する走行方向範囲を割り当て、レーダビームを入射させるレンズとして信号が示す走行方向が含まれる走行方向範囲に割り当てられたレンズを選択する。
第9の発明は、周辺の物体を検知するレーダ装置が設置された車両である。レーダ装置は、レーダモジュール、誘電体レンズ部、移動機構、および移動制御部を備える。レーダモジュールは、車両に設けられたバンパーの内側空間に設けられ、そのバンパーと対向する方向を出射方向としてレーダビームを放射する。誘電体レンズ部は、バンパーを加工してまたはバンパーの内側面に沿った近傍に別体で設けられ、入射したレーダビームをそれぞれ異なった角度に屈折させて異なったビーム幅で出射する複数のレンズが形成されている。移動機構は、レーダモジュールおよび誘電体レンズ部の少なくとも一方をレーダビームの出射方向に対して垂直に移動させる。移動制御部は、車両の走行状態に応じて誘電体レンズ部に形成された複数のレンズからいずれか1つのレンズを選択し、レーダモジュールと誘電体レンズ部との相対的な位置関係がその選択されたレンズにレーダビームが入射する位置となるように移動機構を動作制御する。
第10の発明は、周辺の物体を検知するレーダ装置が設置される車両のバンパーである。バンパーは、広角レンズ部および狭角レンズ部が形成されている。広角レンズ部は、誘電体材料で構成され、所定のレーダモジュールから出射されるレーダビームを内側面から入射して、そのレーダビームを屈折させてビーム幅を広げて外側面から出射する。狭角レンズ部は、誘電体材料で構成され、レーダビームを内側面から入射して、そのレーダビームを屈折させてビーム幅を絞って外側面から出射する。広角レンズ部は、内側面にビーム幅を広げるための凹面を有している。狭角レンズ部は、内側面にビーム幅を広げるための凸面を有している。
上記第1の発明によれば、搭載される車両の走行状態に応じてレーダモジュールおよび誘電体レンズ部の少なくとも一方を移動させて、放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。また、一般的に周辺の物体を検出するためのレーダビームの出射方向は、車両を基準として水平な放射方向となるが、レーダモジュールや誘電体レンズ部の移動方向がビーム出射方向に対して垂直であるため、車両のボディなどに沿った方向となり、レーダモジュールや誘電体レンズ部を移動させる距離自体を充分に確保できる。したがって、レーダ装置の低コスト化やレーダモジュール、誘電体レンズ部、および移動機構を設置する奥行き面での省スペース化を実現できる。
上記第2の発明によれば、搭載される車両の走行状態に応じてレーダモジュールを移動させて、放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。また、ビーム幅を変化させる誘電体レンズ部が車両に備えられたバンパーを加工して形成され、レーダモジュールの移動方向がバンパーに対して平行となるため、レーダモジュールを移動させる距離自体を充分に確保できる。したがって、レーダ装置の低コスト化やレーダモジュール、誘電体レンズ部、および移動機構を設置する奥行き面での省スペース化を実現できる。
上記第3の発明によれば、搭載される車両の走行状態に応じて誘電体レンズ部を移動させて、放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。また、ビーム幅を変化させる誘電体レンズ部が車両に備えられたバンパーと別体で当該バンパーの内側面に沿って移動可能に構成され、誘電体レンズ部の移動方向がバンパーに対して平行となるため、誘電体レンズ部を移動させる距離自体を充分に確保できる。したがって、レーダ装置の低コスト化やレーダモジュール、誘電体レンズ部、および移動機構を設置する奥行き面での省スペース化を実現できる。
上記第4の発明によれば、凹面および凸面によって容易にビーム幅を変化させる誘電体レンズ部を構成することが可能であり、それらの形状によって出射するビーム幅を調整することができる。
上記第5の発明によれば、搭載される車両の車速に応じて、放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。
上記第6の発明によれば、車両の車速に応じて段階的に放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。例えば、車両が低速走行時では周辺を広く監視する目的でビーム幅を広げることができる。また、車両が高速走行時では前後方の遠い位置を監視する目的で、利得向上のためにビーム幅を絞ることができる。
上記第6の発明によれば、搭載される車両のハンドル舵角に応じて、放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。
上記第7の発明によれば、車両のハンドル舵角に応じて段階的に放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。例えば、車両が右左折する場合、車両後方からのバイクや横断歩道の歩行者・自転車など車両周辺において検知したい範囲が広くなるが、車両コーナから放射するレーダビームのうち車両進行方向に放射するレーダビームのビーム幅を広げることができる。
また、本発明の車両によれば、上述したレーダ装置を搭載することによって、上述したレーダ装置と同様の効果を得ることができる。
また、本発明のバンパーによれば、上述したレーダ装置の誘電体レンズ部を構成するため、車両にレーダ装置を設置する場合の低コスト化ならびに奥行き面での省スペース化が期待できる。
(第1の実施形態)
図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係るレーダ装置について説明する。なお、図1は、当該レーダ装置の機能構成を示すブロック図である。典型的には、当該レーダ装置は、車両に搭載されて用いられる。
図1において、当該レーダ装置は、レーダモジュール1a、誘電体レンズ部2a、移動機構3a、制御部4a、中央処理装置5、車速パルス送信部6、およびハンドル舵角送信部7を有している。レーダモジュール1aは、放射するレーダビームによって車両周辺の障害物を検知する。誘電体レンズ部2aは、異なった特性を有する複数のレンズ部を含んでおり、レーダモジュール1aから放射されるレーダビームをそれぞれの境界面に応じて屈折させる。移動機構3aは、レーダモジュール1aがレーダビームを放射する出射方向に対して垂直に当該レーダモジュール1aを移動させ、誘電体レンズ部2aが有する複数のレンズ部のいずれか1つとレーダモジュール1aから放射されるレーダビームとを選択的に一致させる。制御部4aは、中央処理装置5から送信される制御信号に応じて、移動機構3aがレーダモジュール1aを移動させる動作を制御する。車速パルス送信部6は、搭載される車両の車速を示す車速パルス信号を中央処理装置5に出力する。また、ハンドル舵角送信部7は、搭載される車両のハンドル舵角を示すハンドル舵角信号を中央処理装置5に出力する。そして、中央処理装置5は、受け取った車速パルス信号およびハンドル舵角信号に基づいて適切なレーダビーム幅を設定し、レーダビーム幅に応じた制御信号を制御部4aへ出力する。
このように、当該レーダ装置は、搭載される車両の車速やハンドル舵角に応じて制御部4aが移動機構3aを動作させることによって、レーダビームの放射幅を切替えることができる。なお、複数のレーダモジュール1a、誘電体レンズ部2a、移動機構3a、および制御部4aの組をそれぞれ搭載される車両の所定箇所に設置し、中央処理装置5がそれぞれの組を制御してもかまわない。説明を具体的にするために、第1の実施形態では、搭載される車両前方および車両後方のバンパー内にそれぞれ4組ずつ並べて設置し、それぞれのレーダモジュール1aを誘電体レンズ部2aに対して移動させる一例を用いる。そして、車両前方のバンパー内に設けられる4組のうち、両端の2組はコーナに設置される。また、車両後方のバンパー内に設けられる4組のうち、両端の2組はコーナに設置される。中央処理装置5が行う詳細な動作制御の内容は、後述する。
レーダモジュール1aは、例えばレーザーレーダ、ミリ波レーダ、準ミリ波レーダ等の車載用レーダとする。具体的には、レーダモジュール1aは、水平方向に±30°および垂直方向に±10°程度の検知範囲を持つセンサであり、そのサイズが70mm(横)×50mm(縦)×10mm(厚み)程度である。
