JP2016035533A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルミング物質の除去性能と耐久性とを両立させた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】中間転写ベルト2と,画像形成部3と,二次転写ローラー5と,ベルトクリーナー6とを有する画像形成装置1に,二次転写ローラー5より下流でベルトクリーナーの6より上流の位置に,発泡部材で構成された回転部材である発泡ローラー7を設け,中間転写ベルト2のトナー像担持面に圧接させて配置した。さらに,発泡ローラー7の回転状態を,トルクの異なる少なくとも2通りのモード間で切り換える回転駆動部8を有しており,中間転写ベルト2と発泡ローラー7との間の摩擦が強い状況では,発泡ローラー7への駆動トルクが弱い弱トルクモードとし,中間転写ベルト2と発泡ローラー7との間の摩擦が弱い状況では,発泡ローラー7への駆動トルクが強い強トルクモードとすることとした。
【選択図】図1

Description

本発明は,中間転写ベルトを有する構成の画像形成装置に関する。さらに詳細には,中間転写ベルト上の残留トナー等の異物を除去するベルトクリーナーを有するとともに,ベルトクリーナーより上流側に,中間転写ベルト上のフィルミング生成物を除去するフィルミング除去部材が設けられている画像形成装置に関するものである。
トナーを用いる画像形成装置の中には,感光体上に形成されたトナー像は,一旦中間転写ベルトに転写され(一次転写),そこから印刷用紙等の外部出力媒体にさらに転写される(二次転写)ようになっている。かかる中間転写ベルトを有する画像形成装置では,中間転写ベルト上の残留トナーを除去するクリーニング部が設けられるのが一般的である。中間転写ベルト上には,二次転写後にもある程度のトナーが残留しており,次回の新たなトナー像の一次転写を受けるまでにこの残留トナーを除去する必要があるからである。
ここで中間転写ベルトの表面上には,画像形成動作を耐久的に行うことにより,フィルム状の物質が生成してくる傾向がある。この現象をフィルミングといい,生成するフィルム状の物質をフィルミング物質という。フィルミング物質の起源はトナーの一部成分(外添剤等)や紙粉であり,これらが中間転写ベルト上に固着して薄層をなすことがフィルミングである。このフィルミング物質が生成してくると,その部位では転写電流に対する抵抗特性が変わってしまう。
一方でフィルミングは,中間転写ベルトの表面全体に対して一様に起きるとは限らない。トナー像をあまり担持しなかった箇所では,クリーニング部材などに介在するトナーも少ない。このため,中間転写ベルトからフィルミング物質を掻き取る作用が弱く,その箇所でフィルミングが発生する。一方,トナー像を多く担持した箇所では,フィルミングが発生しにくい。このため,フィルミングの発生は画像の濃度むらの原因となる。また,フィルミング自体の程度は濃度むらの原因となるほどではなかったとしても,何らかの別の原因により画像に濃度むらが発生することがある。この場合,ユーザーやサービスパーソンにより真っ先に中間転写ベルトのフィルミングが原因と疑われがちである。このために中間転写ベルトの交換が必要以上になされてしまうことがある。
したがって画像形成装置では,フィルミング物質を除去することが必要であるが,前記したクリーニング部ではフィルミング物質の除去はできない。このため,クリーニング部とは別に,フィルミング物質の除去を目的とする要素を設けることになる。このような目的での使用が可能と考えられるものの一例として,特許文献1の「スポンジローラ20」が挙げられる。特許文献1の技術では,二次転写より下流でクリーニング部より上流の位置にスポンジローラを設け,中間転写ベルトにこれを押し付けるように配置している。特許文献1におけるスポンジローラの目的は,クリーニングブレードへの紙粉の紙込みの防止であるが,フィルミング物質の除去も事実上ある程度なされると考えられる。
特開平10−171270号公報
しかしながら前記した従来の技術には,次のような問題点があった。すなわち,フィルミング物質の除去性能と,耐久性との両立が困難なのである。スポンジローラにフィルミング物質の除去性能を発揮させるためには,スポンジローラを中間転写ベルトに対してある程度の圧接力で押し付けておく必要があると考えられる。このことは当然に,スポンジローラと中間転写ベルトとの間にストレスが掛かることを意味する。しかし特許文献1の技術では,中間転写ベルトの正回転中は常時スポンジローラが停止状態にある。つまりストレスが緩和されることがない。このため,スポンジローラあるいは中間転写ベルトが早期に劣化してしまうのである。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,フィルミング物質の除去性能と耐久性とを両立させた画像形成装置を提供することにある。
本発明の一態様における画像形成装置は,トナー像を担持して周方向に循環移動する環状の帯状部材である中間転写ベルトと,トナー像を作成してそのトナー像を中間転写ベルトに転写により付与する画像形成部と,中間転写ベルトから外部出力媒体にトナー像を転写する二次転写部とを有し,さらに,中間転写ベルトにおける,二次転写部の位置より下流で画像形成部の位置より上流の位置に設けられ,中間転写ベルトのトナー像担持面をクリーニングするベルトクリーナーと,中間転写ベルトにおける,二次転写部の位置より下流でベルトクリーナーの位置より上流の位置に設けられ,中間転写ベルトのトナー像担持面に圧接された,発泡部材で構成された回転部材である発泡ローラーと,発泡ローラーの回転状態を,トルクの異なる少なくとも2通りのモード間で切り換えるローラー回転駆動部とを有し,ローラー回転駆動部は,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦が強い状況では,発泡ローラーへの駆動トルクが弱い弱トルクモードとし,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦が弱い状況では,発泡ローラーへの駆動トルクが強い強トルクモードとするものである。
この態様の画像形成装置では,耐久使用により,中間転写ベルト上にフィルミング物質が発生してくる場合がある。そこでこれを発泡ローラーにより除去するようにしている。すなわち,通常時には,ローラー回転駆動部により発泡ローラーの回転状態を強トルクモードとする。このモードでは中間転写ベルトの循環移動の速度と発泡ローラーの周速度との速度差がある程度あるので,発泡ローラーにより中間転写ベルト上にフィルミング物質が除去される。しかしながら画像形成装置の使用状態により,中間転写ベルト上のトナーが枯渇して,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦が強い状態となることがある。このような場合に発泡ローラーの回転状態を強トルクモードのまま維持すると,ローラー回転駆動部から発泡ローラーへのトルクも強くしなければならない。このため,発泡ローラーに強いストレスが掛かって急速に劣化してしまうことがある。
そこで本態様では,このような事態を未然に防ぐため,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦が強くなったとき,すなわち発泡ローラーへの必要なトルクが上昇したときには,発泡ローラーの回転状態を弱トルクモードに変更するのである。このモードでは発泡ローラーに掛かるストレスが緩和されるので,発泡ローラーの劣化が防止される。一方,弱トルクモードでは,発泡ローラーによるフィルミング除去能力は低い。このため,フィルミング除去能力が低くても差し支えない。中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦が再び弱くなれば,第1モードに戻され,フィルミングの除去が行われる。こうして,耐久性能とフィルミングの発生防止との両立が図られている。なお,特に強トルクモードにおけるローラー回転駆動部から発泡ローラーへ伝達されるトルクは,制動トルクであってもよい。
本態様の画像形成装置は,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦があらかじめ定めた程度より強い状況であるか弱い状況であるかを判定する摩擦判定部を有し,ローラー回転駆動部は,摩擦判定部の判定により,弱トルクモードと強トルクモードとの切り替えを行うものとするとよりよい。これにより,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦の状況に基づき適切にモード切替を行うことができる。
本態様の画像形成装置はさらに,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦が今後上昇することを示す,あらかじめ定められた摩擦上昇事象の発生を検知する摩擦上昇事象検知部を有し,摩擦判定部は,通常時には摩擦が弱い状況であると判定しつつ,摩擦上昇事象検知部が摩擦上昇事象を検知したときに,摩擦が強い状況であるとの判定に切り換えるものであることが望ましい。これにより,発泡ローラーのトルクの状態の変動に応じて適切に,両モードを使い分けることができる。
例えば,摩擦上昇事象検知部を,中間転写ベルトまたは発泡ローラーの交換がなされると,摩擦上昇事象を検知したと判定するものとすることができる。新品の中間転写ベルトまたは発泡ローラーはトナーをほとんど有しない。トナーは事実上,潤滑剤としての機能があり,これが不足することで中間転写ベルトと発泡ローラーとの間の摩擦が上昇してトルクが増大する傾向があるからである。これを検知することで,発泡ローラーに掛かるストレスを緩和できる。
あるいは,摩擦上昇事象検知部は,画像形成部での画像形成に供する画像データに基づく,中間転写ベルトの幅方向の領域ごとのドットカウント値が,あらかじめ定めた基準値以下である領域があると,摩擦上昇事象を検知したと判定するものであってもよい。ドットカウント値が低い領域では当然に中間転写ベルト上のトナーが不足し,トルク増大の原因となるからである。
上記の場合,摩擦上昇事象検知部は,ドットカウント値に基づき摩擦上昇事象を検知したと判定すると,中間転写ベルトにおける少なくとも前記検知に係る領域について,非画像形成時に画像形成部によるトナーの供給を行わせるものであることが望ましい。これにより,トナー不足が生じている領域に速やかにトナーを供給して摩擦を下げ,フィルミング除去能力のある強トルクモードへの復帰が可能となる。
摩擦上昇事象検知部を有する態様の画像形成装置では,中間転写ベルトに接触しつつ回転する,発泡ローラー以外のローラーおよびその駆動部を有し,摩擦上昇事象検知部は,発泡ローラー以外のローラーの駆動トルクを指標する値の上昇があると,摩擦上昇事象を検知したと判定するものであることもまた好ましい。トルクが実際に上昇していることを検知することにより,弱トルクモードを使用すべき時に確実に使用できるからである。
本態様の画像形成装置ではあるいは,中間転写ベルトのトナー像担持面におけるフィルミングの発生を示すフィルミング事象を検知するフィルミング検知部を有し,ローラー回転駆動部は,フィルミング検知部がフィルミング事象を検知していないときには弱トルクモードとし,フィルミング検知部がフィルミング事象を検知したときには強トルクモードとするものとすることもできる。この構成では,フィルミングが実際に発生しているときには強トルクモードとしてフィルミング物質の除去が図られる。そして,フィルミングが発生していないときには弱トルクモードとされ,発泡ローラーの劣化が防止される。
フィルミング検知部を有する場合には,中間転写ベルトに対して照射された光の反射光を検出する光学式センサーを有し,フィルミング検知部は,光学式センサーの検出結果に基づいてフィルミング現象を検知するものであることとするとよりよい。これにより,中間転写ベルトの表面状態を直接監視してフィルミング現象の発生を検知することができる。
本態様の画像形成装置において,ローラー回転駆動部は,発泡ローラーを,弱トルクモードでは中間転写ベルトの循環移動に対してウィズ回転させ,強トルクモードでは停止させるものとすることができる。発泡ローラーを停止させるということは,中間転写ベルトの循環移動速度がそのまま両者間の速度差となり,フィルミング除去機能が発揮されるからである。また,中間転写ベルトの循環移動に抗して発泡ローラーを停止させるには,ある程度の制動トルクが必要であり,強トルクモードと見ることができる。一方,発泡ローラーを中間転写ベルトの循環移動に対してウィズ回転させるには,あまりトルクを必要としないからである。
上記のように強トルクモードで発泡ローラーを停止させる場合には,ローラー回転駆動部で強トルクモードから弱トルクモードへの切り替えが行われたときに,中間転写ベルトに対して,非画像形成時に画像形成部によるトナーの供給を行わせるトナー供給制御部を有することが望ましい。速やかに発泡ローラーにトナーを補充するためである。
本態様の画像形成装置において,ローラー回転駆動部は,発泡ローラーへの駆動トルクが規定値以上となったときに発泡ローラーへの駆動の伝達を遮断するトルクリミッターを有し,強トルクモードでは発泡ローラーを定速回転させるとともに,弱トルクモードでは前記トルクリミッターの作動により,発泡ローラーを中間転写ベルトの循環移動に従動回転させるものとしてもよい。このようにすることで,制御内容をあまり複雑にすることなく,両モードを適切に使い分けることができる。なお,定速回転には停止も含まれる。
本態様の画像形成装置では,中間転写ベルトが,少なくともトナー像担持面側が弾性層であるゴムベルトであることが望ましい。ゴムベルトは表面に弾性層を有し,感光体等のローラー類との接触面積が大きい傾向があるからである。このことにより,フィルミングが生じやすいからである。このため,フィルミングを適切に除去する必要性が大きいのである。
本態様の画像形成装置では,発泡ローラーは,単泡構造の発泡部材で構成されたものであるとよい。単泡タイプの発泡ローラーでは,中間転写ベルトと発泡ローラーとの間にトナー溜まりができやすく,フィルミング除去機能に関してより有利と考えられるからである。なお,連泡タイプのものであっても,フィルミング除去機能は十分である。
本構成によれば,フィルミング物質の除去性能と耐久性とを両立させた画像形成装置が提供されている。
実施の形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 発泡ローラーと中間転写ベルトとの関係を示す断面図である。 画像形成装置で形成されることがある画像パターンの一例を示す図である。 実施の形態での試験例の詳細を示す図表(その1)である。 実施の形態での試験例の詳細を示す図表(その2)である。 実施の形態での試験例の詳細を示す図表(その3)である。 実施の形態での試験例に用いた発泡ローラーおよびその比較例の詳細を示す図表である。 実施例の一部における導電性ブラシローラーの駆動部分の構成図である。 実施例の一部における発泡ローラーの駆動部分の構成図である。 画像形成装置に備えられる光学式センサーの部分の構成図である。 画像形成装置で形成されることがある画像パターンの一例を示す図である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,タンデム式のフルカラー画像形成装置に本発明を適用したものである。本形態の画像形成装置1は,概略,図1に示されるように構成されている。図1の画像形成装置1は,中間転写ベルト2を有している。中間転写ベルト2は,トナー像を担持して周方向に循環移動する環状の帯状部材である。図1における中間転写ベルト2は,図中で時計回り方向に循環移動するものである。本形態における中間転写ベルト2は,ゴムベルトである。
中間転写ベルト2における図1中の下辺部分に沿って,4色の画像形成部3Y,3M,3C,3Kが配置されている。画像形成部3Y,3M,3C,3Kはいずれも,感光体31を有しており,感光体31上にトナー像を形成してそのトナー像を中間転写ベルト2に付与するものである。このため,各感光体31に対して,中間転写ベルト2の裏面側に一次転写ローラー4が設けられている。一次転写ローラー4により,感光体31上のトナー像が中間転写ベルト2に転写されるようになっている。以下,画像形成部3Y,3M,3C,3Kの全体をまとて画像形成部3ということがある。なお,画像形成部3Y,3M,3C,3Kでは,帯電,露光,現像とっいた公知の電子写真プロセスによりトナー像を形成する。