誘電体レンズ部2aは、レーダモジュール1aから放射されるレーダビーム幅が変更できる複数(例えば2つ)のレンズ部を有している。具体的には、誘電体レンズ部2aは、搭載される車両の前後に固設されているバンパーを加工して形成される。そして、バンパーは、少なくともレンズ部として機能する部位が誘電体材料で形成されている。例えば、誘電体レンズ部2aが有する2つのレンズ部の一方は、ビーム幅を広げるために入射側が凹面であり出射側が平面となった加工形状とする。また、誘電体レンズ部2aが有する2つのレンズ部の他方は、ビーム幅を絞るために入射側が凸面であり出射側が平面となった加工形状とする。なお、これらを区別するために、誘電体レンズ部2aが有するビーム幅を広げるためのレンズ部を広角側レンズ部とし、ビーム幅を絞るためのレンズ部を狭角側レンズ部と記載することがある。
図2は、入射側を凹面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2aの広角側レンズ部の一例を示す概略断面図である。なお、図2は、誘電体レンズ部2aのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが広がる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図2において、広角側レンズ部は、バンパーを加工して形成され、入射側の凹面21aおよび出射側の平面22によって形成される。例えば、広角側レンズ部は、バンパーの内側面の一部を凹レンズ面(凹面21a)になるように加工することによって形成される。
レーダモジュール1aから放射されたビームが凹面21aに入射した場合、空気と誘電体レンズ部2a(誘電体材料で形成されたバンパー)との誘電率の違いから、凹面21aおよび平面22において当該ビームが屈折する。なお、理想的には、レーダモジュール1aから出射されるビームが凹面21aでなるべく屈折しないように、入射角が0°に近い値で入射するような形状で凹面21aが形成される。
ここで、平面22において、誘電体レンズ部2aの屈折率をn1、入射角をθ1、空気の屈折率をn2、出射角をθ2とすると、スネルの法則から、
n1sinθ1=n2sinθ2
が成り立つ。ここで、n1>n2なので、レーダモジュール1aから出射されるビームが誘電体レンズ部2aから空気へ出て行く平面22では、入射角θ1に対して出射角θ2が大きくなる。そして、レーダモジュール1aから出射されるビームがなるべく屈折しないように凹面21aが形成されているため、図示破線矢印で示すように当該ビームはそのビーム幅が拡大されて放射される。
このように、誘電体レンズ部2aの平面22におけるビームの屈折が大きくなり、より広範囲にビームを広げることが可能となる。例えば、誘電体レンズ部2aの屈折率n1=1.5、空気の屈折率n2=1.0とすると、30°方向の放射ビームが平面22での出射角が約49°となり、約20°ビームを広げることができる。
なお、上述したように、レーダモジュール1aから出射されるビームが空気から誘電体レンズ部2aに入る凹面21aでは入射角に対して出射角が小さくなるため、ビームがなるべく屈折しないように入射角が0°に近い値で入射するような形状で凹面21aが形成されている。ここで、レーダモジュール1aにおける検知範囲内の全てのビームについて、入射角が0°に近い値で凹面21aに入射するためには、凹面21aをレーダモジュール1aのビーム放射範囲をカバーする曲率半径を持った形状にすればよい。
また、屈折率が大きい媒質(誘電体レンズ部2a)から小さい媒質(空気)にビームが出射される場合、臨界角sinθ=n2/n1(ただし、n1>n2)の条件が存在し、臨界角θを超える角度で平面22にビームが入射すると、ビームが透過せずに平面22で全反射してしまうので、注意する必要がある。本実施形態では、上述の屈折率で考えた場合、臨界角θが約40°となり、レーダモジュール1aが水平幅±30°のビームを放射するために平面22で全反射しない。
なお、上述した説明では、広角側レンズ部がバンパーの内側面の一部を凹レンズ面(凹面21a)になるように加工することによって形成されたが、他の形状でもかまわない。例えば、バンパーの内側面の一部をフレネルレンズの凹面になるように加工することによって形成してもかまわない。図3は、広角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図である。なお、図2と同様に図3も誘電体レンズ部2aのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが広がる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図3において、レンズ部は、バンパーを加工して形成され、入射側の凹面21bおよび出射側の平面22によって形成される。例えば、レンズ部は、バンパーの内側面の一部をフレネルレンズの凹面(凹面21b)になるように加工することによって形成される。なお、レーダモジュール1aから放射されたビームが凹面21bに入射した後に広がる説明は、上述した凹面21aと同様であるため、詳細な説明を省略する。レンズ部としてフレネルレンズを用いる場合、できるだけ多くのビーム方向について入射角が0°になるような形状にするのが望ましい。
図4は、入射側を凸面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2aの狭角側レンズ部の一例を示す概略断面図である。なお、図4は、誘電体レンズ部2aのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが絞られる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図4において、狭角側レンズ部も広角側レンズと同様にバンパーを加工して形成され、入射側の凸面23aおよび出射側の平面24によって形成される。例えば、狭角側レンズ部は、バンパーの内側面の一部を凸レンズ面(凸面23a)になるように加工することによって形成される。
レーダモジュール1aから放射されたビームが凸面23aに入射した場合、空気と誘電体レンズ部2a(誘電体材料で形成されたバンパー)との誘電率の違いから、凸面23aおよび平面24において当該ビームが屈折する。なお、理想的には、レーダモジュール1aから出射されるビームが平面24でなるべく屈折しないように、平面24への入射角が0°に近い値で入射するような形状で凸面23aが形成される。
ここで、レーダモジュール1aから放射されたビームを平面24で屈折が生じないように絞るためには、凸面23aにおいて、誘電体レンズ部2aの屈折率をn1、入射角をθ3、空気の屈折率をn2、出射角をθ4、ビームの放射角をαとすると、
θ3=θ4+α
を満たすように、凸面23aを加工すればよい。これによって、レーダモジュール1aから出射されるビームが空気から誘電体レンズ部2aへ入射する凸面23aでは、入射角θ3に対して出射角θ4が小さくなる。そして、平面24ではビームがなるべく屈折しないように形成されているため、図示破線矢印で示すように当該ビームはそのビーム幅が絞られて放射される。
なお、上述した説明では、狭角側レンズ部がバンパーの内側面の一部を凸レンズ面(凸面23a)になるように加工することによって形成されたが、他の形状でもかまわない。例えば、バンパーの内側面の一部をフレネルレンズの凸面になるように加工することによって形成してもかまわない。図5は、狭角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図である。なお、図4と同様に図5も誘電体レンズ部2aのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが絞られる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図5において、レンズ部は、バンパーを加工して形成され、入射側の凸面23bおよび出射側の平面24によって形成される。例えば、レンズ部は、バンパーの内側面の一部をフレネルレンズの凸面(凸面23b)になるように加工することによって形成される。なお、レーダモジュール1aから放射されたビームが凸面23bに入射した後に絞られる説明は、上述した凸面23aと同様であるため、詳細な説明を省略する。なお、図4および図5には、それぞれ一面レンズの形状およびフレネルレンズの形状を示しているが、凸面形状は上記の式を満たすならばどのような形状でもかまわない。