図1における,中間転写ベルト2の循環移動の方向について画像形成部3より下流の位置には,二次転写ローラー5が配置されている。二次転写ローラー5は,中間転写ベルト2上のトナー像を,機外に排出される最終媒体である印刷用紙Sに転写するためのものである。すなわち中間転写ベルト2は,画像形成部3の位置から二次転写ローラー5の位置までは,トナー像を担持しつつ移動するのである。画像形成装置1にはまた,制御部80が設けられている。制御部80は,画像形成装置1の各部の制御を行うものである。制御部80における本形態としての特徴的な機能として,中間転写ベルト上へのトナー供給制御が挙げられる(後述の「部分補給」についての説明を参照されたい)。
中間転写ベルト2における図1中の上辺部分には,ベルトクリーナー6と,発泡ローラー7とが設けられている。これらが設けられている位置は,中間転写ベルト2の循環移動の方向について,二次転写ローラー5より下流で画像形成部3より上流の位置である。
ベルトクリーナー6は,中間転写ベルト2上の転写残トナーを除去するためのものである。ベルトクリーナー6には,上下流に配置された2本の導電性ブラシローラー61が配置されている。2本の導電性ブラシローラー61はいずれも,中間転写ベルト2に接するように配置されている。さらに,中間転写ベルト2を挟んで2本の導電性ブラシローラー61の反対側にそれぞれ,対向ローラー62が設けられている。また,2本の導電性ブラシローラー61のそれぞれにおける,中間転写ベルト2とは反対側の位置に,回収ローラー63が配置されている。導電性ブラシローラー61の回転方向は,中間転写ベルト2の移動方向に対してカウンター方向である。回収ローラー63の回転方向も,導電性ブラシローラー61の回転方向に対してカウンター方向である。
また,対向ローラー62と回収ローラー63との間に電圧を印加する電源64が設けられている。これにより,これら2本の導電性ブラシローラー61には,互いに逆向きのバイアスが印加されるようになっている。こうして,転写残トナーのうち,本来の帯電極性を維持しているものと,極性が逆転しているものとの両方を除去するようになっている。
発泡ローラー7は,中間転写ベルト2の循環移動の方向について,ベルトクリーナー6より上流にある。すなわち発泡ローラー7の位置は,二次転写ローラー5より下流でベルトクリーナー6より上流の位置である。発泡ローラー7は,中間転写ベルト2上に生成してくる前述のフィルミング物質を除去するためのものである。このため発泡ローラー7は,中間転写ベルト2に接するように配置されている。発泡ローラー7の材質は,発泡ポリウレタンその他の発泡性樹脂である。また,発泡ローラー7には,その回転状態を制御する回転駆動部8が設けられている。回転駆動部8は後述するように,発泡ローラー7の回転状態を切り換えるものである。なお,ここでの回転駆動部8は,機械的構成とその制御機能部分とを包含する概念として示している。
発泡ローラー7は図2に示すように,中間転写ベルト2に対してある程度食い込むように配置されている。すなわち,発泡ローラー7は中間転写ベルト2に対して圧接された状態で配置されている。このため発泡ローラー7では,中間転写ベルト2に接しない位置での半径R1よりも,中間転写ベルト2に接する位置での半径R2の方が小さくなっている。半径R1と半径R2との差「R1−R2」の値を以下,「食い込み量」という。発泡ローラー7は,このように中間転写ベルト2に対して圧接された状態とされ,さらに,中間転写ベルト2の移動速度に対して速度差のある回転状態とされることにより,中間転写ベルト2に生成しているフィルミング物質を剥ぎ取るものである。
発泡ローラー7を,この速度差のある回転状態とするため,回転駆動部8により発泡ローラー7の回転制御がなされる。つまり発泡ローラー7は,回転駆動部8によりある程度のトルク(制動トルクである場合を含む)を受けて回転状態が制御されている。
一方で,このように発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間に速度差があるということは,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間にストレスが掛かるということである。発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間の摩擦が大きいような状況ではこのストレスも大きい。ストレスの大きい状態で速度差を維持していると,発泡ローラー7の破損等の事態に繋がることがある。
このため本形態の回転駆動部8では,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間の摩擦が大きいような状況では,発泡ローラー7の駆動モードを切り換えるようにしている。つまり,切換前の第1モード(強トルクモード)での駆動に対し,回転駆動部8から発泡ローラー7へのトルクを小さくした第2モード(弱トルクモード)とするのである。第2モードでは,発泡ローラー7の回転状態に関して,中間転写ベルト2の周回移動による引きずりの支配度が大きい。つまり速度差が小さい。このため,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間に掛かるストレスも小さい。本形態の画像形成装置1では,この第2モードを有することで,発泡ローラー7の耐久性を確保している。
具体的には,例えば中間転写ベルト2が新品に交換されて間もない時には,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間の摩擦が大きい。新品の中間転写ベルト2上には,事実上の潤滑剤となる残留トナーやトナー起因成分(外添剤等)がほとんど存在しないからである。この状態は,上記の速度差を実現させるためには発泡ローラー7にかなりの大トルクを印加する必要がある状態である。
このため中間転写ベルト2の新品時には,発泡ローラー7の回転状態を第2モードとする。第2モードにおける回転駆動部8による発泡ローラー7の駆動状態の例として,自由回転が挙げられる。つまり,回転駆動部8から発泡ローラー7へは全く駆動を掛けないのである。この場合発泡ローラー7は,完全に中間転写ベルト2の移動に従動することになる。したがって,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間に速度差はほとんどなく,ストレスもごく小さい。このため,発泡ローラー7が破損するおそれはない。むろんこの状態では,フィルミング物質の除去効果はあまり期待できない。しかし,新品の中間転写ベルト2ではフィルミングがまだ起こっていないので,問題はない。
その後画像形成装置1での画像形成がある程度なされると,発泡ローラー7の回転状態を第1モードに切り換える。第1モードでは,回転駆動部8により,発泡ローラー7の回転状態に何らかのコントロールを掛けることで,発泡ローラー7の周速度と中間転写ベルト2の移動速度との間に速度差を生じさせる。この第1モードが,発泡ローラー7の本来の回転状態であり,フィルミング物質を除去する効果を奏する状態である。第1モードにおける回転駆動部8による発泡ローラー7の駆動状態の例として,固定が挙げられる。つまり,回転駆動部8により,発泡ローラー7の回転に対してブレーキ(つまり制動トルク)を掛け,回転させないようにするのである。
この場合,中間転写ベルト2の移動速度がそのまま上記の速度差となる。むろんこの状態では,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間にストレスが掛かる。しかしながらこの時点では,中間転写ベルト2上にある程度の残留トナー等が存在している。これが事実上の潤滑剤として機能するので,発泡ローラー7が破損したりするようなことはない。また,発泡ローラー7の周速差を維持するために回転駆動部8から印加するトルクは,それほど大きなものではない。
このようにして,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間に速度差を生じさせるために必要なトルクの大小に応じて,第1モードと第2モードとが切り換えられるのである。これにより,負荷の大きい状態で無理なストレスを発泡ローラー7に掛けることなく,フィルミングが生じるような状況では確実にその除去を行う。これにより,フィルミング物質の除去性能と耐久性との両立が図られる。
第2モードを使用する状況として,上記では中間転写ベルト2の交換時を挙げたが,それ以外にもありうる。例えば,発泡ローラー7の交換時がそうである。発泡ローラー7が新品に交換されて間もない時には,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間の摩擦が大きいからである。新品の発泡ローラー7にはトナー等がほとんど蓄積されていないからである。このため発泡ローラー7の新品時には,発泡ローラー7の回転状態を第2モードとすることが望ましい。その後画像形成装置1での画像形成がある程度なされてから,第1モードへ切り換えることになる。その時点では発泡ローラー7にトナー等がある程度蓄積されており,第1モードを使用するに支障のない状態となっている。
第2モードを使用する状況として他には,トナー像がない状態での中間転写ベルト2の移動の継続が挙げられる。例えば,画像形成装置1で形成されることがある画像パターンの一例として,図3に示されるようなものがある。図3の例では,中間転写ベルト2の幅方向の一部に,画像パターン(帯部)21のない領域22が存在している。この画像の形成を継続して行えば,領域22の部分ではやがて発泡ローラー7上または中間転写ベルト2上のトナーが欠乏してくる。このため,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間の摩擦が大きくなり,必要なトルクが上昇してくる。このような場合にも,第2モードを使用することが望ましい。画像が変わって領域22のところにトナーが来るようになれば,再び第1モードに切り換えればよい。
このような,第2モードを選択すべき事象については,あらかじめ定めて回転駆動部8内に記憶しておけばよい。前述の「領域22」による第2モードの選択を行う場合は,領域22と見なす最少幅をあらかじめ定めておく必要がある。さらに,同じ領域が連続して領域22となっていることによる第2モード移行のための,領域22の最低長または最低継続時間をあらかじめ定めておけばよい。
あるいは,発泡ローラー7に掛かるトルクの上昇傾向を予測することによって,第2モードへの切り換えを行うようにしてもよい。例えば,中間転写ベルト2に接する回転部材のトルクの実測値により,トルクの上昇傾向を検知することができる。当該回転部材が中間転写ベルト2に対して一定の速度差で回転するように制御されている場合には,その駆動トルク値または駆動源への投入電力値を測定すればよい。当該回転部材とは,発泡ローラー7自体であってもよいし,導電性ブラシローラー61等,条件に合致する他の回転部材でもよい。これにより,発泡ローラー7の必要トルクの上昇傾向を検知することができる。
もしくは,中間転写ベルト2におけるフィルミングの発生そのものを検知することによってモードの切り換えを行うようにしてもよい。例えば,中間転写ベルト2上のトナーパターンを検知する光学式センサーを有する場合,このセンサーにより,フィルミングの発生を検知することができる。これによりフィルミングの発生が検知された場合に第モードへの切り換えを行うようにすることができる。ただし,この手法によりフィルミングの発生を検知できるのは,中間転写ベルト2の幅方向に対し,当該センサーによる検知対象位置となっている位置に限られる。反面,中間転写ベルト2の全幅中の当該検知対象位置のみにフィルミングが発生している場合でも検知できる。例えば,前述の図3中の領域22のような領域についても,その領域内にセンサーによる検知対象位置が存在すれば検知できる。これにより,幅方向全体としてのトルク値の大きな上昇に至らない程度の局所的なトナー不足でも検知できる。
さらには,画像形成部3におけるトナー像形成のカバレッジによって第2モードへの切り換えを行うようにしてもよい。カバレッジの低い,すなわちトナー像形成の印字率が低い領域がある場合には,中間転写ベルト2上における前述のトナー不足が生じるからである。特に,中間転写ベルト2の幅方向位置ごとにカバレッジを判断するようになっているとよい。このようにすることで,中間転写ベルト2における一部の幅方向位置にのみトナー不足が生じているような場合であっても検知できるという利点がある。例えば前述の領域22のような領域についても検知できる。具体的には,印字する画像データに基づくドットカウント値をカウントすること,特に中間転写ベルト2の幅方向の領域ごとにカウントすることで,この判断をすることができる。
また,第2モードから第1モードへの復帰に関しては,第2モードに移行してから第1モードに復帰するまでの画像形成枚数,あるいは中間転写ベルト2の走行距離をあらかじめ定めておけばよい。
ここで,第2モードにおける回転駆動部8による発泡ローラー7の駆動状態について補足する。第2モードでの発泡ローラー7の駆動状態として先に,自由回転を挙げた。しかしこれに限らず,回転駆動部8から発泡ローラー7へ微小なトルクを印加するようにしてもよい。要は,発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間の速度差が第1モードの場合よりも小さければよい。これには,中間転写ベルト2の移動速度に対して発泡ローラー7の周速度が,わずかに速い場合とわずかに遅い場合とがあるが,どちらでもよい。
第1モードにおける発泡ローラー7の駆動状態も,先に挙げた回転停止に限らない。発泡ローラー7と中間転写ベルト2との間の速度差が第2モードの場合よりも大きければよい。これには,発泡ローラー7の回転方向が,中間転写ベルト2の移動方向に対してカウンター方向の場合と順方向の場合とがあるが,どちらでもよい。なお,カウンター方向の場合の速度差とは,両者の速度の絶対値の和である。また,先に挙げた回転停止の場合でも,間欠的に少しずつ発泡ローラー7を回転させた方がよい。完全に停止させたままだと,発泡ローラー7における同じ箇所だけが中間転写ベルト2に接し続けることになるからである。
続いて,本発明の実機における試験結果を説明する。ここで試験機としては,コニカミノルタ社製bizhub PRESS C8000型機を用い,これの中間転写ベルトクリーナー部を改造して試験に供した。改造の内容は,図4の表中の「ローラ種」,「フィルミング除去R配置」,「回転状態」,および図5の表中の「判断部」の各欄に示すとおりである。
「ローラ種」の欄は,発泡ローラー7として使用したものの種類を示している。これには,「発泡1」,「発泡2」,「発泡3」,「発泡4」,「ブラシ1」,「ブラシ2」の全6種類があり,そのうちブラシ1,ブラシ2は比較例にのみ用いられるものである。これらの詳細を図7の表に示す。まず,発泡1〜4について説明する。これらの材料はいずれも,ポリエチレンである。発泡1〜3が連泡タイプ,発泡4が単泡タイプであり,いずれも発泡ポリエチレンである。さらにいずれも,黒鉛粉末の含有により導電性が付与されており,その抵抗率は「抵抗」の欄に示すとおりである。
発泡ローラー7としてのサイズは,「外径」,「芯金径」欄にいずれも直径値で示すとおりである。これらの欄における数値の単位は,ミリメートルである。「食い込み量」の欄に示すのは,先に説明した「R1−R2」の値である。密度は,表中に示したとおり,21〜40kg/m3 の範囲内にある。「硬さ」の欄に示すのは,発泡ローラー7として使用した発泡ポリエチレンの硬さを指標する数値である。ここでは,「JIS K 6400-2 D法」による測定値とした。具体的には,当該発泡ポリエチレンを50mm×380mm×380mmのサイズに切り出した試験片と,φ200mmサイズの加圧板とを用いた。この加圧板を試験片に対して垂直方向に,始めの厚さの75%ひずみ量まで押し込んだ後,直ちに押し込み荷重を解除し,再び直ちに押し込んで始めの厚さの25%ひずみ量とし,その状態で20秒間静止したときの荷重を読み取り,硬さの測定値とした。
続いて,図7中のブラシ1,ブラシ2の部分について述べる。これらは,発泡材ではなく,繊維状樹脂で構成されたブラシローラーである。材料はナイロンである。こちらも黒鉛粉末の含有により導電性が付与されており,その原糸抵抗率は「抵抗」の欄に示すとおりである。外径,芯金径,食い込み量に関しては,その意味は発泡1〜4の場合と同じである。ブラシの場合の「密度」とは,芯金の表面における面積当たりの植毛本数である。ここでは,平方インチ(1インチは25.4mm)当たりの本数(kFは千本のこと)で示している。「太さ」は,原糸の太さであり,ここではデニール(1デニールは0.11テックス)の値で示している。