次に、図6〜図9を参照して、レーダモジュール1aを移動させることによってビーム幅を切替えるレーダ装置の動作について説明する。なお、図6は、ビーム幅を拡大するときの移動機構3aの動作を示す車両上方から見た概略図である。図7は、ビーム幅が絞られるときの移動機構3aの動作を示す車両上方から見た概略図である。図8は、搭載される車両の車速に応じて制御する中央処理装置5の動作を示すフローチャートである。図9は、搭載される車両のハンドル舵角に応じて制御する中央処理装置5の動作を示すフローチャートである。
まず、レーダモジュール1a、誘電体レンズ部2a、および移動機構3aの位置関係および動作について説明する。図6および図7において、誘電体レンズ部2aは、車両のバンパーを加工することによって形成されており、凹面21および凸面23が車両水平方向(つまり、バンパーの長軸方向)に並設され、それぞれバンパー内側に形成されている。移動機構3aは、レーダモジュール1aをバンパー内側空間内で凹面21および凸面23の並設方向に沿って移動させる。移動機構3aは、レーダモジュール1aからのレーダビームを凹面21または凸面23へ選択的に放射できる位置にレーダモジュール1aを移動させることができる。なお、それぞれの位置におけるレーダモジュール1aと凹面21または凸面23との位置関係は、図2〜図5を用いて説明した状態である。
図6に示すように、移動機構3aがレーダビームを凹面21に放射できる位置(広角側)にレーダモジュール1aを移動させた場合、レーダモジュール1aから放射されるビームが凹面21に入射してビーム幅が広がり、拡大されたビーム幅RBwで誘電体レンズ部2aから外部空間へ放射される。一方、図7に示すように、移動機構3aがレーダビームを凸面23に放射できる位置(狭角側)にレーダモジュール1aを移動させた場合、レーダモジュール1aから放射されるビームが凸面23に入射してビーム幅が狭くなり、絞られたビーム幅RBnで誘電体レンズ部2aから外部空間へ放射される。
次に、図5〜図8を用いて、車速に応じたビーム幅の切替え動作について説明する。例えば、車速に応じてビーム幅を切替える動作は、車両に設置される全ての移動機構3aに適用され、中央処理装置5が制御部4aを介して全ての移動機構3aを動作制御する。
図8において、中央処理装置5は、車速パルス送信部6より車速パルス信号を受け取る(ステップS11)。そして、中央処理装置5は、受け取った車速パルス信号に基づいて車速を演算し、当該車速が閾値M以下か否かを判断する(ステップS12)。ここで、閾値Mは任意の値であり、例えばM=20km/hである。後述により明らかとなるが、閾値Mは、ビーム幅を拡大して車両周辺の障害物を検出するか、ビーム幅を絞って相対的に遠くの障害物を検出するかを判断するための閾値であり、車速が閾値M以下の場合にビーム幅が拡大される。中央処理装置5は、車速≦Mの場合に処理を次のステップS13に進め、車速>Mの場合に処理を次のステップS15に進める。
ステップS13において、中央処理装置5は、レーダモジュール1aが誘電体レンズ部2aにおける広角側の位置(すなわち、図6に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、レーダモジュール1aが広角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS17に進める。一方、中央処理装置5は、レーダモジュール1aが広角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図7に示す狭角側の位置や移動途中など)、レーダモジュール1aが広角側の位置に配置されるように制御部4aを介して移動機構3aの動作を制御する(ステップS14)。具体的には、中央処理装置5は、制御部4aに移動機構3aを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4aが移動機構3aを動作させてレーダモジュール1aを誘電体レンズ部2aの凹面21に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS17に進める。これにより、車両が車速M以下の場合にレーダ装置が放射するビーム幅を広げることができる。
ステップS15において、中央処理装置5は、レーダモジュール1aが誘電体レンズ部2aにおける狭角側の位置(すなわち、図7に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、レーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS17に進める。一方、中央処理装置5は、レーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図6に示す広角側の位置や移動途中など)、レーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されるように制御部4aを介して移動機構3aの動作を制御する(ステップS16)。具体的には、中央処理装置5は、制御部4aに対して移動機構3aを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4aが移動機構3aを動作させてレーダモジュール1aを誘電体レンズ部2aの凸面23に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS17に進める。これにより、車両が車速Mより高速で走行している場合にレーダ装置が放射するビーム幅を絞ることができる。
ステップS17において、中央処理装置5は、車両周辺の障害物検知を終了するか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、検知を継続する場合、上記ステップS11戻って処理を継続する。一方、中央処理装置5は、検知を終了する場合、当該フローチャートによる処理を終了する。これらの処理により、車速に応じてビーム幅を切替えることができる。
次に、図5、図6、および図9を用いて、ハンドル舵角に応じたビーム幅の切替え動作について説明する。例えば、ハンドル舵角に応じてビーム幅を切替える動作は、車両の各コーナ位置に設置される移動機構3aに適用され、中央処理装置5が制御部4aを介して該当する移動機構3aを動作制御する。
図9において、中央処理装置5は、ハンドル舵角送信部7よりハンドル舵角信号を受け取る(ステップS21)。そして、中央処理装置5は、受け取ったハンドル舵角信号に基づいて車両の進行方向を演算し、当該車両が右折しているか否か(ステップS22)および当該車両が左折しているか否か(ステップS27)を判断する。後述により明らかとなるが、車両の進行方向に応じてビーム幅を拡大して車両周辺の障害物を検出する。中央処理装置5は、車両が右折している場合(ステップS22でYes)、次のステップS23に処理を進める。また、中央処理装置5は、車両が左折している場合(ステップS27でYes)、次のステップS28に処理を進める。一方、中央処理装置5は、車両が直進している(ステップS22およびS27がいずれもNo)場合、次のステップS32に処理を進める。
ステップS23において、中央処理装置5は、車両の右コーナに設置されているレーダモジュール1aが誘電体レンズ部2aにおける広角側の位置(すなわち、図6に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、右コーナに設置されているレーダモジュール1aが広角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS25に進める。一方、中央処理装置5は、右コーナに設置されているレーダモジュール1aが広角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図7に示す狭角側の位置や移動途中など)、当該レーダモジュール1aが広角側の位置に配置されるように制御部4aを介して移動機構3aの動作を制御する(ステップS24)。具体的には、中央処理装置5は、該当する制御部4aに対して移動機構3aを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4aが移動機構3aを動作させてレーダモジュール1aを誘電体レンズ部2aの凹面21に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS25に進める。
ステップS25において、中央処理装置5は、車両の左コーナに設置されているレーダモジュール1aが誘電体レンズ部2aにおける狭角側の位置(すなわち、図7に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、左コーナに設置されているレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS32に進める。一方、中央処理装置5は、左コーナに設置されているレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図7に示す広角側の位置や移動途中など)、当該レーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されるように制御部4aを介して移動機構3aの動作を制御する(ステップS26)。具体的には、中央処理装置5は、該当する制御部4aに対して移動機構3aを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4aが移動機構3aを動作させてレーダモジュール1aを誘電体レンズ部2aの凸面23に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS32に進める。これらステップS23〜S26の処理により、車両が右折方向に走行している場合に右コーナに設置されたレーダ装置が放射するビーム幅を広げることができる。
一方、ステップS28において、中央処理装置5は、車両の左コーナに設置されているレーダモジュール1aが誘電体レンズ部2aにおける広角側の位置に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、左コーナに設置されているレーダモジュール1aが広角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS30に進める。一方、中央処理装置5は、左コーナに設置されているレーダモジュール1aが広角側の位置に配置されていない場合、当該レーダモジュール1aが広角側の位置に配置されるように制御部4aを介して移動機構3aの動作を制御する(ステップS29)。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS30に進める。
ステップS30において、中央処理装置5は、車両の右コーナに設置されているレーダモジュール1aが誘電体レンズ部2aにおける狭角側の位置に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、右コーナに設置されているレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS32に進める。一方、中央処理装置5は、右コーナに設置されているレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されていない場合、当該レーダモジュール1aが狭角側の位置に配置されるように制御部4aを介して移動機構3aの動作を制御する(ステップS31)。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS32に進める。これらステップS28〜S31の処理により、車両が左折方向に走行している場合に左コーナに設置されたレーダ装置が放射するビーム幅を広げることができる。
ステップS32において、中央処理装置5は、車両周辺の障害物検知を終了するか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、検知を継続する場合、上記ステップS21戻って処理を継続する。一方、中央処理装置5は、検知を終了する場合、当該フローチャートによる処理を終了する。これらの処理により、ハンドル舵角に応じてビーム幅を切替えることができる。
なお、図8および図9を用いて、車速およびハンドル舵角に応じたビーム幅の切替えについて説明したが、これらの条件を両立して制御する場合、車両の左右のコーナに設置されるレーダモジュール1aの位置については、中央処理装置5が車速に応じた判断よりもハンドル舵角に応じた判断を優先させレーダモジュール1aの位置を決定するものとする。
次に、図10および図11を参照して、レーダ装置が搭載された車両Cの走行状態に応じた各ビーム幅について説明する。なお、図10(a)は、レーダ装置が搭載された車両Cが車線変更を行う際の各ビーム幅を示す図である。図10(b)は、レーダ装置が搭載された車両Cが左カーブ道路を走行する際の各ビーム幅を示す図である。図11(a)は、レーダ装置が搭載された車両Cが交差点を左折する際の各ビーム幅を示す図である。図11(b)は、レーダ装置が搭載された車両Cが交差点を右折する際の各ビーム幅を示す図である。
図10(a)において、車両Cが閾値Mより高速で右側車線に車線変更する際、車両Cの右前コーナおよび右後コーナに設置されるレーダモジュール1aが広角側の位置に配置され、他のレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置される。これによって、車両Cが新たに走行する車線となる右側前後方向は、拡大されたビーム幅RBwのレーダビームが放射され、車両C周辺の広い範囲を検知する。一方、車両Cの他の方向は、絞られたビーム幅RBnのレーダビームが放射され、車両Cに対して相対的に遠くの車両や障害物を検知する。
図10(b)において、車両Cが閾値Mより高速で左カーブ道路を走行している際、車両Cの左前コーナおよび左後コーナに設置されるレーダモジュール1aが広角側の位置に配置され、他のレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置される。これによって、車両Cの内輪差などで死角となりやすい左側前後方向は、拡大されたビーム幅RBwのレーダビームが放射され、車両C周辺の広い範囲を検知する。一方、車両Cの他の方向は、絞られたビーム幅RBnのレーダビームが放射され、車両Cに対して相対的に遠くの車両や障害物を検知する。
図11(a)において、車両Cが閾値Mより高速で交差点を左折する際、車両Cの左前コーナおよび左後コーナに設置されるレーダモジュール1aが広角側の位置に配置され、他のレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置される。これによって、車両Cの左側前後方向は、拡大されたビーム幅RBwのレーダビームが放射され、車両C周辺の広い範囲を検知する。例えば、車両Cが左折することによる内輪差空間にバイクBiが走行している場合、バイクBiを検知することによってバイクBiが車両Cに巻き込まれる事故を防止することができる。一方、車両Cの他の方向は、絞られたビーム幅RBnのレーダビームが放射され、車両Cに対して相対的に遠くの車両や障害物を検知する。
図11(b)において、車両Cが閾値Mより高速で交差点を右折する際、車両Cの右前コーナおよび右後コーナに設置されるレーダモジュール1aが広角側の位置に配置され、他のレーダモジュール1aが狭角側の位置に配置される。これによって、車両Cの右側前後方向は、拡大されたビーム幅RBwのレーダビームが放射され、車両C周辺の広い範囲を検知する。例えば、車両Cが右折時に死角となる空間に自転車Byが横断している場合、自転車Byを検知することによって自転車Buが車両Cと接触する事故を防止することができる。一方、車両Cの他の方向は、絞られたビーム幅RBnのレーダビームが放射され、車両Cに対して相対的に遠くの車両や障害物を検知する。なお、図10および図11において、いずれも車両Cが閾値M以下の車速で走行している場合、全てのレーダモジュール1aが広角側の位置に配置され、車両Cから拡大されたビーム幅RBwのレーダビームが放射されて車両C周辺の広い範囲を検知することは言うまでもない。