図4に戻って,「フィルミング除去R配置」の欄は,フィルミングを除去するためのローラーの図1中における配置を示している。フィルミングを除去するためのローラーとは,図4中の「ローラ種」が発泡1〜4のいずれかであるものについては,発泡ローラー7のことである。ローラ種がブラシ1またはブラシ2であるものについては,発泡ローラー7の替わりのブラシローラー(ベルトクリーナー6の中の導電性ブラシローラー61ではない)のことである。この欄における「CL上流配置」とは,当該ローラーを,図1の場合と同じくベルトクリーナー6より上流側に配置したことを意味する。「CL下流配置」とは,当該ローラーを,図1の場合と異なりベルトクリーナー6より下流側(ただし画像形成部3よりは上流側)に配置したことを意味する。図4では,ローラ種が発泡1〜4のいずれかであるものはすべて,「CL上流配置」とされている。一方,ローラ種がブラシ1またはブラシ2であるものはいずれも,「CL下流配置」とされている。
「回転状態」の欄は,前述の第1モードおよび第2モードでの,発泡ローラー7(それに替わるブラシローラーの場合を含む,以下同じ)の回転状態を示す欄である。むろん,「第1状態」が第1モードでの回転状態であり,「第2状態」が第2モードでの回転状態である。ここには,「停止1」,「停止2」,「ウィズ○.○」,「カウンタ○.○」の4通りの状態があり,「ウィズ○.○」と「カウンタ○.○」についてはさらに,「○.○」の部分の数値に複数の水準がある。これらのそれぞれの意味は,次の通りである。
停止1:基本的に発泡ローラー7を停止させるが,規定の通紙枚数当たり1回ずつ,少し回転させて中間転写ベルト2への接触位置を変えていく回転状態である。ここでは,100枚通紙ごとにカウンタ方向に20度回転させることとした。
停止2:発泡ローラー7を完全に停止させ,発泡ローラー7における同じ位置を中間転写ベルト2に接触させ続ける回転状態である。
ウィズ:発泡ローラー7における,中間転写ベルト2への接触位置が,中間転写ベルト2の移動と同じ向きに移動する回転状態である。後ろの数値は,中間転写ベルト2の移動速度に対する,発泡ローラー7の表面の移動速度(周速度)の比を示す。この数値が1より大きい場合に,中間転写ベルト2の移動速度よりも発泡ローラー7の周速度の方が速いことを意味する。なお,速度比が1.0の場合でも,発泡ローラー7を中間転写ベルト2に単に従動させるのではなく,独自に回転駆動することとした。
カウンタ:発泡ローラー7における,中間転写ベルト2への接触位置が,中間転写ベルト2の移動と逆向きに移動する回転状態である。後ろの数値の意味は,ウィズの場合と同じであるが,負号を付けずに絶対値で示している。
従動:発泡ローラー7の回転軸を自由回転状態とし,中間転写ベルト2の移動による引きずりに委ねる回転状態である。
以上のうち,発泡ローラー7に掛かるストレスが最も大きいのは,「カウンタ」であり,「停止」,「ウィズ」,「従動」の順にストレスが小さくなる。また,「カウンタ」でも数値が大きいほどストレスが大きい。「ウィズ」では,数値が1に近いほどストレスが小さい。図4では,いずれの実施例でも,第1状態の方が第2状態と比較して,ストレスの大きい回転状態となっている。対して比較例では,第1状態と第2状態とで同じ回転状態とされているものがある(比較例4,5)。このような比較例では,第1モードと第2モードとの切り換えを行っていないといえる。
なお,第1モードが「停止1」または「停止2」である場合,第2モードから第1モードに切り替わった時にはその後に,中間転写ベルト2に対して画像形成部3によるトナーの供給を行うことが望ましい。発泡ローラー7に早期にトナーを補給するためである。特に停止の場合には,基本的に発泡ローラー7における同じ箇所が使用されるため,早期にトナーが補給されることが望ましいのである。またこのことにより,供給するトナーの量はさほど多量でなくてもよい。むろんこのトナー供給は,紙間,すなわち非画像形成時に行われる。
図5の「判断部」の欄は,第1モードと第2モードとの切り換えに関する詳細を示す欄である。「判断部」の欄の中にさらに,「トルク予測検知」,「駆動切断」,「部分補給」,「フィルミング検知 光学式センサ」の各欄がある。
「トルク予測検知」の欄は,第1モードから第2モードへの切り換えをいかなる情報に基づいて行ったかを示す欄である。ここにはさらに,「新品時予測」,「カバレッジ予測」,「別部トルク測定」の3つの欄がある。
「新品時予測」の欄は,新品検知による第1モードから第2モードへの切り換え制御を行うか否かを示す欄である。すなわち,この欄が「あり」になっている実施例および比較例では,回転駆動部8の制御機能に,中間転写ベルト2または発泡ローラー7が新品に交換されたことを検知すると,強制的に第1モードから第2モードへの切り換えを行う制御を入れている。前述のように,これらの部品の新品時には発泡ローラー7の駆動トルクが大きい傾向があるからである。つまり,中間転写ベルト2や発泡ローラー7の新品への交換は,摩擦が今後上昇することを示す事象なのである。これらの実施例および比較例では,その後200枚の画像形成を第2モードで行ってから第1モードに復帰することとした。
「カバレッジ予測」の欄は,画像形成部3での画像形成のカバレッジ情報に基づく第1モードから第2モードへの切り換え制御を行うか否かを示す欄である。すなわち,この欄が「あり」になっている実施例および比較例では,画像形成に供する画像データに基づくドットカウント値を,中間転写ベルト2の幅方向における決まった位置についてカウントするようになっている。すなわちこれらの実施例および比較例では,画像データに基づいて,中間転写ベルト2におけるトナー欠乏箇所の発生によるトルクの上昇を予測するのである。つまり,画像データにおけるドットカウント値が低いということは,摩擦が今後上昇することを示す事象なのである。
これらの実施例および比較例では具体的には,中間転写ベルト2の幅方向に分散して配置された11箇所のカウント点について,直近過去200枚分の画像におけるドットカウント値をカウントする。そしてこれらのカウント点のうち,過去200枚における平均カバレッジが,あらかじめ定めた値(1%とする)を下回っている箇所がある場合に,回転駆動部8が第1モードから第2モードへの切り換えを行う。当該箇所では,前述の領域22として説明したような,トナー不足によるトルク上昇が起こると考えられるからである。
これらの実施例および比較例では,上記のようにして第1モードから第2モードへ切り換えられた後も,直近過去200枚分の画像におけるドットカウント値のカウントが続行される。つまりドットカウント値が更新され続ける。そして,すべてのカウント点について平均カバレッジが前述の1%以上となった場合に,第1モードに復帰することとした。
「別部トルク測定」の欄は,中間転写ベルト2に接する回転部材であって発泡ローラー7以外の別のものにおけるトルクを実測することによる第1モードから第2モードへの切り換え制御を行うか否かを示す欄である。別の回転部材とはここでは,ベルトクリーナー6における2本の導電性ブラシローラー61のうちの下流側のものとした。
すなわち,この欄が「あり」になっている実施例および比較例(実際には実施例12のみ)では,導電性ブラシローラー61が定速回転制御されており,その下流側のものの駆動トルクが常時モニタリングされる。つまり,駆動トルクを実測することで,摩擦が今後上昇することを検知するのである。
トルクのモニタリングは,図8に示すように導電性ブラシローラー61とその駆動源66との間にトルクメーター65を設けてトルク値そのものを検知することで行ってもよいし,トルクメーター65を設ける代わりに駆動源へ66の投入電力をモニタリングすることで行ってもよい。ここでは後者の方式とした。このモニタリングされたトルク値が,ある閾値を超えている場合に,第1モードから第2モードへの切り換えを行う。その後,トルク値が当該閾値を下回った場合に,第1モードに復帰することとした。ここでの閾値は,次の2つの条件を満たすように定めた。
・中間転写ベルト2上のトナー不足が起きていない状態でのトルク値より大きいこと。
・中間転写ベルト2上のトナー不足が起きて上昇したトルク値よりは小さいこと。