このように、第1の実施形態に係るレーダ装置では、搭載される車両の走行状態(車速、ハンドル舵角)に応じてレーダモジュールを移動させて、放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。例えば、車両が低速走行時では周辺を広く監視する目的でビーム幅を広げることができる。また、車両が高速走行時では前後方の遠い位置を監視する目的で、利得向上のためにビーム幅を絞ることができる。さらに、車両が右左折する場合、車両後方からのバイクや横断歩道の歩行者・自転車など車両周辺において検知したい範囲が広くなるが、車両進行方向に対してビーム幅を広げることができる。また、ビーム幅を変化させる誘電体レンズ部が車両に備えられたバンパーを加工して形成され、レーダモジュールの移動方向がバンパーに対して平行であるため、レーダモジュールを移動させる距離自体を充分に確保できる。したがって、レーダ装置の低コスト化やレーダモジュール、誘電体レンズ部、および移動機構を設置する奥行き面での省スペース化を実現できる。
なお、上述した説明では、誘電体レンズ部2aは凹面21および凸面23の組み合わせで示されているが、この組み合わせに限定されない。例えば、曲率が段階的に異なる凹面や凸面を3つ以上並設して、レーダモジュールを選択的に移動させてもかまわない。これらの形状は、凹面、凸面、および平面を組み合わせてビーム幅を切替えられる構成であれば、どのような形状であってもかまわない。
また、図6および図7では誘電体レンズ部2aの凹面21および凸面23を車両に対して水平に形成し、レーダモジュール1aを水平方向に動かした例を示しているが、他の方向でもかまわない。例えば、誘電体レンズ部2aの凹面および凸面を垂直に形成し、レーダモジュール1aを車両に対して垂直方向に動かしてもかまわない。レーダモジュール1aをレーダビームの出射方向に対して垂直に移動させる構成にすれば、上述した省スペース化を実現することができる。
(第2の実施形態)
図面を参照して、本発明の第2の実施形態に係るレーダ装置について説明する。なお、図12は、当該レーダ装置の機能構成を示すブロック図である。典型的には、当該レーダ装置も、車両に搭載されて用いられる。第1の実施形態ではビーム幅を変えるためにレーダモジュールを移動させたが、第2の実施形態では誘電体レンズ部を移動させる。
図12において、当該レーダ装置は、レーダモジュール1b、誘電体レンズ部2b、移動機構3b、制御部4b、中央処理装置5、車速パルス送信部6、およびハンドル舵角送信部7を有している。なお、中央処理装置5、車速パルス送信部6、およびハンドル舵角送信部7については、第1の実施形態の構成と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
レーダモジュール1bは、レーダ装置が相殺される車両に固設され、放射するレーダビームによって車両周辺の障害物を検知する。誘電体レンズ部2bは、異なった特性を有する複数のレンズ部を含んでおり、レーダモジュール1bから放射されるレーダビームをそれぞれの境界面に応じて屈折させる。移動機構3bは、レーダモジュール1bがレーダビームを放射する出射方向に対して垂直に誘電体レンズ部2bを移動させ、誘電体レンズ部2bが有する複数のレンズ部のいずれか1つとレーダモジュール1bから放射されるレーダビームとを選択的に一致させる。制御部4bは、中央処理装置5から送信される制御信号に応じて、移動機構3bが誘電体レンズ部2bを移動させる動作を制御する。
このように、当該レーダ装置は、搭載される車両の車速やハンドル舵角に応じて制御部4bが移動機構3bを動作させることによって、レーダビームの放射幅を切替えることができる。なお、第1の実施形態と同様に、複数のレーダモジュール1b、誘電体レンズ部2b、移動機構3b、および制御部4bの組をそれぞれ搭載される車両の所定箇所に設置し、中央処理装置5がそれぞれの組を制御してもかまわない。説明を具体的にするために、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に搭載される車両前方および車両後方のバンパー内にそれぞれ4組ずつ並べて設置し、それぞれの誘電体レンズ部2bをレーダモジュール1bに対して移動させる一例を用いる。そして、車両前方のバンパー内に設けられる4組のうち、両端の2組はコーナに設置される。また、車両後方のバンパー内に設けられる4組のうち、両端の2組はコーナに設置される。中央処理装置5が行う詳細な動作制御の内容は、後述する。
レーダモジュール1bは、例えばレーザーレーダ、ミリ波レーダ、準ミリ波レーダ等の車載用レーダとする。具体的には、レーダモジュール1bは、水平方向に±30°および垂直方向に±10°程度の検知範囲を持つセンサであり、そのサイズが70mm(横)×50mm(縦)×10mm(厚み)程度である。
誘電体レンズ部2bは、レーダモジュール1bから放射されるレーダビーム幅が変更できる複数(例えば2つ)のレンズ部を有している。具体的には、誘電体レンズ部2bは、搭載される車両の前後に固設されているバンパーと同じ素材(誘電体材料)を加工して形成され、移動機構3bからの駆動力を受けて当該バンパーに沿って移動する。例えば、誘電体レンズ部2bが有する2つのレンズ部の一方は、ビーム幅を広げるために入射側が凹面であり出射側が平面となった加工形状とする。また、誘電体レンズ部2bが有する2つのレンズ部の他方は、ビーム幅を絞るために入射側が凸面であり出射側が平面となった加工形状とする。なお、これらを区別するために、誘電体レンズ部2bが有するビーム幅を広げるためのレンズ部を広角側レンズ部とし、ビーム幅を絞るためのレンズ部を狭角側レンズ部と記載することがある。
図13は、入射側を凹面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2bの広角側レンズ部の一例を示す概略断面図である。なお、図13は、誘電体レンズ部2bのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが広がる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図13において、広角側レンズ部は、入射側の凹面25aおよび出射側の平面26によって形成される。例えば、広角側レンズ部は、誘電体材料の一部を凹レンズ面(凹面25a)になるように加工することによって形成される。誘電体レンズ部2bは、平面26と搭載されるバンパーの内側平面とを当接して設置される。したがって、平面26とバンパーとの間には、空気層が形成される。なお、誘電体レンズ部2bが内側に設置されるバンパーの外側平面を平面27とする。
レーダモジュール1bから放射されたビームが凹面25aに入射した場合、空気と誘電体レンズ部2b(誘電体材料)との誘電率の違いから、凹面25a、平面26、および平面27において当該ビームが屈折する。なお、理想的には、レーダモジュール1bから出射されるビームが凹面25aでなるべく屈折しないように、入射角が0°に近い値で入射するような形状で凹面25aが形成される。
ここで、誘電体レンズ部2bとバンパーとの間に空気層が介在するので、レーダモジュール1bから放射されたビームが当該空気層を通過することによって、図13に示すように平面26への入射角と平面27の出射角とが同じ角度θ1となって等しくなる。ただし、凹面25aによって平面の場合と比較すればビーム幅が広くなる。
なお、上述した説明では、広角側レンズ部が凹レンズ面(凹面25a)になるように加工することによって形成されたが、他の形状でもかまわない。例えば、フレネルレンズの凹面になるように加工することによって形成してもかまわない。図14は、広角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図である。なお、図13と同様に図14も誘電体レンズ部2bのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが広がる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図14において、広角側レンズ部は、入射側の凹面25bおよび出射側の平面26によって形成される。例えば、レンズ部は、フレネルレンズの凹面(凹面25b)になるように加工することによって形成される。なお、レーダモジュール1bから放射されたビームが凹面25bに入射した後の説明は、上述した凹面25aと同様であるため、詳細な説明を省略する。レンズ部としてフレネルレンズを用いる場合、できるだけ多くのビーム方向について入射角が0°になるような形状にするのが望ましい。
図15は、入射側を凸面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2bの狭角側レンズ部の一例を示す概略断面図である。なお、図15は、誘電体レンズ部2bのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが絞られる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図15において、狭角側レンズ部は、入射側の凸面28aおよび出射側の平面26によって形成される。例えば、狭角側レンズ部は、誘電体材料の一部を凸レンズ面(凸面28a)になるように加工することによって形成される。また、誘電体レンズ部2bは、上述したように平面26と搭載されるバンパーの内側平面とを当接して設置される。したがって、平面26とバンパーとの間には、空気層が形成される。なお、誘電体レンズ部2bが内側に設置されるバンパーの外側平面を平面27とする。
レーダモジュール1bから放射されたビームが凸面28aに入射した場合、空気と誘電体レンズ部2b(誘電体材料)との誘電率の違いから、凸面28a、平面26、および平面27において当該ビームが屈折する。なお、理想的には、レーダモジュール1bから出射されるビームが平面26および27でなるべく屈折しないように、平面26および27への入射角が0°に近い値で入射するような形状で凸面28aが形成される。つまり、凸面28aは、第1の実施形態で説明した凸面23aと同様の形状となるため、これ以上の詳細な説明を省略する。
ここで、狭角側レンズ部においても、レーダモジュール1bから放射されたビームがバンパーと誘電体レンズ部2bとの間に介在する空気層を通過することになるが、平面26に対して入射角0°で通過するため、ビームの放射角度が変化しない。したがって、第2の実施形態の狭角側レンズ部は、第1の実施形態の狭角レンズ部と同様にビーム幅を絞って放射する。
なお、上述した説明では、狭角側レンズ部が凸レンズ面(凸面28a)になるように加工することによって形成されたが、他の形状でもかまわない。例えば、フレネルレンズの凸面になるように加工することによって形成してもかまわない。図16は、狭角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図である。なお、図15と同様に図16も誘電体レンズ部2bのレンズ部中心を横断する面を断面としているが、ビームが絞られる様子を明確にするために断面を白抜き領域で示している。
図16において、狭角側レンズ部は、入射側の凸面28bおよび出射側の平面26によって形成される。例えば、レンズ部は、フレネルレンズの凸面(凸面28b)になるように加工することによって形成される。なお、レーダモジュール1bから放射されたビームが凸面28bに入射した後の説明は、上述した凸面28aと同様であり、第1の実施形態の凸面23bと同様であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図17〜図20を参照して、誘電体レンズ部2bを移動させることによってビーム幅を切替えるレーダ装置の動作について説明する。なお、図17は、ビーム幅を拡大するときの移動機構3bの動作を示す車両上方から見た概略図である。図18は、ビーム幅が絞られるときの移動機構3bの動作を示す車両上方から見た概略図である。図19は、搭載される車両の車速に応じて制御する中央処理装置5の動作を示すフローチャートである。図20は、搭載される車両のハンドル舵角に応じて制御する中央処理装置5の動作を示すフローチャートである。
まず、レーダモジュール1b、誘電体レンズ部2b、および移動機構3bの位置関係および動作について説明する。図17および図18において、誘電体レンズ部2bは、車両のバンパーの内側に沿って移動可能に設置されており、凹面25および凸面28が車両水平方向(つまり、誘電体レンズ部2bの移動方向)に並設されている。移動機構3bは、誘電体レンズ部2bをバンパー内側に沿って移動させる。移動機構3bは、レーダモジュール1bからのレーダビームを凹面25または凸面28へ選択的に放射できる位置に誘電体レンズ部2bを移動させることができる。なお、それぞれの位置におけるレーダモジュール1aと凹面21または凸面23との位置関係は、図13〜図16を用いて説明した状態である。
図17に示すように、移動機構3bがレーダビームを凹面25に放射できる位置(広角側)に誘電体レンズ部2bを移動させた場合、レーダモジュール1bから放射されるビームが凹面25に入射してビーム幅が広がり、拡大されたビーム幅RBwで誘電体レンズ部2bからバンパーを介して外部空間へ放射される。一方、図18に示すように、移動機構3bがレーダビームを凸面28に放射できる位置(狭角側)に誘電体レンズ部2bを移動させた場合、レーダモジュール1bから放射されるビームが凸面28に入射してビーム幅が狭くなり、絞られたビーム幅RBnで誘電体レンズ部2aからバンパーを介して外部空間へ放射される。
次に、図17〜図19を用いて、車速に応じたビーム幅の切替え動作について説明する。例えば、車速に応じてビーム幅を切替える動作は、車両に設置される全ての移動機構3bに適用され、中央処理装置5が制御部4bを介して全ての移動機構3bを動作制御する。
図19において、中央処理装置5は、車速パルス送信部6より車速パルス信号を受け取る(ステップS41)。そして、中央処理装置5は、受け取った車速パルス信号に基づいて車速を演算し、当該車速が閾値M以下か否かを判断する(ステップS42)。ここで、閾値Mは第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。中央処理装置5は、車速≦Mの場合に処理を次のステップS43に進め、車速>Mの場合に処理を次のステップS45に進める。
ステップS43において、中央処理装置5は、レーダモジュール1bに対して誘電体レンズ部2bが広角側の位置(すなわち、図17に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS47に進める。一方、中央処理装置5は、誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図18に示す狭角側の位置や移動途中など)、誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されるように制御部4bを介して移動機構3bの動作を制御する(ステップS44)。具体的には、中央処理装置5は、制御部4bに移動機構3bを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4bが移動機構3bを動作させて誘電体レンズ部2bの凹面25をレーダモジュール1bの位置に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS47に進める。これにより、車両が車速M以下の場合にレーダ装置が放射するビーム幅を広げることができる。
ステップS45において、中央処理装置5は、レーダモジュール1aに対して誘電体レンズ部2bが狭角側の位置(すなわち、図18に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS47に進める。一方、中央処理装置5は、誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図17に示す広角側の位置や移動途中など)、誘電体レンズ部2aが狭角側の位置に配置されるように制御部4bを介して移動機構3bの動作を制御する(ステップS46)。具体的には、中央処理装置5は、制御部4bに対して移動機構3bを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4bが移動機構3bを動作させて誘電体レンズ部2bの凸面28をレーダモジュール1aの位置に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS47に進める。これにより、車両が車速Mより高速で走行している場合にレーダ装置が放射するビーム幅を絞ることができる。