「駆動切断」の欄は,第2モードにおいて,発泡ローラー7への駆動の伝達を切断する構成を採用したか否かを示す欄である。すなわち,この欄が「あり」になっている実施例および比較例(実際には実施例15のみ)では,図9に示すように,発泡ローラー7の回転駆動部8として,ブレーキ装置71とトルクリミッター72とを設けている。これにより,第1モードにおいては発泡ローラー7の回転状態を停止しつつ,トルク上昇時には発泡ローラー7がブレーキ装置71から切り離されるようになっている。ブレーキ装置71から切り離された発泡ローラー7は当然,中間転写ベルト2の移動に引きずられる従動状態となる。これがこの実施例における第2モードである。トルクが下がると,トルクリミッター72による駆動の切断が解除され,第1モードに復帰する。なお,トルクリミッター72での駆動切断の限界トルクは,前段落の末尾部分と同様に設定されている。
「部分補給」の欄は,第2モード移行後,すなわち中間転写ベルト2の表面がトナー不足の状態に陥っている時に,中間転写ベルト2上の当該トナー不足領域にトナーを補給する制御を行うか否かを示す欄である。すなわち,この欄が「あり」になっている実施例および比較例(実際には,「カバレッジ予測」が「あり」である実施例および比較例のうち実施例4を除くすべて)では,第2モード中の紙間にて,100%カバレッジのトナーパッチを長さ30cmにわたって形成してトナーを供給することとした。トナーパッチを形成する幅方向の領域は,平均カバレッジが前述の1%を下回ったと判断された箇所を含む領域である。
「フィルミング検知 光学式センサ」の欄は,光学式センサーによりフィルミングの発生そのものを検知する制御を行うか否かを示す欄である。すなわち,この欄が「あり」になっている実施例および比較例(実際には実施例13,14のみ)では,図10に示すように,画像形成部3より下流で二次転写ローラー5より上流の位置に,光学式センサー9を設けている。この光学式センサー9により,中間転写ベルト2の表面におけるフィルミングの発生そのものを検知するようにしている。
より詳細には,中間転写ベルト2の表面による反射光に含まれる特定の波長成分の光の強度により,フィルミングの発生の有無を判定するようにしている。照射光の波長成分が一定であっても,反射光のスペクトルは,フィルミングの発生の有無により異なるからである。具体的には,フィルミングがないときには反射強度が弱く,フィルミングの発生により強度が増してくる光の波長をあらかじめ把握しておく。この波長の光の強度が一定の閾値に達すると,フィルミングが発生したと判定するのである。あるいは逆に,フィルミングがないときにはある程度の反射強度があり,フィルミングの発生により減衰してくる光の波長をあらかじめ把握しておいて,この波長の光の強度が一定の閾値を割ったときに,フィルミングが発生したと判定することにしてもよい。
光学式センサー9によりフィルミングが発生していないと判定される場合には,第2モードを使用する。光学式センサー9によりフィルミングの発生が検知された場合には,第2モードから第1モードへの切り換えを行う。その後フィルミングが消失したと判定された場合には,第2モードに移行する。なお,光学式センサー9は,テストパターンにより色補正や重ね合わせ調整等を行うためのパターンセンサーを兼ねていてもよい。
なお,光学式センサー9によりフィルミングそのものを検知する代わりに,前述の「カバレッジ予測」で述べたドットカウント値によってフィルミングの発生を予測することもできる。ドットカウント値の低い領域にフィルミングが発生する傾向があるからである。これを用いて上記と同様の制御を行ってもよい。
図4には,以上の内容により特定される実施例1〜18と,比較のために示す比較例1〜5とが挙げられている。なお,比較例1〜5は,次の点で,本発明の範囲に属さないものである。
比較例1,2:フィルミングを除去するローラーとして,発泡ローラーでなくブラシローラーを用いている。また,比較例2ではその位置が,ベルトクリーナー6より下流である。
比較例3〜5:第1モードと第2モードとで,発泡ローラー7の回転状態が同じである。つまり,第1モードと第2モードとの切り替えを行っていない。
図6の表中には,「評価結果」の欄がある。これは,各実施例および各比較例についての試験結果を示す欄である。この「評価結果」の欄にはさらに,「破損」,「フィルミング」,「総合評価」の欄が設けられている。ここでの試験では,次の(1)〜(6)で規定される内容の耐久印刷試験を行った。
(1)形成する画像は,図3に示したものと,図11に示したものとの2通りとした。図3の画像では,帯部21でのカバレッジを100%とし,帯部21以外の領域22でのカバレッジを0%とした。図11の画像では,全面において,平均カバレッジが2%となるように,文字のサイズや線幅,文字間隔を調整した。また,図11の画像を形成するときには,紙間において,全幅にわたるカバレッジ5%のパッチを形成することとした。ここでいうパッチは,先に「部分補給」のところで説明したものとは別である。ただし,「部分補給」のところで説明したパッチ形成の条件と競合する場合には,「部分補給」の条件によるパッチ形成を優先した。これらの2種類の画像について,図3の画像を連続して800枚形成し,次いで図11の画像を連続して200枚形成することによる,計1000枚の画像形成を1サイクルとし,このサイクルを反復する耐久印刷を行った。
(2)上記の(1)で規定される内容により,計5万枚の連続印刷を行った。
(3)(2)の連続印刷の後,中間転写ベルト2を新品に交換した。
(4)(3)の後,図11の画像を500枚連続印刷した。
(5)(4)の連続印刷の後,発泡ローラー7(比較例1,2ではこれに替わるブラシローラー)を新品に交換した。
(6)(5)の後再び,図11の画像を500枚連続印刷した。
図6の「評価結果」欄中の「破損」の欄は,フィルミング除去のためのローラー,すなわち発泡ローラー7(比較例1,2ではこれに替わるブラシローラー)の破損状況についての評価結果を示す欄である。これにはさらに,「交換時破損」と「耐久時破損」との2つの欄がある。「交換時破損」は,中間転写ベルト2の交換時または発泡ローラー7の交換時,すなわち上記(4)または(6)の後で交換した使用済みの発泡ローラー7の破損状況についての評価結果を示す欄である。「耐久時破損」は,上記(2)の終了時の発泡ローラー7の破損状況についての評価結果を示す欄である。
評価はいずれも,目視観察と,拡大鏡での観察とを併用して行った。拡大鏡としては,キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX-500F型機を使用した。評価基準は,以下の通りとした。
○3:破損が全く見られない。
○2:ほとんど破損がないと言えるが,子細に観察すれば破損の存在が認識される。
○ :ある程度破損があるが,品質上問題とならない程度である。
× :品質上問題となる程度の目立つ破損がある。
「評価結果」欄中の「フィルミング」の欄は,耐久印刷後における中間転写ベルト2の表面上におけるフィルミングの発生状況の評価結果を示す欄である。この評価は,(3)で交換した使用済みの中間転写ベルト2の表面を目視で観察して,高カバレッジ領域と低カバレッジ領域との差異を見ることで行った。高カバレッジ領域とは,図3の画像における帯部21に相当する領域である。低カバレッジ領域とは,領域22に相当する領域である。評価基準は,以下の通りとした。
○3:両領域間で差異が全く見られない。
○2:ほとんど差異がないと言えるが,子細に観察すればわずかながら差異が認識される。
○ :ある程度差異が認められるが,軽微といえる程度である。
× :両領域間に明白といえる程度の目立つ差異がある。
「評価結果」欄中の「総合評価」の欄は,上記の各評価結果を総合した評価結果である。評価基準は,以下の通りとした。
○ :上記各評価のすべてにおいて,○以上の評価結果である。
× :上記各評価の1つでも×の評価結果がある。
この総合評価の評価結果によれば,実施例1〜18のいずれでも○の評価となっており,一方,比較例1〜5はいずれも×の評価となっている。その直接的な理由は,比較例1〜5ではいずれも「フィルミング」の評価結果が×であることである。つまり比較例1〜5ではいずれも,中間転写ベルト2に明白にフィルミングが発生したのである。比較例1〜5がこのような結果となった理由について,次の(a)〜(c)のようなことが考えられる。