ステップS47において、中央処理装置5は、車両周辺の障害物検知を終了するか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、検知を継続する場合、上記ステップS41戻って処理を継続する。一方、中央処理装置5は、検知を終了する場合、当該フローチャートによる処理を終了する。これらの処理により、車速に応じてビーム幅を切替えることができる。
次に、図17、図18、および図20を用いて、ハンドル舵角に応じたビーム幅の切替え動作について説明する。例えば、ハンドル舵角に応じてビーム幅を切替える動作は、車両の各コーナ位置に設置される移動機構3bに適用され、中央処理装置5が制御部4bを介して該当する移動機構3bを動作制御する。
図20において、中央処理装置5は、ハンドル舵角送信部7よりハンドル舵角信号を受け取る(ステップS51)。そして、中央処理装置5は、受け取ったハンドル舵角信号に基づいて車両の進行方向を演算し、当該車両が右折しているか否か(ステップS52)および当該車両が左折しているか否か(ステップS57)を判断する。後述により明らかとなるが、車両の進行方向に応じてビーム幅を拡大して車両周辺の障害物を検出する。中央処理装置5は、車両が右折している場合(ステップS52でYes)、次のステップS53に処理を進める。また、中央処理装置5は、車両が左折している場合(ステップS57でYes)、次のステップS58に処理を進める。一方、中央処理装置5は、車両が直進している(ステップS52およびS57がいずれもNo)場合、次のステップS62に処理を進める。
ステップS53において、中央処理装置5は、車両の右コーナに設置されている誘電体レンズ部2aがレーダモジュール1bに対して広角側の位置(すなわち、図17に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、右コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS55に進める。一方、中央処理装置5は、右コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図18に示す狭角側の位置や移動途中など)、当該誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されるように制御部4bを介して移動機構3bの動作を制御する(ステップS54)。具体的には、中央処理装置5は、該当する制御部4bに対して移動機構3bを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4bが移動機構3bを動作させて誘電体レンズ部2bの凹面25をレーダモジュール1bの位置に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS55に進める。
ステップS55において、中央処理装置5は、車両の左コーナに設置されている誘電体レンズ部2bがレーダモジュール1aに対して狭角側の位置(すなわち、図18に示す位置)に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、左コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS62に進める。一方、中央処理装置5は、左コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されていない場合(すなわち、図17に示す広角側の位置や移動途中など)、当該誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されるように制御部4bを介して移動機構3bの動作を制御する(ステップS56)。具体的には、中央処理装置5は、該当する制御部4bに対して移動機構3bを移動させるための制御信号を送信し、その制御信号を受信した制御部4bが移動機構3bを動作させて誘電体レンズ部2abの凸面28をレーダモジュール1bの位置に移動させる。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS62に進める。これらステップS53〜S56の処理により、車両が右折方向に走行している場合に右コーナに設置されたレーダ装置が放射するビーム幅を広げることができる。
一方、ステップS58において、中央処理装置5は、車両の左コーナに設置されている誘電体レンズ部2bがレーダモジュール1bに対して広角側の位置に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、左コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS60に進める。一方、中央処理装置5は、左コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されていない場合、当該誘電体レンズ部2bが広角側の位置に配置されるように制御部4bを介して移動機構3bの動作を制御する(ステップS59)。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS60に進める。
ステップS60において、中央処理装置5は、車両の右コーナに設置されている誘電体レンズ部2bがレーダモジュール1bに対して狭角側の位置に配置されているか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、右コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されている場合、そのまま処理を次のステップS62に進める。一方、中央処理装置5は、右コーナに設置されている誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されていない場合、当該誘電体レンズ部2bが狭角側の位置に配置されるように制御部4bを介して移動機構3bの動作を制御する(ステップS61)。そして、中央処理装置5は、処理を次のステップS62に進める。これらステップS58〜S61の処理により、車両が左折方向に走行している場合に左コーナに設置されたレーダ装置が放射するビーム幅を広げることができる。
ステップS62において、中央処理装置5は、車両周辺の障害物検知を終了するか否かを判断する。そして、中央処理装置5は、検知を継続する場合、上記ステップS51戻って処理を継続する。一方、中央処理装置5は、検知を終了する場合、当該フローチャートによる処理を終了する。これらの処理により、ハンドル舵角に応じてビーム幅を切替えることができる。
なお、図19および図20を用いて、車速およびハンドル舵角に応じたビーム幅の切替えについて説明したが、これらの条件を両立して制御する場合、車両の左右のコーナに設置される誘電体レンズ部2bの位置については、中央処理装置5が車速に応じた判断よりもハンドル舵角に応じた判断を優先させ誘電体レンズ部2bの位置を決定するものとする。
このように、第2の実施形態に係るレーダ装置では、搭載される車両の走行状態(車速、ハンドル舵角)に応じて誘電体レンズ部を移動させて、放射するレーダビームのビーム幅を変化させることができる。また、誘電体レンズ部の移動方向がバンパーに対して平行であるため、誘電体レンズ部を移動させる距離自体を充分に確保できる。したがって、レーダ装置の低コスト化や誘電体レンズ部、レーダモジュール、および移動機構を設置する奥行き面での省スペース化を実現できる。
なお、上述した説明では、誘電体レンズ部2bは凹面25および凸面28の組み合わせで示されているが、この組み合わせに限定されない。例えば、曲率が段階的に異なる凹面や凸面を3つ以上並設して、誘電体レンズ部2bを選択的に移動させてもかまわない。これらの形状は、凹面、凸面、および平面を組み合わせてビーム幅を切替えられる構成であれば、どのような形状であってもかまわない。
また、図17および図18では誘電体レンズ部2bの凹面25および凸面28を車両に対して水平に配設して、誘電体レンズ部2bを水平方向に動かした例を示しているが、他の方向でもかまわない。例えば、誘電体レンズ部2bの凹面および凸面を垂直に形成し、誘電体レンズ部2bを車両に対して垂直方向に動かしてもかまわない。誘電体レンズ部2bをレーダモジュール1bのレーダビームの出射方向に対して垂直に移動させる構成にすれば、上述した省スペース化を実現することができる。