(a)比較例1,2においては,フィルミング除去用ローラーとして,発泡ローラー7ではなくブラシローラーを用いていることが原因と考えられる。ブラシローラーはそもそも発泡ローラーよりもフィルミング除去能力が低いと考えられるからである。また,比較例2においては,フィルミング除去用ローラーであるブラシローラーの位置がベルトクリーナー6より下流であることも一因であると考えられる。この位置では,中間転写ベルト2上に残留トナーがほとんどなく,フィルミング除去用ローラーの機能を十分発揮できないと考えられるからである。
(b)比較例3,4では,フィルミング除去用ローラーとして発泡ローラー7を用い,しかもそれをベルトクリーナー6より上流側に配置している。にもかかわらず結果が悪かったのは,発泡ローラー7の破損が生じたためと考えられる。比較例3,4では,第1モードと第2モードとで,発泡ローラー7の回転状態を切り換えることをせず,常時,発泡ローラー7にストレスが掛かる回転状態を続けている。このため,特にトナー不足領域の生じる図3の画像の形成時に,発泡ローラー7の劣化が急速に進行し,破損に至ったものと考えられる。このため,発泡ローラー7の破損後は当然,フィルミング除去能力がなくなり,フィルミングの発生に至ったものと考えられる。
(c)比較例5では,フィルミング除去用ローラーとして発泡ローラー7を用い,しかもそれをベルトクリーナー6より上流側に配置している。さらに,発泡ローラー7の破損も生じていない。にもかかわらず結果が悪かったのは,発泡ローラー7の回転状態が常時ウィズ回転であったためと考えられる。すなわち比較例5では,第1モードと第2モードとで発泡ローラー7の回転状態を切り換えることをしないという点で比較例3,4と共通する。しかし比較例3,4とは逆に,常時,発泡ローラー7にストレスが掛からない回転状態を続けているのである。このような回転状態では,発泡ローラー7の破損こそないものの,フィルミング除去能力を十分に発揮することもできないと考えられる。
これに対し,実施例1〜18のいずれでも結果がよかった理由は,フィルミング除去用ローラーとして発泡ローラー7を用い,しかもそれをベルトクリーナー6より上流側に配置し,さらに,第1モードと第2モードとで発泡ローラー7の回転状態を切り換えているためと考えられる。すなわち,フィルミング除去能力の高い発泡ローラー7を,中間転写ベルト2上に残留トナーがある位置に配置するとともに,通常時は,フィルミング除去能力を十分に発揮できる回転状態とするようにしているのである。そして,発泡ローラー7に掛かるストレスが特に上昇する特定の条件下では回転状態を切り換えてストレスを緩和し,破損を防止しているのである。
さらに,実施例1〜18の個々について,次のようなことがいえる。
(d)実施例1〜13,16〜18では,図5中の「トルク予測検知」の3つの欄の少なくとも1つが,「あり」になっている。これらの実施例でいずれも結果がよかったことから,発泡ローラー7の回転トルクの上昇を検知ないしは予測して第1モードと第2モードとの切り替えを行うことが有益であることが分かる。特に,第1モードと第2モードとの切り替えを行わない比較例3〜5との比較において,この効果が顕著であるといえる。
(e)実施例14では,「フィルミング検知 光学式センサ」の欄が,「あり」になっている。この実施例で結果がよかったことから,フィルミング自体の検知結果に基づいて第1モードと第2モードとの切り替えを行うことが有益であることが分かる。特に,第1モードと第2モードとの切り替えを行わず発泡ローラー7に負荷を掛け続ける比較例3,4との比較において,この効果が顕著であるといえる。
(f)実施例13では,トルク予測検知とフィルミング自体の検知をともに行っている。これを,フィルミング自体の検知を行わない実施例6と比較すると,もちろん実施例6でも好結果となっているが,発泡ローラー7の「耐久時破損」の評価結果が,「○2」から「○3」へとさらに向上している。このことも,フィルミング自体の検知が有益であることを示している。
(g)実施例16では,第1モードでの回転状態を「停止1」としている。これを,第1モードでの回転状態をカウンタとし,他の条件は同じである実施例17,18と比較すると,ほぼ同じ良好な評価結果となっている。子細に見ると,「フィルミング」の評価結果が「○2」から「○3」とむしろ向上している。これより,第1モードでの回転状態は,もちろんカウンタでもよいが,停止でも十分であることが分かる。
(h)実施例1では,「新品時予測」と「カバレッジ予測」とがともに「あり」になっている。これを,これらのうち「カバレッジ予測」のみが「あり」で他の条件は同じである実施例11と比較すると,もちろん実施例11でも好結果となっているが,発泡ローラー7の破損状況の評価結果にてさらなる向上が認められる。これは,中間転写ベルト2の交換タイミングでの第2モードへの切り替えの効果が大きいことを示している。中間転写ベルト2の交換直後に発泡ローラー7に掛かる負荷が大きいからである。
(i)一方,実施例1を,「新品時予測」と「カバレッジ予測」とのうち「新品時予測」のみが「あり」で他の条件は同じである実施例10と比較すると,もちろん実施例10でも好結果となっているが,発泡ローラー7の破損状況の評価結果にてさらなる向上が認められる。これは,中間転写ベルト2の部分的なトナー枯渇状態での第2モードへの切り替えの効果が大きいことを示している。中間転写ベルト2のトナー枯渇状態で発泡ローラー7に掛かる負荷が大きいからである。
(j)実施例1ではまた,「部分補給」が「あり」になっている。これを,「部分補給」がなく他の条件は同じである実施例4と比較すると,もちろん実施例4でも好結果となっているが,フィルミングの発生状況の評価結果にて「○」から「○2」への向上が見られる。これは,「部分補給」の実行により,トナーの部分的な欠乏状態を早期に解消したことによる効果であると考えられる。トナーを早期に補給することで,フィルミング除去機能のある第1モードへの復帰が早まったと考えられるからである。
(k)実施例12では,「トルク予測検知」を,「別部トルク測定」のみで行い,それでも好結果を得ている。これを,「別部トルク測定」を行わず他の予測制御も別段行わない比較例3と比較すると,顕著な向上であることが分かる。これより,「別部トルク測定」により,他の複雑な制御を組まなくても,中間転写ベルト2の状態を把握して適切なモード切替ができることを示している。むろん,他の種々の制御と組合わせることを妨げるものではない。
(l)実施例15では,「駆動切断」が「あり」になっている。これにより,「トルク予測検知」の制御をいずれも行っていないにもかかわらず好結果を得ている。これを,「駆動切断」を行わず他の予測制御も別段行わない比較例3と比較すると,顕著な向上であることが分かる。これより,トルクリミッターの導入により,他の複雑な制御を組まなくても,中間転写ベルト2の状態に応じた適切なモード切替ができることを示している。むろん,他の種々の制御と組合わせることを妨げるものではない。
(m)実施例16では,「発泡4」となっている。すなわち,単泡タイプの発泡ポリエチレンによる発泡ローラー7を使用する実施例である(図7)。これを連泡タイプの発泡ローラー7(発泡1〜3)を使用し,他の条件は同じである実施例1〜3と比較すると,ほぼ同じく良好な評価結果となっており,「フィルミング」の評価結果では凌駕している。これより,発泡ローラー7の材質が単泡タイプであることにより,よりすぐれたフィルミング除去性能を実現しているといえる。単泡タイプの発泡ローラー7では,中間転写ベルト2と発泡ローラー7との間にトナー溜まりができやすく,フィルミング除去機能に関して有利と考えられる。
以上詳細に説明したように本実施の形態によれば,中間転写ベルト2におけるベルトクリーナー6より上流側の位置に,フィルミング除去用ローラーとして発泡ローラー7を配置している。そして通常時は,発泡ローラー7の回転状態を,フィルミング除去能力が十分に発揮される回転状態とするようにする一方で,発泡ローラー7に掛かるストレスが特に上昇する特定の条件下では,回転状態を切り換えてストレスを緩和することとしている。これにより,発泡ローラー7の破損を防止しつつ,中間転写ベルト2におけるフィルミングの発生を効果的に防止するようにした画像形成装置が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば本発明は,図1に示したタンデム型カラー画像形成装置に限らず,中間転写ベルトを備える構成であればモノクロ画像形成装置にも適用可能である。また,ベルトクリーナー6の構成は,図1中に示されたものに限られない。導電性ブラシローラー61が1本だけのものでもよいし,回転方向も説明したものと違ってもよい。ブラシローラーに替えてソリッドローラーや発泡ローラー,ブレード部材を用いるものでもよい。ただし,ブレード部材の場合,トルク実測のための他のローラーとしての役割は果たせない。
発泡ローラー7についても,基材樹脂の種類は,図7中に挙げたものには限定されない。さらに,第1モードと第2モードとの違いについては,実施の形態中で説明したものの他,食い込み量(R1−R2)を変更するものであってもよい。すなわち,第2モードにおける食い込み量を,第1モードにおける食い込み量より少なくするのである。あるいは,第2モードにおいては発泡ローラー7を中間転写ベルト2から完全に離間させてしまう,というものであってもよい。
また,中間転写ベルトがゴムベルトであることは必須ではない。ただし,中間転写ベルトが樹脂ベルトである場合よりも,ゴムベルトである場合の方が,本発明を適用する意義が大きい。ゴムベルトは表面に弾性層を有し,感光体等のローラー類との接触面積が大きい傾向があるからである。このことにより,樹脂ベルトよりフィルミングが生じやすいからである。また,発泡ローラー7の回転状態のモードは,2つだけに限定されるものではない。トルクの状況に応じて3水準以上のモードを使い分けることとしてもよい。
1 画像形成装置
2 中間転写ベルト
3 画像形成部
5 二次転写ローラー(二次転写部)
6 ベルトクリーナー
61 導電性ブラシローラー(他のローラー)
7 発泡ローラー
71 ブレーキ装置
72 トルクリミッター
8 回転駆動部(ローラー回転駆動部,摩擦上昇事象検知部)
80 制御部(トナー供給制御部)
9 光学式センサー(フィルミング検知部)

Claims (14)

  1. トナー像を担持して周方向に循環移動する環状の帯状部材である中間転写ベルトと,トナー像を作成してそのトナー像を前記中間転写ベルトに転写により付与する画像形成部と,前記中間転写ベルトから外部出力媒体にトナー像を転写する二次転写部とを有する画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトにおける,前記二次転写部の位置より下流で前記画像形成部の位置より上流の位置に設けられ,前記中間転写ベルトのトナー像担持面をクリーニングするベルトクリーナーと,
    前記中間転写ベルトにおける,前記二次転写部の位置より下流で前記ベルトクリーナーの位置より上流の位置に設けられ,前記中間転写ベルトのトナー像担持面に圧接された,発泡部材で構成された回転部材である発泡ローラーと,
    前記発泡ローラーの回転状態を,トルクの異なる少なくとも2通りのモード間で切り換えるローラー回転駆動部とを有し,
    前記ローラー回転駆動部は,
    前記中間転写ベルトと前記発泡ローラーとの間の摩擦が強い状況では,前記発泡ローラーへの駆動トルクが弱い弱トルクモードとし,
    前記中間転写ベルトと前記発泡ローラーとの間の摩擦が弱い状況では,前記発泡ローラーへの駆動トルクが強い強トルクモードとするものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトと前記発泡ローラーとの間の摩擦があらかじめ定めた程度より強い状況であるか弱い状況であるかを判定する摩擦判定部を有し,
    前記ローラー回転駆動部は,前記摩擦判定部の判定により,前記弱トルクモードと前記強トルクモードとの切り替えを行うものであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトと前記発泡ローラーとの間の摩擦が今後上昇することを示す,あらかじめ定められた摩擦上昇事象の発生を検知する摩擦上昇事象検知部を有し,
    前記摩擦判定部は,
    通常時には摩擦が弱い状況であると判定しつつ,
    前記摩擦上昇事象検知部が前記摩擦上昇事象を検知したときに,摩擦が強い状況であるとの判定に切り換えるものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において,前記摩擦上昇事象検知部は,
    前記中間転写ベルトまたは前記発泡ローラーの交換がなされると,前記摩擦上昇事象を検知したと判定するものであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の画像形成装置において,前記摩擦上昇事象検知部は,
    前記画像形成部での画像形成に供する画像データに基づく,前記中間転写ベルトの幅方向の領域ごとのドットカウント値が,あらかじめ定めた基準値以下である領域があると,前記摩擦上昇事象を検知したと判定するものであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において,前記摩擦上昇事象検知部は,
    前記ドットカウント値に基づき前記摩擦上昇事象を検知したと判定すると,前記中間転写ベルトにおける少なくとも前記検知に係る領域について,非画像形成時に前記画像形成部によるトナーの供給を行わせるものであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項3から請求項6までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトに接触しつつ回転する,前記発泡ローラー以外のローラーおよびその駆動部を有し,
    前記摩擦上昇事象検知部は,前記発泡ローラー以外のローラーの駆動トルクを指標する値の上昇があると,前記摩擦上昇事象を検知したと判定するものであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトのトナー像担持面におけるフィルミングの発生を示すフィルミング事象を検知するフィルミング検知部を有し,
    前記ローラー回転駆動部は,
    前記フィルミング検知部が前記フィルミング事象を検知していないときには前記弱トルクモードとし,
    前記フィルミング検知部が前記フィルミング事象を検知したときには前記強トルクモードとするものであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトに対して照射された光の反射光を検出する光学式センサーを有し, 前記フィルミング検知部は,前記光学式センサーの検出結果に基づいてフィルミング現象を検知するものであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,前記ローラー回転駆動部は,前記発泡ローラーを,
    前記弱トルクモードでは前記中間転写ベルトの循環移動に対してウィズ回転させ,
    前記強トルクモードでは停止させるものであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置において,
    前記ローラー回転駆動部で前記強トルクモードから前記弱トルクモードへの切り替えが行われたときに,前記中間転写ベルトに対して,非画像形成時に前記画像形成部によるトナーの供給を行わせるトナー供給制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1から請求項9までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,前記ローラー回転駆動部は,
    前記発泡ローラーへの駆動トルクが規定値以上となったときに前記発泡ローラーへの駆動の伝達を遮断するトルクリミッターを有し,
    前記強トルクモードでは前記発泡ローラーを定速回転させるとともに,
    前記弱トルクモードでは前記トルクリミッターの作動により,前記発泡ローラーを前記中間転写ベルトの循環移動に従動回転させるものであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトは,少なくともトナー像担持面側が弾性層であるゴムベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記発泡ローラーは,単泡構造の発泡部材で構成されたものであることを特徴とする画像形成装置。
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