本発明に係るレーダ装置は、省スペース化や車両の状態に応じた検出が可能であり、搭載される車両の周囲の障害物等を検知する装置等として有用である。
本発明の第1の実施形態に係るレーダ装置の機能構成を示すブロック図 入射側を凹面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2aの広角側レンズ部の一例を示す概略断面図 広角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図 入射側を凸面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2aの狭角側レンズ部の一例を示す概略断面図 狭角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図 ビーム幅を拡大するときの移動機構3aの動作を示す車両上方から見た概略図 ビーム幅が絞られるときの移動機構3aの動作を示す車両上方から見た概略図 搭載される車両の車速に応じて制御する図1の中央処理装置5の動作を示すフローチャート 搭載される車両のハンドル舵角に応じて制御する図1の中央処理装置5の動作を示すフローチャート レーダ装置が搭載された車両Cが車線変更を行う際および左カーブ道路を走行する際の各ビーム幅を示す図 レーダ装置が搭載された車両Cが交差点を左折する際および右折する際の各ビーム幅を示す図 本発明の第2の実施形態に係るレーダ装置の機能構成を示すブロック図 入射側を凹面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2bの広角側レンズ部の一例を示す概略断面図 広角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図 入射側を凸面とした加工形状を有する誘電体レンズ部2bの狭角側レンズ部の一例を示す概略断面図 狭角側レンズ部をフレネルレンズで構成した一例を示す概略断面図 ビーム幅を拡大するときの移動機構3bの動作を示す車両上方から見た概略図 ビーム幅が絞られるときの移動機構3bの動作を示す車両上方から見た概略図 搭載される車両の車速に応じて制御する図12の中央処理装置5の動作を示すフローチャート 搭載される車両のハンドル舵角に応じて制御する図12の中央処理装置5の動作を示すフローチャート
符号の説明
1…レーダモジュール
2…誘電体レンズ部
21、25…凹面
22、24、26、27…平面
23、28…凸面
3…移動機構
4…制御部
5…中央処理装置
6…車速パルス送信部
7…ハンドル舵角送信部

Claims (10)

  1. 車両周辺の物体を検知するレーダ装置であって、
    所定の出射方向に対してレーダビームを放射するレーダモジュールと、
    入射した前記レーダビームをそれぞれ異なった角度に屈折させて異なったビーム幅で出射する複数のレンズが形成された誘電体レンズ部と、
    前記レーダモジュールおよび前記誘電体レンズ部の少なくとも一方を前記レーダビームの出射方向に対して垂直に移動させる移動機構と、
    前記車両の走行状態に応じて前記誘電体レンズ部に形成された複数のレンズからいずれか1つのレンズを選択し、前記レーダモジュールと前記誘電体レンズ部との相対的な位置関係が当該選択されたレンズに前記レーダビームが入射する位置となるように前記移動機構を動作制御する移動制御部とを備える、レーダ装置。
  2. 前記誘電体レンズ部の複数のレンズは、それぞれ前記車両のバンパーを加工することによって所定の方向に並んで形成され、
    前記レーダモジュールは、前記バンパーの内側空間に前記レーダビームの出射方向を当該バンパーと対向する方向として配置され、
    前記移動機構は、前記バンパーの外側面に対して平行に、かつ前記複数のレンズが並んで形成される方向に前記レーダモジュールを移動させることを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記誘電体レンズ部は、前記車両のバンパーの内側空間において当該バンパーの内側面に沿って移動可能に構成され、前記複数のレンズが当該移動可能な方向に並んで形成されており、
    前記レーダモジュールは、前記バンパーの内側空間に前記レーダビームの出射方向を当該バンパーと対向する方向として配置され、
    前記移動機構は、前記誘電体レンズ部が移動可能な方向に当該誘電体レンズ部を移動させることを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  4. 前記誘電体レンズ部の複数のレンズのうち、少なくとも1つのレンズは、前記レーダビームのビーム幅を広げるための凹面を有し、
    前記誘電体レンズ部の複数のレンズのうち、前記凹面を有するレンズとは異なる少なくとも1つのレンズは、前記レーダビームのビーム幅を絞るための凸面を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  5. 前記レーダ装置は、前記車両の車速を検出して、当該車速を示す信号を前記移動制御部に出力する車速検出部を、さらに備え、
    前記移動制御部は、前記車速検出部から出力された信号が示す前記車両の車速に基づいて前記移動機構の動作を制御することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  6. 前記移動制御部は、複数のレンズ毎にそれぞれ対応する車速範囲を割り当て、前記レーダビームを入射させるレンズとして前記信号が示す車速が含まれる車速範囲に割り当てられたレンズを選択することを特徴とする、請求項5に記載のレーダ装置。
  7. 前記レーダ装置は、前記車両のハンドル舵角を検出して、当該舵角を示す信号を前記移動制御部に出力する舵角検出部を、さらに備え、
    前記移動制御部は、前記舵角検出部から出力された信号が示す前記車両の走行方向に基づいて前記移動機構の動作を制御することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  8. 前記移動制御部は、複数のレンズ毎にそれぞれ対応する走行方向範囲を割り当て、前記レーダビームを入射させるレンズとして前記信号が示す走行方向が含まれる走行方向範囲に割り当てられたレンズを選択することを特徴とする、請求項7に記載のレーダ装置。
  9. 周辺の物体を検知するレーダ装置が設置された車両であって、
    前記レーダ装置は、
    前記車両に設けられたバンパーの内側空間に設けられ、当該バンパーと対向する方向を出射方向としてレーダビームを放射するレーダモジュールと、
    前記バンパーを加工してまたは前記バンパーの内側面に沿った近傍に別体で設けられ、入射した前記レーダビームをそれぞれ異なった角度に屈折させて異なったビーム幅で出射する複数のレンズが形成された誘電体レンズ部と、
    前記レーダモジュールおよび前記誘電体レンズ部の少なくとも一方を前記レーダビームの出射方向に対して垂直に移動させる移動機構と、
    前記車両の走行状態に応じて前記誘電体レンズ部に形成された複数のレンズからいずれか1つのレンズを選択し、前記レーダモジュールと前記誘電体レンズ部との相対的な位置関係が当該選択されたレンズに前記レーダビームが入射する位置となるように前記移動機構を動作制御する移動制御部とを備える、車両。
  10. 周辺の物体を検知するレーダ装置が設置される車両のバンパーであって、
    誘電体材料で構成され、所定のレーダモジュールから出射されるレーダビームを内側面から入射して、当該レーダビームを屈折させてビーム幅を広げて外側面から出射する広角レンズ部と、
    誘電体材料で構成され、前記レーダビームを内側面から入射して、当該レーダビームを屈折させてビーム幅を絞って外側面から出射する狭角レンズ部とが形成され、
    前記広角レンズ部は、前記内側面に前記ビーム幅を広げるための凹面を有し、
    前記狭角レンズ部は、前記内側面に前記ビーム幅を広げるための凸面を有することを特徴とする、バンパー。
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